2015年5月14日木曜日

BCJで聴くカンタータの森 (4)

ワイマール時代は、毎月1曲ずつカンタータを作曲するようになり、時間もそれなりにあったのか、いろいろな試みをしていました。1717年末にケーテンの宮廷に移ると、ここではカンタータの仕事は無くなり、器楽曲中心の生活になります。

ケーテン時代には、妻マリア・バ ルバラの死、そしてアンナ・マグダレーナとの再婚という出来事があり、またケーテン公には熱い信頼を寄せるようになります。しかし、ワイマール時代に芽生えた「整った教会音楽」の構想は日増しに膨らみ、その実践のためにライブツィヒへの転職を考えるようになりました。

そこで1723年2月7日、バッハはトーマス。カントルの採用試験を受けることになり、その時の課題作曲として披露したといわれているのが、BWV22 「イエス十二弟子を召寄せて」とBWV23 「汝まことの神 にしてダビデの子よ」の2曲。

鈴木盤のVOL.8では、この2曲に加え、トーマス・カントルとしての初仕事となるBWV75 「乏しき者は食らいて(1723年5月30日)」をまとめて聴くことができます。

当然、いずれも力作揃い。 採用試験用の2曲は、さすがにキリストの教えを説くためのカンタータとしては、内容はかなり重量級なのですが、それをコンパクトにまとめあげて、聴き所もたくさん盛り込んだところはさすがです。

カントルに正式採用になって、最初の市民向けのカンタータ披露となるBWV75は、ライブツィヒの2大教会である聖ニコライ教会で、そして翌週の1723年6月6日には聖トーマス教会でBWV76「もろもろの天は神の栄光を語り」が演奏されました。

サッカーの代表監督の初試合みたいなもので、市民は多くの期待を抱いて教会に集った事でしょうから、バッハとしても相当入念に準備をしたことでしょう。いよいよライブツィヒにおれるカンタータ年巻の開始です。

いずれも採用試験の時とは違って、2部構成の大作です。冒頭合唱からはじまり、前半が終了すると説教がはいり、第2部はシンフォニアからスタート、前半も後半もコラールで締めくくります。つまり、通常のカンタータ2曲分を違ったパターンで聴かせてしまうというもの。歌手も楽器奏者もほぼフル・メンバーで抜いたところがありません。

BWV76の後に続く2曲は、ちよっと一休み。短めでサラっと情感豊なBWV24 「まじりけなき心」、BWV167 「もろびとよ、神の愛を讃えまつれ」が続くわけですが、これらをあわせてVOL.9で聴くことができます。

後年の熟成した曲の数々に比べると、多少力みすぎというところはないわけではありませんが、新しい仕事の中で、自分が理想とする教会音楽を作っていける環境を手に入れたバッハの快進撃の幕開けですから、いずれも名曲としておさえておきたいものだと思います。

2015年5月13日水曜日

クラウンに乗ってみた

先日、長野に法事で日帰りしたんですけど、今うちの車が無いので、ディーラーに無理を言って車を借りました。

じゃあ、ってんで出てきたのがクラウン。えっ、そんな高級車貸してくれるの? って、こっちがむしろ心配になる。他人の車ですから、なんかあったらねぇ。

まぁ、今までも大きな事故起こしたことないから大丈夫ですよという、なんか根拠の無い説明でしたが、出できたのがクラウン・アスリートのTOM'sバージョン

TOM'sは、トヨタ車専門に思い切りデコるメーカーで、前も後ろも相当変えてあり、一見すると「かっこいい」のですが・・・これ、どう見てもその筋の人とか、族と呼ばれるような方々が乗っていそうな感じ。マフラーなんて、4本出しですよ。

デモカーらしく、試乗などの用途でディーラーが持っている車だそうですが、価格がな、な、なんと600万円。基本的に車は走ればいいんじゃないかと思っている人間としては、こんな高い車は今まで購入する候補に入った事は一度もありません。

座席に座ると、包み込む本皮のスポーツシートはなかなか座り心地はいい。プリウスでお馴染みのスタート・スイッチをポチっとすると、エンジンがブルル~とかかり・・・って、えっ? これガソリン車?

