2013年2月14日木曜日

豆チョコ

バレンタイン・デイでした。いやいや、もうこういうことに関しては、ほとんど世捨て人同然。朝の時点で、テレビでは変り種チョコレートの話題をやっていたにもかかわらず、そろそろそういう季節なんだくらいの認識しかありませんでした。

でもって、いざ頂き物をもらって「そうか、今日がその日だったか」と初めて気がつくという、まぁずいぶんと情けないところ。そんな渡し甲斐のない奴にもかかわらず、今年は二人の方から頂きました。



とにもかくにも、ありがとうございます。こちらは、まめや 金澤 萬久 のまめ箱にはいった一品。なかなか味のある豆の形の紙箱にはいっていて、大豆にチョコレートをコーティングしたもの。

これだけ、テレビとかでもいろいろな珍しいものを紹介しているのに、まだまだいろいろな風情のある品があるものですね。ピーナッツはよくありますが、大豆というのは食べた事がありません。

これがけっこういけるんですね。節分でもこれを使えば、年の数だけ食べるのも苦じゃないのにと思ったりして。

2013年2月13日水曜日

復旧作業中

どうも今年は雪の予報に振り回されている感じでして、今朝も未明に確かに少しだけ降っていたことは間違いありません。朝には雨になり、通勤通学の時間帯には晴れ間になっていました。

雪の予報が出ると、クリニックに来る方々が「じゃあ、今日のうちに」ということで考えるので、昨日は激混み。そして、その反動で今日は激ヒマということで、なんとも毎日上がり下がりの大きいことになります。

さて、先週のレントゲン写真のサーバー・トラブルはまだまだ尾を引いていて、まだまだいろいろと作業中です。

新しいNASを設置して、すでに新たな撮影した画像はそこに保存しているわけですが、今回の反省でその中身をしっかりと自分で確認できる方法が欲しい。とりあえず、引退同然の古いパソコンを設置して、LANを経由して認識することができました。

ここから外付けのHDDへ確実なバックアップができることを確認できたので、一安心です。ただ、容量的にはどんどん肥大して行くので、どのようにバックアップをするかが問題。ソフトで自動は楽ですが、今回のように「そのつもり」だけで、実は稼動していないなんてこともありうるし。

レントゲン撮影したパネルから電子信号として画像を読み出す装置本体にかなりの画像がたまっているので、これで診療はこなせるのですが、ここからサーバーに画像を送り出すのが・・・なんと、一枚一枚の画像を受動でしか再送出できない。

これは愕然としました。本体のストレージは満タン状態ですから、毎日撮影した分、古いものから消えていく 。ですから、とにかく大変でも毎日すこしずつでも、古いものから手動で作業しないとしょうがない。

数日前にメーカーの保守に頼んで、中身のソフトウェアをアップデートしてもらい、何とか一度に送出する形を今日できました・・・というか、今晩夜通しやっているはずです。なにしろ何千枚もの画像データなので、半日近くかかるんではないでしょうか。

もう一つ忘れてはいけないのが、他院からの画像の保管。いままで、電子データでもらったものは、IDを当院のものに変えて、同じサーバーに保管していたのです。このCDだけでも、バカにならない量なんです。ざっと見ただけでも、数百枚のCDがあり、これを一枚一枚入れては保存しなおすしかありません。

まだまだやる事は山ほどあるんですが、とりあえず明日からは患者さんのたびに前の写真を送り出すだすことはしなくてもよくなるだけでも、だいぶ前進ということになりますね。

2013年2月12日火曜日

キャシー先生

何故か最近クリニックでブーム(?)なのが「キャシー先生」のこと。

キャシー先生といっても、医者ではありません。キルティングの先生。しかも、ハワイアン・キルトの日本における第一人者として有名。

ひょんなことから、キルトで作られたタペストリーを入手しました。しかも、先生ご本人の直筆サイン入りです。クリニックの壁に飾らさせていただきました。

もとのグラデュエーション染めも見事ですが、それをいかしてキルティングの模様の造詣は素晴らしいものです。

ちなみにキャシー先生は、昭和の人間には誰でも知っているお馴染みの方


2013年2月11日月曜日

完全休養日

今日は建国記念日。祝日。

と、いうことは・・・クリニックは休診。バイトの当直もなし。家のこともほとんどすることなく、完全な休養ということにさせてもらいました。

先週は、いろいろあったクリニックのトラブルの影響でだいぶ疲れがたまって、自分としては珍しくイライラ気味。

一日中、のんびりしてだいぶ生き返ってきました。そんなわけで、ブログも短め。さぁ、明日からまたがんばるぞっ、というところです。

2013年2月10日日曜日

東急嶮山再開発

長らく横浜市青葉区のこの地域で唯一のランドマークであった剣山スポーツガーデンが、去年広大な敷地の中で整理・統合・移転して、ものすごい広さの空き地ができました。

地元民としては、何ができるのか楽しみと言えば楽しみ。物によっては不安。なんとも複雑なところです。とりあえず、看板がたったのでわかったところでは、ユニディというホームセンターができることははっきりしました。

