2023年3月31日金曜日

自宅居酒屋 #57 里芋とイカ煮


里芋は、こどもの頃はぬめぬめした感じが嫌いで、食卓に出てくると嫌でした。大人になって、食の好き嫌いは変わってくることはよくありますが、里芋もその一つ。大好きというほどではありませんが、煮物には欠かせないと思うようになりました。

里芋は大元の種芋について出てきたのが親芋、そこから出てきたのが子芋、さらに出できたのが孫芋と呼ばれます。だんだん小さく固くなる傾向がありますが、味とかぬめり感はそれほど違いません。

親芋と大きいので丸ごと調理するのには向きませんが、スーパーで売っているのは子芋くらいが多いと思います。一口大で食べれる孫芋は煮崩れしにくいので、煮物には都合が良いと思います。

里芋メインで食べるとなると、それだけでもいいんですが、ここは定番のイカと一緒の煮物が一番かと思います。

使うのは、冷凍の里芋。たいてい孫芋の大きさで、冷凍物は川がむいてあり、すでに軽く火が通っているので、煮た時に味が染み込みやすいので便利。親芋だと柔らかいのでグズグズになりやすいし、そもそも皮をむくのが大変。

お湯を沸かして冷凍里芋を食べたいだけゴロゴロと入れます。すこし解凍されたかなくらいで、イカを投入。今回は普通サイズのスルメイカです。

味付けは、面倒なら濃縮麺つゆなどを用いてもいいし、醤油とみりんと少しのだしの素でもOK。ちょっとだけ鷹の爪も入れましょう。煮込むので薄いなと思うくらいが丁度良い。沸騰して5分くらい煮込んだら蓋をして火を止め、一度冷まします。

冷めていくときに味がぎゅっと染み込んでいきますし、煮続けると芋は崩れやすくなり、イカも固くなるので、火を止めるというのは大事だと思います。後は、食べる前に10分ほど火を入れる感じで完成です。いゃあ~、美味しいなぁ。

2023年3月30日木曜日

SAKURA 2023 @ 寿福寺


横浜市都筑区、センター南、茅ヶ崎城址公園に隣接する寿福寺は、改築して寺としては現代風になっていますが、敷地内に古めかしい正観世音菩薩を祀る観音堂があります。

境内に観音堂を挟むように2本の桜の大樹があり、外の道路からでもなかなかこの時期は気持の良い光景が見れます。

実は、ここは「Pokemon Go」のポケストップにもなっていたので、けっこう画像として見たことがある人は多いんじゃないでしょうか。

今年は開花に合わせたかのように天候が不順で、花見のタイミングが難しい。もともと、開花時期が樹によってバラツキが目立ちます。

気がついたら花がほとんど落ちていた・・・ということが多そうです。チャンスはあとわずかです。

2023年3月29日水曜日

横濱家 @ 川崎・犬蔵


いゃあ~、久しぶり。横濱家。

「家系」は元祖はあそこだとか、本家ならそことか、いろいろ言われていますが、自分にとって最初に今の場所に引っ越してきて初めて経験した家系は横濱家です。

チェーン展開しているので、自分が足を伸ばせる範囲に5~6か所はあるんですが、最初に食べた東名川崎店が最も行く頻度が高い。

とはいえ、コロナ渦もありましたし、行くのはおそらく5年ぶりくらい。

店の内装・外装も変わっていましたし、メニューもリニューアルされていました。

でもって、今回のオーダーはねぎラーメン。

横濱家はもちろん醤油豚骨が基本ですが、これはちょっと鶏ガラが強めの印象でした。でも、久しぶりだと「やっぱ、旨いなぁ」という感じ。中太ちぢれ麺との相性も抜群です。

2023年3月28日火曜日

SAKURA 2023 @ 生田


桜の開花が始まって、先週1週間は雨模様が多く、今年の花見はぱっとしないと嘆いている方も多そうです。

こちらはほぼ満開。美しい花が雨に打たれて、花びらは早めに落ちてしまいそう。雨天でも、それも風情と割り切るしかなさそう。

天気が悪いと光量が少ないので、視覚的には鮮やかさが低下してしまいますが、それでも花の付いた枝が迫って来る雰囲気はなかなかのものです。

それは枝が上に延びず、細くなるにしたがって垂れ下がるような感じだからでしょうか。このような桜のことを、一般にはシダレザクラと呼びます。

中には柳のように垂れ下がる見事なものもありますが、これはほどほどの具合というところ。そこが、垂れているけど柔らかすぎない固さみたいのがあって、迫力を感じる一因になっているように思います。

2023年3月27日月曜日

Luca Fanfoni / Mauro D'Alay The Dresden Concertos (2022)

おそらく、かなりのクラシック音楽通の人でも、マウロ・ダレイという作曲家について知っている人はほとんどいないんじゃないかと思います。


1687年、イタリアのパルマで生まれた人。イタリア人作曲家らしく「イ」で終わる名前ですが、たいていは「i」なんですが、この人は珍しく「y」です。

1757年に70歳で亡くなっているので、バロック後期に属する作曲家ということですが、20代なかばから50代までパルマの教会に所属していましたが、その間にスペインやイギリスにも長期滞在したようですが、詳しい経歴はほとんど知られていません。

それなりに知られたヴァイオリン奏者で、いくつかの作曲も残していますが、最近まで20世紀末に録音されたCDが一枚見つかるだけでしたが、イタリアのバロック音楽の発掘・録音を精力的に行っているイタリアのDynamicレーベルが、最近になって2枚のCDを発売しています。

と言っても、それを合わせてAmazonで見つけられるのはCD3枚だけなんですが、DynamicからCDをリリースしたのは、ロカテッリやロッリの演奏で自分的にはお馴染みになったルカ・ファンフォーニです。ここでは息子のダニエルもヴァイオリン独奏者として加わり、親子で共演しています。

イタリア・バロックも煮詰まって、技巧に走る風潮が強まっていた時期ですが、比較的音楽性を重視した曲作りです。協奏曲でも急-緩-急という典型的なパターンだけではなく、楽章のなかでもテンポを変えたり、長調と単調を混ぜたりとなかなか面白いことをしています。

もちろんヴァイオリンの技巧的な聞かせ所も心得ていますし、2つのヴァイオリンを絡ませて盛り上げたりと、それなりに考えられていて飽きません。

2023年3月26日日曜日

Mario Ferraris / Stradella Chamber Music (1971)

クラシック音楽は作曲された譜面通りに演奏するだけだから、誰が演奏しても同じだ。気に入った楽曲のレコードなり、CDなりを一つ手に入れれば十分。


すでに亡くなっている昔の作曲家からは新曲は出てこないので、曲数には限りがある。ある程度コレクションすれば、それでお終い。

・・・なんて、思ってませんか。まぁ、クラシック音楽にそれほど興味がなければ、それもいたしかたがない所ですし、実際自分も昔はそんな感じに近いところを思っていました。

でも、ちょっとまじめに聞き入ってみると、どうして同じ譜面からこんなに違う印象を持てる演奏になるんだろうと思うほど、演奏者によって譜面の解釈が違ったりする。例えば1時間の曲で、演奏者によって数分の違いはざらにありますが、その数分が物凄い違いになって出ることも珍しくはありません。