そうなんです。ガソリン車です。でも、マルチ・インフォメーション・ディスプレイがあって、燃費が表示されたり、ECO評価が出てきたりで、まるで雰囲気だけはハイブリッド車。

室内はいわゆるサンルーフがついていて、これがけっこうな厚みがあって、天井が迫ってくる感じで窮屈感は否めない。後部座席は、思ったよりは狭いかも。
中央高速を走ってみると、とにかく重いたいというのが第一印象。アクセルをしっかり踏まないと走り出さない感じですが、加速はさすがにいい。

とは言っても、さすがに他人の車で爆走はできません。ときどき追い越し車線に入って、100km/hくらい出すと、いきなり前の車がどくんです。そりゃそうでしょう。自分も、この外観の車が後ろについたら怖いですもん。

どかれちゃうと、多少しっかり走らないといけない雰囲気になるのが困りもの。できるだけ無理せず走りましたが、燃費は400kmの走行に対して11.6km/Lとでました。このクラスのガソリン車としては、だいぶいい成績だと思いますが、日頃20km/Lを目指しているのでなんか寂しい。

着替えてから法事会場に向かうときは、この車に、みんな黒服ですから・・・どう見ても、怖い。。。

2015年5月12日火曜日

真・連休終了

大型連休って・・・最大長い人でも、さすがに終わりましたよね。

前にも何度が愚痴を書いていますが、やっぱり連休があると、仕事がたまるのが医療業界というもので、正直あまり嬉しくないのは、今でも同じ。

今年も、この2週間くらいで、本当にゆっくりボケっとできたのは5月6日の一日だけでしたし、とくに7~9日には、患者さんが途切れる事がなく、激疲れでした。

公的な用事は、5月3~5日。5日は半日で終わるはずだったレセプト作成でしたが、クリニックで水槽の掃除という突発的な肉体労働が発生してしまいました。

4月29日と5月10日は私的な用事。特に10日は、法事で長野に日帰り。50代後半に入ると、さすがに体力的にしんどい。

昨日の月曜日は、休み明けでまだ混雑が続くかと思ったら、意外に普通の感じだったので本当に助かりました。特に午前中は、テンションを上げたくても体がついていかない感じでしたので。

そんなことをぼやいていると、同じビルに入っている耳鼻科は、毎日夜10時くらいまで診療が終わらないのに、何を言っているんだと怒られそうです。耳鼻科の先生とたいして年齢は違わないでしょうし。

とにかく、2連休くらいの方が、本当に休めるし、仕事が入っても疲れがたまらないので嬉しいんです。そのかわり、遠くへは出かけたりできませんけどね。

そんなわけで、5月7日に「連休終了」と書きましたが、その影響は昨日まで、今日から真の意味で「日常」に戻ります・・・なのですが、えっ!? 台風接近!! まじですか!?

2015年5月11日月曜日

ヤエザクラ

昨日は出かけた先で、見事なヤエザクラが咲いているのを見つけました。

ヤエザクラは、一番よくあるソメイヨシノに比べて、数週間遅めに咲くそうですから、よほど北の方に行かない限りは、今年の桜の見納めかと。

風が強めでしたから、ホロホロと花びらが舞い、ちょっと風情がありました。場所は駐車場だったので、車の中にもピンク色の花びらが舞い込んできました。

沖縄では、そろそろ梅雨入りかという話もありますし、台風も接近中。今年の春らしい風景は、これが最後かもしれません。

2015年5月10日日曜日

母の日 ~ バードウォッチング

今日は母の日。一応、人並みに花を贈ったりしました。amazonからの直送ですが・・・
「変な色の花が届いた」という反応でした。まぁ、よしとしましょう。

さて日頃から、鳥の名前はよくわからない。

烏、雀、鳩などはよく見かけるのでわかりますが、それ以外というと動物園みたいなところで見れるような鳥以外は、とんと区別がつきません。

近くの公園で見かけたこの鳥も、名前はわかりませんが、しばらくうろうろしていたので、ウォッチングしてしまいました。

もしかしたら、餌を探して雛のところに運ぶ母親かもしれません・・・

少なくとも、鳥が餌を探せる場所と言うのは、自然的には悪い場所ではないのだと思うと、もっとたくさんの鳥がうろうろしていてもいいかも。

2015年5月9日土曜日

南国酒家 @ センター南

南国酒家というと、自分的にはほとんど唯一の中華料理の名店。

渋谷の原宿駅前に、自分がこどもの時からあって、年に数回連れて行ってもらいました。今でも、年に一度は食べに行くくらい、中華といえばここ以外で本当に満足した事はない。

