2019年8月31日土曜日

塩バター・ロールパンを作ってみた(2回目)


ロールパンは前回、形が悪くて、見た目がパっとしなかった。中身はいいとは言っても、外見も美味しそうに見える大事な要素の一つです。

そこで、もう一度形にこだわってリベンジしてみました。

生地は、強力粉でリッチな配合は定石通り。バターロールは、一次発酵後に分割した生地を涙型に薄く延ばします。

最初に5~10gのバターを巻き込んで、くるくると丸めていくわけです。文章で表現しにくいのですが、スタートでバターが溶け出ないように、ちょっと生地を押さえて閉じるようにするのがポイントのようです。

それと、普通は表面の照りを出すために卵黄を塗ってから焼きますが、今回はオリーブオイルを塗りました。この方が、より表面がカリっと焼き上がり、クラストのモチモチ感とのコントラストが増します。

今回は、けっこううまく成形できたようで、グッドな仕上がりでした。ただし、塩のふり方が均一でなかったようで、多少味の濃淡の差が目立ったようです。

2019年8月30日金曜日

らうめん 纏 @ 藤が丘


藤が丘は、急行が停まらないし、大きなショッピングビルも無いので、青葉区内の中では地味な印象がある駅の一つ。

駅前は、ほとんど昭和大学藤が丘病院が目立って、他には何もなさそう・・・なんですが、ただ、ちょっと雰囲気の良い店はけっこうあって、知る人ぞ知る穴場的な場所のように思います。

駅前ショッピングセンターという、二階建てのお店がたくさん入った長屋がありますが、あまり人通りも多くなく、地方の寂れたアーケード商店街風なんですが、その一番奥のの方に一際賑わっているのが「らうめん纏(まとい)」です。

この店の一番の特徴は鶏白湯スープ。濃厚な鶏ガラの白いスープが一押しで、バリエーションとして辛くした赤と胡麻の入った黒も選べます。今回は、ノーマルの鶏白湯塩らうめんに鶏団子と海苔のトッピングです。鶏団子は、生姜味のつみれです。

スープを一口すすると・・・やばい! これ、一番好きな味かも。ぶわーっと、口の中に広がる鶏の旨味がたまりません。

麺は中細ストレート。かなりコシのある麺で、最後までのびてしまう感じがありません。スープが濃厚なので、ぴったりです。たくさん食べたい方は、中盛(1.5玉)、大盛(2玉)、さらに替え玉も選べます。

注文から出来上がりまで、やや時間がかかるような印象ですが、それだけ一杯一杯をていねいに作っているという感じ。

お酒の後の〆のらうめんにも最適かもしれません。


2019年8月29日木曜日

ヒャクジツコウ


ヒャクジツコウは、百日紅と書き、サルスベリのこと。

夏を代表する花の一つです。

表皮が脱落して、すべすべした感じの幹が美しく、猿が登ろうとしても滑ってしまうというところから名前がついている・・・んですが、実際は猿も登れるらしい。

これは、実は盆栽用に用意した株が余ってしまったので、庭に地植えした物。

盆栽は、毎年、なかなか花がつかないのでひやひやしますが、こちらは順調に花が咲きだしています。

ほっておくと10m以上になってしまいますから、花が終わったら、このまま1mくらいの低木を保つように剪定しようと思います。

2019年8月28日水曜日

Sir Simon Rattle BPO / Beethoven Symphonies Movies (2015)

清水直子 大阪生まれ 2001年から在籍
町田琴和 東京生まれ 1997年から在籍
樫本大進 ロンドン生まれ 2009年から在籍
マレーネ伊藤 横浜生まれ 2011年から在籍

何だと思います? 実はこの4人は、世界最高峰と称せられるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の現役メンバーです。

なんと、HPによると、ベルリンフィルには、現在4人も日本人が在籍しているんです。もちろん、日本を重要なマーケットとしていることの現れでしょうけど、当然実力が無ければ入団できるはずもない。アジア系のメンバーは、他には韓国が一人いるだけ。

清水はヴィオラのリーダーを務めており、樫本はバイオリンのコンサート・マスターです。町田と伊藤はバイオリンですが、町田は、どんなレパートリーでも参加しており安定した演奏が信頼されているようです。

クラシックの、特にオーケストラの動画では楽団員の一人一人にあまり目がいくことは少なかったのですが、世界で活躍する日本人の姿というのは思わず視線が釘付けになってしまうポイントですし、またそれがベルリンフィルの思うつぼかもしれません。

あらためて、音だけではなく映像でベートーヴェンの交響曲全集を見て聴いてみました。指揮者のラトルだけでなく、演奏者もできるだけとらえたカメラワークは、地味になりやすいクラシックの動画の一線を画するものに思えます。

やはり動画のBlurayディスクが付属するセットというのは、値が張りますがそれだけの価値がある。聴いているだけだとだれやすい場面でも、映像があると見続ける緊張感が続き集中しやすい。

ベートーヴェンの9つの交響曲の楽曲に合わせた、楽器配置や人数の違いも興味深い。聴きなれたベートーヴェンですが、あらたな魅力を発見できるのは嬉しいことです。

2019年8月27日火曜日

Sir Simon Rattle BPO / Sibelius Complete Symphonies (2015)

シベリウスは近代北欧を代表する、フィンランド出身の作曲家です。

実は、第二の国歌とも呼ばれている「フィンランディア」のような有名な曲があることは知っていましたが、あまり聴いてきませんでした。

ベルリンフィルの音楽監督が交代したのを機会に、サイモン・ラトルの仕事を改めて確認してみたくなって、今回はシベリウスの交響曲全集を聴きました。

バロックの時代に前奏曲、序曲として始まったSinfoniaが、ハイドン・モーツァルトにより交響曲 Symphony として多楽章構成に拡張され、ベートーヴェンによって完成されたと言われています。

古典~ロマン派の様々な作曲家が交響曲を作りましたが、シベリウスは最後の、そしてベートーヴェン以来の優れた交響曲作曲家とも呼ばれているようです。

7番までありますが、細かい評論は自分にはできませんが、全体を通しての印象は北欧の大自然を淡々と、しかし時には荒々しく謳いあげる自然讃歌という風情で、ややロマン派らしい内省的な部分が多い曲が並びます。主題のメロディがはっきりしてないので、初めて聴くととっつきにくさがあります。

