2021年10月31日日曜日

トランスフォーマー/最後の騎士王 (2017)

何だかんだと言いながら、このシリーズも10年間で5作目。さすがに、アイデアも詰まってきたと見えて、監督のマイケル・ベイは降板したかったらしいのですが、誰に説得されたかまた登場。メインのヒーローは前作に続いてマーク・ウォールバーグが演じるイェーガー。

本当に人間は懲りずに、またもやトランスフォーマーを討伐する組織TRFで、オートボットもディセプティコンも関係なく痛めつけている。さすがに、この構図からしてマンネリズムとしか言いようがないし、あまりに人類をバカにしてませんか?

今回のお題はアーサー王と円卓の騎士。彼らの後ろにはそれぞれトランスフォーマーがいて、魔法使いマーリンに杖を授ける。どうもこの杖の力でトランスフォーマー騎士団が合体して竜になって勝利に貢献したということらしい。

この杖と言うのが、実は惑星サイバトロンの創造主クインテッサの持ち物。騎士たちが地球に持ち去ったことがサイバトロンの滅亡につながったらしい。オプティマス・プライムはクインテッサに捕まり洗脳され「ネメシス・プライム」と名を変えて杖を奪いに戻って来る。

惑星サイバトロンは地球に接近し、取り返した杖によって地球のエネルギーを吸い取り惑星として復活、地球は滅亡の危機を迎えます・・・

もう、あまりに同じようなストーリーの繰り返しで、さすがにどうなのというところ。アニメからの古いファンには、昔の小ネタがいろいろ登場しているらしく、多少楽しめる要素になっているのかもしれませんけれど。

それでいて、毎回これまでの話は無かったかのように、トランスフォーマーと人類の新たな因縁が語られ、結局トランスフォーマーが地球にやって来る理由は混乱するだけ。最初のオールスパークを巡る駆け引きは何だったの? と言いたくなります。

地上には世界各地に6本の角が出現し、クインテッサは地球のことをユニクロンと呼びます。これは地球そのものが、超巨大なトランスフォーマー、ユニクロンであり、角はユニクロンのパーツということのようです。メイン・ストーリー終了後に謎のエンディングが用意されていて、どうもこれからユニクロンとの闘いに話が進むようですが、さすがにこれ以上は辛い感じ。

このシリーズを見ようと思う人は、基本的に1作目だけで十分。多少興味が湧いたら最初の3部作までにした方がよいかも。そんな映画です。

2021年10月30日土曜日

自販機終了


クリニックには、飲料水の自販機を開院以来設置していましたが、昨日をもって自販機による販売は終了しました。

そもそも自販機を置いたというのは、何かの時に清潔に水を使えるようにしたかったから。いろいろ探して、限られたスペースに薄型の特殊な自販機を設置できることになりました。

それが伊藤園さん。

ところが、9月に突然、伊藤園から「儲からない自販機は撤去したい」と申し出がありました。そりゃ、クリニックの自販機ですから儲かるはずがない。

クリニック側としても、無理して置いてくれとは頼めません。そんなわけで、今度の日曜日に撤去されることになります(本音を言うと、売れるような商品揃えが無いのが問題)。

中には、残念と思う方もいるかもしれませんが、こればかりはしょうがありません。

2021年10月29日金曜日

トランスフォーマー/ロストエイジ (2014)

これまでのトリロジーで、一定の決着がついたはずの「トランスフォーマー」でしたが、新たな設定の下に4作目が登場しました。製作総指揮スピルバーグ、監督はマイケル・ベイで同じですが、今までのレギュラー・キャストは一掃されています。

それにしても、回を重ねるごとに長くなっているシリーズですが、今作は2時間45分。正直疲れる。長けりゃいいってもんじゃない。それと、散々オートボットに助けられて目が覚めたはずの人間が、またまたオートボットを邪魔者扱いしているって、どこまで人間は間抜けなのと言いたくなります。

そして、中国資本のハリウッド進出は強烈で、もはやアメリカは中国抜きでは創造的な仕事はできないのかと思うほど。トランプみたいなのが大統領になるのもわかるような気がします。中国人キャストがたくさん登場し、メインの舞台も中国(香港)だったりして、もうあの栄光のハリウッドの見る影もありません。もっとも、それだけ中国市場が美味しいということも間違いない。

テキサスの田舎のしがない発明家、イェーガー(マーク・ウォールバーグ)が引き取った古ぼけたトレーラーは、実はオプティマス・プライムでした。CIAのアティンジャー(ケルシー・グラマー)らが、ディセプティコン狩りと称して、「墓場の風」を組織して実はオートボットも捕えていました。オプティマス・プライムは、彼らの攻撃をかろうじてかわして逃げたのですが、動けなくなっていたのです。

トランスフォーマーたちのとっての「創造主」は、オートボットもにもディセプティコンにも属さないロックダウンに命じて、地球に残留するトランスフォーマーを拘束・排除することにしていたのです。ロックダウンは、アティンジャーを協力者にし、アティンジャーはロボット産業のKSI社の社長ジョシュアに捕えたトランスフォーマーの部品を与えることで、独自のトランスフォーマーを開発させていました。

