2009年8月31日月曜日

政権交代

今回の選挙は、自分を含めて期日前投票を行った人が有権者の13.4%で、だいたい1400万人。夕方6時の時点での投票率はおよそ50%となっていて、併せて63%となりました。最終的には現行のやり方では69.28%で過去最高となったということです。

比較的高い投票率と言われていて、有権者の関心が高かったことを示しています。自民への不満・民主への不安と言われていましたが、少なくとも自民党に対する日本全体からの不満のうっ積はが相当な物で、それが投票行動に反映したことは間違いありません。

もっとも、世界の中で見れば、まだまだ投票率の低さは目に余る物があります。最近、大統領選挙を行ったアフガニスタンは自爆テロに遭うかも知れないという命がけで投票にいくような環境でした。

もちろん、それが正常であるわけはありませんが、自由民主党の一党支配が長期間続いた日本では、選挙に対する国民の期待が次第に薄れてしまったのは事実だろうと思います。

選挙結果については、今さらここに書くまでもありません。開票が始まって1時間もたたないうちに、民主党の過半数越えがほぼ確定というもの凄い勢いでした。

小選挙区では野田聖子、山崎拓、片山さつき、町村信孝、太田誠一、笹川尭、中川昭一、海部俊樹、堀内光雄、丹羽雄哉、佐藤ゆかり、伊吹文明、武部勤、与謝野馨、小池百合子、太田昭宏、北側一雄、冬柴鉄三・・・などの現職大臣や与党幹部の各氏は落選。

民主党308議席、自由民主党119議席、公明党21議席、社民党7議席、共産党9議席。

特に自分が注目したのは、公明党。小選挙区では0ということ。連立していても与党としての存在価値を感じることができなかったということでしょうか。事実上の不必要な政党と認識されたようなものです。

第2の公明党を目指した幸福実現党は代表からすべて落選。

個人として小選挙区でNOを突きつけられた候補者が、比例で復活するという今の制度そのものにも疑問を感じますけどね。

下馬評通りと言えばそれまでですが、民主党の責任は本当に大きい。本来は2大政党でそれぞれ200前後の議席を持って拮抗しているような状態が望ましいのでしょう。

今回の結果は、国民のとにかく民主に一度やらせてみよう、という気持ちが反映しているわけですが、庶民はもう待ったなしの状態になっているわけで、そうそう長く待つことはできません。

しばらくは、いろいろなことでがまんが必要と頭ではわかっていても、現実がなかなか許してくれません。そんなことは、当然わかっていることでしょうが、ある意味大変な時期に政権を取ったかもしれません。

とにかくお手並み拝見。日本がこれからどうなっていくのか。与党でも、野党でも政治家の方々の手腕にかかっています。

2009年8月30日日曜日

清き一票を・・・

××、××をよろしくお願いします!! 皆様の清き一票を××に、××に是非お願いします!!

選挙カーから半身を乗り出し(道交法違反?)大声で連呼するスタッフの姿。必死に振る手には白い手袋。右から左から、選挙カーが行き交い、もううるさいったらありゃしない。

いざ、選挙となると2週間の間街はそんな具合というのは過去の話なんでしょうか。今回の衆議院選挙では、ほとんど選挙運動を目にすることも耳にすることもありませんでした。

もっとも、朝から夜まで、ほとんどクリニックに閉じこもっている生活をしている開業医ですから、当然のことかもしれません。

でも、うちのクリニックは閑静な住宅街にあるわけじゃありません。横浜市都筑区の中心のセンター南駅前です。確かに人が集まりやすい駅出口とは逆かもしれませんが、だからといってそんなに離れているわけではない。

二本の幹線道路に挟まれ、普通だったら前後左右からサラウンドで選挙のいろいろな騒音・・・いや、失礼、宣伝が聞こえてもよさそうです。でも、まったくというほど、何も聞こえませんでしたね。

もしかして、条例化なんかでこの当たりでは音が出せなかったんでしょうか。まぁ、それだけ自分が仕事に集中していた(?)のかもしれませんが。

実際のところ、だいぶ以前とは選挙運動のスタイルも変わってきているのは確かでしょう。自分の場合も投票の参考にしたのは、これまでニュースなどとともにインターネット。政党や候補者のHPを見て回って、少しでも人となりを見いだそうとしました。

ちなみに、自分の選挙区に立候補している現与党の候補者は半年くらい前までは、党首と一緒の写真のポスターを街に貼ってました。数ヶ月前にそれをやめて、選対委員長とのツーショットに変更。いよいよ選挙となって、それもやめて自分だけのポスターになってましたよ。