もちろん、いくら巨大な店舗としても有り余る面積の空き地ですから、それだけではありません。あとは、東急が独自でショッピングモールを作るようです。

噂では、大きな電気店が入るとか・・・と言ったら、今時Y電機くらいしか思いつきません。ただし、すでに青葉区内には、国道沿いにすでに2店舗ありますからどうなんでしょうか。

スポーツガーデンとの連動で、スパ施設や、今まで無かったスポーツジムなんかも登場する(港北ニュータウンのminamoみたいな)ことも予想されます。

いずれにしても、様々なお店が入るような巨大なものができるはずで、その結果として・・・車の渋滞が発生することは間違いない。国道からは数キロ離れていて、住宅街のちょっと広い道という程度の道路事情ですから、これが一番心配。

さらに、 噂ですけど、ちょっと離れたところにすすき野東急という、主としてスーパーですけど、これが無くなるらしい。そりゃ、ほんの1キロ程度のところに、これだけの施設を作るなら整理するのは当たり前。

すすき野はずっとこの地域の商業地として、かろうじて栄えている場所ですが、東急が無くなると一気にひなびてしまいそうで心配です。

一番端っこにはコンビニがいち早くできるのですが、何にしてもこういう巨大施設は便利ですが、地元民としては心配の方が多いもんなんですね。

2013年2月9日土曜日

告発

日本の社会的な問題で、最近特に議論されているのが体罰について。高校生が体罰を理由に自殺したとされたのがきっかけで、オリンピック女子柔道の選手たちが監督の体罰を告発して注目されています。

女子柔道選手たちの問題は、なかなか組織内で訴えても改善がないということでしょうか。ついにオリンピック委員会に駆け込み、さらにメディアを通じて公のものとなりました。

その結果、監督や柔道連盟役員を辞任に追い込み、社会的な制裁を加える事になりました。しかし、代理人の弁護士を通じて、柔道界の体質改善を求める趣旨の会見を行い。形の上では、追及の手を緩めていません。

これに対して、各界のいわゆる知識人からは問題を提起した15名の女子柔道選手の氏名の公表に対して様々な意見が出始めています。

もともと選手たちが、どの程度の変化を期待していたのか、監督や役員の辞任という現在の結果についてどう考えているのか。 そのあたりがまったく見えてこない以上、現状では選手たちは表にでるべきという意見に自分は賛成します。

おそらくほとんどの選手たちはもうこどもではありませんから、柔道界全体の改革につながる運動までエスカレートさせるのであれば、相応の社会的責任を分担する義務があると考えます。このことは、すでに国際的な問題にまで発展しつつあり、場合によってはスポーツ全体のあり方にまで波及するかもしれません。

選手たちが今後も、今回の問題の影響なくスポーツをするための担保が保証されていないという理由で氏名公表を否定的に考える意見もありますが、自分としては公表されたからといって、その選手たちを否定的にみるつもりはありません。

むしろ、今回のことを起こした勇気を評価してさらにがんばってもらいたいと応援したい気持ちがあります。むしろ、このまま陰に隠れたまま・・・つまり匿名での状態のままでは、一方的でフェアではない。監督の「体罰」が、暴力だったのか通常の指導の範囲だったのかすら疑念が生じかねません。

内部告発全般に言える問題なのでしょうが、突き詰めていくとどんどん難しくなっていきます。告発することは相当の勇気がいることでしょぅし、告発した事で不利益を被る可能性があることは否定できません。

今回の女子柔道問題で、周りがどのように選手たちに対応するのか、そして柔道界内部がどのように受け止め行動するのかが、今後スポーツにとどまらず様々な社会における告発に対しての見本となるような結果に収束することを期待したいと思います。

2013年2月8日金曜日

トラブル

クリニックの院長というのも、いやいやなかなかどうして大変なんです。自分で好きでやっていて、何言っていると怒られてしまうかもしれませんが、実際そうなんだから時々ぼやきたくなるんです。

