夏季臨時休診のお知らせ
8月15日(金)~8月20日(水)は臨時休診となります
ご迷惑をおかけしますが、お間違いないようにご注意ください
2025年7月18日金曜日
梅雨明け(らしい)
おいおい、気象庁、いったいいつまで関東の梅雨明けを伸ばせばきがすむんだい・・・
今年は、そんなことを思っていたあなた、いやいや自分もそうなんですけどね。
何しろ西から開けてきた梅雨は東海まできてストップ。東海の梅雨明けは、7月4日に平年よりも2週間早く開けました。ところがいつまでたっても関東の梅雨明け宣言がない。
早く空けたって、また天気が悪くなれば「戻り梅雨」という言葉もあるんだから、いいんじゃないと思っていたんですけど、確かに今週は月曜日から台風もあって悪天候が続きました。
天気図だと、東から高気圧の勢力が強くなっていて、梅雨前線は北西に押し上げられているんですが、消えたわけではないようです。
どっちにしても、しばらく真夏の灼熱の太陽が照り付けるようですから、本日いよいよ関東も梅雨明けと発表される・・・らしいですから、一応2025年の梅雨は平年並みで明けたものとしておきましょう。
2025年7月17日木曜日
参議院議員選挙
国政選挙の一つである参議院議員選挙がもうじき行われます。
日本の議会制度では衆議院と参議院の2つがありますが、衆議院が国民の意見を直接的にかつ迅速に反映していくのに対して、参議院は衆議院の暴走を防ぐために、長期的な視点から衆議院の決定を審議することが基本的な役割と云えます。
衆議院は定数465議席で議員の任期は4年、途中で解散となる場合があります。参議院は定数は248議席で任期は6年、3年ごとに半数が改選されます。ですから、参議院議員選挙は3年ごとに124議席を争うことなります。
現在、衆議院は自由民主党と公明党の連立与党が占める議席数は220で過半数に達しません。一方、参議院は連立与党は140議席で過半数を超えています。かろうじて与党は衆議院で野党に政策を押し切られても参議院で踏みとどまることが可能になっているわけです。
しかし7月28日に任期満了となる参議院議員は117名で、そのうち与党は65議席です。つまり140から65減って、今回の選挙で最低50議席を獲得しないと、参議院でも優位性が保てなくなる計算になります。
各野党が共闘して政権を奪取する気概があれば、政権交代は夢ではなくなりますが、もっかのところ野党は群雄割拠で「俺が、俺が」状態ですからそれは難しい。ただし、野党全体で過半数を占めることができれば、自民党を中心とした旧態然とした政治システムに歯止めがかけられることは間違いなく、そういう意味でも近年注目度が高くなっている選挙ということが言えます。
投票日を7月20日に決めたのは与党。多くの人が三連休となる真ん中で、かつ夏休みに入る人も多いわけで、自民党としては不確定要素の浮動票を減らして有利に選挙戦を戦いたいという腹積もりなのではと勘繰ってしまいます。しかし、裏金問題、物価高、低収入、少子化、貿易問題、外国人問題・・・次から次へと出てくる自民党に対する政治不信には、投票率が高いとは言えない若者たちですら大きな危機感を感じているようです。
真偽不明の物が入り乱れるSNSの時代で、若者もたちも自分たちの将来のために情報に反応するようになってきているようです。予想以上に期日前投票の数が伸びていて、選挙結果の予想は混沌としてきており、一人一人の一票の重みを感じる選挙になりそうです。
2025年7月16日水曜日
2025年7月15日火曜日
チャンネルはそのまま! (2018)
ローカルテレビ局の北海道テレビが、開局50周年記念で制作したドラマ。実際のテレビ局内を舞台にして、新入社員の奮闘ぶりをコミカルに描いて、ローカルテレビ局の仕事もよくわかる内容になっています。原作は北海道出身の佐々木 倫子のマンガです。
ローカル局である北海道★(ほし)テレビの今年の新入社員は5人。報道局に配属された頭の回転が速く何でもこなせる山根一(飯島寛騎)、アナウンス部に配属された美人で抜群の国語力を持つ花枝まき(宮下かな子)、編成部に配属された超ベテランのような落ち着きのある北上隼人(長田拓郎)、営業部に配属されクライアント受けのよい服部哲太郎(島太星)・・・そして報道局にはもう一人超問題児がいました。
それが雪丸花子(芳根京子)で、やることなすことトンチンカン。バカ正直で真っすぐなんですが、猪突猛進で上司を悩ますことばかりを引き起こしていました。どうやら非公式に設けられている「バカ枠」ということらしく、大化けして大金星をあげるかもしれない・・・というわけのわからない採用理由でした。
案の定、雪丸は同期の活躍に比べるとなかなか結果が出せずにいましたが、そんなことでくよくよしないのが良い所(?)とでも言いましょうか、かえって武器であるバカ正直であちこちで人の心をつかみ、同期の失敗も意図せずリカバーしていたのです。ライバルの札幌ヒグマテレビの情報部長の香取(安田顕)は、そんな雪丸の存在を密かに警戒していたのです。
NPO法人スプラウトまいんどの代表を務める蒲原正義(大泉洋)は、荒れた土地を再生して、再び農作物を育てられるようにする事業を通して農家の人々に頼られる存在になっていました。雪丸はたまたま別の取材中に蒲原と知り合い、蒲原は雪丸の純粋さに感心します。山根は初めての自分の特集として蒲原を取材しようとしますが、最初は断られたものの雪丸の同期であることがわかるとOKしてくれました。
農家を応援したいと言う蒲原の特集は大好評で、山根もホッとしますが、それも束の間。蒲原は国からの補助金の私的流用の疑いが発覚したため雲隠れしてしまい、蒲原を讃えるような番組を放送した北海道★テレビにはクレームが殺到するのでした。
