2026年5月10日日曜日
山王社 @ 麻生区王禅寺
神社のランク付けというのは「社格」と呼ばれ、古来、様々な分類が作られてきていて、今では昔ながらの呼び方も混在していてたいへんわかりにくい。
まぁ、「鰯の頭も信心」というくらいですから、信仰の対象としては箱の大小は関係ないと言ってしまえばそれまで。ただ、大きい方がご利益がありそうな感じがしてしまうものです。
明治時代になって定められた社格では、一番頂点にあるのが神宮(いわゆる伊勢神宮の正規の呼び名)で、その下に官弊・国弊の大社・中社・小社が続き、これらは「神様」を祀るもの。さらにその下に武将などを祀った別格官弊社というのがあります。
戦後にGHQの意向により社格は廃止されたため、いろいろと混乱することになるのですが、今では宗教法人である神社本庁が包括する神社の中で、(伊勢)神宮とそれ以外の別表神社に大きく分けられています。しかし、もともとある程度の規模の大きな神社しか含まれていない上に、神社本庁に属さない、あるいは離脱する神社も少なくないので、さらに事を複雑化しています。
だいたい共通の認識としては、伊勢神宮だけが別格扱いなのは間違いなく、その下に天上の神々や天皇を祀る「××神宮」、地上の神々を祀る「××大社」、皇族や功績をあげた人を祀る「××宮」があり、後はその他大勢の「××神社」となります。そして、さらのその下に「××社」という氏神様としてごく限られた地域信仰の対象になっているごく小さな神社が位置します。
ここから本題。横浜市青葉区からほんの少しだけ外れた、川崎市麻生区に山王社という常駐する宮司などがいない小さな社があります。すぐ近くの王禅寺の鬼門(邪気が出入りする方角で、北東をさします)からの災いを封じるために建立されたと言われています。王禅寺は10世紀頃のものなので、山王社が出来たのはそれ以降、少なくとも1830年の「新編武蔵風土記稿」には記載があります。日枝神社と呼ばれていたこともあるらしい。
現在の姿では、細いわりには交通量の多い道路から急な勾配の階段があって、注意していないと気がつかずに通り過ぎてしまいます。階段はちゃんと数えなかったのですが、百段近くありそうで、けっこうきつい。前のめりに上らないとかなり危険な階段です(よく探すと緩やかな坂道が併設されています)。
境内は10m四方ほどしかなく、社も3m四方のちいさなものが立っているだけ。祭神は大山咋神(比叡山の地主神)です。小さいですが地域の氏神として、人々が集まって無病息災・五穀豊穣を祈る場所としては十分に信仰を集めていたのかもしれないと思うと感慨深いです。
2026年5月9日土曜日
カブ煮
ずんぐりとした大根みたいな見た目ですが、どちらもアブラナ科で親戚関係にあるカブは、鈴奈(すずな)と呼ばれて春の七草にも入っているので、比較的メジャーな野菜の一つです。
一番家庭で作られているカブの料理というと、やっぱり煮物だと思います。
大根と違って、火の通りが速いので、短時間で美味しく食べることができます。
今回は大きめのカブだったので、皮をむいて一口大になる8等分に切りました。
まずはお湯だけで、強火で数分間。少しカブに透明な感じが出始めたら、出汁の素と醤油で味付け。カブの味をしっかり感じられるように、薄めの味付けがおすすめです。
一緒に煮るのは油揚げが人気。必ずついてくる葉の部分も美味しいので捨てたらもったいない。
全部をさらに数分間煮たら、葉は取り出して火を止めてしばらく置いておきます。カブは火にかけすぎると、簡単に煮崩れてしまうので注意しましょう。
あとはは皿に盛って、葉を乗せれば出来上がりです。
2026年5月8日金曜日
瓜
さて、ここで問題です。
写真は、3つのウリ科の野菜を育てるための苗です。
それぞれ何でしょうか?