この何年か勤務医は大変で、開業医は儲けて楽しているみたいにいわれ続けていますが、自分もそういう勤務医を長年続けてきたわけで・・・まぁ、そのあたりを言ってもしょうがないのですが。

今日は何をぼやきたいかというと、クリニックを円滑に運営していくための道具の話。もともと、電脳クリニックを目指してコンピュータを利用できるところは、可能な限り導入してペーパーレスを目指していました。

ただし医療は相手が人間、究極のアナログマシーンですから、完全デジタル化は不可能であるという前提は厳然たるものとして存在しています。そこを忘れると、機械に使われる情けないことになってしまう。

その情けない状態が連続的に起こって、もう心的ストレスが溜まりに溜まってしまいました。毎日の忙しさの中で、機械は必ず壊れるという大原則を忘れていた自分が悪いんですけどね。だいたい丸7年をすぎて、当然壊れて当たり前みたいなところ。

まず2週間前に、診察券を印刷する特殊なプリンターが故障。カードを送るローラーがだめで、印刷するときにインクリボンを巻き込んでしまい、消耗的な故障です。急遽手書きで対応するようにしましたが、スタッフの意見も考えて今後はカードを作り直して手書きでいくことにしました。

なにしろプリンターだけでも、数十万円。またクリック一つで印刷されるのはいいのですが、簡単すぎてミスプリントの発生もバカにならない。今使用しているカードが残り少ないし、多くのクリニックが手書きであるということで思い切って決断したわけです。

先週は、受付で領収書や処方箋を印刷しているレーザープリンターが故障。トナーを変えてもだめ。ドラムをかえてもだめ。実はこういうときのために、まったくの新品用意しているんです。

さっそく機械を入れ替えて、電子カルテ会社に連絡してリモートメンテナンスに緊急で入ってもらい設定を調整して復活しました。この間、何人かの患者さんには手書きで対応してことなきをえました。

レザープリンターの本体は15000円程度。トナーとドラムで2万円超えるんですから、新品買ったほうが安いというわけで、用意しておいてよかったわぁ~。またいざという時の手書き対応もなんとかうまくこなせてよかったけど、その間はかなりのストレスでした。

そしてきわめつけは、今週はじめにレントゲン画像を保存するためのサーバートラブルが発生しました。これもこの手のものとしては破格の安い機械を導入していたんですが、故障したのが任意に取り付けるNASの部分だったので、メーカー対応外。

とりあえず予備のNASと交換して、電話で設定の仕方をおしえてもらい何とかしようできるようになるまで数十分。これは直接診療をストップさせるもので、一番あせりまくったわけです。

そこから続いているのが、今までにとりためた画像の復旧。本体からの再度の送り出し、バックアップからの抽出などをやっているのですが、なにしろ一枚一枚手作業的なやり方しかないので、もう気が遠くなるし手は痛くなってくる。

さらに故障したNASの復旧も試みているのですが、これがまた簡単にはいかないわけで、もう涙涙の数日を過ごしているんです。さすがに、自分でメンテナンスするような方式には限界を感じるわけで、お金がかかってもこういうことは楽をしたいと思うようになりました。

そんなわけで、クリニックの院長というのも、いやいやなかなかどうして大変なんです、というわけでした。

2013年2月7日木曜日

骨粗しょう症とロコモティブ・シンドローム

今日はケアプラザで、介護事業に関係する方々向けの講演を行ってきました。ケアプラザというのは、横浜市社会福祉協議会が運営する介護の拠点で、2007年から協力医という形でちょっとだけお手伝いをしています。

毎年必ず一度はこういう講演を行っていますが、今回は「骨粗しょう症の最新の治療」について解説してほしいというテーマをいただきました。

いつも、関節リウマチについては21世紀になって、どんどん進化が続き勉強するのが大変と書いていますが、もちろん骨粗しょう症についても、それなりに変化があるんです。

数年前までは、骨粗しょう症というのは骨密度の低下という概念でよかったのですが、今は違います。最新の定義は「骨密度と骨質の異常により骨強度が低下して、骨折の危険が増した状態」となっています。

近年、硬い骨の網目の間をつないでいるコラーゲンが注目され、建物で言えば鉄骨だけではなく、間を埋めているコンクリートにも注目しようということです。

治療についても、副甲状腺ホルモン剤という、積極的に骨形成を促進できる薬が使われるようになって、より強力に骨粗しょう症を改善することが可能になりました。ただし、自分で注射をするタイプなので、誰にでも簡単に処方するわけにはいきません。

