2025年10月18日土曜日
半径5メートル (2021)
雑誌の生活情報記事のための編集部を舞台に、新人の女性記者が成長していくドラマで、NHKで全9回で放送されました。
週刊誌「女性ライフ」のゴシップ記事を追いかける花形部署の新人記者である前田風未香(芳根京子)は、スクープを取り損ね生活情報班に異動させられてしまいます。スクープを追いかけてギラギラしていた部署と比べて、すべてにおいてのんびりムードが漂い、メンバーも個性的でした。
デスクの丸山(尾身としのり)は、コーヒーをみんなに配るのが趣味でやりたい企画は何でも通してくれます。藤川ますみ(山田真歩)は、夫が単身赴任中で堅実な仕事ぶり。海老原香織(北村有起哉)は妻と離婚して、今は女性として生きるトランスジェンダー。そして、フリーランスですが、最も人気のある記事を連発する亀山宝子(永作博美)が、風未香の教育係になりました。
宝子は自分の周囲半径5mまでに見えてくる身近なものが大事と教え、風未香は宝子の何気ないアドバイスで、物事を一方向からだけ見ないで、その本質は何かを考えること、そしてそれを記事として文章に起こす力を少しずつつけていくのでした。
そんな中で、誤報をしたら記事にした人に一生消えない迷惑をかけることも知り、宝子がフリーランスになった秘密も次第に明かされていくのでした。
主たる演出を担当した三島有紀子と脚本の橋部敦子の企画から生まれたオリジナル作品で、相手との距離によって、どのように人と付き合っていくのかということをメインテーマにしています。
もっとも、舞台となる生活情報班の部屋はかなりモダンな作りで、現実の雑誌編集部としてはおそらくありえないくらいかっこいい。生活の中でいかにもありそうな話題を扱いつつも、あえてファンタジー感もそこそこ入れ込むことでギスギスし過ぎないような配慮なのかもしれません。
芳根にとっては、ちょっとコメディ調が混ざるお仕事ドラマは、たぶん最も得意なジャンルなのではないでしょうか。悩み苦しみながら、そして時にはぶれながらも、だんだん自信をつけていくのは、見ていてとても安定感があります。
2025年10月17日金曜日
どくせんじょう
驚きました。いやいや、何十年生きていても、こんなことも知らんかったというものがあるものです。
「どくせんじょう」というのは、一人欲しいままにできる場(状況、場面)という意味で、「一人」=「独」、「欲しいまま」=「擅」ということで漢字で書くと「独擅場」となります。
ところが、今、普通に同じ意味で使う言葉は「独壇場」で、読み方は「どくだんじょう」です。
独擅場 独壇場
パッと見ると同じじゃないかと思いやすいのですが、よく見ると・・・違います。
手へんと擅と土へんの壇という違いがあった。
独擅場(どくせんじょう)が、一人舞台を連想しやすかったため、舞台を意味する「壇」が誤って使われるようになって、独壇場(どくだんじょう)が普通に使われるようになったとのこと。
また、「擅」が当用漢字に含まれていないため、「壇」が代用されたことが間違いの始まりということもあったらしい。
ちなみに最終局面の事を「どたんば」と言いますが、こちらは漢字だと「土壇場」となり、本来は首を斬る刑場のこと。
2025年10月16日木曜日
OD調査2025
OD調査は、「全国道路・街路交通情勢調査、自動車起終点調査」というもので、国土交通省が5年に一度行っている調査です。これも統計法によって行われるようです。
日本全国の道路交通の実態を把握し、道路の計画、建設、管理などについての基礎資料を得ることを目的とした調査です・・・というもの。
そして、全国の緊急車両を除く三輪以上の全ての自動車のうち、国土交通省が令和7年(2025年) 5月末時点の自動車登録情報から無作為に抽出した車両の所有者を対象としています・・・なんだそうです。
・・・で、うちにこれがある、ということは当たりということ。以前にやった覚えが無いので、初めて選ばれてしまったようです。国勢調査は簡単だったので、ほとんどストレス・フリーでしたが、こちらは・・・
正直言っていっきにやる気が下がります。なんか面倒だなぁ・・・という気持ちが先に立ってしまい、調査票の内容をみると「やたらと細かいことを聞くなぁ」と思ってしまいます。
平日と休日のそれぞれ特定の一日を対象として、どのように車を使用したかを事細かに書くのですが、最初にその日に自動車を「使った or 使わなかった」を答えるので、「使わなかった」に〇をつけて終わりにしたい気持ちがでてきます。
とは言え、これもインターネットを利用した回答ができるので、ゆっくりやりたいと思います。
2025年10月15日水曜日
記憶屋 あなたを忘れない (2020)
織守きょうやの小説が原作で、カテゴリー的にはホラーと呼ばれますが、実写映画化に当たって、だいぶ設定が変えられているようで、映画はファンタジー系ロマンスみたいなテイストです。
監督は「約束のネバーランド」の平川雄一朗、脚本は平川と鹿目けい子です。エンディングテーマには、中島みゆきの「時代」が使われています。
もうじき大学卒業を控えている吉森遼一(山田涼介)は、母と幼馴染で故郷の広島から出てきて間もない河合真希(芳根京子)と暮らしています。遼一は沢田杏子(蓮仏美沙子)と卒業したら結婚することになっていましたが、ある日、急に杏子が自分の事を知らないと言い出します。
巷には都市伝説として記憶屋というのがあって、忘れたい記憶を消してくれると噂されています。遼一は杏子が記憶屋に自分の記憶を消されたのではないかと疑い、大学の先輩である弁護士の高原(佐々木蔵之介)に相談します。
最初は相手にしなかった高原でしたが、遼一が自分の周りで二人目だと言うと耳を傾けるようになりました。こどもの時、連続少女誘拐殺人事件があり、唯一命が助かったのが真希で、彼女は事件の事をまったく覚えていないのです。
