2020年7月31日金曜日

Walter Bishop Jr. / Speak Low (1961)

よく言われることに、日本人はジャズの中でもピアノ・トリオが好きなんだそうです。

確かに否定できない。何故かと説明はできないのですが、ピアノ・トリオは聴きやすい。BGM程度に聴く時でも、本気で集中して聴く時でも、良い物は良いという感じ。

それと、ジャズの世界でも「一発屋」はいるもので、他はほとんど評判にならないのに、やたらと人気のある一枚を持っている人がいる。

そんなピアノ・トリオの名盤の一枚がウォルター・ビショップJRのこの1961年のアルバム。

後にコルトレーンの黄金時代に活躍するベースのジミー・ギャリソンも、この時はまだほとんど知られていません。ドラムはG.T.ホーガン・・・って誰よ、という布陣。

ビショップはチャーリー・パーカーとも共演した、それなりに実績を持っているピアニストなんですが、これといったアルバムは以前にも以後にもほとんど見かけません。

ビショップのビアノは、シングルトーンで転がすわけでもなく、ブロックコードでバリバリに弾くわけでもない。スピード感はあるのに、どちらかと言うとクラシックに近いような、重厚な流れるようなフレーズが多く、全曲スタンダードで選曲はとっつき易い。

全体にわたって、ライブのような熱気をはらんだ演奏が続き、多くのミュージシャンが取り上げる有名曲でも、緊張感のある名演と言える溌剌とした演奏が聴けます。

これに気をよくして、他のビショップのアルバムに手を出すと、うーん、まぁ取り立ててどっちでもいいかなという感じで期待した分残念な感じになります。

結局、このアルバムに戻って安心するわけで、この一枚だけで永遠に忘れられないピアニストの一人に数えられるのでした。

2020年7月30日木曜日

安楽死殺人


最近の医療関係の話題と言えば、当然ほとんど新型コロナウイルス関連なんですが、そこへ「安楽死殺人」という衝撃的な事件が急に登場してきました。

もちろん、関係者では無いので、表面的にニュースで伝えられていることしかわかりませんが、簡単に話を整理すると・・・

筋委縮性側索硬化症(ALS)の患者さんが自ら死を望んで、ネットで安楽死を依頼。実際に、引き受けた医師が薬物投与により患者さんを死に至らしめたというもの。

そもそもALSは神経難病で、発症すると通常全身の筋肉が動かせなくなり、治療法が無いため5~10年以内に呼吸の筋肉も使えず死に至るとされています。

罹患した有名人としては、野球のルー・ゲーリック氏、物理学者のスティーブン・ホーキング氏、また最近では美容家の佐伯チズさんなどが知られています。

正直言って、ALSの診断が下れば、患者は確実に死に向かう事が決定し「絶望」しかない。残りの人生を有意義に過ごしたくても、自分でできることはどんどん減ってしまい、今回の患者さんのように「無理やり生かされている」と考えることも否定しようがない。

一人の人間としては、「生きる権利」と共に一定の条件のもとに「死ぬ権利」も存在することは認めざるをえないところなんですが、ALSの患者さんは基本的に自ら死を選びたくても、肉体的に不可能です。

しかし、現在の日本の法律、および日本人の考え方として、安楽死は極めて厳格な条件の下でしか認められていません。少なくとも、患者さんが望んでいたことが明確であったとしても、患者さんの死に手を貸せば、医師であろうと「殺人」あるいは「殺人幇助」の罪に問われることは間違いありません。

人の命を助けることが医師の使命ならば、当然「安楽死」は医療とは呼べませんが、病気などから人の苦しみを助けることが医療の役目と拡大するならば、安楽死も一つの手段として成立するのかもしれません。

少なくとも、そこには患者さん、およびその家族らとの繰り返しの話し合いがあって、関係者全員が他に手段が無いことを確認し納得していることは絶対に必要。それでも、延命手段を中止するという消極的な方法しか現実的な選択肢はありません。

安楽死を認める国もありますが、少なくとも自分の倫理観の中では、積極的に人が死ぬ行為が通常の医療の一部として認知されることはありません。

今回のような、普段治療に当たっていた主治医以外の医師が、金銭授受を介して安楽死を実践したのが事実であるならば、殺人以上でも以下でもありません。医療関係者としては、極めて残念なニュースだということです。

2020年7月29日水曜日

首掛け扇風機

蒸し暑さがMAX!! という感じで、どうやって涼をとるかというのも、冗談ではなく真剣に考える必要があります。

古くはうちわ、扇子で、アナログで風を発生させる。冷蔵庫に余って使い道がなかった保冷剤を、ハンカチでくるんで首に巻いたりするという人も多いみたい。

メカニカルなものとしては、手持ちのミニ・ファンというのもありますが、まぁほとんど形だけで実用性はかなりいまいちという印象。

そんな中で、オープンタイプのヘッドホンらしきものを首にかけている人が増えたと思ったら、実はパーソナル扇風機だったというのが増えてきました。

そんなおもちゃみたいなもので、どうにかなるものでもないと思っていたんですが、最近身近で使いだす人が出現。これが意外と好評で、それならとひとつ購入してみました。

ただし、このタイプもワンコイン・ショップで売っている500円から、Amazonで5000円を超えるものまでさまざま。

安い物は、まさにヘッドホンみたいな形で、耳あての部分がミニ・ファンになっている感じ。このタイプは、髪の毛が長い人は注意が必要で、巻き込みが起こりやすい。

今のところAmazonで最新型として一番多いのが、普通の扇風機のような羽根が回るタイプではなく、タービン式で細かい羽根がたくさんついているタイプ。

見た感じどれも同じ様なので、一番安い3000円を下回る物を購入してみました。

外見はまぁまぁスタイリッシュで、あからさまに扇風機という感じではないのが良い。それと掛けてみて重さは200gちょっとで、あまり感じません。

スイッチを入れてみると、やんわりとした風が吹きあがってくる感じでちょっと物足りない・・・と思ったら、スイッチは3段階。止→弱→中→強と変わると、想像した以上に風が来るのでびっくり。

これだけ風が来ると、使用する本来の目的は十分に達成できる感じです。USB充電でフルだと6時間くらい使えるとのことなので、普段の通勤・通学、ちょっと買い物に出る時には問題なさそうです。

問題は音。さすがに強だと、うるさいというほどではありませんが、周囲の人にしっかり聞こえるほどの音になります。中くらいで我慢できると、音はまわりに迷惑をかけない大きさくらいかなと思いました。

2020年7月28日火曜日

雨雲レーダー


何だか最近、天気が目まぐるしく変わりますね。

晴れたと思って洗濯物を外に出したら、すぐ雨で引っ込めるなんてことをしょっちゅうしてませんか。

そもそも最近は、天気予報がどうもあてにならない。これにもコロナ問題がかんけいしているという話もあります。

天気の把握には、空を飛び交う飛行機のパイロットからの直視した雲の情報も使われているらしいのですが、コロナで飛んでいる飛行機が少なくなって情報量が減ったからだということらしい。まぁ、噂ですけど。

アプリなどで雨雲レーダーを利用することが普通になりましたが、この仕組みは気象レーダーからマイクロ波を出して、雨粒に反射する強さ、電波が戻ってくる時間、戻ってきた電波の強さから雨雲の動きがわかるというもの。