センター南の東急SCの中にも支店かあるのは、ずっと以前から知っていました。もちろん今までにも数回は行っているのですが、どうしても原宿の味が頭にあるので、イマイチという自己評価。

連休中に久しぶりに行ってみたのですが、以前と内装が違っていた。だいぶおちついた雰囲気になっていて◯。

今回食べたのはあんかけシリーズ。汁そばと焼そばですが、汁そばは鶏がらスープの好きな味。麺は、なめらかなストレートで、つるつるとした喉越し。

焼そばのほうがあんの旨みはわかりやすい。もともと原宿の五目焼そばは、店の定番みたいなもので、当たり前の味なんですが、なかなかその味が他店では味わえないもの。

もちろん、原宿と比較するのは酷というものですが、まぁまぁという評価です。あくまでも原宿の店に比べてということなんで、通常の中華料理店としては標準以上なのかと思いました。

2015年5月8日金曜日

イムイェム @ 犬蔵

まず犬蔵(いぬくら)ってどこ? となる。そりゃ、そうでしょう。大きな商業施設などがあるわけではないので、基本的には地モピーにしかわからない。

東名高速の川崎インターを降りて、右に行くと溝の口、元住吉などを通って川崎駅。左に行くと新百合ヶ丘方面ですが、最初の交差点が犬蔵です。右に曲がれば登戸、左に曲がればたまプラーザです。

犬蔵の交差点から、もうちょっと過ぎたところにあるのがイムイェムというお店。実は、けっこう前からそういう店があることは知っていて気になっていました。

ところが、場所が場所ですから、電車・バスなどではなかなか行きずらいところ。車で行きたくても、幹線道路沿いですから、当然路駐もできるはずがない。

ところが、知り合いから「後ろに駐車場」と教えてもらいました。いやぁ、まさかそんな道があるとは思ってもみませんでした。それならばと云うわけで、連休中にでかけてみました。

何の店かというと、それなりに人気が定着した感のあるタイ料理のお店です。

当然、定番となるメニューはタイカレー。インドカレーと違って、ココナッツミルクがたっぷり、独特の香辛料と後を引く辛さが癖になります。

初めてのオーダーはレッドカレーとガパオご飯のセット。食レポ的には最低の感想なんですけど、一言で言うと「美味い、辛い、また食べたい!!」に尽きます。

この店では、特に野菜にはこだわりがあるらしく、注文があってから野菜を切ります。煮込まれてくたくたになっていない野菜が、辛さを引き立てている感じがします。

たくさん駐車場があるわけではないので、あまり知られると困るのですが、知る人ぞ知る、いや誰でも知っている店になったらいいなというところでしょうか。

2015年5月7日木曜日

連休終了

皆さぁ~ん、ゴールデン・ウィーク、いかがでしたか?

天下のNHKでは、ゴールデン・ウィークという言葉は使わないそうです。うちは休みじゃないと批判が多かったので、「大型連休」と呼ぶんだそうですが、どっちでも同じじゃないかと・・・

連休中は、比較的天気もよかったので、いろいろと楽しんだ事と思います。

近場のセンター南駅前も、けっこうな賑わいでした。



あっち、こっちと出かけた方、たくさんいると思います。渋滞にはまって大変だった方も、お金を使いすぎた方もいるでしょう。

ひたすら、休養に専念した方、ふだん出来ない家の修理とか、大掃除とか・・・インドアも悪くはありませんよね。休みすぎて、体も頭もなまってしまうかもしれません。

クリニックは、今日から平常通り。カレンダーの赤い日は休み、黒い日は通常通りです。連休明けは混みそうな気がしますが、木曜日はもともと半日なので気合で頑張ります。

2015年5月6日水曜日

あすなろ海水魚館 ~ 終了

昨日、クリニックに行って見たら・・・海水魚のタンクの唯一の魚でありカクレクマノミが死んでいました。

5年間です。その前、どれだけ生きていたのかはわかりませんが、うちの綺麗とはいえない水槽で、大好きなイソギンチャクもいない時間の方が長かった水槽で、それでも成長してくれて、最後は体長10センチ近くになっていました。