ここで、大いに役に立つのが実演のビデオ。ベルリンフィルのオリジナル・ブランドは、CD単独、CD+Bluray、ハイレゾ配信などのいろいろな形態がありますが、値段が高くなるのは痛いけどBluray付きが一番重宝する。このセットは、入れ物は置き場所に困るのですが、ハイレゾを聴きたいなら無料でダウンロード可能。

何しろ、演奏のビデオをゆっくり見れるのは嬉しい限り。もちろん、HPで「デジタル・コンサート」からストリーミングで鑑賞はできますが、ディスクがあるとHD画像を車の中も含めてどこでも楽しめのは大きい。

音だけきいているとのと違い、地味なオーケストラの映像だけですが、映像があると視覚的な要素が加わります。ベートーヴェンなら無理には必要がありませんが、特にシベリウスのような音楽では見続けることができました。

今では大好きなシューベルトも、最初は取っつきにくくて苦手な感じがしたのですが、シベリウスもこのようなビデオの助けを借りて何度か聴いていくと癖になりそうな趣を感じました。

2019年8月26日月曜日

ナンを作ってみた


何だ?

ナンだ。

使い古された、ダジャレにもならないやりとりが聞こえてきそうですが・・・

インドのパンです。薄くのばして、竈の壁にへばりつくように焼くのがホント。

レシピはベーカリーレンジのマニュアルの通りにやってみました。

強力粉 50% + 薄力粉 50%、水 46%、塩 2%、イースト 1%、砂糖 8%、サラダオイル 8%です。一次発酵のあと、丸めてベンチ20分。予熱を開始したら、平たく延ばしてフォークで表面に穴をあけ、ほとんど二次発酵せずに220度で20分焼成です。

結論から言うと・・・ほぼパンです。

かなり薄くしたつもりだったのですが、それでもやはり膨らんでます。繰り返しますが、薄いパンです。

味も・・・パンです。パンだと思えば、別にどうということはありません。

でも、作ったつもりはナンですから・・・微妙です。

2019年8月25日日曜日

Martha Argerich & Friends / Live from Lugano 2016

クラシック音楽は「交響曲」じゃなくちゃ、と考える人は多いと思います。

確かに、多数の弦楽器・金管楽器・木管楽器・打楽器などを用いた大規模な多楽章構成の楽曲は、作る方も大変でしょうし、聴く方も一定のエネルギーが必要。

それに比べると、少人数で演奏される「室内楽」は、気楽にセッションを楽しむところがありますが、一つ一つの楽器が出す音がはっきりするだけに演奏者の技量も高度なものが要求されます。

どちらかというと、小規模な室内楽、とくにピアノが入ったものが好きなので、Martha Argerichのルガーノ音楽祭のシリーズは、すでに知っている曲も、初めて聴く曲も、大変楽しむことができる嬉しい企画でした。

・・・でした、と過去形なのは、実は2016年で音楽祭が終了してしまったんです。

2002年に始まり、アルゲリッチは若手育成の目的で、「アルゲリッチ・プロジェクト」と称して積極的にこの音楽祭に毎年、有望な若手を登用してきました。一緒に演奏するだけでなく、若手だけでの演奏もたくさん行わせ、さしずめクラシック道場の様相を呈しています。

当時、大手レコード会社のEMIが、翌年にそのエッセンスをセレクトした3枚組のCDセットを毎年発売していて、「Live from the Lugano Festival」と銘打ったものだけでも42枚、それとは別に単独で発売されたものが数枚、またグラモフォンからもアルゲリッチの協奏曲演奏のみを集めたボックスもあります。

ところが、2012年に老舗EMIが消滅し、2013年からはワーナーに過去の音源も含めて権利が移りました。ですから、ルガーノのシリーズはどうなるのかと思っていたら、2013年からは最初からワーナーのレーベルでの発売で継続され安心というところ。

ところが、一番のスポンサーであったスイスのプライベート・バンクのBSIが、2015年にアメリカで脱税ほう助に対する巨額の罰金を科せられ、音楽祭からの徹底を余儀なくされてしまいました。

実はアルゲリッチは、同様の主旨で日本の別府でも、ルガーノよりも古く1996年から自分の名前を冠する音楽祭を毎年行っていて(実質的には1994年から)、今年で第21回を迎えていました。

ただし残念ながら、そうそうたる演奏家もこれに出演しているものの、日本人の若手も多いせいか残された記録は多くはありません。ルガーノが消滅してしまったので、どこかのメディアが今後継続的なCD、DVD発売などを行ってくれると嬉しいかもしれません。

2018年は、ハンブルグで似たような企画の音楽祭が開催され、もうじきその時の演奏集が発売されるようです。なんと、いきなりCD7枚組で、何もなかった2017年の分も埋め合わせてくれる勢い。今後もこういう企画が継続されることを大いに期待します。

2019年8月24日土曜日

おばけット 20 限界突破の道具

前回、家庭用の一般オーブンで可能な最大長のバゲットを焼いたんですが、実はそのために必要な秘密兵器がこれ。

平たい天板です。ほとんどのメーカー付属の天板は、皿状になっていて、庫内の寸法が横40cm・奥行き30cmでも縁のところは2cm程度使うことができません。

実質的な寸法は36cm×26cm程度で、対角線は約44cm。ですから、実質的に焼けるとなると40cm程度の物で精一杯。

この平たい天板を使うと、フルに庫内を使えるので、理屈上ほぼ50cmの長さのものを焼けることになります。

焼き上がりの見た目のインパクトでは、この10cmの差はでかい。もちろん、長ければよいというものではありませんが、「本物」との歴然とした差の一つは長さです。少しでも本物に近づく要素の一つとしては大事なポイントかもしれません。

この天板はステンレス製で、四辺に欠けた部分があって、庫内の熱風の循環を良くしてくれるのが特徴。アマゾンで注文して、メーカーからオーブンの型番の確認連絡がありますので、安心して注文ができます。

もっとも、これ以上は無理ですから、どうしてもという方は、本格的な石窯を用意するか、業務用のオーブンを設置するしかありません。さすがに、それは無理というものなので、50cm以上は目指しません。

