2024年2月29日木曜日

セブンのおにぎり 28


次から次へと登場するセブン・イレブンのおにぎり。

今回は、「たけのこ炊込みご飯」と「旨辛野沢菜」の2つ。

たけのこ炊込みご飯は、たけのこが旬になるにはちょっと早いように思いますが、たぶん毎年この時期限定で登場していたように思います。

見た目にも、実際にもシンプルです。真ん中にたけのこがまとまって入っているのですが、正直に言うとあまりたけのこの香りとかはしません。味付もかなり薄めで、何とかたけのこの味を目立たせようとしている感じがします。

旨辛野沢菜は、高菜漬のかわりに野沢菜を使ったような感じ。

・・・なんですが、高菜よりも味の主張が弱い。野沢菜より旨辛の部分だけが目立つように思います。

特段に美味しいわけでもなく、だからと言って二度と食べたくないというほどでもない、いわゆる可もなく不可もなくレベルだと思います。

2024年2月28日水曜日

PHEVへの道 45 あらためて何故PHEVなのか?


プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)を買うことにして、あらためていろいろ勉強しています。そこで、今、PHEVを使う意味というものを考えるようになりました。

いわゆる新しい物好きの一人として、本来なら電気自動車(BEV)を使ってみたいというのが・・・たぶん本音。それも、何か時代の先端を行っているような感じだからという単純な理由だと思います。

しかし、現実を見ると、自分の生活環境の中では日常的にBEVを使う「不便さ」が付きまとうことは間違いなく、となるとPHEVが現実的な選択ということになったというところ。

ところが、だんだん話が大きくなって、地球温暖化問題に対する一つの回答としての意義を考えざるをえなくなってきました。今、毎日車を使う自分にできることの一つとして、少しでもCO2排出量を減らすことは重要なことです。

ただ、自分を含めてBEVに簡単に飛びつかないというのは何故か。結局、現時点では自動車として走るための燃料が、ガソリンか電気かだけの違いであって、走るという結果が同じなら面倒臭いのは避けたいよねということなんですね。

自動車評論家の人が、何台も乗り比べをしてここが良い、ここが悪いと情報を発信してくれるのですが、一般人にとっては「その一台」がすべてです。一度に何台も所有できるわけではないので、その一台に魅力を感じて高い金額をつぎ込むだけの価値を見出せるかということが重要です。

現状でいろいろ調べてみたら、BEVは確かに実用的になっています。走ることについて、今までの自動車と遜色がない性能を持っていることは否定しません。否定しませんが、それ以上でもない。自動運転は、BEV以外でもどんどん進化していて、BEVに特化したものではありません。

BEVは低速からの加速性が素晴らしいと言われても、ほとんどのドライバーにとってはそこらじゅうでブンブン走り回れるわけではありません。特に燃費が重視されるようになって、発進時の急加速はほとんどしないという運転に慣らされています。

BEVなら走行時のCO2排出はゼロですが、大きなバッテリーを作るのにより大きな環境負荷をかけていたり、より多くの電気を使うことでもCO2削減にマイナスの面も多々あることを知りました。

そうなると、BEVを選ぶには車としてのより大きな魅力が必要になります。固定電話が普通だったのが携帯電話に取って代わったのは、持ち運べると言う新しい大きな魅力があったからですし、携帯電話がスマートホンになったのも手軽にインターネットを使えるという革新的な進化があったからです。

BEVなら災害時に給電設備として役立つというのはガソリン車には無い新しい性能ですが、差し当たって毎日災害に遭遇するわけではないので、あくまでも非常時の利点。日常的に感じられる、BEVならではの新しい「何か」がまだまだ見えてこない。

自分にとっては、トヨタの全方位戦略が正しいか間違っているのかはわかりませんし、PHEVの選択が現状で正解なのかも確信があるわけではない。でも、あらためて考えてみると、車の性能として、選んだプリウスの最上級グレードという位置づけですから、エクステリア、インテリアに限らず、走ることが少しでも楽しくなりそうな期待みたいなものが、少なくともHEVタイプよりもたくさんあることは購入理由として確実にあるなと思いました。

今度、車を買い替えるのはおそらく早くても5年後。その時までには、BEVでしか味わえない決定的な魅力が付加されていることを強く希望するし、ガソリンスタンドに代わるインフラの充実を期待したいと思います。

2024年2月27日火曜日

PHEVへの道 44 トランスミッション


今は大多数の車がオートマチック車になっているので、一番なじみのあるシフト・レバーの表示は「P・R・N・D・B」だと思います。Bの代わりにSというのもあるし、一昔前だとBではなく「2・L」となっていたり、「OD (Over Drive)」というのが追加されていたのもありました。

ちなみにPはパーキング、Rはリバース(後退)、Nはニュートラル、Dはドライブ(前進)、Bはブレーキ。2はセカンド、1は発進用のロー・ギアの意味、ODは高速用のシフト位置ということでした。

動力を回転軸に伝える変速機(トランスミッション、あるいはギア・ボックス)は、さまざまな歯車(ギア)を組み合わせて、最適な速度とトルクを調整する仕組みです。このギアの組み合わせを指定するためのスイッチとなるのがシフト・レバーです。

マニュアル・トランスミッション(MT)は、ドライバーが噛み合うギア比を自分で決める仕組みで、通常4段か5段から選択します。発進時に使う1速では低速でも大きなトルクが得られるようにより大きなギアと噛み合い(その分パワーが必要)、速度が上がるとより小さいギアとの噛み合いに変えていきます。噛み合うギアを変えるときに、一度動力伝達を切るための仕組みがクラッチで、マニュアル車ではアクセル・ブレーキとクラッチの3ペダル操作が必要になります。

このシフト・チェンジを自動化してクラッチペダルが無いのがオートマチック車で、クラッチを無くすために用いられているのがオートマチック・トランスミッションです。減速比を段階的に切り替えるのが有段自動変速機(ステップAT)、連続的に変化させるのが無段自動変速機(CVT)。ステップATにはいくつかの種類がありますが、現在主流はCVTです。

CVTにも細かい分類があるのですが、基本原理は二つのギアの代わりに2つの円盤状のプーリーをベルトでつなぎます。プーリーは可変径になっていることで回転比を無段階で変化させるというもの。

CVTはMTに比べると、変速比幅が狭くなりやすく、エンジン・ブレーキの効きが弱くなる、アクセルを踏んだ時のレスポンスが遅れる、エンジンの回転数が上がっても思ったほど速度が出ない、わずかなアクセル変化でプーリー径が変化して速度が安定しにくいなどの欠点がありましたが、電子制御などの様々な最新技術によって今では安定したシステムに熟成しました。

運転技術にもよりますが、同じパワートレインの場合、AT車よりもMT車の方が一般には燃費は良いとされています。とは言っても、燃費重視で高いシフト位置にこだわりすぎるとエンジンの負荷が大きくなり危険ですし、そもそもハイブリッド車がありません。最近のCVTは大変進歩していて、MT車より格段と燃費向上に寄与します。これは速度に応じた細かい調整が得意だからです。

BEVの場合は? 実はモーターはトランスミッションが必要ありません。低速でもリニアにトルクが出せるためです。そういう意味でも、複雑な仕組みがいらないためBEVは作りやすいと言えます。ただし、モーターの駆動力を直接伝えると理論上とんでもないスピードが出てしまうので、一般にはリダクションギアと呼ばれる減速トランスミッションが装備されています。

2024年2月26日月曜日

PHEVへの道 43 充電用コンセント工事


自動車の充電のための専用コンセントの設置工事が終了しました(車は・・・まだ無い)。

すでに書いたように、PHEVの自宅充電用ですから、200V・16Aの3.2kWの仕様でいいだろうということで、コンセント・ボックスのみの設置です。この手の商品としては、もっともスタンダードと言えそうなPanasonicのWK4422という、簡易ロック付きカバーのあるものです。

カバー無しだとWK4322というのが4000円前後ですが、カバー付きは12000円程度します。しかし、コンセントが抜け落ちる心配が減るのと、いたずら防止的な意味合いで安心です。

工事は屋内の配電盤から専用のブレーカーを追加して、16A用の電源コードは壁に小さな穴をあけて外壁面に出し駐車場まで延びています。屋外部分はすべて保護管の中を通してあるので、防水・防塵・腐食などの心配が少ない施工です。二人で作業して約4時間程度で完了しました。先に用意していた充電ケーブルをかけるフックとソケットも、ついでに設置してくれました。

近所の6kW充電器を設置したBEVを使う家の方に尋ねたら、JMという会社でやってもらったとのことでした。40万円近くかかったそうです。さすがに3kWはそこまで高くはないけど。信頼はできても安くはなさそう。

うちが工事をお願いしたのは東京・品川にあるEVステーションプロ(ワイズネット)という会社です。ネットを探すと4万円からという安価な業者もありますが、やはり安いのは心配。この会社は、コンセント代込みの基本工事の範囲で済めば8万円くらいとなっていましたが、うちの場合駐車場までの距離が結構あって追加のケーブル類が必要になるため11万円でした。やや割高とは思いますが、対応はしっかりしていますし作業も丁寧でした。

もしも6kW充電をしたい場合は、30A対応の電源コードを通し直して、専用のスイッチの設置なども必要になり、また充電器も10~20万円程度します。全部で30万円程度はかかると思います。PHEVではなくBEVの場合は搭載電池容量が増えるので6kWが欲しくなりますが、積極的に充電ステーションでの急速充電を使えばいいので、その時はその時で考えることにします。

2024年2月25日日曜日

セブンのおにぎり 27


今回のおにぎりは、「みらいデリ」シリーズのひとつ。

みらいデリは「For the future、未来のためにつなぐおいしさ。」というコンセプトでセブンイレブンが展開しているコンセプト。いわゆるSDGsの一環として、「持続可能な社会を目指した食材で、とっておきのおいしさにこだわりました。」ということ。

商品名は「直火焼きつくね」です。一般的につくねと言えば、鶏肉を挽いてボール状にしたものですが、これはおにぎりの大きさにあわせて厚さ5mm程度に平たく成形してあります。