日本では整形外科学会が推進しているのが、「ロコモティブシンドローム」という概念。骨粗しょう症を中心に、加齢と共に体の機能が低下してだんだん日常生活の能力が低下してくる運動器の状態の総称です。

寝たきり状態になって、どんどん機能が落ちていく状態は「廃用症候群」という言葉が以前から使われていました。ロコモティブは寝たきりになる前の段階についての考え方で、これは高齢化社会になり、より元気な状態を保つ事か重要視されていることが基本にあります。

ロコモティブ・シンドロームの範疇に入らない状態は、屋内でつまづかない、手すり無しで階段を上がれる、15分以上続けて歩ける、横断歩道を無理なく渡れる、片足立ちで靴下を履ける、2キロの重さの買い物ができる、掃除機の使用や布団の上げ下ろしができる、といった項目でチェックします。

メタボリック・シンドロームも同様ですが、21世紀になって医学会は「病気の予防」ということにも注目するようになったわけですが、これは医療費の増大にたいしての社会的な要請ということが大きい。

病気そのものの治療よりも、病気を予防して減らす事が、医療にかかる費用を抑制できるということだと理解していますが、高齢化に対して病的状態が増える事は避けられないわけで、こういう予防概念を導入することで実質的に医療費の増加傾向に歯止めがかかるのかはまだまだわかりません。

いずれにしても、寝たきりで長生きをしてもしょうがないわけで、普通に生活ができる健康寿命を延ばすことが大変重要です。一人一人が、健康寿命の延長に向けて意識するところから始めたいものです。

2013年2月6日水曜日

空騒ぎ

昨日から、夜から大雪になりますみたいな天気予報がどんどん出てくるもんで、今朝はけっこうびびりながら起床しました。

だいたいテレビとかのニュースなどでも、さんざん盛り上げてくれました。クリニックのスタッフが来れなかったらどうしようかと、あーだこーだといろいろ対策を考えたりしていたわけです。

自宅の付近では、5時台は雨で、6時台からちらほらと雪になり始め、出かける頃にはうっすらと雪が積もり始めました。まぁ、太い道についてはこのくらいは問題ないレベルと思ったのですが、家の周囲は道がシャーベット状態で、けっこう危険。

このまま、どうせ降り続けるならばと、チェーンを装着したわけです。でも、やっぱり少し走って、車の通りが多い道では必要ありません。

しばらく走っていると、通学途中の小学生が、自分の車の下を指差して笑ってるんです。こいつら、雪の怖さをしらないな。安全のために慎重になる事をバカにしちゃいかんと思いつつ、ぐっとがまんしてクリニックに到着。

午前中は、多少の「らしさ」はあったものの、昼までには完全に雨。道にもまったくそれらしいところはなし。天気の予報をした人を責めるつもりはありませんが、今年は1月14日の初雪が予想できずに影響が大きかっただけに、ややトラウマ気味になっているのかも。

とりあえず、タイヤ・チェーンの装着に10分、取り外すのに5分。年に数回のことですから、練習をしたと思えば・・・まぁいいか。

2013年2月5日火曜日

リウマチ薬の全例登録

日本の医薬品の歴史で、特異的だったのが関節リウマチ治療薬として1999年に登場したリウマトレックスという薬。

通常の医薬品は、動物実験 → 健康な人への投与 → 実際の病気の人への投与という3段階の治験を行った上で、厚労省に認可申請され半年から1年くらいかけて効果と安全性を審査された上市販されます。

 それまでは、市販されると医師は一定の用量・用法の中で自由に使えるわけで、特に使用に際して特別な制限はありませんでした。

リウマトレックスはもともと抗がん剤として使用していたメソトレキサートという成分で、当然副作用については深刻な物が出てしまう可能性があり、誰もが勝手に使える状態は大変に心配されたのです。

そこで、製薬会社は必ず製品説明を行い「確かに説明を聞きましたよ」という内容の書面に医師の署名を求めたのです。これは画期的なことで、ある意味副作用のような問題は使った医師の側に相応のリスク分担を求めたということでしょうか。

次に登場した2003年のレミケードという本邦初の生物学的製剤では、署名だけではなくさらにリウマチを専門的に扱っている医療機関に限定し、その上使用する患者をすべて登録して効果・副作用をしっかりと調査することになりました。