2019年8月23日金曜日

味噌蔵


いろいろな発酵食品がありますが、日本人に馴染み深いものの一つが味噌。

基本的な材料は、大豆、麹、塩の3つ。麹の量によって、甘めから辛めに調節されます。

丸1日、しっかりと水を吸わせた大豆を煮潰して、麹と塩を混ぜたらあとは容器に入れて寝かせるだけ。

う~ん、文章にすると意外と簡単。味噌を作っているところで、樽に入れて熟成させているのが上の写真。

ただし、この寝かせている期間は長いです。だいたい1年くらい必要のようです。

安定した気温・湿度で、一定の品質を得るためには、たぶんいろいろと気を遣う必要があるのが、プロの仕事ということでしょう。

素人がやると、たいていカビがはえてしまい、結局捨てることになりそうですし、そもそも結果が出るのが1年後ですから待ってられませんね。

2019年8月22日木曜日

Claudio Abbado The Symphony Edition

アバドが亡くなったのは2014年ですが、いまだにクラシック音楽界の中では忘れられない存在です。

あまりに巨人化したカラヤンの独裁体制のもと、機能不全に陥っていたベルリンフィルを立て直した功績は大きい。しかし、残念ながら、道半ばにして病気のため退任。

しかし、療養から復帰後は、本当に伸び伸びとした自分がやりたいことを自由にやっている感じで、最後の10年間は充実した仕事ぶりを多数残しました。

アバドの仕事は、いくつかのボックスが発売されていますが、自分が選んだのはDGから発売された「交響曲選集」です。ベルリンフィルとの録音全集などもありますが、協奏曲などはアルゲリッチらとのかぶりが多く、すでに持っています。

この箱もCDで41枚が収納され、これだけでも十分すぎる大きさ。ベートーヴェン(全)、ブラームス(全)、ブルックナー、ハイドン、マーラー(全)、メンデルスゾーン(全)、シューベルト(全)の交響曲が含まれています。

すでに持っていたのは、メンデルスゾーンのみです。もともとカラヤンのせいで、大きな楽団による交響曲は苦手としていたので、ほとんど手をだしてこなかったので、交響曲物だけに絞ったこのボックスは初物が多くてお買い得です。

特に全集としてまとめられたものは、聴きどころが多い(マーラーだけは未完の10番はありませんが、以前の全集には録音あり)。自分が聴きたかったのは全集化されているものは全部ですが、特にベートーヴェンとシューベルトに注目です。

とにかく、少しずつ楽しみたいと思います。




2019年8月21日水曜日

明太子フランスを作ってみた


失敗バゲットを量産していると、その処分もなかなか大変。

全部食べるわけにもいかないので、仕事仲間に配ったり、隣近所に差し上げたり・・・

形としては失敗でも、味についてはあまり問題ないのが幸い。そこで、いくつかバゲットの二次加工の方法も試してみたりします。

よくあるフランスパンの食べ方で、人気なのが明太子ソースをのせたもの。

ソースをのせて、オーブンやトースターで追加10分程度加熱するだけで、びっくりする美味しさです。

今回は明太子ソースだけでは寂しいので、枝豆ソースも作ってみました。

レシピは適当なので、細かいことは書けませんが、明太子ソースは、明太子一房に、マヨネーズ、粉チーズ、バター、長葱少々、ニンニク少々を馴染むまで混ぜ合わせるだけ。量が足りない時はオリーブオイルでのばします。

枝豆ソースは、適度に荒くつぶした枝豆に、マヨネーズ、アンチョビ、粉チーズです。

ソースは盛り上がるくらいに多めに乗せた方が見た目も味もグッド。バゲットからはがれにくくするため、パンの表面はギザギザに切り落としてあります。

ちょっと和風のテイストを狙いましたが、ワインとの相性が抜群です。


2019年8月20日火曜日

ビールもどき


夏だ!! 枝豆だ!! という時に、「とりあえず」飲みたくなる定番の一つがビール。

・・・ですが、ほとんど車での移動をしている生活ですから、アルコールは禁忌。

家飲みの習慣がついてずいぶん経ちますが、ごくたまに外で飲みたくなる時には、ノンアルコール飲料というものがあります。

初めて飲んだのは、10年以上前だったと思いますが、「ビール」の代わりと思って飲んだらあまりの不味さに残してしまった記憶があります。

ですから、わざわざビールみたいな味がするというだけでノンアルコール飲料を注文することはせず、普通に烏龍茶とかで特に不満は感じません。

たまたま、先日、昔よりかなり味が良くなったというので、数年ぶりに注文してみたんですが・・・

やっぱり、わざわざ飲むほどのものではないなと。

そこまでビール味にこだわる必要は感じていないので、水やお茶で十分かなと思いました。

2019年8月19日月曜日

枝豆


夏だ!! ビールだ!! という時に、「とりあえず」食べたくなる定番の一つが枝豆。

言わずと知れた、成熟しきる前に収穫される大豆です。

茹でてしまえば冷凍もできるので、夏に限らず一年中楽しむこともできますが、やはりこの時期に枝についたままの物を買ってくるのが一番美味しい。

ちなみに大豆は英語で「soybeans」ですが、醤油は「soy sauce」。そして、枝豆は・・・「edamame」らしい。

面倒でも、さやの端を切って茹でると、茹でている間に塩味が入り込んで豆の旨味を凝縮してくれます。

2019年8月18日日曜日

おばけット 19 大きさの限界


家庭用オーブンの大きさはメーカーによって多少の差はありますが、だいたい庫内に入れて使う天板の大きさは40cm×30cm程度。

長方形の対角線の長さは、長辺の長さの二乗と短辺の長さの二乗を足した平方根で求められます・・・・って、中学で習う数学の基本公式の一つ。

つまり、天板の対角線は50cmということですから、どんな頑張ってもこれ以上長いパンは焼けないという事。実際には、端がオーブンの壁に当たってはだめですから、これより数cmは短くないとダメです。

というわけで、今回はギリギリの最大長のバゲットに挑戦してみました。

まず小麦粉をどれだけ使うか? というところなんですが、200gで2分割して作る時は、長さ25cmくらいにするとやや細めの印象。300gだと、太くて平べったい感じになりやすい。

つまり、間をとって250gがよさそうというわけで、いつもなら2分割して2本作るところを割らずに1本に成形しちゃいました。成形が終わった時点では、約42cmの長さで直径は約4cmくらいです。