水槽の中を特にいじったわけでもなく、寿命と言ってしまえばそれまでのことかもしれません。これまでに何度がピンチをしのいで、よくぞ、これだけずぼらな飼い主にがまんしていてくれたものです。

何しろ60センチ水槽は大人並みの重さですから、片付けるのに数時間かかりました。さすがに海水魚は手間がかかり、綺麗な状態を維持するのが大変なので、もう一度一からやり直す気力が湧きません。

水槽があった場所が、ぽっかりと抜けてしまい、何とも寂しい雰囲気になってしまいました。カクレクマノミは、近くの公園に埋めました。

 さて、大型連休も今日で終わりです。中には、今度の土日まで休みという方もいるでしょうが、明日からクリニックは平常通り・・・ですが、カクレクマノミはいませんので、あしからず。

2015年5月5日火曜日

BCJで聴くカンタータの森 (3)

とりあえず、始めたのいいのですが、鈴木雅明率いるBach Collegium Japanによるカンタータ全集を聴き倒すという・・・要するに、作曲順に収録されたCDを順番に聴いて、自分のお気に入りのカンタータを選び出そうというもの。

ここで、全部で55枚あるCDをすべて紹介していくのは、かなり大変だということに、今さらながら気がつきました。バッハがのこした教会カンタータは、およそ200曲。名曲とされるものや、話題性のあるものだけでもかなりあるわけです。

ここでは、あくまで自分の気にいったものを選び出すことが目的だし、それを可能な限り他の演奏者のものと聴き比べてみたいというというのがそもそもの動機。

そこで、細かい事はきにせず、どんどん進んで行くことにします。BCJの全集の中身が知りたい方は、ネットでも簡単に調べられますので、各自の努力におまかせということで・・・

さて5枚目まで聴いて、耳に残るものはBWV4、BWV106、BWV18の三曲でした。大バッハの若かりし頃の作品で、ミュールハウゼン~ワイマール時代のもの。この時期の作品は、7枚目までに収録されています。

8枚目は、カンタータの公的な作曲の機会がなかったケーテン時代に、次のライブツィヒのカントル試験のために書いたものが出てきます。ここまでは、カンタータ作品としては初期に分類できそうです。

この時期、敬虔なプロテスタントであるバッハは教会のオルガン奏者としての仕事を通じて、「整った教会音楽」とは何かを考え始めていたわけです。しだいに自信をつけて、いろいろなことにチャレンジする精神がどんどん高揚していくのがわかる曲作りが目立ちます。

出だしは器楽曲のシンフォニアが配置されることが多く、またすでに後年意図的に組み込むコラールも随所に使用されていますが、けっこう凝った作りであることが多く、そういう意味では一つ一つが変わっていて面白い。

ただし、これは会衆との一体感という観点からすれば、どうだったんでしょうか。音楽としては楽しいのですが、イエスの教えをよりわかりやすく人々に伝えるというカンタータの教会での役割からすると、音楽が独立してしまっているのかもしれません。

BCJの演奏は、一般に「超真面目」と評されることが多いのですが、これは下手に曲調を上げ下げせずに、楽譜を丁寧に読み込んで演奏しているということなんでしょう。もちろん自分は、楽譜を片手にカンタータを聴くわけではありませんから、楽譜通りかどうかはわかりません。

ガーディナー盤は、基本全曲ライブ録音ですから、鈴木盤に比べて全体的な勢いがある。多少の間違いは許すから、どんどんイケイケという雰囲気が伝わってきますし、それが魅力。

BWV172「鳴りひびけ、汝らの歌声(1714)」は聖霊降臨祭第一日のためのもので、最初から管楽器も加わった大き目の編成で、高らかに華麗な合唱が素晴らしい。こういう曲では、合唱の強みはモンテヴェルディ合唱団はダントツです。

