2025年9月6日土曜日

TEAM NACSのはじまり


多くの劇団がある中で、TEAM NACSが今のような「最もチケットが取れない」と言われるような人気を得るようになったのかを知るためには、やはり彼らのスタート・ダッシュを理解しておくことが必要です・・・というわけで、簡単に彼らのアーリー・ヒストリーをまとめてみました。

森崎博之。1971年、北海道のほぼ中央、上川郡東川町で生まれ、旭川西高校をへて1990年に北海道学園大学に入学し演劇研究会に所属しました。1993年から稲田博主宰の劇団イナダ組と鈴木貴之主宰のOOPARTSに参加。なお、イナダ組はOOPARTSから独立した劇団です。

安田顕。1973年、室蘭市に生まれ、室蘭栄高校をへて1992年に北海道学園大学に入学。当初ジャズ研に在籍するも、レベルが高すぎたため退部。12月に演劇研究会に所属します。1993年に辞める森崎に代わってOOPARTSに参加。

戸次重幸。1973年、札幌市手稲区生まれ、本名は佐藤重幸。手稲高校をへて、1浪して1993年に北海道学園大学に入学し演劇研究会に入会。1994年にイナダ組参加。

大泉洋。1973年、江別市生まれ。札幌藻岩高校卒業後、2浪して1994年に北海道学園大学に入学し演劇研究会に入会。1995年にイナダ組参加。

音尾琢真。1976年、厚氷川氏で生まれ、旭川西高校をへて1994年に現役で北海道学園大学に入学し演劇研究会に入会しました。なお、高校では新体操部部長を務めました。彼も1995年にイナダ組に参加しました。

1995年10月、大泉がOOPARTSの紹介され北海道テレビの深夜番組「モザイクな夜V3」に「二代目元気くん」として出演し、話題になります。この時、芸能活動のために鈴井貴之が1992年に設立したCreative Office Cueに安田と伴に所属しました。またこの頃、「ガメラ2 レギオン襲来(大映/東宝)」に安田、大泉が端役で映画初出演をはたしています(鈴井も出演)。

森崎と安田が1996年3月に大学卒業が決まりますが、ちょうどその時期に予定されていたイナダ組の公演が中止となったため、その会場を利用していつもつるんで遊んでいた5人はTEAM NACSを結成し旗揚げと同時に解散公演を行うことにしました。それが、今では幻の第1回公演とされる「LETTER〜変わり続けるベクトルの障壁〜」でした。

森崎作品としては演劇研究会の公演として「CHAIR〜立ち続けることは苦しいから〜」、「DOOR〜在り続けるためのプロセス〜」というタイトルがあるので3作目にカウントされます。森崎作品のタイトルは、「~R」で終わる英単語と「~続ける(続けた)~」という副題が付くというのはスタートからでした。

森崎と安田が抜けて、当然チームは解散となりますが、大泉は1996年10月に北海道テレビでスタートした「水曜どうでしょう」のレギュラーとして鈴井と共に出演することになります。鈴井と大泉の二人が出たとこ勝負で無理矢理に旅をするだけの番組でしたが、大泉のトーク力が爆発し人気番組となっていきました。

東京で就職した森崎と安田は、芝居をやりたい気持ちが捨てきれず10ヵ月で二人とも退職し、北海道に戻ってきます。そして戸次、大泉、音尾に連絡を取りチームを再結成し、1997年8月に復活公園と銘打って「RECOVER〜描き続けるもう一つの結論」を成功させました。さらに1998年3月には大泉の卒業を機に、プロの劇団としてやっていく決意をもって卒業公演「FEVER〜眺め続けた展望の行方」を上演します。

大泉のテレビ露出により知名度がどんどん上がったことが功を奏し、舞台は回を追うごとに集客数が増加。1998年4月のデヴュー公演「再演DOOR〜在り続けるためのプロセス〜」で収益が黒字となります。1999年3月に戸次・音尾が大学を卒業し、冒険公演「ESCAPER〜探し続けていた場所」を成功させ、森崎・戸次・音尾もCreative Office Cue所属となり、名実ともに職業俳優ユニットとしてスタートしたのです。

少ない北海道テレビ独自のバラエティ枠は、鈴井らの企画がしばしば登場し、タレントとしてTEAM NACSのメンバーが起用される機会が増えたことで「北のSMAP」と呼ばれるようにもなり、人気を不動のものにしていったのでした。