2次発酵で直径は1.5倍くらいで、長さは少し大きくなったかなという感じ。そして、焼き終わると直径はさらに1.5倍になっていて、長さも最終的には46cmでした。

クープは4本にするか5本にするかで悩みましたが、たぶんたくさん入れると横にだれてしまいそうな気がしたので、4本にとどめておきました。

バゲット作りと言ってますが、本来はバゲットは60cm程度。それより長いとパリジャン。
短いものはバタール、クープ一筋分のものはクッペと呼びます。

つまり、いつも作っているのは短めのバタール。そして、今回のは、本当のバゲットに近いもの・・・というだけのことではあります。

さすがに、このくらいの長さがあると存在感はありますよね。

2019年8月17日土曜日

テンホウ @ 茅野市


テンホウは、信州あたりではチェーン店としていくつかあるので、まぁまぁ有名なラーメン店です。

一番の売りは、テンホウメンということだと思いますが、これは長崎チャンポンの麺を細麺にしたような感じで、白湯スープに魚介と野菜炒めがトッピングされたもの。

今回はタンタンメン。しかも、デラックスです。

何がデラックスかというと、トッピングてんこもりということ。テンホウの有名な豚ロース一枚揚げだけでなく、チャーシュー、もやし、ワカメ、白菜キムチ、温泉卵などがてんこもりです。もちろん担々麺特有の挽肉ものっています。

麺はこちらも細い縮れ麺です。スープは、ごま油の香りが食欲をそそるのですが、あれっ? 醤油ベースですね。芝麻醤は使っていない。

いわゆる醤油ベースの担々麺ということかと。確かにメニューは「タンタンメン」となっていて、「担々麺」ではありません。

これはこれで美味しいのですが、真っ向から担々麺を想像していると、けっこうがっかりするかもしれません。

2019年8月16日金曜日

見え隠れする満月


昨夜は満月で大潮。

台風の影響で、晴れたと思ったらいきなり大粒の雨がボツボツと降りだしたりで、一日中不安定な天気でした。夜になっても、台風が運んでくる雲によって月は遮られて、のんびりお月見している場合じゃありませんでした。

かすんだ空にぼやけて見える月は「朧月」と呼ばれますが、これは黄砂によるもので春に見られる現象。有名な唱歌である「朧月夜」でも、「春風そよふく・・・」と歌われています。

雲に隠れてしまう月をうまく表現する言葉は何でしょう。今どきのネット検索をしても、見つけることができませんでした。

見えたり隠れたりする様子を表現する言葉はいくつかあるものの、月に関係した物は見つからない。強いて選ぶと「隠顕」と合わせて、「穏健月」と言うのが悪くはないかもしれません。

2019年8月15日木曜日

月遅れお盆


8月15日は、日本全体としては終戦記念日という意味合いが大きいのですが、個々の家々にとっては「お盆」として定着しています。

お盆は、7月15日にもともと行われていた祖先の霊を祀る仏教的な行事。明治時代に新暦となり、都会では7月に行うところが多くなりましたが、農繁期である地方では旧暦に準じてこの時期であることが多い。

8月13日は盆の入りで、迎え火と共に帰って来る祖先の霊を迎え入れます。そして、16日には送り火として、有名なのは灯篭流しなどで送り返します。

この間に、霊が往復するときの乗り物として用意されるのが、精霊馬と呼ばれる胡瓜と茄子で作る動物。一般には、早く祖先がやって来るように胡瓜を馬に、そしてゆっくり帰るように茄子を牛に見立てています。

この時期に休みを取る人が多いのですが、今年は台風の接近でこれからの天気が心配ですね。西日本や海の近くに行く方は、十分に注意してください。

2019年8月14日水曜日

ぼっけもん @ あざみ野


もう、あざみ野界隈ならたいていのラーメン屋では食べたと思っていましたが、まだ一度も行ったことが無かった名店が残っていました。

何しろ、店が道に面していないので、なんかいくつかの飲食店があるなという程度の認識の場所でしたが、一番奥にある「ぼっけもん」というラーメン店がなかなかの評判。

最初に云っちゃいますが、素晴らしい。抜群に美味しかった。

この店の特徴は味噌・・・それもただの味噌じゃなくて、味噌豚骨なんです。醤油豚骨は家系でさんざん食べていますが、味噌豚骨というのは他では聞いたことがありませんでした。

味噌の向こうに豚骨の濃厚な味わいが、さらなる深みを出しています。何よりも、おじさんがゆがいた麺を丼にあせって移すと同時に、店主が一杯一杯を一気に仕上げる熱々のスープを一気にかけて仕上げているのが素晴らしい。

太めの縮れ麺にスープがよく絡みます。スープが濃厚なので、無料でおまけについてくる半ライスがまた嬉しい。

久しぶりに、レギュラー化してもいいお店を見つけました。

2019年8月13日火曜日

Sir Simon Rattle BPO / Beethoven Complete Symphonies (2015)

ドイツグラモフォンと決別(?)したラトル率いるベルリンフィルのベートーヴェン交響曲全集は、自主レーベルからの発売。実はガーディナー先生も、21世紀になってアルフィーフ・ドイツグラモフォン系列と決別して自主製作路線にいち早く切り替えていました。

クラシック音楽のCDはどんなに売れても、AKB48の何十分の一です。商売として考えると、かなり辛いはず。ガーディナー先生のCD50枚以上になるバッハのカンタータ全集を、アルフィーフが断念しても責められない。

ドイツグラモフォンは、古い音源をいろいろなくくりで集めたボックスセットをたくさん出してマニアに再度買わせていましたが、技術革新でSACDが登場すると今度はアルバムごとにさらに買わせる。さらにBluray Audioが出てくると、またもや再発売して買わせる。

何とも消費者泣かせの作戦で命を繋いでいるような感じですが、それらがさらなる価格破壊を起こしていることもありそうです。ボックスセットにすると途端にCD一枚が数百円になってしまいます。新しいより音質の良いものが出てくると、古い物はさらに値崩れして、消費者は高いものに手を出さなくなっていきます。

発売予定のドイツグラモフォンの「ベートーヴェン新全集」の含まれるガーディナー先生の交響曲全集は、自分が中古で手に入れた時は5000円くらいでしたが、廉価版が登場して新品でも4500円、中古だと2000円を切るような状況です。

