2014年3月14日金曜日

ホワイトデー

昨日は、強風の中、雨が降ったり止んだりで大変でした。いわゆる「春の嵐」というところでしょうか。気温は上昇し、だいぶ暖かでしたけど。

明けて今日はホワイトデー。自分の理解としては、2月14日のバレンタインデーに、女性が思いを込めていチョコレートを異性に送り、そしてそれに対してクッキーでお返しをする日。


実際は、今時はどちらの記念日もそれほど送る相手も送るものも厳密に決まっているわけではないようで、誰に何を送っても許されるみたいなところがありますね。

バレンタインデーは、ローマ帝国時代の話から始まります。時のローマ皇帝が、結婚の神様の日とされていた2月14日に、皇帝の意向に逆らって兵士の結婚をさせていたバレンタイン司教を処刑したということです。

キリスト教のなかでは、バレンタイン司教の話は信憑性が議論され、記念日としては取り消されたのですが、日本では50年くらい前からお菓子会社により定着しました。

まぁ、ほんとかどうかはともかく、バレンタインデーについてはそれらしい起源があるのでよしとしましょう。ただホワイトデーは、80年代から始まった完全に日本独自の企画。

いわゆる便乗商法と切り捨ててしまえばそれまでですが、日本人の「お返し」という風習をうまり取り込んだ、なかなかうまい作戦。またシャイな男性にとっても、女性に告白する機会になったりして喜ばれる。

最近は、ほぼ毎日のようになんとかデーというのがあって、自然の営みとは無関係の暦があふれかえっています。そのほとんどが、何かの売り込みに関係したものですから、もうどうでもいい感じですが、どこかでそれを楽しむゆとりはあってもいいかなと思ったりしています。

2014年3月13日木曜日

J.E.Gardiner / J.S.Bach Motets

ガーディナーにはまって、声楽付きの音楽がだいぶ聞けるようになって来ました。ガーディナーは、もともと学生時代にモンテベルディ合唱団を結成し、今に至るわけですから、古楽というより声楽が最もベースにある人です。

以前にも、モンテベルディ合唱団のアカペラのCDを紹介したことがあって、一人一人がソロで歌う事が多いオペラと違って、合唱はけっこういけるんです。

レクイエムから始まった声楽の道ですが、今回はとにかくキリスト教の音楽を理解する事を一緒にするように努力しています。やはり、キリスト教自体がある程度わからないことには、どうもとっかかりがつかめない。

それに楽曲の呼び方も複雑で、似て非なる呼称がいろいろあったりして、このあたりの整理から入らないとなんのこっちゃ状態になる。

キリスト教の基本的に典礼にそくした音楽がミサ曲。その中で、特に死者に対するものがレクイエム。カンタータは器楽伴奏付きの声楽曲全般をさしますが、特に教会で教会暦にのっとって演奏されるものが教会カンタータ。それ以外を世俗カンタータと呼びます。

カンタータには独立した器楽演奏部分が含まれるのですが、器楽が入らず、あったとしても最低限の伴奏にとどまる合唱曲をモテットというようです。

偉大なるバロックの大音楽家であるJ.S.バッハは、明らかにカンタータを中心に作曲活動をした人で、膨大なカンタータの量からするとモテットはわずかに6曲だけ。

ところが、ほぼアカペラといってもよいポリフォニーを特徴とする合唱は、こりゃそうとう難しそう。伴奏でのごまかしがききません。だいいち、途中で休んでいる時間がない。

そこんとこを、さすがの実力で聞かせてくれるのがモンテヴェルディ合唱団です。とにかくハーモニーの美しさは、おそらく世界一と言っても過言ではない。

天国から流れてくる音楽があるとしたら、まさにこんな感じなのかもと思ってしまいます。でも、ゆったりしたものだけでなく、テンポのあるものもあり、けっこう飽きません。

ポリフォニーの特徴である、いろいろな独立した旋律が複雑に絡み合うところも、濁りや崩れが無く、切れ目のぴたっとあったところはガーディナーの統率力全開で見事です。

あとは歌詞の内容まで理解できれば完璧なんですけどね。ネットで対訳が見つかるので、合わせて楽しむのが、非ドイツ語圏かつ非キリスト教徒の正しい楽しみ方かもしれません。