とりあえず、候補者に信用されていない党首ということだけは、はっきりわかりましたけど・・・

Claudio Arrau / Final Sessions

クラウディオ・アラウは、南米の出身ですが、リスト直系の正統なドイツ古典音楽継承者として一時代を築いたピアニスト。

しかし、若い頃はホロビッツ、ルービンシュタインらの巨匠然とした演奏の陰に隠れ、あまり評価は高くなかったと言います。しかし、年を重ねるにつれ、特に80歳を超えてからは圧倒的な演奏の説得力が高く評価され、ピアノ音楽界に忘れ得ぬ存在となったわけです。

1991年に88歳で亡くなったので、もちろん自分の場合は存命中に聴くことはなかったのですが、クラシックをまじめに聴き始めた間もない頃に、最初に購入したのがアラウのCDでした。

ピアノ・メーカーのスタインウェイが制作した名ピアニストごとのベスト盤でしたが、低音から高音まで耳に迫ってくる音の響きの素晴らしさを感じました。

もちろん、グレン・グールドも独自の世界観という意味では好きなピアニストですが、自分の中では正統的な演奏のスタンダードとしてはアラウの存在が確立されたと言っても過言ではありません。ですから、ベートーヴェンのソナタ全集でもまずアラウで聴きたかったというわけです。

早弾きのバカテクを見せびらかすわけでもなく、一つ一つの音符を大切にたどっていく折り目正しい演奏が、かえってじーんっと心にしみ込んでくるんですね。

このアルバムは、そんなアラウの最後の数年間のスタジオ・ワークをまとめたBOXセットです。まさに円熟の極み、しかもデジタル録音によるクリアな音質で聴くことができるという、これ以上何を期待しようかというものです。

バッハのパルティータ(1,2,3,5)、ベートーヴェンのソナタ(1,2,16,22,24,25)、シューベルトのソナタ(18)など、そしてドビュッシーのベルがマスクなど得意のレパートリーがCD7枚に凝縮しているのです。

自分はピアノはほとんど弾けませんし、聴く一方ではありますが、ちょっとでもクラシック・ピアノに関わろうという方は最初に是非聴いて貰いたい演奏の一つと言っても良いのではないかと思っています。

2009年8月29日土曜日

2009夏

今年の夏は例年と違って・・・、いや、この何年かは毎年違うように思います。

地球温暖化の影響とかがよく取りざたされていますが、昔よりいろいろ研究が進んで、最新の機器が導入されているにもかかわらず、天気予報の精度が上がったという印象がありません。

でも、それだけでも無いのでしょう。人間が、まるで地球の支配者として君臨してから、欲望を満たすために地球環境を変えてきたことのつけが、いよいよ回ってきているような感じです。

地球のあちこちが膿んで腫れ上がり、ついに爆発し始めたと思うのは考えすぎでしょうか。地球環境の変化は、おそらく化石燃料の採取により加速され、使用により増大しています。さらに、そこに核エネルギーをもてあまして悪化の一途をたどっている。

どんなにECOを叫んでみても、これらのエネルギーの恩恵をまったく捨て去ることは不可能でしょう。まだ、宇宙空間に人類を移民させるだけの技術はありません。となると、人類はこの地球上で自己解決しなければならないわけです。

おそらく、個人ができることを少しずつなどという悠長なことを言っている時間はありません。未来につけを回すのではなく、今できることは最大限大胆に実行していかないと、人類そのものの歴史に終止符を打つことになりかねない状況かもしれないのです。

さて、今年の夏が夏らしくないと書こうとしたら、随分と大げさな前置きになってしまいました。今年の夏を忘れないためのいくつかの覚え書きをしておきましょう。

誰もが天文学者と化した、皆既日食から夏はスタートした感じがします。結局、天気がいまいちでちゃんと見ることができた方はごくわずか。馬鹿売れした日食メガネ・・・どうなるんでしょう。

最大のトピックスは政治。衆議院議員選挙が最大の話題であることに異論を唱える方はいないでしょう。結果は・・・明日のお楽しみ。日本にとって、戦後の枠組みがついに変わるかもしれません。

経済は個人のレベルでは、まだまだ景気回復とはとても言い難い。政府は景気は回復してきたと言うのですが、それはあくまで大企業の話であって庶民感覚とはほど遠い。実際に、失業率は上がり続けている。