遼一は消せる記憶なら戻すこともできるのではないかと思い、故郷に何か記憶屋に関する手掛かりが残っていないか高原と共に向かいます。真希の祖父(田中泯)に会いますが、何も手掛かりは有りませんでした。そこへ高原の助手を務める安藤七海(泉里香)から重要な手掛かりがあったと連絡が入りますが、戻ると七海の記憶屋に関する記憶はすべて消えていました。
高原も記憶屋にどうしても頼みたいことがあったため、遼一に協力していたのです。高原は脳腫瘍のため余命宣告を受けていて、一人娘を悲しませないために娘から自分の記憶を消してもらいたいと考えていたのです。強い頭痛に襲われた高原は、記憶屋のネット掲示板に「会いたい」と書き残すと意識を失い入院してしまうのでした。
結局、割と早い段階で記憶屋の正体はほとんど明かされています。そういう意味では、ミステリー的なところは強くない。ファンタジー系としたのは、記憶を消すことは超能力として片付けられているから。本来、忘れないと生きていけない辛い記憶を消すための力らしいのですが、ややそれ以外の目的で使われているところもあって、素直に喜べません。
ラストシーンも何となくモヤモヤが残る。結局何だったんだろうと言う終わり方なので、ロマンスを匂わせているにも関わらず、本来感情移入して泣く所も泣くに泣けない感じです。最後は記憶を消すことは罪としているけど許してあげようという、そんな解決でいいのかと思いました。
山田涼介の演技力は定評があるところなので、ここでもいい雰囲気をだしています。辛い過去を微妙に引きづる芳根京子も、間違いないところ。ただし、せっかく田中泯を起用していながら、これはちょっと役柄としては誰でも良い感じでもったいない。ベテランの佐々木蔵之介は、シーンを引き締めているのはさすがですが、ちょっと高原の描き方に物足りなさを感じました。
悪い作品とまでは言いませんけど、積極的に人にお勧めするのはちょっとしんどいかもしれません。
監督は「約束のネバーランド」の平川雄一朗、脚本は平川と鹿目けい子です。エンディングテーマには、中島みゆきの「時代」が使われています。
もうじき大学卒業を控えている吉森遼一(山田涼介)は、母と幼馴染で故郷の広島から出てきて間もない河合真希(芳根京子)と暮らしています。遼一は沢田杏子(蓮仏美沙子)と卒業したら結婚することになっていましたが、ある日、急に杏子が自分の事を知らないと言い出します。
巷には都市伝説として記憶屋というのがあって、忘れたい記憶を消してくれると噂されています。遼一は杏子が記憶屋に自分の記憶を消されたのではないかと疑い、大学の先輩である弁護士の高原(佐々木蔵之介)に相談します。
最初は相手にしなかった高原でしたが、遼一が自分の周りで二人目だと言うと耳を傾けるようになりました。こどもの時、連続少女誘拐殺人事件があり、唯一命が助かったのが真希で、彼女は事件の事をまったく覚えていないのです。
遼一は消せる記憶なら戻すこともできるのではないかと思い、故郷に何か記憶屋に関する手掛かりが残っていないか高原と共に向かいます。真希の祖父(田中泯)に会いますが、何も手掛かりは有りませんでした。そこへ高原の助手を務める安藤七海(泉里香)から重要な手掛かりがあったと連絡が入りますが、戻ると七海の記憶屋に関する記憶はすべて消えていました。
高原も記憶屋にどうしても頼みたいことがあったため、遼一に協力していたのです。高原は脳腫瘍のため余命宣告を受けていて、一人娘を悲しませないために娘から自分の記憶を消してもらいたいと考えていたのです。強い頭痛に襲われた高原は、記憶屋のネット掲示板に「会いたい」と書き残すと意識を失い入院してしまうのでした。
結局、割と早い段階で記憶屋の正体はほとんど明かされています。そういう意味では、ミステリー的なところは強くない。ファンタジー系としたのは、記憶を消すことは超能力として片付けられているから。本来、忘れないと生きていけない辛い記憶を消すための力らしいのですが、ややそれ以外の目的で使われているところもあって、素直に喜べません。
ラストシーンも何となくモヤモヤが残る。結局何だったんだろうと言う終わり方なので、ロマンスを匂わせているにも関わらず、本来感情移入して泣く所も泣くに泣けない感じです。最後は記憶を消すことは罪としているけど許してあげようという、そんな解決でいいのかと思いました。
山田涼介の演技力は定評があるところなので、ここでもいい雰囲気をだしています。辛い過去を微妙に引きづる芳根京子も、間違いないところ。ただし、せっかく田中泯を起用していながら、これはちょっと役柄としては誰でも良い感じでもったいない。ベテランの佐々木蔵之介は、シーンを引き締めているのはさすがですが、ちょっと高原の描き方に物足りなさを感じました。
悪い作品とまでは言いませんけど、積極的に人にお勧めするのはちょっとしんどいかもしれません。
2025年10月14日火曜日
ライトフライト ~ 帰りたい奴ら (2009)
TEAM NACS SOLO PROJECTの一環として行われた舞台で、戸次重幸が脚本を書いています。演出は「GHOOOOOST!!」に続いて福島三郎が担当しています。
戸次重幸のDVDなどで見ることができる単独公演は、「アルプス」、「GHOOOOOST!!」に次いで3作目ですが、ここでもどちらかというとドタバタ的なコメディに仕上がっていて、「アルプス」と同じ時空を移動する設定になっています。
新規参入したニューアサヒ・スカイラインという航空会社の、初めて東京発札幌行きの便が離陸しようとしています。オカマのCAの釜田(福島カツシゲ)が登場案内をしますが、乗客は誰も聞いちゃいない。
乗客は、人気漫画家の富樫よね(川原亜矢子)と夫でありマネージャーでもある富樫明夫(六角慎司)、何か怪しげな医者っぽい黒田十一(戸次重幸)、今どきギャル風の宅間典子(小松彩夏)、いかにもハイジャックでもしそうな佐田武蔵(川井"J"竜輔)です。機長は堅物感ありありの早乙女青二斎(野中イサオ)で、副操縦士は某歌劇団の男役みたいな夜月ミチル(蘭香レア)。
離陸したとたんに佐田がこの機をハイジャックすると宣言するものの、持っている武器はダーツの矢ですから、乗客らの協力で簡単に制圧されてしまいます。そうこうしていると、飛行機は宇宙船と衝突し、宇宙人のソ(加藤貴子)が乗り込んできます。
