2025年5月20日火曜日

犬と私の10の約束 (2008)

「犬の十戒」は、世界中で知られるペットの犬と飼い主の約束のようなもので、この映画での主要なテーマとして用いられています。映画に出てきたのは以下の通り。

1 私の話をがまん強く聞いてくださいね
2 私を信じて 私はいつもあなたの味方です
3 私とたくさん遊んで
4 私にも心があることを忘れないで
5 ケンカはやめようね 本気になったら私が勝っちゃうよ
6 言うことを聞かないときは理由があります
7 あなたには学校もあるし友達もいるよね でも私にはあなたしかいません
8 私が年をとっても仲良くしてください
9 私は十年くらいしか生きられません だから一緒にいる時間を大切にしようね
10 あなたとすごした時間を忘れません 私が死ぬ時 おねがいします そばにいてね

川口晴・澤本嘉光が原作と脚本、「釣りバカ日誌」や「超高速! 参勤交代」の本木克英が監督をしています。

函館に住む斎藤あかり(福田麻由子)は、大学病院勤務医の父、斎藤佑市(豊川悦司)と母芙美子(高島礼子)と三人暮らし。ある日、芙美子が病に倒れますが、ちょうど家に舞い込んできたゴールデンリトリバーの子犬をこっそり病院に連れて行きます。

芙美子は、「犬の十戒」を守ってくれたら飼ってもいいと言ってくれたので、ソックスと名付けました。しかし、芙美子はそれから間もなく亡くなってしまいます。あかりはずっと悲しくて寝込んでいたので、首が動かなくなってしまうのですが、ソックスとの遊びの中で回復するのでした。

しばらくして、佑市が札幌の病院に転勤することになり、当面の間は寮に暮らすためソックスを、幼馴染の星進(佐藤祥太)に預けることになりました。しかし、クラシックギターを学んでいた進はパリに留学することになってしまいます。出発の日に佑市は飛行場にあかりを連れて行きます。しかし、途中で病院からの緊急呼び出しのため、あかりだけがタクシーで向かいましたが、間に合いませんでした。

ソックスは進の家を飛び出し函館に帰ろうとしますが、市電に紛れ込んだところを保護されます。あかりと佑市は連絡を受けてソックスを迎えに行くのです。佑市は大事な家族を傷つけたことを深く後悔し、病院を辞めて函館に戻りクリニックを開業することにしました。

獣医学部の大学生になったあかり(田中麗奈)は、進(加瀬亮)が帰国していて函館でリサイタルを開くことを知り、久しぶりに再会するのでした。卒業後、あかりは旭山動物園に就職し、ソックスとは離れ離れの生活になり、忙しさから次第に家に帰る頻度は減ってしまいました。

そんな時に、あかりは進が交通事故にあい、指が上手く動かせなくなっていることを知ります。あかりは、かつて自分もソックスに助けてもらったことを思い出し、進のところにソックスを連れて行き預けるのでした。しかし、ソックスには残された時間はあまりありませんでした。

犬の十戒は、一度でも犬を飼ったことがある人ならば、身につまされる思いになるものだと思います。自分の場合は、最後の戒だけは守れたのですが、他は十分だったと胸をはる自信がありません。

最後にソックスがどうなるのかは、当然想像できるわけですが、それでも犬の演技はかなり泣かせる上等なものです。映画やドラマに登場する動物たちは、本当によく訓練されていると感心します。

ほぼ真ん中あたりで、あかりと進の配役が変わるのですが、どちらも似た雰囲気なのであまり違和感はありません。ちょい悪な役が多い豊川悦司が、むしろとても「お父さん」らしいところが微笑ましい感じがします。

こういう映画を見て素直に感動できる気持ちは忘れないようにしたいと思いました。