母親が北海道出身と言う縁で主演に抜擢されたのが芳根京子ですが、実にはまり役で、生き生きと演じています。安田、大泉以外に雪丸の父親役で森崎博之、農家の人として音尾琢真、蒲原を捜査する刑事として戸次重幸らが登場してTeam Nacsが全面協力しています。これは北海道テレビの看板番組であった「水曜どうでしょう」が、Team Nacsが人気者になることに大きく関与したこともあっての協力だと思います。
実際、「水曜どうでしょう」のディレクターだった藤野忠寿、嬉野雅道がこのドラマでも、製作・監督として参加しており、藤野は先輩「バカ枠」として出演もしています。総監督としてクレジットされているのは、「踊る大捜査線」の本広克行です。
ローカル局である北海道★(ほし)テレビの今年の新入社員は5人。報道局に配属された頭の回転が速く何でもこなせる山根一(飯島寛騎)、アナウンス部に配属された美人で抜群の国語力を持つ花枝まき(宮下かな子)、編成部に配属された超ベテランのような落ち着きのある北上隼人(長田拓郎)、営業部に配属されクライアント受けのよい服部哲太郎(島太星)・・・そして報道局にはもう一人超問題児がいました。
それが雪丸花子(芳根京子)で、やることなすことトンチンカン。バカ正直で真っすぐなんですが、猪突猛進で上司を悩ますことばかりを引き起こしていました。どうやら非公式に設けられている「バカ枠」ということらしく、大化けして大金星をあげるかもしれない・・・というわけのわからない採用理由でした。
案の定、雪丸は同期の活躍に比べるとなかなか結果が出せずにいましたが、そんなことでくよくよしないのが良い所(?)とでも言いましょうか、かえって武器であるバカ正直であちこちで人の心をつかみ、同期の失敗も意図せずリカバーしていたのです。ライバルの札幌ヒグマテレビの情報部長の香取(安田顕)は、そんな雪丸の存在を密かに警戒していたのです。
NPO法人スプラウトまいんどの代表を務める蒲原正義(大泉洋)は、荒れた土地を再生して、再び農作物を育てられるようにする事業を通して農家の人々に頼られる存在になっていました。雪丸はたまたま別の取材中に蒲原と知り合い、蒲原は雪丸の純粋さに感心します。山根は初めての自分の特集として蒲原を取材しようとしますが、最初は断られたものの雪丸の同期であることがわかるとOKしてくれました。
農家を応援したいと言う蒲原の特集は大好評で、山根もホッとしますが、それも束の間。蒲原は国からの補助金の私的流用の疑いが発覚したため雲隠れしてしまい、蒲原を讃えるような番組を放送した北海道★テレビにはクレームが殺到するのでした。
母親が北海道出身と言う縁で主演に抜擢されたのが芳根京子ですが、実にはまり役で、生き生きと演じています。安田、大泉以外に雪丸の父親役で森崎博之、農家の人として音尾琢真、蒲原を捜査する刑事として戸次重幸らが登場してTeam Nacsが全面協力しています。これは北海道テレビの看板番組であった「水曜どうでしょう」が、Team Nacsが人気者になることに大きく関与したこともあっての協力だと思います。
実際、「水曜どうでしょう」のディレクターだった藤野忠寿、嬉野雅道がこのドラマでも、製作・監督として参加しており、藤野は先輩「バカ枠」として出演もしています。総監督としてクレジットされているのは、「踊る大捜査線」の本広克行です。
北海道テレビが新社屋への移転をしたばかりだったのて、旧社屋を思う存分舞台にしています。テレビの各部署の仕事や他局との視聴率争い、中央のキー局との関係なども描かれていて、テレビ界の実情もうまく描き込まれているのが面白い。雪丸を中心としたいわゆる「お仕事ドラマ」ですが、全5回で実にテンポよくだれることがないコメディとしてもよく出来ていると思います。
2025年7月14日月曜日
南インドの魚カレー
インドと一言で呼んでますが、北と南ではだいぶ文化が違う。北と南ではスパイスも多少変わります。南は海が近いので、魚はよく使われます。
今回はメカジキを使い南インド風を作ってみました。
最初に使うのは、マスタード・シード。あの粒々のマスタードです。
油に入れて温めて、泡が出てきたら香りが油に移ります。タマネギはみじん切りから飴色まで炒めるのではなく、薄くスライスして炒めて使います。
トマトは少な目でよく炒める。しっかり炒めて水分を飛ばすことで、酸味を減らします。
次にスパイス。いつものクミン、コリアンダー、ターメリック、チリ・パウダーです。
魚の切り身を一口大に切って入れ、ひが通ってきたら水・・・・ではなく、ココナッツ・ミルクを入れます。とろみがつきすぎるので、適量の水をいれてのばします。
塩味を調節してパクチーを散らして出来上がり。
ほぼタイカレーみたいな感じですが、これはこれでめちゃめちゃ美味しいです。
2025年7月13日日曜日
252 生存者あり (2008)
驚異的な自然災害によって崩壊した東京の地下鉄新橋駅に取り残された人々と、命がけで彼らを助けようとする東京消防庁ハイパーレスキューの活躍を描くパニック映画です。原案は小森陽一で、「海猿」シリーズでも原案を担当しています。しかも主演が伊藤英明とくれば、陸に上がった海猿・・・とも言えなくない。監督は水田伸生、脚本は「スマホを落としただけなのに」の大石哲也です。
小笠原諸島で起こった大地震でマグマが噴出、海水温が急上昇し巨大台風が発生しました。東京には大津波と暴風雨が押し寄せ壊滅的な被害が発生する中で、元レスキュー隊員の篠原祐司(伊藤英明)は、娘のしおり(大森絢音)、研修医の重村(山田孝之)、中小企業社長の藤井(木村祐一)、韓国から来たコンパニオンのキム・スミン(MINJI)らと共に旧銀座線新橋駅ホームに逃げ込み閉じ込められてしまいます。
外ではハイパーレスキュー隊が生存者を探して懸命な救出作業を行っていましたが、気象庁予防部の海野(香椎由宇)の進言により二次被害の懸念が高まり、思うように行動ができない状況でした。祐司の兄である隊長の篠原静馬(内野聖陽)は、崩壊寸前の地下の奥から何かを叩く音を検知し、それが消防庁で使われている「要救護者あり」を意味する「2・5・2」のコードであることから、祐司の存在を確信します。