2025年9月5日金曜日

LOVER〜想い続けたキミへの贈り物 (2001)

TEAM NACSの第7回公演ですが、「ときめき公演」としています。本来は2002年に上演した「WAR〜戦い続けた兵たちの誇り」が予定されていましたが、会場の閉館により急遽こちらに差し替えになっています。

リーダーの森崎博之による脚本・演出ですが、ナックスとしては珍しい恋愛コメディになっているので、サポート・キャストとして、当時メンバーが親しくしていたSKグルーブから小山めぐみ、福村澄江の二人、劇団イナダ組から小島達子、山村素絵、川井J竜輔の三人が参加しています。

始まっていきなりウェディングドレスを着たメンバーが、自己紹介を兼ねて一人ずつ飛び出してきます。中でも、"平成の怪物"安田顕の期待にたがわない裸同然の姿は嬉しい。それにも増して、戸次重幸が日本刀を振り回して出てくるところはまったく意味不明ですが、何か凄い。

まず恋人同士の戸次と素絵の別れのシーンから物語がスタート。振られた戸次を慰める大泉洋と音尾琢真でしたが、そこに大泉の携帯に電話がかかってきます。素絵も友人のめぐみと達子に慰められていたのですが、達子の発案で合コンをやることになり、めぐみが知り合いの大泉に人集めを頼んできたのです。

大泉とめぐみは4年前からともだち以上恋人未満が続いていて、お互いに好意を持っているものの進展が無いままでした。大泉と戸次、音尾以外に仕事場の部長の森崎、主任の安田が加わり待ち合わせた店に行きます。めぐみ、達子、澄江の三人が先に到着していましたが、4人目に登場したのは強烈な個性が爆発する順子(川井)でした。それより遅れて5人目として登場したのが素絵だったため、戸次は凍り付いてしまいます。

それでも、森崎・素絵、音尾・達子、戸次・澄江、そして安田・順子というペアができます。男性5人にはときめきを応援するときめきマンがそれぞれについていて、森崎にはピンク(戸次)、安田にはイエロー(音尾)、戸次にはブルー(安田)、音尾にはグリーン(森崎)がついていて、ときめくほど風船が膨らみ、ときめきが無くなると風船が割れてときめきマンも消えてしまうのです。何故か大泉についたときめきマンのレッドは大泉自身が演じます。

めぐみは昔からの夢だったデザイナーになるため、もうじきイタリアに移り住む決心をしていたのです。告白をしようかと思っていた大泉は、先にその話を聞かされ意気消沈して持っていた風船がしぼんでしまうのでした。

大泉以外の4組はいろいろあって結局はうまくいきません。それぞれのときめきマンは、レッドを復活させるために、めぐみの出発に合わせて大泉を飛行場に連れ出すのです。大泉は惠のもとに駆け寄ると「愛してる~」と絶叫。その途端に、ものすごい量の風船が舞台になだれ込んでくるのでした。

という、ほぼ王道のラブコメで、作者の森崎の引き出しの多さに感心しました。女子5人の一人に女装の川井を混ぜて、ナックスメンバーだけに頼らずに笑いを入れ込んでいます。舞台はシンプルですが、やはり照明をうまく使って、細かく場面をいろいろな場所に作るのは森崎演出の得意技です。

女子組との対比の仕方も、ちょっと凝り過ぎ感はあるものの、当時の若者たちの文化・情景が目に浮かんできます。準備期間が少な目で用意された舞台としては、傑作とは言わないまでも楽しく見れる作品です。

2025年9月4日木曜日

パキスタン風無水カレー


パキスタンは、インドの西隣の国で、しばしばインドとの争いがニュースになります。この国のカレーは一般に水気が少ないものが多いらしい。札幌にカラバトカリーというパキスタンカレーの有名な店があって、それを真似たレシピをネットで公開している人がいたりします。

それを参考にして作ってみました。

基本的なパターンは一緒なんですが、一番の特徴は水を加えないので、トマト缶は通常の2倍量を使います。また、パキスタンはスパイスが多めらしいので、スパイスの量は多めで種類も増えています。

飴色タマネギ作りは同じ。ニンニク、ショウガはやや多め。トマト缶はいつもは2~3人前で1/2缶(200g)を使いますが、今回は1缶全部利用します。炒め煮はしないで、スパイスを投入します。