市販後にもかかわらず、ほとんど治験の続きとも言える扱いに、医師は最初は戸惑いました。しかし、現実の治療の中では治験だけではわからないデータがいろいろ出てくるにしたがって、このような全例登録というシステムが、安全に薬を使っていく上で大変役に立つことがわかったのです。

 続いて2005年に登場したエンブレルでは、使用は専門医に限るという制約まで追加され、より厳しい条件が付加されたのです。その後に登場する、ヒュミラ、アクテムラ、オレンシアという生物学的製剤についても同様の扱いがされ、ある意味医師・患者双方にとって安全の担保となったわけです。

ところが、昨年登場したシンポニー、そして今春発売されるシムジアという生物学的製剤については厚労省からの全例登録の義務が課せられていません。これはどういうことでしょぅか。

実際には、製薬会社が独自の判断で登録制度を運用することになっています。ただし、公的な義務がないことですから、より緩いシステムになることは避けられません。

関節リウマチ治療では、21世紀になってから急激な変革が続いており、変形をきたすことも少なくなり、正直言って外科的な要素・・・つまり手術を必要とすることは少なくなっています。そして、呼吸器系の合併症の問題や、最近ではウイルス性肝炎との関係も把握しなければならず、内科的側面が強まっています。

公的な全例登録が無くなって、より広く薬を使えるようになり製薬会社はバンザイでしょうし、患者さんも特定の施設でなくても治療を受けられるようになるのは一見いいことのように見えます。

しかし、より専門的な要素が強まっている治療がどんどん安易に門を開いてしまうことは、大変大きな危険をはらんでいると言わざるをえません。自分で言うのもなんですが、リウマチ専門医を自称するからには、相当な努力をしているつもりです。少なくとも、とりあえず使ってみましょうというような安易な使い方は絶対にできないのです。

厚労省は全例登録を課すことの責任を、再び製薬会社や使用する医師の側に戻したということでしょうか。少なくとも、規制緩和というような安易な言葉で説明できることではありません。医師の側は、より次から次へと出てくる様々な情報をできるだけキャッチするための網を張り巡らせないといけません。

2013年2月4日月曜日

大空港 (1970)

70年代には、いわゆるパニック映画という娯楽映画が流行しました。何気ない日常的な風景の中に、突然事件・事故がおこり、恐怖に駆られた一般の人々が逃げ惑うという設定で、たいていスーパーマン的な人物が現れなんとか窮地を救うというもの。

うがった見方をすると、60年代にベトナム戦争の泥沼に入り込んだアメリカの心の闇が社会的に問題になり出すのが70年代。単純な平和な日常がもろく崩れ去る恐怖を、多くのアメリカ人が感じ始めていた時代なのかもしれません。

「大空港」という映画は、そういったパニック映画の元祖という位置づけ。グラントホテル形式の、大スターが顔をそろえ、パニックになった時に見える本当の人物像を熱演します。

大雪のためにてんやわんやになるなか、冷静に対処する空港長がバート・ランカスター。その愛人で空港の有能なグランドスタッフにジーン・セバーグ。実際に雪をなんとかしようと、滑走路で除雪作業にあたる現場の指揮官がジョージ・ケネディ。

仕事がうまくいかず自殺するために爆弾を持って男が乗り込む飛行機のパイロットがディーン・マーチン、その恋人のスチュワーデスがジャクリーン・ビセット。自殺男の奥さんはモーリン・スティプルトン。

もともと、アーサー・ヘイリーの原作をベースにジョージ・シートンが監督し、大変中身の濃い充実した作品になった。このあとシリーズ化されましたが、あとは単なるパニックを見せるためだけのもので、人間ドラマとして成功したのはこの最初の一本だけでしょう。

2013年2月3日日曜日

大脱走 (1963)

監督がジョン・スタージェス、音楽がエルマー・バンスタイン、そして主演がスティーブ・マックイーンとくると、どうしてももう一本忘れてはいけない映画がありました。

第2次世界大戦中にベルリン郊外の捕虜収容施設から、連合軍兵士が大勢脱走した実際にあった話をもとにした映画。事実は76名の脱走者のうち、逃げ延びて生存が確認されたのは3名と言われています。

マックイーンは主演俳優ですが、この映画では脱走する一人一人がドラマであって、オールスターキャストで登場人物のすべてが主演のようなももの。

マックイーンの他には、リチャード・アッテンボロー、ジェームズ・ガーナー、デヴィッド・マッカラム、チャールス・ブロンソン、ドナルド・ブレザンス、ジェームス・コバーンなど、そうそうたるメンバーが揃っている。