静馬は台風の目が通過する18分間にすべてを賭け、爆薬によって穴をあけヘリコプターでいっきに救出する作戦を開始するのでした。
・・・と、まぁ、閉じ込められた人それぞれにも取って付けたようないろいろなドラマも描かれ、地上では祐司の妻(桜井幸子)と静馬のやり取り、冷静な副隊長(山本太郎)、隊員の安全を第一に考える本部長(杉本哲太)などのエピソードを絡めて、そこそこ話を盛り上げようとしているのはわかります。
出だしはすでに災害が起こった後から始まり、何でそうなったという本編が遅れて始まります。承起転結という見ているものをいきなり映画の世界に引き込むためによく使われる手法ではあるんですが、あまりに情報なしで見せられるのでむしろ混乱するだけであまり成功しているようには思えません。
冒頭の大津波ではお台場のフジテレビ本社ビルが破壊されるシーンがあるのですが、この映画は日本テレビ系の製作であることを考えるとなかなか意味深な印象です。フジテレビの象徴であるビルの球体部分が吹き飛ばされるような津波ですから、そもそも新橋だけに被害が集中するはずはなく、難を逃れた人々が新橋のビル街に避難しているというのはどうなんでしょうか。
重傷を負っているキムに重村がそこらにあるので輸血をするのは、かなり強引な設定。いくら元レスキュー隊員がいるからと言って、非難した場所の頭の上で爆薬を使うというのも、あまりに一か八かすぎやしませんか。するなら、こっちからも何らかの信号を送るなりのことをするように思います。
これだけの大災害なのに、警察も自衛隊も出てこないし、ましてや政府も音沙汰無し・・・まぁ、突っ込見所はたくさんあるんですけど、コード・ブルーで山P呼んだらいいのにとか、今なら東京MERで鈴木亮平が駆けつけてくれるよねとか、余計な事ばかり考えてしまう映画です。
小笠原諸島で起こった大地震でマグマが噴出、海水温が急上昇し巨大台風が発生しました。東京には大津波と暴風雨が押し寄せ壊滅的な被害が発生する中で、元レスキュー隊員の篠原祐司(伊藤英明)は、娘のしおり(大森絢音)、研修医の重村(山田孝之)、中小企業社長の藤井(木村祐一)、韓国から来たコンパニオンのキム・スミン(MINJI)らと共に旧銀座線新橋駅ホームに逃げ込み閉じ込められてしまいます。
外ではハイパーレスキュー隊が生存者を探して懸命な救出作業を行っていましたが、気象庁予防部の海野(香椎由宇)の進言により二次被害の懸念が高まり、思うように行動ができない状況でした。祐司の兄である隊長の篠原静馬(内野聖陽)は、崩壊寸前の地下の奥から何かを叩く音を検知し、それが消防庁で使われている「要救護者あり」を意味する「2・5・2」のコードであることから、祐司の存在を確信します。
静馬は台風の目が通過する18分間にすべてを賭け、爆薬によって穴をあけヘリコプターでいっきに救出する作戦を開始するのでした。
・・・と、まぁ、閉じ込められた人それぞれにも取って付けたようないろいろなドラマも描かれ、地上では祐司の妻(桜井幸子)と静馬のやり取り、冷静な副隊長(山本太郎)、隊員の安全を第一に考える本部長(杉本哲太)などのエピソードを絡めて、そこそこ話を盛り上げようとしているのはわかります。
出だしはすでに災害が起こった後から始まり、何でそうなったという本編が遅れて始まります。承起転結という見ているものをいきなり映画の世界に引き込むためによく使われる手法ではあるんですが、あまりに情報なしで見せられるのでむしろ混乱するだけであまり成功しているようには思えません。
冒頭の大津波ではお台場のフジテレビ本社ビルが破壊されるシーンがあるのですが、この映画は日本テレビ系の製作であることを考えるとなかなか意味深な印象です。フジテレビの象徴であるビルの球体部分が吹き飛ばされるような津波ですから、そもそも新橋だけに被害が集中するはずはなく、難を逃れた人々が新橋のビル街に避難しているというのはどうなんでしょうか。
重傷を負っているキムに重村がそこらにあるので輸血をするのは、かなり強引な設定。いくら元レスキュー隊員がいるからと言って、非難した場所の頭の上で爆薬を使うというのも、あまりに一か八かすぎやしませんか。するなら、こっちからも何らかの信号を送るなりのことをするように思います。
これだけの大災害なのに、警察も自衛隊も出てこないし、ましてや政府も音沙汰無し・・・まぁ、突っ込見所はたくさんあるんですけど、コード・ブルーで山P呼んだらいいのにとか、今なら東京MERで鈴木亮平が駆けつけてくれるよねとか、余計な事ばかり考えてしまう映画です。
2025年7月12日土曜日
冬瓜
冬瓜(とうがん)今が旬の野菜の一つ・・・なのに名称に「冬」ってついているやん。
これは、そのまま冬まで保存が可能であることからついた名前で、英語でもWinter Melonと呼ばれたりするんだそうです。
大きく育てれば長さが80cmくらいまでになるのですが、そんなに大きいと重たくて運搬にも不便ですから、こちらのあたりで見かけるのはだいたい30cm未満のものが主流です。
はっきり言って、味はほとんど無い。ですから、どんな味付でも馴染むと言ってよいのですが、だいたい和風のつゆの味で煮物にするのがスタンダードでしょうか。
一緒にホタテの貝柱を入れても風味が増してGOODです。鶏そぼろの餡掛けでもいける。
この時期に一度は食べておきたい野菜です。
2025年7月11日金曜日
東京ワイン会ピープル (2019)
金田一少年の事件簿・・・というと、一頃ジャニーズ若手の売り出し企画ドラマみたいになっていたマンガですが、これを書いたのは天樹征丸という人で、実はいろいろな名前を使っていろいろなジャンルにも手を出すマルチな才能を持った方らしい。