ターメリック 大さじ1、クミン 大さじ1、コリアンダー 大さじ1.5、カイエンペッパー 大さじ1/2。さらに今回はクローブ 小さじ1、ナツメグ 少々を追加しています。

ここで鶏むね肉を入れますが、ポイントはこれを全部煮崩してホロホロにしていくこと。最初に5cm角くらいに切っておいて投入します。ここからは、水を追加せずに蓋をして弱火で煮込んでいきます。ここで塩を加えますが、味は薄めにしておく。

20~30分もすると、肉の線維がほぐれてくるのでヘラで軽く潰すようにしてバラバラにします。蓋は外してさらに10分ほど煮込むと、だいたい出来上がり。

御飯にのせて旨みの凝縮したカレーを美味しく食べましょう。

2025年9月3日水曜日

雅楽戦隊ホワイトストーンズ 〜最終章 呪われし神々の行方 (2003)

熱烈な要望を受けて、「ドラバラ 鈴井の巣」の「雅楽戦隊」シリーズ第3弾・・・なんですが、どうやらスポンサーからの要望が強かったらしい。ところが、スタッフは困った。というのも、前作で主人公の一人、南郷が死んでしまい、物語も一定の解決をしています。

ただし、最終シーンで何者かがカギとなる巻物を拾うシーンが挿入されていたことから、これは企画した鈴井貴之の確信犯的なところがありそうです。前作から5年後ということにして、南郷の代わりに息子の大志が加わることで、ホワイトストーンズを復活させました。

あの戦いから5年後、北郷(戸次重幸)は、皆の溜まり場である喫茶店HEROのマスターになっていました。本郷(安田顕)は、バカでも強くなれることを書いた本がベストセラーになり東京大学の講師として教壇に立っています。そして、大門は故郷の礼文島に帰り、漁師になっていました。恋人の富子(小野優子、HTBアナウンサー)がいたものの、洗脳された妹は元に戻らないまま亡くなっていました。

宮城県白石で爆弾テロ事件が発生します。札幌市白石区は宮城県白石の人々が明治の初めに入植してきた場所なのです(これは本当)。嫌な予感がした本郷は急遽戻って北郷と共に怪しいビール工場に潜入すると、二人の首領をトップにしたネオ悪の秘密結社に襲われます。しかし、二人だけではホワイトストーンズに変身できないため、逃げるので精一杯でした。

そして、白石区でも爆弾テロが起こり、南郷の息子の大志(北野雄大)と母親(北川久仁子)が巻き込まれ、母親が亡くなります。大志は母親の仇を討つためホワイトストーンズに加わるのでした。しかしまだこどもの大志は爆弾怪人に倒され、大志もまた川北博士(音尾琢真)の改造手術でより強くなって蘇るのです。

大門は「あなたを必要とする人がいる場所に戻って戦って」という富子の言葉により、ついに再び立ち上がります。川北博士も自分に責任がある悲劇の連鎖を止めるため、自らを改造したポプラーマンに変身しますが爆弾怪人と共倒れになってしまう。川北博士は、巻物を拾って白龍神社に隠したことを言い遺しました。

大門は白龍神社で巻物と共に伝説の剣と鏡を発見しますが、そこへホワイトストーンズが駆け付け、ネオ悪の結社の二人の首領(安田・戸次)も現れます。二人のボスは本郷と北郷に瓜二つの姿で、戦ってもまったく同じ力を持っているのでした。大門は善と悪は表裏一体であることに気がつき、剣で鏡を割ると強力な光によって二人の首領を倒すことに成功します。そして巻物は火を放って燃え、白鳥となって飛び立っていくのでした。

ヤマトタケルの東北遠征伝説を織り交ぜて、一見、壮大なストーリーになっているんですが、かなり無理矢理感は否めない。ただ、理詰めで見るようなものではないので、単純にどうでもいいようなストーリーを楽しめばいいだけです。

ドラバラの凄い所は、芝居だけでなく強引にナックスのメンバーに歌も作らせているところで、ふざけた歌詞もありますがけっこう良い曲がたくさん出てくる。彼らが鼻歌的に作ったメロディを、採譜して曲に仕上げるター・ナー・カー氏の技量には脱帽です。これらはTEAM NACSの結束力や技術的な底上げに大きく役立っていると思われ、かれらのアマチュアからプロへの脱皮を助けたことは間違いありません。

