2020年3月31日火曜日

新型コロナウイルスと緊急事態宣言


昨日、新型コロナウイルス肺炎による志村けんさん逝去のニュースは、単に著名人が亡くなったということ以上に大きな衝撃でした。危機感が薄いと言われる日本人に、大きな警笛を与えたことは間違いない。

私たちは、韓国、イタリア、そしてアメリカのように、急激に感染者が増加し国民生活があっという間に急変した例を知っていたはずです。爆発的な患者増加が起こると、医療の限界を突破する危険に晒されます。

それでも、どこか呑気に構えていた日本人。無症状で感染を広げると言われる若者だけでなく、朝からパチンコ店の開店を待って行列する人々の中にはそれなりの大人もたくさん混ざっています。

東京都を中心とした感染の拡大のペースは、確実に上昇しています。首相官邸からの3月前半の2週間の外出自粛が終了した時点で、明らかに気が緩んだことは確実に関与していると思います。

昨日、日本医師会が会見を開き、都市封鎖を含む緊急事態宣言を出した方が良いと述べました。実際、自分も医療界の端くれにいると、他国の状況を見ていると日本で同じ状況になってからでは手遅れであることは強く実感します。

抱き合う習慣がないなどの生活様式の違いが日本での感染拡大に歯止めをかけているというのは確かにありますし、政治が経済活動を守る義務もあることは否定しません。しかし、長引けば長引くほど問題は大きくなり、経済的損失も拡大します。

昨夜、東京都の小池知事の記者会見があり、宣言を出すのかと思いましたが大きな変化がある話は出ませんでした。官邸の会見でも、菅官房長官は国としてもまだ宣言を出す段階ではないと話しています。

宣言を出すことによる、様々な責任を考えると簡単には出せないだろうことは容易に想像できますが、爆発してからでは遅すぎる。爆発する前に宣言を出さないと、すべてが後手に回る可能性が高いことを強く憂慮します。

日本の場合は、緊急事態宣言に法的な拘束力は無いと言われていますが、もしも宣言が出されると「自由・人権の侵害」と声を上げる人々がいることと思いますが、国という枠内で暮らす以上は国の安定という基盤があってのこと。国全体の危機のもとでは、一定の自由の制限はやむを得ないと考えます。

志村けんさんが遺した最後の声なきメッセージが、日本国民全体を同じ方向に向かせるなら、ある意味最も偉大な功績と言えるかもしれません。

2020年3月30日月曜日

SAKURA 2020 @ 王善寺


何と、何と、3月最後の日曜日は雪!!

まぁ、首都圏は特に外出を控えようという雰囲気が強まり、人が外に出ないように天気まで後押ししたかのよう。

これは王禅寺のゴミ処理場の外縁。あまり大きくないし、それほどたくさん植えてあるわけではないのですが、天気が良ければそれなりの花見スペース。

そんなわけで、せっかくの桜も花冷えどころじゃなく、雪化粧で寒さに震えっぱなしというところでしょうか。

この当たりは、雪というとけっこうたくさん降る地域で、昼までに10cm近く積もったんですが、午後からは水っぽい雪に変わりだいぶ溶けたので一安心です。

2020年3月29日日曜日

ジャズとは?

そもそもジャズって何? という基本的な話。

音楽の一つのジャンルとして使われる「ジャズ jazz」は、もちろんある日突然どこかで始まったわけではありません。この当たりの事に大変造詣が深く、日本のジャズ評論の草分けとして活躍された油井正一氏の著述に詳しい。

もう昔の話になりましたが、FM東京(いまやただのラジオ放送になり下がった感がありますが)が1973年から始めた、油井正一の語りによる番組「アスペクト・イン・ジャズ」が、自分のジャズの知識の基本を作りました。

この番組の中で、ジャズの歴史を紹介する一連のシリーズがあって、実際の音源を含めて説得力のある内容で毎週カセットテープに録音し、繰り返し聞いた覚えがあります。そこからの受け売りですが、記憶をほじくり返してみると・・・

19世紀にスペイン、フランスなどからの移住者と、奴隷としてアフリカからやってきた黒人たちが、雑多な文化を形成したのがニューオリンズ。黒人たちが持ち込んだ霊歌、ワーク・ソング、ブルースを基盤に西洋音楽の要素が加わりました。

主として演奏する黒人たちは、楽譜が使えなかったので、音楽を耳で理解し演奏することで、同じ曲でも演奏者によって違いが生じ、即興演奏の形式が出来上がっていきます。20世紀初頭には、色街であったストーリービルを中心にニューオリンズ・ジャズと呼ばれる音楽が定着し、各種のイベントなどで演奏されるようになります(白人が演奏するのはディキシーランド)。

当初から特徴的だったのは、オフ・ビート。例えば四拍子で、2拍目と4拍目にリズムを強調すること。1拍目と3拍目は表、オフ・ビートは裏と呼んだりします。

第1次大戦後にストリートビルが閉鎖されたため、ジャズはシカゴに北上、禁酒法時代にはニューヨークに進出。世界大恐慌から回復し、人々に余裕が戻った30年代にダンス音楽としてスイング・ジャズが全盛を迎えました。

しかし、40年代に入ると、白人が中心的だった精錬されたスイングに対してニューヨークのハーレムで、もっと自由に演奏を楽しむビ・バップと呼ばれる動きが登場します。50年代には、さらにアドリブに力を入れるハード・パップに進化。60年代には、コード進行の制約を取り払ったモード奏法、さらにはリズムの制約も失くしたフリー・ジャズが時代を席巻しました。

70年代は、しだいに若者の人気を集めたロックとの融合が進み、ジャズ寄りのロック、ロック寄りのジャズが登場し、それらが集まったものがクロスオーバーと呼ばれるようになります。80年代以後は全く垣根が取り払われフュージョンと呼ばれるようになりますが、それは同時にハードバップを中心としたモダン・ジャズの衰退につながりました。

ジャズの語源はわかっていません。ただし、デューク・エリントンの代表曲「スイングしなければ意味がない」のタイトル通り、ジャズの神髄はスイング、つまり音楽を聴いていると自然に体を揺らしたくなるところです。

そして、どのように進化しても、演奏者の見事な楽器の扱いと、その場で繰り広げられるアドリブを中心としたインタープレイが、ジャズをジャズとした所以であり、最大の特徴としてはずすことはできません。

2020年3月28日土曜日

新型コロナウイルスで一番怖いのは

https://experience.arcgis.com/experience/685d0ace521648f8a5beeeee1b9125cd

新型コロナウイルスで、日本において一番怖いのは、危機意識の低さなのかもしれません。

確かに、新型コロナウイルスは過去に蔓延した疫病の中で、特別に致死率が高く人類に脅威となるわけではありません。基本的には1週間程度の風邪症状で終わっているケースの方が多い。

ただし、それは適切な予防対策が取られ、適切な検査が行われ、そして適切な治療が施されることを前提とした話です。

このウイルスの困ったことは、感染しても無症状でウイルスを周囲にばらまくことがあっても本人が無自覚である場合が存在すること。これは、徹底的な予防対策を行いにくいということになります。