亜樹直という名前で書いた「神の雫」はワインを題材に深く深く掘り下げたマンガとして大ヒットして、亀梨和也主演でドラマ化もされています。小説を書くときに使っていた名前の一つが樹林伸で、同じくワインをテーマにした作品が「東京ワイン会ピープル」です。
映画化では主演が乃木坂46の松村沙友里で、いわゆるアイドル映画みたいなところはあるんですが、とにかくワインにまつわるウンチクがたくさん詰まった映画になっていて、少しだけワインをたしなむ自分としてはなかなか楽しめる作品です。監督が変わっていて、東大卒で映画を作りたいから医者をやっているという和田秀樹です。
桜木柴野(松村沙友里)は、ワイン好きの会社の上司に誘われて、友人の雨宮千秋(大野いと)と一緒に合コン気分で初めてのワイン会に参加しました。次から次に出てくる高級ワインに驚く二人でしたが、千秋はイケメン歯科医と懇意になります。
柴野がワインの味を独特の言葉で表現をするので、IT業界で注目される織田一志(小野塚勇人)は自分のちいさなワイン会に誘います。しかし、その当日織田は会社の粉飾決済の疑いで逮捕されてしまうのです。柴野は織田の希望もありワイン会に参加すると、織田の仲間たちは柴野の的確にワインを表現する柴野の言葉に感心するのでした。
なんで準主役が逮捕されて消えてしまう? っていう何とも釈然としない展開なんですが、その後の柴野は独りでいろいろなワイン会に参加していろいろな人々と出会うことになります。千秋は歯科医にポイ捨てされて荒れてしまうのですが、そこは本物でも不味いワインもあれば、偽物でも最高なワインもあるというオチがついていて、ただただ高級ワインだけを紹介しているわけじゃない。
まぁ、中身的にはあまりどうのこうのと言う映画ではないので、ワインが好きな人、松村沙友里のファンの方が見ればいいのかなと思います。普段1000円クラスのワインばかりで満足して、5000円でびっくりしている立場としては、この映画の世界は現実離れしているとしか言いようがないのですが、本当にこんな会があちこちで開催されているなら招待してもらいたいものです。
亜樹直という名前で書いた「神の雫」はワインを題材に深く深く掘り下げたマンガとして大ヒットして、亀梨和也主演でドラマ化もされています。小説を書くときに使っていた名前の一つが樹林伸で、同じくワインをテーマにした作品が「東京ワイン会ピープル」です。
映画化では主演が乃木坂46の松村沙友里で、いわゆるアイドル映画みたいなところはあるんですが、とにかくワインにまつわるウンチクがたくさん詰まった映画になっていて、少しだけワインをたしなむ自分としてはなかなか楽しめる作品です。監督が変わっていて、東大卒で映画を作りたいから医者をやっているという和田秀樹です。
桜木柴野(松村沙友里)は、ワイン好きの会社の上司に誘われて、友人の雨宮千秋(大野いと)と一緒に合コン気分で初めてのワイン会に参加しました。次から次に出てくる高級ワインに驚く二人でしたが、千秋はイケメン歯科医と懇意になります。
柴野がワインの味を独特の言葉で表現をするので、IT業界で注目される織田一志(小野塚勇人)は自分のちいさなワイン会に誘います。しかし、その当日織田は会社の粉飾決済の疑いで逮捕されてしまうのです。柴野は織田の希望もありワイン会に参加すると、織田の仲間たちは柴野の的確にワインを表現する柴野の言葉に感心するのでした。
なんで準主役が逮捕されて消えてしまう? っていう何とも釈然としない展開なんですが、その後の柴野は独りでいろいろなワイン会に参加していろいろな人々と出会うことになります。千秋は歯科医にポイ捨てされて荒れてしまうのですが、そこは本物でも不味いワインもあれば、偽物でも最高なワインもあるというオチがついていて、ただただ高級ワインだけを紹介しているわけじゃない。
まぁ、中身的にはあまりどうのこうのと言う映画ではないので、ワインが好きな人、松村沙友里のファンの方が見ればいいのかなと思います。普段1000円クラスのワインばかりで満足して、5000円でびっくりしている立場としては、この映画の世界は現実離れしているとしか言いようがないのですが、本当にこんな会があちこちで開催されているなら招待してもらいたいものです。
2025年7月10日木曜日
ゴーヤのカレー
苦瓜・・・一般にはゴーヤの名称で知られる、今が旬の夏野菜の一つ。
名前の通り、苦みが強いので苦手の人が多いのですが、苦みの減らし方がいろいろと紹介されていいます。
ふだん自分が実践しているのは、とにかく綿の部分を徹底的に取る・・・だけなんですが、スプーンなどでしっかりとかき出せば、そのままおひたし風でもいけます。
ゴーヤはカレーにも合う。この場合は、確実に苦みを減らす良い方法があります。
まず、普通に綿を取り除いて、普通に食べやすくスライスします。
そこにカレーで使うターメリック(うこん)をパラパラ。塩をパラパラ。そしてレモン汁をさっとかけ回す。あとはよく混ぜて、30分ほどおいておく。使う前に水で洗い流せばOKです。
そうやって用意したゴーヤを、いつもの手順で入れれば最高に美味しいカレーが出来上がります。
いつもの手順というのは、カレールーを使う方なら煮込む最後の数分間で投入すればよい。早くに入れすぎるとゴーヤがへなへなになりすぎて美味しくありません。
スパイスカレー、スパイスのみで作る場合は基本のチキンカレーの作り方と同じ。
1個分の飴色タマネギを作ったら、ニンニク・ショウガを大さじ1程度追加。カットトマトを200gくらい入れて水分をしっかり飛ばすように炒めます。クミン・コリアンダー・ターメリックをそれぞれ大さじ1、チリパウダー大さじ1/2(お好みで)、少な目の塩を入れて全体を馴染ませます。カットした鶏肉をお好みで入れてかるく炒めたら、水250ml程度入れて数分間煮込んで塩味を調節したら出来上がりです。