モダン楽器と古楽器の違いも大きい。ヴィオラ・ダ・ガンバなどは、モダン・オーケストラでは、チェロに置き換えられたりしますが、出てくる音からして違う。ヴァイオリンは構造的にはほぼ同じですが、ガット弦かスティール弦、弓も動物の毛なのかナイロンかとかの違いで響き方がかなり違います。

有名な重要作曲家となると、バロック期、古典期、ロマン期、現代音楽というおおまかな歴史の流れの中で、おそらく50人くらいに絞れると思います。当然、音楽のジャンルとしても、交響曲、協奏曲、室内楽、器楽曲、声楽などを集めてしまうと、コレクション的には完了してしまいます。

ところが、作曲家という肩書の人は無数にいるわけで、ほどんど話題にならないけど歴史的に意味のある仕事をした人とか、一曲だけ有名な一発屋みたいな人、音楽家としてはたいしたことはないけど人物像がやたらと興味深い人とか、ほじくり出したらキリが無い。

・・・と、例によって長い前置きですが、アレッサンドロ・ストラデッラの話です。

ストラデッラは、1644年に生まれた生粋のイタリア人。珍しく名前が「イ」で終わっていない。それはともかく、ストラッデラの自由奔放で倫理観の欠如しすぎた人生が面白いというか、興味深いというか、かなりハチャメチャです。

20歳ごろから作曲家として知られるようになり、宗教曲などもたくさん作っていたらしいのに、教会の浄財を使い込んでローマから逃亡。ほとぼりが冷めた頃に戻ったかと思うと、多くの上流階級の婦女子と浮名を流すプレイボーイ振り。当然ばれて目を付けられ、再びローマ化に逃げ出します。

30歳過ぎにヴェネチアで、貴族の愛人の音楽教師に雇われますが、その愛人とできちゃうわけです。貴族怒る。部下に粛清を命令。ストラデッラは愛人とトリノへ駆け落ち。ですが、結局、愛人はほったらかして36歳の時にジェノヴァに単身向かいます。

ここでも、ジェノヴァの貴族の家族の女性に手を出して、雇われた暗殺者によって刺殺され38歳の生涯を閉じることになるのです。まぁ、何とも映画的になりそうな人物で、さすがにやり過ぎた感は否めませんね。

そんな放蕩者なんですが、残された音楽はいたってまとも。バロック中期の音楽の中では、比較的ロマンチックな旋律を作れた作曲家なのかなと思います。まぁ、多くの女性を虜にしたわけですから、それもそのはずというところ。女性を惹き付ける強力な武器にしていたのかもしれません。

後期イタリア・バロックの人気となった音楽様式にコンチェルト・グロッソというのがあって、ヴィヴァルディらに多大な影響を及ぼしたアルカンジェロ・コレッリ(1653-1713)が初めて用語として使用したもの。コンチェルト・グロッソは、2つの旋律楽器(そのうち一つはヴァイオリン、残りはフルート、チェロだったり)と通奏低音(オルガン、チェンバロやギター)の組み合わせで行うトリオ・ソナタの中にオーケストラの合奏がところどころに混ざって来るもの。

実は、この様式を自作のオペラや器楽曲で最初に使い始めたのがストラデッラで、コンチェルト・グロッソという名称こそ使いませんでしたが、当時としては斬新な試みとして注目されました。ストラデッラと親交のあったコレッリが、自分の曲に流用し有名になったというもの。

CDは多くは無いのですが、4枚組で残された器楽曲を網羅したこのアルバムが、値段も手頃でお勧めです。元祖コンチェルト・グロッソも確認できます。演奏しているのはヴァイオリンのマリオ・フェラーリス。同姓同名のF1ドライバーがいますが別人。こちらのフェラーリスについては、ネットでもほとんど情報がありません。

4枚分もいらないという方には、新しい録音としてはEnsemble Giardino Di Deliによる2枚組も古楽器の響きが気持ちを落ち着かせ悪くはありません。 

2023年3月25日土曜日

Jordi Savall / La Folia (1998)

スペイン、ポルトガルのイベリア半島は、中世までは植民地を拡大して国の勢いがあり、キリスト教音楽が盛んで西洋音楽の聖地にもなっていました。ヴィオールの名手、ジョルディ・サバールはスペイン出身。地元のバロック音楽事情はどうなんでしょうか。


世界史の教科書を開くと、ハプスブルグ家の支配下にあったスペインに対して、1635年にライバルのフランスが宣戦布告しフランス・スペイン戦争がはじまります。両国の消耗により1659年に戦争は終結しますが、当然国土は疲弊してもう音楽を楽しむどころではありません。

そんなわけで、スペインはバロック期には際立った活躍をした音楽家があまりいない。まぁ、いるのはいるんでしょうけど、そこをほじくるのはあまりにマニアック。音楽学者としても多くの成果をだしているサバールも、さすがにあまりスペインのバロック期についてはあまり録音がありません。

そこで、紹介するのはフォリア(folia)です。

フォリアは、15世紀末頃にイベリア半島で生まれた三拍子の舞曲。もともとは「狂気」という意味だったらしく、焚火を取り囲んで酒を酌み交わしながら歌い踊った人々が想像できます。17世紀には音楽先進国だったイタリアでも広まり、多くの作曲家が作品の中に取り込んだりしているうちに、精錬された音楽様式になったようです。

サバールは、たひだひフォリアを題材としたアルバムを作っています。このアルバムでは1490年から1701年までに作られた、作曲者不詳のものも含めて8曲が治められています。ヴィオールの素朴な響きに、時にギターやクラブサンが華を添え、そして打楽器が加わります。打楽器ではカスタネットらしき音が、いい感じにスペインらしさを醸し出しています。

同様の趣向は2005年の「Altre Follie」でも聞くことができます。いわゆるバロック音楽とは一線を画するものですが、音を楽しむのが音楽ですから人々の心にしっかり染み込む雰囲気は一聴の価値ありです。



2023年3月24日金曜日

SAKURA 2023 @ 茅ヶ崎城址公園


横浜市都筑区内で桜の名所となると・・・

とりあえず思いつくのは、センター南にある茅ヶ崎城址公園でしょうか。

それほど大きな公園ではありませんが、かつて茅ヶ崎城があった歴史的には意義深い場所で、広場の周りを桜が囲んで見応えがあります。

これは天気が良かった一昨日の様子。満開とは言い難いのですが、そこそこ花見を楽しめる程度にはなっています。

昨日はけっこうしっかり雨が降り、開花が進んでいた木ではだいぶ花が落ちたようです。今年は、開花の具合にけっこうばらつきがある感じなので、まだまだ探せば楽しめるところがありそうです。