そして、新型インフルエンザの流行拡大は通常の医学の常識を越えてしまいました。まだまだ、医療機関側の準備としては、全国規模の患者発生に対応できる状況にはないと思います。とにかくあわてず騒がす、冷静に行動するしかありません。

そして、時には政治も裏にまわるほど大きな話題になったのが芸能人の薬物事件。最もダーティなイメージから遠い女優が、覚醒剤使用の常習者であったことは、ファンならずもショッキングでした。またもう一人男性タレントの場合は、死者が出ている点で世間の驚きは大きかったわけです。

スポーツでは、石川遼全英に続いて全米に出場し、はじめて海外で予選突破。水泳の水着問題。ベルリンの世界陸上。そして、オリンピックの東京誘致問題などでしょうか。

さて、個人的には、虫歯爆発により、医者として初めて診療中止。さらにお盆休みは歯科治療に専念というのが最大のニュース。なんとも情けない。

とにかく、もうすぐ9月。一夏のいろいろを整理して、新たな季節に向けてさらにがんばるしかありません。

2009年8月28日金曜日

学会発表

明日からとなりの木村泌尿器皮膚科は夏期休暇に入ります。なんと真冬のオーストラリアへ遊びに・・・いえいえ、国際学会参加のために行くのだそうです。

医者なら学会に行くのは当たり前と思われるかも知れませんが、開業して日々の診療で精一杯なのに、学会活動を続けるというのは凄いことなんです。

専門医の資格継続のために、時々学会に行って聞いてくるだけの自分とは違います。最後に発表したのは大学の時で、もう6年くらい完全聴衆と化しています。

学会で発表しようと思うと、たいてい半年前くらいまでに内容をまとめておかないといけません。昔は症例数が少なくても、統計的な有意差が無くても、あまりうるさいことは言われることはなく発表できました。

今は、EBMという言葉が医学界を席巻しているのです。EBMとは根拠のある医療という意味で、統計学的な整合性のあるものだけを認めていくという物です。

確かに理屈としては正しいのですが、統計学はいくらでも計算マジックが可能なもので、数字に踊らされているものも多いと思います。

自分が専門にしているリウマチという病気にしても、誰一人まったく同じ経過をたどるひとなんていません。まぁ、そんなことを言っても、そういうデータをしっかり勉強した上で、一人一人の患者さんに応用していくことが医者として大切なんですけどね。

2009年8月27日木曜日

期日前投票

今日は午後から今度の選挙の期日前投票をしに、横浜市青葉区役所に行ってきました。日曜日の投票日は、例によって「仕事」をしている関係で投票所に足を運ぶことができません。

今までは毎回投票しているわけではなく、必ずしもまじめな有権者とはいえませんでした。しかし、今回はちっぽけな一票ですが、自分の意思をしっかりと出すことが絶対に必要だと思っていましたので、棄権はしたくありませんでした。

今回は横浜市長選挙、横浜市議会議員補欠選挙、衆議院小選挙区選挙、衆議院比例代表選挙、最高裁判所裁判官国民審査とあり、いくつも投票用紙を入れてきました。

市長選挙は市長の辞職が突然で、候補者についてはほとんどわからずじまい。いくら経費削減効果とはいえ、やはり突然の辞職はいいことはないように思いますね。

毎度おなじみの最高裁判所裁判官についても、まったく何を判断すればいいのか皆目見当がつきません。こういう制度の是非についての議論という物もあってもいいんじゃないでしょうか。

当日投票所に行かないで投票するのを不在者投票と呼ぶと思っていましたら、違うんですね。期日前投票と呼ぶということで、あらためて世間知らずなところがばれてしまいました(総理大臣に医者は非常識と言われてもしょうがない?)。

「期日前投票制度」とは、投票日に仕事や旅行などの一定の予定のある方が、投票日の前にあらかじめ投票日と同じように投票できる制度のことを言うんだそうですね。直接本人が投票箱に用紙を入れて、その時点で投票は確定しています。

本来の投票場所以外の市区町村選挙管理委員会や病院・老人ホーム等で投票を行う場合を、「不在者投票制度」と呼ぶわけです。こちらは、投票日に開封されるまでは投票は確定していないということで、微妙に違いがあるんですね。

期日前投票は2003年から始まった制度だそうで、確かに選挙を棄権してしまう割合を減らすことに効果がありそうです。しかし、投票率が上がると言うことは、いわゆる浮動票が増えると言うことです。いろいろな団体などの支持基盤を持つ自由民主党にとっては、実は不利に働きやすい制度と言えるかもしれません。