ゴーヤを入れるのは、水を加えてちょっとしてから。煮込む時間は数分間程度です。
こんなに美味しくゴーヤを食べることができると驚くと思います。チャンプル以外にレシピを思いつかない方は、一度は試してみることをお勧めします。
2025年7月9日水曜日
Fukushima 50 (2020)
門田隆将のノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」が原作で、2011年の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故を、最後まで残って対応した50名の作業員たちを描く作品です。事故の最も危険な時期についての映画としては、すでに首相官邸を中心に描かれた「太陽の蓋」がありますが、事故の現場の状況についての描写はほとんどありませんでした。
吉田昌郎氏は事故当時の所長で、最も現場に近い場所で陣頭指揮を執った人物で、その後の収束作業にもあたっていましたが、2011年11月に食道がんを発症し闘病の末2013年7月8日に亡くなっています。その他の登場人物も、基本的にモデルとなる実在の人物がいて、吉田を演じた渡辺謙と共にW主演となった佐藤浩市が演じた伊崎利夫は、当直長の伊沢郁夫と曳田史郎が当てられています。
監督は「ホワイトアウト」、「沈まぬ太陽」の若松節朗、脚本は大河ドラマ「軍師官兵衛」の前川洋一です。「太陽の蓋」と違って大手の松竹/KADOKAWAの製作なので、いわゆる商業映画、つまりエンターテイメントの要素がかなり加味されおり、有名俳優がたくさん登場してなかなか見応えのある画面がたくさん出てきます。
その点が、評価を二分する原因になっているわけで、未曽有の災害・事故を扱っているためにエンタメ化している点に拒否反応を示す視聴者も少なからずいるようです。もちろん最悪東日本全体に壊滅的被害が及んだかもしれない原発事故に、命がけで立ち向かった所員の方々に対して敬意を払うのは当然だと思いますが、ヒーロー扱いするようなところは賛否が分かれることになります。
これは、多分に原作にも問題があるらしい。後に公開されたさまざまな資料や映像と比較して詳細に検討している方も多いのですが、原作では吉田所長の言動・行動はかなり改変が加えられているらしい。映画はそれらをそのまま転用しているため、自然とエンタメ志向が強まったようです。
現実に、1週間程度で完全にすべてが沈静化したわけでは無く、14年たった今でもその傷跡はしっかりと開いていて、多くの方々が普通の生活に戻れていません。これが架空のパニック映画であれば楽しめたかもしれませんが、多くの人がリアルタイムに体験した「事実」に基づいているからには、誇張された表現は慎むべきだったのではないでしょうか。
東京電力については「太陽の蓋」は東日電力、「Fukushima 50」では東都電力と名称が変更されています。しかし、「太陽の蓋」の方が、少なくとも官邸の人々については実名を使用していることで強いリアリティが生まれています。映画を作るのにも多くのスポンサーが必要ですから、おそらくこの辺りが大資本映画の限界のようなところかもしれません。
「Fukushima 50」では総理大臣の佐野史郎にかなりエキセントリックな演技をさせていて、官邸を悪者にしているようなところがあるのですが(実名を使っていないところにずるさを感じますが)、両者に共通なのは一番事態を混乱させたのは東京電力本社だというところ。官邸にはいい顔をして、現場には無理難題を押し通そうとして、会社としての体面を保とうとしていたらしいところが見て取れます。
いずれにしても両者は視点・切り口が異なるので、2つの映画を見た上で自分があの時経験したことの隠れていた部分を判断する必要がありそうです。なお、この同じ原作を利用したNetflixドラマが「THE DAYS」で、吉田所長に役所広司、当直長に竹野内豊を配して、映画にも負けないくらいの重厚感で描いています。しかし、全体の流れは同じで「Fukushima 50」と同じ問題点を露呈していると言わざるを得ません。
原子力発電の是非という大きな課題に対しても、生活に電力が必要だからというだけで肯定する、あるいはこのような破滅的な事故が起こるから否定するというような単純な結論ではなく、地球温暖化問題なども含めてしっかりとした議論がまだまだ必要だと感じました。少なくとも、これらの作品は、そういう意識のきっかけにはなるのかもしれません。
吉田昌郎氏は事故当時の所長で、最も現場に近い場所で陣頭指揮を執った人物で、その後の収束作業にもあたっていましたが、2011年11月に食道がんを発症し闘病の末2013年7月8日に亡くなっています。その他の登場人物も、基本的にモデルとなる実在の人物がいて、吉田を演じた渡辺謙と共にW主演となった佐藤浩市が演じた伊崎利夫は、当直長の伊沢郁夫と曳田史郎が当てられています。
監督は「ホワイトアウト」、「沈まぬ太陽」の若松節朗、脚本は大河ドラマ「軍師官兵衛」の前川洋一です。「太陽の蓋」と違って大手の松竹/KADOKAWAの製作なので、いわゆる商業映画、つまりエンターテイメントの要素がかなり加味されおり、有名俳優がたくさん登場してなかなか見応えのある画面がたくさん出てきます。
その点が、評価を二分する原因になっているわけで、未曽有の災害・事故を扱っているためにエンタメ化している点に拒否反応を示す視聴者も少なからずいるようです。もちろん最悪東日本全体に壊滅的被害が及んだかもしれない原発事故に、命がけで立ち向かった所員の方々に対して敬意を払うのは当然だと思いますが、ヒーロー扱いするようなところは賛否が分かれることになります。
これは、多分に原作にも問題があるらしい。後に公開されたさまざまな資料や映像と比較して詳細に検討している方も多いのですが、原作では吉田所長の言動・行動はかなり改変が加えられているらしい。映画はそれらをそのまま転用しているため、自然とエンタメ志向が強まったようです。