2023年3月23日木曜日

WBC2023 決勝 アメリカ戦


昨日の劇的サヨナラ勝利の余韻も冷めやらぬ間に、昨日、日本時間朝8時半にプレイボールとなったWorld Besaball Classic 2023決勝戦。

おめでとう!! 侍JAPAN、強敵アメリカを制して優勝しました。

もう何も言うことはありませんが、とにかく選手の皆さんにはお疲れ様、本当にありがとうとだけ言っておきたい。

それにしても、今回のシリーズで一番感じたのは、最年長ダルビッシュ、投打の要大谷翔平が話題の中心になっていたものの、全員が対等に一致団結していたチームワークの良さです。

また、メディアを含めて調子の悪い選手を批判することなく、栗山監督を筆頭にむしろ鼓舞し続けたこと。全員がチームの一つ一つのパーツとして、誰一人も欠けてはいけないことを信じ続ける力に、日本の強さを感じました。

・・・古い話になりますが、1968年に日米親善野球でカージナルスが来日したのが、自分の記憶にある初めてのアメリカ大リーグという存在を認識したきっかけ。カージナルスはほぼ観光気分で、圧倒的な力の差を見せつけて去っていきました。

この時、カージナルスの一員として来日したオズマが登場し、星飛雄馬の強敵として立ちふさがるエピソードが「巨人の星」に盛り込まれたことで、さらに印象を深めました。

しかし、時は流れ、今や大リーグで日本人選手が活躍し、そしてアメリカのドリーム・チームを相手に勝利を収めたわけですから、隔世の思いがあります。

それにしても、大谷選手は凄いですね。絵になりますね。勝つために何をすればいいか、本当によく考えているんでしょうね。そういう冷静な面とは対照的に、通常のシーズンでは見ることが無い、感情むき出しのワイルド感が今回たくさん見れたことも新鮮でした。

ありがとう!! 侍JAPAN !!


2023年3月22日水曜日

WBC2023 準決勝 メキシコ戦


ついにアメリカ上陸した日本チーム。

マイアミの地で、昨日の準決勝の相手はメキシコ。先発は佐々木朗希。前半、投手戦の様相を呈していたものの、日本は何とも球が絞れず、バットにボールが当たらない雰囲気。

先に点をとったのはメキシコでした。4回表、佐々木がスリーラン・ホームランを打たれてしまいました。その後の攻撃でも・・・

もう、結果は散々メディアで流れているので

やったぁ~、決勝進出だぁ!! !! !!

もう、涙が出そうです。

昨日も3三振と不信を極める村上宗孝。栗山監督はよくぞ我慢して使い切った。最後の最後、村上は伝説になりました。センター・オーバーの逆転サヨナラ・ツーベース。

ウォオオオオ!! としか言いようがない。

今日も日本時間、朝8時のプレイボール。街から人が消える!!

ガンバレ!! 侍JAPAN!!

2023年3月21日火曜日

Jordi Savall / Marin Marais Pieces de Viole (1975-92)

ジョルディ・サヴァールは、1941年生まれのスペイン、バルセロナ出身。キャリアの初めからヴィオラ・ダ・ガンバを学び、1974年に古楽器グループであるエスペリオンを結成し頭角を現しました。1987年には合唱団であるラ・カペイラ・リイアル、さらに1989年に大規模なオーケストラであるコンセール・デ・ナシオンを設立し、中世、ルネッサンス、バロック、古典と幅広い時代をカバーする活躍をしています。

そもそもサヴァールは、ガンバニストなので、ヴィオラ・ダ・ガンバの演奏もたくさん録音しており、現代ヴィオール奏者のトップクラスの巨人と位置付けられます・・・って、そもそもヴィオラ・ダ・ガンバって何? という感じです。

ヴィオラ・ダ・ガンバはイタリア語、ウィオールはフランス語。ガンバは脚という意味で、足で支える弦楽器です。大小さまざまなものがあるので、これらをまとめてヴィオール属と呼ぶことがあります。ヴィオラ・ダ・ブラッチョは腕で支える弦楽器で、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを含むヴァイオリン属のこと。

音量の小さいヴィオール属は古典期以後急速に使われなくなりましたが、70年代以降の古楽復興が盛んになるにつれ復活し、現在では古楽の演奏には無くてはならない重要な楽器の一つとされています。

バロック期に、最も有名だったガンバニスト(ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者)は、たぶんフランスのマラン・マレー(1656-1728)です。ルイ14世の宮廷で演奏し、作曲家としても活躍しました。

マレーの代表作品は、1686年から1725年にかけて発表された全5巻からなるヴィオール曲集です。サヴァールは、まだ楽器がほとんど知られていない70年代から、これらを全曲録音しており、ヴィオールを世に知らしめる記念碑的な偉業となっています。

基本的にはクラヴサン(チェンバロ)かテオルボ(リュート、ギターのような楽器)とのソナタですが、曲によってはいろいろな組み合わせになっていて、聞き続けていても雰囲気がいろいろと変化するので飽きません。クラブサン演奏は、学者肌のトン・コープマンですから、サヴァールととことん議論を重ねて、虚飾を廃してマレーの時代を正確に表現したものと思います。

2023年3月20日月曜日

John E.Gardiner / Purcell MUsic for the Funeral of Queen Mary (1976)

ドーバー海峡を渡ってイギリスに行くと、ヨーロッパ大陸とは地続きではないので、フランスやドイツとは一味違うような雰囲気の音楽が発達しました・・・かどうかは詳しくないのでよくわかりませんが、何しろ中世ではアーサー王と円卓の騎士が有名な騎士道の国、今でも紳士の国として、先進国の中では今でも王政を維持している。


バロック時代の音楽というと、ほぼイギリス人の作曲家はヘンリー・パーセル(1659-1695)の一択という状況です。ただし、J.S.バッハ最大のライバルであるドイツ人のヘンデルは、イギリスに帰化していて、一応パーセル亡き後のイギリス・バロックを盛り上げました。何しろ「ハレルヤ・コーラス」で有名なヘンデルの「メサイア」は歌詞が英語です。

パーセルが活躍したのは、時代的にはバロック中期、時の王はチャールスII世。18歳で王室楽団の指揮者に抜擢されました。36歳の若さで亡くなりましたが、多くの歌劇、あるいは劇不随音楽を作りました。

最も有名なのは「ディドとアエネアス」で、他に「アーサー王」、「妖精の女王」、「テンペスト」、「インドの女王」などがあり、さすがはイギリス人のジョン・エリオット・ガーディナーが、これらを録音しているので、ガーディナー好きにはお馴染みです。

他にも、アンセム(宗教的な賛歌)もいくつかありますが、器楽曲はほとんどないので、声楽が苦手の向きにはちょっと辛いかもしれません。自分も、ガーディナーの演奏を聞いていなければたぶん見向きもしなかったと思います。

チャールズII世が1685年に退位し、次はジェームズ7世が王になりますが、1688年で名誉革命で追放されると、王位に就いたのがメアリーII世女王でした。

そのメアリー女王は、1694年に天然痘で亡くなります。この女王の葬儀のためにパーセルが作ったアンセムがあります。

まさに葬送の曲と言わんばかりの、女王を失った悲しみを目一杯表現しているわけですが、ガーディナーが鍛え上げた、手兵のモンテヴェルディ合唱団の一点の淀みも無い合唱が素晴らしい。