イェーガーはオプティマス・プライムを動けるように修理しますが、墓場の風に襲われ娘のテッサ(ニコラ・ペルツ)と恋人のシェーン(ジャック・レイナー)と逃亡することになります。隠れていた仲間のオートボットが合流し、自分たちを追い詰める黒幕を探し始めます。

ジョシュアらが作り上げたトランスフォーマーであるガルバトロンは、メガトロンの頭脳から抽出したデータをもとにしており、実質的にメガトロンが復活したのと同じで、KSI社のコントロールを無視して再び地球制覇を目論もうとします。

オプティマス・プライムを捕えたロックダウンは地球を離れようとしますが、イェーガーらの活躍でオプティマス・プライムは脱出に成功し、ついにオートボット、ガルバトロン、ロックダウンの三つ巴の決戦が開始されました!!

アニメ・シリーズに登場した恐竜からの変形を特徴とするダイナボットが「伝説の騎士」として登場するのですが、このあたりがよくわからない。どうも白亜紀の恐竜絶滅は創造主の仕業らしく、恐竜は金属に変えられてしたまったようです。

本当に長い割には、謎だらけの「創造主」であり、物語の根幹にあたるところが不明のまま進行するので困ったものです。もっとも、そこらを気にするなと言わんばかりにアクションてんこ盛り。ただし、ほとんどがCGですから、リアルなアニメという方が正しいのかもしれません。最後はオプティマス・プライムが創造主のもとに向かって終わるので、当然その結末を描く続編がある仕様です。

2021年10月28日木曜日

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン (2011)

シリーズ3作目。スタッフ、キャスト共に常連が並び、そういう意味では見ていて安心・・・なんですが、実はヒロインが交代しています。

前2作でヒロインのミカエラを演じたミーガン・フォックスが降板(口が災いしてスピルバーグの逆鱗に触れたらしい)。変わって、ロージー・ハンティントン=ホワイトリーがカーリーという役名(アニメ版のヒロイン)で登場。どちらも超美人さんですが、ミーガン・フォックスの方が妖艶な感じで、ちょっと大人過ぎた感じだったので、それはそれで良しとします。

タイトルの「ダーク・サイド・ムーン」は間に「of the」が入ればピンク・フロイドの名盤のタイトルになりますが、原題では「Dark of the Moon」でsideが抜けています。どっちにしても連想されるものは同じですけど、もちろん関係はありません。

今回の話は、1960年代の月を目指した宇宙開発競争からスタート。サイバトロンでほぼ敗北が決定的だったオートボットの最後の望みを託した宇宙船が、その時のリーダーであったセンチネル・プライムを載せて星を脱出しました。しかし、センチネルもろとも月の裏側に墜落してしまいました。

それを調査するために米ソが宇宙船開発競争を繰り広げたということになっていますが、周知のごとく先に月面に人を送り込めたのはアメリカ。1969年、アポロ11号は月の裏側に着陸ら成功。彼らの極秘任務は、墜落した宇宙船の調査だったのです。

実はソビエトも無人機による月面着陸に成功していて、宇宙船の破片を回収していました。それを知ったオプティマス・プライムは、月にセンチネルが眠っていることに気が付き、宇宙船からセンチネルを回収し、マトリックスを使って復活させます。

サムは、大統領から勲章を授与されたものの就職先が無く、あらたな恋人カーリーの世話になっている身。何故だかやっと採用されたのは社内の郵便配達業務。しかし、一人の社員から「君は戦いのヒーロー」だからと、月の裏側の謎についてのメモを無理やり渡されます。実は月の裏側に関するディセプティコンのミッションには地球人のスパイが多く関わっていて、彼もその一人。用済みと判断された社員は殺されてしまいます。

再び元セクター7のシモンズに相談をしたサムは、センチネルが復活することはディセプティコンが仕掛けた罠であることに気が付き、NESTのレノックスに進言しますが、女情報長官のメアリングに相手にされません。しかし、復活したセンチネルは仲間を裏切り、サイボット脱出時に持ち出した「柱」を使って、無数のディセプティコンを地上に転送するする計画でした。メガトロンは、墜落してしまった柱とそれを扱えるセンチネルの復活を画策していたのです。

セムの恋人カーリーの上司は実はディセプティコンの協力者で、カーリーを捕らえサムに協力を強要します。強大な力を持つセンチネルはオートボットを宇宙に返さないと総攻撃をすると各国政府を脅迫し、人類はオートボットとの協力関係を破棄しを宇宙船に乗せて発射します。しかし、その宇宙船はディセプティコンの攻撃で撃墜され、シカゴの街全体を占拠し「柱」の起動準備を始めるのでした。