ソは時空の歪みによって突然現れたわけで、飛行機自体もどこかわけのわからない場所に不時着していました。そこは原始時代らしく、あわてて機を離陸させます。時空の歪みに飛び込むと、そこは・・・いったい彼らは帰ることができるのでしょうか。
・・・という、もうほとんどナンセンス・コメディとしか言いようがないもの。正直な感想としては、あまり面白いものではありません。知的なイメージがある川原亜矢子が出演しているのが不思議でしょうがない。
まず舞台が題材からして広すぎる。機内の座席を正面から見ている設定なので、客席が横に広がり過ぎてかなり違和感があるし、それでも余ったスペースがもったいない。その上の2階部分みたいなところに操縦席があるのも変です。機内を横から見るような舞台の方が、まだ良いのではないかと思えてしまいます。
時空移動は二番煎じですし、特に不満を感じるのは、最後の結末シーンは紙芝居で説明して終わりというのは、かなり雑なエンディングです。うまい着地点を思いつかなかったので、取り急ぎ終わらせた感があるのが残念です。
2009年は2月から4月にかけてTEAM NACSとして「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」の本公演をしていて、戸次は夏には連続テレビ・ドラマにも出演していました。この舞台は10月から11月にかけて行われたので、戸次にとってはかなりハード・スケジュールだったのかもしれませんが、それを言い訳にはできません。
戸次重幸のDVDなどで見ることができる単独公演は、「アルプス」、「GHOOOOOST!!」に次いで3作目ですが、ここでもどちらかというとドタバタ的なコメディに仕上がっていて、「アルプス」と同じ時空を移動する設定になっています。
新規参入したニューアサヒ・スカイラインという航空会社の、初めて東京発札幌行きの便が離陸しようとしています。オカマのCAの釜田(福島カツシゲ)が登場案内をしますが、乗客は誰も聞いちゃいない。
乗客は、人気漫画家の富樫よね(川原亜矢子)と夫でありマネージャーでもある富樫明夫(六角慎司)、何か怪しげな医者っぽい黒田十一(戸次重幸)、今どきギャル風の宅間典子(小松彩夏)、いかにもハイジャックでもしそうな佐田武蔵(川井"J"竜輔)です。機長は堅物感ありありの早乙女青二斎(野中イサオ)で、副操縦士は某歌劇団の男役みたいな夜月ミチル(蘭香レア)。
離陸したとたんに佐田がこの機をハイジャックすると宣言するものの、持っている武器はダーツの矢ですから、乗客らの協力で簡単に制圧されてしまいます。そうこうしていると、飛行機は宇宙船と衝突し、宇宙人のソ(加藤貴子)が乗り込んできます。
ソは時空の歪みによって突然現れたわけで、飛行機自体もどこかわけのわからない場所に不時着していました。そこは原始時代らしく、あわてて機を離陸させます。時空の歪みに飛び込むと、そこは・・・いったい彼らは帰ることができるのでしょうか。
・・・という、もうほとんどナンセンス・コメディとしか言いようがないもの。正直な感想としては、あまり面白いものではありません。知的なイメージがある川原亜矢子が出演しているのが不思議でしょうがない。
まず舞台が題材からして広すぎる。機内の座席を正面から見ている設定なので、客席が横に広がり過ぎてかなり違和感があるし、それでも余ったスペースがもったいない。その上の2階部分みたいなところに操縦席があるのも変です。機内を横から見るような舞台の方が、まだ良いのではないかと思えてしまいます。
時空移動は二番煎じですし、特に不満を感じるのは、最後の結末シーンは紙芝居で説明して終わりというのは、かなり雑なエンディングです。うまい着地点を思いつかなかったので、取り急ぎ終わらせた感があるのが残念です。
2009年は2月から4月にかけてTEAM NACSとして「下荒井兄弟のスプリング、ハズ、カム。」の本公演をしていて、戸次は夏には連続テレビ・ドラマにも出演していました。この舞台は10月から11月にかけて行われたので、戸次にとってはかなりハード・スケジュールだったのかもしれませんが、それを言い訳にはできません。
2025年10月13日月曜日
累 (2018)
原作は松浦だるまによるマンガ「累(かさね)」で、「ストロベリーナイト」の監督・佐藤佑市と脚本・黒岩勉が再びタッグを組み、土屋太鳳と芳根京子のW主演で映画化されました。
唇から頬にかけて醜い傷がある淵累(芳根京子)は、大女優と呼ばれた故・淵透世(檀れい)の娘で、母から「独りぼっちで。本当に辛い時はこれを使うように」と口紅を託されました。その口紅を塗って誰かとキスをすると、姿や声がそっくり12時間の間入れ替わることができるのです。
透世の十三回忌で羽生田(浅野忠信)に声をかけられた累は、羽生田がマネージメントしている美しい女優り丹沢ニナ(土屋太鳳)の舞台を見学しました。何故か口紅の秘密を知っている羽生田は、透世の才能を受け継いだ累に、体調に不安を抱え演技力に問題があるニナの代役を務めるように言うのです。
容姿のためにずっと劣等感を抱き続けてきた累でしたが、毎日9~21時はニナと入れ替わり芝居のオーディションに合格、ニナが以前から憧れていた演出家・烏合(横山裕)に認められるのです。初めは累のことを自分が成功するための踏み台と考えていたニナでしたが、しだいに累に対して嫉妬を感じるようになり、ついに累を追い出そうとします。
しかし、ニナは持病の発作を起こし5か月もの間眠り続けてしまい、その間に累が演じる「ニナ」は大成功して世間に広く知られるようになってしまうのでした。ニナが目覚めた時、二人の立場は逆転していました。実は、透世も口紅によって他人の顔を使い続けていました。羽生田は過去に透世のマネージャーだったので、そのことを知っており、累を第二の透世として世に送り出そうと考えていたのです。