一方、5曲目はソプラノとアルトのデュエット。こういう曲では、鈴木盤の方がテンポも速く、むしろイングリット・シュミットヒューゼン(S)と米良美一(CT)のからみがうまく伝わってくる気がします。最後のコラールは、鈴木盤の方がゆっくりで、こういうところが「真面目」なところなのかもしれません。

OVPPの提唱者リフキンによる演奏を聴くと、こういう華麗な雰囲気な曲では合唱の弱さはどうしようもない。本来の姿がそうだとしても、こういう曲ではもう少し流動的な編成でもいいのかなと思います。

2015年5月4日月曜日

BCJで聴くカンタータの森 (2)

この話題に興味を持つ方は、BCJって何? ということは思わないでしょうが、Bach Collegium Japanの略語で、一言で云うと、日本人、鈴木雅明がが率いるJ.S.バッハの曲を中心とした古楽専門の演奏集団のこと。

コレギウムというのは、古代ローマの私的な集団のことで、中世~バロック期のドイツでは、民間の音楽愛好家の団体をコレギウム・ムジークと呼んでいました。特に、バッハは後半生ではライプツィヒのコレギウム・ムジークでの活動を通して、多くの名作を生み出しています。

BCJは、1990年にクリスチャンであり鍵盤楽器奏者の鈴木雅明が創設し、弟でありチェロ、ガンバ奏者である鈴木秀美が主たるサポートをしており、カンタータ全集をはじめとして国際的にも高い評価を受けています。

クラシックのレーベルとしては有名なスウェーデンのBis Recordから、CDのリリースを続けていますが、残念なのはカンタータ・シリーズのジャケット。これほど、デザイン的につまらないものは珍しい。ほとんどが、同じイラストや写真を使いまわして、ケチケチに徹しています。

もっとも、カンタータ全集は企業としても採算がとりづらいわけで、コープマンはERATO、ガーディナーはArchivで始まったプロジェクトが途中で頓挫しており、両者とも自主レーベルを立ち上げて完成させるという困難を経ています。

それを考えると、BCJの場合は、一貫してBisによる高音質な収録、しかも途中からはSACDでのリリースを続けられただけでも価値があるのかもしれません。

さて、BCJのカンタータ全集はVOL.3からワイマール時代に入ります。何しろ、300年も前のことで、作曲時期が確定していること自体不思議なところもありますが、作曲の技法とか、書かれた楽譜の紙質とか、あるいは書簡などの資料などから学者が推定してくれるわけです。

カンタータの場合は、その用途がはっきりしていると推定もしやすいし、特にライプツィヒ時代以後になると教会の記録などからも、初演の時期がかなりはっきりしているものが多い。

ワイマール時代に入ると、オルガン奏者としての活動以外に、1713年からバッハは毎月1曲のカンタータ作曲という仕事が増えます。

VOL.3 1996年収録、栗栖由美子(S)、米良美一(CT)、櫻田亮(T)、ペーター・コーイ(B)
BWV12、BWV54、BWV162、BWV182

VOL.4 1996年収録、鈴木美登里(S)、太刀川明(CT)、櫻田亮(T)、ステファン・シュレケンベルガー(B)
BWV163、BWV165、BWV185、BWV199

ここまではワイマール時代の前半。少しずつ奥行が出てきた感じがしますが、それほどお気に入りというほどの曲はありません。

VOL.5 1997年収録、鈴木美登里(S)、米良美一(CT)、櫻田亮(T)、ペーター・コーイ(B)
BWV18、BWV143、BWV152、BWV155、BWV161

ここから毎月作るところに入ってきて、バッハも「整った教会音楽」というものを意識するようになったのだと思います。

BWV18「天より雨くだり雪おちて」は、出だしのヴィオラの低温の旋律が印象的で、そのあとに続く優雅な響きが心地よいシンフォニアから始まります。レシタティーボとコラール(祈り)が交互に出てくる応答形式の構成が面白い。

2015年5月3日日曜日

BCJで聴くカンタータの森 (1)

