2025年9月15日月曜日

ハヤシライス


・・・とタイトルをつけたものの、これ、ホントにハヤシライスと呼んでいいのでしょうか。

何を戯言を、と言われそうですが、しばしば巷で議論されているであろう「ハヤシライスとハッシュド・ビーフの違いは何?」問題というのがあります。

生きていくのにあまり関係ないので、明快な答えを確認したことがありません。

そもそもハヤシライスとは・・・

その呼び名には諸説あるようですが、料理用語として英語に「hash (ハッシュ)」というのがあり、意味は「細かく刻む、薄切りにする」ということ。ハッシュド・ポテトというのはよく知られていると思います。

そこで、明治時代にこの料理が日本に入って来て、肉を薄切りにして御飯にかけたものを「hashed beef and rice」と呼んだのが短く訛って変化したものが「ハヤシライス」となったと言うのが、最も有力な語源のようです。

ですからハッシュド・ビーフと呼ばれている料理は、はっきり言って同じもの。あえて言うなら、ハヤシライスはケチャップなどでやや甘めになっていることが多いようです。

基本的なハヤシライスのレシピは、牛肉(時に豚肉)の薄切りとタマネギのスライスをデミグラスソースで煮込むというシンプルなもの(時にマッシュルームのスライスも入ります)。

デミグラスソースは、小麦粉をバターで茶色くなるまで炒めたものに、肉(+骨)、香味野菜(タマネギ、ニンジン、セロリ)を加えてしっかりと煮詰め、ワインで仕上げたもの。いろいろな洋食で用いられます。

主としてすね肉のようなそのまま食べるには固すぎる部位を、タマネギ、ニンジン、ジャガイモなどと長時間煮込んで、デミグラスソースで味付けしたものはビーフシチューと呼ばれイギリス発祥とされています。塊肉を中心とした具材そのものを食べるのが目的で、主としてパンと共に楽しむもの。

薄切り牛肉とタマネギをデミグラスソースで煮込むものとして、ビーフストロガノフがあります。名前から想像できるようにロシア料理で、決定的な違いは最後にサワークリームを加えるところ。

似て非なる物はいろいろですが、まぁ、似たような味でどれでも美味しいので、家庭で楽しむ分には呼び方はお好みでよさそうです。