ニナは累の実家を訪ね、累の生い立ちや母の秘密を知ります。踏み台にされているのは自分であることに気がついたニナでしたが、「偽物が本物を超える」と宣言した累はニナの唇を自由に使うため睡眠薬で眠らせ続けるのでした。
18世紀の歌舞伎作者として有名な四代目鶴屋南北が、現・茨城県常総市の累ヶ淵を舞台とした怨念の物語をもとに狂言を作り人気を博しました。醜い容姿の累が義父に殺され祟り続ける話ですが、江戸末期の落語家・三遊亭圓朝が「真景累ヶ淵」という長大な怪談話としてまとめ上げたものが有名です。
この映画はこれらの物語からモチーフをもらっていることは明らかですが、自己中心的で演技力不足の美貌の持ち主ニナと、確かな演技力があっても醜さからくる強い劣等感を絶えず抱いている累という対照的な二人の主人公の対立軸がテーマです。
土屋太鳳と芳根京子は、数年土屋の方が先輩ですが、ほぼ同世代で容姿や体形も比較的似ていて、人の入れ替わり物としては絶妙な配役だと思います。両者とも、真逆な心理状態を表現しなければならず、しだいに狂気に飲み込まれていくかなり難しい役所だと思いますが、芝居をするシーンは本物でも偽物でもニナで、どちらも土屋太鳳が演技をするので、より土屋の方が大変だったかもしれません。
いずれにしても、二人とも見事にこなしていてなかなか見応えがあります。芳根にとっては、演技力を知らしめる絶好の機会になったのかもしれません。浅野忠信の演じる羽生田は、いかにもという演技なんですが、やや強引過ぎてもう少し透世に対する想いを丁寧に描けていれば厚みが出たかもしれません。
唇から頬にかけて醜い傷がある淵累(芳根京子)は、大女優と呼ばれた故・淵透世(檀れい)の娘で、母から「独りぼっちで。本当に辛い時はこれを使うように」と口紅を託されました。その口紅を塗って誰かとキスをすると、姿や声がそっくり12時間の間入れ替わることができるのです。
透世の十三回忌で羽生田(浅野忠信)に声をかけられた累は、羽生田がマネージメントしている美しい女優り丹沢ニナ(土屋太鳳)の舞台を見学しました。何故か口紅の秘密を知っている羽生田は、透世の才能を受け継いだ累に、体調に不安を抱え演技力に問題があるニナの代役を務めるように言うのです。
容姿のためにずっと劣等感を抱き続けてきた累でしたが、毎日9~21時はニナと入れ替わり芝居のオーディションに合格、ニナが以前から憧れていた演出家・烏合(横山裕)に認められるのです。初めは累のことを自分が成功するための踏み台と考えていたニナでしたが、しだいに累に対して嫉妬を感じるようになり、ついに累を追い出そうとします。
しかし、ニナは持病の発作を起こし5か月もの間眠り続けてしまい、その間に累が演じる「ニナ」は大成功して世間に広く知られるようになってしまうのでした。ニナが目覚めた時、二人の立場は逆転していました。実は、透世も口紅によって他人の顔を使い続けていました。羽生田は過去に透世のマネージャーだったので、そのことを知っており、累を第二の透世として世に送り出そうと考えていたのです。
ニナは累の実家を訪ね、累の生い立ちや母の秘密を知ります。踏み台にされているのは自分であることに気がついたニナでしたが、「偽物が本物を超える」と宣言した累はニナの唇を自由に使うため睡眠薬で眠らせ続けるのでした。
18世紀の歌舞伎作者として有名な四代目鶴屋南北が、現・茨城県常総市の累ヶ淵を舞台とした怨念の物語をもとに狂言を作り人気を博しました。醜い容姿の累が義父に殺され祟り続ける話ですが、江戸末期の落語家・三遊亭圓朝が「真景累ヶ淵」という長大な怪談話としてまとめ上げたものが有名です。
この映画はこれらの物語からモチーフをもらっていることは明らかですが、自己中心的で演技力不足の美貌の持ち主ニナと、確かな演技力があっても醜さからくる強い劣等感を絶えず抱いている累という対照的な二人の主人公の対立軸がテーマです。
土屋太鳳と芳根京子は、数年土屋の方が先輩ですが、ほぼ同世代で容姿や体形も比較的似ていて、人の入れ替わり物としては絶妙な配役だと思います。両者とも、真逆な心理状態を表現しなければならず、しだいに狂気に飲み込まれていくかなり難しい役所だと思いますが、芝居をするシーンは本物でも偽物でもニナで、どちらも土屋太鳳が演技をするので、より土屋の方が大変だったかもしれません。
いずれにしても、二人とも見事にこなしていてなかなか見応えがあります。芳根にとっては、演技力を知らしめる絶好の機会になったのかもしれません。浅野忠信の演じる羽生田は、いかにもという演技なんですが、やや強引過ぎてもう少し透世に対する想いを丁寧に描けていれば厚みが出たかもしれません。
2025年10月12日日曜日
ガーデンシクラメン
シクラメンはサクラソウ科の多年草球根植物で、涼しくなってくると長期間楽しめる秋から春までの代表的な花です。
球根ですから、ちょっとがんばれば毎年楽しめる・・・はずですが、そのがんばりがなかなか難しく、結局毎年新たに買うことになります。
一般的にシクラメンは、鉢植えで日当たりの良い室内で育てます。
全体が小ぶりになったミニシクラメンも人気ですが、特に耐寒性に優れた系統のものが「ガーデンシクラメン」と呼ばれ、屋外でも楽しめるのでファンが多い。
ホームセンターでガーデンシクラメンが売り出され始めました。一株が327円となっていて、見栄えを良くしようとたくさん買うと、通常サイズの見栄えの良い鉢が買えそうです。
まぁ、どのように楽しみたいかの問題なので、個人の好みで選べば良いのですが、自分の場合は玄関をパッと明るくしたいので、大きくて立派なのがあると嬉しいかもしれません。
2025年10月11日土曜日
レバニラ炒め
もう、定食屋の定番中の定番。
レバニラ炒めです。言わずとも知っているでしょうが、レバは豚レバー(肝臓)、ニラは韮。そりゃそうだ。
作るのは簡単。
まずはレバーしっかり炒めます。火が通りやすい薄切りスライスにしたものが家庭では扱いやすい。食中毒の原因になりやすいので、ここは手を抜いてはいけません。
表面が少し焦げてきたら、タマネギのスライス、もやしを入れて炒めます。最後にニラを投入して、味付けは・・・