2025年9月2日火曜日

雅楽戦隊ホワイトストーンズ 〜白き伝説よ永遠に (2002)

「ドラバラ 鈴井の巣」で放送された「雅楽戦隊ホワイトストーンズ」シリーズの第2弾。札幌市白石区だけを守る戦隊物で、基本的には完結編です。

南郷進(鈴井貴之)は、兄を悪の秘密結社に誘拐され、国際秘密諜報員の大門通(大泉洋)は妹を誘拐されている。悪の秘密結社は再び、白石区を狙って暗躍し始めました。彼らはこどもさらって改造し戦闘員として育成していたのです。

幼稚園バスを襲って大勢の園児を誘拐します。こどもたちを助けるため、南郷、本郷(安田顕)、北郷(戸次重幸)はホワイトストーンズに変身します。建設中の札幌コンベンションセンターが悪の秘密結社のアジトであることを突き止めた大門は先に潜入しますが、女性戦闘員に動揺して捕らえられてしまうのです。

後から駆け付けたホワイトストーンズは、雑魚を倒しながら奥に進み大門を救出しますが、大門は女性戦闘員をかばって逃がしてしまうのです。その女性戦闘員は、実は洗脳された大門の妹だったのです。捕らえられた幼稚園児を助け出すと、その中に別れて暮らしていた南郷の息子・大志も混ざっていました。

悪の秘密結社の首領(鈴井貴之 2役)は、さらなる人体改造の方法が記された巻物の半分を持っており、白龍神社に安置している残り半分の巻物を狙っていました。危険を察知した宮司(森崎博之)は、川北博士(音尾琢真)に頼んで人間爆弾に改造してもらうのです。20年前に溺れた南郷・本郷・北郷と共に助けようとした宮司も溺死していたのですが、川北博士によってサイボーグとして蘇生していたのです。

宮司は神社を襲ってきた怪人化した首領に抱きついて自爆しますが、首領を倒すことができません。南郷は首領の正体が兄であることに気がつき、取り押さえようと飛び出します。その時二つの巻物がつながり、巨大な白龍が飛び出してきたのです。白龍の力によって首領は爆死し、南郷も息を引き取るのでした。

オフィース・キュー社長の鈴井貴之は、もともと劇団を主宰していたんですが、わざとかもしれませんが多少疑問を感じる演技力です。もっとも、まだまだ駆け出しのナックスのメンバーも似たり寄ったりのところはあるので、あまりツッコミを入れてはいけないところかもしれません。

ただし、第1弾と合わせて見ると、それなりに辻褄が合っていてストーリーの骨格はよくできている。原作・脚本を担当した鈴井の力量はそれなりに評価されるべきです。当然、白石区の中だけの話なので、ローカル・ネタに精通していれば、かなり楽しめるだろうと思います。

2025年9月1日月曜日

雅楽戦隊ホワイトストーンズ 〜雅やかな愛の戦士たち (2002)

北海道テレビで放送された「ドラバラ 鈴井の巣」は、ドラマとバラエティ(メイキング)を同時進行で放送するという変わった趣向の番組でした。鈴井というのは、北海道のローカル芸能プロダクションであるCreative Office Cueの社長である鈴井貴之で、主たる出演者は鈴井とTEAM NACSの大泉洋と安田顕の3人。

実際は他のメンバー、森崎博之・戸次重幸・音尾琢真も登場していて、オフィース・キューに所属するタレント総出演で作られています。

基本の3人で順番に企画・脚本を回していくという構想でしたが、その第1回作品となったのが「雅楽戦隊ホワイトストーンズ」でした。もともとはローカル局のバラエティなのに全国的に人気となった「水曜どうでしょう」の前身とも言える「モザイクな夜」で始まったもので、基本的なコンセプトは札幌市白石区だけの平和を守る戦隊物です。

悪の秘密結社により祖父を殺され、そして兄を連れ去られた南郷進(鈴井)は、本郷隆(安田)と北郷誠(戸次)と共に雅楽の楽器を奏でることで雅楽戦隊ホワイトストーンに変身するのです。20年前に、三人が川で溺れて死んでしまったところを、悪の秘密結社から逃げ出した川北博士(音尾)の手術で改造人間として蘇った体だったのです。