2014年3月12日水曜日

STAP細胞

何にでも分化できる万能細胞として、話題になった「STAP細胞」が、いろいろな批判を受けて揺れています。

自分はニュースだけでしか知らないので、最低限の事実しかわかりません。しかし、もともとニュースとしては、リーダーの若い女性に焦点を当てた色眼鏡がかかった状態と感じています。

多少なりとも学会活動というものをしたことがあるので、だいたいどういう経過で論文ができていくのかわかります。まずは学会での口頭あるいはポスター展示による発表をします。

この時点では、簡単な審査がありますが、実際はほぼエントリーすればたいてい発表できる。内容的には、間違いがあったとしても発表者側の思惑が通ってしまう。

ですから、大事なのはこのあとに文章として投稿し、論文として完成させること。通常は、発表した学会誌に発表します。しかし、相当インパクトのある内容の場合は、より権威のある学術雑誌に投稿することもあります。

今回のSTAP細胞の論文が掲載されたNATUREは、医学・科学雑誌としては、最も権威のある雑誌の一つ。この権威の度合いは、引用される回数などによって数値化されていて、たいへんはっきりとしています。

さて、文章を投稿すると、いきなりOKになることはまずありません。簡単に合格するような場合は、その雑誌はたいしたものではありません。

通常は、雑誌側で内容を吟味する担当の専門家がいて、その人たちが細かいところ - ちょっとしたてにをはに至るまで、赤ペンをいれてくるのです。また、内容的な質問も山ほど追加されて戻ってきます。

こういうやりとりを何度もしていくうちに、しだいに赤字が減ってきて、早ければ1年くらいで掲載決定となるのですが、学会発表から数年かかる事も珍しくはありません。

ですから、その内容については発表誌も責任を持つという意味があり、もともと作為的な嘘がある場合以外では、簡単に一度公開された論文を取り下げるというのは有り得ない。

発表された論文をもとに実験をやった研究者から、再現できないという批判が出ているということですが、わずか数ヶ月で簡単に再現できなくて当たり前ではないかと思います。

いつものことですが、メディアの取り上げ方にもいろいろと問題があると思うのは自分だけでしょうか。とにかく、発表者はこれから数年以上かけて追加の論文などで、自らの論文の正しさを固めていくしかありません。

2014年3月11日火曜日

桃始笑

桃始笑は七十二候で、ももはじめてさくです。二十四節気の啓蟄の次候です。

桃と始はわかるとして、笑と書いてさくと読むというのは、なかなかいい。いかにも春が来て楽しい感じがします。

ただ、今日は東日本大震災から丸3年。

被災地では、復興が進んでいると感じているという方は4割弱。ゼロからのスタートを考えると、復興が少しずつは進んでいるのでしょぅが、まだまだ問題はたくさん残されているということでしょう。

原子力発電所の問題についても、まだまだ安心ですということにはならない。今後のエネルギー問題についても、原発ゼロ派にしても、推進派にしても、まず結論ありきで討論するだけで、一向に結論が出る様子はありません。

あらためて、震災からのブログを読み返してみると、自分にとっても凄い事が起こったんだと再確認できました。今後も、ずっと忘れる事がない日として記憶したいと思います。

2014年3月10日月曜日

春闘

だいたい2月から賃上げ運動などが始まり、「春の労働者の闘い」である春闘は今が真っ盛り。ベア目指して、あちこちで熱い労使交渉が活発に行われています。

昔は、その流れで国民生活に直接影響するようなストライキがしばしば行われていました。でも、バブル崩壊以後でしょうか、とんとストライキというものにはお目にかからない。

だいたい大手製造業から始まる春闘交渉ですが、先日日産自動車がほぼ満額回答を出しました。電機会社も要求の半分とはいえ、かなり大幅なベア回答を出したところ。

このあたりはアベノミックス効果を強調する政府としては、当然の結果として胸をはるポイントになるんでしょうが、大多数の労働者が所属する中小企業ではなかなかそんなうまいことはいっていないようです。