うちでは、実に簡単。市販の焼肉のタレをかけるだけです。あとは何に使いません。
これだけでOKなんです。全体に味が馴染んだら出来上がりです。
御飯がすすむわぁ~
2025年10月10日金曜日
119エマージェンシーコール (2025)
今年の1月~3月にフジテレビで放送されたドラマなので、ご覧になった方もいることと思います。自分も横浜市が舞台だったこともあり、興味を持って見出したのですが、あのフジテレビ関連の大スキャンダルが発生したため、放送日程や、ロケ撮影に多大な影響が出て、ある意味最も割を食ったドラマだったのではないでしょうか。
横浜市消防局が全面的に協力して制作されたのですが、スキャンダル以後、協力のクレジットを表示しなくなり、屋外のロケも大々的に縮小されて、スタジオでの撮影が中心になりました。
新人指令管制員の粕原雪(清野奈名)は、こどものときに家が火事になり、119番の電話で指令管制員の声に励まされたことが今でも強く記憶に残っています。指令管制員の仕事は、ただ通報を受けるだけでなく、想像力をフル活用して少しでも要救助者を助けたいという信念を持っていました。
雪の教育係である兼下睦夫(瀬戸康史)は、元消防隊員でしたが、現場で自分の行動のせいで後輩に重い怪我を負わせたことで、指令管制に移動になりました。雪が自分の手配の結果などを確認するため後で現場に出向くことに批判的で、指令管制員は現場に指令を出すだけでいいんだと頑なな姿勢を崩そうとしません。
司令課3係には、粕原、兼下の他に係長の高千穂一葉(中村ゆり)、新島沙良(見上愛)、救命救急士の資格も持っている与呉心之介(一ノ瀬颯)、箕輪健介(前原滉)などとともに大ベテランの堂島信一(佐藤浩市)らが所属していました。
主人公たちは消防局の指令管制員であり、119番の通報を最初に受けて、適切に消防車や救急車を手配する役目を担っています。各個人の想いに関連した話とさまざまな現代の都会で遭遇する可能性のある事案を取り上げ、けっこう骨太なテーマとエンタメ性が両立したドラマとして成立していると思います。
スキャンダルの影響で屋外での撮影シーンが減っても、むしろ電話の声だけを頼りに様々な対応をする心理的な緊迫感はより強調されたと思いました。もちろんドラマですから、それぞれのキャラクターにはストーリー性が描かれていますが、かなり現実の状況を反映できているだろうと想像できます。
出演者の方々も、いろいろな制約の中で不安がいっぱいの撮影だったと思いますが、少なくとも良質な作品を世に送り出したことは称賛されてよいと思います。横浜市は消防局クレジット表記こそ取りやめましたが、最後まで実質的な協力は続けたことは良かったと思いました。
2025年10月9日木曜日
夕焼け
昨夕は、めっちゃ綺麗な夕焼けが広がっていました。
西の空です。
こういう時は、翌日の天気は晴れになるといわれています。
でも、夕焼けの明日は雨ということも聞いたことがありますね。そのあたりのことは、勉強したことが無いのでよくわかりません。
・・・なんてことを考えながら、仕事が終わって駐車場に向かうと、何とアンラッキーな出来事が起こりました。
何と駐車券を入れたら、「このカードは無効です」ときた。カードを傷めるようなことをした覚えはまったくありません。
まじか!!
精算機の電話で事の次第を連絡すると・・・係がむかいますので30分くらいかかりますと。
OH----!! NOォ~
本当に30分も足止めされてしまいました。
どうも夕焼けはあんまりいいこと無い・・・天気は雨になるかもしれません。
2025年10月8日水曜日
防犯砂利
近くのホームセンターで売り出していましたのが「防犯砂利」というもの。
何か耳にしたことがありますが、実物は初めて見ました。
踏んでみると確かに大きめの音がしますが、普通の砂利とどのくらい違うかはよくわかりませんでした。
大きな音がするので侵入者に気がつきやすくなるということで、防犯に効果的というのが売り文句になっています。
材質は廃棄されたガラスやセラミックなどを加工したものらしく、見た目ほどは重たくないようです。
ただし良いことばかりではありません。もとがガラスですから砕けやすいので、長期間使っていると粉塵のようになるらしい。
また、普通に歩いても音がするわけですから、もしかしたら隣近所に騒音として迷惑をかけることがあるかもしれません。
でかい袋(40L)が1780円になっていましたが、ある程度厚めに撒かないと意味が無いので、その量でたぶん1m四方くらいまでいけるかいけないかという雰囲気です。いろいろとよく考えてから購入しましょう。
2025年10月7日火曜日
中秋の名月 2025
中秋の名月は、ほぼ毎年のレギュラー的なネタなんですが・・・
何と、前日は見えていたのに昨夜は全天曇り。まったく月が見えません。
こればかりはどうしようもない。
中秋の・・・というと10月6日だったんですが、これはあくまでも旧暦の8月15日にこだわった決めです。
月の満ち欠けを基準にしたものですが、この周期は29.5日です。半分は14.8なので、真ん中を15日とすると、ちょっとずつずれるので、必ずしも中秋=名月とはならない。
今年の満月は10月7日、今夜です。
なので、「名月」にこだわるなら、ワンチャンありますので、今夜の天気に期待したいと思います。でも、台風来ている・・・・
とりあえず、ここでは過去の写真を楽しんでいてください。
何と、前日は見えていたのに昨夜は全天曇り。まったく月が見えません。
こればかりはどうしようもない。
中秋の・・・というと10月6日だったんですが、これはあくまでも旧暦の8月15日にこだわった決めです。
月の満ち欠けを基準にしたものですが、この周期は29.5日です。半分は14.8なので、真ん中を15日とすると、ちょっとずつずれるので、必ずしも中秋=名月とはならない。
今年の満月は10月7日、今夜です。
なので、「名月」にこだわるなら、ワンチャンありますので、今夜の天気に期待したいと思います。でも、台風来ている・・・・