悪の秘密結社は、白石区の下水道処理場から毒ガスをばらまき区民を混乱に陥れます。妹を連れ去られ両親を殺された大門通(大泉)は、国際秘密諜報員となって悪の秘密結社を追っていましたが、毒ガス事件でホワイトストーンズと協力して対決することになります。

悪の秘密結社首領(鈴井 二役)は、部下のナメリン大佐(滑川まさみ)にホワイトストーンズを倒すように命令します。ナメリンは怪人レンガレンガを使って、さらなる毒ガス散布をしようとしますが、川北博士の作った特殊爆弾によってレンガレンガを倒したのでした。南郷は瀕死の重傷を負いますが、川北博士により回復し、そして白石区の平和は守られたのです。

往年の戦隊物を彷彿とさせる王道の展開ですが、怪人の巨大化、それに伴う巨大メカの登場はありません。かなりバカバカしいストーリーですが、正規の戦隊物も冷静に見ればかなり無理を通しているので、笑いのネタだけ増えたと思えばすんなり受け入れられそうです。

2025年8月31日日曜日

無題 2


昨日はネタ切れ。

当然、今日もネタ切れ。

8月も今日で終わりですけど、連日の残暑・・・暦の上では残暑と言いますが、実質的には盛夏がずっと続いている状態。昨日も37゚cになってました。

こうなるとクリニックは「夏枯れ」で暇になるところなんですが、お盆期間に休みを頂いた影響で、その前後には患者さんが集中してしまうので、あまりお気楽なことは言っていられない。

しばしば患者さんから「ここは空いていて、すぐ呼ばれるからいいわね」とか言われるようなクリニックですから、もう患者さんを待合室で30分以上待たせているとあせりまくってしまいます。

この前、川釣りをしている人を見かけました。

フライフィッシングでしょうか。何が釣れるのかわかりませんが、熱中症にならないようにしてもらいたいものです。アスファルトの地面のような反射熱はないでしょうけど、長時間は注意が必要ですよね。




2025年8月30日土曜日

無題


久しぶりのネタ切れ。

いろいろ考えても、どうにも思いつかない。

8月もほぼ終わりだというのに、暑いですね・・・って、その先は出てきません。

見たけど、まだ書いていない映画やドラマはあるんですけど、見た時に書かなかったのはあまり面白くなかったから。

今更書いても、不平不満みたいなものばかりになってもつまらない。

時事ネタは難しいし、そういつでも新しい料理を考えているわけでは無いし・・・

こういう時は、電車の写真でごまかすしかない・・・鉄オタではないので、たまたま出くわしただけの面白味の無いものです。

2025年8月29日金曜日

WAR ~戦い続けた兵たちの誇り (2002)

TEAM NACSによる「約束公演」と呼ばれた、実質的には第8回公演です。2年前にこの演目を予告していたものの、予定していた会場が閉館してしまったため1年延ばしになったもので、観客との「約束」を守るという意味合いが含まれていました。

ナックスの5人以外に、交流のあった劇団イナダ組や大学の後輩、ナックスの所属していたオフィース・キューの芸人である藤尾仁志・河野真也ら15人が客演する舞台となりました。

北海道のローカル・テレビ局で中継され、後にビデオ・デーブが限定発売されています。現在はニコニコ動画を根気よく探すと、分割された形で視聴が可能です。ただし、画質・音質はかなり状態が悪いので、出演者の判別や台詞の聞き取りはかなり制約を受けることは覚悟しないといけません。

NSF (Never Stateless Force)に参加する男たちの物語。NSFは無国籍軍という意味で、世界各国から参加した兵士によって、リチャード総帥(森崎博之)のもと、世界から戦争を無くすために戦争を仕掛けるという集団です。彼らはサハリンを支配下におくと、次なる標的を日本に定めます。

ホーク中尉(大泉洋)はエースパイロットで、自信過剰で自分が隊長に選ばれないことに強い不満を持っています。ロイ隊長(音尾琢真)は人格者ですが、人を殺したことが無い。そのため、敵を殺せずに部下を死なせた過去に苦しんでいる。

マイク(戸次重幸)はホークの部下で、話すことができせんが視力は抜群。捕虜になって拷問を受けて死んでしまいます。ロイ隊長は死んだマイクを前に、「我々は復讐のためではなく、誇りのために戦うのだ」と声を上げます。