現実に、1週間程度で完全にすべてが沈静化したわけでは無く、14年たった今でもその傷跡はしっかりと開いていて、多くの方々が普通の生活に戻れていません。これが架空のパニック映画であれば楽しめたかもしれませんが、多くの人がリアルタイムに体験した「事実」に基づいているからには、誇張された表現は慎むべきだったのではないでしょうか。
東京電力については「太陽の蓋」は東日電力、「Fukushima 50」では東都電力と名称が変更されています。しかし、「太陽の蓋」の方が、少なくとも官邸の人々については実名を使用していることで強いリアリティが生まれています。映画を作るのにも多くのスポンサーが必要ですから、おそらくこの辺りが大資本映画の限界のようなところかもしれません。
「Fukushima 50」では総理大臣の佐野史郎にかなりエキセントリックな演技をさせていて、官邸を悪者にしているようなところがあるのですが(実名を使っていないところにずるさを感じますが)、両者に共通なのは一番事態を混乱させたのは東京電力本社だというところ。官邸にはいい顔をして、現場には無理難題を押し通そうとして、会社としての体面を保とうとしていたらしいところが見て取れます。
いずれにしても両者は視点・切り口が異なるので、2つの映画を見た上で自分があの時経験したことの隠れていた部分を判断する必要がありそうです。なお、この同じ原作を利用したNetflixドラマが「THE DAYS」で、吉田所長に役所広司、当直長に竹野内豊を配して、映画にも負けないくらいの重厚感で描いています。しかし、全体の流れは同じで「Fukushima 50」と同じ問題点を露呈していると言わざるを得ません。
原子力発電の是非という大きな課題に対しても、生活に電力が必要だからというだけで肯定する、あるいはこのような破滅的な事故が起こるから否定するというような単純な結論ではなく、地球温暖化問題なども含めてしっかりとした議論がまだまだ必要だと感じました。少なくとも、これらの作品は、そういう意識のきっかけにはなるのかもしれません。
2025年7月8日火曜日
太陽の蓋 (2016)
2011年3月11日、午後2時46分。宮城県沖を震源とする東日本大震災と巨大津波は、2万人以上の死者を出した、戦後日本で起こった最も大規模な自然災害でした。しかも、直後に発生した津波による福島第1原子力発電所の破壊は、さらに大きな影響を人々の生活に強いることになります。
首都圏にいた自分たちは、大きな揺れに驚き、津波の甚大な被害に恐怖しましたが、地震そのものはある程度離れた場所のことと思っていたところがありました。しかし、原発事故の影響は周辺で非難した人は10万人を超え、首都圏でも放射線レベルの上昇と共に計画停電による落ち着かない日々を過ごすことになりました。
当時の自民党から政権を奪取した民主党は菅直人総理を筆頭に、この災害・事故への対処を巡って批判にさらされ続け、自民党・安倍政権が取って代わってからは、次々にその「無能」振りを暴露されたような印象です。そして、民主党政権によってすべての原子力発電所が稼働停止したものを、安倍政権は次から次へと再稼働に舵を切ったのです。
おそらくこれらの一連の出来事を最初に映画にしたのは、2013年の「朝日のあたる家」だと思いますが、これは離散した家族の苦悩を描く物でした。「太陽の蓋」はその次に作られたものだと思いますが、初めて原子力発電所事故を真っ向から取り上げ、多くの報告書などから綿密に可能な限り事実の基づいて最初の5日間を首相官邸サイドを中心に描いたものです。監督は佐藤太、脚本は長谷川隆です。
まず最初に驚かされるのは、当時の首相だった菅直人氏をはじめ主だった閣僚・官僚は実名で登場する点です。三田村邦彦の菅直人はややかっこ良過ぎですが、枝野官房長官の菅野大吉はそっくりです。このことによって、映画のノンフィクション感が一気に強くなり、当時ニュースなどでしか状況がわからなかった自分たちは、再び「あの時」を強く思い出すことになるのです。
基本的には官邸記者クラブの鍋島(北村有起哉)を中心にストーリーが展開するのですが、その時にリアルタイムに記者が知りえた話と、後に関係者に取材してまわって得た情報によって映画は組み立てられています。発電所を何とかしたい現場と、できるだ穏便に事を処理したい電力会社本社、そしてなかなか情報が上がって来ずに後手後手に回る官邸という構図が見て取れます。
後日、元官房副長官(神尾佑)は、鍋島の取材に「とにかく本社が情報をあげてくれなかった」と証言し、鍋島は「じゃあ、情報があればあの時何かできたんですか」と問い返します。確かに、誰にもこれだけの事故を簡単に納めることはできなかったと思いますし、民主党だから、菅直人が首相だったからという問題ではないように思います。
ただ、公表されている事実をかなり忠実に再現しているらしいのですが、映画では民主党政権にやや味方しすぎのような印象は拭えません。現在でも、派生した数々の問題が山積している状況は続いているわけですが、そもそも電力を使いたいと欲しているのは一人一人の国民ですから、まだまだ忘れてしまうのは早すぎると感じました。
首都圏にいた自分たちは、大きな揺れに驚き、津波の甚大な被害に恐怖しましたが、地震そのものはある程度離れた場所のことと思っていたところがありました。しかし、原発事故の影響は周辺で非難した人は10万人を超え、首都圏でも放射線レベルの上昇と共に計画停電による落ち着かない日々を過ごすことになりました。
当時の自民党から政権を奪取した民主党は菅直人総理を筆頭に、この災害・事故への対処を巡って批判にさらされ続け、自民党・安倍政権が取って代わってからは、次々にその「無能」振りを暴露されたような印象です。そして、民主党政権によってすべての原子力発電所が稼働停止したものを、安倍政権は次から次へと再稼働に舵を切ったのです。