まずは先入観なしに一口、パクっ。

普通だ。予想通りの味。予想通りの食感。何の違和感もなく、普通に美味しい。肉の合間にれんこんの食感が混ざっているところもアクセントになっています。

原材料名をチェックしてみると、つくね焼き (鶏肉、玉葱、れんこん、植物油脂、小麦粉、大豆加工品、澱粉加工品、ワイン、チキン風味調味料、塩、その他)、唐辛子入りマヨネーズソース、醤油たれ・・・などなどとなっています。

肉の全部が大豆じゃないようです。鶏肉は使われている。全部大豆だったら感動物なんですが、電気自動車じゃなくてハイブリッド車みたいなもの。もっとも、大豆ミートに苦手意識や懐疑心を持っている人にはすんなり口に入れられそうな感じです。

隠し味としてか、ワインも使われているというのはちょっとびっくり。当然、それらしい味はまったく判別できませんけどね。



2024年2月24日土曜日

PHEVへの道 42 サスペンション


ドラマや映画でサスペンスと言えば、宙ぶらりんの状態でどっちに転ぶかハラハラさせること。ズボンにつけるのはサスペンダー。自動車ではサスペンションと呼ばれ、車体とタイヤを連結する部分で、車体の安定化を図り乗り心地を決定づける要素の一つ。

最初のサスペンションは板ばねだけの単純なものでしたが、現代の車では基本的な構造はタイヤを支えるアーム、ばね、ショックアブソーバー(ダンパー)の3つのパーツ。大きく2つに分類され、左右のタイヤを別々に動作させるのは独立懸架で、主として前輪に採用され、路面の変化に対応しやすくなります。より構造を単純化して、タイヤをつなぐ車軸に動作させるのが車軸懸架です。

サスペンションの方式は、独立懸架では部品の数や組み立て方によって、ダブル・ウィッシュボーン式、マクファーソン・ストラット式、マルチリンク式、車軸懸架ではトーションビーム式(厳密には可撓梁式)などがよく使われます。

前輪に対しては、マクファーソン・ストラット式が採用されることが多いのですが、高級車ではマルチリンクがよく使われます。後輪に対してはいろいろですが、トーションビーム式は安価なのですが、高級車になるとマルチリンク式やダブル・ウィッシュボーン式が使われます。

例えばトヨタのコンパクトカーであるヤリスは前輪はマクファーソン・ストラット式、後輪はトーションビーム式です。スポーツ版のGRヤリスは後輪がダブル・ウィッシュボーン式に変更されています。クラウン・セダンになると前後輪すべてマルチリンク式が採用されています。

サスペンションで具体的には何を調整しているかと言えば、衝撃の吸収とタイヤの位置です。タイヤの先端が車体の軸に対して内寄りに向いているのがトーイン、外向きがトーアウト。前輪は直進安定性が高まるトーイン、後輪はトーゼロが標準的。

正面から車を見て、タイヤの上端が内側に倒れているのがネガティブキャンパ、外側だとポジティブキャンパ。横から見てタイヤの回転軸の傾きがキャスタ角とよばれ、これら3つの角度の規定することで安定した走行性と様々な乗り心地を作っています。

さらに最新の車ではショックアブソーバーの減衰力を電子制御することで、細かな調整が可能なアクティブ・サスペンションも採用されることが多くなってきています。

一般に足回りが柔らかい、つまり走行中の衝撃が少なく上下左右に振られない方が乗り心地は良く高級車で求められる性質ですが、スポーツ性重視の場合には足回りが固い方がドライバーの操作に対する反応がわかりやすい。

サスペンションの違いが燃費に影響するか、という疑問は当然出てくるのですが、結論を言えばほぼ関係しないというのが正解らしい。サスペンションの変更はよく行われるカスタマイズですが、どちらかというと車高を下げたりネガティブキャンパを強くしたりと趣味嗜好に走って行う場合がほとんどのようです。

2024年2月23日金曜日

PHEVへの道 41 ステアリング


自動車を走らせるために大事な仕組みの一つがハンドルで、これを回すことで右に曲がったり左に曲がったりできます。ハンドルという呼び名は古典的で、本来はバイクや自転車のような棒状になって左右に振ることで進行方向を決める装置の事です。

自動車に一般的な備わっているのはリング状で、時計回りで右、反時計回りで左に向くわけで、このような円形の装置はステアリング(ステアリング・ホイール)と呼ぶのが正しい。また、どんな乗り物でも操舵装置のことはステアリングと呼ぶことができます。

ドライバーがステアリング・ホイールを回転させると、中心にあるシャフトの先端にあるギアが回転します。回転する歯車の動きを左右の移動という直線的な動きに変換する仕組みが「ラック・アンド・ピニオン」と呼ばれるもので、自動車の諸元を見ていると必ず目にする用語です。

ラック・アンド・ピニオンは回転する歯車(ピニオン)のギザギザと同じ間隔のギザギザがついた棒(ラック)が嚙み合って棒を左右に動かすもの。パワー・ステアリングの普及により操作性が安定しかつ安価なので、現在の自動車はほぼすべてこの仕組みになっています。以前は「ボールナット方式」と呼ばれるボールベアリング機構が主流でしたが、現在ではスズキのジムニーやシエラなどに採用されています。

左右に動くラックの力はナックル・アームを介して駆動輪に伝わりタイヤが向きを変えます。この時用いられている理論が「アッカーマン・ジャントー機構」と呼ばれるもので、タイヤの回転軸の延長戦が曲がる方向の回転中心を通るというもの。回転中心から見ると、タイヤの位置が左右で異なるので、タイヤが同じ角度で動くと回転中心がずれてしまいスムースに曲がれません。曲がりたい側のタイヤの方が、より大きい角度がつくことが求められます。

ステアリングを切ったとき、速度が速いほど遠心力により後輪が外側に振られて曲がる角度が強くなることをオーバーステアと言います。当然スリップしてスピンしやすくなるため、より高度な運転技術が必要となります。逆に曲がりが足りない場合をアンダーステアと呼び、車体がコーナーに対して「膨らむ」ため、より前輪の角度をつけるためにスピードを落とす必要があります。

よく自動車評論家の方々が運転して「ステアリングフィールがどうたらこうたら」と言っていますが、これはステアリングを回した時の操作感全般を含んだ言葉であって、ステアリングの重さや切った時の効き具合などを含めた主観的な評価です。

ステアリング操作も、燃費と無関係ではありません。無駄なステアリング操作や曲がっている途中でのブレーキ操作は、タイヤに負荷をかけることになります。一般に曲がる時「アウト・イン・アウト」と言われるのは、カーブに対して外側から入り中心では内側、そしてカーブを抜けるときは外側に車体を持っていく操作のことで、ステアリングの切れ角が少なく、遠心力も減らせて、タイヤへの負担も軽減でき燃費向上にも寄与します。

また、2000年以降は標準化されたパワーステアリングも、当初は油圧式でポンプを回し続けていましたが、現在は電動式となり燃費向上に役立っています。そうそう、昔のパワステが無かった車では「よいしょっ! よいしょっ!」といってハンドルを回していましたね。

2024年2月22日木曜日

PHEVへの道 40 売れ筋の車


2023年の1年間で販売された新車は478万台。軽自動車を除くと217万台です。月毎の国内新車販売台数ランキングで、ベスト10圏内に入った車を列挙してみました。()内の数字はランクインした月です。ヤリスやカローラは派生車種も含めての集計で、全部で15車種ありました。これらの販売台数は合計145万台で、2/3を占めています。

ヤリス(1~12) 年間1位
カローラ(1~12) 年間2位
シエンタ(1~12) 年間3位
ノート(1~4、6~12) 年間4位
ルーミー(1~5、8~12) 年間5位
アクア(1~3、5~7、9、11) 年間9位
ヴォクシー(1~10) 年間8位
ノア(1~11) 年間7位
フリード(1、3、6、7、12) 年間10位
アルファード(1) 年間17位
プリウス(2、4~12) 年間6位
ハリアー(2~5) 年間12位
セレナ(4~12) 年間11位
ライズ(8、12) 年間13位
ヴェゼル(10~12) 年間14位

トヨタのヤリス、カローラ、シエンタは年間通してベスト10に入り続けた(しかも、ほぼベスト3)のはさすがとしかいいようがない。基本的に、日本での車の需要を端的に表していると言えます。

つまり、200~300万円程度で購入できる大きすぎない自動車が最も売れるということ。この数年はSUVブームと言われますが、ランクインしたのはハリアー、ライズ、ヴェゼルだけで、さらに言えば本当の意味でSUVらしいのはハリアーだけです。ただし、年間のランキングで、11~50位の中の半分はSUVでした。

セダン不人気ということもいわれていて、確かにこの中には純粋なセダンはありません。カローラ・ファミリーのセダンがごく少数、後は一応プリウスも扱いはセダンになっているかもしれません。下位まで見ると年間50位にかろうじてカムリが登場するだけです(20位にクラウンが入りましたが、クロスオーバーとスポーツ)。

ワンボックスカーは相変わらず人気で、トヨタなら普及版のノア/ヴォクシーと高級版のアルファード(ヴェルファイヤー)、日産のセレナ、ホンダのフリードあたりはファミリー層のニーズあるものと思います。日産のドル箱はノートですが、不思議なことに5月だけベスト10から落ちていましたが原因は不明です。ホンダはフリードとヴェゼルが入りましたが、順位は不安定です。

PHEVはプリウスとハリアーにあるものの、販売台数からすれば微々たるものと思われるし、当然BEVもランク外になります。あらためて日本ではHEVの車種が豊富で、現実的な選択肢として選びやすいということを実感します。

ここで問題は、最近の新車購入時の納期遅延問題。各社、納期が長くなる傾向があり、例えば次の車検に合わせて買い替えたいと思ってもも、なかなか思惑通りに事が進みません。さらにトヨタの場合、ダイハツ、豊田織機と相次いだ不正問題が絡むので話は複雑になります。