たまプラーザ 鮨ぎん


一昨日の話で恐縮ですが、荏田西で整形外科を開業している先生とたまプラーザの鮨ぎんという店に行きました。

チェーン店で、あざみ野や数カ所に姉妹店があるようですが、けっこうまともな店構え。値段もそこそこ・・・たと思います。

場所はたまプラでは有名な台湾料理の龍王門のはす向かい。

一番のご馳走は岩牡蠣。お盆を過ぎたら生牡蠣は食べない方がいいという話もあるようですが、そんなことは言っていられません。

身の部分で10cm近くあろうかという大きめのものです。さすがに旨い。海のミルクと呼ばれるのもうなずける。プリっ、トロっ、じわ~、ごっくん!! 最高です。

握りは、あえてイカ・タコ・カッパという好物をいれてもらったものです。

ですから、自分は寿司屋では安上がりなんです。イカ・タコ・カッパがあればOK。高い物でも、アジ・サンマくらいで十分満足。

ですから・・・誰か・・・おごってぇ~!!

2009年8月26日水曜日

夏休みの宿題 Part 2

夏休みの宿題というのは・・・もちろん出されたこどもが自分でやるもんです。が、しかし、親というのは悲しい生き物で、こどもに質問され知らないとは言えませんから、必死に宿題を手伝うことがあるわけです。

もちろん、中学、高校とこどもが大きくなれば、もはや手の出しようがありませんがね。小学生くらいだと、勉強もまぁあまり考えなくても教えることができます。

毎日の天気も、最近はインターネットで、ささっと調べてあげればOK。問題は自由研究。これはさすがに簡単にはいきません。なんでもいいというのが、かえって難しい。これをやってこい、と言われれば考えることもないんですけどね。

あまり、すごい研究をやっちゃうと、こどもらしくなく怪しい。かといって、あまりにくだらないものは手伝う側の自尊心が許さない。何する? これする? と、いろいろ言ってみるものの、こどもが気に入らないと話が始まらない。

あるときは、キャンプ場で小枝を拾ってきて、これをちょこちょこ接着剤で固めて、ニスを塗ってできあがり。ナチュラルなフォトスタンドの完成です。

やはり、キャンプで岩魚・山女釣りをして、さばいて風乾。炭火で焼いて食べるまでの写真を並べてレポートを作らせたりもしました。

シーラカンスの研究をしたいというので、本を買ってきてみたものの、これが面白くてこっちがはまって読みふけったこともあります。

まぁ、大人の余裕で楽しんでいるところもあるわけですが、何にしても完成するのが夏休みも終わりに近づいた8月もあと数日という頃であるのは一緒。とにかく、切羽詰まらないと行動を開始しないのはこどもも親も同じですね。

2009年8月25日火曜日

夏休みの宿題

8月もはおしせまってまいりました。もう1週間をきりましたよ。生徒・学生の皆さん、夏休みの宿題は大丈夫ですか。

自分も、せっせと最後の数日にたまった絵日記を書いたり、工作に励んだりしたものです。特に何を作って提出したという思い出もほとんど無いのですが、ただ一つ。これだけはというのが昆虫採集。

今でも渋谷駅から宮益坂をあがった青山通り沿いに、志賀昆虫というその道では知らぬ者のいない老舗があります。40数年くらい前の自分の少年の頃からあるわけですから、いったいどんだけの歴史があることか。

まあ、そこに行くと昆虫採集をするための道具はピンからキリまで揃うわけで、ある小学生だった夏に一式を揃えてがんばりました。

虫を捕まえるために出かけたのは、都電(路面電車)の青山車庫。青山車庫が廃止になったのは1968年なので、たぶん小学校中学年ころだったんでしょう。

都電の車庫というのは、昼間には電車が出払っていますから、こどもが遊びたい時間帯には広大な空き地と化していたのです。今ではかんがえられないのですが、入り放題、遊び放題。虫取り網を振り回して遊ぶには、十分すぎる広さでした。

蝶々、アゲハ、バッタ、カブトムシ。クワガタムシ、トンボなど、たいていの虫が採れました。標本箱にきれいに並べて宿題の自由研究として提出しました。

ただ、くやしいのはトンボの王様、オニヤンマだけはいませんでした。もっとも、今では都内で昆虫採集できるところなんてあるんでしょうか。

2009年8月24日月曜日

Black Coffee

コーヒーというのは・・・・まぁ、そんな偉そうに言うほどのことではないのですが。牛乳が入っていて、砂糖も一杯。要するにコーヒー牛乳がコーヒーだと思っていませんでしたか。