検査についても、それなりに時間がかかることと、偽陰性(たまたまウイルスを検出しなかっただけ)もあるし、少ないですが偽陽性(ウイルスが無いのに陽性)も存在します。

そして、最大の問題は現時点では明らかに有効性を認める治療薬が無いため、回復については基本的に個々の体力次第ということ。

クルーズ船は大きな問題になりましたが、今のところ下船した乗客からの二次感染、三次感染は起こっていないようですから、ここでの対応は一定の成功だったと言えます。

その後もイタリア、アメリカのような爆発的な感染拡大に至ってはいないことから、医療の余力を確保しながら、日本はうまく対応してきたと思います。

しかし、3月後半以後は、しだいに感染源が特定できないケースも増え、発見される陽性者数が増加傾向にあり、自治体単位で行動の自粛を促す状況が増えてきました。

日本よりも感染者数、あるいは死亡者数が少ない国でも非常事態を宣言して個人の行動を厳しく制限している国もあるくらいですが、国内では若者だけでなく全年齢で個々の自由を優先する行動が後を絶たないように思います。

何しろ首相夫人からして、呑気に「自粛を求められている公園」じゃない場所だからとお花見しているようでは溜息しかでません。

問題が長期化し、しかもその期間の予想ができない状況は、問題の深刻さを薄めていきます。時にはそれが良い結果につながることもありますが、この問題に関して現時点ではさらに事態を悪化させることにしかならない。

オリンピックがあるからという歯止めがなくなったことで、より問題意識の低下が顕著になるなら、世界の日本人に対する印象はずいぶんと違ったものになると思います。

この週末は言うに及ばず、しばらくは可能な限り自制した行動が求められることを強く意識する必要がありそうです。

2020年3月27日金曜日

SAKURA 2020 @ あざみ野


やっぱり、近辺で桜ならここが一番見事。

あざみ野駅から嶮山(けんざん)・あざみ野ガーデンズに向かって500mくらい、あざみ野三規庭の角を左曲がった道路沿い。

道の両側に、桜並木が500mくらい続きます。少しカーブしているので、端から端まで桜のトンネルのような光景を毎年見ることができます。

昨日でだいたい八分咲きというところでしょうか。

天候さえ大丈夫なら、週末が一番の見頃ということになりそうですが・・・ちょっと天気予報が心配です。

2020年3月26日木曜日

SAKURA 2020 @ 早渕川土手


今年の桜は暖冬のせいで、開花がとてもとても早いと言われて、確かにそうなんですけどずいぶんとばらつきがあるようです。

自分のテリトリーで、まとまって桜が楽しめる場所は何カ所かありますけど、クリニックのビルのすぐ裏の方に早渕川があって、その川沿いの土手の桜並木は今が満開。

近くの老人施設も桜の名所になりましたが、まだばらばらとした感じで満開には程遠い。何日か前に、あざみ野の桜のトンネルになる道はまだまだという感じでした。

毎年桜が咲ているのを見ると、ほっとした気分になり、いろいろな厳しい現実をちょっとだけ忘れられます。

2020年3月25日水曜日

五輪延期決定


昨日、国際オリンピック委員会は臨時理事会にて、新型コロナウイルスのパンデミックの影響により東京オリンピック・パラリンピックの1年程度の延期を承認しました。

ついに現実のものとなった東京2020の消滅。東京2021になるのか、それとももっと遅くなるのか、まだわかりませんが、日本人としては残念ですが、冷静に受け止めるしかないと思います。

いずれにしても、いろいろな思惑が錯綜した結果だとは思いますが、少しでも早くに決定されることが傷を小さくできることは間違いなく、この決定は現時点ではおそらくベストな時期なのではないかと思います。

世界のこの状況では、夏に集まれないアスリートが多数いることは確実で、集まっても十分な準備ができていない選手ばかり。そもそも、夏までに完全に東京が安全と宣言できると考えるのは、あまりにも楽観的です。

しかし、延期といっても、いろいろと報道されているように、会場や選手の宿泊場所の確保は不透明。また、例えば日本ではやく半数の競技で出場選手が決定していますが、1年後、あるいはそれ以上先でも彼らを代表選手とできるのかどうか。

また、開催までの予算は当然膨張していくでしょうが、それを誰がどのように捻出するのか。ここしばらくは、世界中でかつてないほどの猛烈な経済的損失が予想されますから、とにかく簡単な話ではありません。

どう選択しても、茨の道。アスリートだけではなく、彼らの活躍を共感することが大きな目的であるオリンピックは、開催国である日本だけでなく出場を予定していた全世界の人々にも影響が及びます。

とにかく新型コロナウイルスは、人類の歴史に刻まれることは間違いないくらいの大事件として記録され、人々の記憶にもしっかりと残るものになりました。

2020年3月24日火曜日

JAZZ & JAZZ 5000 (1977)

今更こんな古い本、しかもMOOK形式の一度切りの刊行物を紹介しても、内容は古すぎるし、そもそも手に入るはずもなく・・・と思っていたら、さすがにAmazonでは見つかるもんです。

何でこれかと言うと、実は自分にとってのジャズの渉猟の原点、つまりこれを大いに参考にしてジャズの名盤を聴きまくったという思い出深い物なんです。

発行された1977年というと、昭和52年、43年前。う~ん、大学浪人していた時で、午前中は代々木ゼミナール、そして午後は渋谷のジャズ喫茶に籠っていました。この本で仕込んだ知識で、聴きたいレコードをリクエストしていました。

今は、そんなほとんどのことがネットでできてしまうので、そんなアナログな手法でコレクターになることはありませんが、当時としてはしごくまっとうな情報収集の仕方です。

そもそも、なんでジャズに手を出したかというと、高校1年のときにやっていたバンドで、普通にハードロックをやっても、もっとうまいバンドがたくさんあったので目立たないからというような理由でジャズになった。当時フリーの急先鋒だった山下洋輔トリオを生で聴いたというのもあって、けっこうそのパワーにやられたというのもあります。

渋谷のディスクユニオン(当時、今の〇|〇|あたりにあったと思います)で、Miles Davisと運命の出会いがあったりして、しだいにジャズに馴染んでいました。

そのマイルスは1975年に来日しコンサートを行いましたが、そのライブはFM東京で丸ごと放送されて、当時の電化マイルスはロックを聴きなれた耳にも異様なパワーが伝わって熱狂して聴いたものです。

その後、マイルスは隠遁生活に入ってしまうので、結局他のジャズメンに興味が移っていった、ちょうどそういう時期に登場したのがこの本だったかなと思います。

5000というのは大袈裟ですが、この本には3000枚くらいのレコードが簡単な評価と共に紹介されています。それでもすごい情報量ですが、特に重要なアーティスト21人は詳しく紹介されていて、まずはここからという最適な本だったと思います。

クロスオーバー(あるいはフュージョン)が広がる直前の、ジャズがまだ「死んでいない」ところまでの名盤を一気に把握することができる大変便利な物でした。


2020年3月23日月曜日

iroshizuku<色彩雫> 七福神


PILOTが発売している、文具女子の心を鷲掴みにする万年筆用のインクのシリーズが
iroshizukuですが、昨年はPILOTの100周年記念ということで、スペシャル・バージョンが限定発売になりました。

その名も「七福神」で、恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋尊の7種類をモチーフにしたカラフルなセットです。

実は、七福神をテーマにした蒔絵をあしらった7種類の万年筆も同時に発売されていますが、何しろ7本セットで50万円!!