最もさすがに明るいところはありませんので、これだけだと気持ちが沈み込んでしまいますので、カップリングの威勢の良い「来たれ、汝ら芸術の子よ」と合わせて楽しみましょう。

2023年3月19日日曜日

Jordi Savall / Rameau Suites d'Orchestre (2011)

フランス・バロックでおさえておきたい作曲家は、まずバロック中期のジャン=バティスト・リュリ(1632-1687)です。もともとイタリア人なんですが、ルイ14世の大のお気に入りとなり、宮廷音楽家として栄華を極めたらしい。遺されている作品は、ほとんどは歌劇的な物です。最後は自らのドジで怪我をして急死しました。

次に思い出すのは、フランソワ・クープラン(1668-1733)です。教会のアルガン奏者として実績を積んだクープランは、王宮にも出入りするようになり専属のクラブサン(チェンバロ)奏者になります。一部の器楽曲、宗教曲を除くと、作曲した大多数は200曲以上あるクラブサン用の曲集です。今、手に入るクラブサン曲全集はCDで1o枚を要する物になっています。

バロック後期の代表的な作曲家がジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764)です。ラモーも教会オルガン奏者として名を上げた後、オペラ作曲家として人気を得ました。しだいにルイ15世にとり立てられ、王室付となります。多くの作品はオペラですが、いくつかのクラブサン曲集を通して、音楽理論の体系化も行っていました。今日用いられる和音を意味する「ハーモニー」はラモーの著書から生まれたものです。

フランス・バロックの作曲家が、特にオペラに力を入れていたことから、オペラ苦手の自分としては当然敬遠しがちになってしまうわけですが、ラモーの場合は自らのオペラの曲を管弦楽用の組曲としてまとめ直したものがたくさんあるのが助かる。

おそらく、それらを一番録音に残したのはフランス・ブリュッヘンです。ブリュッヘンはリコーダー奏者として有名になった後に、自らの古楽楽団を組織しバロックから古典にかけてたくさんの業績を残しました。

ただし、ここではあえてスペイン出身のヴィオラ・ダ・ガンバ奏者、ジョルディ・サバールの演奏を取り上げます。サバールも自らの古楽器オーケストラを組織していて、特にルネッサンス期にまで遡る徹底した古楽追及は他の追従を許しません。

例えばJ.S.バッハの曲の演奏でも、同じ古楽系でもガーディナーのものとはまったく異なる表現をするので興味深い。うまい言葉がなかなか思いつかないのですが、古色蒼然としたひなびた音という感じで、作曲家が生きていた時代のリアルタイムの音楽は確かにこんな感じだったのかもしれないと強く共感できる。

ここでは、CD2枚に歌劇「優雅なインドの国々」組曲、歌劇「ナイス(ナイアス)」組曲、歌劇「ゾロアストル(ゾロアスター)」組曲、歌劇「ボレアド」組曲の4つが演奏されていて、歌劇本編を知っている人ならエッセンスを抽出したようなところかせさらに楽しめのではないでしょうか。

2023年3月18日土曜日

SAKURA 2023 @ 早渕川岸


東京あたりに少し遅れて、このあたり、横浜北部地域も今年のソメイヨシノが開花しました。

とは言っても、写真の状態ですから、せいぜい三分咲きくらいでしょうか。

天気は雨模様ですが、さすがにこのくらいでは花が落ちる心配もなさそうで、来週に満開となる感じです。

来週末が見頃のピークということになりそうなので、久しぶりに大々的なお花見をしたいと思っている方は、準備を滞りなく始めましょう。


2023年3月17日金曜日

WBC2023 準々決勝 イタリア戦


東京ドームで見れる最終戦となった昨夜の準々決勝で、日本代表は9対3でイタリアを降しました。

先発は、開幕戦に続いて2回目となる大谷。一球ごとに声が出る力の入ったピッチングで、最速164キロにドームもどよめきました。

試合が動いたのは3回裏の日本の攻撃。何と、驚いたことに、3番バッターの大谷が1アウト1塁の場面で初球バントをしたんです。結果は一塁セーフのヒットになり、チャンスを広げ先制点につながります。

これは、見ている人も相手も想像していなかったと思います。おそらくマウンドに立っていなければやらなかったプレイでしょう。1、2回の残塁という何となく嫌ぁな雰囲気を変える大きな意味がありました。

チーム全体が絶対に勝ちたいという気持ちを新たにした瞬間だったように思いますし、結果として岡本のスリーランにつながりました。その後も、やっと村上にタイムリーも出ましたし、今永、ダルビッシュも投入する鉄壁の投手リレーで完勝です。

さあ、いよいよ場所を決勝ラウンドの地、マイアミに移し、準決勝は20日月曜日、日本時間では21日(祝日!!)朝8時プレイボールです。相手はメキシコかプエルトリコの勝者となります。

ガンバレ!! 侍JAPAN!!

2023年3月16日木曜日

Fabio Biondi / Leclair Violin Concertos (2016)

1764年10月22日、フランスのパリ、東のはずれ。比較的、生活の楽ではない人々のあばら家が集まっている地域でのこと。空気が冷えて隙間風が身に染みるような、部屋ともただの囲いとも区別がつかないような部屋で、一人の男性の遺体が発見されました。

たくさんの傷があり、明らかに何者かによって惨殺されたと思われるその遺体は、一昔前に一世を風靡した人気ヴァイオリン奏者、ジャン=マリー・ルクレールであったことから、パリ市民は大いに驚かされました。

・・・というわけで、何とも残念な死に方をしたルクレールですが、1697年にリオンで生まれ、イタリアで修業した後、バリに戻りヴァイオリン奏者、そして作曲家として大人気となりました。

ルクレールは、同時代のイタリアの人気ヴァイオリン奏者、ジュゼッペ・タルティーニとパリでステージを共にしたことがあるそうです。その時、優雅に弾くルクレールと、鬼気迫るようなタルティーニは「天使と悪魔」と形容されました。

フランス・バロックのヴァイオリン関連では、最も影響力を持った人物であるルクレールは、作曲家としては多くは残してはいないものの、ヴァイオリン協奏曲、トリオ・ソナタ、フルート・ソナタなどがあり、特に2台のヴァイオリンのためのソナタは、絡み合うヴァイオリンの響きが緻密に計算された優れた作品と言われています。

ファビオ・ビオンディは、古楽集団ユウロパ・ガランテを長く率いて、ヴィヴァルディ中心に多くの録音を残しています。イタリア物では、かなり強気の演奏で新しいイタリア・バロックの魅力を引き出していましたが、ここではフランス物ですから、やはり優雅・典雅とでも言えるような響きを紡ぎ出します。