いや、まぁ、自分だけかも知れませんけどね。ですから、ミルク無し・砂糖無しなんてのはあり得ないわけで、高校生の時とか喫茶店に入って、いっぱしにコーヒーを注文してもミルク・砂糖はたっぷり入れていたわけです。

今は・・・ブラックでしか飲みません。缶コーヒーしか無いときは、やむを得ずミルク・砂糖入りを飲むことはありますけど、豆からだろうと、インスタントだろうと、コーヒーをいれて飲むときは絶対ブラック。

いつからかというと、大学に入った時から。

入学してすぐの泊まりがけオリエンテーションで、いろいろな先生がいろいろな話をしていくわけです。ほとんどは右から左で、覚えちゃいません。ただ、当時の付属病院長の話だけは、忘れもしません。

病院長はもうすでに亡くなられた五島雄一郎先生という方。循環器内科の大家で、飲食物の中に塩や砂糖がどのくらい入っていて、どんだけ健康に悪いかという話を聞かされました。この先生はモーツァルトの病気とか、妙にメディア的にも楽しい話が得意でした。

当時、まだまだ純朴な青年だった自分は「せっかくいい話を聞いたのだから、ひとつくらい実践してみよう」と思ったわけです。以来、コーヒーと紅茶には、余計な物は入れなくなりました。

そうしてみると、コーヒーでも紅茶でも、いかに元の味を消していたかわかりました。つまり、飲み物の香りを楽しむことの美味しさに気が付いたわけです。

2週間続く定期試験の間はインスタントコーヒーが手放せません。机の横にイトーヨーカドー・ブランドの200gをおいて、毎日何杯も飲んでいたので、1本では足りませんでした。

いまだに胃だけは丈夫なのか、コーヒーを飲み過ぎて痛くなったことはありませんし、眠れなくなったこともありません。

今でも、毎日朝は2杯、余裕があると3杯は飲んで仕事に向かうのです。

ちなみに故五島先生は、学食でそばを食べるのが好きだったようで、いつも汁をしっかり飲み干しているんで有名だったのでした・・・(んっ??)

2009年8月23日日曜日

空を飛ぶボルト

世界陸上、やってますねぇ。日本勢はあまり話題になりませんが、とにかく何と言っても大会の主役はボルト。

今さら、紹介するまでもないわけですが、今回100m、200mで世界新記録。昔、100mを10秒を切ると言うだけで驚きでしたが、今回の記録は9.58秒。

ところが、もっと驚くのは、その100mを走りきるのに要した歩数は40.92歩という話。100mを歩数で割ってみましょう。なんと一歩のストライドが2.44mです。2.44mですよ、しつこいようですが2.44m。

特に後半になるとストライドは広がって、最終的には2.85mですって。たったの一歩で3m近く進んでしまうというのは驚異ですよね。1階から2階まで一歩でいってしまうみたもんです。

一般人は、歩く時は50cm程度、一生懸命走っても、せいぜい1.5mくらいなもんです。とにかく、まだまだ記録が伸びそうですよね。どこまで人間が早く走れるのか、興味深いですね。

ちなみに最高速度は44.46km/hr!! もう走ると言うよりは、空を飛ぶ感じですね。

レッドリスト

ケニアでライオンが絶滅する!!

と言う、衝撃的な話。人間にあまりなじみのない動物が絶滅危惧種として話題になることはよくありますが、ライオンと言えば百獣の王と呼ばれ、動物園でも一番人気の動物のひとつであるわけです。

そんな大変身近な動物であるライオンが絶滅するというのは、随分とショッキングな話です。70年代には数万頭いたのが今では数千頭。毎年100頭ずつ減少しており、20年後には絶滅する危険があるというのです。

理由は、気候変動・生息地の破壊・病気・人間の手で殺されていることなどがあげられていますが、やはりその主なものは人為的なものと言われています。人間の繁栄は、その代価として多くの物を払っているわけです。

絶滅危惧種のリストはレッドリストと呼ばれ、国際自然保護連合によって調査・作成されています。ただ、Web siteは見づらいですね。最初から目当ての動物が決まっていないと情報が得にくい。

そこで、NGOのWWF(World Wildlife Fund)のHPがわかりやすい。WWFのレッドリストのページを見ていると、ライオンに限らず、本当に驚くほどたくさんの生物に危機が迫っているんですね。