ほんの一握りの大企業ではなく、多くの国民が実感できる経済復調はまだまだ春が遠いかもしれません。

医療の分野でも、4月から初診料・再診料が上がりますし、多くの薬の値段もおおよそ3%上がります。薬を購入するクリニックや、薬局で処方箋を出す患者さんの支払額が増えるわけです。

うちのようなリウマチクリニックには、過去に有り得ないような報酬引き下げもあって(患者さんにとっては値下げ)、さぁ4月からどうなることやら・・・

2014年3月9日日曜日

身近な春

2月の大雪のときに、雪かきをしていたら、庭の隅っこにクロッカスらしき細い葉っぱで出ていたんですね。

これは、もう10年以上前に植えたのが最初で、その後はほったらかしなんですが、毎年春になると花が咲いて、今年もがんばっているなぁと思わせてくれる。

雪の重みで、だいぶしおれた感があったのですが、今年もまた顔を出してくれたわけです。1週間くらい前には、確か葉っぱしかなかったように思っていたのですが、今日いきなり満開になっているのに気がつきました。

クロッカスの開花は短くて、すぐに花はしおれてしまいます。ちゃんと花が咲いたことに気がついてよかったです。

また、そのままほったらかしにすると思いますが、きっと来年も黄色の花を見せて、春になってきたことを実感させてくれることでしょう。

2014年3月8日土曜日

Flank Jobe

フランク・ジョーブ医師が亡くなったそうです。

一般の方は、誰、それ? と思われるかもしれませんが、整形外科医やスポーツ選手、特に野球選手には大変有名なアメリカ人でしょう。

大リーグ投手のトミー・ジョンの肘関節の靭帯再建手術を行い、投手として復活させたことから有名となり、ドジャーズではずっと医療コンサルタントとして、ずっと選手をケガから守るために尽力したということです。

そのため、数々のスポーツ選手から診察をオファーされました。日本人でも、村田兆治、荒木大輔、桑田真澄らが同様の手術を受けるために渡米しています。

80年代~90年代は、有名なスポーツ選手はことごとくジョーブの研究所に行くというのが、ある種のステータスだったと言えます。

同じ手術は日本でも、まったく問題なく行われていましたので、当時なんでわざわざアメリカまで行くのかと思ったものでした。

90年代にフランスの国際学会のオブションでディナーに参加した際、ジョーブ医師の隣席になったことがあって、話を聞いた事があるんです。

診察を希望してやってくる患者さんが多すぎて、ほとんどは自分のスタッフに治療を任せているというようなことを言っていました。特に関節鏡を使用しての侵襲性の低い手術が増えてきたので、それらは自分ではやらないようでした。

それでも、スポーツ整形外科、特に上肢外傷の分野における功績は高く評価されるもので、ひとつの時代を築いた人物として記憶されるべきだと思います。

合掌

2014年3月7日金曜日

これ何? 種。茶色だなぁ。大きいなぁ。

何の種? 柿じゃない。南瓜じゃない。

アボガド? アボガト? アポガド?

正解はアボカド。Abocado。ワニナシとも呼ばれ、くすのきの仲間。森のバターと言われるくらい脂肪酸が多いんだそうで・・・

いつもは、そのまま捨てているでっかい種なんですが、今回はちょっと芽を出させてみようかと。

実が獲れるくらいちゃんと育つには、そうとう大変かもしれませんが、観葉植物レベルなら比較的簡単らしい。

とりあえず、小さいコップの中に入れて、水に浸してみた。1週間たったが、ほとんど変化はない。まぁ、数週間はじっと待つだけなんでしょうけど。

しょせん、生活の中のちっちゃい楽しみみたいなものです。

2014年3月6日木曜日

蟄虫啓戸

二十四節気では、今日から啓蟄(けいつち)となります。

テレビのニュース、特に天気予報なんかの小ネタとして紹介されることが多い言葉なので、けっこう昔から啓蟄だけは知っていました。

春になって温かくなってきて、土の中で過していた虫が表に出てくるという意味。なんだか、とても温かいんだなぁと伝わりやすい言葉。

実際のところ、まだそこまでは春は来ていないというのが実感ですが、まぁよしとしましょう。 ただ、注意しないといけないのは、「虫」といっても昆虫ではなく、蛙とか蛇とかムカデとかが含まれての話。