明らかに両国のバロックの違いを意識した演奏ですし、なるほどと思わせる素敵な演奏なので、フランスの扉を開く最初の一枚としてもお勧めです。

それにしても、ルクレール殺人事件の犯人は・・・怪しい人物は数名名前が上がりましたが、結局お蔵入りとなり謎は謎のままなのでした。

2023年3月15日水曜日

春来たりなば


東京では靖国神社の標本木が開花したとかで、過去最速の桜の開花宣言となったみたい・・・ですが、少なくとも自分のテリトリーでは、まだ開花には数日は要しそうです。

何しろ、この時期は三寒四温、暖かくなったり寒くなったりを繰り返す時期。予報では、週末に向けて寒いらしい。膨らんだ蕾も縮こまってしまうかもしれません。

土手を支えるブロック塀の水抜きに溜まった、わずかな土の上に運ばれてきた種子が芽吹いて蕾を付けていました。

大雨とかになって流されなければいいなと思いつつも、どうせならもっと広く根を張れる場所に移動できた方が花も喜ぶかもしれません。

2023年3月14日火曜日

L'arte Dell'arco / Tartini Complete Violin Concertos (1996-2009)

西洋音楽の形成に大きな役割を果たしたのは、ローマ・カトリック教会の影響であったことは疑いの余地がありません。キリスト教の教義をわかりやすく伝える手段として、音楽の普及・発展は欠かせない重要事項でした。ですから、16世紀までは、その中心的な地域は間違いなくカトリックの本山であるイタリアでした。


そして、ヨーロッパに多数存在した王国における、ある意味貴族の娯楽としての需要も、音楽の発達に大きく関与しました。周辺のドイツ、フランスの諸国の宮殿は、音楽後進国としてイタリアに人を送ったり、またイタリアの音楽家を招聘して、自らの貴族趣味を充実させていたのです。

17世紀初頭に歌劇を通して、民衆にも娯楽としての音楽が広がりました。教会の中や宮殿の一室が演奏会場であった頃より、より大きな会場と大きな音量が必要となり、楽団の人数も増員していくことになります。

室内楽でよかった頃は、独奏者と伴奏者だけの二人から三人程度の組み合わせによるソナタ、あるいはトリオ・ソナタが音楽の中心でしたが、伴奏が増えるにしたがって合奏が強化され協奏曲と呼ばれる形式が登場します。イタリアでは、弦楽器が特に発達したため、中心となる楽器はヴァイオリンで、しだいに人々を驚かせるような技巧を盛り込んだ楽曲が主流になったようです。

ドイツでは、マルチン・ルターの宗教改革によるプロテスタントが主流で、ルター以来聖歌を重視した結果、各教会にはオルガンが標準的に配備されることになります。音楽の伴奏には鍵盤楽器が多く使われるようになり、ピアノの発展・普及につながります。

では、フランスはというと、一番の立役者は「太陽王」、ヴェルサイユ宮殿を作ったルイ14世で(フランス革命により処刑された16世のおじいちゃん)、宮殿を文化発信基地として、芸術家を囲い込みました。「語り」と「踊り」というフランス独自の芸術表現を取り込んで、音楽そのものの技術よりも、人に伝わるイメージが重視されたところが、独特の雰囲気につながっているようです。

にわか勉強では、このくらいしか理解できませんが、あえて簡単に考えると、「陽気なイタリア、生真面目なドイツ、そして深遠なフランス」という具合に、同じバロック音楽と呼んでも地域によって大きく異なる展開をしました。

でもって、どれもそれなりに魅力があるわけですが、目下のところ一番興味を持って深堀しているのがイタリア・バロック音楽です。いろいろ探していて気がついてのは、イタリアの作曲家の名前がほぼイ行(i)で終わっているのが面白い。

モンテヴェルディ、ナルディーニ、タルティーニ、ロカッテリ、ロリ、ガッティ、ボッゲリーニ、アルビノーニ、ヴィバルディ、ヴィオッティ・・・まぁ、どうでもいいんですけど、日本で言えば苗字に使われる「木」とか「川」とか「藤」みたいなものなんでしょうか。

「悪魔のトリル」と呼ばれる有名なヴァイオリン・ソナタを作曲したジョゼッペ・タルティーニ(1692-1770)は、ヴィバルディと同世代で、ソナタもたくさん作曲しましたが、協奏曲も山ほど作りました。

自国の偉大なレガシーを系統的に発掘・記録する丁寧な仕事で、とても頼りになるDynamicレーベルからなんとCD29枚組という特大ボックスでの全集が出ています。むむむ、三楽章形式のヴァイオリン協奏曲が125曲という、ヴィヴァルディにも及びませんが相当力の入った仕事です。

演奏はL'arte Dell'arcoという古楽集団。探すと結構いろいろな演奏のCDを残していて、それなりに有名です。リーダーはヴァイオリンのGuglielmo親子で、その演奏は定評があります。この全集は10年以上かけて完成させたものですが、一貫して統一された雰囲気を持続させた労作です。

聞く方も、全部真面目に耳を傾けていたら疲れてしまいますので、行き帰りの車で少しずつ聞いていますが、毎日一瞬「おっ!」と思わせるところが出てくるから厄介です。

ヴィヴァルディと比べるのがわかりやすいと思いますが、思いっきり明るいヴィヴァルディに対してタルティーニは陰陽があります。また、旋律重視のところと、技巧重視のところが混在していて、全体にメリハリがあるように思います。

それにしても、もう2週間くらい、ずっとタルティーニを聞いていますが、まだ半分も終わってない・・・・

2023年3月13日月曜日

WBC2023 第4戦 オーストラリア戦


来たぁ~、出たぁ~!!

大谷のホームラン、ついに出ました。

昨日の1次リーグ最終戦。オーストラリアを相手に、1回表、いきなりノーアウト、1塁2塁。打った瞬間に入るとわかる物凄い打球が、ライトスタンドの自分の顔の看板めがけて飛んで行った!!

いやぁ、すごいなぁ。今までは海の向こうの話でしたが、今もテレビの中の話というのは同じですけど、自分が知っている東京ドームでのことだと思うと、その凄さが何倍にもなってきます。

期待されるというのは本人にとっては重圧のはずなんですが、その期待の上を行く結果を出す大谷という男は凄いを通り越して、もう尊敬するしかありません。

投げては天下の山本由伸です。コンパクトな投球フォームなのに、どこからこんなに多彩な投球ができるのか不思議。だからこそ、打者も打ちあぐねるわけでしょうけどね。

オーストラリアから着実に追加点を加えて、結果は7対1で勝利。日本は4連戦を全勝し、1次ラウンドのリーグ戦プールBを1位突破です。16日の木曜日、東京ドームで予定される準々決勝の気になる相手は、全チームが2勝2敗で並ぶ混戦となったプールAを失点率で抜け出し2位通過したイタリアです。

それにしても、チェコ戦に続いて昨日もヒットが出た村上ですが、どうも不振は相当重症でチャンスで結果が出せない。スタメンをはずせという意見もありますが、不振だからこそ4番を信じて使い続けるというのは栗山監督の決断です。なんとかきっかけを見出してもらいたいものです。

ガンバレ!! 侍JAPAN!!