アポロ計画には、かねてから様々な陰謀論が付きまとっていますが、ここではそれをうまく利用して、ケネディやニクソンといった大統領の実写を組み入れたりして凝った作りをしています。特にアポロ11号のアームストロング船長と共に月面に降り立ったオルドリン飛行士本人が登場して秘密任務を証言したりするといった念の入れよう。

最終的なディセプティコンの地球侵略の目的が、荒廃したサイボット星を捨て地球を手中にし、人類を奴隷化することであったことが判明します。ここまで人類は、オートボット対ディセプティコンの戦いを第三者的に見守ってきたわけですが、ついに人類対ディセプティコン、そしてオートボットは人類の援護者である構図が明確になりました。

したがってこれまでのシリーズと決定的に違うことは、襲われた人間が消滅してしまうシーンが描かれました。もちろん血が飛び散るような暴力的なものはありませんが、これまでは直接的に人の死の場面は避けられていたように思います。

また、人間が自らの手でディセプティコンと対決し倒すシーンも7増えたことも間違いない。特にサム自身が直接にしがみついたディセプティコンを破壊するのは、なかなか見ごたえがある一方で、さすがにやりすぎというところもあるかもしれません。

当然ハッピーエンドで、メガトロンは倒されオートボットと人類の絆は深まって終わりますので、ストーリーとしては一定の完結を見ました。サム君も末永くお幸せに・・・ということなんですが、映画屋さんは一度ヒットしたシリーズを簡単には手放さない。さらなる続編に着手していました。

2021年10月27日水曜日

小室眞子さん


昨日、秋篠宮家のご長女である眞子様が、一般人である小室圭さんとの婚姻届けを出されて皇室を離れました。この数年、このお二人の結婚に関しては、多くの興味本位の話題が先行したことは否めません。

女性皇族が結婚により皇室を離籍されると、一般人として扱われる・・・というのは慣例上、あるいは制度上正しいことなのかもしれませんが、メディアが手のひらをかえしたように「小室眞子さん」と呼び出すことには、大変違和感を感じます。

とは言え、小室眞子さんと呼ばれて一般人となることは、今後プライベートを確立して、執拗なメディアの追求をシャットアウトすることにつながるのであれば、悪いことではないのかもしれません。

少なくとも、一市民としては昨日まで皇室の一員として特別な存在として受け入れていた方ですから、結婚したからと言って簡単に「さん」付けに変えられるものではないように思います。

小室眞子様には一般人という扱いになったとしても、皇室の一員としての自覚を無くすことなく生きていただきたいと思いますし、その中で幸せに暮らしていただけることを強く祈念いたします。

2021年10月26日火曜日

トランスフォーマー/リベンジ (2009)

シリーズ第2作で、人間の主要キャストは引き続き登場です。トランスフォーマーについては、前作の13体でも見分けがつきにくかったのに、今回はぞろぞろ、ぞろぞろと大量に登場して主な数体を除いてよくわからない。スピルバーグ製作総指揮、マイケル・ベイ監督も同じ。

前の戦いから2年。オプティマス・プライム率いるオートボットは軍と協力したNESTと呼ばれる部隊で、ディセプティコンの残党を追っていました。しかし、アメリカ政府は、オートスパークが失われたのにディセプティコンの攻撃が続くのはオートボットがいるからだと考え、NESTを強制的に解散させようとします。

一方、サム(シャイア・ラブーフ)は大学に進学することになり、バンブルビーとガール・フレンドのミカエラ(ミーガン・フォックス)と離れ離れになることになりました。前の戦いのときに衣服についていたオートスパークの欠片を見つけたサムは、触れたとたんに古代サイバトロン文字の情報が頭に入って来て混乱します。

海軍基地で保管していたもう一つの欠片を奪い取ったディセプティコンは、深海に沈められたメガトロンに欠片を入れて復活させました。メガトロンは宇宙に戻り、師と仰ぐフォールンに事を報告します。オートスパーク自体が失われても、中にある情報さえわかれば問題はなく、その情報を持つサムを捕えるように命令するのです。

フォールンは、数千年前に地球に飛来し、太陽を破壊して放出されるトランスフォーマーたちの命の源となるエネルゴンを採取してようとしたのですが、初代のプライム戦士たちが惑星破壊装置の鍵となるマトリックスを彼らの命と引き換えに隠匿したのでした。サムの頭に移された情報は、マトリックスの場所を示すものだったのです。

サムとサムを心配してやって来たミカエラは、ディセプティコンの襲撃を受け、守ろうとしたオプティマス・プライムは倒されてしまいます。セクター7解体で職を失ったシモンズの協力で、エジプトにたどり着いた彼らは遺跡の奥にあったプライムの墓場とマトリックスを発見しました。

地球に降り立ったフォールン、メガトロンらはピラミッドの中に隠された惑星破壊装置を稼働させるため総攻撃を仕掛けてきます。彼らを止められるのはプライム戦士だけなので、NESTのレノックスにオプティマス・プライムをエジプトに運んでもらい、サムは命をかけてマトリックスを彼の体に差し込むことにするのでした!!