そして、啓蟄の初候となるのが、蟄虫啓戸ですごもりむしとをひらくとなります。これは9月末にあった秋分の次候の蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)と対になったもの。

暦の上では、「虫」は半年間隠れていて、こういう自然の現象をいろいろと観察する事が生活のリズムの基本になっているということがよくわかります。

2014年3月5日水曜日

増税前

消費税は、確かに欧米に比べて日本は税率が低い。だからといって、もっと高くして良いという議論がされることがありますが、国によっていろいろなやり方があってもいいわけで、何も一律同じにすることはない。

とか何とか言っても、政府が決めた事で、実際のところ4月からは現行の5%から8%に増税されるのですから、もうしょうがない。

数年後には10%になることも既定事実で、どんどん個人から取れるものは取っていこうという路線はヒートアップしていくのです。

もっともお金に余裕がある人から、たくさん税金を納めてもらうというのはリーズナブルな制度。いろいろと買い物をするというのは、生活必需品もありますが、高額なものほど無いと生きていけないものは少ない。

ただ、高額所得に対しては、すでに所得税の部分で格差がついているわけで、がんばって働いてたくさん儲けても、結局税金が増えるだけというのでは、「夢をかなえる」的なモチベーションが保てないかもしれませんね。

実際のところ、それほど不満を言いたいわけではないのですが、何となくモヤモヤしてしまうのは、現政府のあからさまな大企業優遇政策。政治は金がかかるんでしょうが、たくさんお金をだしてくれそうな大企業を手厚く保護するのは、昔のやり方そのもの。

復興特別税は個人はまだまだ続きますが、企業に課せられていたものは今年から廃止になります。法人税もいろいろとゴニョゴニョ・・・・まぁね大企業が元気で、どんどん露を落としてくれればいいんでしょうけど。

ただ、いくら大企業と言っても、それはごく一握り。日本人の大多数は中小企業以下に所属していて、いまだにアベノミクスとかいうものの恩恵は実感できないままという現実。

3月のうちにいろいろと購入しようという宣伝も増えてきましたが、だからといって無駄遣いになってもしょうがない。その時に、本当に必要と思えるものを安く買えるといいんですけどね。

2014年3月4日火曜日

アカデミー賞

スディーブ・マックイーンがやった!!

・・・って、もうだいぶ前に亡くなったじゃん、と思ったら黒人がでできて、これ誰やねん? というところ。

作品賞は「それでも夜は明ける」が受賞。その監督がマックイーンで、アカデミー賞史上はじめての黒人監督の作品なんだそうな。プロデューサーは人気俳優のブラッド・ピット。

今回のアカデミー賞では、なんかレオナルド・デカプリオがついにオスカーを獲れるかどうかみたいなところが一番の話題で、どうも作品そのものについては盛り上がりに欠ける感がありました。

そう思っているのは自分だけかもしれませんが、もっともほとんどの映画を見ていないので、どうのこうのと言える立場じゃありません。

映画文化を牽引してきたのはハリウッドであることは間違いが無く、その象徴がアカデミー賞であるわけですから、その結果を尊重しないわけにはいかないわけです。

オリンピックも、昔はアマチュア・スポーツの祭典という原則があったのですが、商業化の波の中で、どんどん本質が変化しました。

アカデミー賞も、いつからでしょぅか、何か本質が変わってしまったような感じがしています。一番素晴らしい映画を選ぼうというものから、一番利益をもたらしそうな映画をより宣伝するための賞になってはいないでしょうか。