ランクインしているルーミーとライズはダイハツが生産してるため、受注停止・出荷停止となっています。1~1.2Lのコンパクトバンという位置づけで、個人でも商用でも使い勝手が良く人気でした。買えなくなって困っている方は、若干ランクが上がりますが、ヤリスかシエンタに流れそう。ところが、シエンタはマイナーチェンジ前で現在受注停止が続いているので困ったものです。

トヨタは慢性的な納期遅れを改善する方策として、新規の車種の発売に際しては、単一グレードにして工場の生産ラインの効率化を図り、ある程度こなれてきた時点で上位あるいは下位グレードを追加するようになったらしい。とは言え、2023年の目玉だったクラウンは、クロスオーバー2.5LHEV、スポーツPHEV、セダンFCEVは買えますが、クロスオーバー2.4Lターボ、スポーツHEV、セダンHEVは早くも受注停止です。

ランキングに並んだ車は新規あるいはモデル・チェンジされ発売されてから1~2年くらいのものが多く、どれもがいくつかのグレードが併売され、ガソリン車、ハイブリッド車なども混在しています。トヨタだと現在まともに注文できるのは、ヤリス、プリウス、ハリアーくらいで、ほとんどに制限があります。

ホンダが納期は1か月から数か月程度に収まっていることを考えると、トヨタは受注停止が多く、買えるものも早くて数か月、半年から1年は当たり前という状況は消費者サイドとしては不満しかありませんね。

2024年2月21日水曜日

自宅居酒屋 #80 生姜甘酢漬け


生姜の大きめの塊が手に入ったら、甘酢漬けがおすすめ。

いわゆる「ガリ」と言われている、寿司にオマケで付いているもの。生姜には殺菌効果があるので、なま物が多い寿司の付け合わせにするのは理にかなっています。

簡単な酒のつまみにもなり、ある程度保存がきくので作っておくと何かと便利です。

最初が面倒なので、これだけは頑張るというのが皮むき。表面の薄い皮はスプーンなどでこそけ取ります。形が入り組んでいるので、これがなかなか大変。どうしてもとれない部分だけは、あきらめて包丁を入れます。

皮を取り除いたら、出来るだけ薄くスライス。できるだけ大きめに切れる方が望ましい。

スライスしたら、鍋でお湯を沸かして茹でる。薄さにもよりますが、通常は数分間。

本当は春に出回る新生姜が辛みが少なく食べやすいのですが、通常のものはそのままだと辛みが強い。茹で時間を長めにすると辛みが抜けます。今回は、辛みが強かったので、5分間ほど茹でました。

取り出したら、軽く塩を振って冷まします。冷えるまでに甘酢を作ります。

水200ml、酢100ml、砂糖50g、塩10gという比率が基本。水のかわりに昆布だしを使うと美味しさは倍増します。

材料を全部混ぜますが、茹でた生姜にふった分の塩を減らすことをお忘れなく、昆布だしのかわりに、「昆布茶」の粉末を使うのもOKですが、その場合塩気が増えるので注意。

あとは容器に入れて半日ほど待てば食べれます。余ったら冷蔵庫で保管しましょう。

2024年2月20日火曜日

PHEVへの道 39 充電ケーブル


プリウスPHEVを購入することはすでに決定していて、納車まであとわずかという時期なんですが、HEVと違って車を充電してBEVのように使いたいというのが、PHEVを選択した大きな理由にあります。

充電するためには、当然、家に充電するためのコンセントと充電ケーブルが必要になります。

充電コンセントについては、当初は時間がかかっても100Vでもいいかなとか思っていたのですが、屋外に出ているコンセントがいずれもアース端子がありませんでした。アースを取らないと、場合によっては漏電事故になったり、そもそも充電できないことがあるようです。

素人が中途半端にアース工事をするというのも、何かあったらやばいことになりそうなので、結局、専門の業者にお願いすることにしました。であれば、わざわざ遅い100Vではなくも200Vコンセントを用意したい。かといってBEVではないので200V・30Aの6kWのパワーは設置に数十万円はかかるので、200V・16Aの3kWにしました。

充電ケーブルは、もちろん200V用が車に付属しているので、それを使えばいいのですが・・・ちょっと気になったのが、メーカー純正ケーブルは電流が16A固定なので、まぁ普通は問題無いとは思いますが、場合によってはブレーカーが落ちることもありうる。

それと、どこかの場所でもしかしたら充電したくなることがあったら、普通の家庭用100Vコンセントしか使えない場合の対処として100V対応の充電器があると便利かもしれない。また、納車より電気工事の方が早いので、工事の確認のためにとりあえず充電器があるといいかもなどと考えて、Amazonを探しまくって検討しました。

100V/200V対応の互換充電ケーブルは、ほとんどが中国製。価格は2~4万円くらいで、純正のものや6kW対応のものに比べればはるかに安価です。Amazonのレヴューや使用した人のYouTubeなどを参考にしました。

結果、選択したのはQkcaboというブランド。その最大の理由は、PSE認証があること。PSEは日本の電気用品安全法に基づいたお墨付きで、安価なものはこれが無いことが多い。

そして、機能として充電開始時間が設定できることと充電電流を8A~15Aの中で選択ができるというのも理由に挙げられます。安全性を考えると、目一杯より少な目の電流で充電する方が、家にも優しいし、そもそも車のバッテリーの劣化も少なくて済みます。

コンセントが100Vタイプと200Vタイプがあったのですが、さんざん悩んで200Vにしました。いつでも100Vで使うわけではなく、基本的には200Vコンセントに使用するのですから、余分なアダプターをかますのは避けることが望ましい。100Vを使わざるを得ない状況の時には、200→100Vアダプターを用意します。

クーポンが付くタイミングとAmazonのポイントアップ・キャンペーンを狙って購入したので、実質22000円くらいとなりました。まだ車も無いし、工事も入っていないうちから、気分だけは盛り上がっています。

2024年2月19日月曜日

PHEVへの道 38 レクサス NX & RXの通信簿


今更言うまでもなく、レクサスはトヨタ自動車の一部門で、高級車を扱うブランドとして立ち上がりました。トヨタ車の中で人気の車種・グレードを、レクサス・ブランドに吸収し、より内外の質感を高め、顧客のより高い満足感を与えるプレミアム・カーと呼べるものに仕立てて成功しています。

しかし、レクサスに乗りたいけど価格が高すぎるとか、2台目が欲しいけどもっと安いのでいいというような意見が出るようになり、最初に中身は3代目プリウスであるCT、最近は中身がヤリスクロスのLBXが登場し、はっきり言えばトヨタ・ブランドとのラインアップの差別化が崩れている印象です。いくら質感が良いとはいえ、300万円で乗れるヤリスクロスに600万円近く出すのかという疑問が湧いてきます。

当然、そこにはレクサスならではの付加価値がたくさんあり、特にレクサス・ディーラー側の様々なサービスが追加されるのですが、車としての本質とは別の部分。人気だったハリアーをレクサスに吸収したのがRXでしたが、当時専売していたトヨペット系ディーラーから猛反対を受け、トヨタ版ハリアーは残ってしまいました。

その後RXはさらに高級化しましたが、従来のハリアーに近いものとしてNXが登場し、今では現行ハリアーが「劣化版NX」と言われてしまうこともあります。総じて、レクサス・ブランドは当初の志より間口を広げ過ぎた感は否めませんが、ここにきて再編の動きが出てきました。

それは2023年に発表されたトピックで、「レクサスは2030年までにBEVでフルラインアップ、2035年にはグローバルでBEV100%を目指す」というもの。その動きは始まっていて、レクサス版CH-Rとして登場してUXは、当初のガソリン・モデルが廃止され、BEV版が新登場しました。またレクサス版bZ4XであるRZも発売されています。

現状で、レクサス・ブランドからPHEVを探すとRX450h+とNX450h+の2車種があります。基本的なパワートレインは、クラウンスポーツRS(PHEV)、ハリアーPHEV、RAV4PHEVとまったく同じ2.5L直列4気筒エンジンを搭載しています。モーター型式は、フロント5NM(出力134kW、トルク270Nm)、リア4NM(出力40kW、トルク121Nm)、電池容量も18.1kWhで、これもまったく同じです。

システムのトータル出力はRXとNXが309馬力、クラウンスポーツ・ハリアー・RAV4が306馬力となっていて微妙な違いはエンジンのチューニングによるもので、レクサスは最高出力136kW・最大トルク228Nmで、トヨタは最高出力130kW・最大トルク219Nmとほぼ同じと言ってよそさう。ところが価格は、RAV4が563.3万円、ハリアーが620万円、クラウンスポーツが765万円、NXはversion Lが729.5万円でF SPORTが753.5万円、RXが872万円となっていて、最大300万円程差が開いてしまいます。

WLTCモード性能は、燃費・電費・充電電力使用時走行距離は、RXは18.8km/L・178Wh/km・86km、NXは19.6km/L・172Wh/km・87kmですので、トヨタ車の方が全体的には成績が良好です。レクサスの方が、全体的に大柄で重量がある関係と想像します。最小回転半径はRX5.9m、NX5.8mで取り回しが良いとは言いにくい。ただし、ハリアーとRAV4も5.7mで、クラウンスポーツだけが5.4mと小回りが利くというところは面白い。

結局のところ、トヨタおよびレクサスのPHEVを考えた時、基本性能はどれでもほぼ一緒。車の乗り心地はパワートレインだけで決まるわけではなく、当然価格が高くなるほど先進技術がてんこ盛りになって、より質感の高い上質な走りを得られるようにはなっています。また、インテリアも明らかな差があり、乗り込んだ時の満足感にも格段の違いがあることは間違いない。

経済的な事情と車の価値をどこに求めるかによって、選択は変わってくるのは当然です。特にレクサス店の「おもてなし」感に価値を見出すなら、車体の大きさを考慮してRXかNXを選ぶと良さそう。価格帯が接近するNXとクラウンスポーツは悩みどころになりますが、外観・内装が大きく違い好みが二分するところでしょうし、また車を走らせる楽しさや「クラウン」というネーム・バリューはクラウンスポーツに有利なところです。