2023年3月12日日曜日

WBC2023 第3戦 チェコ戦


連日の試合で、選手も疲れが出てくるかもしれませんが、見る方も大変。ゆっくりと結果を吟味している暇もありません。

昨夜の試合の相手はチェコ。

野球があまり浸透していないヨーロッパからの参戦で、野球を職業にしている人はいません。そういうところでは、敵と言えども頑張ってもらいたいなとは思います。言ってみればアマチュア・チームですが、中には大リーグ経験者もいるらしい。

日本の先発はロッテの佐々木朗希。21歳、最速165キロ、そして昨年最年少で完全試合を達成した、将来は球界を背負って立つだろう若者です。昨日は東日本大震災から12年目という日に当たりましたが、陸前高田の出身の佐々木は被災者の一人であり、父と祖父母を失っています。

さて、試合の方は・・・今夜も序盤はどうもぴりっとしない。佐々木は普通の調子だと思いますが、豪速球にうまくタイミングを合わせたヒットを打たれ、内野のエラーで相手に先制されてしまいました。

日本の攻撃はというと、先発した軟投型の投手に手こずり、大谷を含めてバッターはみんな待ちきれず打ちあぐねている。でも、さすがにトップクラスの選手たちですから、二巡目からは打ち崩し逆転、そのまま引き離し10対2で勝利し、三連勝です。

さて、そろそろ準々決勝ラウンドへの進出が気になってくる頃ですが、日本のいるプールBは、このまま行けば日本とオーストラリアで決まり。オーストラリアは、残る日本、チェコに負けて、韓国が残るチェコ、中国に勝つと両国とチェコが2勝2敗で並びますが、複雑な進出規定を韓国がクリアするのはかなり難しそうです。

さて、今夜もあります。1次ラウンド最後の試合相手はオーストラリアで、攻撃陣が好調ですからあなどれません。勝って全勝で次のラウンドへ行ってほしいものです。

ガンバレ!! 侍JAPAN!!

2023年3月11日土曜日

WBC2023 第2戦 韓国戦


連日の侍ジャパンの激闘に、応援する側としても力が入るというもの。

昨夜は1次ラウンドの韓国との対戦でした。過去の成績は、4勝4敗の五分。何かといろいろな因縁を話題にするメディアが多いのですが、選手からすれば目の前にある一つ一つの勝負を着実につかみ取っていくということかと。

日本の先発は、もはや大ベテランとなったダルビッシュ。往年の勢いが感じられませんが、ベテランの味で・・・と言いたいところですが、ちょっとお疲れ気味という感じ。3Rホームランを浴びて先制されてしまい、ちょっと不安な感じになりました。

ところが、それで目が覚めたのか攻撃陣が覚醒して、終わってみれば13対4の大差をつけての勝利。コールドゲームに追い込みそうになるという、おそらく韓国からすれば屈辱的な大敗です。

1次ラウンドはリーグ戦で、勝率が同じなら失点率、防御率、打率などの差で順位が決まって来るので、2次ラウンドに向けて日本はかなり有利な状況になりました。

サッカーと違って野球は連戦になるので、今夜はチェコと、そして日曜日はオーストラリアと試合が続きます。

それにしても、昨夜も長い試合でした。もう少してきぱきと進まないかなぁ。

ガンバレ!! 侍JAPAN!!

2023年3月10日金曜日

WBC2023 開幕戦 中国戦


いよいよ開幕しました、白黒カラー・・・じゃなくて、World Baseball Classic 2023。

今回の日本チーム、侍JAPANの目玉は、何と言っても大リーグからかけつけたダルビッシュと大谷の二人。そして、最年少三冠王の村上ら国内組オールスターズの爆発力が見所。

短期決戦で、初めての投手との連戦は高校野球みたいなものですが、データ野球を基本としているプロにとっては難しいところかもしれません。

侍JAPANの初戦は中国。先発は大谷。同じテレビで見ているにもかかわらず、遠いアメリカでの映像と、すぐそこの東京ドームからのものでは雰囲気がまったく違うものです。

圧倒存在感というのが、画面からあふれ出てくる感じは、まさにスーパースターだなと思います。ピッチャー大谷は、ほぼ完璧でした。バッター大谷も、ホームランこそ無い物のさすがの活躍でした。

前半は、緊張からかストライクが入らない中国の若い投手に対して、何とももやもやする攻撃が続き、何度もある満塁での残塁の山にちょっと盛り上がれませんでした。

後半、やっと目が覚めた侍。終わってみれば8対1。まぁ、結果オーライということで良しとしますが、それにしても長い試合でした。

今日は続けてダルビッシュ先発の韓国戦です。

ガンバレ!! 侍JAPAN!!

2023年3月9日木曜日

A.Netrebko, M.Pizzolato, A.Pappano / Pergolegi Stabat Mater (2010)

ジョバンニ・バッティスタ・ペルゴレージは、イタリア・バロック最後期の作曲家。1710年生まれで、ナポリで頭角を現します。23歳でオペラ「奥様女中」が大評判となりますが、結核のため26歳の若さで亡くなったため、遺された作品は多くはありません。

しかし、死後にバロックから古典派音楽への転換に大きく影響を残した作曲家として大きく評価されることになり、特に最後の作品となった「スターバト・マーテル」は、最も優れたものとして人気があります。

13世紀にキリスト教カトリックで作られた聖歌である「スターバト・マーテル」は、聖母マリアが磔刑に処されたイエスを悲しむ内容のもので、9月15日の聖母マリアの記念日に歌われる習慣があります。

多くの作曲家が、この歌詞を基に新たな音楽を作っていて、ペルゴレージ以外ではヴィヴァルディ、ハイドン、ロッシーニ、ドヴォルザークのものなどが有名です。しかし、ペルゴレージの「スターバト・マーテル」は、その中で最も高く評価されていることは間違いない。

12曲から構成され、演奏時間は35~40分程度。歌手は、ソプラノとアルトによるの女性二重唱です。ただし、アルトのかわりにメゾ・ソプラノ、コントラ・アルトが登用されることもありますし、男性のカウンター・テナーが歌うのも珍しくありません。

古楽演奏が盛んになる前の、この曲の定番のレコードはクラウディオ・アバド盤でした。1983年の録音で、ロンドン交響楽団から小編成で伴奏を行い、ソプラノはマーガレット・マーシャル、アルトはルチア・ヴァレンティーニ・テッラーニ。

アバドは、後に何と古楽器編成で再び再録音をしていて、優雅さよりも奥行きを増しているように思います。自分としては新録音の方が好みですが、いずれも素晴らしい演奏であることにかわりはありません(ちなみにアバドは1979年のライブDVDもあり)。

ただし、ここで紹介するのは現代オペラ界最大の人気を誇る歌姫、アンナ・ネトレプコが歌うもの。ネトレプコにとっては初めての宗教曲であり、オペラでの情緒的な歌唱を封印して、ビブラートをおさえた中で、聖母マリアの悲しみを歌い上げるのはさすが。

ただ、ネトレプコありきの企画なので、アルトのマリアンナ・ピッツォラート、指揮のアントニオ・パッパーノがちょっと弱い感じなのが残念かもしれません。2010年7月、バーデン=バーデンにおけるオペラ・ガラでのライブで、この模様はビデオとしても見ることが出来ます。

内容としては、歌手の感情表現が強すぎるとの否定的意見も多く、必ずしも「名盤」とは言いにくいのですが、聖母としてよりも母親として悲しみを率直に表現するという意味では悪くありません。