とりあえず、ここでは過去の写真を楽しんでいてください。
2025年10月6日月曜日
the 波乗りレストラン (2008)
日本テレビ開局55周年としてサザンオールスターズ結成30周年とコラボした企画のドラマ。全33話なんですが、一つ一つは10分程度で、それぞれにサザンオールスターズのヒット曲が1曲ずつ紹介されていますが、ストーリーと曲と関係はあまり無い。
ふらーっと江の島にやって来た小波健二(大泉洋)は、食べ歩きしているうちに土産物屋をやっている長塚日出夫(西村雅彦)やシラス漁とシラス丼の店をやっているロッキー(布施博)、その妻であるマドンナ(富田靖子)らと知り合いになります。健二は、海岸のはずれにある2階建ての荒れた空家を友人から借りてレストランを始めるつもりでした。
準備を始めてはみたものの、健二はいつまでたっても準備中の札を出したままで開店しようとしません。すると長塚やロッキー、マドンナまで何となく出入りするようになります。さらに記憶喪失になった女性弁護士の孝子(白石美帆)、彼女の夫で孝子を見守るナポリ(岡田善徳)らも、やって来て「人生の休業」を始めるのです。
そして、休業中にもかかわらず「波乗りレストラン」には、次から次へと生活に疲れたり、生活がうまくいかない人々が集まってくるのでした。それでも健二はなかなか店を開こうとせず、みんなの話は聞いてあげても、自分のことは語ろうとしません。そうこうしていると、マドンナは自分をリスタートしたくなり、ロッキーに離婚を申し出ます。しかし、彼女は病が発覚するのでした。
出演者は豪華。それぞれがチョイ役ですが、他には平岡祐太、柳沢慎吾、星野真里、小出恵介、仲里依紗、小松彩夏、小倉久寛、杉本哲太、賀来賢人、かとうかずこ、戸次重幸、吉田照美、奥山佳恵、サンプラザ中野くん、高橋ひとみ、吉高由里子、でんでん、安田顕、岸谷五朗、田島令子、松下由樹、深津絵里、福山雅治・・・まぁ、出てくる出てくる有名人。
ストーリーとしては面白い・・・んですが、何しろ細切れ過ぎてどうも気持ちが付いて行きません。ショートドラマですからしょうがない。誰だって長く人間やってれば、少しは人生に疲れる瞬間はあるものです。これだけいろいろなパターンを出してくると、もしかしたら自分にも当てはまるなぁと考える人がいるかもしれませんけどね。
そう思った方は、是非DVDを用意しましょう。特典に全部をまとめ上げた2時間ドラマに編集し直したバージョンが入っているので、そちらを鑑賞しましょう。ただ、それはそれで登場人物が多すぎて混乱するかもしれません。
ふらーっと江の島にやって来た小波健二(大泉洋)は、食べ歩きしているうちに土産物屋をやっている長塚日出夫(西村雅彦)やシラス漁とシラス丼の店をやっているロッキー(布施博)、その妻であるマドンナ(富田靖子)らと知り合いになります。健二は、海岸のはずれにある2階建ての荒れた空家を友人から借りてレストランを始めるつもりでした。
準備を始めてはみたものの、健二はいつまでたっても準備中の札を出したままで開店しようとしません。すると長塚やロッキー、マドンナまで何となく出入りするようになります。さらに記憶喪失になった女性弁護士の孝子(白石美帆)、彼女の夫で孝子を見守るナポリ(岡田善徳)らも、やって来て「人生の休業」を始めるのです。
そして、休業中にもかかわらず「波乗りレストラン」には、次から次へと生活に疲れたり、生活がうまくいかない人々が集まってくるのでした。それでも健二はなかなか店を開こうとせず、みんなの話は聞いてあげても、自分のことは語ろうとしません。そうこうしていると、マドンナは自分をリスタートしたくなり、ロッキーに離婚を申し出ます。しかし、彼女は病が発覚するのでした。
出演者は豪華。それぞれがチョイ役ですが、他には平岡祐太、柳沢慎吾、星野真里、小出恵介、仲里依紗、小松彩夏、小倉久寛、杉本哲太、賀来賢人、かとうかずこ、戸次重幸、吉田照美、奥山佳恵、サンプラザ中野くん、高橋ひとみ、吉高由里子、でんでん、安田顕、岸谷五朗、田島令子、松下由樹、深津絵里、福山雅治・・・まぁ、出てくる出てくる有名人。
ストーリーとしては面白い・・・んですが、何しろ細切れ過ぎてどうも気持ちが付いて行きません。ショートドラマですからしょうがない。誰だって長く人間やってれば、少しは人生に疲れる瞬間はあるものです。これだけいろいろなパターンを出してくると、もしかしたら自分にも当てはまるなぁと考える人がいるかもしれませんけどね。
そう思った方は、是非DVDを用意しましょう。特典に全部をまとめ上げた2時間ドラマに編集し直したバージョンが入っているので、そちらを鑑賞しましょう。ただ、それはそれで登場人物が多すぎて混乱するかもしれません。
2025年10月5日日曜日
自由民主党新総裁
昨日、現政権与党である自由民主党の総裁選挙が行われ、高市早苗氏が選出されました。
まず、最も注目される点は、初めての女性総裁ということ。それが意味するところは、群雄割拠する野党が一致団結することはなさそうですから、日本で初めての女性総理大臣が誕生することを意味しています。
女性の社会進出に対して、自分は特にマイナスの思考は持っていないつもりですので、女性総理大臣の誕生には特別な感慨はありません。政治の世界は能力至上主義だと思うので、魑魅魍魎が巣くう永田町をしっかりとまとめ上げて、すべての国民が納得できる政治運営をしてもらえるのなら、男女関係なく応援できます。
ただ、高市氏のこれまでの行動・発言などで一抹の不安を感じる方は多いだろうし、自分もその一人であることは否定できません。メディアを通じて伝わって来た高市氏のイメージは、必ずしも良いことばかりではありません。
そもそも自分は自由民主党が嫌い。派閥と称して実際はいくつもの政党の寄り合い所帯にもかかわらず、自分たちの利益のために手を握り、政治家のための政治を構築してきたのが自由民主党だと思えるし、その古い体質を具現化した最後のトップが故・安倍晋三氏だと思っています。