確かにリアルタイムの状況については、たぶん間違いないのだろうと思います。特に近年よく言われるゲリラ豪雨については、通常の天気予報ではとても追い切れないので、雨雲れーダー画像の活用の方が便利。

ただし雨雲レーダーの活用サービスは、××時間後までの予想がついていて、最大半日くらい先までの雨雲の動きの予想を見せてくれるのですが、最近これが実に当たらない。

数時間後に雨になりそうと思っても、いっこうに降らない。もう一度雨雲レーダーを見ると、予想ではかかっていた雨雲が無くなっているということはしばしば。やはり予想はあくまでも予想であって、あまり期待し過ぎてもしょうがないということでしょうか。

まぁ、今日の天気は「晴れ、ときどき曇り、所によってはにわか雨、急な雨に注意してください」としておけばだいたい当たりということになるんですけどね。

2020年7月27日月曜日

Art Blakey & Jazz Messengers / Three Blind Mice (1962)

大戦で勝利して活気が戻ったニューヨーク、まだ20歳を過ぎたばかりの黒人が、ピアノ弾きとしてクラブに出演していた。クラブの経営者はマフィアのボス。ボスはこの下手くそなピアノが嫌いだったので、ある日別のピアニストを連れてきた。

黒人ピアニストは、確かに自分よりうまいことを認めざるをえなかった上に、ボスから拳銃を突き付けられて「今日からお前は太鼓でも叩いていろ」と言われた日には、黙って引き下がるしかない。

この悔しさをバネにして、猛特訓した黒人元ピアニストは、ついに世界中に知らぬ者がいないくらい有名なジャズ・ドラマー、アート・ブレイキーとして生涯活躍したのでした。

・・・なんて話は、ジャズの世界ではゴロゴロ転がっていたりします。確かにそんなこともあるかもと思ってしまうところが、妙に楽しい。

メンバーはどんどん変わりましたが、40年近くジャズ・メッセンジャースというコンボを率いて、第一線で活躍し続けたことは、ジャズ界で一二を争う功績です。

これは、ほぼ同時代に生きたマイルスと共通する部分ですが、バンド・リーダーとして新人の発掘する眼力が優れていたこと、そして一度門下に入れるとしっかりとした役割を与え、バンド自体にも新鮮な空気を入れ続けたことが大きいようです。

結成当初は、ピアニストのホレス・シルバーの色が濃く出ていましたが、大傑作「モーニン」ではベニー・ゴルソンが活躍しました。ゴルソン退団後の60年代以降は二管から三管編成となり、マイルスに引き抜かれるまではウェイン・ショーターが音楽監督を務めます。

マイルスが中心となって始めたモード奏法は、演奏者の自由度が広がり、瞬く間にいろいろなミュージシャンが取り入れるようになりました。ショーターもその一人で、ファンキーでファイト一発的なジャズ・メッセンジャースにモーダルな響きを導入しました。

ハードバップの神様みたいなブレイキーも、すぐに反応してちゃんとモード奏法に対応していくところがさすがです。このトランペット(フレディ・ハバート)、テナーサックス(ウェイン・ショーター)、トロンボーン(カーティス・テラー)の三管編成のモーダルなジャズ・メッセンジャースは、Blue Noteの「Mosaic」で世に初登場しますが、わずか数か月後のこのライブ盤ですでにこの時期の代表作と呼べる出来栄えを示しています。

ファンキーを極めた「モーニン」はここにはありませんが、全員が新しいジャズを具現化しつつ、スイングするジャズの本質を忘れない快演をしています。

この組み合わせは、このあとRiversideレコードで3枚のアルバムを作りさらにグループとして成熟した後、再びBlu Noteに戻って「Free for All」で完結します。

2020年7月26日日曜日

Art Farmer / Modern Art (1958)

ジャズ・ミュージシャンで「art」という名前はよく聞くんですが、アート・テイタム、アート・ペッパー、アート・ブレイキー、そしてアート・ファーマーの4人が有名どころ。

アート・ファーマーは後年のフリューゲルホーンを用いた柔らかいサウンドが思い出されるんですが、基本的にはハード・パップのトランぺッター。

とは言っても、バリバリに吹くというよりは流れるようなメロディアスなアドリブが特徴という印象です。時には物足りない感じもしますが、アンサンブル重視のコンボで力を発揮する。

そういう意味でも、ベニー・ゴルソンと組んだジャズテットの一連の演奏が、ファンキーなんだけど音楽的な完成度の高さでは、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャースを上回っていたかもしれません。

ただし、編曲に凝っていけばいくほどジャズの醍醐味は減ってしまい、限界は早くに訪れるというのは常であって、編曲と共に個人技にも重点を置いたジャズ・メッセンジャースよりも短命で終わってしまいます。

このアルバム「モダン・アート」は、ジャズテット結成前、ベニー・ゴルソンとの最初のコラボ作で、まさにジャズテット序章という感じ。ちなみにアート・ペッパーも同じタイトルの名盤を残しています。

もちろんアート・ファーマーのリーダー作ですから、彼のトランペット・スタイルを前面に出して、他のメンバーも脇役としてうまく立ち回って全体をまとめています。

特に、ピアノにはマイルスのもとに在籍中のビル・エバンスが参加しており、この後の活躍の足がかかりの一つになった演奏をしています。

2020年7月25日土曜日

長引く梅雨


雨、雨、雨・・・

今年は梅雨前線がすっと日本に沿って居座っている感じで、どうもじめじめした期間が長い。

こういうブログを書いていると、毎年の梅雨がどうだったのかわかりやすい。平均的には関東でも20日ごろには明けるところなんですが、去年は7月29日に「梅雨が明けたらしい」と書いています。

一昨年はというと、7月4日に「6月中に梅雨が明けた」と書いている。うわっ、すごい空梅雨ですね。確かに7月以降、ガンガンに暑かったような記憶があります。

今年はどうかと・・・いまだにはっきりしたことはわかりませんが、どうも来週中だろうと言われていますが、8月までずれ込む可能性もあるらしい。

雨で気温が上がらないので、夜は窓を開けて寝たいのですが、急に雨が降ることが多くて吹き込むのも困る。エアコン使うと寒いし・・・

日照時間が少ないので、例によって野菜は高くなっています。普通の値段のものは、どう見ても美味しそうじゃない。まともな感じだと倍くらいの値段です。

明けたら明けたで、今度は暑、暑、暑いと言うんでしょうけど、雨続きよりはましかなと思います。

2020年7月24日金曜日

Dexter Gordon / Our Man in Paris (1963)

ジャズを楽しもうと思うと、正直マイルス・デイビスの50年で、有名ミュージシャンの演奏も大方は揃う。そこで、マイルスとの絡みが無いか、有っても少ない人を優先的に選んで名盤として紹介しています。

そしたら、気づくとほとんど同じ時期、つまり50年代後半に録音されたものに偏ってしまいました。結局、ジャズらしいジャズが最も元気だった時代ということ。60年代に入ると、アメリカでは人種偏見が強まり、多くの黒人ミュージシャンは活動が困難になってしまいます。

マイルスでさえ60年代初めは、個人的な理由もあったでしょうが、スタジオに入る機会は減り、今楽しめる音源はライブが中心です。アメリカ国内で活躍しずらくなったミュージシャンは、ヨーロッパに活路を見出しました。