2023年3月8日水曜日

G.Carmignola, C.Abbado / Mozart Violin Concertos (2007)

例えば、武満徹の音楽を聴くなら日本人の演奏で聞きたい。というのは、世界中に優れた演奏はたくさんあるわけで、何も日本人の演奏がことさら秀でているわけではありません。ただ、日本人のなら、最も武満の音楽を理解できるはずという願望みたいなところでしょうか。

同じ理由で、イタリア・バロックならできればイタリア人の演奏で、ドイツ・バロックならドイツ人の演奏でというのは、絶対的な条件ではありませんが、それがあるならそっちを選択というくらいのもの。

できるだけ作曲者の生きた時代の楽器と演奏法で音楽を再現するという、古楽の考え方にちょっと似ている感覚です。もっとも自分の古楽の先生はJ.E.ガーディナーで、この方はイギリス人ですけどね。

そこで、御年72歳となるジュリアーノ・カルミニョーラは、イタリア・バロックを聞く上ではヴァイオリン奏者として重視したくなる。イタリア人だということもありますが、ベルリン・フィル勇退後のクラウディオ・アバドとのコラボレーションがけっこうあるというのも理由の一つ。

アバドもイタリア人で、自分にとってはアバド抜きでマーラーを聞くことができません。一方で、アバドは、自ら育てた若手や、アバドのもとに一緒に演奏したいと世界中から集まったベテランと共に、古楽系(に近い)の演奏を行うモーツァルト管弦楽団というのも組織しています。

ルツェルン祝祭管弦楽団とメンバーは被りますが、とにかくどちらも音楽を演奏することが楽しくてしょうがないという雰囲気の中で、アバドの中心に常設の楽団に負けないエネルギーを感じられるところが気に入っています。

モーツァルト管弦楽団の準レギュラーのようなソロイストとして、カルミニョーラはしばしば登場するわけで、バッハのブランデンブルグ協奏曲とともに音源が残されたのが、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲集です。バッハもモーツァルトもイタリア人じゃありませんけど・・・

実はカルミニョーラは、1997年にも全曲録音をイタリアのレコード会社に行っていて、その後Brilliantレーベルから登場した廉価版がクラシックとしては大ヒットしていました。地元の仲間とリラックスした伸びやかな演奏は、モーツァルトの楽しさを倍増させていました。

アバドとの演奏はというと・・・モーツァルトがより大人になったという印象。小難しなったわけではなく、余裕をもって音符をいじっているというところが、安心して聴けるところ。たぶん、どちらも人によって好き好きなんですが、自分は円熟の演奏を選択したい感じです。

2023年3月7日火曜日

キケン


通りすがり・・・シリーズではないんですが、通勤の途中でひと際目を引くのがこれ。

キケン!!

否が応にも、何だろうと見やってしまいます。いかにも、素人が即席で紙を貼りだした感じ。

ちょうど、信号待ちでけっこう長く停車していることが多い場所なので、なおさら観察してしまいます。

正面から見るとこんな感じ。


なるほど玄関脇のブロック塀が、倒壊したというわけですね。

でも、これ、もう2週間くらいほったらかしになっているんですよね。

どうするつもりなんでしょうか。

というより、この家の人、出入りはどうしているんでしょうか。どうでもいいけど、気になるなぁ。

2023年3月6日月曜日

春近し


暦の上では、とっくに春なんですよね。

実際の体感としては、まだまだ風も冷たかったりして、晩冬という感じ。それでも、日差しだけなら暖かいということもある。

3月から4月の間は三寒四温の時期。寒い暖かいを繰り返しながら、しだいにしっかりと春になる。三月が寒くて、四月が温かいという意味だとボケてる場合じゃない。

今は梅が満開の頃か、少し満開を過ぎたぐらいだと思いますが、近くを流れている早渕川の川沿いにやたらと派手に咲き誇った樹木が植わっています。

梅にしては派手。ソメイヨシノよりも開花時期がはやいのは山桜ですが、それにしては赤味が強く樹高も高くない。となると、残ったのは桃でしょうか。

車通勤の通りすがりで、もう何年も見ている光景なんですが、ゆっくり観察したことがありません。何とももったいないことだと、また今年も思ったわけです。

2023年3月5日日曜日

Musica Amphion / Corelli Complete Edition (2004)

17世紀前半をイタリア・バロック音楽の前期とするなら、17世紀後半が中期となり、その時代を代表する作曲家としてあげられるのはアルカンジェロ・コレッリです。

1653年にイタリア北部で生まれ、13歳でボローニャに出て音楽家としての下地を作りました。ヴァイオリン奏者として実力がつくと、19歳でパリ、22歳でローマ、28歳でドイツ・バイエルンと各地を転々として、ヨーロッパにおいて名が知られるようになりました。

1681年に最初の作品を出版し、器楽曲作曲家としても名声を得ます。32歳からはローマで、後に教皇となる枢機卿の庇護を受け悠々自適の生活を送り、1713年に59歳で亡くなりました。

出版されたのは、すべて複数楽章の12曲からなるトリオ・ソナタ作品1から4まででと、同様形式のヴァイオリン・ソナタ作品5、合奏協奏曲作品6と、死後に見つかった数曲だけしかありません。

多くの作品は作曲者自身によって破棄されたと考えられていますが、バロック前期のよりもメロディを強く意識した曲作りであり、この後に活躍する音楽家に多大な影響を与えました。コレッリは、ヴァイオリンの曲芸的な演奏は否定的だったようで、そういう意味でも当時のヴァイオリン教育の場て大いに使われたことも関係しています。

特に有名なのはトリオ・ソナタ作品5と合奏協奏曲作品6の2つですが、CDを探すとほとんどこれだけになってしまいます。全部まとめてもCD10枚程度なので、ここは廉価版レーベルで有名なBrilliantレーベルの全曲集ボックスがお勧めです。

廉価版と言っても、素人同然の知られていない演奏者が出てくるわけではなく、ちゃんとした他のレコード会社の演奏をライセンスを受けているものなので心配ありません。

ただし、ここでは、オランダの古楽鍵盤奏者として有名なピーター=ヤン・ベルダーが率いるムジカ・アンフィオンがこのCD全集のために演奏しており、中心となるヴァイオリン独奏はレミー・ボーデと山縣さゆりで、チェロにはヤープ・テル・リンデンが名を連ねています。


2023年3月4日土曜日

John E.Gardiner / Monteverdi Vespro Della Beata Vergine (1989)

クラシック音楽の中で、そもそも「バロック (baroque, barock)」って何・・・

何となくイタリアならヴィヴァルディ、ドイツならJ.S.バッハの音楽がバロック・・・くらいにしか考えていませんでしたが、実はこのあたりはバロック音楽という時代区分で言えば末期。

16世紀のルネッサンス音楽から、バロック音楽と呼び方が変わるのは17世紀初頭の劇音楽の登場(劇音楽は今で言うオペラ)。J.S.バッハの死(1750年)と共に終焉し、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンらが活躍する古典派音楽の時代に移ります。