2024年2月18日日曜日

セブンのおにぎり 26


セブン・イレブンでは、ただいま「熱旨中華」フェアを開催中です。

おにぎりにも、フェアに沿ったものが店頭に並んでいて、それが四川飯店監修の「五目炒飯」と「ホイコーロー風おむすび」です。

四川飯店は1958年創業の赤坂の老舗。料理長は、メディアによく登場して有名な陳建一さん。今は長男の陳健太郎さんが引き継いでいます。

五目炒飯は、確かにそうだね、と言う味。セブンの炒飯は今までもいろいろなおにぎりとなって登場していますが、これは一番具材がしっかりと混ざっている感じがします。豚肉、卵,海老がメインで、食べ応えがあります。

問題は「ホイコーロー風おむすび」の方。

回鍋肉(ホイコーロー)は、一般には豚肉とキャベツの味噌炒めという認識なんですが、そもそも、どうやって回鍋肉をおにぎりにするんだろうと興味をそそられました。

そう思って食べるとだいぶ雰囲気が違うので、ちょっと期待から外れてしまいます。少なくとも、キャベツは入っていないし、あまり味噌っぽい味はしない。

「~風」となっているので、文句を言うのは筋違いかもしれませんが、原材料を見ると豚肉以外は、ニンニクの芽、パプリカがどうやらポイントらしい。

まぁ、いつもとちょっと違う炒飯と思って食べる分には問題ありません。不味いわけではないので、好みの問題ということでしょうか。

2024年2月17日土曜日

PHEVへの道 37 あらためてカーボン・ニュートラル


せっかくなので、カーボン・ニュートラル(Carbon Neutrality)について、もう少し深堀して勉強してみます。

カーボン・ニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること。温室効果は太陽が発した赤外線が、大気に蓄積され地球を温めることで、温室効果をもたらす気体として二酸化炭素、メタン、フロンなどがあります。そして、実は水蒸気も量的には大きな割合を占めています。特に二酸化炭素(CO2)は、空気中の0.04%にすぎませんが、最も温室効果を高めると考えられています。

何故、カーボン・ニュートラルが大事なのか?

昨今の夏の暑さで実感できることですが、まさに地球の温暖化が進んでいることが大問題になっています。本来の温室効果では地球の平均気温は14゚cに保たれていますが、温室効果が無ければ温度は-19゚cになると言われていています。しかし、18世紀なかばの産業革命以後、人間が多くの化石燃料を消費するようになり、その結果CO2が排出され、大気中のCO2は40%増加したと考えられています。

150年ほど前と比べて世界の平均気温は0.85゚c、特に北極圏では4゚c以上上昇しています。様々な対策が取られたとしても、21世紀末には最大さらに4.8゚cの上昇が見込まれています。気温上昇は、大気中の水蒸気量の増加、海水温上昇による海水体積が増大、また氷河が溶け出すことなどによって、世界の海面水位は最大80cm(数mという意見もあります)ほど上昇すると予測されています。これは人間が自らの手で、地球を人間が居住できない惑星にしてしまうという恐ろしい近未来像なのです。

先にCO2吸収量を増やすことについて考えましょう。植物は光合成の過程でCO2を吸収し、酸素O2を排出します。吸収量の低下は、人間が居住地を求めて緑地を切り崩したことが大きな要因として挙げられています。従って、適切な緑地化が重要であることは明らかです。

例えば樹齢40年のスギが密生する林は、1ヘクタール当たり9t弱のCO2を1年間で吸収するといわれています。日本の1世帯が1年間に排出する平均CO2は3.7tで、約5000万世帯ありますので、排出されるCO2の総量は1億8500万t。日本の国土のスギ林の面積は444万ヘクタールで、年間4000万tのCO2を吸収しますので、カーボン・ニュートラルの実現には今の4倍以上の面積が必要です。しかし、樹を育てるには時間がかかり、また増加する人口を抑制することは困難です。

もちろん、そんな簡単な計算ですませられるわけではありませんが、吸収量だけを増大させて解決することは不可能。となると、排出量を削減することの重要性がより叫ばれるのは当然のことです。

では、CO2排出は主にどこで起こっているのか。約40%を占め最も主要な原因となっているのは、火力発電所などのエネルギー転換部門です。日本では電力の7割が火力発電に依存しています。CO2排出が無い自然エネルギーに頼る水力、太陽光、風力、地熱などの発電は2割に届きません。また原子力は現状で最も有力なCO2排出のない発電方法ですが、日本では6%にとどまっています。

化石燃料を消費する火力発電は、1kWh発電するために415~867gのCO2を排出します。電気自動車に充電するために6kwで8時間かけて充電したとすると、発電所では約42kgのCO2を排出させたことになります。一般的なBEVが500km走れるとすると、発電所で発生するCO2は84g/kmで、平均的なガソリン車の160g/kmの半分くらいとなります。

次にCO2排出の多いのは、25%を占める産業部門です。その中の50%は鉄鋼関係であり、20%が化学工業です。ほとんどの工業製品、特に日本では自動車産業はその中核を占めていると言っても過言ではありません。ガソリン車を作るのに比べると、電気自動車の製造は2倍のCO2排出をするという試算があります。

そして、次にCO2排出が多いのが運輸部門で約20%を占めます。当然飛行機、鉄道以上に数が多く最も重要な要素になるのが自動車なのです。従って、CO2排出の原因である化石燃料を用いた内燃機関(エンジン)を排除していくことが急務とされ、そのための方策の一つとしてBEVの普及が注目されました。

また、削減だけでなく排出されたCO2を回収して有効活用していく「カーボン・リサイクル」も研究されていて、2030年頃を目途に製品化されていく可能性が出てきています。トヨタ自動車はカーボン・ニュートラルの次の目標として、CO2排出を「減らす」から「ゼロ・エミッション(CO2を出さない)」を企業理念として掲げるようになりました。

いずれにしても、様々な意見がありますが、日本を含めて世界中の多くの国が、遅くとも今世紀半ばまでにはカーボン・ニュートラルを実現することを目標にしているわけですから、一般人である自分たちも受動的に待っているだけではなく、出来ること(例えば省エネ)から能動的なアクションを起こすことが重要ということです。

2024年2月16日金曜日

PHEVへの道 36 スバル ソルテラの通信簿


ソルテラは、トヨタのbZ4Xと兄弟車で、基本的には共同開発した100%電気自動車です。トヨタの全方位戦略が必ずしも間違いでなかったことは、昨今の情勢が示していますが、それにしても電気自動車については出遅れた感が強いトヨタにとっては、初めてのBEVとして登場したのは2022年5月。

しかし、bZ4Xは当初一般向けとしてはサブスクリプションのKINTOからのみで、注目していた人々の落胆を招きました。一方、スバルはソルテラを2022年4月の販売開始当初から通常の販売方法とし、トヨタも2023年11月から、一般販売を開始しました。両者は当然、ほとんど同じですが、グレードや装備の違いによって多少の性能の差が生じています。

bZ4XはグレードはGとより装備が充実したZがあり、それぞれに前輪駆動(FWD)と常時四輪駆動の全輪駆動(AWD)が用意されています。一方、ソルテラはFWDとAWDの両方があるグレードET-SS、そしてAWDのみの上級のET-HSがあります。

bZ4XはGグレードのFWDが550万円、AWDが600万円、ZグレードのFWDが600万円、AWDが650万円です。ソルテラはET-SS FWDが627万円、ET-SS AWDが671万円、そしてET-HSが715万円です。br4Zはすべてシートは合皮で、ET-SSはファブリック、ET-HSは本革という具合で、全般的にインテリアの質感ならET-HSが第一選択でしょう。

外観は微妙な違いはあるもののほぼ同じで、選べる車体のカラーリングはどちらを選択するかの大きな要因になるかもしれません。諸元はソルテラを中心に確認してみます。大きさは同じで、全長・全幅・全高は4690・1860・1650mm。車体重量はFWDは1910kg、AWDは2030kgです。

パワートレイはFWDはフロントモーターのみで、最大出力150kW、最大トルク266Nmという強力なものが搭載されます。AWDは、前後に別々に同じモーターがあり、それぞれが最大出力80kW、最大トルク169Nmです。電費はFWDが126Wh/km、AWDが148Wh/kmで、一充電走行距離はFWDは567km、AWDは487km。積載電池はいずれもリチウムイオン電池で71.4kWhです。

自宅充電は、200V/30Aの6kWであれば満充電にかかる時間は12時間。200V/16Aの3kWだと21時間です。毎日の街乗り中心の使用については、あまり困ることはないでしょう。遠出する場合は、だいたい300kmを超えるくらい走ったら急速充電気を探したくなりそう。急速充電は50kWなら60分、90kWなら40分ですから、食事や買い物のタイミングに合わせるプランをあらかじめ考えておきたくなります。

テスラやBYDのベストセラーBEVに比べると、ミッドサイズSUVですからこれらの性能が見劣りするのは当たり前ですが、スバルにとってもトヨタにとっても初めてのBEVと考えれば満を持して登場させただけのことはあるというところ。

ここでbZ4XよりもソルテラのET-HSに気持ちが傾くのは、予算を考えなければインテリアの質感の良さがスバルが勝っているから。そして、トヨタにはつかないパドル・シフトがステアリングについている点も気になる。パドル・シフトは、オートマチック車でも、まるでギア・チェンジをするかのような運転の楽しさを味わえるので、楽しいこと請け合いです。

2024年2月15日木曜日

PHEVへの道 35 冬にBEVはどれだけ走れるか


北欧のノルウェイでは、電気自動車(BEV)の普及が、新車販売の80%におよぶBEV先進国です。冬のノルウェイで、BEVにとって最大の敵は寒さ。気温の低下による電池性能の劣化は、BEVにとって生命線に関わる問題です。