普通の良い子は、インクで我慢です。しかも、通常サイズは・・・というわけで、ミニ・ボトルのセットなら、まぁ、手が出せます。

通常のセットは、比較的渋い感じの色が多いので、それを埋めるように鮮やかな感じが多いセットでになっています。

限定物ということで、そろそろお店にも無くなって、通販サイトでもプレミアがつき始めていますね。

2020年3月22日日曜日

新型コロナウイルスとは

https://www.tradoc.army.mil/News/Photos/igphoto/2002258405/

感染症と呼ばれる病気を引き起こすものを病原体と呼びますが、その中にはウイルス、細菌、真菌、寄生虫が含まれます。

寄生虫は、まさに他の生物に寄生している「虫」です。代表的な物は、アメーバ(赤痢)、蟯虫、回虫、アニサキスなど。ノミ、シラミ、ダニなども寄生虫の一種ですが、これらは寄生動物と呼ばれます。

真菌は、いわゆるカビ。人の細胞よりはちょっと小さめで、人の細胞に定着し菌糸が成長して分枝を繰り返して発育します。代表的な物は白癬(いわゆる水虫)、カンジダ。

細菌はほとんどは人の細胞の1/10程度の大きさで、1μm程度。体内に定着して、細胞分裂によって自己増殖します。人の細胞内に入り込んで破壊したり、毒素を出すことで細胞を障害することで病原性を発揮します。代表的な物はブドウ球菌、溶連菌、大腸菌、サルモネラ、コレラ、ボツリヌス、破傷風などなど。

さて、ウイルスはというと、決定的に違うのはウイルス単独では自己増殖できないという点です。大きさは人の細胞の数百分の一、数十nmです。生物と定義できる最小単位ともいえる遺伝子(DNA、RNA)しか有しておらず、それを包むエンベロープでのみ構成されています。

他の病原体が、自分を複製するための設計図と工場を自前で持っているのに対して、ウイルスは設計図(遺伝子)しか有していないため、他の生物の細胞内に侵入し自分の遺伝子を混入することで、一緒に複製してもらいます。

一般的に使用されるマスクの素材には、5μm程度の隙間があるため、ウイルスについては簡単に通過します(ただし、飛沫させる場合は水蒸気などの付着により粒子が大きくなるため拡散防止としては意味があると言われています)。

細胞内に入り込んでしまうため、宿主細胞を傷めずにウイルス単独に除去することが難しく、細菌そのものを障害できる抗生物質のような薬の開発が難しい。基本的にはワクチンによる免疫力をつけることで、予防することがウイルス対策の中心です。

コロナウイルスは、RNAの一本鎖ウイルスであり、一般的な風邪の主要な原因の1 つです。エンベロープにスパイクと呼ばれる突起が多数あるため、太陽のコロナに似ているというところから命名されました。

2002 年に中国を中心に広がった重症急性呼吸器症候群(SARS)や、2012 年以降の中東呼吸器症候群(MERS)の原因もコロナウイルスの一種であり、今回の新型コロナウイルス(COVID-19)も似たような構造を持っています。

通常の風邪で死亡することはほとんどありませんが、SARSでは10%弱、MERSでは30%の発症者が死亡しています。COVID-19の場合は3月19日までに、無症状のウイルス陽性者を含む感染者数は全世界で234,073人で、死亡した人は9,840人で死亡率は4.2%です。

発生源と考えられる中国では4%、最近深刻なイタリアでは8.3%に及んでいます。中国はやむを得ないとしても、イタリアの状況は異常で、完全に医療崩壊しています。この2国を除くと、全世界の死亡率は2.8%です。

日本の状況は、感染確認者数は950人、死亡者数は33人で、死亡率は3.3%です。以前より、日本は検査を絞り過ぎという批判がありますが、全例を検査すれば確実に無症状の方も含めて感染者数も増えますが、死亡者数がそれほど増加するとは思えません。

つまり、日本の専門家会議の発表による「何とか持ちこたえている」という表現は妥当だと思いますし、現状の検査の実施状況が不適当だとまでは言えないと考えられます。とは言え、十分とするには程遠いことも間違い有りません。

少なくとも安心を得るために手あたり次第検査を行うことは、おそらく検査能力の限界を超えるでしょうし、医療機関側の余力も失くすことにつながります。現段階では、感染疑い者の重症度を考慮した序列により冷静に対応していくしかないと思います。

2020年3月21日土曜日

SAKURA 2020 @ 生田


世の中に 絶えて桜の なかりせば
       春の心は のどけからまし
                  在原業平

昨日はお彼岸の中日、春分の日。抜けるような青空で、気温も高く、まさに春爛漫を感じられる天気。恒例の墓参に出かけてきました。

いよいよ見頃を迎える今年の桜。例年なら、刻々と広がる桜の開花の話題で、まだかまだかと気もそぞろという時期。

気がつけば、いよいよ見頃を迎えそうな今年の桜。

暖冬で、最速で開花と言われていますが、この週末が満開となりそうです。

巷では、どこを見てももううんざりするほど暗い話ばかりですが、この木の下に立つと、一時忘れて、ほっとした気持ちになれました。

2020年3月20日金曜日

新型コロナウイルスの予防対策


もっと他の話題について聞きたい、話したいと思っても、各種メディアでは全世界レベルで新型コロナウイルス問題ばかりが取り上げられています。

それだけ、差し迫った緊急度、深刻度が高いということですが、グローバル社会になって人の移動が地球規模で容易になった現代では、世界中への拡散が人類の手に入れている疾病対策の手段の限界を超えているということ。

幸い、COVID-19の対人毒性は、必ずしも既知のウイルスと比べて高いわけではありません。大多数の感染者は発症しないか、発症しても風邪症状で沈静化しています。ただし、通常のコロナウイルスや季節性インフルエンザに比べて、重症化し肺炎により亡くなる方が多くなっていることは事実です。

ウイルス陽性が確認されている人数は、全世界で19万人。亡くなった方は、3月18日までに7807人で、およそ陽性者の4%です。日本のように、限定的な検査を行っている国もあるので、実際の感染者数は確実に何倍もいるはずですが、その場合は死亡する方の割合は少なくなります。

ウイルス検査は、結果が陽性に出れば確定できますが、陰性の場合はウイルスをうまく採取できなかっただけというケースは珍しくありません。普段、病院で一般的に行われているインフルエンザの簡易キットでは数10%の偽陰性があると言われています。

つまり感染初期でウイルス量が十分でない場合、あるいはうまくウイルスを採取できていない場合は、当然陽性にはならないことは当たり前の話で、COVID-19に対するPCR検査も基本的には同じこと。

肉眼で視認できないミクロの世界の話ですから、検査結果に対して絶対的な安心を寄せるわけにはいきません。また、現時点では有効性が証明されている抗ウイルス治療薬がありません。

とにかく徹底的な予防対策が最も重要であり、これ以上増やさないためには最低2週間の徹底的な人の移動を制限することが最も確実と言わざるをえない。3月になって深刻度が急上昇しているヨーロッパでは、すでに多くの国が一般の外出を厳しく制限しています。

日本でも、急激な感染拡大が懸念された北海道が、独自の緊急事態を宣言することで、何とか増加に歯止めをかけることに成功しています。とは言え、全世界で完全に人の動きを停止させることはほぼ不可能ですから、一人一人が「いつでも感染者になりうる」という意識を持って行動するしかありません。

世界保健機構(WHO)が公開している予防対策は、現実的な効果が期待できる方法論として実践する必要があります。残念ながら、WHOのHPには中国語表記はあっても日本語はありませんので、つたない英語力で紹介しておきます。

頻繁に手を洗いましょう
定期的に徹底的に消毒用アルコールで手でこするか、石鹸と水で手を洗ってください。何故なら、手に付着しているかもしれないウイルスを除去できるからです。