おそらくこれらの一連の出来事を最初に映画にしたのは、2013年の「朝日のあたる家」だと思いますが、これは離散した家族の苦悩を描く物でした。「太陽の蓋」はその次に作られたものだと思いますが、初めて原子力発電所事故を真っ向から取り上げ、多くの報告書などから綿密に可能な限り事実の基づいて最初の5日間を首相官邸サイドを中心に描いたものです。監督は佐藤太、脚本は長谷川隆です。
まず最初に驚かされるのは、当時の首相だった菅直人氏をはじめ主だった閣僚・官僚は実名で登場する点です。三田村邦彦の菅直人はややかっこ良過ぎですが、枝野官房長官の菅野大吉はそっくりです。このことによって、映画のノンフィクション感が一気に強くなり、当時ニュースなどでしか状況がわからなかった自分たちは、再び「あの時」を強く思い出すことになるのです。
基本的には官邸記者クラブの鍋島(北村有起哉)を中心にストーリーが展開するのですが、その時にリアルタイムに記者が知りえた話と、後に関係者に取材してまわって得た情報によって映画は組み立てられています。発電所を何とかしたい現場と、できるだ穏便に事を処理したい電力会社本社、そしてなかなか情報が上がって来ずに後手後手に回る官邸という構図が見て取れます。
後日、元官房副長官(神尾佑)は、鍋島の取材に「とにかく本社が情報をあげてくれなかった」と証言し、鍋島は「じゃあ、情報があればあの時何かできたんですか」と問い返します。確かに、誰にもこれだけの事故を簡単に納めることはできなかったと思いますし、民主党だから、菅直人が首相だったからという問題ではないように思います。
ただ、公表されている事実をかなり忠実に再現しているらしいのですが、映画では民主党政権にやや味方しすぎのような印象は拭えません。現在でも、派生した数々の問題が山積している状況は続いているわけですが、そもそも電力を使いたいと欲しているのは一人一人の国民ですから、まだまだ忘れてしまうのは早すぎると感じました。
2025年7月7日月曜日
2025年7月6日日曜日
にじいろカルテ (2021)
岡田恵和は、映画では「いま、会いにゆきます」、「おっぱいバレー」、「メタモルフォーゼの縁側」などがあり、ドラマでも「ちゅらさん」、「ひよっこ、」、「最後から二番目の恋」シリーズなど、原作物からオリジナルまで多くのヒット作を生み出した脚本家で、安定した高い評価を受けています。
本作はテレビ朝日の連続ドラマで、患者になった女医が田舎の村に赴任して、村全体が「家族」のように互いを支え合っていく中で、本当の自分の居場所を見つけていくというストーリー。恋愛物でも、医療物でもなく、「病とともに生きる」をテーマにしたヒューマン・コメディという表現が一番似合います。
紅野真空(高畑充希)は、東京の病院で有能な内科救命医として働いていましたが、多発性筋炎を発症したため、救急の激務をこなすことが困難になり、上司から「我々が必要なのは医者であって患者ではない」と言われてしまいます。
真空は仕事を続けたくて、偶然に知った虹ノ村診療所の内科医募集で採用され住み込みで働くことになりました。到着するなり村唯一の売店兼寄合所「にじいろ商店」で、多くの村民から大歓迎され驚きます。虹ノ村診療所のスタッフは、いつもハイテンションで口が悪い外科医の浅黄朔(井浦新)と短気で真面目過ぎる看護師の蒼山太陽(北村匠海)で、3人の遠慮のない共同生活が始まるのでした。
初めは採用取り消しを恐れて病気のことを隠していた真空でしたが、検診のため東京に月に一度行かなければならず、その理由を説明すると朔は「医者で患者は最強じゃん」、太陽は「仲間に嘘はつくな」とだけ言い許します。村の人々も、まったく問題ないとしてあらためて歓迎するのでした。
にじいろ商店は橙田雪乃(安達祐実)と橙田晴信(眞島秀和)の夫婦が営んでいましたが、雪乃はまだら認知症で、数か月ごとに自分の事がわからなくなってしまいます。そんな時は、村役場の霧ヶ谷桂(光石研)の妻である氷月(西田尚美)と村役場で働くシングル・マザーの緑川嵐(水野美紀)が、雪乃の生い立ちから順を追って説明をして元の生活に戻れるようにサポートするのでした。
教師をしていた桃井佐和子(水野久美)は、高齢の一人暮らしでたくさんの不安を隠して生活していましたが、真空がいつでも携帯電話をかけていいと言ってくれたことで元気をだします。
朔がこの村に来たのは妻の沙織(佐々木希)が野菜作りが大好きだったからですが、亡くなった時に助けることができなかった後悔をずっと引きづていたのです。太陽は、誰もが生きていくうえで何かしら抱えているものがあるのに、自分には何もなく「普通」すぎることに引け目を感じていました。
膠原病の一つで難病指定されている多発性筋炎は、自分の筋肉や皮膚に対してアレルギーを起こしてしまう病気で、倦怠感、筋力低下などにより日常生活に支障をきたすことがあります。ステロイド剤や免疫抑制剤による薬物治療が効果的ですが、肺などの合併症により生命予後を悪くする場合があります。
主人公の病状の描写は概ね間違っていないと感じました。さすがに救急医療を担うのは困難かと思いますが、通常の診療科であればスタッフの人数が多い大病院の方が働きやすいように思います。しかし、それはあくまで調子が悪ければ「代わりに仕事をしてあげる」というものであって、精神的な負担を増やすかもしれません。
肉体的には村の診療所の方が激務かもしれませんが、患者さんから精神的に支えられるというのはまさに「病とともに生きる」充実感と勇気をもらうことにつながっています。そういう意味では、病気の有無に関係なく地域医療の大切さも描いているドラマだと思います。