ついこの前まで、キリスト教の教会暦に従って、残されているバッハの教会カンタータ、約200曲を1年間かけて聴きとおしました。基本的には、教会暦順に収録されているJ.E.ガーディナーの全集CDボックスを順番に聴いたわけです。

聴いていくうちに、バッハの音楽だけでなく、キリスト教の知識、300年前のヨーロッパの歴史的なことにまで興味が広がり、けっこう自己満足度の高い期間を過ごせてよかったのですが、逆に今は大袈裟に言えば、物事を達成した後の虚脱感みたいなものがあります。

そうは言っても、昨年もう一つのカンタータ全集を購入していて、、こちらを無駄にするわけにはいきません。それが世界的に評価されている鈴木雅明のものですし、何しろ値段が半端なかった。

すでに、ガーディナー盤と比べるという聴き方は、昨年のうちから始めていましたが、鈴木盤はバッハの作曲順での収録なので、教会暦に合わせてなかなか曲を探すのが面倒。

そこで思いついたのは、鈴木盤を順に聴きながら、自分のお気に入りのカンタータをピックアップしていこうということ。テレビ番組風だと、題して「お気に入りを探せ!! 鈴木雅明と行くカンタータの森の旅」という感じでしょうか。

 さて、記念すべき第1巻は1995年の収録。ソプラノは栗栖由美子、カウンターテナーは太刀川明。収録曲はBWV4「キリストは死の縄目につながれたり(1708?)」、BWV150「主よ、われ汝をあおぎ望む(1708?)」、BWV196「主はわれらを御心に留めたまえり(1708)」の三曲。

当然、若かりしバッハのミュールハウゼン時代の作品ということになります。この中で、復活祭第1日のためとされているBWV4 「キリストは死の縄目につながれたり」は、バッハの生涯の中で見ても、圧倒的な存在感を放っています。

それは、この曲がコラール変奏曲という形式だからで、マルチン・ルター自ら作詞した復活節コラール全節が歌詞に用いられています。冒頭の短調のシンフォニアから一転して、復活の喜びを次から次へと繰り出してきます。たびたび出てくるハレルヤが印象的。

昨年6月のガーディナーの演奏がビデオで見ることができますが、合唱主体の楽曲だけに世界最強と云われるモンテヴェルディ合唱団を擁する演奏は、全編を合唱で押切圧倒的です。

第2巻も1995年の収録で、ソプラノは鈴木美登里、カンウターテナーは米良美一、テナーはゲルト・テュルク、バスがペーター・コーイ。曲はBWV71「神はいにしえよりわが王なり(1708/2/4))」、BWV131「深き淵より、われ汝に呼ばわる、主よ(1708?)」、BWV106「神の時こそいと良き時(1708?)」の三曲。

別名「哀悼行事(Actus tragicus)として知られる」BWV106「神の時こそいと良き時」が、やはり超有名で群を抜いています。1707年に母方の伯父の葬儀のために書かれたという説がありますが、詳細は不明。バッハの死後、多くのカンタータが忘れ去られる中、この曲は比較的たびたび演奏されていたという話があります。

伴奏は簡素ですが、冒頭のリコーダーの重奏はシンプルながらも、心を鎮めることができます。続いて合唱と四声それぞれのアリアが、次々に死に関連した内容を印象的に歌い上げ、最後にコラールで締めくくられます。

ピエロットのリチェルカール・コンソートは、OVPPでの演奏を聴かせてくれます。全体の構成がシンプルな曲なので、違和感は少なくバッハの実演に近いのかもしれません。

2015年5月2日土曜日

薬価差益

「やっかさえき」と読みますが、医者の側から見るとほとんど死語に近い言葉。

薬の値段は厚労省が決めていて、病院・診療所は業者から購入して医療の現場で使います。そのとき、業者はできるだけ買って貰いたいので値引きをする。そうすると、その差額が医療機関にとっては利益になるというもの。

これが、薬漬け診療の根源にあるとして、医薬分業が進みました。院内処方よりも院外処方が優遇され、今ではほとんどの医療機関は患者さんに処方箋を渡して、院外の薬局ならどこでも薬を手に入れられるようにしています。

患者さんにとっては、わざわざ別の薬局に出向いて改めて待たないといけないという手間が増えました。そして、何よりも医療機関の利益はそのまま薬局の差益に転化されたというのが実態。