社会的距離を保つ
自分と咳やくしゃみをしている人との間隔を、少なくとも1メートル(3フィート)を離れて距離を保ちます。ウイルスを含んでいる可能性のある鼻や口からの飛沫を吸い込まないためです。

目、鼻、口に触れない
ウイルスは手に付着する可能性が高く、目、鼻、口から体内に侵入するからです。

咳エチケットの実践
咳やくしゃみをするときに、肘やハンカチなどで口と鼻を覆いましょう。その後、ハンカチなどは廃棄してください。

発熱、咳、呼吸困難がある場合は、病院を受診してください
気分が悪いときは家で待機します。発熱、咳、呼吸困難がある場合は、医師の診察を受けるか、地元の保健当局の指示に従ってください。

最新情報を入手し、専門家のアドバイスに従う
COVID-19の最新の開発情報を入手してください。 それぞれの国および地方自治体は、あなたの地域の状況を把握していて、自分自身を守るために何をすべきかについて最適な助言ができます。

マスクの使用について
あなたが健康ならば感染が疑われる人の世話をしている場合にのみ、マスクを着用する必要があります。咳やくしゃみをする場合はマスクを着用してください。マスクは、手洗いと組み合わせて使用​​した場合にのみ有効です。

基本的には、もう何度も言われている感染症対策の基本中の基本ばかりですが、その気になれば誰でもできるこれらをしっかり実践するかどうかが最も重要ということ。つまり、その気になるかどうか、自分が感染し広げる可能性を本気で意識できるかどうかが大切です。


2020年3月19日木曜日

開店ガラガラ~


駅近のショッピングセンターの駐車場です。

ガラガラやん。

開店直後の頃ですけど、いつもならすぐに満車になって、路上待ちはダメと追い払われてしまうような時間。

楽勝で入れました。

う~ん、これは、やはり、人の動きが本当に無くなっているということですよね。

当然、新型コロナウイルスの影響としか考えられません。

実は、クリニックも患者さんの来院減少は如実に表れています。花粉症で、この時期に患者さんがあふれかえる耳鼻科も閑古鳥だそうです。

人の動き、とくに観光客がいない。交通機関が利用されない。ホテルや旅館を使わない。食事が出ない。納入業者は仕事が減る・・・・

さまざまな業種に影響がでているわけですが、どこでも経営のための回転資金は、何年分も余力を持っているわけはない。

中小企業や個人商店は、通常は数カ月がいい所じゃないかと思います。

開店ガラガラがこのまま続くと、夏以降に本当にずっと閉店ガラガラになりそうなことは現実味を帯びてきます。

2020年3月18日水曜日

新型コロナウイルスと東京オリンピック


新型コロナウイルスの問題が浮上してきた1月には、今年の東京オリンピックがどうなるのかなんて心配する人はいませんでした。クルーズ船問題がクローズアップされても、オリンピックまでには何とかなるだろうという楽観的な見方が主流だったと思います。

ところが、ここに来ていまだ感染拡大の収束がみえない状況で、にわかに五輪問題が急浮上してきています。

最近、過去の五輪で活躍した方が、何が何でもやりたいというような主旨をテレビで発言していましたが、アスリートの立場としては当然の意見で理解できます。しかし、現実的にはどうかというと、夏までに日本は安心・安全と胸をなでおろせるのか微妙なところ。

国内イベントであれば可能かもしれませんが、五輪の主役はアスリート、しかも大多数は世界各地から集まる選手たちです。仮に日本がよくても、遅れてピークを迎えている世界各国がたくさんあることを考えると、夏の時点で世界中が安心できる状況は厳しいと言わざるをえない。

安倍首相は昨日、G7ビデオ会議の結果「完全な形」で五輪を実現することで意見が一致したと述べています。萩生田文科相は「完全な形」というのは無観客ではなく、参加国を減らさないことだと補足発言をしています。

いかにも自民党幹部が言いそうな言葉ですが、完全なというからには、もう一つはずすことができない「いつ」ということが含まれていません。逆に考えると、「完全な形」で実現できない場合は、延期・中止が有りうるということ。

この判断は大変難しい。経済的にも、あまり多くの事柄を含んでいるので安易に結論は出せないことは容易に想像できます。「アスリート・ファースト」とよく言われていますが、この点で五輪がアスリートを利用した国際的・大規模経済活動にすぎないことも露呈している。

数年後までいろいろな国際イベントは他にたくさんあり、各国の大規模スポーツ大会も山ほど予定されているわけですから、現実的に延期しようとしても簡単にいくはずがない。延期しようとしたら、おそらく4年後のパリをずらすか、その後の8年後、確実なのはさらにその後の12年後しかないように思います。

ということは、中止という選択肢にも現実味が出てくるわけで、その場合は数十兆円の損失といわれています。しかし、期日が近づくほどその額は増えるはず。旅行の場合は、間際になればなるほどキャンセル料は高くなるのに似ています。

世界、特に開催国の日本は中止になった場合の、払われる代価について相当な覚悟をしておく必要があるし、その代価は決定が早いほど少なくできるということも理解しておかねばならないと思います。

2020年3月17日火曜日

iroshizuku<色彩雫>


色彩雫・・・と書いて「いろしずく」と読みますが、何の予備知識もないと、いったい何だろうという感じ。

10年ほど前に日本の筆記具老舗メーカーであるPILOTが発売した、万年筆用のインクのシリーズ名です。

ボトルの基本の大きさは50mlの瓶ですが、15mlの小瓶のタイプもあり、全24色の中から気に入ったものをセットにして購入することもできます。

各色は日本らしい優しいネーミングで、おしゃれ感が漂い「文具女子」を中心に人気が高まり、インク沼ブームの中心的存在、あるいは基本アイテムとして定着しています。

https://www.pilot.co.jp/library/010/index.html

本来は、ガラスペンなどで一回一回ペン先を瓶に入れて使うのがベストだとは思いますが、コンバーターに入れてどのメーカーの万年筆でも使用できます。ただし、ペン先によっては、インクの出方に多少の差はあるかもしれません。

さすがに、全色持っていても使い道がないので・・・と言いつつも、集めると楽しいことは間違いない。

普通に一番使いそうな黒は竹炭、ブルーブラックは紺碧、そしてちょっと茶色がかった黒に近いのが山栗。この三色は大きい瓶で買いました。

まぁ、それ以外は気になったら小さい瓶で選ぶというのがおすすめなのかもしれません。

2020年3月16日月曜日

新型コロナウイルスの死亡率

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Coronavirus_COVID-19_virus.jpg

新型コロナウイルス(COVID-19)問題は、いろいろと取り沙汰されていますが、特に日本は検査が少ないために患者数が低くカウントされているという批判があります。しかも、それはデータを集約したい一部の組織のエゴということまで言い出す「専門家」まで登場する始末です。

確かに、現状でも検査は希望すれば簡単にできる状態ではなく、あくまでも疑う理由がある人に絞って行われているわけで、たくさんのウイルス陽性者が野放しになっていることは間違いありません。

ただし、その多くは本人は無症状で健康的には問題はない。それらを含めて検査を行うようなことがあったら、おそらく病院、クリニック、検査会社などは回らなくなり、医療崩壊につながる事態が容易に想像できます。

某お金持ちが大量の検査キットを寄付しましょうか、とか言い出しましたが、その方は大量のマスクも提供したいとのこと。逆にそういう人が、「善意」のもとに必要なものを「買い占める」状態の方が問題だし、そもそも検査キットをばらまかれても医療機関は対応しきれません。