特にフランスは、彼らの音楽を芸術として尊敬し、多くの演奏機会を提供したことで名盤と呼ばれるアルバムが登場するようになりました。

フランスに渡った一人に、デクスター・ゴードンがいます。テナーマンとしては、コルトレーンとロリンズがすでに人気を誇り、その他大勢扱いみたいなところがありましたが、62年の「GO!」でその存在感を発揮しました。

ゴードンの名盤としては第一に「GO!」をあげたいところですが、ここはフランスで録音し、まさにフランスというタイトルを付けた「Our Man in Paris」を推しておきたい。

ベースだけフランス人ですが、他のメンバーは当時にフランスにいたバド・パウエル、ケニー・クラークが固めたワン・ホーン・クァルテット。選曲も、いかにもジャズらしいスタンダードが並んでいて耳に入りやすい。

ゴードンのテナーは、ロリンズ系の野太い音色てすが、突飛な音作りはせず、オーソドックスな演奏。そこが物足りないというところもありますが、異邦人であってもリラックスして演奏を楽しんでいる雰囲気がひしひしと伝わってくるのがポイント。

この演奏が好きになったら、このあとのヨーロッパ・シリーズも十分に楽しめると思うので、名盤としても、ゴードンの入門編としても聴いておきたい一枚です。

2020年7月23日木曜日

Go To "Trouble"


今日は「海の日」という祝日で、クリニックは休み。本来は7月の第3月曜日のはずですが、今年は特別。

なんてったて、10月の「スポーツの日(旧・体育の日)」をずらして、今日と明日が連休になっています。そう、いよいよ、2020年東京オリンピックの開会式が行われます・・・

っていうのが、もともとの作戦だったのですが、皆さんご存知の通り、日本だけでなく世界中がそれどころではなくなってしまいました。

そうなると、土曜日も休みで4連休という方も多いとは思いますが、無駄な連休でどうにもこうにもあったもんじゃない。政府としても、何とかこの連休を無駄にしないようにGo To トラベルさせたかった・・・

というのはわからなくはないのですが、あまりに出たとこ勝負、いきなりの大風呂敷広げすぎで、Go To トラブル状態になっている。

東京をキャンペーンからはずすのは、感染再拡大を受けてしょうがないと理解できる。ただし、そもそもいきなり全国に移動させようというのが、範囲が広すぎで、最初は近隣だけから始めるとか考えなかったんでしょうか。

それにもまして、昨日からキャンペーン開始と息巻いておいて、実務的な手順はまだ出来上がっていなくて、業者もキャンペーンを利用したツアーなどの組み立てようがないという事態は、あまりにばかげています。

観光庁がとりまとめた5月の主要旅行業者の状況は、海外旅行は昨年同月比で1.0%、国内旅行は3.4%という、もう旅行業界は心停止一歩手前という感じです。最大手のJTBで、全体で3.6%ですが、それ以外の聞いたことがある旅行業者は軒並み1%台、中には0%というのも少なくありません。

旅行代理店がこの状況ということは、交通機関、宿泊施設、観光施設なども同様の状況であり、業界全体が強力に政治家にプッシュしたであろうことは、容易に想像がつくところ。

ただし、緊急事態宣言解除を第1波終息と勘違いしているとしか思えない。宣言解除は、最初の急激な感染拡大のピークを越えただけであって、まだまだ「With コロナ」を実践するには早すぎるということ。

経済的な活動が回復しないと、企業・個人とも潰れてしまうことは自明ですが、まずは今年1年は、何とか食いつなげるように援助、補填、補償、どんな言葉でいいんですけど、生活そのものを支える政策を中心にできないのでしょうか。

どこぞから高額な戦闘機とか買う予算が有れば、今は税金の使い道はそっちじゃない。対抗馬がいなかっただけの一強の、本当の力量が試されているのですが、すでに力の限界を露呈しているというところなんでしょうかね。

そもそも、野党もたかだか名称という形式にこだわって統一できないようじゃ、存在価値はゼロ。今の日本は、未来が見えてくる政治家の登場が本当に必要になっていそうです。

2020年7月22日水曜日

Erroll Garner / Concert by the Sea (1955)

エロール・ガーナーというピアニストは、ある意味、異色のジャズ・ピアニストです。

何しろ、超有名スタンダード曲である「Misty」の作曲者として有名ですが、実は生涯楽譜が読めなかったらしい。また左利きで、左手のキックが強い事で独特の雰囲気を作り出しました。

初期には他のミュージシャンとの共演もありましたが、残された記録はほとんどがソロかトリオで、ひたすら自分だけの世界を描き続けた人。

一番の有名盤がこの「Concert by the Sea」ということになるんですが、自分がジャズを聴き始めた昔々、輸入レコード屋さんに行くと必ず並んでいて、しかもたいてい投げ売りのような価格だったということと、ジャケットの「だささ」で逆に手を出しにくかった。

というのも、ジャケット写真が、何か磯の岩の上で人が両手をあげている・・・という、どう見ても「Help Me!!」状態のデザインがピンと来ないわけで、実はいくつかのバージョンがあったらしいのですが、いずれにしてもセンスを疑います。

このアルバムは、カリフォルニアの海沿いのカーメルでのライブで、カーメルと言えばクリント・イーストウッドが市長をしていた街。イーストウッドのジャズ好きは有名で、監督デヴューとなった邦題「恐怖のメロディ」の原題は「Play Misty for Me」でカーメルを舞台にした映画でした。

そんなわけで、良くも悪くも昔から印象深いレコードなんですが、今では当日の模様をすべて収録した完全盤が手に入ります。

あらためて聴くと、やはり独創的なピアノで、パップ期の他の誰とも似ていないスタイルなんですが、両手をフルに使うことからピアノ一台のエネルギーがすごくある。確かに他のソロイストはいらないし、他の楽器からすればやりにくかったかもしれません。

一歩間違うと、ホテルのラウンジあたりのカクテル・ピアノになってしまいそうなところもあるんですが、ガーナーの独特の世界を余すところなく楽しめる一枚という感じです。


2020年7月21日火曜日

クリニックの感染予防対策


新型コロナウイルス問題が始まったのが、国内では1月下旬。早くも、半年たってしまいました。この間に、クリニックで行ってきた感染予防のためにいろいろな対策をまとめてみます。

換気対策としては、クリニックの入り口および待合室・リハビリ室の窓を開放しました。ただし、暑くなってくると、一応目安として予想最高気温が28度を超える場合はエアコンを使用しています。

エアコン稼働中は、1日に数回窓などをすべて開けて換気を行っています。ただし、梅雨の今の期間は湿度とのからみもあって、なかなか判断が難しい。

また。最も密が避けられない診察室は、幸い、直接待合室に面していないので、原則として入り口を開けたまま診察をしています。診察の都合上、衣服を脱いでいただいたり、処置を行う場合などは適時ドアを閉めています。

飛沫予防対策としては、受付のスクリーンの設置をしました。テーブルカバーなどに使用する、厚手のビニール・シートを利用しています。

当然、スタッフはマスクを着用しています。来院する方にも、原則としてマスクの着用をお願いしています。マスクをお持ちでない方には、洗濯・消毒した再生マスクを用意しています。