だいたいウリ科というと、蔓性で巻きひげで絡み合っていくものですが、ふだん食用にしているものがたくさんあります。
胡瓜 キュウリ
南瓜 カボチャ
西瓜 スイカ
苦瓜 ゴーヤ
糸瓜 ヘチマ
甜瓜 メロン
瓢箪 ヒョウタン
冬瓜 トウガン
夕顔 ユウガオ
西葫芦 ズッキーニ
甜瓜 メロン
瓢箪 ヒョウタン
冬瓜 トウガン
夕顔 ユウガオ
西葫芦 ズッキーニ
瓢箪 ヒョウタン
・・・などなど。もちろん他にもたくさんありますが、聞いたことがあるのはこのくらいでしょぅか。
それでは正解発表です。
左の葉が細かくギザギザしているのはキュウリ。真ん中のやや白っぽい葉に葉脈がくっくり見えるのはヘチマ。そして、右側の葉が5つに切れ込んで別れているのがゴーヤです。
今からでも間に合いますので、ベランダとかで育てみてはいかがでしょうか。
・・・などなど。もちろん他にもたくさんありますが、聞いたことがあるのはこのくらいでしょぅか。
それでは正解発表です。
左の葉が細かくギザギザしているのはキュウリ。真ん中のやや白っぽい葉に葉脈がくっくり見えるのはヘチマ。そして、右側の葉が5つに切れ込んで別れているのがゴーヤです。
今からでも間に合いますので、ベランダとかで育てみてはいかがでしょうか。
2026年5月7日木曜日
007 / ダイ・アナザー・デイ (2002)
ついにイーオン・プロダクションの映画「007シリーズ」は、本作で40周年を迎え、20作品目となります。前作でほぼ完成形と言えるピアース・ブロナンスのジェームス・ボンドは4本目ですが、プロナンスは本作を最後に役を降りることなりました。もともとの契約は5本だったようですが、製作サイドがキャストの若返りを狙ったということらしい。
監督は大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」で助監督を務めたリー・タマホリで、主題歌はマドンナが歌い、作品中にも少し出演しています。イギリスとアメリカが協力し、北朝鮮を敵国とするのは久々の国家間の争いの設定です。ただし、表立っては悪者には出来ないのか、あくまでも北朝鮮軍部の中に壮大な野望を持った独立した存在がいることになっています。イアン・フレミングの原作ではなく、オリジナル脚本となっています。
北朝鮮の非武装地帯の基地を根城にして、武器の密輸を行っていたムーン大佐を抹殺するためにジェームス・ボンドが送り込まれました。しかし、側近のザオが顔写真を照会し、何者かの情報によって身元が露見してしまいます。それでも、ムーン大佐を滝壺に落下させますが、父親のムーン将軍に捕らえられ、14か月に渡って尋問・拷問を受けることになってしまいました。しかし中国と韓国の外交交渉の場にテロを仕掛けたザオが捕らえられると、捕虜交換によってやっと解放されるのです。
秘密裏に連絡を受けたボンドは、旧地下鉄構内にあるMI6分室でMと再会します。両者が情報を交換すると、アイスランドでダイアモンド鉱山を発見し短期間で巨万の富を築いたというグレーブスの履歴が怪しいことがわかってきます。Mはボンドが再び007を名乗ることを黙認するのです。
ボンドはグレーブスの計画を暴くため、アイスランドで行われる彼の世紀の発明、イカロスの発表会に潜り込みます。イカロスは宇宙空間で太陽光を集めて地上に照射することができる装置でした。いつでも必要なだけ光と熱を供給できるので食糧危機のない繁栄を期待できるという触れ込みでしたが、実は強力な熱線をピンポイントで放射することで強力な武器として使えるものでした。
ボンドはグレーブスの立ち居振る舞いから、グレーブスがDND変換された死んだ思っていたムーン大佐であることを見抜き、銃を突きつけます。そこへMの指令によってグレーブス社に潜入して秘書を務めていたミランダが現れ、逆にボンドに銃口を向けるのでした。一方、別行動をしていたジンクスも捕らえられ監禁されてしまうのでした。