実際、感染拡大が最も深刻なイタリアでは検査をやりすぎて、通常の医療がまわらなくなり、物的・人的な医療崩壊に陥っているようです。

検査が十分に行われていないといわれる日本でも、発症者、特に重症化した方の検査は100%行っていると思われますので、死亡者数でウイルスの怖さを考えた方が理解しやすいのではないでしょうか。

3月14日の時点でWHOが集計したCOVID-19に関するデータと2016年の世界人口集計に基づくと、日本の場合、死亡者数は21人。つまり、死亡者数は人口100万人当たり0.164人になります。ダイヤモンド・プリンセス関連の死亡者7名を加えると、0.220人です。

一方、大元の中国では100万人当たり2.26人が亡くなっています。以下、死亡者数の多い国順で人口100万人当たりの死亡数を見ていくと、

イラン 6.42人
イタリア 4.27人
韓国 1.41人
スペイン 2.61人
フランス 1.16人
アメリカ 0.127人

となっています。

全世界レベルでは総人口74億人で、COVID-19による死亡が確定している人数は5393人で、人口100万人当たり0.726人です。

全ての死亡者の原因が把握されているわけではないでしょうけど、この数字を信用しなかったら何も信頼できるものは無くなってしまいます。ただし、この数字は累積ですから、今後増えることがあっても減りはしません。今後は、適切な期間を区切って比較することが必要です。

全てが後手に回っていると批判されている日本の対応ですが、これらの数字からは決定的な過ちは犯していないと判断できそうです。そもそもほとんど未経験の問題に立ち向かう状況を考えればうまくやっている方ですし、日本の医療体制もまんざらではないと思います。

とは言え、死亡率が2~4%と考えられていて、ダイヤモンドプリンセス号の事例からウイルス陽性者の半分は無症状ですので、日本でも発症した患者数は1000人以上になっており(3月14日現在では確定しているのは716人)、ウイルス保有者はその倍以上いるだろうことが想像できます。

季節性のインフルエンザの死亡率は1%以下と言われており、ワクチンなど予防法も確立し、抗インフルエンザウイルス薬も登場しています。COVID-19は、当然ワクチンはありませんし、適切な治療薬はありません。死亡率だけでいえば、インフルエンザの10倍程度は想定されますので、安心していられない状況は間違いありません。

実際、日本を含めて世界規模で増加傾向に歯止めはかかっていない状況ですから、引き続き厳重な注意が必要です。当然、経済面での損失は長引くほど深刻度を増すことは容易に想像できますから、いろいろに影響はかなり長期に渡って続きますね。

2020年3月15日日曜日

季節はずれ? の雪模様


昨日は朝から冷たい雨。

それが午後から雪になり、一時は吹雪状態になりました。

今シーズンは暖冬で、雪はパラパラっていう程度が数回。積もるようなことは一度もありません。

もう、最速で桜も開花が始まっているというこの時期に、来週はタイヤをノーマルに付け替える予定だっというのに・・・今更降られてもねぇ。

もっとも、夜になる前には雨になり、止んでしまいました。またもや、積もったりはしませんでした。

いやはや、季節感が狂いまくり、どんどん地球がおかしなことになっていそうな雰囲気です。

2020年3月14日土曜日

ノザキのコンビーフ缶


缶詰と言われて思い出す代表的な物の一つが、ノザキのコンビーフ。

何しろも缶切りで開けるのではなく、全周に入っている切り込みに沿って、くるくるとテープ状に巻き取っていくというのが特徴的。

文章で説明しようとしても、なかなか伝わりにくいのですが、一度経験した方はピンっと来るはず。こういう開け方をするものを「枕缶」というらしい。

たぶん物心ついた時からこのデザイン。細かい変更はあるかもしれませんが、ほぼ変わっていないんじゃないかと思います。

ところが、今年になってこの缶が変わるというニュースがありました。缶を作る機械が老朽化したため、それに伴いアルミ缶で開け方は簡単になるらしい。

ニューデザインは3月16日発売予定のようですから、この旧式を見かけるのはこれが最後かもしれません。

2020年3月13日金曜日

パンデミック


先頃、WHOが現在世界中で問題になっているCOVID-19(新型コロナウイルス)の流行をパンデミックと認定しました。

パンデミックは、公衆衛生上の用語で、感染症の広がりを表します。基本的には、流行している地域の広さによって3種類に定義されるマックスの状態を意味します。

① endemic エンデミック(地域流行)
特定の人々や特定の地域に限定して、恒常的に発生している状態。
② epidemic エピデミック(流行)
特定の集団内で、感染症が広がる状態。特に、急速に大規模拡散する場合をアウトブレイク outbreakと呼び、1月の武漢の状態が典型的。
③ pandemic パンデミック(汎発流行)
国中や世界中で、感染が拡大した状態。

少なくとも南極以外の世界中の大陸で感染が確認された時点で、パンデミックであることは確定です。COVID-19については、数週間前にすでにパンデミックと呼べる状況であったので、「今更」とか「やっと宣言した」という感想が正直な所。

2009年の新型インフルエンザの流行以来のパンデミック宣言ですが、確かに宣言が出されると物理的・精神的なストレスが高くなる。また各国の対応にも、様々な強制力が加わることの免罪符になりやすい。

COVID-19については、比較的死亡率が低い事もあって、政治的配慮がかなり加わっての遅めの宣言であることは否めませんが、緊張感はより高まりました。

ただし、発生源となった中国国内の発生は確実に減少に転じているようですから、回復の兆しが見え始めているところもあります。ただし、中国並みの制限を各国が取れるとは思えないので、世界規模では収束にはまだまだ時間が必要です。

パンデミックはpan(汎発の)とdemos(人)が合わさった言葉で、人が抜けるとpanic(パニック)になってしまいます。国内では特別措置法が可決され、いろいろな制限が増えるかもしれませんが、冷静に対応するしかありません。

2020年3月12日木曜日

共存、・・・共栄?


久しぶりの出会いは突然でした。

角を曲がったら、あなたはいきなりいましたね。目と目が合って、私もあなたも足が止まりました。

道の端と端に分かれて、お互いを意識しながら行き過ぎましたよね。

縦と横の糸が重なった瞬間でした。私は、これからも元気でと心の中で思ったのですが、通じましたでしょうか。

2020年3月11日水曜日

ライズ


否が応にも、自動車業界ではトヨタの一人勝ち状態が続いています。

売れている車の車種としては、今どきはSUVが大人気で、トヨタの場合ハリアーとレクサスNXが中心だったのが、C-HRが加わり売り上げも上々でした。

去年、さらにカタログにRAV4が復活し、またもや売れまくった。今年は、さらにコンパクトなライズが追加され、もうお互いに食い合っている状態。

ライズは、デザイン的にはRAV4に似ている感じですが、基本的には「リッターカー」と呼ばれる排気量1000ccクラスで、実際のところ作っているのはダイハツ。トヨタはOEMで販売しているもの。ダイハツ・ブランドではロッキーという名で販売しています。