ベルリンフィルはラトルの時代になって、自主製作レーベルを立ち上げました。ここから登場する作品はまだまだ多くはありませんが、一つ一つが吟味された濃い内容のものばかりで大注目です。

しかも、ちょろちょろ小出しにするけちなことはしません。通常CD盤、Bluray Audio盤をセットにしたり、ライブ映像BDまで付属したりします。また、SACD盤も同時に発売して、消費者は自分の視聴環境に合わせたセットを選べる。さらにハイレゾ音源は無料ダウンロード可能という具合に至れり尽くせり。

さて、そのラトルのベートーヴェンですが、以前のウィーンフィルとの全集も、攻めに攻めた演奏が評判になりましたが、それから15年たって、攻めるところは残しつつもまろやかさも合わせた円熟の演奏と云えそうな出来です。

全部で9曲あるベートーヴェンの交響曲ですが、自分の場合にまず最初に聴いて気に入るかどうか決定づけるのが第九です。小学生の時に最初に買ったベートーヴェンのレコードが、ベームウィーンフィルの第九でした。それがスタートにあるので、どうしてもその印象と比べてしまうのは避けられない。この曲の出来次第で、そのまま陳列されて終わるだけの存在となるか決まってしまいます。

ここでは・・・・さすがにそつのない演奏です。世界最高峰のオケは伊達ではありません。ライブ収録ですが、ラトルのやや早めの指揮に、一分の狂いもなくぴたっと合わせていく演奏は見事です。

この曲の白眉と云えるのは第4楽章の声楽。さすがにガーディナー先生の精錬されバランスの良い歌手の使い方には負けるとはいえ、バロック声楽物すらものにしてしまうラトルですからここでも優れた演奏を聴かせてくれました。

カラヤン、ベーム、バーンスタインらの超重量級演奏と、ガーディナーの風通しの良い演奏の中間を埋めるのにちょうど良いという感じです。

2019年8月12日月曜日

J.E.Gardiner / Beethoven Complete Symphonies

自分が知っているオーケストラで、最高峰とされているのはベルリン・フィルですが、自分の好みで言うと一番ではない。超重量級の音圧を誇るこの集団の演奏が、現代クラック音楽演奏に与えた影響は計り知れませんが、功罪両面があると思っています。

その音楽総監督というと、クラシック界の帝王と呼ばれる存在ですが、フルトヴェングラーの時代はリアルタイムには知らないし、残された音源も古いのであまり興味が無い。その次は、天下の泣く子も黙るカラヤンですが、自分にとっては当初フル・オーケストラの音楽を苦手にした元凶と言える。

続くアバドは個人的には嫌いではありませんが、病気のため短い期間で退任してしまいました。そして、つれに続くのがサイモン・ラトル。ラトルは、ベルリンフィルの重厚さはそのままに、曲によって編成を大幅に変えて、時には古楽奏法も取り入れで風通しの良い今の時代に見合った改革を行いました。

また、ラトルは経営面でもいち早くデジタル市場への参入を果たし、自主レーベルの立ち上げなどの功績も大きいのですが、昨年、最後の定期演奏会を行い勇退しました。今年から総監督に就任したのは、キリル・ペトレンコで、チャイコフスキーの「悲愴」のアルバムがリリースされました。

歴代の総監督の特色を知るためにメルクマールとなる演奏というのがあるとしたら、ベルリンフィルだけにドイツ古典の代表ベートーヴェンは外せないところ。特にフルオーケストラをどのように使い切るかは、交響曲に最も特徴が現れるのではないでしょうか。

クラシック音楽最大のレコード会社ドイツ・グラモフォンが、20年前に作曲家別のすべての楽曲を集大成する巨大ボックスの先駆けと云える「Complete Beethoven Edition」を発表しました。ここで、交響曲シリーズに選ばれたのはカラヤンで、当然と言えば当然。

来年はベートーヴェンの生誕250周年ということで、今年11月に新たな大全集が発売されることになっています。今回は、なんと交響曲全集が3セット含まれるようです。そのうち2セットは、カラヤン、バーンスタイン、ベーム、アバド、シャイー、クライバー、ジュリーニ、などのオールスター混成全集。そして唯一全曲通しで収録されるセットは、何とガーディナー盤というから驚きです。

古楽界の重鎮であるガーディナーのベートーヴェンは確かに名盤として知られ、重すぎず軽すぎず、軽快なテンポできびきびとした演奏が心地よく、自分も一番よく聴くセットです。現代の感覚で選択されるのはありうる話だとは思いますが、裏を返すとラトルがドイツ・グラモフォンに音源をのこしていないということ。

ラトルの交響曲全集は2つありますが、最初はウィーンフィルと共演し(2002年)ワーナーから発売されました。そして、もう一つはベルリンフィルと共に(2015年)自主レーベルからの発売です。このあたりは、産業としてのクラシック音楽界のいろいろな問題が透けて見えるところです。

それはともかく、大好きなガーディナー先生のベートーヴェンの格がさらに上がった感じがするのは贔屓の引き倒しかもしれませんが、より多くの人に聴いてもらえる機会が増えることは間違いありません。

2019年8月11日日曜日

C.Hogwood / Mozart The Symphonies

クラシック音楽の作曲家で、たぶん最も知られていて人気があるのはモーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart、1756/1/27 - 1791/12/5)でしょう。

18世紀までのクラシック音楽は、情報量は多くは無く、様々な混乱がつきもの。モーツァルトのような当時から人気のあった作曲家は、おびただしい作品が残っていて、その中には多くの偽作、贋作が含まれています。

交響曲と呼ばれるモーツァルトの作品は、一般には番号付きは第41番まで。でも、途中に抜け落ちているものも少なくないし、番号は無くても、交響曲として扱われるものもかなりある。

ですから、間違いないところを網羅した「全集」としては、カール・ベーム指揮、ベルリン・フィルのものが定番として名高いので、これだけ聴いておけば間違いがないという評価に落ち着いています。

ただし、本来のモーツァルトの音楽ということで考えると、ベルリン・フィルは重すぎる。ゆっくりと重厚を好むベームの指揮も相変わらずで、ちょっとした感じがあることは否めません。