ハイド(安田顕)は、NSFの公用語の英語がうまくないため無口。マイクとは唯一心が通じる仲間でした。生真面目な性格で「何のために生きるのか」を真剣に考えている。彼が目を覚ますと・・・日本人の普通の若者、モリ、オオイズミ、シゲ、オトオらの仲間からヤスケンと呼ばれ、普通にバカ騒ぎするのが好き。

ヤスケンはリアルな戦争の夢を見たと話します。そこは、誰もが本気で死と向き合って、生きるために必死になっている世界でした。今の自分に疑問をもったヤスケンは酒をあおり寝込んでしまうと、再び彼はNSFのハイドになっていたのです。

NSFの日本侵攻は成功したかに見えましたが、舞台内にドイツが送り込んだ裏切り者のシュバルツ(戸次重幸)によって、一気に形勢が逆転します。そして、ハイドは旧日本軍が開発した特攻兵器である桜花を発見し、ハリス(戸次重幸)の操縦する飛行機から切り離され突撃していくのでした。

まず最初に目を引くのは、リーダー森崎の演出。舞台は全体に斜面になっていて、一番奥に中央だけが空いたパネルが並んでいるだけです。斜めになっていることで、奥行きが広がりいろいろな場面設定に利用されています。

そして、その場面を象徴的に表現するために使われているのが照明です。この照明の使い方が天才的としか言いようがない。ダイナミックに動かして、色を変えることで状況を説明するだけでなく、登場人物の心情なども表している。時には、真っ暗な中で大勢が懐中電灯の光を使って光の動きを表現する辺りは素晴らしい。

小道具として拳銃、小銃までは使いますが、当然飛行機は舞台に出てこない。しかし、役者が操縦桿を握って中腰になるポーズで飛行機の動きを表現するのですが、見えない機体がまるでそこに飛んでいるような錯覚を起こさせるのは見事です。

全員が複数の役をこなしています。中心となるナックスのメンバーは2~3役で、比較的わかりやすいのですが、全体の人数が多い舞台では混乱してわかりにくいところ。特に戸次は死ぬ度にハイドに寄り添う別の役で再登場するので、集中していないとわからなくなります(意図的に狙っている?)。

内容はNSFという架空の軍隊にいる若者たちと、現代日本の若者たちを対比させて、「生きる意味」をあぶり出していくというのがテーマ。戦争がヤスケンの夢なのか、あるいはハイドの夢が今の日本なのか、あるいはもしかしたらハイド(HIDEのカタカナ読みは日本名ヒデ)の回想なのかと思わせることで視聴者に考えさせています。まだアマチュア劇団の域を脱していない感じはしますが、若さの勢いみたいなものは十分に発散していて、最近の円熟した舞台よりも熱い思いがあふれているように思います。

2025年8月28日木曜日

ラストマン-全盲の捜査官 (2023)


話題になった邦画で、「グランメゾン・パリ」、「キングダム」など、テレビドラマで「TOKYO MERシリーズ」、「ストロベリー・ナイト」などなど、多くの脚本を手掛けているのが黒岩勉です。主にフジテレビ関連の仕事を中心に、ミステリー色のある作品が多く、近年はオリジナル作品も注目されます。

このドラマは、2023年にTBS「日曜劇場」で放送されました。全盲のFBI捜査官と警視庁刑事が異色のバディになるという斬新な設定と、福山雅治と大泉洋というW主演が話題になりました。2025年秋には劇場版の公開を控えています。

相互協定によりFBIの捜査官である皆実広見(福山雅治)が来日しました。もともとは日本人である皆実は、10歳のときに両親を強盗殺人事件で亡くし、自らもその時の怪我が原因で失明してしまいました。大学で心理学に長けていたためFBIにプロファイラーとしてスカウトされ、難事件を最後に解決できる「ラストマン」として活躍していたのです。

皆実の世話役に指名されたのは、警視庁の護道心太朗(大泉洋)で、祖父は元警視庁長官の清二(寺尾聡)、兄は次期警視庁長官確実と言われている京吾(上川隆也)、甥は捜査一課佐久良班の正義感の強い泉(永瀬廉)という名門警察一家の中にいて、警察ノンキャリアの道を選ぶ高い検挙率を誇る変わり者です。心太朗は、実は護道家の養子で、実の父は皆実の両親を殺害した犯人として服役中で、その事件を担当した管理官が護道清二でした。