ボンドガールは、ジンクス役には初めての黒人女性としてハル・ベリー、敵側の二重スパイだったミランダにはロサムンド・パイクが選ばれました。こう言っては怒られそうですが、ボンドガールで出演後も活躍した人は意外に少ないのですが、この二人はその後も大活躍で多くの映画に出演しています。ジュディ・デンチのM、サマンサ・ボンドのマネーペニーは続投。Q役は、前作で後釜として紹介された新たなQが登場しますが、初めてなのであまり印象は残りません。
40周年記念企画として、過去の作品の印象的なシーンが次から次へとオマージュされて登場するのも大きな楽しみ。ジンクス登場シーンは、まさに第1作「ドクター・ノオ」のウルスラ・アンドレスの初登場シーンそのまま。第2作「ロシアより愛をこめて」からは、葉巻の合言葉や毒針付きの靴。第3作「ゴールド・フィンガー」からは迫りくるレーザー光線など。Mと再会する地下鉄は「007は二度死ぬ」だし、パラシュートのユニオン・ジャック、ホバークラフトによる追いかけっこなどなど、あれ、これどこかで見たというシーンが次から次へと出てきます。
また、ロジャー・ムーア版ボンドまでは、冒頭のシークエンスはボンドの流儀を知るための短い活劇で、本編とは直接関係しなかったのですが、ティモシー・ダルトンからは、本編へのイントロダクションとしての役割が持たせられていました。しかも、この作品では冒頭シークエンスに続く、テーマ曲パートでなまめかしい動きの女性だけでなく、拷問され続けるボンドのシーンも何度も挟まり長い時間が経過していることを示すのも初めての試みだろうと思います。
まぁ、いろいろ試行錯誤されて出来上がったジェームス・ボンド像でしたが、ある意味それもここまでで、次回作ではシリーズがリブートされハードボイルド化したボンドが登場することになります。
監督は大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」で助監督を務めたリー・タマホリで、主題歌はマドンナが歌い、作品中にも少し出演しています。イギリスとアメリカが協力し、北朝鮮を敵国とするのは久々の国家間の争いの設定です。ただし、表立っては悪者には出来ないのか、あくまでも北朝鮮軍部の中に壮大な野望を持った独立した存在がいることになっています。イアン・フレミングの原作ではなく、オリジナル脚本となっています。
北朝鮮の非武装地帯の基地を根城にして、武器の密輸を行っていたムーン大佐を抹殺するためにジェームス・ボンドが送り込まれました。しかし、側近のザオが顔写真を照会し、何者かの情報によって身元が露見してしまいます。それでも、ムーン大佐を滝壺に落下させますが、父親のムーン将軍に捕らえられ、14か月に渡って尋問・拷問を受けることになってしまいました。しかし中国と韓国の外交交渉の場にテロを仕掛けたザオが捕らえられると、捕虜交換によってやっと解放されるのです。
しかし、ザオを追っていたCIA工作員がボンドが捕らえられていた収容所からの発信によって殺されたため、情報を漏洩した疑いをかけられたボンドは00ナンバーを失い、香港沖に停泊するイギリス工作船に軟禁されるのです。ボンドは疑いを晴らすべく船から逃亡し、旧知の中国公安の助けを借りて、ザオがキューバの孤島に潜伏していることを知るとただちに出発します。
島には人を別人に生まれ変わらせられるDND変換術を行っている病院があり、武装した警備員が配置されていました。病院に侵入したボンドは、アメリカ国家安全保障局(NSA)の女スパイ、ジンクスに遭遇し、まだ別人になりきれていないザオを発見するものの逃げられてしまいます。ザオとの格闘で掴んだ彼の弾丸のネックレスを調べると、中にはアイスランドのダイアモンド王、グスタフ・グレーブスの刻印の入ったダイヤが入っていましたが、その品質は南アフリカ産とまったく同じでした。