1999年に介護保険が半ば強引に始まった時も、医療費抑制のため介護保険に分離しただけ。見かけ上の医療費が減ったことを、ものすごい成果のように当時の政府は胸を張っていました。

まぁ、今でも薬価差益が無いわけでは有りませんが、もの凄い経費をかけて院内薬局を持つメリットはあまり無いわけで、特に外科系の医療機関は薬の使用は少なく、直接行う処置などの方が多い。

ところが、処置は一種の技術になるわけですが、日本の保険制度の中では技術というのはほとんど評価されていません。技術には個人差があるわけで、上手い医者と下手な医者がいるということ。ですから一定の値段が付き辛い。

もっとも、いくら上手いし評判でもやたらの高額な医者にかかりたいかと言うと、患者さんとしては躊躇する部分はあるでしょうし、現実にはブラックジャックや大門未知子のような存在はありえない。

リウマチ診療の中では、生物学的製剤と呼ばれる薬が登場してから、薬にかかる費用は爆発的に増加した事は事実です。最初に登場したレミケードは1本が当初約11万円で、通常1回に2本を使用しますので、3割負担の患者さんは窓口で6万円以上を支払うことになります。

ここで、差益があるかというと、正直言ってほぼ無い。実際、業者からの購入価格は1本10万円以上でした。特殊なフィルターが付属する高額な輸液セットの使用が義務付けられていて、しかも数時間かかる点滴の間の場所の占有、いろいろとチェックすることなどの手間を考えると、実質的には赤字と言ってもいいくらいです。

まぁ、結局ぐちみたいなものになってしまいますが、本当は話題のアップルウォッチの原価が安いというニュースから思いついた話。アップル製品の原価率は定価の29~38%の中にあったそうですが、一番安いアップルウォッチでは原価率は24%だそうです。

新製品ですから、いろいろな新しい経費がかかるための上乗せが必要ということで理解するしかありませんが、一番安くて42,800円するものが、中身のとしては1万円程度というのは、かなりガッカリ感は否めない。

薬価のように公的機関が基本価格を決めるわけではありませんから、資本主義の原則に則って価値を見出す方には高いものではないわけで、文句を言う筋合いはありません。

そのうち、こういうものがスタンダード化して、スマホのように普及する可能性はありますので、そうなったら購入を考えても遅くはないというところでしょうか。

2015年5月1日金曜日

キャンプ用冷蔵庫

4月から新生活をはじめた方は多いはずで、親元を離れて一人住まいを始めた学生さんとか、中には単身赴任になった寂しがりやのお父さんなどが日本中にいることでしょう。

たぶん、そのせいかと思うのですが、4月のamazonの売り上げランキングで家電の売り上げが伸びたものが小型の冷蔵庫。

小型のものは、45リットル程度のものと100リットル程度のものがよく出るようです。45リットルのものは、うちのクリニックでも薬品を保管するのに使っています。

薬品用としても、けっこう狭くて使いづらい。これを家庭用で使うとなると、ほとんど無理っぽい感じです。一人住まいだとしても、数日分の食料などを貯蔵するなら、現実的には100リットル程度の2ドアがお勧めでしょう。

家で使っているのは、もう四半世紀使っている400リットルクラスの大型ですが、もうひとつコンパクトなものがあって、主として飲み物の冷蔵に使用しています。

それは、 実はキャンプ用。Canping gazというブランドのもので、交流電源でも、車の12V電源でも、そしてキャンプ用のガスボンベでも使えるというもの。

確か、7万円くらいだったように思うのですが、当時よく立ち寄ったアウトドア店で見つけて、売れ残りで半額でした。それでも高いので躊躇したのですが、1週間後くらいしてもまだ売っていて、さらに1週間後にも残っていました。

これは、もう自分に買ってくれと言っているとしか思えず、ついに購入してしまったというわけ。以前、せっせとキャンプに行っていたときは、肉でもビールでも詰めるだけ詰めて持ち運んだものですが、ずいぶんと優雅なキャンプに貢献してくれました。

今でも、オークションなどでかなり安く手に入れられるようですから、絶対お勧めです。