軽井沢の地名がどんどん広がって、ここも軽井沢? という状態になったのと同じで、SUVという表記はここまで来ると疑問ありです。

Sport Utility Vehicleを略してSUVで、元々はオフ・ロード向きの4WD車の中で、オン・ロードもこなすスタイリッシュなものを呼ぶまとめた名称。

さすがにここまで来ると、街乗り専用で、形だけ大きめにしただけと言わざるをえない。まぁ、呼び名なんてどっちでもいいと言えばいいんですけどね。


2020年3月10日火曜日

LAMY サファリ


万年筆は高くて書きやすいのは当たり前・・・・ですが、パソコンが普及した現代で手書き文字を書く機会はかなり減ってしまいましたので、普段使い用として、ボールペン並みの値段で書き味の良いものが欲しい。

日本の大手筆記具メーカーのPILOTが出したカクノは、1本が何と1000円、愛らしい丸みのあるデザインで文具女子の心を鷲掴み。ペン先はニッコリ顔のデザインで、可愛すぎです。

ただし、おじさんが使うにはちょっと抵抗があります。

そうなると、世界で一番売れているカジュアルな万年筆と言われているサファリがおすすめ。

実売価格は2000~3000円くらいですが、色の組み合わせはめちゃくちゃたくさんあります。独創的なデザインは、いかにもハードユースに耐えられそうなガッツが感じられます。とは言っても、自分が選んだのは入れたインクがわかりやすいスケルトン。

LAMYは1930年創業のドイツのブランド。もともとはパーカー社の弟分みたいなかんじだったようですが、60年代に二代目が引き継いでから今の路線がはっきりしてきたようです。

書き味は、多少当たり外れがあるかもしれませんが、全般的に価格を考慮すれば十分すぎるなめらかさ。ドイツの学生には絶大の人気があるそうです。

2020年3月9日月曜日

進行中マーラー・チクルス

マーラー交響曲の録音で、現在進行形で全集化が期待されるものが当然あります。

今のところ、最も全集に近いのがアダム・フィッシャー。ハンガリー出身のアダムとイヴァンの兄弟で有名ですが、アダムは兄の方で1949年生まれ。自ら組織したハイドン管でのハイドン交響曲全集が有名です。

2015年からデュッセルドルフ交響楽団の首席指揮者となって早々に、マーラー・チクルスを開始しました。これまで、第1番、第3番、第4番、第5番、第7番、第8番、大地の歌が登場しています。

全体の録音のバランスが良くて、響き具合もちょうど良く大変聴きやすい。癖の少ない、ある意味特徴が少ない演奏ですが、丁寧な音作りを心掛けているように思います。第3番と大地の歌は、独唱にマーラーでは、お馴染みとなったアンナ・ラーションが登場するのが嬉しい。

すでに、一番大掛かりで全集に鬼門になりやすい第8番をこなしたのでリーチしたようなもの。残りの第2番、第6番、第9番は元々の契約で2020年内までに収録するらしい。

オスモ・ヴァンスカは1953年生まれのフィンランドの指揮者。当然シベリウスやニールセンなどを得意としますが、2003年からはミネソタ管弦楽団の首席として活躍しています。

ミネソタ管とのマーラー・チクルスは2016年に開始、最初から統一されたアルバム・デザインとなっているので、全集を目指していることは間違いない。

これまでに、第1番、第2番、第4番、第5番、第6番が登場していますが、このペースだと10年計画なんでしょうか。

ヴァンスカのマーラーは、やや早めのテンポでシャープに切り込んでくる演奏です。止めるところはしっかりと止めて、音符の一つ一つを際立たせるような感じ。

他には、佐渡裕がトーンキュンストラー管との間で、第2番と第5番を収録しており、是非日本人指揮者としては3番目の全集を目指してもらいたいものです。

フランス人のフランソワ=グザヴィエ・ロトは、初演オケである ケルン・ギュルツェニヒ管と第3番、第5番を録音して好評でしたが、最新作の第1番は自分の手兵である古楽オケのレ・シエクルと第1番で、ちょっと方向性がわかりにくくなった。

これら以外にもいろいろとあるとは思いますが、さすがに全部を把握するわけにもいきません。いずれにしても、指揮者を目指す以上はいつかは制覇したい山の一つがマーラーでしょうから、挑戦する者は次から次へと登場してきそうです。


2020年3月8日日曜日

マーラー交響曲全集総覧

マーラーの交響曲全集と呼べるものを、ずっと取り上げてきましたが、実はこれら以外にもいくつかピックアップしなかったものもあります。

TeldecとNAXOSからも「全集」と銘打ったセットがでているのですが、いずれもあまり知られではない複数の指揮者とオーケストラも複数です。しかも、また著作権切れを狙った古い音源をまとめたものも多数あったりします。

コンセルトヘボウ管のセットはBD、DVDによる映像全集としてなかなか面白いのですが、何しろ価格が高め。バイエルン放送響の指揮者バラバラのセットもあります。同じく、ニューヨークフィルの放送用音源を用いた自主製作盤というのもあって、有名な指揮者が勢ぞろいという企画物もありますが入手困難です。

つまり、全集と呼べるものをどう定義するかということなんですが、基本的には何らかの事柄に合致するものを「全て」「集めた」ものが全集と言われるとは当たり前の話。「マーラーの交響曲」と呼ぶからには、マーラーが作曲した完成している交響曲第1番~第9番が含まれるのは最低条件。

惜しくも全集完成とは呼べない高名なマーラー振りの指揮者は多数いるわけで、これまでに登場しなかった人だけでも、古い所でホーレンシュタイン、ミトロプーロス、バルビローリ、コンドラシン、比較的新しいところでメータ、ムーティ、ジウリーニなどは残念賞です。

マーラー自身が交響曲と呼んではいますが、実質的には連作歌曲である「大地の歌」と、未完の第10番については、含まれていることが望まれますが、抜けてもしょうがないかなとあきらめがつく。マーラーのオーケストラ伴奏歌曲集については、交響曲との関連が深いものが多数あるので、オマケとしてあれば嬉しい。

演奏者から見ると、クラシックは指揮者とオーケストラの組み合わせで、オケの音色の特徴も言われますが、どちらかというと指揮者の意図がどう演奏したいかに反映されるので、「同一指揮者」による全集が原則となります。当然、その指揮者が全集としてのセットの発売に同意していることも大事。

オーケストラについも、できれば同一オケで統一されていることが望ましいのですが、それを言っちゃうと、バーンスタイン、アバド、ブーレーズ、そしてラトルも外れてしまいますのでここは許容するしかない。

最初から全集を意図して録音が始まったものは、当然商売になるかどうかわかりませんから多くはありません。通常は、これは行けるとなって全集にしようとなっていくわけでしょうから、基本的に完成した時で順番をつけてみます。

1967年(1960-) バーンスタイン / ニューヨークフィル、ロンドン響(第8番のみ)
1971年(1967-) クーベリック / バイエルン放送交響
1971年(1962-) ハイティンク / コンセルトヘボウ管
1974年(1963-) アブラヴァネル / ユタ響
1976年(1971-) バーンスタイン / ウィーン・フィル、ロンドン響(第2番のみ)

1982年(1976-) ノイマン / チェコ・フィル
1983年(1970-) ショルティ / シカゴ響
1986年(1977-) テンシュテット / ロンドン・フィル
1986年(1985-) インバル / フランクフルト放送響
1988年(1985-) バーンスタイン / コンセルトヘボウ管など
1989年(1982-) マゼール / ウィーン・フィル