待合室は、従来連続的に並べていた椅子をばらばらにして、可能な限り間隔を空けて座れるようにしました。

消毒対策としては、スタッフは適時アルコール液による手指の消毒を行います。来院した方用には、トイレに薬用ハンドソープと消毒用アルコールを設置しています。

待合室の椅子、リハビリ室の機器などは、できるだけ使用のたびに次亜塩素酸希釈液による清拭を行うようにしています。

コロナ対策として、スタッフの人数は最低限に絞っていますので、すべてを効果的に行えていない部分もあるかもしれませんが、全員で可能な限り努力しています。

これまで、来院者やスタッフが感染したということは起こっていないようですが、潜在的な感染のすべてを確認できるわけではありませんので、引き続き行える対策は取り入れていきたいと思います。

2020年7月20日月曜日

Hank Mobley / Soul Station (1960)

ハンク・モブレイは、コルトレーンが抜けた後にマイルスのバンドに参加したテナー・マン。その結果、コルトレーンと何かと比べられ、イモ扱いされたけっこう可哀想な人。

実際、「Someday My Prince Will Come」では、モブレイの演奏はお蔵入りして(後に発表されました)、たまたま遊びに来ていたコルトレーンがちょいと吹いた演奏がアルバムに収録されてしまいます。

後は、カーネギー・ホールとブラックホークでのライブ盤のみに登場しますが、確かにコルトレーンのような研ぎ澄まされた刀のようなアドリブではなく、予定通り進行する安心・安全なアドリブ。

でも、それはそれで良くスイングして聴いていてのれる演奏なので、自分としては嫌いではない。そもそもコルトレーンだってマイルスの元に登場した初めの頃は、たどたどしいイモなアドリブでした。

ご本人は、その辺りはあまり気にしていないのか、自分のアルバムはほぼ一貫してBlue Noteに録音していますが、いかにもそれらしい音作りで、どれをとってもハードバッパーとして一定の水準の音楽を聴かせてくれます。

一般に一枚代表作をあげるならば「Soul Station」ということになる。タイトルからして、かっこいい。これだけで、ファンキーなハード・パップが既に聞こえてくる。

サポートもピアノにウィントン・ケリー、ベースにポール・チェンバース、ドラムにアート・ブレイキーがついて、もう出来上がりは間違いないとお墨付きをもらったようなもの。

実際、ど派手な演奏はしないモブレイですが、うまく引きたてるバックにつられて、溌剌とした演奏をしています。スタンダート2曲と自作4曲のバランスもちょうど良い感じ。

超名盤とは言えないかもしれませんが、Blue Noteレコードのカラーを色濃く反映して、ハード・パップを文句なしに楽しめる一枚というくくりで聴いておきたいアルバムです。

2020年7月19日日曜日

経済再開と感染再燃


新型コロナウイルスの感染は、緊急事態宣言解除後の経済活動の再開に伴い拡大傾向を続けています。

100%の終息前に経済を優先すれば、これは当然の結果で驚くに値しません。新規感染者数は、緊急事態宣言が発せられた4月上旬のピークに匹敵する状況になってきました。

現在は全国の50~60%は東京都に発生しているわけですが、4月の時点と違うのは、緊急事態宣言時は東京都が占める割合は1/3程度だったという点。

これは東京都の検査がより多く行われるようになったということも関係しているでしょぅから、より多くの感染者を拾い上げていることは間違いありません。実際、そのほとんどが軽症者であり、重症者数は今のところ増加していません。

ただし、これらの軽症者の増加は潜在的な感染者の増加の反映ですから、このままでいけば週単位で医療に圧迫がかかるような状況は起こることがありうると考えられますし、夏に減少が期待できないと、秋以降制御不能になる可能性も否定できなくなります。

神奈川でも再び増加していますが、まだ4月を超えるような新規感染者数は記録していません。5月以降は医師会による臨時検査会場も開設されていますが、検査数そのものはそれほど増えたという印象はありません。

4月より、人々が習慣的に感染に対して注意をするようになっているわけですから、神奈川のような状況が、経済活動再開によるリスクを現実的に反映しているのかもしれません。

ただし、県をまたいでの移動を簡単に許す状況になれば、さらに全国的な感染拡大が再燃することは容易に想像できることです。医学的に観点からは、この時期にGoToキャンペーンを実施するという神経は理解できません。

GoToから東京だけ除外になりましたが、人口が集中しやすい都市圏ではいずれも増加傾向であることに変わりなく、全国的な制約を段階的に必要としていると思います。とは言っても、経済活動を容認しなければ、より多くの人に大きな影響があることも認めざるを得ない。

各業界には早急な業績回復が期待できる対策が必要なのですが、それらの対策と感染リスクは表裏一体であることをあらためて認識し、どこまで許容できるのか一人一人が良く考える必要があるということです。

2020年7月18日土曜日

からあげ・とり弁 縁


1週間くらい前に、港北経済新聞のWebに、「テークアウト専門のからあげ・とり弁 縁 横浜・青葉区に1号店」という話題が掲載されていました。

ニュース・サイトの地域検索に引っかかったんですが、そもそも地域限定のそんな新聞があったというのも驚きですが、住んでいるところの近場で新しい店ができるというのも興味津々。

何しろ、自粛生活・家飲みのこの頃ですが、いろいろなテイク・アウト・メニューがメディアで紹介されても、ほとんど東京の話で、横浜の端っこのこの当たりではUber Eatsだってめったにお目にかからない。

ですから、あいかわらず「外食」というと、スーパーのお惣菜を買って帰るくらいしかないので、家で美味しい持ち帰り外食ができるのは嬉しいかもしれません。

もともとマイナーなコンビニがあった場所で、近くにセブンイレブンが2軒できて、衰退の一途をたどり・・・という場所。しかも、隣がHotMottoですから、けっこうメニュー限定とはいえ挑戦的な出店かと。

そこまでやるなら、よほど美味しいのかと期待してしまいます。というわけで、買ってきてみました。とりあえず、開店したばかりですから、物珍しさもあって集客はまぁまぁのようです。

揚げたてですから、「皮はパリパリ、中はジューシー」という定番の誉め言葉そのまま。当然、スーパーのしなった唐揚げに慣れていると別次元の美味しさです。

味はいろいろあるようですが、あまりその違いがよくわかりませんでした。もも肉とむね肉の違いはさすがにわかりますが、どっちもそれなりに美味しいというくらい。

とは言え、正直、普通。そもそも、揚げ物ですから、(こどもじゃあるまいし)そんなにたくさん食べれない。2~3個で十分というところなんで、一度食べれば当分はいいかなと思ってしまいました。


2020年7月17日金曜日

Dave Brubeck / Time Out (1959)

ウエスト・コーストを代表するピアニストの一人がデイブ・ブルーベックで、彼の代表作として最も知られているアルバムが「Time Out」だと思います。

西海岸らしい、開放的な明るい感じそのままの演奏は音楽ファンに広く受けいられ、大変売れた作品として当時のColumbiaにも多大な貢献をしたもの。

クラシック音楽の素養があるブルーベックは、ジャズの世界では珍しい、5拍子などの変拍子を取り入れ他の演奏かが真似できないどくどくな世界を作り上げています。

ですが、一般には名盤とされているんですが、ジャズのアルバムとしてはちょっと物足りない感じがしてしまいます。

実は、自分にとってはEL&Pとして活躍したキース・エマーソンがナイス時代に、冒頭の「Blue Rondo」をロック版にして演奏したのが知るきっかけでした。キーボードにナイフを突き立てる過激なパフォーマンスが有名でした。