そのノルウェイでは、この数年BEVがしっかり性能を示しているのかわかりやすいEL Prixと呼ぶテストを夏と冬に行っています。主催しているのはノルウェイ自動車協会。方法はシンプルで、1回の満充電での最大航続距離がどれほどになるかを測るというもの。

コースはオスロからスタートして北上し、ドンボースから再びオスロに戻るというもので、最大標高差は1000mもあります。2024年1月に最新のテストが行われましたが、何しろこの時期のノルウェイの気温は-11~4゚cで、走るのはほとんどが雪道という、BEVにとっては最悪のコンディション。参加したすべての車種は、温度計で実測して室内を21゚cに保ちます。

最大航続距離として実際の結果と比較するのは、各メーカーが公表している車のWLTPモードによる充電電力使用時走行距離です。WLTPモードとは、「国際調和排出ガス・燃費試験方法」という実際の走行性能に近い評価を可能とする世界基準のもので、日本ではまだ義務化はされていませんが、現在ではグローバルな販売を目指す車種では必須のものとなっています。

参加した日本勢の結果を確認してみます。まずトヨタのbZ4X。WLTPで460kmですが、実際は314kmで、147km減って達成率は68%でした。日産アリヤはWLTPで498kmですが、実際は369kmで、129km減って達成率は74%でした。BEVの寒冷地の性能低下としては、3割減は平均的な結果ですが、やはり寒さによる落ち込みは無視できないレベルと言えそうです。

BMWのi5は達成率は88%、ベンツのEQE SUVは81%で、せめてこのくらいの成績は出してほしい。もっともスウェーデンが誇るメーカーであるボルボですらC40が達成率69%なので、高望みはできないところ。

最も売れているBEVはどうか? テスラ Model3が参加し、以前のテストでは連覇しさすがの存在感です。ところが今回は、WLTPで629kmに対して、実際は430kmで、184km減って達成率は70%という平凡な結果です。ライバルのBYDから小型のDolphinが参加して、WLTPで427km、実際は339kmで、88km減って達成率は79%でテスラを上回りました。

ところが、驚異的な成績を叩き出したのは、ほとんど無名の中国の新しいメーカーである高合汽車のHiPhi ZというスポーツカータイプのBEV。WLTPで552kmで、実際にも522kmを走り、減少はわずか33kmで達成率は95%です。

車選びはこれらの性能だけで決めるものではありませんが、BEVについては最も気になるポイントが航続距離であることは間違いなく、留意すべきポイントになります。しっかりとチェックした方がよさそうですが、日本ではここまで寒い場所は限定的で、少なくとも首都圏ではあまり神経質にならなくても良いとは思います。


2024年2月14日水曜日

セブンのおにぎり 25


日本のおにぎりとしては定番の具材が鮭。

当然、コンビニのおにぎりの一つに鮭は必ずあるんですが、安いものはたいてい「ほぐした鮭」で、味はともかく安さが勝負みたいなところで、あまり食べたくなるのはない。

ただし、プレミアムおにぎりでは、しっかりとした切り身を焼いたものが入っていたりして、これは食べ応えがありますが値段が高い。

今回登場したのは、シンプルに「焼きしゃけ」で値段も130円という嬉しい設定で、しかも海苔が巻いてあります。

さすがに切り身と言えるほど中身は大きくはありませんが、まぁ何とか焼鮭の体裁を残していて、これなら許せる感じ。ほぐし身のものより、格段に美味しいです。

もう一つは、これも定番の「焼きおにぎり」ですが、味噌焼きが登場しました。焦げた味噌の香ばしさが美味しいのですが、具は何も入っていないので、ちょっと物足りないかもしれません。

2024年2月13日火曜日

PHEVへの道 34 BYD F3DMの通信簿


世界初の量産型PHEVはBYD社のF2DMです。初登場は官公庁向けに2008年に登場し、2010年から一般向けの販売が開始されました。次に発売されたのはアメリカのシボレー社のボルトで、2010年12月のこと。トヨタのプリウスPHVが場初めて登場したのが2012年1月、続いて三菱アウトランダーPHEVが2013年1月に発売されています。

トヨタに先駆けて発売されたF2DMはどのような車なのでしょうか。ベースとなったガソリン車が100万円程度だったのに比べて、PHEVはほぼ2倍の価格でした。当初官公庁向けとして100台程度が販売されましたが、中国政府の補助金がついたことで一般にも発売したものの2013年には販売終了し短命に終わっています。

今となっては情報が少ないので、詳細はよくわからないのですが、可能な限りどういう車だったのか探ってみます。

当時は、まだまだ中国の知的財産権に関する意識が低く、外見はトヨタ、ホンダなどの他社のコピーという批判的な意見が多かったようです。全長・全幅・全高は4533mm・1705mm・1520mmのミッドサイズ4ドアセダンで、車体重量は1560kgです。

排気量1.0Lのガソリン・エンジンに加えて、25kWと50kWの出力性能を持つ2個のモーターを搭載する独自の方式を採用しています。発進時、低速走行では1個のモーターで走行し、スピードが出るとエンジンともう一つのモーターがパワーを追加し最大168馬力を発揮するというもの。

搭載した電池は16kWで、モーター走行だけで60km、ハイブリッド走行を加えると480kmの航続距離があります。

ロサンゼルスで2010年に市中走行を中心としたテスト・プログラムが組まれ、平均燃費37km/Lを達成し、全走行の72.3%で電気走行であったと報告されています。しかし、充電インフラ不足が主要原因となってアメリカでの販売は見送られたようです。

2012年初頭にトヨタが初めて発売したPHEVである3代目プリウスは、ハイブリッド燃費は61km/Lとされていますが、実際の走行では、25~35km/L。満充電の電気走行可能距離は26.4kmですので、F3DMはエンジンこそ非力ですが、見劣りする性能とは言えなさそうです。

ただし、期待感はあるものの、やはり時代のニーズとしては早すぎたといえそうです。当時は、まだまだBYDに体力がついていなかったということ。充電インフラがほとんど無い状況で、家庭充電というのもゼロという時代背景を考えると、ただただ価格が高いだけのHEVという位置づけに終わったというところでしょうか。

2024年2月12日月曜日

PHEVへの道 33 あらためて車のエコロジー


度々書いてきましたが、世界が電気自動車(BEV)一辺倒に向かっていた情勢が、昨年あたりから潮目が変わってきました。そのあたりを少し詳しく考えてみます。

そもそも、BEVにシフトしようという大前提となっていたのが環境性能の改善、つまりCO2排出量の削減が求められたと言うこと。近年、地球温暖化という大問題が叫ばれ、その原因の一つに主として化石燃料を利用したさまざまな近代化の中で大気中のCO2が増加していることが原因の一つと考えられるようになったわけです。

化石燃料、つまりガソリンを大量に消費している物の代表が自動車。カーボン・ニュートラルが求められ、その一つの回答としてハイブリッド車が登場し、そしてその先に内燃機関を排除して電気だけで走るBEVが正解と言われるようになりました。

ハイブリッド車技術で抜きん出たトヨタに対抗して、ヨーロッパではディーゼル・エンジンでCO2削減を実現しようとしたのですが、VW社のデータ捏造により頓挫。政府が後押しして、BEVへ一気にシフトしました。そこにうまく乗っかり世界のBEV市場の覇者になっているのがアメリカのテスラ社です。これらの政治的な動きは、明らかに「打倒トヨタ」という意思がベースにあることは間違いありません。

2010年代なかば以降、世界では、法律でガソリン車販売を禁止する動きが加速します。2025年までとしたのがノルウェイ。2030年までがスウェーデン、オランダ、アイルランド、イスラエル。2035年までがドイツ、イギリス、アメリカ、カナダ、中国。2040年までがフランス、スペインと言った具合。中国以外はHEV、PHEVも禁止です。日本は、メーカー側から「2050年カーボン・ニュートラル」が表明され、ガソリン単独で動く車は新規に登場しないとされています。

しかし、このBEVシフトに水を差すさまざまな話題が出るようになったのが昨年の事。

まず、根本的な話で「車のカーボン・ニュートラルだけではそもそも温暖化は解決しない」という話。空気に含まれるものは、78%が窒素、21%が酸素です。残りは1%で、大部分は0.9%のアルゴン。二酸化炭素はわずかに0.04%にすぎません。ただしCO2が最も温暖化に関与することは科学的に間違いが無いところです。

環境問題に厳しい「Greenpiece」の訴えとして、「世界の全CO2の約20%が、交通や運輸から排出され、乗用車はその45%を占める」というのがあります。つまりすべての乗用車がBEVになった場合に、空気中の0.04%のCO2の、さらに20%の、さらに45%が削減できるということ。それは空気中のCO2のわずか0.0036%にすぎませんので、名だたる科学者がそれで温暖化を防ぐことはできないと表明するようになりましたが、それが真実かどうかは今後の議論が待たれます。

いくら車が走ってCO2を出さなくても、大量のバッテリーを作るためには多くのCO2を排出する工場の稼働が必要であり、そもそも充電するための電気を作るのにも大量のCO2が排出されているという現実があります。また一定期間使用して劣化したバッテリーのリサイクル方法も確立されていません。日産などは一定の試みを始めているものの、テスラ社はそれに対しての対策は皆無と言われています。

現実にある程度の普及が進んだ欧米では、「新し物好き」の人々(Early Adapter)が先を争って手を出したのが一巡して販売の勢いが低下し、それらのユーザーからも様々な不満が聞こえるようになりました。充電時間が長い、充電スポットの不足、寒冷気候による性能の明らかな劣化、重量増によるタイヤ・道路の摩耗、故障した場合の高額な修理代などなど。

各国が政府を挙げてEV補助金などで推進したものの、その結果として中国勢の大躍進を招いたことは、特にアメリカにとっては大誤算だったのではないでしょうか。昨年は、ついにテスラは中国のBYDに販売台数で抜かれてしまいました。その結果、テスラの相次ぐ値下げが始まり、欧米中古車会社は修理代が高くつき、価格低下により販売償却ができなくなって来たテスラ車を排除し始めています。