皆実は最新テクノロジーを駆使して、視力が無くても多くの情報を音声化して驚異的な速さで取り込むのです。佐久良主任(吉田羊)は、当初は事件に勝手に首を突っ込む皆実と心太朗を苦々しく思っていましたが、少しずつ協力するようになります。アメリカでの皆実の活躍に勇気づけられた過去がある吾妻(今田美桜)もIT支援で皆実をサポートします。

物語は41年前の皆実家の事件の謎を主軸として進行していきます。日米の警察が協力するためお互いに人材交流をするというのはあり得る話だとは思いますが、いくら優秀だとは言え全盲の皆実が最初のメンバーというのが、もちろん父親の事件の謎を解き明かしたい皆実の作為があっての人選なのですが、設定的には強引な印象を持ちます。

また、皆実がハイテク機器で常人並み、時にはそれ以上に肉体的な活躍をするのはちょっとやり過ぎのような感じ。その辺りを受け入れられるのであれば、過去の事件と絡み合った人間関係がしだいに解き明かされていく過程はよくできています。

コメディ色の強い大泉洋は頑ななどちらかというと暗いキャラで、むしろ福山が軽めに笑いを取るようなところは新鮮です。また大泉との共演が多い吉田羊とのコンビも楽しいところだと思います。

2025年8月27日水曜日

スマホは2時間まで


スマホは2時間まで、という条例案が話題になっています。

愛知県豊明市の話。

仕事や学業などでの使用を除いて、隙間時間における使用に限定してスマートホンの使用は1日に2時間以内にすることというもの。

罰則はありません。というか、そもそも2時間以上使ったかどうかを他人が客観的に判断する方法はありませんよね。

ということは、努力目標としての条例であり、「なるべく、こうした方がいいんじゃないですか」という意見を公的に発表したという程度のものということ。

いろいろと賛否両論出ているみたいですけど、基本的な主旨には賛成です。

ひたすら動画みているとか、SNSをチェックしているだけとか、まぁ、生産性はあまりなさそうな時間がたくさんあることはプラスにはならない。

でも、隙間時間の潰し方の方法が変わっただけで、ちょっと前ならテレビをずっと見ているという人も多かったはず。これも同じと言えば同じ。健康面のリスクも形態が変われば、違うものが出てくるというもの。

1日24時間、ずっと意味のある作業をし続けるというのも、精神的にかなりきついものでしょうから、ある程度の息抜きは大事というものです。

スマホに限定した話ではなく、適度の息抜きをした上で、充実した時間をすごすことができる状況が必要で、そのような環境が整備されることが望ましいのかもしれません。

2025年8月26日火曜日

ミハル (2003)

TEAM NACSの本公演は、1996年から始まり2021年までに17回を数えています。一般にDVD等で入手して視聴可能なのは2004年の第10回「LOOSER」からで、それ以前のものは基本的に見ることはできない・・・のですが、ナックス沼にはまった方は、是非にも見たいものだと思うかも、いや思うはず。

1996年の第1回は解散公演とされ、森崎博之・安田顕の大学卒業・就職記念としてTEAM NACSの旗揚げと同時に解散するものでした。1997年の第2回は、演劇の夢を捨てきれなかった森崎・安田が戻って来た復活公演です。

そして1998年の第3回公演からは、彼らはアマチュアからの卒業を決意し、舞台の様子は撮影・編集され、ビデオ(VHS)として限定的に販売するようになります。今やネット時代となり、それらのビデオテープの映像は動画配信サイトで運が良ければ見つけることが出来るかもしれません。

さて、第9回公演となったのは脚本・演出が戸次重幸による「ミハル」でした。

暗い舞台の中にスポットライトで浮かび上がる二人の男。一人はしゃがみこみ、もう一人は拳銃を相手の頭に向けています。全体の照明が点灯すると、そこはホテルの一室。ピンポンと音がして、ホテルのベルボーイの小宮(戸次重幸)が入ってくると、目の前の光景に動転し興奮して電話にかけより110番にかける。すると拳銃を構えていた安藤(音尾琢真)の携帯につながり、二人が刑事でありもう一人は後輩の岡田(大泉洋)と判明します。

安藤は匂いで相手の嘘を見抜く力があり、岡田は痛みの刺激で相手の過去の記憶を読み取る力があるという。岡田は小宮があまりに疑うので、小学校の時に好きな女の子の縦笛を盗んで今でも大事にしていることを読み取って驚かせます。