・・・前作が、トランスフォーマーの紹介編だとするならば、今回はディセプティコンが地球を狙う因縁の本当の理由が明らかにされる話です。何とかハッピーエンド的にはなっていますが、フォールンこそはオプティマス・プライムに倒されるものの、メガトロンは生き延びて当然続編に続くという感じ。

相変わらず、トランスフォーマー同士の戦いは善悪の区別がつきにくい。しかも、登場するトランスフォーマーがやたらと増えたのでなおさらこんがらがります。サムとミカエラの関係も、一歩、大人に近づいた感がありますが、派手な戦いのCGてんこもりの中では霞んでしまいます。

主役二人だけでなく、お笑い担当のサムの両親、対ディセプティコンの軍のレノックス、元セクター7の頑固者シモンズなど、前作の出演者が引き続き登場するのは世界観を継続する意味では良い感じを出しています。

この手の映画は深く考えなければ、単純SFアクション・ロボット映画といったところで、それなりに楽しめます。続編は評判を落とすことが多いのですが、興行的にはまぁまぁの成績でした。ただし、本作も2時間半の長さで、やはり長すぎる印象ですし、より太古からの因縁を持ち出しわりには、ドラマとしての完成度はイマイチと言う評価がされており、確かにその通りかなと思います。

2021年10月25日月曜日

トランスフォーマー (2007)

自動車とかがガチャコンと変形してロボットになる・・・そんな玩具をタカラトミーが売り出したのは80年代なかばのことで、こどもたち、とくに男の子には大変に魅力的なものだったらしい。これがアメリカでもうけて、いろいろなシリーズが登場しました。それを売るためには、当然のようにアニメ化され、これもだいぶ人気だったらしい。


そこに目を付けたのがスティーブン・スピルバーグ率いるドリーム・ワークス。監督のマイケル・ベイが、この変形ロボットにストーリーの肉付けとCGの衣装で見事に映画化したシリーズの第1作です。

惑星サイバトロンでは、特殊なエネルギーを発する立方体 - オールスパーク - によって生まれたトランスフォーマーと呼ばれる金属生命体が暮らしていました。彼らはスキャンした金属物質に変身する力を持っていました。彼らは、正規軍オートボットと反乱軍ディセプティコンに分かれてオールスパークを巡って戦争状態になっていました。しかし、いつの間にかオールスパークが消失したためサイバトロンはしだいに勢いを失っていきます。

ディセプティコンのリーダーであるメガトロンは、オールスパークが地球の北極にあることがわかり飛来しますが、不調で墜落し凍結してしまいます。1世紀前に、探検家のウィトウィッキーは凍結した「アイスマン」を発見し、その後アメリカ政府の秘密組織セクター7によって、ダムの地下深くにオールスパークとメガトロンは凍結保存されていたのです。

ディセプティコンのメンバーは、オールスパークとメガトロンの捜索のためカタールのアメリカ軍基地を襲い情報のハッキングを試みます。さらに大統領専用機内にも侵入し、ついに「アイスマン」の情報をキャッチするのでした。基地の数少ない生存者であるレノックス(ジョシュ・デュアメル)は、襲撃者の情報を伝えるため何とか国防省とのコンタクトに成功します。

探検家ウィトウィッキーの孫である高校生のサム(シャイア・ラブーフ)は、自動車購入資金のため祖父の持ち物を競売にかけ、ついに中古の黄色のカマロを手に入れ、美女のミカエラ(ミーガン・フォックス)とも知り合います。まだ売れていない祖父の眼鏡には、実はオールスパークスの位置座票が刻まれていたため、ディセプティコンはこの眼鏡を狙ってサムを襲います。

サムの車は実はオートボットのバンブルビーが変身していたもので、バンブルビーの信号によりリーダーのオプティマス・プライムらが駆け付け、サムとミカエラを救出します。続いてディセプティコンはダムのセクター7基地を襲い、氷解し復活したメガトロンと共にオールスパーク奪取のため大暴れをするのでした!!

もともとおもちゃから始まっているので、こども向けの映画と思っていましたが、実際にはある程度大人の鑑賞に堪えられるだけの盛り方はしてあります。特に観客が感情移入してしまう登場人物は死にませんし、少なくとも人が死ぬ直接的な場面は出てきませんので安心です。

若手俳優の注目株であったシャイア・ラブーフやミーガン・フォックスが主役の高校生。国防長官には「真夜中のカーボーイ」のジョン・ボイドが厚みを加えています。トランスフォーマーたちについては・・・困ったことに、見た目も話す声もどれがどれなのか正直よくわからない。

興行的には成功したようですが、ただ批評家の評価は賛否両論。自分的には実写ロボット物ですから、今時のCGが使われるのはしょうがないと思いますが、使い方が派手すぎて人間の俳優の演技よりも目立ってしまうところが残念。露骨なCGの多用は、アニメとの境界に近づいてしまう感じがします。