国内でもトキは有名ですが、ワシ・タカ・ハヤブサなどの空を駆け抜ける力強いイメージのある鳥もかなりあげられています。

ライオンやトラにしても、いずれも他の動物を補食して生きていく食物連鎖の上位にいる動物です。人間が直接ハントしている部分もあるのでしょうが、それより餌となっている小動物の減少が問題なんでしょうね。

自分は人間ですから、人類の繁栄の恩恵をたくさんもらっているわけで、どちらかというと加害者側の立場にあります。あらためてこういうリストを見てみると、いろいろと考え込んでしまうのでした。

2009年8月22日土曜日

あすなろ淡水魚館 またもや病気

一ヶ月前に「尾腐れ病」と思われる病気でラスボラが一匹、☆になったのですが、その後注意深く観察していて特に他の魚には異変はありませんでした。

ところが、またもや急に問題は降ってわくものです。昨日まで、何ともなかったのに、ラスボラの一匹が変な泳ぎ方をしている。頭を上げて尾を下げて、垂直に近い形で水面まで行ったかと思うと、そのまますーっと沈降。そのうちひっくり返ったかと思うと、またもや頭から急上昇。

どう見ても尋常ではありません。そこで、ネットでいろいろ調べてみると・・・今度は、どうも「転覆病(てんぷくびょう)」ということがわかりました。外傷や感染によって浮き袋が炎症を起こすのが問題のようですが、治療法はないということ。

とにかく、隔離。一般的な治療薬をいれたペットボトルに移しました。とにかく後はご本人の生命力にゆだねるしかありませんが、残念ながら数時間後に2匹目の☆となってしまいました。

熱帯魚の病気では、一番多いのが白点病(白点虫による感染症)ということですが、うちでは「尾腐れ病」とか「転覆病」とか、なんだかわからない病気ばかり。

海水魚水槽も準備が進んでいますが、どうも魚を入れる勇気が出てきません。生き物を飼うということは、やはり簡単なことではありませんね。

2009年8月21日金曜日

PRIDE

患者さんはいろいろだと思う。

医者に対して妙にへりくだって、自分たちを「お医者様」と呼んでくれる。そうかと思うと、「医者なんだからさっさと治せよ」といわんばかりの態度をとる。

長時間お待たせしても「忙しくて大変ですね」とこちらを労ってくれる。逆に「他に用があるのに、どんだけ待たせるんだ」と怒る。

どっちらにしても患者さんであることに間違いなく、何か体の不調があって困っているから病院にくるのは同じ。少しでも早くに、その不安を取り除くのが我々医者の仕事。

中には典型的な症状で診断が簡単なものもある。治療が容易で、すぐにでも治すことができることもある。そう言う場合は、こちらも悩まないし、帰るときにはどんな患者さんでも笑顔で帰ってもらえる。

でも、中にはなんでこんな症状が出るんだろう、と悩むとがある。どうやったら治せるのかわからないことがある。治し方がわかっていても、手が出せないことだってある。

自分の知識や経験が未熟というのが理由かもしれない。まだ、研究が進んでいないためかもしれない。自分のようなクリニックという単位の能力の限界であるかもしれない。

そんな時、自分の知っていることの限界、自分のできることの限界、自分のクリニックの限界などを知っていることが大切だ。

それを理解していないところには、必ずミスが発生する。多くのミスは、直接は患者さんに不利益をもたらさないかもしれない。しかし、いくつかは患者さんに迷惑をかけるだろうし、さらにいくつかは重大な不利益を生じさせる。

だからといって、極端に行為を制限してしまうことは萎縮につながり、患者さんのためにはならない。たえず、今できることの最大限のことを患者さんに提供することが医者の勤めだ。

医者も一人の人間だし、家族を抱えていれば養っていかなければならない。すべてのことを患者さんのためだけに費やすことはできない。家族を守るという気持ちは、医者じゃない人と変わる物ではない。

そういうジレンマの中で、時には家族に犠牲を強いているかもしれない。あるいは患者さんの不安を除ききれずにいるかもしれない。

大きな責任を持つ仕事であり、きつい仕事であることは間違いない。世間一般からすれば高収入であることも間違いない。だからこそ、高いプライドを持って仕事をしたい。

いろいろな患者さんがいても、みんな笑顔でクリニックから帰ってくれれば、医者のプライドを保つモチベーションになってくれる。そういう気持ちを忘れないように、毎日の仕事をしていきたいと思っている。