暑いですね~。それも、蒸し蒸しして。雨が降っては日が差して、空気中は水蒸気だらけ。これが、日本の梅雨だぁ!!っという感じですね。
こういう天候だと、いろいろと元気が出にくい。病気の人も体調がすぐれないことと思いますよ。
関節リウマチの患者さんや加齢性の痛みを抱えている方は、よく天候が悪いと痛みが強いことが多いようです。でも、実はよく話を聞いてみると天気が悪い、つまり雨が降っているから痛みを感じやすいのではなく、天気が悪くなるときに痛いという方が多いんです。
どういうことかというと、キーワードは気圧だと思うんですよね。みんな気にしてませんけど、体には空気の重みがかかっているんですよね。
海抜0mの高さでは、1気圧、1000mヘクトパスカルという重みがある。高地に行くと気圧は下がる。雨が降るような天気では低気圧に覆われています。特に台風なんかが来ると、かなり気圧は下がってしまうわけです。
人間は、普通はそういう気圧の変化をいちいち感じたりはしません。これは血液の流れなどを調整して、体の調子を一定に保とうとする力 - 恒常性(こうじょうせい)と言います - の一つです。
さて関節というのは骨と骨が合わさって、動くことができる場所ですが、まわりを関節包(かんせつほう)という袋で取り囲まれた閉鎖された空間なのです。
閉鎖されているため、かかってくる気圧の重みが減ると袋は膨らもうとする。ですから、張った感じがして痛みが強くなってしまうわけです。病気のない健康な関節なら、恒常性を保ち痛みは出ません。
こういうことは教科書には書いてはありません。あくまでも私見と言うことになり、明らかな根拠は示すことはできませんが、理屈としては矛盾はないと思っています。
このことを考えついたのは、実は学生時代のことで、公衆衛生学という授業の中で、自分たちが気になることを調べてレポートを作るという実習がありました。その時に友人数人のグループで、脳血管障害の発症と天候の関係を調べたのです。
病気の発症時刻とその前後の天気を調べて検討してみたところ、晴れから雨になる時、つまり気圧が下がるときに発症することが多いという結論をだしました。それ以来、健康な人が気にならないことが、病気になるといろいろ影響しているのではないかと思うようになったのです。
ですから、病気の人のつらさは健康な人には本当に理解することは難しいと思いますが、そこを努力するのが医者の努めなんでしょうね。