物語の導入は軍と国防省と主役の二人のストーリーが順繰りに登場し、半ばでそれらが一つにつながるという構成ですが、断片的な説明が小出しにされる印象で、この世界観を理解するのにはちょっと難しい。それと2時間半近い長さも、こどもには辛いかもしれません。とは言え、あまり難しいことは考えず、ある程度リアル感もあるド派手なロボット・アクションとしての完成度は高いと思います。



2021年10月24日日曜日

朝の習慣


朝、起きると、顔を洗ったり、ご飯食べたり・・・テレビをつけて最小限の情報を得るというのは皆がやっていることだと思います。

テレビは音声があれますから、画面を見続けていなくて他のことをしながらでもOKというのが便利なところ。

以前は、うちでは朝と言うとフジテレビ・・・だったんですが、もう5年くらい前からTBSになっています。何故かと言うと、はっきりした理由はありませんが、何となくフジテレビが嫌になったから・・・かな。

TBSで慣れてしまうと、お馴染みの出演者にも親近感が出てくるというものです。

ところが、ところがですね、10月初めからTBSは番組内容、出演者を刷新してしまいました。

視聴率が上がらないから、ということらしい。TBSのエース・アナウンサーの安住さんとか起用して力が入っているのはわかる。金曜日には香川照之をMCにしちゃうぐらいです。

ただ、どうも朝の番組としてどうなの? というところが少なくない。ストリート・ピアニストをスタジオに用意してなんだかずっとピアノ演奏している・・・ってうるさくない? 箸休めのつもりのなぞなぞコーナーもピンとこない。

朝は重要なニュースは短く簡潔にてきぱきやってもらいたいのですが、一つ一つが長いし、勿体つけてる感じなのです。3週間以上たちましたが、どうもパッとしない感じが続いています。

2021年10月23日土曜日

スタートレック VI 未知の世界 (1991)

オリジナル・クルーが登場する劇場版「スター・トレック」の第6作で、正真正銘のシリーズ最終作です。前作があまりに評判が悪く、止めるに止められなくなったからなのかどうかはわかりません。

今回はレナード・ニモイが制作・脚本に関わり、第2作で監督したニコラス・メイヤーが復帰、最終作とすべく万全の態勢で臨んだというところでしょうか。特に原作者のジーン・ロッデンベリーが制作中に亡くなったため、冒頭で献辞されています。

前作でカーク艦長は、宿敵クリンゴンと握手したはずなんですが、とりあえず再び両者は火花を散らしあう同士として映画が始まります。エネルギー資源を得ていたクリンゴンの衛星が爆発・消滅したため、クリンゴンも50年後には消滅する機器を迎えます。

スポックの働きかけで、和平のため地球連邦と接触したクリンゴン総裁を出迎えることになったカークは、嫌々エンタープライズで出航します。クリンゴン総裁らをエンタープライズに招き食事を共にする一同でしたが、両者のぎくしゃくした関係が浮き彫りになるだけでした。

その夜、エンタープライズから発射された2発の魚雷がクリンゴン艦に命中し、その混乱の中で謎の二人の人物により総裁は暗殺されます。カークとマッコイは状況が掴めないままクリンゴン艦に乗り込みますが、暗殺犯として逮捕されてしまいます。裁判で二人は、流刑星ルラペンテでの強制労働を課せられます。

クリンゴンは二人をわざと脱走させ合法的に殺すことにしますが、ぎりぎりのところで信号をキャッチしたエンタープライズに転送されました。エンタープライズでは、スポックの指揮のもと連邦政府からの帰還命令を無視し事実を調査していました。そして、魚雷を発車したのが視覚的遮蔽したまま攻撃可能な新型のクリンゴン艦であり、エンタープライズで協力していたのがバルカン人操舵士のヴァレリスであることをつきとめます。

スポックはヴァレリスの心から首謀者が地球連邦のカートライト提督、ロミュラン大使、そしてクリンゴンのチャン将軍(クリストファー・プラマー)であることが判明しました。彼らは、クリンゴンの和平を信用せず、また平和による軍の価値の低下を恐れたのです。

連邦とクリンゴンの和平会議の会場で、連邦政府大統領を暗殺する計画を察知したエンタープライズは会場へ急行。スールーが艦長として乗り込むエクセルシオと協力してチャン将軍の艦艇を撃破し、カークらは会場に乗り込みます!!