当然、それに比べれば、本家はおとなしい演奏ですが、変拍子のテーマが合わるとアドリブは8ビートになって、真ん中は普通のジャズという感じ。

タイトル曲の「Take Five」は、5拍子で、テーマのメロディは広く知られている有名曲。ただし、これは共演の盟友ポール・デスモンドの作曲。変拍子ながら、考えられたデスモンドのアドリブに続くのは・・・ジョー・モレロのドラム・ソロです。

モレロも、変拍子の中で苦労している感じですが、まぁまぁ印象的な演奏をしているんですが、それが終わるとテーマに戻って終了。あれっ? ブルーベックは? というところで終了。

やはり、基本的にスイングするには変拍子は無理があるということが示されているように思います。後年のニューポートでのライブ演奏もありますが、ここではブルーベックもソロを取りますが、テーマをブロックコードで崩した感じで、あまり面白いものではありません。

とはいえ、「売れる」というのも「名盤」としての条件の一つであることは否定できませんから、必ず知っておくべき一枚としての価値は変わりません。

2020年7月16日木曜日

Miles Davis / Kind of Blue (1959)

無人島に持っていくたった一枚のレコードに多くの人が選び、ジャズ史上最も多くの枚数が売れ、登場して60年間、その座を譲ることが無い最高のアルバム・・・

とにかくこのアルバムの称賛することにかけては、どんな言葉でも足りないくらいで、ジャズに限らず人類の文化遺産として未来永劫遺していくべきアルバム。

約45分間の完成された音楽空間はあまりにも見事で、ほとんどがやり直し無しの一発テイクというのが嘘のようです。実際、後年、録音時のスタジオの模様が公表され、一部の別テイクやスタート部分のやり直しがあったことはわかっていますが、それでも別テイクとして完奏されたのは「Freddie Freeloader」の1曲だけ。

最初から最後まで貫かれる、まさに「blue」なイメージが万華鏡のように広がっては消え、日頃はブヒブヒと吹きまくるコルトレーンのテナーもキャノンボールのアルトも、自制された独特の世界を作り出します。

マイルスのトランペットは、すべて楽譜があって吹いているかのようなアドリブを展開します。即興とは思えないような、必然性のある音選びが全体のムードを作り出しています。

そして、異分子と思えるようなビル・エバンスのピアノが、そのムードを実践する基本を作ります。特に熱くなりすぎないクールな演奏は、エバンスのすべての面ではないにしても、終生持ち続けたスタイルをすでに見せてくれていると言えます。

一般に良く言われるのは、ハードバップのコード進行の制約を基本としたアドリブから、モード奏法と呼ばれるもと自由に音符を選べるスタイルを作り出したことが高い評価につながっていますが、そんな小難しいことは横に置いておいて構いません。

アドリブ命のファイト一発のジャズから抜け出して、音楽としての完成度を高めたアルバムであり、全員がマイルスの糸をよく理解して作り上げた世界を無条件に楽しめばよいということです。

このセッションに参加したドラムのジミー・コブは、今年の5月に亡くなりました。最後の生きる証人がいなくなって、このアルバムは完全に伝説の世界へと入っていきました。

当然安い廉価盤はいくらでも登場していますが、このアルバムはジャケットのマイルスの写真と共に楽しんてもらいたい。少なくとも、ジャケットにある「COLUMBIA」や「LP」の文字すらも、今やこの音楽の世界観の一つになっているのです。

2020年7月15日水曜日

Microsoft謹製キーボード


Microsoftと言えば、パソコンの基本OSを供給するメーカー。そして、ほぼ今や一択となったワープロ、表計算などのオフィース・ソフトのブランド。

つまり、ソフトウェアの会社というイメージが強く、Surfaceシリーズなどのパソコン本体を供給するハードウェア・ベンダーとしては、まだまだ新参者という感じ。

でも、実は周辺機器については昔から作っていて、マウス、キーボードなどの入力機器については、以前よりよく考えられた逸品を発売してきました。

今自分が使っているのは、デスクトップでは数年前に発売されたSurface Keyboardというもの。写真の下、Surfaceらしいグレーのもので、薄型でBluetooth接続のワイヤレスです。

フルサイズ・キーボードですが、シェイプアップされた比較的コンパクトなサイズ。打鍵感も好ましく、大変使いやすい。

ただし、残念なのはBSキーが小さく、ほとんど必要が無い隣のInsertに触れてしまいやすいこと。フリーのキートップ変更ソフトを利用して、InsertもBSに変更して使っています。

ただし、今は製造していないので、新たに手に入れようと思うと難しくなってきました。

そこで、新たに購入したのは、Microsoftの現行版となるDesigner Keyboardという、写真上の黒いもの。接続はこちらもBluetooth。

大きさはメインの部分はほぼ同じですが、少しずつ調整されて右端はキートップ2列分の幅が縮められ、よりコンパクト化しています。

矢印キーの独立性が無くなったのか残念ですが、BSキーは大きくなり誤りにくくなりました。打鍵感は変わらず良好です。この雰囲気は病みつきで、もう他のキーボードは触りたくなくなります。

このDesigner Keyboardは、シリーズのDesigner Mouseも同梱されています。それは写真の物なんですが、こちらは・・・最低です。

薄すぎてまったく手に馴染まない。マウスの移動に指の力を必要以上に使うため、使いにくいなんてもんじゃない。Surface Mouseというスタイリッシュなマウスもありましたが、そちらも同様に人間工学を無視してデザインだけに走った困った存在でした。

以前には、コンパクトなのに手に馴染むBluetoothマウスなども発売していたのに、いったいMicrosoftのマウス部門は何を考えているのか。社員が、皆これを使っているとでもいうのか疑問です。

2020年7月14日火曜日

Sonny Clark / Cool Struttin' (1958)

最近は、様々な業種と同じく、いろいろなレコード会社が統廃合され、ジャズの世界でも名門と呼ばれたレーベルが随分と整理されてしまいました。寂しくなった半面、その結果、一人のアーティストのまとまった録音の集大成ボックスも廉価に登場するというメリットもあります。

50~60年代にジャズの世界を活気づけたレコード会社のトップは、やはりBLUE NOTEだったのかもしれません。多くのヒット作を生み出し、今でも名盤と呼ばれる多くのアルバムが作られました。

この「Cool Struttin'」も、特に日本で人気が高かった一枚。一頃のジャズ喫茶でリクエストされる定番で、店ではすり切れたレコード盤を何度も買いなおすことがあったようです。わかりやすいテーマ、ファンキーなアドリブの競演、そしてのりのりになれるリズムは、何度聞いても飽きることがありません。

ソニー・クラークは、やはり薬物中毒で、わずか31歳で亡くなりました。20歳ごろから活動を開始し、50年代後半、BLU NOTEからリーダー作や伴奏での参加作品を、短い活動期間に多数録音しています。

ここでは、アート・ファーマー、ジャッキー・マクリーンの二人も、まさにファンキーにスイングし、リズムは鉄壁のポール・チェンバースとフィーリー・リー・ジョーンズが担当します。

街を行くタイトスカートでハイヒールを履いた女性の足だけの写真というジャケットも秀逸でインパクトがあります。ミュージシャンの顔だけのジャケットが多い中で、アルバムのかっこよさをこれほどうまく伝えた物はあまり記憶にありません。

オリジナルは全4曲で、今は追加曲も含まれる形で販売が続いていますが、廉価ボックスもいろいろあって、半世紀以上たっても入手しやすい一枚です。

2020年7月13日月曜日

Art Pepper / Meets Rhythm Section (1957)