マックイーンの役所は「独房王」と呼ばれ、前にいた収容所でも何度も脱走を試み、そのたびに独房にいれられるアメリカ人パイロット。独房ではグローブとボールを持ち込み、壁を相手にキャッチボールを続ける。初めは他の捕虜とは協力しようとせず、一人で脱走しようとしていだ、しだいに仲間意識をもちだす。

脱走後にバイクで走り回るシーンは有名で、スティーブ・マックイーンが本当にかっこよかった。ただし、最後には自由を目前にしてドイツ軍に囲まれてしまう。映画には無いが、当然そのあとは悲劇が待っていたはず。

しかし、この映画では脱走の悲惨な結果を世に示すことが目的ではなく、限りなく困難な環境の元で生死を賭けて一つのことを成し遂げる男達の記録を映像化することがテーマなのです。

ほぼ3時間の映画ですが、本当に一気に見終えることができる素晴らしい作品だと思います。登場人物が多くても、元となる実話があるために、大きな筋が通っていることが成功の理由なんでしょうね。


2013年2月2日土曜日

荒野の七人 (1960)

アクション西部劇が得意なジョン・スタージェスが監督した、超有名なアメリカ映画。興行的にも大ヒットしたわけですが、日本人的には黒澤明監督の「七人の侍」のリメイクであることから注目度が高かった。

黒澤作品のストーリーのエッセンスをうまく取り込みつつ、西部劇としてしっかりと成立させたところはなかなかのもの。本家の登場人物をうまくミックスしたキャラクターを生み出し、さらにオリジナルのガンマンも配することで、アメリカ人にも理解しやすくなっています。

なにしろ、外国人にとって最も理解しにくいのは、命を賭けて村を助ける根拠。黒澤版は武士としての誇りが、彼らを動かすわけで、こればかりは今の日本人ですらなかなか理解できないでしょう。

こちらの映画では、そこはしっかりと変えてあって、目的は金。こんな合理的なことはない。それでも、金だけで命を投げ出すことはできないわけで、それなりの正義というものが残っているところが見ている者の共感を呼ぶところ。

当時は、まだまだ無名に近い俳優が集められたのですが、ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、チャールス・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ヴォーンというそうそうたる面子が揃っていて、かなり見応えがあります。

エルマー・バンスタインの作ったテーマ曲も有名になって、この曲が響くと思わず身を乗り出したくなるのは典型的な昭和人でしょうか。

2013年2月1日金曜日

荒野の用心棒 (1964)

もう言わずと知れた映画の一つ。例えば、いわゆる「マカロニ・ウェスタン」の原点であり、クリント・イーストウッドを一躍スターにした出世作。さらに、黒澤明監督作品の「用心棒」を勝手に西部劇にリメイクしたことでも知られています。

黒澤の「用心棒」とは、ストーリーや設定、登場人物のキャラクターなど、ほぼまったくと言っていいほど同じ作り。三船敏郎の桑畑三十郎がクリント・イーストウッドの「名無し」になって、まぁ、よくぞここまでそっくり作り上げたことか。

・・・なんですが、にもかかわらず、これがいい。イーストウッドは当時、アメリカ本国で今ひとつぱっとしない。イタリアに渡って、西部劇もどきを作るなんてのは、実際のところけっこうプライドを傷つけられたんじゃないでしょうか。

宍戸錠とかが、北海道の牧場でガンマンになっているのは訳が違います。もともとテレビ版西部劇の名作「ローハイド」で名前を売った経歴があるんですから、こんなまがいものに出るんじゃ、さぞかし面白くない。

そんな理由かどうかはわかりませんが、オリジナルの三船よりも、全編とにかく苦虫噛みつぶしたみたいな顔をして、より凄腕の流れ者という雰囲気が完成されている。

映画としても、ジョン・ウェインの正統派西部劇と比べて、まさに荒野の雰囲気が強く、ガンファイトよりも人間としてのアクションが派手に展開するところがいいんじゃないかと。

もう、ほとんど半世紀前のフィルムですけど、黒澤作品と似て非なる独特のマカロニ・ウェスタンの世界は棄てた物ではありません。それに比べて、「椿三十郎」の森田芳光監督・織田裕二主演のリメイクは一体何なのでしょうか。まったく同じ台本で、まったく同じセリフ。反省してもらいたもんです。