日本と違ってアメリカの自動車販売方法は、ディーラーがたくさんの在庫車を並べて、客がその場で選んで買っていくというもの。ディーラーはBEVの在庫のだぶつきが顕著となり経営を圧迫するため、しだいにBEVから距離を取るようになっており、代ってハイブリッド車の売り上げが伸びてきているのが現実です。

これらの観点から、BEVシフトを強行してきたEU(欧州連合)は、再生可能エネルギー由来の水素とCO2から作られる合成燃料(e-Fuel)を使うエンジン車の新車販売を2035年以後も容認すると態度を軟化させています。e-Fuelは、化石燃料を使用せず、原料としてCO2を消費することで環境負荷を軽減できると考えられています。イギリスは、もともと2030年としていたガソリン車新車販売禁止の期限を2035年に延ばしました。

とは言っても、いずれにしても化石燃料は有限であり、いつまでもそこに頼った生活様式が続くことはありえません。確かに自動車に関連したCO2排出は微々たるものかもしれませんが、誰でも出来る対策の一つとして少なくとも無駄と言い切ることはできません。しかし、トヨタがカーボン・ニュートラルの切り札と考えている水素燃料車は、インフラ整備の観点からもかなり現時点では難しい選択となります。

将来の予想図としてBEV、あるいはFCVが当然街中にあふれている状況が理想だとは思いますが、それすらも最終的な正解ではないかもしれません。しかし、現時点ではBEVがこれまでの自動車に取って代わるには上位互換であることが絶対条件だと思うので、ガソリン車とBEVの両方の良いところどり(両車の欠点を補完)のハイブリッド車、できればプラグイン・ハイブリッド車が、今後少なくとも5年間くらいは最良の選択であると思います。

2024年2月11日日曜日

自宅居酒屋 #79 口水鶏


簡単に早く作れて美味しいがモットーなんですが、今回は簡単だけどちょっと手間がかかる。

口水鶏と書いて、一般に日本では「よだれ鶏」と呼ばれています。よだれが出るほど美味しいからということらしい・・・

でも、これは棒棒鶏(バンバンジー)だと思ったあなた、確かにその通り。蒸した鶏肉を棒でバンバンと叩くことで食べやすくするのが言葉の由来。本来の棒棒鶏は四川料理なので、辛いタレをかけて食べるのですが、叩かない場合は口水鶏と呼ぶらしい。

いやいや、棒棒鶏は甘いゴマダレだろうと思ったあなた、それは和風中華です。四川料理のしびれる辛さを食べやすくするために、日本人にも食べやすいようにアレンジしたものです。

今回は口水鶏です。叩いていません。鶏むね肉を使います。タレは四川風に麻辛醬を作りました。

むね肉は、肉の繊維に沿うように多少薄めにスライスして、5分ほど茹でました。火が通ったら水に入れて冷やしてから、食べやすくさいておきます。やることは簡単ですが、ここが多少面倒なところ。

正式な麻辛醬の作り方ではないのですが、簡単な方法を紹介します。

チューブのすりおろしにんにくを数cm。オイスターソース、ごま油を大さじ1杯程度。和え物に仕える細かめの摺りごまを大さじ2杯程度。そして豆板醤を小さじ1/2杯くらい。

あとは、お好みに合わせてしびれる辛さの中国の山椒である花椒を好きなだけ入れて、全部を混ぜ合わせます。回しかけしやすくするため、少量の水を加えて固さを調整します。よゆうがあったら、こまかく刻んだ長ネギも入れるとさらに美味しくなります。

あー、旨い。あー、辛い。ビールがすすむこと請けあいます。

2024年2月10日土曜日

PHEVへの道 32 タイヤ


一言でタイヤと言っても、自動車のタイヤは実はいろいろある。

目的別で、通常のある程度平坦な舗装された地面を走行することを前提としているのがノーマル・タイヤで、別名サマータイヤ。雪上を走行するためのスタッドと呼ばれる突起が埋め込まれたのが、スパイクタイヤですが、道路を傷めるので現在は緊急車両用のみに使われます。

一般向けの冬用はスタッドレスタイヤで、柔らかいゴムと深い溝で雪道走行を可能にします。スタッドレスタイヤは、乾燥した地面では制動力が落ち、また摩擦が強いためタイヤの寿命を縮めてしまいます。最近はオール・シーズン・タイヤと呼ばれるものもあり、軽い雪道であればそのまま走行が可能となっています。

特殊な目的用としては、山の中とか石ころだらけのような悪路のためのタイヤがオフロードタイヤと呼ばれるもので、溝が深く、表面がごつごつとしています。オフロードタイヤを少しマイルドにして、舗装道路にも使いやすくしたのがオールテレーン・タイヤ。

ランフラット・タイヤは、ゴムが固くしてあってパンクしてもしばらくは走り続けることが可能なもの。さらに、パンクした時、内部の粘着物が穴を自然に塞いでくれるセルフシール・タイヤ(シーリング・タイヤ)というのもあります。

乗り心地を良くするために静粛性とがたつきをおさえたのが、高価なコンフォート・タイヤ(プレミアム・タイヤ)です。グリップ性と走行性に重点を置いて、乗り心地よりも走りの良さを追求したのがスポーツ・タイヤ。

現代は車の燃費が重視されますが、タイヤによっても燃費は影響されます。エコタイヤと呼ばれる低燃費タイヤは、軽量化され転がり抵抗を低くして回転しやすい特徴があります。

構造的な分類としては、ほとんどのタイヤが採用しているのがラジアル構造。タイヤの骨格を形成するゴムで被覆したコード層の部分をカーカスと呼び、カーカスを放射状にしたのがラジアル構造、斜めにしたのがバイアス構造と呼びます。

中に空気で膨らませるチューブの有無で、チューブタイヤあるいはチューブレスタイヤがあります。チューブタイヤは衝撃に強く空気圧が下がっても走行が可能ですが、バーストのリスクがあり、現在はチューブレスが主流です。

タイヤのサイズ表記は、例えば写真の場合「205/65R16 95Q」となっています。最初の205はタイヤの幅、つまり厚みのmmで表す数字。大きければ大きいほど太いタイヤとなる。65はタイヤの扁平率で%表記。Rはラジアル構造を意味します。16はタイヤの内径、あるいはリム系と呼び、ホイールの大きさを示すインチ表記。

扁平率はタイヤ部分の断面高を断面幅で割ったもので、断面幅は奥行きのことで、断面高はタイヤの内径から外径までの長さ。一般的には、扁平率が少ないほどホイールからタイヤの外周までが短いものになります。流行りのインチアップは、タイヤの外径を変えずにより大きなホイールを使用することですが、この場合当然装着するタイヤの扁平率は下がります。

95はロード・インデックス(LI)と呼び、1本のタイヤが支えられる荷重負荷を示します。実際に支えられるkgは、LIが小さいと4倍程度、大きい場合は10倍以上になります。95では690kgを支えられるので、タイヤ4本で2760kgまでOKということになります。最後のQは速度記号で、一定条件下での最高速度km/hのこと。Lの120km/hから始まり、Qは160km/hで、Yになると300km/hです。

タイヤには空気圧という数字があり、最も規格通りの性能を発揮するために標準値がそれぞれのタイヤごとに決まっています。走っていると空気圧は漸減する傾向があり、支える荷重が減ってしまいます。また、接地面積が増えて摩擦を増やすので燃費は悪化します。高すぎる空気圧は、接地部分が中央に偏り寿命を縮めます。どちらもバーストのリスクを増やすので、適正値を維持することが重要になります。

最近人気のあるSUVは大きいので車体重量が大きい。また、PHEVやさらにBEVも搭載電池の重さが増えていますから、どうしてもタイヤはそれなりに大型化してしまいます。また、車体が重たくなる分、摩耗も多くなりタイヤ寿命が短くなる傾向があります。

プリウスPHEVの純正タイヤは195/50R19なので、ホイールは19インチでタイヤ直径は57.2cmです。ハリアー純正タイヤは225/55R19で、ホイールは同じ19インチでもタイヤ自体の直径は59.9cmで厚みも3cm増しています。クラウンスポーツPHEVは、235/45R21というさらにインチアップされた62.6cmの大口径タイヤが標準装備です。

以前は個人のカスタマイズ項目だったインチアップは、今では純正でも積極的に行われる傾向があります。インチアップすると、タイヤのクリップ力が向上(摩擦が増える)し、たわみが少なくなるので、ドライバーの操作へ反応しやすく「走っている」感覚が強くなり、またファッション性も高まります。

しかし、タイヤが薄くなることでクッション性が落ちて道路の凹凸を感じやすくなります。車内の静粛性は多少犠牲になるところです。また、設置面積が増えるので、摩擦が増えて燃費は悪化しやすくなります。車の特性として、どのようなタイヤが使われているのかも、ある程度は車選びの考慮すべきポイントとして忘れてはいけないところです。

2024年2月9日金曜日

PHEVへの道 31 ハイブリッド・システム


ハイブリッド車の命・ハイブリッド・システムとはそもそも何ぞや、という話。

トヨタが初代プリウスで世界初の量産化をしてから、もう四半世紀たちました。カーボン・ニュートラルを目指す一つの手段として、今や世界中に広まり、完全電化を目指してさらなるステップに行こうとしている自動車産業ですが、現実にはまだまだハイブリッド車は選択肢として切り捨てることができません。

各社のハイブリッド・システムはいろいろな違いがあるので、大まかに勉強しておくことはそれなれに意味がありそうです。最も基本的な説明は、「ガソリンあるいはディーゼル・エンジンと電気的なモーターが協調して走る車」がハイブリッド・カーであり、そのための仕組みがハイブリッド・システムということになる。

まず、方式にはいろいろ種類があります。
1. パラレル式 (マイルド・ハイブリッド)
2. シリーズ式
3. シリーズパラレル式 (ストロング・ハイブリッド)
4. シリーズパラレル切替式