チャーリー・パーカーの影響は黒人だけでなく、白人ミュージシャンにも多大な影響を与えましたが、その中でも同じアルト・サックス吹きとしてアート・ペッパーもパーカー後のジャズの世界を引き継いだ一人といえます。

ウエスト・コーストを中心に活躍し、柔らかい滑らかな音色を特徴として、流れるようなアドリブが次から次へと出てくるところは、どの録音も聴いていて気持ちがいい。

ただしねペッパーもまた、薬物によって活躍したかと思うと社会から消えたりを繰り返した人。天才にはどうしても、今どきで言う黒歴史がつきまといます。

頭角を現しだした50年代初めの録音も素晴らしい物が多いのですが、代表作となるとおそらく文句なしにトップに躍り出るのがこのアルバム。

当時、マイルスのレギューラー・クインテットのリズム・セクションだった、ピアノのレッド・ガーランド、ベースのポール・チェンバース、ドラムのフィーリー・ジョー・ジョーンズの3人のリズム・セクションが参加したもの。

マイルスとの仕事だけでは食っていけなかったのか、この黄金のリズム・セクションはいろいろなアーティストの録音に参加していて数々の名演を残しましたが、その中でもこのアルバムは最高峰となりました。

おそらくマイルスの仕事で、3人がロスに来た時に組まれたセッションで、緊張しやすいペッパーには誰が伴奏に入るのかは知らされずに組まれていたようです。

出だしからして、数々の名演があるスタンダードの「You'd be so nice to come home to」からして、もうペッパーは快調に飛ばします。

ほとんど自分のテーマ・ソングともいえるオリジナルの「Straight Life」も、何度も録音していますが、この演奏が最高の出来かもしれません。

リズム・セクションはここでも快調ですが、日頃のマイルスとは異なる色のペッパーの演奏でも、まったく問題なく合わすところは合わせ、自分たちの色を出せるところはしっかりと出してきて手を抜きません。

ごく初期のステレオ録音で、楽器野左右の分離がはっきりしていますが、音はクリアで各楽器の動きがたいへんわかりやすい。

いつまでも、そして何度でも聴いて楽しめる、まさに名盤と呼べる一枚です。

2020年7月12日日曜日

洗える冷感マスク


UNIQLOのマスクは、相変わらず品薄ですが、再三言われているように特に夏用という物ではありません。どうしても使いたいという感じじゃない。

ミズノのマウスカバーは水着素材で、夏向けに大人気。こちらも抽選販売で、すごい競争率のようです。

無印のマスクも評判が良く、比較的購入しやすいようですが、冷感素材ではありません。前回、Amazonで購入した麻素材のマスクは涼し気ですが、どうも実用的には辛い残念な結果でした。

そんなわけで、今度もAmazonで探した、洗える、冷感マスクというのを購入してみました。何度も使えることと、そもそも値段が3枚セットで\1,380と、比較的安価なところが助かる。

大人用とあるだけでサイズがはっきりしなかったのが不安でしたが、とりあえず小顔とは言えない自分でも大丈夫な大きさでした。フィット感も悪くありません。

確かにヒヤっとまではいかないにしても、装着感は暑苦しくない。呼吸をしてもあまり苦しくならなさそう。

痛くなりやすい耳にかけるゴム紐部分が、長さを微調整できるのもGOODだと思います。

素材はポリエステルらしい。非医療用となっているので、どれほどの効果があるのかは不明。一応、ウイルス・カットを謳ってはいます。

で、生産国は・・・Made in China。

とりあえず、使ってみましょう。


2020年7月11日土曜日

Clifford Brown / Study in Brown (1955)

ジャズ・トランペッターとしてマイルス・デイビスは偉大な存在ですが、演奏者としては実は意外と上手いとは言えない。すべて楽譜に書かれているかのような流れるようなスムースなアドリブなんですが、ミストーンも少なくない。

トランペットを扱うテクニックでは、おそらくはるかに上を行くのがクリフォード・ブラウンだと思います。ブラウンは、当時のジャズ界では珍しく品行方正でドラッグには手を出していなかったと言われています。

1953年に初リーダー作を録音し、ドラムのマックス・ローチとのコンビで活躍しましたが、残念ながら1956年に交通事故によりわずか25歳で亡くなっています。

若くして早世したことで、充実した怖いもの知らずの爆発的なエネルギーを感じる演奏だけが遺り、それがまた伝説化した部分もあるわけですが、完璧なハード・バッパーの見本のような存在になりました。

わずか数年間という短い期間でしたが、多くの録音が遺されています。主なものは、EmercyレコードとBlue Noteレコードに集約されますが、Emercyのこのアルバムは、まとまったセッションで吹き込まれ、ブラウンの魅力が見事に詰まっている名盤として知られています。

ドラムはマックス・ローチ、テナーがハロルド・ランド、ベースがキージョージ・モロウ。ピアノはブラウンの弟のリッチーで、彼もまた同じ事故で亡くなっています。

他には、アート・ブレイキーとのバードランド・ライブも熱気の溢れる演奏が聴かれますが、ファイト一発だけが取り柄ではないことは、サラ・ボーン、ダイナ・ワシントン、そしてヘレン・メリルのEmercyの3人の歌姫の伴奏で証明されます。

ヘレン・メリルの代名詞のようになった「You'd be so nice to come home to」では、ワン・コーラスですが、ミディアム・テンポで歌心のある美しいソロを聴かせます。

亡くならなければ60年代、70年代にどんな演奏をしていたかと想像したくなるところですが、逆に一瞬の彗星のような輝きに凝縮した演奏を楽しむことが、よりブラウンの価値を高めているのかもしれません。

2020年7月10日金曜日

224人


9日に発表された、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数です。

224人というのは、過去最高の数字。約半分は感染経路不明で、70%が20~30才代という状況。

5月末に緊急事態宣言が終了し、社会活動が少しずつ再開されました。

とは言っても、毎日通勤で車で行き来している立場としては、「少しずつ」ではなく、6月半ばからは急激に以前の交通量に戻ったという印象です。

やはりというか、当然というか、7月からは都内の感染者数は3桁が続くようになりました。昨日のような200人を超えるというのは、時間の問題だったように思います。

当然だからそのまま受け入れるのか・・・

検査数が増えたからだという考え方もありますが、実際の検査数は4月の時点と比べて確かに増えましたが、都内は3.4倍、国内全体では2倍にはなっていません。人の動きが活発になれば、接触機会が増えて感染者が増加して当たり前。

特に「夜の街」関連が相変わらず多いわけですが、家庭内感染なども目立ってきています。また、感染経路不明者が多いことが気になります。

4月の医療崩壊は防げましたが、その結果、感染者を受け入れた病院の多くは深刻な経営危機に陥っています。医療従事者は給料カット、ボーナス減額(あるいは全額カット)で生活そのものも危うくなっています。現実に退職希望者が急増している病院もあるようです。

感染治療を行っていない病院、あるいは自分のようなクリニックも、患者数減少による経営危機が継続しており、まったく余裕はありません。医療の提供に余裕があるのは、これまでの範囲の数字が続く場合だけです。

政府は緊急事態を再度宣言することはおそらくない。宣言はされていなくても、今一度、各人が自覚して気持ちを引き締めた行動が望まれているということです。

2020年7月9日木曜日

Charles Mingus / Pithecanthropus Erectus (1956)