そこで、登場するのがクリストファー・ホグウッドです。古楽系の草分けの一人ですが、だいたい古楽系の音楽家は研究熱心で、ホグウッドもその例にもれず学者としてもかなりしっかりした人。

モーツァルトの交響曲と呼ばれているもの、呼べるものを全部集めてみましたという大金字塔となった全集を1978~1986年にかけて録音しました。全部で71曲という壮大なスケールは、今後も誰にも打ち破られることはなさそうです。

もちろん、疑作・偽作の類も含まれており、また第1版、第2版といったバージョン違いもあり、断片的な物も含まれているという至れり尽くせりの構成です。

モーツァルトが実際に耳にしていただろう、軽めの編成できびきびとした演奏は痛快です。ほとんどが長調の曲ばかりですから、この演奏の方が聴いていて違和感がありませんし、BGM的に聞き流す時も邪魔になりにくい。

あまり難しい事を考えなくても、モーツァルトの交響曲をたくさん聴きたいなら、文句なしに一押しのセットです。

2019年8月10日土曜日

茶の実


茶の木の盆栽・・・というより、単なる鉢植えですけど、気がついたら実がついていました。

お茶の実なんて、想像もしていなかっただけに、ちょっと驚きとともに嬉しい感じがします。

秋に、白い小さな花びら控えめの花を咲かせてくれるので、飲み物としての実用性だけでなく、観賞用としても茶の木は存在感があります。

花はたくさん咲きますが、数日でどんどん落ちてしまうので、実がつくなんてことは考えもしませんでした。なんとか種子を採取して、増やせると楽しいかも。

2019年8月9日金曜日

おばけット 18 こね方三種


毎回、一つずつの製法過程でやっていると、気温とか湿度とかも影響すると言われていますし、どれほどの違いがあるのかよくわからない。

そこで、今回は、一度に三種類のこね方をして、発酵・成形・焼成についてはまったく同じということをやってみました。

材料は準強力粉に加水70%、微量イーストでオーバーナイト低温発酵です。

左側は、ほぼこねないといもの。粉を混ぜた後オートリーズ30分、パンチを5回程度してベンチ20分、2回目のパンチ5回でベンチ20分、3回目のパンチ5回で室温で予備発酵60分です。

真ん中は、最初のパンチのかわりにボールの中でヘラですくい上げるように折りたたむという方法を20回くらいしています。2回目以降のパンチとベンチは同じ。

そして、右側は、最初のパンチのかわりに、台に移して手で伸ばしていくように5分間以上こねました。2回目以降のパンチとベンチは同じです。

最初の写真は、一次発酵が終わって、三つ折りにたたんでベンチタイムをとっているところ。発酵終了の状態も、この写真の状態も、まったく外見は変わりません。


焼き上がりもほとんど変化なし。膨らみ具合はOKで、うまく楕円形になっています。

そして・・・


断面も大きな差は無い。強いて言えば、こねないものが、一番膨らみが悪い感じがしますが、こね方よりもしっかりとベンチタイムをとることが大事なんでしょうかね。

気泡については・・・やっぱり、いまいちです。ふぅ~・・・

今度は発酵時間を変えてやってみます。

2019年8月8日木曜日

Stag beetle


何だか、結構、衝撃的な写真です。

ズバリっ!! クワガタです。

しかも、レントゲン撮影したもの。

昔、飼い犬があまりに脚を痛がるのでレントゲン撮ってみたことはありますが、昆虫は初めて。

たまたま患者さんであるお子さんのレントゲンを撮る時に、ちょうど連れていたクワガタを横において撮影したもの。

まず、当たり前と云えば当たり前なのかもしれませんが・・・・

骨が無い!!

硬い装甲で身を包んで形を保っているわけで、骨格を持たない構造なんだと、あらためて知りました。

そして、脚は何か筋肉とかが詰まっていそうですが、特徴である大きな「大顎」の中身はほとんど空っぽみたいな感じです。

へぇ~ってなもんですが、こんなことする機会は無いと思うので、ちょっと嬉しい感じでした。

2019年8月7日水曜日

二色パンを作ってみた


基本的に、ハード系リーンなパン、つまりバゲットを思い通りに作ることを目標にして手作りパンにはまっているわけですが、さすがにそれだけではあきてしまう。

ですから、ときどきネットのいろいろなパンのレシピを参考にしたりして、リッチなパンなども作ったりします。ただし、この手のものは、再び作るかどうかはあまりわからない。

今回のリッチ君は、基本的には「白パン」と呼ばれているものなんですが、そのままじゃつまらないので、白一色ではなく二色にして結んでみました。

強力粉 400g を使いましたが、半分は塩とスキムミルクだけの比較的リーンっぽい感じにしました。そして残りは、砂糖、バターも追加してリッチ化します。その半分には抹茶、そして残りの半分にはアールグレイの茶葉を加えています。

一次発酵の後、長方形にのばした白生地の上に、それぞれの色付き生地をのせて、間には抹茶はホワイトチョコ、紅茶には普通のチョコのチップをばらまいて挟みました。

2cmくらいの短冊に切り分けて、それぞれを結んで成形したものが上の写真。そして焼き上がりはこんな具合。


あっさりとした白い生地と、濃厚な色付き生地のバランスが、見た目にも食べてみても悪くありませんでした。

バゲット作りは手間は少ないのですが、待ち時間の我慢が大事。それに比べると、この手のパンはとにかく手間が多くて面倒ですが、さくさく作っていけるので3~4時間暇なら早くに結果もわかるのがいいところでしょうか。

2019年8月6日火曜日

Marlene / Jazz'n Out (2007)


マリーンはフィリピン出身で、80~90年代に日本で活躍しクロスオーバーしてジャス、ポップスの名曲やオリジナル曲と圧倒的な歌唱力で人気を博しました。

この時代は、まさに自分にとってジャストフィットしていて、LPレコードからCDに移っても、ほとんどのメディアを持っていました。

1991年のアルバムを最後に、おそらく結婚・出産などで表舞台から降りていたようですが、2007年に16年ぶりに新作が登場していました。T-Squareに参加し、その後自らのビッグ・バンドBB Stationを結成した本田雅人との競演による「Jazz'n Out」です。

ビック・バンドによるスタンダード・ジャスのアルバムは1985年の「Sofly as in the Morning Sunrise」以来で、しょっぱなから「Sing Sing Sing」で大いに盛り上がります。さらに懐かしい大ヒットして「It's Magic」のジャズ版などもあり、大いに楽しめる内容です。

長期のブランクのカムバック・アルバムですが、その実力はまったく錆付いていません。もともと、本人もジャズのフィールドは好きですし、ちょっとハスキーな声質はエイトビートとマッチしています。

このあと2009年に発表した「Sing 熱帯Jazz」では、ラテン系を中心に再びビッグ・バンド・ジャズを歌いまくっています。合わせて楽しむことをお勧めします。

2019年8月5日月曜日

パンのカロリー


パンを作って、作った分だけ全部食べていたら、ものすごいカロリー摂取になっていそうな・・・夏の夜の怪談並みの怖さがあります。

パンのカロリーってどのくらい?