「スター・トレック」らしくエンタープライズが大活躍し、新鋭艦エクセルシオも登場。宇宙での空中戦も緊迫感があり、これまで登場したつまらないジョークも排除しました。ストーリーの流れもだれることがなく、てきぱきと進んで緊張感が連続した作品に仕上がりました。

テレビ・シリーズから引き続き出演したオリジナル・クルーと呼ばれる方々をあらためて紹介します。

カーク - ウィリアム・シャトナー (1931-)
Mr.スポック - レナード・ニモイ (1931-2015)
Dr.マッコイ - ディフォレスト・ケリー (1920-1999)
スコット - ジェームズ・ドゥーアン (1920-2005)
ウフーラ - ニシェル・ニコルズ (1932-)
スールー - ジョージ・タケイ (1937-)
チェコフ - ウォルター・ケーニッグ (1936-)

スポック、マッコイ、スコットの三人はすでに故人。他の方々ももうかなりの高齢ですから、もう彼らの活躍を新たに見ることはありません。

しかし、この人気シリーズはさらに若い世代に引き継がれて、新たなテレビ・シリーズや映画を生み出し続けています。ひとたびこの世界が気に入ったなら、まだまだ見るべきものはたくさんありますから楽しみは尽きません。


2021年10月22日金曜日

スタートレック V 新たなる未知へ (1989)

Mr.スポックのレナード・ニモイから変わってメガホンを取ったのは、つい先頃90歳で宇宙旅行して話題になったカーク艦長のウィリアム・シャトナー。オリジナル・クルーによる映画版「スター・トレック」としては「The Final Frontier (邦題:新しい未知へ)」という副題を付けて最終話として完結するはずでした・・・が、世間の評判があまりにも悪かった。

スポックの異母兄で、論理よりも感情を選択した異端のバルカン人、サイボックは中立惑星のニムバス3で反乱を起こし管轄する地球人、クリンゴン人、ロミュラン人の代表を人質にします。そこで、新エンタープライズが修理・調整中の間、休暇を取っていたクルーの面々は非常呼集されニムバス3に向かうことになりました。

この新エンタープライズがあまりにポンコツ。転送装置は壊れていて使えない。ブリッジのドアはちゃんと開かない。通信を表示するスクリーンもダメ。得意の航星日誌の記録装置も壊れている。

サイボックの目的は、惑星シャカリーに行くために連邦の宇宙戦艦を奪取することで、神に会い究極の知識を得るのだという。サイボックは心を操る術を持っており、簡単にエンタープライズは乗っ取られてしまうのです。これはある種の洗脳のようなんですが、それぞれの人が持つ根源的に持つ苦痛(トラウマ)を察知し視覚化して再現する能力らしいのですがわかりにくい。

古くからの伝説の地シャカリーは銀河の中心、危険なグレート・バリアを超えた未踏の世界・・・らしいのですが、簡単に到着します。多少の揺れさえ我慢できるなら、とっくに誰かが到着してそうなもんですけど。

出会った「神」は・・・神でもなんでもなく極地に幽閉されていた何かの悪党らしい。カークをやっつけて男を上げようと追ってきたクリンゴン艦が、急にいい人になってカークを助けて、両者は仲良くなりました。おしまい。

という、正直、肝腎ところはごく簡単に済ませてしまった感じで「・・・らしい」の連続。生粋のファンは、もう黙ってはいられませんよね。主役はサイボックみたいな感じで、カークたちはサイボックにうまく利用される役どころ。「神」という大きな存在を出してきた割には、簡単な幕引きです。

カーク、スポック、マッコイの三人の固い友情がテーマ・・・完結編的な意味合いとしてはこっちの方が重要なんですが、だとすると、サイボックとか出さずに自らの意思でエンタープライズがシャカリーを目指せばいいじゃんとなる。この内容には似合わない前作では好評だったジョークも散りばめられ、それをストーリーの中に引きづるのもいただけない。

実際のところ、1989年のゴールデンラズベリー賞の最低作品賞・最低監督賞・最低主演男優賞を受賞という結果に終わっています。まぁ、好き嫌いは個人の勝手なので・・・

2021年10月21日木曜日

よしだたくろう オン・ステージ ともだち (1971)

レコードが擦り切れるまで聴く・・・

平成以降の方にはわかりにくい表現だと思いますが、レコード盤は回転するターン・テーブルの上で、レコード針によって盤面に掘られた溝をトレースする仕組み。何度も何度も聴くと、少しずつ盤は摩耗していく定めにありました。

テープが伸びたような音・・・

カセット・テープが一般の録音メディアとして主流になった時代には、何度も聴くとビニール素材のテープは少しずつ伸びて、音がふにゃふにゃになっていったものです。

デジタル化されたことによる一番のメリットは、音源データさえ消失しなければ、記録された音の劣化は、原理的には永久に起こらないということ。しかしデジタル・データのデメリットは、0か1に揃えるためにどうしても切り捨てる部分があること。

コンピューティング技術の進歩により、より細かい部分まで記録・再生できるようになり、人の聴覚能力ではアナログとの差をほとんど感じないようになりましたが・・・

話を戻すと、最初にレコードを擦り切れるほど聴いたのは、「よしだたくろう」だったかもしれません。

フォークというと、反戦という言葉と共に存在したのが60年代。アメリカでは反ベトナム、日本では反安保で学生運動の盛んな時代に、ギター一本を手に取って体制批判をするツールの一つとして存在していました。