1991年(1984-) ベルティーニ / ケルン放送響
1991年(1988-) 若杉弘 / 都響
1993年(1980-) 小澤征爾 / ボストン響
1993年(1987-) タバコフ / ソフィア響
1994年(1980-) アバド / ウィーンフィル、シカゴ響、ベルリン・フィル
1995年(1992-) ワールト / オランダ放送フィル
1996年(1990-) スヴェトラーノフ / ソビエト国立響
1996年(1985-) シノーポリ / フィルハーモニア管

2002年(1986-) ラトル / バーミンガム市響、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル
2003年(1988-) ギーレン / 南西ドイツ放送交響
2004年(1986-) シャイー / コンセルトヘボウ管、ベルリン放送響(第10番のみ)
2007年(1986-) ラトル / バーミンガム市響、ベルリン・フィル
2009年(2001-) トーマス / サンフランシスコ響

2010年(1994-) ブーレーズ / ウィーン・フィルなど
2010年(2006-) ジンマン / チューリッヒ・トーンハレ管
2011年(2011-) マゼール / フィルハーモニア管
2011年(2003-) ノット / バンベルク響
2011年(2007-) ゲルギエフ / ロンドン響
2012年(2007-) ヤルヴィ / フランクフルト放送管
2014年(2009-) シュテンツ / ケルン・ギュルツェニヒ管

バーンスタインの2番目のセットは映像として発売されたもの。バーンスタインの3番目のセットは、亡くなったため未収録だった第8番を70年代映像のウィーン・フィルを流用。
ラトルの2番目のボックスはウィーンフィルによる第9番をベルリンフィルに差し替えた物。

並べてみて気がついたトリビア。

最初に全集を完成したのはバーンスタイン。ウィーン・フィルのみというのはマゼールだけ。ベルリン・フィルだけで完成した指揮者はまだいない。全集化に一番貢献しているのは、たぶんコンセルトヘボウ管。

最初に全集録音を始めたのもバーンスタイン。続くのがハイティンク、アブラヴァネル、クーベリック。複数の全集完成はバーンスタイン(一部重複はあるけど)とマゼール。ラトルは演奏の入れ替えだけで、複数とは云い難い。

一番短期間で完成したのはライブでたった1年間の2回目のマゼール。次がインバル。同一オケで一番時間を要したのはショルティと小澤の14年間。複数オケならブーレーズの17年間。

やはり、マーラー生誕100周年、没後50年を契機にバーンスタイン、ハイティンク、クーベリックらが今日のマーラー人気の先駆者となり、彼らに触発されて70年代後半から80年代に多くの全集が企画されていったように思えます。

そして、生誕150周年、没後100年の2010年頃に再びピークが来たようですが、当分はアニバーサリーは無いので、今後は人気は落ち着いて継続して、年に1セットずつくらいが登場するのかもしれません。

2020年3月7日土曜日

Maurice Abravanel Utah SO / Mahler Complete Symphonies (1963-1974)

現在までに登場した同一指揮者によるマーラー交響曲全集としては、おそらく最後の一つとして紹介するのは、アブラヴァネル指揮ユタ響の全集。

何で、最後まで残ったかというと、日本ではほとんど紹介されてこなかったということ。そして、現在でもそれほど重要視されているとは云い難い状況です。

60年代に(おそらく著作権もクリアしたので)各レコード会社は、一斉に人気指揮者を登用してマーラー全集を録音し始めました。それらの話題性十分の全集からすると、あまり人に知られていない指揮者で、しかもアメリカの田舎のオケ(御免なさい!)によるものでは到底太刀打ちできないと思われたのかもしれません。

バーンスタインはColumbiaで1960年スタート。ハイティンクはDeccaで1962年スタート。そして、クーベリックがDGで1967年という具合なのに対して、アブラヴァネルは1963年スタートですから、遅れはとっていません。

モーリス・アブラヴァネル(Maurice Abravanel、1903-1993)は、現在のギリシャ、当時のオスマン・トルコ生まれのユダヤ系で、1920年代からドイツで活躍。

しかし、社会不安からフランスに渡り、ブルーノ・ワルターの薫陶をうけますが、フランスの反ユダヤ主義台頭によりオーストラリアを経てアメリカで活動しました。

1946年にソルトレイクにあるユタ交響楽団の常任の職を得て、1979年に引退するまで同楽団と共に活動しました。世界を放浪したユダヤ人がアメリカで安息の場所を見つけたみたいな話は、マーラーとも一脈通じるところがあります。

1963年 第8番 ジャニーヌ・クレイダー、バランセ・クリステンセン、リン・オウエン、ナンシー・ウィリアムズ、マーレナ・クレインマン、スタンレー・コルク、デイヴィッド・クラットワージー、マルコム・スミス
1964年 第1番、第7番
1967年 第2番 ビヴァリー・シルズ、フローレンス・コプレフ
1968年 第4番 ネタニア・ダウラツ
1969年 第3番 クリスティーナ・クルースコス、第9番
1974年 第5番、第6番、第10番(アダージョのみ)

数少ないアブラヴァネルのマーラーの評価は、オケが下手すぎというところに集約されますが、実際聴いてみると確かに「?」というところが無いわけではありません。録音の問題かもと思いたいところですが、楽器素人の耳にも鳴らし方が不安定なところがあります。

全部がCD10枚に収まっているので、遅い方の演奏ではないはずなんですが、何かゆったりしたテンポが目立ちます。もちろん、決定的な欠点があるわけではない「普通」の演奏ということなんですが、確かにセールス・ポイントは見つけにくい。

それでも、マーラー受容が進む以前に、マイナーなレーベル(ヴァンガード・レコード)が、マイナーな指揮者とマイナーなオケで、一生懸命取り組んだ結果は簡単に切り捨ててしまうには忍びないものがあります。

個人的なことですが、自分が唯一アメリカ本土で行ったことがあるのはソルトレイクで、モルモン教の総本山がある山裾の静かな田舎町という感じでした。そして、こどもの時に家の近くにモルモン教の教会があって、背の高い外国人が布教のためしょっちゅう巡回していました。

そういう意味で、何かユタ州には馴染み深いものを感じるので、今になってユタ州の楽団に巡り合うというのもちょっと嬉しい感じがします。

2020年3月6日金曜日

梅? いいえ、桜です


東急田園都市線、江田駅前。国道246号を横断したすぐのところに、満開の・・・桜です。

遅咲きの梅かと勘違いしそうですが、何故かこの一本だけは毎年早咲きすることで、地域に知られた桜の木。

早咲きは河津桜などが有名ですが、そのあたりから移植したものなんでしょうか。

どうせなら、この木から接ぎ木して、付近一帯で早めのお花見ができるようにするのもありかもしれません。

でも、一本だけというのも、それはそれで魅力ですかね。

2020年3月5日木曜日

Markus Stenz GOK / Mahler Complete Symphonies (2009-2014)

2019年までに登場した、同一指揮者によるマーラーの交響曲全集としては、最新のセットとなるのがマルクス・シュテンツのもの。演奏はケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団です。

シュテンツ(Markus Stenz)は、1965年生まれでドイツ人。1989年からハンス・ヴェルナー・ヘンツェが創設した、モンテプルチャーノ音楽祭の芸術監督を1995年まで務め注目されました。1994年にはロンドン・シンフォニエッタの音楽監督、1998年には岩城宏之の後任としてメルボルン交響楽団の音楽監督、そして2003年にはケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の首席指揮者となっています。

ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団は、日本での知名度は高いとはいえませんが、1827年創設で歴史があり、首席にはギュンター・バントの名もあります。2015年からはシュテンツに変わってフランソワ=グザヴィエ・ロトを迎え、彼もまたマーラーに挑んでいます。マーラーとの関連もあり、第3番と第5番の初演はマーラー自身の指揮によって、ケルン・ギュルツェニヒ管が演奏しています。

2009年
第4番 クリスティアーネ・エルツェ
第5番
少年の魔法の角笛(14曲) クリスティアーネ・エルツェ、ミヒャエル・フォレ
2010年
第2番 クリスティアーネ・エルツェ、ミヒャエラ・シュースター
第3番 ミヒャエラ・シュースター
2011年
第1番、第10番(アダージョのみ)
第8番 バーバラ・ハーフェマン、オーラ・ボイラン、クリスティアーネ・エルツェ、アンナ・パリミナ、ペトラ・ラング、マリア・ラドナー、ブランドン・ジョヴァノヴィチ、ハンノ・ミュラー=ブラハマン、ギュンター・グロイスベック
2012年 第7番
2013年 第6番
2014年 第9番

このセットは、単売のものはSACDでしたが、昨年登場したボックスセットは通常CDですが、早くも入手困難になりつつあります。また、ボックスには「少年の魔法の角笛」は含まれていません。

全体的には、クリアな音質で切れのあるマーラーという印象。感情に流されるわけではなく、冷静に音を紡いでいくのですが、要所要所ではビシッと決めることで、シュテンツらしさを感じることができます。

日本では、2010年にNHK響と演奏した第2番が話題になりネット動画で視聴可能です。全集でも、同年の録音ですが、だいたい同じ演奏がきけます。何と言っても、最終楽章でのドラムロールのクレッシェンドの長さは驚かされます。ためにためて大爆発を引き起こす演奏です。エルツェ、シュースターらの独唱も比較的癖が無く素直な声質で聴きやすい。

シュテンツは、最近はオランダ放送フィルと活動していて、マーラーのネット動画も公開されています。今後も活躍が期待される指揮者の一人です。

2020年3月4日水曜日

薄れる季節感


夏が熱くて、秋らしい秋がなかったように思います。冷え込みがないためか、街の紅葉も美しくなかった。

さらに暖冬。例年、1月から2月は毎朝、車の窓ガラスの霜取りが日課みたいなものですが、今年は薄っすらとして霜が数回ついただけ。

冬景色はどこにいったものか。車のタイヤも冬用に交換してますが、まだ必要性を感じたことは一度もありません。

そもそも、雪らしい雪が降っていない。

気がついたら、もう3月。新型コロナ騒動のせいもあって、季節の変化を探すみたいな余裕はどっかに消し飛んでしまいました。

日本人が培ってきた豊かな感性は、四季の移り変わりの中から芽生えてきた部分が多いと思いますので、このまま春が来てしまうと寂しい限りです。

2020年3月3日火曜日

雛祭り


桃の節句です。

いつもなら、何となく華やいでうきうきするイベントがたくさんあるし、それぞれの家庭でも賑やかな食卓が準備されるところ。

今年は、新型コロナウイルス・・・COVID-19の騒ぎのせいで、不安一杯、疑心暗鬼が広がる雛祭りかと。

政府からイベントの自粛、学校休校の呼びかけなどがあり、各人各様に対応に苦慮していることと思います。

コンサートが中止になったり、スポーツが無観客で行われたり、その一方で決行して賛否両論を招いたり、急に家にいることになるこどもたちもどうしていいかわからない。

その一方で、政治資金集めパーティを開く政治家がいたり、感染の可能性のある人の追跡が甘かったり、政府の対応も何かなぁという感じ。

そもそも、感染リスクの優先度で言えば、真っ先に何とかしたいのは通勤の満員電車と言われていますが、これに対しては何の動きもありません。

消毒用のアルコールは、使用量が増えていることは間違いなく、うちのクリニックでも、明らかに消費量が増えています。ただしアルコールは、相変わらず不足気味で注文するといつもより遅れますが、何とか手に入るようになりました。

あいかわらず、まったく入手できる見込みが立たないのがマスク。花粉症の時期でもあるのでもともと需要が高く、メーカーは増産していると言われていますが、まったく見かけません。

すでに、日本だけでなく、世界的にも経済的停滞はじわじわと始まっていますが、この問題がリーマンショック以来の打撃になることは間違いない。

とにかく、早くに収束することを願うしかありません。

2020年3月2日月曜日

おいおい、どーかしてる


新型コロナウイルスによる騒動は、長期化する様相を呈してきました。

もしも、もしもですけど、オリンピックが中止とかになったりしたら、経済的な打撃は物凄いことになる。国内の不況は、相当に深刻なものになると予想されます。

そういう意味でも、これ以上にウイルスを拡散させないことは現時点で最重要課題だとは思いますが、様々な関連したデマが先行して拡散している状況は、どーかしてるとしか言いようがない。

マスク、アルコールが手に入らないというのは理解できます。ところが、ウォッカのようなアルコール分の多い酒まで売り切れ続出って・・・・

先週はトイレットペーパーが手に入らなくなりました。マスクと同じ紙製品だから? 中国で生産されているものが多いから?

トイレットペーパーは、通年生産されている商品で、普通に消費していれば不足することは無いものです。

昨日、スーパーに行ったら、カップ麺の棚が空っぽ。無駄に家から出ないようにという話ですから、まだ理解できなくはない。

驚いたのはコメの棚も空っぽなこと。

米ですよ。ほぼ100%近く日本産ですよ。新米だけでなく、古米、古古米とかまで貯蓄されているものですからね。もう、まったく理解できない。

もっとも、こういうある種の「パニック」を誘発する最大の原因は不安です。現状を正しく冷静に判断する情報が無い事が問題。

特にネット社会になり、正しい事よりも間違った事が簡単に急速に広まるようになったということ。メディアはデマが広がったことを報道することで、さらなるデマを誘発するという悪循環もあると思います。

とにかく、早急に根本的なウイルス問題が収束しないと、さらなる問題が出てきそうで、そっちの方がより深刻度を増すかもしれません。

2020年3月1日日曜日

ファーバーカステル


自前で購入した万年筆で、一番高価なものがファーバーカステルというブランドのもの。

一番高価と言っても、定価で5000円くらいのものなんですが、普段使いのボールペンからすれば、だいぶ高いものです。

一般の外国の万年筆メーカーとしては、一般的にはあまり知られていませんが、ドイツの老舗ブランドで歴史があります。

1761年にニュルンベルクでカスパー・ファーバーが鉛筆を作り始めたのがスタート。1851年に後継者のローター・フォン・ファーバーが鉛筆の六角形で長さ・太さ・硬度の基準を制定し、これが今でも標準仕様として通用しているんです。

その後ローターの孫娘のオッテリーが嫁いだ先と名前を合わせてファーバーカステル伯爵家と改め、現在も伯爵家が経営しているそうです。

伯爵コレクションと名付けられたシリーズは、どれも10万円以上するようなもので、さぞかし書き味が良いんだろうと思いますが、さすがに手が出ません。

これのペン先は当然ステンレスで、しかもEF(極細)ですから、カリカリ感はあるのですが、普通の安い万年筆とは一線を画する書き味です。外国のEFは日本のFくらいとよく言われていますが、これはまさにEFの細さです。

軸も細めでスタイリッシュなんですが、細いと書き疲れしやすいところが、重さのバランスがいいのか、意外と手に馴染む感じが好ましい。

ちょっとだけ高級感も感じられて嬉しい逸品というところでしょうか。