小麦粉の種類は、日本ではタンパク質の含有量によって強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉などに分けられます。カロリーに強く関係する糖質は、どれでも似たり寄ったり。どの小麦粉を使っても、だいたい100gについて370kcalくらい。

家庭で作るバゲットは、長さ20~30cmで、使用する小麦粉の量は1本について100~150gです。つまり、1本を丸々食べたら370~555kcalということ。他に入れるのは水と塩とイーストですから、ほぼカロリーには影響しません。

普通の食事では、半分も食べれば十分ですから、ご飯一膳150gの250kcalと同じ程度と考えて良さそうです。ですから、ハード系リーンなパンは、普通に食べている分にはあまり心配しなくて良いかと思います。

リッチなパンになると、バター、砂糖、ミルクなどがたっぷり練り込まれてきますので要注意。典型的には、クロワッサンはというと・・・

クロワッサンのレシピは通常12個分で小麦粉は300g。砂糖12%で36g、牛乳40%で120g、バター50%で150gを使用します。分量は人によって多少違いはありますが、標準的な大きさで1個が200kcalくらいになりますから、ついついパクパク食べるとかなり危険なことになる。

食パンは一斤で900kcal、バターロール1個で100kcal、シナモンロール1個で200kcal・・・という具合ですから、調子に乗って食べ過ぎてはいけません。

ちなみに自分は、焼きあがったら味見程度に一口分くらいは食べますが、後はほとんど周りに配ってしまいます。


2019年8月4日日曜日

Paul Lewis / Weber Schubert Sonatas (2019)

久しぶりにフランツ・シューベルトの話。

そもそも、シューベルトって・・・生まれたのはモーツァルトが亡くなって8年後、ベートーヴェンが27歳の時。そして、ベートーヴェンが亡くなった翌年に、わずか31才で亡くなりました。ショパン、シューマンより13才年上。

遺されている最初の作曲は1810年、13歳の時の物。従って、その創作期間は20年に満たないにも関わらず、多作のモーツァルトもびっくりの大量の楽曲を作りました。

楽譜出版時に付けられる作品番号は170くらいしかありませんが、20世紀半ばに年代別に整理されたドイチェ番号で約1000作品が確認されています。

しかし、スケッチ、断片、中断も大変多くて、交響曲やピアノソナタでは楽章の組み合わせが確定していないものも少なくありません。

ですから全集物の場合、真のすべてを網羅した物はどれなのかよくわからない。音楽家、あるいは収集家にとって、これほど悩ませることが多い作曲家はいないかもしれません。

特にシューベルトのピアノソナタは、大好きなのでいろいろ集めまくりました。そうすると、完成されたものだけを作品として認めるピアニスト以外に、おそらくこれが完成形として小品を合体させているピアニストもいます。

さらに、途中止めの楽譜をあるだけ弾いて、曲を突然終わらせるピアニストもいます。それでは気持ちが悪いと足りない部分を自ら補完してそれらしく弾き切るピアニストまでいるという状態。

あまたのボックス・セットの中から、モダンピアノによる完成作品を中心とする標準的な「全集」を選ぶとなると、現状ではたびたび取り上げてきた内田光子盤が最高かと思います。シューベルトの精神世界に深く切り込んだ演奏として評価が高い。もちろん、ケンプ、ブレンデル、シフらの演奏も忘れてはいけません。

とにかくシューベルトのピアノ独奏曲のすべてを、事典的に網羅したものを聴きたいならダルベルト、シュヒターがお勧め。足りない物を補って聴ける形で元気なシューベルトを聴きたいならヴァイヒェルト。

シューベルトの当時のフォルテピアノで、完成作品を可愛らしく聞きたいならT.レオンハルト、何でもかんでも詰め込むならフェアミューレンを選んでおきます。

自分の場合、ピアノソナタはD960の最後のソナタがランドマークです。この演奏が気に入るかどうかで、かなりの評価が決まってしまいます。

実は、もう一曲、ここから入るという曲があって、それは即興曲D899の第1曲。最初のジャーンと、そのあとの間、そしてピアニッシモかにしだいにフォルテに変わっていくところの緊張感がたまりません。

最近のブニチティシヴィリの新譜では、この曲が演奏されていますが、少し情緒感詰め込み過ぎという印象。弱い所は徹底的に弱く、強い所はガンガンというバランスが極端すぎる印象でした。

お気に入りのピアニストの一人、アラウの場合はさすがにごつごつのドイツ気質が強く、全体にばりばり弾いていてあれっ? という感じがあります。ブレンデルの直系に位置するイギリスのポール・ルイスは、ベートーヴェンの全集でも男性的な力強さの中に優雅さをうまく表現していましたが、この曲でもなかなかのバランス感覚で弾きこなしてくれます。

ルイスは、シューベルト作品は度々取り上げているものの、今のところ全体をまとめ上げようという感じがありません。パドモアとの三大歌曲集なんかは素晴らしかったんですが、今年の新譜でもウェーバーのソナタとの抱き合わせです。シューベルトだけで勝負してくれないかなぁ。

ソナタ全集、それが完成作品だけの選集でもいいですから、ちゃんとやってくれたら、自分の中では内田盤と並ぶスタンダードになるかもしれません。

2019年8月3日土曜日

SAKANACTION / 834.194 (2019)