連合赤軍による浅間山荘事件(1972年)で急速に学生運動が静まっていくと、音楽として残ったのは、当時ひらがな名だった吉田拓郎でした。1970年にデヴューして、メッセージ性のある曲もありましたが、恋愛をテーマにしたり、笑いを取るようなとぼけた歌詞の歌もあったりで、とんがった若者からは「帰れコール」されたりしたした吉田拓郎ですが、自分のような学生運動末期を知るものからすれば、若者の日常を素直に歌う吉田拓郎は実に共感しやすかったと言えます。

よく言われることですが、一つの音符に一つの文字をあてるのが日本の歌謡曲の常識だったのですが、吉田拓郎は一つの音符に一つの言葉を組み入れたことが画期的であり、それがその後のニュー・ミュージックの隆盛につながったということ。

中学生になって、周りの真似をしてフォーク・ギターを手にすると、最初のアイドルになったのは吉田拓郎であったことはごく自然の成り行き。最初に買ったLPレコードが、「よしだたくろう オン・ステージ ともだち」というアルバムでした。

最初にステージに出てくるドタドタという足音から始まる。曲が始めたと思ったらやめちゃう。曲ごとに関係あること無いことよく喋る。ライブの雰囲気をそのままに伝えるこのアルバムは、何度も何度も聴いて楽しめたものです。気が付くと、独特の「・・・なのであります」口調も真似て話す中学生になっていました。


2021年10月20日水曜日

渡辺美里 / born 4~愛と感動の超青春ライブ~ (1990)

18歳でデヴューした渡辺美里の、20代なかばまでの元気いっぱい路線を象徴的にあらわしていたのが、毎年夏に行われた西武球場(現メットライフドーム)でのライブ・パフォーマンスです。西武池袋線には、専用のラッピングがされた電車が走ったりして、当時の話題をさらっていたものです。

当然、自分はそこに出かけたりする時間はありませんでしたが、「born」と題されたビデオ・シリーズがあり、これらの中でダイジェスト的にその興奮のステージが紹介され続けました。今でこそ珍しくありませんが、耳で聴く音楽だけでなく目で見て楽しむヴィジュアル・メディアを重視した方向性は20世紀では先駆的な試みだったのだろうと思います。

この頃は、映像作品はビデオテープからレーザーディスクに変わりつつあり、そしてDVD普及前夜というところ。自分の場合、レーザーディスクで楽しんだのですが、DVDレコーダーが登場した時に、その内容を録画していていました。

その画像は、YouTubeなどで見かけるビデオテープから起こした映像と一緒でかなり劣悪なのですが、なんとか我慢できるレベル。bornシリーズはなんだかんだで第1集から第10集まであったと思いますが、その後DVD化されて再発売されましたが、いずれも目を疑うようなプレミア価格がついています。

その中で、最もすごいライブが1989年7月26日の映像が記録されたこのディスクです。ファンの間では大変有名なライブで、実は中止になった講演の様子を収めたものなんです。始まる前から、今で言うゲリラ豪雨状態で、雷も発生。消防署からの勧告もあって、ライブは中止に決定。しかし、豪雨の中に集まった数万人の観客に対して何もしないわけにはいかない・・・

カメラにとらえられる雨が降っている時というのは、実体験ではシャワーを浴びるような量の水が落ちてくる状況。ステージに飛び出した渡辺美里は、「パイナップ・ロマンス」を水しぶきを振り散らして熱唱。そこでスタッフから中止のアナウンス。もう一曲だけという美里の願いで、「すき」が空が雷で光る中で歌われます。

どうしてもステージを去りがたい渡辺美里は、代表曲「My Revolution」を観客の大合唱と共にアカペラで歌いました。このたった3曲だけですが、まさに「愛と感動の超青春」の伝説ステージとなったのです。

もしも、ライブを最後まで強行していたら、激しく歌い踊るのですから、雨によって体温を奪われ低体温症になったことは間違いなく、場合によっては命にかかわる可能性もあるかもしれません。また、電気楽器類は故障し感電事故もおきたかもしれない。

一応、YouTubeや西部球場ライブをまとめたライブDVD集などで見ることはできます。ファンは必見、ファンではなくてもこんなすごいパフォーマンスができる渡辺美里を認識するために一度はみてもらいたいと思います。





2021年10月19日火曜日

渡辺美里 / Lovin' You (1986)

医師国家試験に合格したのが1986年のことで、その前後から研修医をしていた1990年くらいまでは、本当に世間の出来事はまったく知らない生活をしていたと言っても過言ではありません。


例えば1983年デヴューの尾崎豊。1992年に世間的には衝撃的な死を迎えるわけですが、嘘偽りなく死亡のニュースを聞いた時、「誰、それ?」と思った。ほとんどを大学病院の中で過ごしていたので、とても人気がある歌手だなんて知りませんでした。

ただし、唯一例外的にこの時代に聴いていた音楽が・・・渡辺美里。

当時、レコードからCDに移行していた時期で、とにかくどれかに手を付けようと思って買ったのがこの1986年のアルバムでした。理由は、10代の女の子のポップ・シンガーであり、ライブでもないスタジオ収録なのに2枚組というボリュームにびっくりしたから。