高市氏はおそらく自他ともに認める安倍氏の崇拝者。アベノミクスを継続しサナエノミクスと呼び、憲法の「戦争放棄」の削除、女性天皇反対、教育勅語の復活、選択的夫婦別姓反対、靖国神社参拝・・・などなど、どう考えても高市氏はかなり保守的思考の強い人物と思えます。
自民党は変われるのか?? ・・・・おそらく、党員・所属議員は最も変革できない人物をトップに選出したと思います。またそれを許す、自民党にすり寄る泡沫野党にも大きな責任があるのかもしれません。
2025年10月4日土曜日
大阪万博
大阪万国博覧会2025・・・始まるまでは、いろいろとマイナス面の報道があふれかえって、どうなることか、他人事ながら気になっていました。
始まってみると、それなりに楽しいらしく、まぁまぁな入場者数となり、いよいよあと9日で終了です。
1970年の日本万国博覧会を知っている者としては、高度経済成長のシンボルみたいな意義があったことと比較してしまうと、今回はあまり開催する大義みたいなものは感じにくく、はっきり言えば大阪のローカルなイベントという印象は拭えません。
何かのイベントで集客して経済効果を得ようと言うのは、よくある発想です。それが悪いとは言いませんが、考え方としては使い古されたもの。主導した大阪府吉村知事は、全国レベルの日本維新の会の中心人物の一人ですけど、「新しさ」を感じません。
終了間際となって、「死に券」問題とか言われていますが、細かいことはともかく少なくとも「失敗」はしなかったことは良かったとは思います。自分は興味がないので行きませんでしたが、周りには出かけた方もチラホラ。おみやげが届いたりしました。
こういうのを見ると、やはり、あくまでもローカルイベントだなと感じます。もっとも、今回は「日本」ではなく「大阪・関西万国博覧会」という名称ですから文句はありません。
ただし、費用総額は約7,600億円のうちいろいろな収益で賄えない分は約3000億円の税金で補填するわけですから、そのうちかなり分は国税からの拠出であることは忘れてはいけませんね。
2025年10月3日金曜日
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう (2025)
自分が高校生だったのは1970年代のこと。おやおや、もう半世紀以上も昔の事になってしまいました。家は東京の渋谷。それも、明治通りと青山通りと表参道に囲まれた三角地帯の中。
そう言うと、さぞかし遊び慣れした高校生だろうと思うかもしれませんが、実際はそんなことはない。繁華街の真ん中にあるにもかかわらず、ごく普通の住宅地でしたから、むしろちょっと出歩くと流行に乗ってチャラチャラした人間ばかりがいて、地元民としてはものすごく嫌で反発した生活でした。
何かにつけて買い物とかで出かけるのは、当然渋谷。高校を卒業して、見事に浪人生活に突入し、ますます渋谷にいる時間が増えました。朝、代々木ゼミナールに行きます。真面目に講義に出ると夕方までかかるわけですが、そんな疲れることをするわけがない。昼頃には、もう飽きて渋谷まで歩きます。そこそこ運動になるので、悪いことじゃない。
渋谷駅から道玄坂を上がっていくと、右側に恋文横丁というのがあった。いわゆる百軒店なんですが、横丁の入口には、確かストリップ劇場があって、当然興味はあるわけですが、お金のない浪人生は入ったことが無い(嘘じゃない)。目的地はそのすぐ左隣のジャズ喫茶です。名前は・・・確かSWINGだったと思います。
ジャズ喫茶は、けっこうな音量でジャズのレコードで音楽を流す店。うまくもないコーヒー1杯200円くらいでしたか。リクエストをすると、レコードの片面、約20分くらいを聞かせてくれる。居心地の良い勉強部屋として、ほぼ毎日3~4時間は居続けて、そのうち数回はリクエストがかかる。
他にもハンガーにかかった衣料品を所狭しとひっかけてある店があって、そういう服は「ぶらさがり」と呼ばれていました。その奥には、さらに浪人生には無縁のラブホテルがあり、突き当りには何故かお稲荷さんもあるという、狭い路地なのにワンダーワールドでした。
そんな生活をしていた身としては、この秋の新ドラマの中で、三谷幸喜が演劇人を夢見ていた青春時代を投影した「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」は、直感的に注目せざるをえないタイトルでした。
難解な演出で劇団から総スカンをくらう久部三成(菅田将暉)は、ストリップショーとコントを行うWS劇場に紛れ込みます。コント作家の蓬莱省吾(神木隆之介)、ダンサーの倖田リカ(二階堂ふみ)、いざなぎダンカン(小池栄子)、ジャズ喫茶のマスターの風呂須太郎(小林薫)、横町の奥にある神社の巫女をしている江頭樹里(浜辺美波)らとの交流を描く群像劇となっているらしい。
とにかく出演者がゴージャス。他には市原隼人、戸塚純貴、アンミカ、秋元才加、菊地凛子、坂東弥十郎、井上順、野間口徹などなど・・・これも三谷人脈のすごいところなのかもしれません。
舞台は1984年ということなので、自分がこのドラマの舞台となる界隈にたむろしていたのは、もう少し前のことなんですが、視覚的にこの設定は脳裏に浮かばせることができました。で、早速ですが、10月1日にもうその第1回が放送されました。
実に三谷脚本らしいと言えば、誉め言葉でありその逆でもある。たぶん、いかにもという種々雑多な雰囲気は、かなり人を選ぶ可能性が高い。1回目を見て、続けて見ようと思う人と、もういいと考える人に真っ二つに別れそう。見続ける方を選んでも、ある程度の我慢が必要かもしれません。
1回目は主要登場人物の紹介でほぼ終わっている感じで、有名俳優が多すぎて誰を中心に見るか悩みそうです。もちろん、菅田将暉が主役なのは間違いないのですが、その他の人々の絡みが複雑です。
はっきり言って、この舞台となっている「八分坂」は、実際のモデルとなった百軒店をイメージできないとかなり辛いかもしれません。実際、イメージできる人はかなり限定的でしょうから、大多数の菅田ファン、二階堂ファン、神木ファン、浜辺ファンの方々はたぶんわからない。まったく未知の世界として興味を持ってくれることを祈るしかありませんね。