島には人を別人に生まれ変わらせられるDND変換術を行っている病院があり、武装した警備員が配置されていました。病院に侵入したボンドは、アメリカ国家安全保障局(NSA)の女スパイ、ジンクスに遭遇し、まだ別人になりきれていないザオを発見するものの逃げられてしまいます。ザオとの格闘で掴んだ彼の弾丸のネックレスを調べると、中にはアイスランドのダイアモンド王、グスタフ・グレーブスの刻印の入ったダイヤが入っていましたが、その品質は南アフリカ産とまったく同じでした。
秘密裏に連絡を受けたボンドは、旧地下鉄構内にあるMI6分室でMと再会します。両者が情報を交換すると、アイスランドでダイアモンド鉱山を発見し短期間で巨万の富を築いたというグレーブスの履歴が怪しいことがわかってきます。Mはボンドが再び007を名乗ることを黙認するのです。
ボンドはグレーブスの計画を暴くため、アイスランドで行われる彼の世紀の発明、イカロスの発表会に潜り込みます。イカロスは宇宙空間で太陽光を集めて地上に照射することができる装置でした。いつでも必要なだけ光と熱を供給できるので食糧危機のない繁栄を期待できるという触れ込みでしたが、実は強力な熱線をピンポイントで放射することで強力な武器として使えるものでした。
ボンドはグレーブスの立ち居振る舞いから、グレーブスがDND変換された死んだ思っていたムーン大佐であることを見抜き、銃を突きつけます。そこへMの指令によってグレーブス社に潜入して秘書を務めていたミランダが現れ、逆にボンドに銃口を向けるのでした。一方、別行動をしていたジンクスも捕らえられ監禁されてしまうのでした。
ボンドガールは、ジンクス役には初めての黒人女性としてハル・ベリー、敵側の二重スパイだったミランダにはロサムンド・パイクが選ばれました。こう言っては怒られそうですが、ボンドガールで出演後も活躍した人は意外に少ないのですが、この二人はその後も大活躍で多くの映画に出演しています。ジュディ・デンチのM、サマンサ・ボンドのマネーペニーは続投。Q役は、前作で後釜として紹介された新たなQが登場しますが、初めてなのであまり印象は残りません。
40周年記念企画として、過去の作品の印象的なシーンが次から次へとオマージュされて登場するのも大きな楽しみ。ジンクス登場シーンは、まさに第1作「ドクター・ノオ」のウルスラ・アンドレスの初登場シーンそのまま。第2作「ロシアより愛をこめて」からは、葉巻の合言葉や毒針付きの靴。第3作「ゴールド・フィンガー」からは迫りくるレーザー光線など。Mと再会する地下鉄は「007は二度死ぬ」だし、パラシュートのユニオン・ジャック、ホバークラフトによる追いかけっこなどなど、あれ、これどこかで見たというシーンが次から次へと出てきます。
また、ロジャー・ムーア版ボンドまでは、冒頭のシークエンスはボンドの流儀を知るための短い活劇で、本編とは直接関係しなかったのですが、ティモシー・ダルトンからは、本編へのイントロダクションとしての役割が持たせられていました。しかも、この作品では冒頭シークエンスに続く、テーマ曲パートでなまめかしい動きの女性だけでなく、拷問され続けるボンドのシーンも何度も挟まり長い時間が経過していることを示すのも初めての試みだろうと思います。
まぁ、いろいろ試行錯誤されて出来上がったジェームス・ボンド像でしたが、ある意味それもここまでで、次回作ではシリーズがリブートされハードボイルド化したボンドが登場することになります。
2026年5月6日水曜日
007 / ワールド・イズ・ノット・イナフ (1999)
イギリスの諜報局MI6の007が活躍するシリーズ第19作目。ジェームス・ボンド役は、これで3作目となるピアース・ブロナンス。今回は内容はシリアスなのに、やや往年のボンド・カラーが強めで、ジョークと女性に弱いところが目立ちます。監督はマイケル・アプテッド。主題歌を歌うのはガービッジというロックバンドですが、自分は不勉強で聞いたことが無い。
