2025年8月3日日曜日

それってパクリじゃないですか? (2023)


芳根京子主演の日本テレビの連続ドラマで、原作は奥乃桜子による小説。世間的にあまり知られていない大事な職業である弁理士について勉強できます。

中小企業の月夜野ドリンクでは、画期的なキラキラボトルを新開発しましたが、ライバルのハーッピースマイル社がほとんど同じ商品の特許を先に取得してしまい大騒ぎになります。開発部の藤崎亜季(芳根京子)は情報漏洩を疑われ、親会社から派遣された弁理士の北脇雅美(重岡大毅)は、亜季が情報を漏らしたと証言すれば「冒認出願」という形で特許を取り戻せると言います。

しかし、自分に非が無い亜季は証言を断りますが、北脇は別のルートを探るうちに社長(赤井英弘)が講演会でハーッピースマイル社の社員に試作品を見せびらかしている映像を見つけ出します。このことから、何とか特許を取り戻すことができ、亜季の無実も証明されました。

開発部の高梨部長(常盤貴子)は、かつて権利関係の重要事案に関係していたため、積極的に権利関係を掌握する知財部設立を後押しし、亜季を知財部に異動させます。そして北脇が出向の形で知財部のブレーンにつくことになりますが、何事も冷徹に仕切る北脇と自分に自信が持てず知財の知識ゼロの亜季は当然凸凹コンビとしてぶつかることになるのでした。

弁理士とは、「特許・実用新案・意匠・商標などの知的財産の権利取得・維持・活用業務を行うための国家資格」で、自分もこのドラマを見るまで知りませんでした。このドラマでは、その仕事内容が実によくわかりその重要性を知ることができます。

冒認出願は正当ではない者による特許出願のことで、権利者がその証拠を提示すれば拒絶できるというもの。他にもドラマの中では、商標出願や商標侵害の問題点、特許出願する際に似た事例が無いか調べる侵害予防調査、お互いの権利をうまく利用するためのクロスライセンス契約、特許が認められるために必要な基準などが、ドラマのストーリーと調和してわかりやすく示されています。

芳根京子のキャラクターは、ある意味得意中の得意と言えるもので、このようなお仕事ドラマは実にはまっています。開発部の中では隠れた存在で、自分はいつも二番手だと思っている。それでもやると決めたことには一生懸命になり、最後まであきらめません。知財というドライに割り切らないといけない仕事(それを体現しているのが北脇)ですが、人と人、心と心のつながりも忘れないというのが気持ち良い。

芳根ファンはもとより、誰でも知っていて損が無い大変勉強になるドラマで、なおかつストーリーとしても堅苦しくなくユーモアを交えて楽しく見ることができるのでお勧めです。