たぶん、本来そういう目的があったことは当然なんでしょうけど、昔はそれが表にはあまり出ていなかっただけなのかもしれません。

ヒッチコックは大好きな監督ですが、初アメリカ映画となった「レベッカ」は1940年の作品賞です。でも、これってそういう映画? という疑問も感じないわけではない。

これは、前年の「風とともに去りぬ」の大ヒットで、ハリウッドで飛ぶ鳥を落とす勢いだったプロデューサのセルズニックの作品。そう思うと、まぁしょうがないかというところ。こういうことは、きっと他にもいろいろありそうです。

個人的には、唯一見ていた「ゼロ・グラヴィティ」を応援していましたが、まぁ、とりあえず今回の受賞にからんだ作品はDVDなどが出てくれば、順次見ていきたい思いますけどね。


2014年3月3日月曜日

上巳の節句

3月3日は上巳の節句(じょうしのせっく)というのだそうで、通称は桃の節句とか、ひな祭りという方が馴染み深い。

年間を通して、1月7日(人日の節句)、3月3日、5月5日(端午の節句)、7月7日(七夕の節句)、9月9日(重陽の節句)という具合に五節句がある。なんでも、もともと中国で始まったもの。

暦の奇数は陽、それが重なると陰になるため、その時々の植物から生命力をもらって挽回しようと考えたらしい。そこで、その季節の旬な料理を食べて邪気を祓うという行事が、日本の宮廷や江戸幕府で定着したということです。

上巳の節句は桃の咲く頃ということで、桃の節句とも呼ばれます。今では、女の子がすくすく成長することを願うということで、一般に定着している。

陰を人形に移してしまおうという、割とむしのいい考え方から、雛人形を飾るんだそうで、人形もいい迷惑です。とりあえず、四季では春を迎えて、華やかな感じの行事があることはいいことですけどね。

2014年3月2日日曜日

J.E.Gardiner / Beethoven Missa Solemnis

こういうブログで自分の好きなものを紹介するというのは、まぁ言ってみれば自己満足の世界であって、自分のためのメモみたいなものです。

本とか映画とか、あるいは音楽の場合、すべての人が同じような環境で育ってきたわけではないですから、当然人の好みは別れるもの。とりあえず、ネットの上だけでも、他人がどんな評価をしているのか探してみたりするのですが、いろんな意見が出てきて興味深い。

最近は、クラシック音楽については、指揮者ジョン・エリオット・ガーディナーを探求中なんですが、1943年生まれですから、1945年生まれのエリック・クラプトンなども同世代。もともと合唱畑の出身で、自ら学生時代の1964年にモンテベルディ合唱団を結成しました。

1968年にはモンテヴェルディ管弦楽団を組織し、1977年に古楽器を用いるEnglish Baloque Soloists (EBS) へ改組して一躍名前が知られるようになりました。バッハの4大宗教曲の録音などで、古楽ムーブメントの中心人物の一人として認識され、1989年録音のモンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」でレコードアカデミー賞で大賞を受賞します。

そこでバロック中心だったレパートリーを古典にまで拡大し、モーツァルトの交響曲集やビルソンのフォルテピアノと組んだピアノ協奏曲全集は名盤として評価されるようになりました。

このあたりから、モダン楽器の音に慣れていた大多数の音楽ファンから古楽器に対する否定的な意見が出始めるようです。やたらは早い、音が貧弱、余情性が少ないというような意見が見られます。自分は古楽器を特に嫌っていたわけではないのですが、とりあえず昔から名盤と呼ばれているものから手を出すしかないので、古楽器のものになかなかたどり着けなかったというところでしょうか。

ガーディナーはさらに新しい時代の音楽を演奏するのに、あらたに Orchestre Révolutionnaire et Romantique (ORR) という楽団を組織します。もともとはベルリオーズの幻想交響曲を演奏したいということからスタートした楽団ですが、1991~1994年に録音したベートーヴェンの交響曲全集では、再びレコードアカデミー大賞を受賞します。

クラシック・レコード業界の巨人、ドイツ・グラモフォンはカラヤン、ベームの次のスターとしてガーディナーに目をつけ、やたらと売り出そうとしたらしい。ウィーン・フィルとの競演盤が続々出てくるようになりますが、ウィーンフィルからはだいぶ嫌われていたという話があります。