レコード時代の名残りで、アルバムと言うと12曲40分というのがスタンダードな仕様。それを一気に2枚分をドドドーンと出しちゃうというのは、相当レコード会社も力を入れていわけだし、それだけの実力があると思われているということ。

TMネットワークで人気に火が付いた、まだいろいろと問題が無かったころの小室哲哉、CBS/SONYの人気シンガーだった岡村靖幸などが全面的にバックアップしていて、歌詞については多くは自作というからすごいことです。

1曲目の「ロング・ナイト」から、ビートの効いたバックに乗せて渡辺美里印の元気シャウトが爆発している。アイドルを売り出すのとはまったく違う、音楽で勝負する気概が溢れているの魅了されました。

代表曲となった「My Revolution」も含め全20曲。疾走感のあるロック、落ち着いたバラード、パンクな雰囲気すら含まれ、どれをとっても揺れ動くティーンエイジの叫びは、35年の時が経っても新鮮です。

あの頃、渡辺美里のファンになった人は、皆、彼女の詩からたくさんの元気をもらったことは間違いない。あらためて自分もその一人であることを再確認しました。

2021年10月18日月曜日

スタートレックIV 故郷への長い道 (1986)

劇場版「スター・トレック」シリーズの第4作目で、監督は前作に引き続きMr.スポック役のレナード・ニモイが担当しました。エンタープライズは自爆させてしまったので、今回は登場しないというだけでも異色作ですが、にもかかわらず300年時をさかのぼって現代のアメリカにクルーが出現して活躍するという設定がうけて、シリーズで最もヒットした作品になりました。

バルカン星でスポックの肉体と精神を融合させたクルーは、軍法会議を覚悟してクリンゴン艦で地球に向けて出発しました。そのころ、地球に向けて巨大な宇宙船が解読不能の信号を発しながら近づいていました。こちらからの呼びかけにはまったく応答せず、近辺の宇宙船やステーションは謎の宇宙船が通り過ぎただけでまったく制御できなくなっていました。

ついに地球に到達した宇宙船は信号を出し続け、海水を巻き上げて地球全体を雲で覆ってしまい、地球連邦政府は惑星遭難信号を発信します。カークたちは謎の信号が探査のために海に向けて発せられていることから、それが21世紀に絶滅したザトウクジラの鳴き声だと気がつきます。

地球を救うには生きたザトウクジラが必要と考えたカークは、太陽周回加速によるタイム・スリップで20世紀末のアメリカに向かいました。クルーたちはサンフランシスコの街に出て、クジラを探すカークとスポック、そのクジラを運搬するための巨大水槽を手に入れるマッイとスコット、そして帰りのエネルギーを確保するために原子力空母に潜入するチェコフとウフーラの三組に分かれ、それぞれが時代のギャップで四苦八苦するのです。

カークはクジラ博物館のジリアン(キャサリン・ヒックス)と知り合い、飼育されている2頭のザトウクジラが、近日中に研究のために発信機を取り付けたうえでアラスカで放流されることを知ります。しかし、何とも怪しげな行動をとるカークとスポックを警戒して、ジリアンは発信機の周波数を教えようとはしません。

しかし、ジリアンに内緒で夜のうちにクジラたちは放流されてしまい、このままでは捕鯨の餌食になる危険もあるため、ジリアンはカークたちがクジラを救ってくれることを願って周波数を教えます。そして、彼らが未来から来たことも理解して、未来でクジラの世話をするため一緒に乗船するのでした。

クジラを発見したカーク達は、船内に転送することに成功し、再び時間の壁を打ち破り彼らの現代に戻りました。海に放たれたクジラは宇宙船の信号に反応して鳴き声を上げ、それを確認した宇宙船は再び宇宙の彼方に去っていきました。クルー達はこの功績により赦免されますが、カークだけは階級格下げで提督から大佐となり、艦長勤務を命じられます。乗船を命じられたのは、新たに再建されたエンタープライズ号でした。

タイム・スリップによる哲学的な命題は、ここではあまり考えていません。彼らからすれば、すでに決定した未来であって今更変わらないとマッコイの台詞で片付けています。あくまでもエンターテイメントですからそれでかまわない。細かいことを考えると、シリアスな展開になって、せっかくのコメディ・タッチが台無しになってしまいます。

もともとテレビ・シリーズでも、社会風刺が効いたストーリーを取り上げていたのですが、当然ここでは絶滅の危機に瀕しているクジラに対する捕鯨という問題が中心テーマですが、コメディをかませて堅苦しくしなかったところはうまい。登場するザトウクジラが見事に撮影されているので、反捕鯨団体からは何か無理強いする仕掛けがあったのでは抗議されたらしいのですが、実はこれは正確に作られたアニマトロニクス技術によるロボットだそうです。

最後に登場する新しいエンタープライズ号。船体番号はNCC-1701-Aとなっています「-A」が追加され、内部も白いカーブした壁で統一され、新しさを強調していました。そして彼らの冒険は続くのです。