Mとは学生時代から親交があるキング卿は、石油産業で莫大な権益を得ていて、さらにアゼルバイジャンで新たな石油のパイプラインを建設中です。しかし、娘のエレクトラが元KGBのテロリスト、レナードに誘拐され、キング卿はMに救出を依頼してきます。Mはレナードを捕獲するチャンスだとして、キング卿に身代金要求を断るように進言しますが、エレクトラは、何とか自力で脱出したのでした。
しばらくして、MI6の機密文書が奪われ、キング卿が巨額の資金を提供しますが、ボンドの活躍によって機密文書も資金も回収されました。MI6本部で、キング卿に資金が返還されましたが、実は特殊爆弾で、キング卿は爆死してしまいます。エレクトラを一度見捨てたことを引け目に感じているMは、ボンドにレナードからエレクトラを警護するように命じるのです。
父の仕事を引き継いでパイプライン建設を目指しているエレクトラは、最初はMI6に対して不信感を抱いていましたが、武装集団に襲われたところをボンドに助けられ信用するようになります。エレクトラは元KGB、今はカジノ経営などで一儲けしているズコフスキーの元を訪れ、簡単に賭けで負けて大金を失いますが、「人生にはスリルが必要」とうそぶく様子にボンドは疑いを向けます。
エレクトラの警備主任が怪しい行動をしていたので、ボンドは彼を倒してなりすまし、迎えに来た飛行機に搭乗します。行き先は、旧ソビエト連邦の核弾頭の廃棄作業が行われているカザフスタンで、旧ミサイル基地内ではレナードとその一味が核弾頭を奪取しようとしていました。ボンドはレナードに銃を突きつけたものの、形勢逆転で「人生にはスリルが必要」と言い残して逃げられてしまいます。ボンドは、核弾頭解体の専門家、女性科学者のクリスマスと伴に何とか爆発する基地から脱出しました。
エレクトラはM自身に守ってもらいたいと懇願したため、Mは石油備蓄基地に向かいます。ボンドはエレクトラが一味に加担していると推測しますが、Mは信じません。その時、石油備蓄基地に向かってくるパイプラインの中のメンテナンス用のピグが暴走し、そこには核弾頭が仕掛けてあることがわかります。ボンドとクリスマスは核弾頭解除のため、別のピグに乗って先行するピグを追いかけるのでした。
しかし、弾頭内のプルトニウムは少量で、時限爆弾によってパイプラインが損傷するだけの破壊力だったのです。爆発によりボンドは死んだと思ったエレクトラは本性を現し、Mを拘束するとレナードが待つイスタンブールに向かうのでした。彼らは黒海からエーゲ海に抜けるためのイスタンブールを縦断するボスポラス海峡を核汚染によって通行不能にして、石油の多くがエレクトラのパイプラインを使うしかならなくなるという計画だったのです。そして、それが自分を見捨てたキング卿やMI6に対する復讐でもあったのでした。
ボンドガールはエレクトラにソフィー・マルソー、クリスマスにデニス・リチャーズです。ソフィー・マルソーは「ラ・ブーム」で日本でも人気者になりましたが、その後はあまりぱっとしません。ボンド・ガールが悪者というのは今までにもありましたが、その最後はおそらく初めてのケースになっています。エンディングのラブ・シーンを務めたのはデニス・リチャーズですが、それまでは男勝りの強気な科学者という役柄でお色気は封印しています。
Mの心情が深く関わってくるという設定も初めてで、出番がかなり多め。ズコフスキーは「ゴールデン・アイ」にも登場した、ちょっと憎めないキャラの悪党で、同じ俳優が演じています。今回のキャスティングで一番話題になったのは、これまでシリーズすべてでQを演じてきたデスモンド・リュウェリンの引退でしょう。作品中で、代わりの人物を紹介していますが、この映画が公開された直後に、交通事故で85歳で亡くなりました。