まぁ、そりゃそうでしょう。もともと畑が違いますから。その結果なのか、長年名盤を作り続けてきたグラマフォン系のArchivと2000年についに袂を分かち、バッハの約200曲ある教会カンタータを随時演奏・録音していくというArchivでの壮大なプロジェクトも途中で頓挫してしまいます。

そこでガーディナーは、自らSDGレーベルを立ち上げました。SDGでは、こつこつとカンタータを録音し、昨年ついに完結しCD56枚の全集が完成しました。さらに、過去に録音したいくつかの作品の再録音でより高い評価を得ていたり、またブラームスのユニークが交響曲全集が話題になったりしています。

さて、元々ド派手なオーケストラが苦手だった自分としては、古楽器オーケストラは「てきぱきして、一つ一つの楽器の音の粒立ちがよく、大袈裟すぎない」ところがいい感じなのです。これはまさに、古楽器に批判的な意見の裏返し。作曲家の時代の音、つまり実際に作曲家が頭で思い描いていた音かどうかは、あまり気にしていません。

ガーディナーのベートーヴェンは、名盤となった交響曲全集のほかに、モーツァルトのレクイエムの校訂で有名なレヴィンのフォルテピアノによるピアノ協奏曲全集、ムローバと組んだヴァイオリン協奏曲、そして2つの宗教曲、唯一の歌劇「フィデリオ」があります。ちなみに面白いのは「フィデリオ」は第一稿の「レオノーレ」を収録しているところが古楽器学者らしいところ。

今回挑戦するのは、レクイエムからの流れで宗教曲。ベートーヴェンは小さめの宗教曲はいくつかありますが、まとまった大曲となると2つしかありません。それが、20歳代で作った「ハ長調ミサ曲」と生涯最後に近い作品となった「荘厳ミサ曲」です。

最初の作品は、教会典礼にそくした典型的なミサ曲と言われ、一方「荘厳ミサ曲」は、教会の枠を超えて完全に宗教に題材を得た交響曲という評価がされ、ベートーヴェンの思想的世界を具現化する最高傑作といわれています。

どちらも大変インパクトのある作品で、もともと歌曲系の苦手の自分も、レクイエムを通ってきた後では、なかなかいい曲だと思えます。キリスト教の儀式の式次第はわかりませんので、最初のミサ曲も音楽としての完成度はなかなか高いと思いました。

当初EBSとの録音と表記されていたのですが、実はORRの最初のレコーディング。ArchivがORRでは売れないという判断をして、表記を認知されていたEBSにしたそうです。自分のCDはORRに直してあるものでした。

ただ、やはりより心に響く感じが強いのは「荘厳ミサ曲」です。これは、ネットでは、グロリア~クレドの展開あたりが素晴らしいと評判。特にクレドは、他の演奏に比べて、大変早い展開なのに合唱がまったく崩れていないところがすごいらしい。ただし、最後がやや息切れしてか、物足りない終わり方という話が良く出てきます。

自分は他の人の演奏を聴いていないので、そのあたりはよくわかりませんが、実は最近再録音盤が出ていて、これがめっぽう評判が高い。宗教曲のような苦手なジャンルをあまり深追いするのは勇気がいるところではありますが、最初の録音よりも圧倒的に良く、過去の名盤をついに越える作品とか言う人もいるくらいなので、ちょっと聴いてみたいかんじがしています。

何にしても、こういう不得意なジャンルほど、ネットの評価とかはいろいろと検索してしまうもので、それに乗せられるとがっかりすることもあることは覚悟の上で、今日も検索欄に入力しています。

2014年3月1日土曜日

草木萌動

3月です。春です。・・・今年も、あと308日。

さて七十二候では、今日から草木萌動、そうもくめばえいずると読み、いかにも春めいた暦となります。

昨日はだいぶ気温が上がって、雪もだいたい消えてしまいました。真っ白の世界が、だんだん色彩が戻ってきて、気がつくと梅が開花していました。

あ~、春だなぁ~、とポケ~としたいところ・・・ですが、いやいやそんなにのんびりはしていられません。

年度末となって、いろいろとバタバタすることが、これから多くなりますからね。