初期バロックはキリスト教カトリックの総本山があるイタリアが中心で、特にもヴェネチアは音楽形式熟成の拠点でした。現在、その中で最も重視される作曲家の一人がクラウディオ・モンテヴェルディです。

1567年に生まれたモンテヴェルディは、マントヴァの宮廷楽長として仕え、膨大なマドリガーレを作曲しました。これは、感情表現を取り入れた無伴奏か、数人規模の伴奏を伴う歌曲で、今で言うポップスみたいなもの。また1607年には自身最初のオペラである「オルフェオ」を世に送り出しています。

一方で、宗教曲も積極的に作曲していて、この「聖母マリアの夕べの祈り」は最も有名で、バロック音楽を演奏する集団、特に古楽系の楽団で録音を残していないところを見つけるのが難しいくらい必須の曲になっています。

 カトリック教会での聖務日課の一部である晩課が元になっていて、独唱と合唱、当時としては大人数の器楽演奏者を必要とする大規模な物で、時間も90分程度かかります。実際の教会の中では、すべてを演奏するのは大変なので、必要に応じて部分的に演奏されたと考えられています。

ジョン・エリオット・ガーディナーは、ケンブリッジ大学在学中の1964年にモンテヴェルディの名を冠した合唱団を結成しました。これは、まさに「聖母マリアの夕べの祈り」を歌いたいがためといわれています。

ガーディナーの目標は10年後に実現し、今もCDが発売されていますが、何と言ってもこの曲の名盤とされのは合唱団結成25周年として行われた1989年の録音で、ビデオも作られています。

個人的には、数年前に新たに演奏された盤が、音質・画質とも最高で、全体的に円熟の味わいを感じられるので気に入っています。







2023年3月3日金曜日

Luca Fanfoni / Lolli Violin Concertos (2006)

アントニオ・ロッリの作曲による、今度はヴァイオリン協奏曲集です。

番号付き9曲と番号無し1曲の全10曲の「Complete」と銘打ったCD枚組のアルバムで、独奏者はソナタ集と同じルカ・ファンフォーニ。演奏はレアル・コンセルトで、ブックレットの記載を見るとほぼ全員楽器はモダンで、ファンフォーにだけ18世紀初頭の古楽器を曲によって使い分けているようです。

すべての曲が長調の3楽章構成で、急-緩-急のパターンですから、イタリア・バロックのフォーマットとしては普通というところ。とは言え、ヴァイオリンのソロ・パートが多めで、ヴィヴァルディりも曲想も色とりどりという感じがします。

聞きやすい安心感はヴィヴァルディが勝りそうですが、ヴァイオリンの名手と言われたロッリですから、いかにヴァイオリンで聴衆を唸らせるかを実作に生かしたというところなのか、実際にヴァイオリンを弾く方だったら凄い演奏と思ってくれるかもしれません。

こうやっていろいろ聞いてみると、どれも似ていると言われればその通りなんですが、やはり作曲者ごとの個性は感じられます。ただ、ヴィヴァルディが一番現代でも有名なのは、やはり耳に残るメロディをうまく配置するのが一番うまいということなのかなと思います。

2023年3月2日木曜日

自宅居酒屋 #56 じゃがいも炒め


簡単、時短、そして肴になるメニューを紹介するのが、自宅居酒屋シリーズの趣旨なんですが、これはご飯にも合うし、昔はこどもの弁当にもよく入れていた、我が家の定番の一つ。

材料
じゃがいも げんこつ大 1個
たまねぎ 中くらい 1個
たらこ 普通サイズ 1腹
バター できれば無塩 20g程度

無塩バターが無い場合は、たらこは味を見ながら入れるのが良いと思います。これでけっこうな量になりますので、じゃがいもの大きさによって調節してください。

多少めんどうなのは、じゃがいもの皮むきと千切りにするところ。たぶん調理時間の大半はここで消費してしまいます。

たまねぎはじゃがいもに合わせて、切る厚さは適当に。

フライパンにバターを入れ溶かしたら、じゃがいもとたまねきを投入して炒めます。数分したら、ほぐしたたらこを入れて軽く火を通しつつ混ぜ合わせるだけ。

じゃがいもは少し芯が残っているかなくらいが、シャキシャキ感もあって美味しいと思いますが、そのあたりは人それぞれのお好みでどうぞ。

バリエーションとしては、たらこの代わりにコンビーフとか、細かく切ったベーコンなども美味しくできます。

2023年3月1日水曜日

Claudio Scimone / Albinoni 12 Concerti Op.10 (1979)

第二次世界大戦末期、1945年2月に連合国軍はドイツ東部の都市、ドレスデンへ大規模な空襲を行いました。この爆撃によって街のほとんどが破壊され、多くの市民が亡くっています。

この空襲によって失われたものの中に、国立図書館が所有していた多くのアルビノーニの直筆楽譜もありました。それでも、多くのアルビノーニの音楽を復元演奏している音楽家がいるわけで、クラウディオ・シモーネもその一人。

1934年生まれで、N.アーノンクールよりちょっと若く、J.E.ガーディナーよりは10歳くらい年上。1959年にイタリア・バロックを専門に演奏するイ・ソリスティ・ヴェネティを結成し活躍しました。イ・ソリスティ・ヴェネティは、イ・ムジチ合奏団と同じように、古楽系ではありません。シモーネは、学生教育にも力を注ぎ、2018年に亡くなっています。

アルビノーニの音楽は、ERATOレーベルにまとまった録音を残していますが、12曲でまとめてある協奏曲集である作品2、5、6、7、9、10などを聞くことができます。主役はヴァイオリンと一部がオーボエ。

ヴィヴァルディでも言えることですが、イタリア・バロックは基本的に宮廷音楽なので、明るくじめじめしていない。長々と演奏して国王を飽きさせたりしません。そして、ところどころで超絶技巧を聞かせて拍手喝采してもらうというのはお約束。

アルビノーニの音楽もヴィヴァルディと同時代の同じ空気を吸っていた人ですから、全般的にはどれも似たような雰囲気の急・緩・急の三楽章もので、それが12曲でひとまとめになっているので、第何番を聞いているのかよくわからなくなってしまいます。

ヴィヴァルディと比べてもしょうがないとは思いますが、あえて言うなら、やや音楽的。ヴィヴァルディほど忙しくはなかったのか、多少アンサンブルとしての完成度は上のような感じがします。その分、サーカス的なヴァイオリンはおとなしめ。

イ・ソリスティ・ヴェネティ創立時から、ヴァイオリンのコンサート・マスターを務めるのはピエロ・トーゾという人。多くの曲でソロを聞かせてくれますが、曲のせいか華々しくはないのですが、堅実で美しい響きは悪くありません。

そんな中で、作品10をここに選んだのは、12曲中3曲でヴァイオリン独奏がジュリアーノ・カルミニョーラだから。まだ若き28歳のカルミニョーラが、古楽に目覚める前の数少ない演奏が聴くことができます。

さすがに、すでにイタリア・バロックの重鎮となっていたシモーネの元での演奏ですから、好き勝手はできないようで、カルミニョーラのイメージからするとかなり型通りの安全運転の演奏です。