ジャズと言えば、ファイト一発、アドリブ命みたいなイメージがあり、実際のところ否定できないんですが、昔から何か堅苦しい演奏に取り組む人はいたものです。

そういう実験的演奏をやってきた代表格みたいな方が、ベーシストのチャーリー(チャールス)・ミンガス。パーカーらとも共演してきた、筋金入りのバッパーのはずなんですが、自分のリーダー作は一風変わったものが多い。

1956年録音の本作は、そういうミンガスの初期の代表作。作曲家として人々に認知された作品です。そもそもタイトルからして「直立猿人」という、およそジャズらしからぬロマンチックじゃない単語を使っている。

タイトル曲は、フリーとは違う前衛的な曲で、計算されたアンサンブルを聴かせます。不思議なムードが漂い、正直言ってよくわからない。

2曲目、スタンダードのガーシュインの名曲、「A Foggy Day」も不思議なアレンジ。アドリブになると、多少普通の感じになりますが、普通のブルージーな雰囲気を想像していると驚くしかない。

あと2曲は、やや普通。とは言っても、最後の大作「Love Chant」もテーマ部分についてはずっとモヤモヤした感じが続きます。

つまり、モーニンおじさんの一人としては、何がいいのかよくわからないけど、傑作とされているから聴いてみたというのが正直なところ。よくわからない、小難しい事をすると芸術的みたいな雰囲気に飲まれてしまっているところがある。

とは言っても、ジャズの必聴盤として高い評価を得ていることは間違いないので、一度は聞くべきアルバムであり、ここからミンガス・ワールドに突入するのもありなのかもしれません。


2020年7月8日水曜日

新しい生活様式


新型コロナウイルスと「共存」を強いられる、新たな生活様式が求められています。

気温が高くなって暑くなってきましたが、エアコンを使うと換気が問題。窓を開けると、風がある場合は何とか我慢できそうですが、この時期大量の湿気を含んでいてムシムシ感MAXです。

人が集まる集会、コンサートなども推奨される人数が公表されていますが、会場によって規模が違うので、定員の50%のような目安の方がわかりやすい感じがします。

夜の街・・・という、もしかしたら今年の流行語になりそうな表現ですが、これも曖昧。

確かに短く適切な表現が見つからないのですが、実際のところ接待を伴わなくても、リアル飲み会も復活してきているようですから、接待の有無は関係なくなっているのかもしれません。

豪雨被害を受けている方々は、避難所での「密」は避けられそうもありません。

富士通は全面的なリモート・ワークへの移行を決めました。単身赴任を廃止し、赴任予定だった社員はリモートで各地区を担当します。通勤が無くなるので、交通費としての定期券代支給は廃止。

おそらく、家の光熱費は増え、赴任手当が無くなり、そして奥様方のストレスも増大するかもしれません。

オリンピックは、世論の動向は来年実行1/3、延期1/3、取りやめ1/3という状況のようですが、現実的に考えてかなり厳しい予想をします。気持ち的にはやって欲しいとは思いますが、実際には「世界中」が安心できる状況はまず無いように思います。

一部の国で期待されていた「集団免疫」による終息も期待薄。感染して獲得する抵抗性である抗体が、数カ月しか持続できないというデータが出てきています。

これは、通常のカゼの原因であるコロナウイルスで、すでに言われていたことなので驚くことではありません。

ということは、ワクチンが完成しても、獲得できる免疫効果は限定的である可能性は否定できません。実際、SARSやMERSのコロナウイルス・ワクチンの開発が頓挫している状況があります。

で、結局、新しい生活様式の模索に戻るしかないわけなんですが、2019年までの何十年とやってきた旧様式を簡単にガラリと変えることは相当難しい。できることを考えて、少しずつしか変えていくことはできません。

とりあえず、北極と南極だけは安全のようですけどね・・・

2020年7月7日火曜日

経験したことが無い大雨


この数日、特に九州を中心に「経験をしたことが無い大雨」となっており、気象関係者からは「少しでも命が助かる行動」を取るように求めています。

実際、一昨日の熊本では、球磨川の氾濫により多数の死傷者が出ており、被害にあわれた方には心よりお見舞い申し上げます。

これは梅雨前線が活発化して、北と南からの風で積乱雲が東西に細長く停滞する「線状降水帯」が発生したため。

やはり、地球の気候変化のせいか、このところ毎年この時期に必ず豪雨被害が発生しています。短時間なら「ゲリラ豪雨」ですませられますが、長時間続くと川の氾濫、土砂崩れによる甚大な被害が度々発生することになります。

ウイルスの蔓延と気象変化が直接関連しているわけではないでしょぅが、何か地球が少しずつ悲鳴をあげているようで、不気味な怖さを感じるのは大袈裟ではないかもしれません。

2020年7月6日月曜日

Miles Davis / 'Round About Midnight (1955,56)

初リーダー作「クールの誕生」で、親分のパーカーに反旗を翻したかのような、アドリブ一発のビ・バップからアレンジ重視の音楽を聴かせたマイルス・デイビス。

この「実験」は、それなりの成果をみたものの、マイルス自身は演奏者としての自由を求めて、1年程度で「クール」から脱却し、さらなる自由な演奏に方向転換していきます。

とは言っても、デヴュー時からまるで歌手が歌うようなアドリブを展開するマイルスは、単純な音の吹き流しはしません。一曲一曲で、いろいろな聴きどころをうまく用意していく姿勢は、他のハード・バッパーと一線を画していました。

マイルスは、1955年に念願のレギュラー・グループを結成します。当初、ソニー・ロリンズを呼びたかったようですが、雲隠れしていたロリンズにかわって、まだまだ無名に近かったジョン・コルトレーンが参加しました。

テナーのコルトレーン以外は、ピアノにレッド・ガーランド、ベースはポール・チェンバース、ドラムはフィリー・ジョー・ジョーンズの鉄壁のリズム・セクションです。この最初のクインテットに自信を持てたマイルスは、当時契約中だったPrestigeレコードと決別し、よりメジャーだったColumbiaと専属契約を結びました。

Preistigeとの残りの契約分を一気に録音した、いわゆる「マラソン・セッション」から生まれた「Workin'」、「Cookin'」、「Relaxin'」、「Steamin'」の四部作は、いずれも甲乙つけがたい名作ですが、やはりColumbiaでの初録音での希望に溢れた緊張感には勝てません。

特にタイトルにもなっセロニアス・モンク作曲の「'Round About Midnight」は、マイルスがジャズというフォーマットを維持した60年代の最後まで重要なレパートリーとなり、スローにテーマから一転して激しい切り替えをするくだりは過激に続くことになります。

個人的にも、まだマイルスとは誰? と思っていた高校生の時に、レコード店でジャケットのかっこよさに最初に買ったジャズのレコードがこれだったということで、大変思い入れのあるアルバムです。

ある意味、ハード・パップ期のマイルスの集大成みたいなアルバムで、一カ所に停まっていられないマイルスは、このクインテットでできることを出し切ってしまったのかもしれません。この後、マイルスは再び新たな形を模索し始めるのでした。

2020年7月5日日曜日

Horace Silver / Song for My Father (1964)

50~60年代のジャズを先頭を切って牽引したのは、Blue Noteレコードだったと言っても過言ではありません。数々の名盤が遺されていますが、その中の一つに必ず登場するのがこのアルバム。