パラレルは、エンジンとモーターが同一軸にありモーターはあくまでもエンジンの補助として働くものです。シリーズ式は、エンジンを発電機として使い、その電気でモーター走行するもの。シリーズバラレル式は、エンジンとモーターの両方が、発電と駆動の両方を行うものとなります。

最も知られているのは、当然トヨタ車に搭載しているTHSシステムで、今は進化してTHS IIと呼ばれていますが、これはシリーズパラレルの代表的なシステム。トヨタはこの技術に関わる数千の特許を無償開放しましたが、最も複雑な仕組みになっているためかあまり後に続く企業が現れません。

低燃費を実現しやすい一方で、コストがかかり重量が増えやすい点が欠点と言えます。低負荷の状況ではBEV走行も可能で、搭載電池容量を増やして充電機能を付加すればPHEVにしやすいシステムです。

シリーズ式の代表が、日産のe-POWERです。基本的に走るのはモーターの仕事で、エンジンはあくまでも発電機であって駆動には関係しません。走る感覚は電欠の心配が無いBEVですから、加速性に優れますが高速域は苦手。しかし、今のところプラグイン・タイプのものが無く、またガソリン消費効率(いわゆる燃費)が必ずしも優れているわけではなく課題が多い。

ホンダが採用しているe:HEVが、シリーズパラレル切替式です。基本的にはエンジンで発電しモーターで駆動するシリーズ式ですが、必要に応じてエンジンと車軸を直結してエンジン走行もできる仕組みです。パラレル式は最もシステムがシンプルなので、スズキなどの軽自動車で採用されることが多い。

最近トヨタの新たなデュアルブースト・ハイブリッド・システムを搭載した車両が登場しています。これはターボエンジンをフロントモーターに直結して高出力を得ると同時に、搭載する電池の充電によりリア・モーターも駆動するというもので、THS IIよりも強力な出力が得られます。現在、クラウン・クロスオーバーRS、レクサスRX 500hに採用され、2.4Lエンジンで3.5Lエンジン並みのパワーを誇っています。

また、最新の話題として、トヨタは新たなハイブリッド・システムとして、マルチステージ・ハイブリッド・トランスミッション(MSHT)を開発しレクサスLCに搭載しました。これはFR車において、モーターの弱点とされる高速域での電気効率を引き上げることが目的で、高速巡行時の燃費向上を改善します。

BEV推進一辺倒に傾いていた昨今ですが、昨年からその方向性には疑問が投げかけられるようになりました。ハイブリッド車の意義があらためて見直され、システムのさらなる進化は止まらないようです。

2024年2月8日木曜日

TDLのおみやげが・・・

 東京ディズニーランドに行った方から・・・

おみやげをいただきました。


そしたら・・・

中身は


ほぼ「うまい棒」だった。





以上、「TDLのおみやげが、ほぼうまい棒だった件」をお送りいたしました。

2024年2月7日水曜日

久しぶりの雪らしい雪


雪でいろいろ困った方も多いと思うのですが、自分としては待望の雪らしい雪。

というのも、車のタイヤをスタッドレスにしているから。
 
スキーに行くわけでもないのに、なんでわざわざ冬タイヤに履き替えているのかというと、毎年、正月は長野の家内の実家に行くから。

それ以外では雪道に行くことはないので、以前は冬はチェーンで間に合わせていました。でも、2014年だったか、めっちゃ雪が積もって、チェーンでもどうにもならなかったので、それ以来タイヤを変えることにしたんです。

ところが、コロナ禍になって3年間長野に行けていない。今回は行けると思っていたら、ちょっと事情があって断念。この間、横浜でもたいして雪は降りませんでした。

もう。4シーズンも無駄にタイヤ交換しているという、何ともモヤモヤする状況が続いているのです。ですから、久しぶりにスタッドレスタイヤにしている意味がある路面は、それなりに嬉しい。

・・・で、今回は? というと、帰りはまだまだノーマルタイヤでも走れる程度。朝に期待しましたが、もうだいぶ解けていて、ちょっと物足りない・・・まぁ、首都圏ですから、このくらいが平和なんでしょうけどね。

2024年2月6日火曜日

PHEVへの道 30 クラウン・スポーツの通信簿


トヨタ・ブランドとしては、一番古いPHEVはプリウス。そして、RAV4、ハリアーが加わり、最新は2023年12月に発売されたクラウン・スポーツRSです。まだ納車された方はいないと思うので、街中で見かけたら、それはHEVです。

クラウン・スポーツは、大々的に刷新された16代目のクラウン・シリーズとしては異色のSUVハッチバックです。10月に発売されたグレードZはHEVでしたが、RSはより走りの機能を高めるためにモーターが強力になり馬力も大幅にアップしています。ただし、巷で物議をかもしているのは、Zが590万円という価格なのに対して、RSが765万円と大幅な上昇になったこと。

そこで、価格差を含めてHEVのZとPHEVのRSを比較してみます。

外見は基本的に同じ。車体の見た目で違うのは、PHEVは後ろに充電ポートの蓋があることと、リアのバッジがPHEVになっていることくらいです。大きさは全長・全幅が4720・1880mmで同じ。全高だけはHEVが1565mmで、PHEVは1570mmです(差のワケは不明)。車体重量はHEVが1810kg、PHEVが2030kgとなります。

前輪駆動(FF)のエンジンはどちらも同じ2.5Lの直列四気筒ですが、多少チューニングが変えてあって、最高出力と最大トルクは、HEVは137kW(6000rpm)と221Nm(3600~5200rpm)、PHEVは130kW(6000rpm)と219Nm(3600rpm)で少しだけ抑え気味。タンク容量はどちらも55Lで同じ。

モーターは前輪と後輪用に別々の搭載で、電気的四輪駆動(E-Four)ですが、ここに大きな差がつけられています。フロントモーターの最高出力と最大トルクは、HEVは88kW・202Nmなのに対して、PHEVは134kW・270Nmと強力。リアモーターはどちらも40kW・121Nmで同じです。電池容量は、HEVがニッケル水素電池で1.2kWh、PHEVがリチウムイオン電池で18.1kWhです。

その結果、システムとしての総合出力は、HEVが172kWで234PS(馬力)、PHEVは225kWの306PSを実現しています。HEVのWLTC燃費は21.3km/Lで最大走行距離は1171.5km、PHEVはWLTC燃費は20.3km/L、電費165Wh/km(充電電池使用時走行距離90km)で最大走行距離は1206.5kmです。

走るという基本性能については、フロントモーターと電池の違いだけなのですが、モーターや電池の価格が一般には公開されていないので、ここからの価格差はわかりません。ただ、あくまでも想像ですが、合わせて100万円程度はあるだろうと思います。

PHEVは、ブレーキには20インチ6ポット・カラードキャリパーが使われ、またNAVI・AI-AVS(電子制御サスペンション)が搭載されて、ナビと連動して走行状態を先読み自動制御します。また、ステアリングにバトルシフトが装備され、マニュアルでシフト操作を行うことが可能です。充電ポートやケーブルなどの装備もPHEVだけのもの。これらの価格差は数十万円程度でしょうか。

運転席と助手席はHEVはバケットタイプの「スポーティ・シート」で、助手席には運転席や後部座席からも前後や角度を調節できるスイッチが付属しています。一方、PHEVはまさにスポーツカーのような「スポーツ・シート」になりますが、助手席スイッチは省略です。前席はシートヒーター、シートベンチレーションがどちらにも装備されますが、PHEVには後席のシートヒーターも追加されています。エアコンではPHEVにはヒートポンプとPTCヒーターがつくので、すぐに温風が吹き出ます。これらの価格差も数十万円程度はありそうです。

HEVとPHEVの価格差は、RAV4のE-Fourだと160万円、ハリアーのE-Fourだと105万円、レクサスNX version Lだと112万円、レクサスRX version Lだと114万円です。RAV4以外は、エクステリアやインテリアの差はほとんどありません。これらの車種は、走行に直接かかわるエンジン・モーターなどについては、クラウンスポーツと大きな違いはありませんので、つまりその部分ではやはり100万円ちょっとくらいの差が出るということ。

RAV4は、エクステリアのPHEV専用の変更などもあり、他より高くなってしまうのだと思います。クラウンスポーツについても、いくつかの専用装備が追加されているので、175万円という価格差はある程度妥当な範囲なのかもしれません。ただ、普通はオプションで選ぶものがほとんど標準装備とはいえ、乗り出し価格が800万円くらいになってしまうが痛いところですね。

2024年2月5日月曜日

PHEVへの道 29 マツダ CX-60 PHEVの通信簿


現時点ではマツダのSUVシリーズとしては、一番大型の車両がCX-60で、ガソリン車、ディーゼル車、ディーゼル・ハイブリッド車、そしてプラグイン・ハイブリッド車という4種類のラインナップがあり、それぞれに二駆、四駆、スポーツ仕様などが用意されているので、細かくいえば15車種を展開しています。

最近のマツダ車は統一デザインですが、これは好き嫌いがはっきり出るところで、このエクステリアが嫌いな人は全部のマツダが嫌いになる。逆に好きと思えば、とことんマツダに乗り続けるのかもしれません。マツダというブランド・イメージ戦略としては、多くは無い(スミマセン!)ファンを離さないことには効果的です。

さて、ここで注目するのは当然PHEVで、価格は609~646万円となっています。一番価格が安いExclusive Sports 4WDを中心に性能を見ていきます。

全長・全幅・全高は4740・1890・1685mmで、このクラスとしては標準的な大きさです。車体重量は2060kgで、最小回転半径は大きいわりに5.4mとまぁまぁの数字。FRベースの四駆の利点というところでしょうか。

マツダは燃費向上のために独自のe-SKYACTIVEというマイルド・ハイブリッド・システムを展開していますが、この車にも使われています。エンジンは2.5Lの水冷直列四気筒DOHC16バルブで、最高出力は138kW/6000rpm、最大トルクは250Nm/4000rpmです。タンク容量は50Lです。モーターはフロントに一つで、最高出力129kW、最大トルク270Nm、電池容量は17.8kWhです。