他人の干渉を嫌がる人が多いとは思いますし、自分もそのように考える一人なのかもしれません。しかし、このドラマでは過度の干渉のように見えて、お互いの事を理解した上での節度を保っているところが嫌味にはなっていないのがよく出来ている点だと感じました。
2025年7月5日土曜日
室町無頼 (2025)
コメディ系の印象が強い大泉洋にとって、大泉洋史上最高にかっこいい演技が見れる映画・・・という触れ込みは伊達ではありませんでした。よくある江戸時代よりも古く、さらに戦国時代に突入する前の室町時代中期の時代劇です。
第8代征夷大将軍である足利義政の悪政のもと、民衆は貧しさを極め、折からの大飢饉によって餓死するものが続出するなかで、寛正3年(1462年)、蓮田兵衛を首魁とする京の都を急襲する「寛正の土一揆」が発生しました。このエピソードを膨らませた垣根涼介による歴史小説を原作として、「あんのこと」の入江悠の脚本・監督により映画化された作品です。
民の飢えと貧困が極限に達しようかという時代、将軍、大名は富をむさぼりつづけていました。傭兵を率いて都の警備を請け負っていた骨川道賢(堤真一)は、悪徳金貸しの用心棒をしていた才蔵(長尾謙杜)を捕えたものの、若すぎて扱いづらいため、古い悪友である蓮田兵衛(大泉洋)に引き渡します。
浪人者の兵衛は、腕も立ちますが、あちこちで貧しく苦しむ農民たちを助けて回っていて、時が来れば一斉蜂起するべく準備をしていたのです。棒術が得意だった才蔵は兵衛についていくことを決意しますが、兵衛はまだまだ未熟な才蔵を自分の師匠、唐崎の老人(柄本明)に預けます。
1年間の辛く危険な修行の末、才蔵は立派な兵法者となり兵衛のもとに戻って来ます。兵衛はいよいよ立ち上がる時が来たと感じ、慕ってきた多くの浪人者、これまでひたすら我慢に我慢を重ねてきた農民らを率いて一揆を起こすことを決断します。これらの不穏な動きはスパイによって幕府にも知らされ、骨川道賢は兵衛のもとを訪れ事を起こせば容赦はしないと伝えるのでした。
兵衛は道賢に一揆の日時を教えますが、農民たちの借金の証文を焼くことが一番の目的であるから、自分たちと戦うのは少しだけ待ってほしいと頼みます。しかし、兵衛は予告した日時よりもさらに早くに立ち上がり、一揆の群衆は京の町になだれ込むのでした。
兵衛を慕う高級遊女に松本若菜、足利義政に中村蒼、民を人とも思わない悪大名に北村一輝らが登場しています。江戸時代がジョン・ウェインの正統派西部劇ならば、まだ形が定まらない混沌とした室町の世界は、まさにマカロニ・ウェスタンです。ひたすら搾取される民衆のために立ち上がる「荒野の用心棒」の姿が、まさに兵衛に他なりません。
とにかく大泉洋がかっこいい。それに尽きる。大勢のぐちゃぐちゃの中を駆け抜ける兵衛と才蔵の殺陣のすさまじいことといったら、他ではあまり見たことがありません。佐藤健の剣心は現代風のスタイリッシュな殺陣でしたが、ここでは泥臭いけど疾風のような殺陣は「木枯らし紋次郎」に近いかもしれません。
しかし、そのあとでしっかりと兵衛と道賢の一対一の勝負にも決着がつくところもなかなかグッとくる。本当に「こんな時代劇を見たかった」と手を打ちたくなる作品でした。
第8代征夷大将軍である足利義政の悪政のもと、民衆は貧しさを極め、折からの大飢饉によって餓死するものが続出するなかで、寛正3年(1462年)、蓮田兵衛を首魁とする京の都を急襲する「寛正の土一揆」が発生しました。このエピソードを膨らませた垣根涼介による歴史小説を原作として、「あんのこと」の入江悠の脚本・監督により映画化された作品です。
民の飢えと貧困が極限に達しようかという時代、将軍、大名は富をむさぼりつづけていました。傭兵を率いて都の警備を請け負っていた骨川道賢(堤真一)は、悪徳金貸しの用心棒をしていた才蔵(長尾謙杜)を捕えたものの、若すぎて扱いづらいため、古い悪友である蓮田兵衛(大泉洋)に引き渡します。
浪人者の兵衛は、腕も立ちますが、あちこちで貧しく苦しむ農民たちを助けて回っていて、時が来れば一斉蜂起するべく準備をしていたのです。棒術が得意だった才蔵は兵衛についていくことを決意しますが、兵衛はまだまだ未熟な才蔵を自分の師匠、唐崎の老人(柄本明)に預けます。
1年間の辛く危険な修行の末、才蔵は立派な兵法者となり兵衛のもとに戻って来ます。兵衛はいよいよ立ち上がる時が来たと感じ、慕ってきた多くの浪人者、これまでひたすら我慢に我慢を重ねてきた農民らを率いて一揆を起こすことを決断します。これらの不穏な動きはスパイによって幕府にも知らされ、骨川道賢は兵衛のもとを訪れ事を起こせば容赦はしないと伝えるのでした。
兵衛は道賢に一揆の日時を教えますが、農民たちの借金の証文を焼くことが一番の目的であるから、自分たちと戦うのは少しだけ待ってほしいと頼みます。しかし、兵衛は予告した日時よりもさらに早くに立ち上がり、一揆の群衆は京の町になだれ込むのでした。
兵衛を慕う高級遊女に松本若菜、足利義政に中村蒼、民を人とも思わない悪大名に北村一輝らが登場しています。江戸時代がジョン・ウェインの正統派西部劇ならば、まだ形が定まらない混沌とした室町の世界は、まさにマカロニ・ウェスタンです。ひたすら搾取される民衆のために立ち上がる「荒野の用心棒」の姿が、まさに兵衛に他なりません。
とにかく大泉洋がかっこいい。それに尽きる。大勢のぐちゃぐちゃの中を駆け抜ける兵衛と才蔵の殺陣のすさまじいことといったら、他ではあまり見たことがありません。佐藤健の剣心は現代風のスタイリッシュな殺陣でしたが、ここでは泥臭いけど疾風のような殺陣は「木枯らし紋次郎」に近いかもしれません。
しかし、そのあとでしっかりと兵衛と道賢の一対一の勝負にも決着がつくところもなかなかグッとくる。本当に「こんな時代劇を見たかった」と手を打ちたくなる作品でした。
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