ホレス・シルバーは、50年代にはアート・ブレイキーらとの共演で名を馳せました。バド・パウエルの影響を強く感じる、伴奏でもソロを取る時でも比較的はっきりした音を出して、乗りの良い音楽という印象です。

そういう意味で、いわゆるファンキーなジャズの代表選手という感じですが、80年代にスタイリッシュな音楽を目指して変わった新生Blue Noteでは活躍の場が無くなり、以後シルバーは目立たなくなってしまいました。

このアルバムは、「父に捧ぐ歌」というくらいで、ジャケットも自分の父親の写真を掲げています。そのせいで、シルバーのビジュアルとして、それなりの年寄りという印象が定着してしまいました。

実際には、30代なかばの演奏で、黒人にしては髪の毛もストレート気味でシティ派美青年ですので、他のアルバムとのギャップが今でも感じられます。

60年代なかばといえば、ジャズと言えばハード・パップからコルトレーンをはじめとしたフリーな演奏に変化していた時代で、このアルバムは当時としては古臭いスタイルだったかもしれませんが、全体のアンサンブルとソロのバランスが絶妙で、旧Blue Noteの完成形を示した一枚という意味で忘れられません。

2020年7月4日土曜日

ミズノ・マウスカバー (購入できず)


相変わらず、夏向けのマスク探しをあきらめていませんが、面倒くさがり屋で積極的なこともあまりしていない。

今度は、ミズノのマスク。

これは夏向け。水着素材を用いて、肌触りが良いマスクをミズノが開発したもの。

6月初めに最初に売りだした時は、あっと今に完売。月末に、追加販売にあたってオンライン・ショップへの入場の権利を得る抽選がありました。

名前とメール・アドレスだけを記入する簡単な登録でしたが、2日に抽選をして、当選者のみにメールで販売サイトの案内をするという仕組み。

でもって・・・何もメールは来ませんでした。

予想以上の申し込みがあったらしい。

今回の販売は80万セットくらいのようですから、100万、200万人くらいの申し込みは予想していたでしょうから、「予想以上」というからにはそれ以上なんでしょうか。

今後、再々販売するかどうかは未定のようです。

2020年7月3日金曜日

真夏の夜のジャズ (1958)

ジャズは、映画の中でもしばしば活躍しますが、まさにジャズが主役の映画としては唯一無比の存在なのが、この純然たるドキュメンタリー映画("Jazz on a Summer's Day")。

1955年に始まった、ニューポート・ジャズ・フェスティバル(アメリカ、ロードアイランド州)ですが、この映画は1958年の第4回の模様を題材としています。

随分と昔に何かで見た記憶があるんですが、映画館だったのかテレビだったのか、あるいはビデオだったのか記憶がはっきりしません。

ジャスの演奏だけを楽しむには、ちょっと物足りない印象ですが、この真夏の祭りを楽しむ50年代最後のアメリカの人々の生活やファッションを見事にパッケージにしたところを含めて観賞すべきもの。この後、60年代はアメリカは様々な問題が噴出し、暗雲が垂れ込め始めます。

現行では、DVDは手に入りますが、高画質のBlurayなどは登場していません。ほとんど日本語字幕は必要のないものなので、輸入盤で楽しんでもOKではないでしょうか。もちろん、今どきですからYouTubeでも見ることができます。

登場するミュージシャンは、ソニー・スティット、アニタ・オデイ、ジョージ・シアリング、
ジェリー・マリガン、アート・ファーマー、ジム・ホール、セロニアス・モンク、ダイナ・ワシントン、チコ・ハミルトン、マヘリア・ジャクソン、ルイ・アームストロング・・・などなど。

やや白人ミュージシャンに偏っている感はありますし、女性ボーカルが多い感じでもありますが、それが当時のセレクトと考えるとしょうがないのかもしれません。中でも、アニタ・オデイの熱唱は大変有名です。

また、面白いのはチャック・ベリーが登場するところ。人気が出始めたロックンロールが、進歩的なジャズの一部と捉えられていたことの現れと言えそうです。トリがサッチモ、大トリがゴスペルのマヘリア・ジャクソンということも時代ですね。

実は、この年映画に登場しませんが、この年のマイルス・デイビスのライブ盤があります。つまり、この1958年7月の時点で、まだまだマイルス、及びジョン・コルトレーンの人気は定着していなかったということに衝撃を受けます。

60年前の古き良き時代のアメリカの様子を見事に切り取ったドキュメントとしても、大変価値のある映像です。




2020年7月2日木曜日

レジ袋有料化


7月になって変わったことで、キャッスレス決済での還元が無くなったのも大きいですが、一番面倒になったのがレジ袋の有料化。

一バカ利用が多いと思われる各コンビニでは、必要とする場合には袋の大きさによって3~5円かかります。

初日の様子としては、半数の人が袋はいらない、残り半分がマイバッグ持参、そして全体の1/4の人が有料レジ袋を利用したようです。

プラスチックごみ問題も、かなり深刻化しているようですから、このような対策については協力していくことが望ましい・・・

とは、頭でわかっていますけど、毎日3円使って1年で1000円ちょっと。マイバッグも汚れたりして不衛生になりやすいので、洗濯したりしないといけないので、3円くらいなら「まぁ、いいか」という気持ちも捨てきれない。

結局は慣れの問題というところもあるんでしょうけど、といあえず昨日の初日はコンビニで持参したレジ袋を出してみました。店員さんも、最初は面倒だとは思いますけど、お互い続けてみるしかないですよね。

2020年7月1日水曜日

妨害運転罪


昨今、何かと話題に上るのが「あおり運転」です。

もともと、昔から他人の車にちょっかいを出すようなドライバーはいましたし、実際運転する人なら、それに類する運転は経験があるものです。

ただし、数年前の東名高速道路上での事件以来、あおるというより本当に暴力に近いものや、暴力そのものという事象が多発していることは間違いない。

今どき、ドライブレコーダー装着車が多く、それらの悪質な行為が動画として記録される可能性が高い。実際YouTubeなどには、そういう動画が山ほど投稿されています。にもかかわらず、冷静さを失ったドライバーが後を絶たないというのは、残念としか言いようがない。

今までは、明確にこれらの行為を取り締まる交通法規がありませんでしたが、昨日から、新たに「妨害運転罪」が発効されました。

月曜日からでなく火曜日から、7月1日からでなく6月30日からというのはちょっと不思議なところですが、とにかく「あおり運転」という曖昧な表現が、「妨害運転罪」という明確に定義されたことは意味がある。

ただし、うっかりとか、たまたまという意識せずにあおった場合、また煽っているつもりはないのに相手があおられたと感じるような場合もあるので、その辺りのを線引きについてはよくわからない。

あおられる側にも問題がある場合も無いわけではないので、もう少し踏み込んだ説明が欲しい所です。

以前に、一時停止で自分は止まったつもりでも、警察官に捕まったことがあるんですが、止まりましたと言っても相手にされなかった経験があります。その時、「証拠は自分が見たから」という警察官の主観だけで切符を切られたという苦い記憶です。

妨害運転罪でも、客観性を持った取り締まりが行えるのかちょっと不安も感じます。結局、ハンドルを握った自分が安全運転を心がけ、ドライブレコーダーなどを設置して自己防衛することが重要なのかもしれません。