これはトヨタが多用している2.5L直列四気筒エンジンよりは、わずかに力強く、モーターはほぼ同等の性能と言えそうです。ただし、WLTC燃費と電費は、トヨタに大きな差ほつけられています。燃費は14.6km/L、電費は247Wh/kmで、充電電力使用時走行距離は74kmです。従って、満タン満充電で走れる最長距離は804kmになります。

この辺りの数字だけで見ると、見劣りする部分が多いのですが、システム総合馬力は323PSというずごい数字で、0-100km/h加速は何と5.8secという驚異の速さを実現しています。またインテリアの質感の高さも高評価されているようです。

実際、マツダ車の中ではCX-60は一番売れています。もっとも、国内ランキングではベスト30に入る程度ですし、当然PHEVの割合は大変少ないのが残念。マツダ顔へのこだわりを突破すれば大化けするかもしれません。

2024年2月4日日曜日

節分


昨日は節分。

自分の中ではこどもの頃は豆まきが最大のイベントで、大人になってからはまいた豆をいかに素早く片付けるかが最大の関心事でした。

ところが、いつの間にか世間の関心は高級太巻きに代わってしまいました。仕事帰りにスーパーに寄ってみると・・・

あれだけ、代表的な食品ロスのもとと言われているのに、割引になった大量の「恵方巻」が山積みでした。

こっちとしては、あればラッキー、無ければそれでよしというところなのに、まったく問題なく買えてしまいました。

本当に食べたいと思い人、これで開運を信じている人だけに、完全予約制で販売すればいいのにと思うのですがどうなんでしょうか。少なくとも、自分は予約してまで食べたいとは思いません。

ところで、来年は・・・って、気が早い話ですけど、節分は「2月3日」ではありません。実際の太陽の動きと暦のずれの関係で、来年は2月2日です。お忘れなく。


2024年2月3日土曜日

セブンのおにぎり 24


もう、思いッキリ定番と、たぶん毎年それなりの時期に必ず出てくる準定番のおにぎりです。

年間通じて、ずっと棚に並んでいるのが「とり五目」で、セブン・イレブンに限らずどこのコンビニでも無いところは無い。

まぁ、鶏釜飯をおにぎりにしたようなもの。食べると、たまたま塊の鶏肉が入っていると、妙にテンション上がってラッキー感が爆上がりです。

中には、ほとんど肉々しいところが無い時があるんで、その時はハズレとあきらめるしかない。

たまには食べたくなる一つですよね。

「チャーシューわさび」は、いつでもあるわけではありませんが、定期的に出てくるもの。

チャーシューはそれほど入っていないような気がしますけど、ワサビが絶妙。

単にご飯をワサビと醤油だけで食べるのも、かなり美味しいんですけど、そんな感じをおにぎりにしたようなもの。

変わったものではなくても、たまには選びたいですね。

2024年2月2日金曜日

PHEVへの道 28 ドライブ・マイ・カー


毎日20kmくらいしか走らないだろうから、EVやPHEVで十分だと勝手に決めて話を進めていますけど、本当に大丈夫かどうかはわからない。あくまでも、自分の場合の話ですから、他の人はどうなんでしょうか。

自分の場合は、ほぼずっと自動車通勤。開業してからが一番短くて、片道は8kmです。最長はだいたい片道40kmで、ほとんど15kmくらいが多かったように思います。今どきのPHEVなら、条件が良ければ何とかギリギリ往復EV走行可能な範囲と言えそうです。

何と、調べてみたら製品評価技術基盤機構というところが調査していました。独立行政法人なので、お国のお墨付きで調べたようなもの。ちょっと面白いので紹介します。ちなみにデータは10年前、2014年ごろのものです。

自動車を持っている人の95%は国産車。外国車は5%です。平日に運転をする人が82.7%、しない人が17.3%です。平日に運転する時間は1.5時間以内で約80%をしめています。特に多いのは1時間くらいという回答です。

1時間で遠出と言うのは難しいので、片道30分程度だとほぼ一般道ですから、平均時速は普通は30km/h以下でしょう。つまり距離的には長くても片道15km、往復で30kmというところ。

休日に運転するの人は81.3%、運転時間は2時間以内で約80%をしめますので、平日よりはちょっと長めの運転になっているのかもしれません。

まぁ、だいたい想像通りというところ。

例えば通勤なら、1~2kmくらいなら歩くかもしれないし、何十kmあったら電車とかに乗るでしょう。自動車通勤は、だいたい片道10km程度が多いんじゃないでしょうか。他には奥さんが旦那やこどもを駅まで送っていく場合。これは片道数kmで、日中にスーパーへ買い物に行くのにさらに数kmの距離に車を使うかもしれません。

PHEVの場合でも、このくらいなら通常は毎日充電しなくても、数日に一回で十分。あるいは少しずつ使った分程度を毎日充電するのも電池には優しい方法です。

また、別の調査結果では、都内在住者は通勤などに車を使う人は少ない。駐車場確保の維持費も大変ですからね。むしろ、神奈川や千葉などの周辺地域に多いようです。それよりも、公共交通機関が少ない地方では、さらに車での移動距離が大きくなるというデータもあり、当然といえば当然のこと。

いずれにしても、PHEVで長距離を運転するとなると、当然EV走行には限度があるので、潔くエンジン+モーターのよりパワフルなハイブリッド・ドライブを楽しんだ方が良いと言うこと。

ちなみに映画「ドライブ・マイ・カー (2021)」に登場したのは、スウェーデンのサーブ社のSAAB900ですが、1978年から1993年にかけて販売されたもので、2.0Lエンジン搭載で当然のことながらモーターは無い。燃費は7km/L前後。バブルを代表する車の一つとして懐かしむ方が多いですよね。

2024年2月1日木曜日

問われるトヨタ自動車


日本で一番の自動車会社と言えば、間違いなくトヨタ自動車で、あらゆる企業の中でも国内総資産額トップです。もちろん、一企業が単独で成しえるわけではなく、関連するさまざまな産業があっての栄華です。

トヨタグループと呼ばれる関連企業はたくさんあり、住宅事業を扱うトヨタホーム、総合商社である豊田通商、車の電飾を扱うデンソーなど、身内から分離独立したものと、別資本で起業され後に参入して「子会社」化したものがあります。

子会社の中で自動車そのものの製造業としては、1966年にトヨタグループに入ったのが日野自動車(トヨタ持株50.1%)で、主として大型車両を生産します。そして1967年に加わったのがダイハツ工業(トヨタ持株100%)で、こちらは軽自動車を中心に生産し、トヨタ自動車の商品の幅を広げてきました。

2022年3月、日野自動車の国内向けエンジンの不正が発覚。排出ガス性能試験で浄化性能が規制値を超えることを隠蔽、また優遇税制が受けられるように燃費測定値を改ざんしていたのです。これらは、現場の独断とされ、上に話をする空気が無く相互チェックが働かず、上層部も試験についての理解が不十分と指摘されました。

2023年4月、今度は「完全」子会社であるダイハツ工業の問題が発覚します。海外向け一部の車種で側面衝突試験の手続きの不正が明るみとなり、5月には国内向け車種にも波及します。12月20日には、第三者委員会の調査結果により、25試験項目で174件にもおよぶ不正が、20年以上に渡って日常的に行われていたことが公表されました。

これを受けて、ダイハツはすべての車種の出荷停止、工場停止となっており、今後の動向が注目されています。この2つの事件は、トヨタ子会社とはいえ、経営母体はトヨタ自動車とは基本的に分離しているため、直接的なトヨタの責任は問われていません。

2024年1月に発覚したばかりの豊田自動織機の不正問題は、これらとは問題の大きさが異なります。何故なら、豊田自動織機は1926年に豊田佐吉により設立された会社で、1933年に自動車製造部門ができ、1937年に佐吉の息子、豊田喜一郎が中心となってトヨタ自動車工業として独立した経緯があります。つまりトヨタ自動車にとっては、豊田自動織機は「親会社」であり、「トヨタ」の本家・源流と言える存在です。

豊田自動織機は、現在では織機よりもトヨタ自動車に対して自動車の部品製造が主たる事業となっていて、特に人気車種のRAV4などは車両そのものを製造しており、エンジン部門はほとんどがトヨタ自動車からの委託事業です。経営的にはトヨタ自動車が安泰であれば、豊田自動織機もあくせくしなくても問題ないと思われます。

ところが、不正は、ディーゼル・エンジンの排出ガス試験について、基準を満たさない測定方法を行なっていたというもので、完成した車の性能としては実質的には問題は無いのかもしれませんが、自動車屋としては情けないとしか言いようがない。これを受けてトヨタ自動車は関連する10車種を出荷停止にしました。ガソリン・エンジンにも飛び火するようならば、かなり大問題に発展します。

これら3つの問題に共通するのは、トヨタ自動車に対する依存体質からくる甘えと責任感の低下と、ある意味トヨタ自動車を満足させなければならないというプレッシャー、そして現場の声が上に届きにくい体質などが指摘されています。

豊田喜一郎の孫である豊田章夫会長が、2009年に社長就任時には、おそらくトヨタ自動車にも似たような空気感が存在していたのではないかと想像します。アメリカで大問題になったリコール問題の幕引きをするために、創業家出身者として引責辞任させることが目的のように社長に祭り上げられ、さらに東日本大震災で業績が悪化する中、豊田章夫社長は自ら率先して現場に出向き、社員たちの声を直接聞くことに注力したようです。

また、良い車を作るためには自ら車を知らなければならないと考え、ドライバーとしてラリーなどのレースにも積極的に参加し、現場のエンジニアらから積極的に教えを乞うたりもしています。これらの社内風土の改革が、今のトヨタ一強に繋がったことは明らかです。

しかし、豊田自動織機にはトヨタの本家であるという誇り、そして日野自動車やダイハツ工業にはあくまでも独立した会社としてのおごりのようなものが変革を受け入れない元凶としてありそうな感じがします。まだまだ全容が見えていない状況ですが、日本の基幹産業として自動車産業は大変重要ですから、しっかりと解明・解決してもらいたいものだと思います。