ジャズ喫茶は、けっこうな音量でジャズのレコードで音楽を流す店。うまくもないコーヒー1杯200円くらいでしたか。リクエストをすると、レコードの片面、約20分くらいを聞かせてくれる。居心地の良い勉強部屋として、ほぼ毎日3~4時間は居続けて、そのうち数回はリクエストがかかる。
他にもハンガーにかかった衣料品を所狭しとひっかけてある店があって、そういう服は「ぶらさがり」と呼ばれていました。その奥には、さらに浪人生には無縁のラブホテルがあり、突き当りには何故かお稲荷さんもあるという、狭い路地なのにワンダーワールドでした。
そんな生活をしていた身としては、この秋の新ドラマの中で、三谷幸喜が演劇人を夢見ていた青春時代を投影した「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」は、直感的に注目せざるをえないタイトルでした。
難解な演出で劇団から総スカンをくらう久部三成(菅田将暉)は、ストリップショーとコントを行うWS劇場に紛れ込みます。コント作家の蓬莱省吾(神木隆之介)、ダンサーの倖田リカ(二階堂ふみ)、いざなぎダンカン(小池栄子)、ジャズ喫茶のマスターの風呂須太郎(小林薫)、横町の奥にある神社の巫女をしている江頭樹里(浜辺美波)らとの交流を描く群像劇となっているらしい。
とにかく出演者がゴージャス。他には市原隼人、戸塚純貴、アンミカ、秋元才加、菊地凛子、坂東弥十郎、井上順、野間口徹などなど・・・これも三谷人脈のすごいところなのかもしれません。
舞台は1984年ということなので、自分がこのドラマの舞台となる界隈にたむろしていたのは、もう少し前のことなんですが、視覚的にこの設定は脳裏に浮かばせることができました。で、早速ですが、10月1日にもうその第1回が放送されました。
実に三谷脚本らしいと言えば、誉め言葉でありその逆でもある。たぶん、いかにもという種々雑多な雰囲気は、かなり人を選ぶ可能性が高い。1回目を見て、続けて見ようと思う人と、もういいと考える人に真っ二つに別れそう。見続ける方を選んでも、ある程度の我慢が必要かもしれません。
1回目は主要登場人物の紹介でほぼ終わっている感じで、有名俳優が多すぎて誰を中心に見るか悩みそうです。もちろん、菅田将暉が主役なのは間違いないのですが、その他の人々の絡みが複雑です。
はっきり言って、この舞台となっている「八分坂」は、実際のモデルとなった百軒店をイメージできないとかなり辛いかもしれません。実際、イメージできる人はかなり限定的でしょうから、大多数の菅田ファン、二階堂ファン、神木ファン、浜辺ファンの方々はたぶんわからない。まったく未知の世界として興味を持ってくれることを祈るしかありませんね。
2025年10月2日木曜日
マイナンバーカード更新
マイナンバーカードには有効期間があります。
カード自体の有効期間は、発行日から10回目の誕生日(18歳未満は5回目)までとなっている。ただし、内蔵される電子証明書の有効期間は、年齢問わず発行日から5回目の誕生日までとなっています。
つまり、マイナンバーカード自体は基本的に10年間有効で、10年ごとに写真を更新する必要があるということなんですが、電子証明書が無効になれば使えないので、実質的には5年ごとに更新手続きをしないとダメということになっています。
ですが、ちょっと記憶が曖昧なんですけど、自分がマイナンバーカードを取得したのは交付が始まった2016年だったと思いますが、途中で区役所に出向いて更新手続きをした覚えがあります。あれは電子証明書の更新だったようです。
もうじき10回目の誕生日となるので、今回は更新手続きの案内というものが郵送されてきましたが、封筒には「マイナンバーカード・電子証明書有効期限通知書 在中」とあります。つまりカード自体も有効期限を迎えると言う意味のようです。
とりあえず、記載されているQRコード、あるいはPCサイトから更新の手続きが行えるので、早速実行してみました。
これは実に簡単で、記入する項目も単純なものばかりで、後は写真をアップロードすれば終了です。写真は自撮りでもOKですが、背景は無地の上半身などの制約があります。
注意が必要なのは、この手続きはあくまでも「交付通知書」を受け取るための「申請」手続きです。交付通知書が手元に届くのには最大で1か月近くかかると明記されているので、少なくとも誕生日の1か月前までには申請手続きをしておく必要があります。
交付通知書が届いたら、通知書と本人確認できるものを持って、横浜市の場合は各区役所かマイナンバーカード特設センター(予約制)に出向いてカードを受け取ることになります。
結局、出向かないとダメなのは何とかならんのでしょうか。これだけ個人確認の方法がいろいろ出てきているのですから、マイナンバーカードの取得を100%にしたいのなら(現在約80%)、オンラインですべての手続きを終えて最終的に書留とかでの郵送で受け取れる仕組みを考えてもらいたいものです。
2025年10月1日水曜日
赤い羽根
10月です。
今日から「赤い羽根の募金」が始まります。始まりのニュースは毎年よく見かけますし、政治家の方々がこれ見よがしに胸に赤い羽根をつけていたりするんですが、数週間すると募金箱を見かける機会はめっきり減ってしまいます。
本当は、募金期間は翌年3月末までのようなんですが、終わりがいつかは話題にならないし、むしろ赤い羽根の事はとっくに忘れているというのが正直なところだと思います。
募金と引き換えに、赤い羽根をもらえるのは「共同募金」というもので、1947年に民間から始まったもの。
今では、社会福祉法により整備された社会福祉法人中央共同募金会の事業になっていて、それぞれの地域で、助成要望に応じて募金を配分していくものです。
募金をするともらえる赤い羽根は、アメリカにならったものですが、最近は原料入手困難になっていてシールになっています。