年を取ると、なかなか新しいものには手を出しにくくなる。だんだん保守的になって、安全な既知の世界の中だけ生活しているだけで十分と思ってしまうものです。

音楽の嗜好についても同じことで、次から次へと出てくる新しいものを追っかけるのはしんどい。すでにお気に入りになっている、アーティストだけで十分足りてしまう。

何年か前から、特に積極的に聴こうとは思わなくても、メディア露出が増えて自然と名前だけは知るようになったのがSAKANACTIONですが、これは何と言ってもバントの名前のユニークさの賜物だと思います。

こういうネーミングのセンスは嫌いじゃない。ストレートに誰それバンドとかいうのも悪くはありませんが、インパクトには欠ける。SAKANAといえば、当然「魚」を想像するし、いったいどんな音楽を作り出すのか興味が湧きます。

最新曲は「忘れられないの」という曲で、これは数十年前の、自分にとってはリアルタイムですが、今の若者からすれば懐かしさを感じるよりも古いスタイルにこだわったという曲。

確かに昭和人には受け入れやすいメロディで、じゃあ新しいこだわりのアルバムが出たというので、聴いてみようかということになった。

タイトルの「834.194」は、彼らの出身地の札幌から東京までの距離だそうで、このあたりにもバンドメンバーのセンスを感じます。

一曲目こそキャッチャーな「忘れられないの」ですが、以後は独特の世界が続きます。韻を踏んだ歌詞は、ちゃんとメロディのあるラップという感じ。そして、何よりも演奏がしっかりしているという印象を持ちました。

最新テクノロジーをふんだんに散りばめていますが、そこに飲み込まれない生身のミュージシャンの姿がしっかりと描かれています。

全体的には受けのいいサビというのは少ない感じがして、硬派な印象です。でも、ここぞというときに耳に残るメロディをスパッとだしてくるあたりは、楽曲の構成力の強さも併せ持ってます。

こうやって、時々新しいものにも首を突っ込むと、たまに彼らのような面白い発見があって、気持ちが刺激されるのは年寄りにとって悪い事ではありません。

2019年8月2日金曜日

おばけット 17 クープの入れ方


バゲットを焼き上げた時、クープは見た目的にも成功に関係した重要な要素。正式には、クープの数によって呼び名も変わってきます。

クープは、焼成する前に生地に入れる切れ込みで、これを入れることで生地が膨らみやすくなりので、機能的にもうまいこと開いてくれる必要があります。

正しいクープは、斜めではなく、できるだけ生地の長軸に平行に引くことが大事。一本は10cm程度で、2本目、3本目は横へ1cmくらいずらした位置から、数cmくらい重ねてひきます。

深さは5~10mm程度で、けっこう深めの印象。そして、焼いたとき片側のへりが立ち上がり「エッジが立つ」ようにするためには、切れ込みを斜めにそぐようにするのがポイントとされています。

実際、柔らかい生地に教科書通りに切れ込みを入れるのは、けっこう難しい。どんなに切れるナイフを使用しても、刃先が生地にひっかかりやすい。

でも最近になって、やっと焼き上がりのかっこいいクープがひけるようになってきました。なんか、コツみたいなものがわかってきた。

まず、できるだけ一気に深く切れ込む。切った後は、できるだけ素早く霧吹きをして、できるだけ素早くオープンに投入するということ。

予熱の終了に合わせて、事前に準備しちゃうと、秒単位で切ったクープが開いて生地が平たくなっていきます。そうすると、焼き上がりで平べったいバゲットになるのはもちろんのこと、クープもべたーっとして、有るのか無いのかわからない感じに仕上がってしまいます。

予熱完了の知らせと同時に、一気に作業をして10秒くらいを目標にオーブンの蓋を閉じれるくらい素早くやるとかなりいい感じです。

2019年8月1日木曜日

おばけット 16 もう一度理論の復習


フランスパンと云えば・・・バゲット。バゲットと云えば、パリパリのクラストとボコボコに穴ぼこが開いたクラム。この穴ぼこのことを気泡と呼んでいますが、これがなかなかうまくできなくて悩み、停滞している今日この頃。

わからなくなったら最初に戻るというのは、勉強の基本。もう一度、気泡の科学を復習してみましょう。「フランスパンの気泡が小さくなる理由と大きくなる理由」というタイトルで詳しくまとめてくれているサイトがあります。そちらから大きな気泡を作るポイントを引用させていただくと・・・

① 蛋白質が少ない小麦粉を使う
② 天然酵母を使う
③ モルトや砂糖を減らす
④ 捏ねすぎない
⑥ 高温発酵を避ける
⑦ 気泡を潰さない
⑧ 熱伝導率が高いプレートで焼く

この中で、②の天然酵母だけは、これまた別の難しさがあるので、自分の場合はインスタントドライイーストで我慢したいと思います。

蛋白質を減らすということは、強力粉より準強力粉、準強力粉より中力粉を使うということ。グルテンの形成が少ない方が、熱で膨らんだ気泡が破裂して融合しやすくなる。ただし、グルテンが少ないと生地が弱くなって全体の膨らみも少ない。

モルトは焼き色をよくする効果と、イーストが発酵するためのエネルギーになるので、多くの本で使用が推奨されています。絶対に必要というわけではないので、省略して差し支えない。

こね過ぎないというのが、直接教えてもらわないとなかなかわかりにくいところ。これは、いろいろと試した結果、こねるのではなく折りたたむというのが正解だと思っています。台に出して押し延ばすのではなく、ボールの中でできるだけ底の方からヘラですくい上げてのびたところを折り返す感じ。

高温発酵をすると、イーストの体力を消費してしまい、焼成で爆発的な膨張が得られないということらしい。低温長時間発酵は、少ないイーストで独特の匂いも少なくできて、一石二鳥というところ。

成形するときいじり過ぎると、でき始めている気泡を潰してしまうし、また生地の連続性が途切れてしまうと伸張が悪くなるという事。どの本をみても、生地は優しく扱う事というのは共通です。

家庭用電気オーブンは、下火がないため、どうしても重要な最初期の加熱に不利になります。そこで、オーブンの天板は必ず予熱時に中に入れておいて、あらかじめ加熱することが大事。そして、予熱が終了したらすかさず生地を投入するために、熱伝導の良い銅の天板を利用します。

・・・と、ここまで、やれることはやっているよね。やはり、発酵に関わる細かい科学を知らないとだめということですかね。