そこに撮影日を間違えたカリスマAV男優のキノコ山本(安田顕)が登場します。さらに売れない小説家でドラマの脚本を書くためにホテルに缶詰めになっていた長峰源五郎(森崎博之)も入って来て、やたらと刑事たちにちよっかいを出すのです。山本は実は引退した殺し屋、長峰はかつて恋人を殺した過去があることが明らかになります。

3か月前に、警察に突入された3人の実行犯が人質全員を殺害するという銀行強盗事件が発生しました。その場を指揮を執ったのは安藤で、彼は発砲許可が出る前に犯人を射殺したのです。安藤は幼い時に目の前で強盗に家族を殺された過去があり、犯人が生きて捕まっても遺族の苦しみが減るわけでは無いと考えていたのです。

銀行強盗事件では1億5千万円が消えていて、重傷を負った唯一の生存者である警備員の田中を怪しむ安藤は、彼を監視するためにこのホテルに滞在していたのでした。

高低差の無い一室を舞台にしたシチュエイション・コメディですが、戸次作品でもメンバーそれぞれのキャラクターを生かした配役とギャグがさく裂します。タイトルの「ミハル」は女性名ではなく、向かいの建物にいる容疑者を「見張る」という意味。

出だしは爆笑の嵐で、少しずつシリアスな展開となり、緊張感が途切れずにラストまでもっていく構成はなかなかよく出来ている作品だと思います。後年の「悪童」につながるような舞台で、一人一役でわかりやすいと思います。

特殊能力で過去のトラウマをあぶり出すというのはやや安易なところがあり、本来はしっかりと台詞と演技で少しずつ明らかにしていくべきかもしれません。ただし、上演時間の節約と笑いを取るネタとして機能しているので、TEAM NACSの作品としてはありなのかもしれません。

2025年8月25日月曜日

野良


何故か、野良猫というと、茶色の縞模様が多い。

という、勝手な思い込みなのかもしれませんけど、少なくとも三毛猫は野良にはいないんじゃないかと・・・

それはともかく、この暑い最中に道端にチョコンと座った野良と目が合ってしまいました。

警戒はしているのかもしれませんが、近づいてくる人間にまったく動じる気配が無い。

俺は百戦錬磨の野良だぞ、オメェなんて恐れるに足らずだ・・・と思っているのかいないのか。

こちらも、暑いのでくれぐれもお体大切にという気持ちで通り過ぎさせてもらいました。

2025年8月24日日曜日

自動ドアの故障

長年クリニックをやっていると、あちこちで壊れるものが出てくるのはしょうがない。医療機器の場合はたいてい保守契約しているので、壊れたらどこに連絡するかははっきりしているものです。

今回、故障したのは自動ドア。

クリニックの入口には自動ドアが設置されています。閉めるのは上に設置してある赤外線センサー(たぶん)で、人の遠ざかりを感知するタイプ。外から入ってくるときは、赤外線ビームセンサーを手で遮断するスイッチでドアが開きます。

一方、中から出る時は、縦長のボタンを押す方式になっています。突然反応しなくなったのはこのスイッチ。つまり、入って来ることはできますが、出ることができない・・・

自動ドアが壊れたら・・・どこに連絡すんだ??

自分で注文したわけでもなく、どこかと保守契約しているわけてもない。頭真っ白とはこのことか、というところ。

しかたがないので、内装工事を請け負った会社に電話してみました。そしたら、幸運なことに丁度うちの担当だった人が電話に出てくれました。そしたら、ここに連絡してみたらと教えてくれたのが・・・「日本自動ドア株式会社

早速HPを探してみたら、24時間修理受付もしている。電話もありましたが、メールでの問い合わせをしてみました。

何と、2時間後くらいには向こうから電話がかかってきました。状況を再度説明すると、カバーを外して、中に入っている電池を交換してみろというアドバイスをもらいました。

言われた通りにやってみると、何と単4電池2本が入っていて、これでマイクロスイッチを駆動していたようです。電池を交換すると、まったく問題なく復旧しました。

30分後くらいに、確認の電話がかかって来て、無事完了を報告して一件落着です。素早く適切な対応をしていただき感謝しかありません。日本自動ドア様様です。

それにしても、この電池(普通にみかけるアルカリ乾電池)・・・20年近く使えていたことに驚きました。