父親に対する復讐、人質を捨て石にした自責の念、今まで以上に非情になり切らなければならないスパイといった、シリーズの中にこれまでなかった心的な要素が複雑に絡み合うことで、ストーリーは深みが増しています。いつも余裕しゃくしゃくのボンドが、焦りの色を見せると言うのは珍しい。
冷戦時代のような国と国の駆け引きではありませんが、諜報部員が出ていって活躍する土台は、十分に納得できる内容になりました。もちろん恒例のアクション・シーンも秀逸で、特に水上のモーターボートによるカーチェイス(ボートチェイス?)は圧巻ですし、スピード感のあるスキーのシーンも見応えがあります。さらには潜水艦まで登場するというサービス振りもあって、最後まで楽しく見れる内容になっています。
Mとは学生時代から親交があるキング卿は、石油産業で莫大な権益を得ていて、さらにアゼルバイジャンで新たな石油のパイプラインを建設中です。しかし、娘のエレクトラが元KGBのテロリスト、レナードに誘拐され、キング卿はMに救出を依頼してきます。Mはレナードを捕獲するチャンスだとして、キング卿に身代金要求を断るように進言しますが、エレクトラは、何とか自力で脱出したのでした。
しばらくして、MI6の機密文書が奪われ、キング卿が巨額の資金を提供しますが、ボンドの活躍によって機密文書も資金も回収されました。MI6本部で、キング卿に資金が返還されましたが、実は特殊爆弾で、キング卿は爆死してしまいます。エレクトラを一度見捨てたことを引け目に感じているMは、ボンドにレナードからエレクトラを警護するように命じるのです。
父の仕事を引き継いでパイプライン建設を目指しているエレクトラは、最初はMI6に対して不信感を抱いていましたが、武装集団に襲われたところをボンドに助けられ信用するようになります。エレクトラは元KGB、今はカジノ経営などで一儲けしているズコフスキーの元を訪れ、簡単に賭けで負けて大金を失いますが、「人生にはスリルが必要」とうそぶく様子にボンドは疑いを向けます。
エレクトラの警備主任が怪しい行動をしていたので、ボンドは彼を倒してなりすまし、迎えに来た飛行機に搭乗します。行き先は、旧ソビエト連邦の核弾頭の廃棄作業が行われているカザフスタンで、旧ミサイル基地内ではレナードとその一味が核弾頭を奪取しようとしていました。ボンドはレナードに銃を突きつけたものの、形勢逆転で「人生にはスリルが必要」と言い残して逃げられてしまいます。ボンドは、核弾頭解体の専門家、女性科学者のクリスマスと伴に何とか爆発する基地から脱出しました。
エレクトラはM自身に守ってもらいたいと懇願したため、Mは石油備蓄基地に向かいます。ボンドはエレクトラが一味に加担していると推測しますが、Mは信じません。その時、石油備蓄基地に向かってくるパイプラインの中のメンテナンス用のピグが暴走し、そこには核弾頭が仕掛けてあることがわかります。ボンドとクリスマスは核弾頭解除のため、別のピグに乗って先行するピグを追いかけるのでした。
しかし、弾頭内のプルトニウムは少量で、時限爆弾によってパイプラインが損傷するだけの破壊力だったのです。爆発によりボンドは死んだと思ったエレクトラは本性を現し、Mを拘束するとレナードが待つイスタンブールに向かうのでした。彼らは黒海からエーゲ海に抜けるためのイスタンブールを縦断するボスポラス海峡を核汚染によって通行不能にして、石油の多くがエレクトラのパイプラインを使うしかならなくなるという計画だったのです。そして、それが自分を見捨てたキング卿やMI6に対する復讐でもあったのでした。
ボンドガールはエレクトラにソフィー・マルソー、クリスマスにデニス・リチャーズです。ソフィー・マルソーは「ラ・ブーム」で日本でも人気者になりましたが、その後はあまりぱっとしません。ボンド・ガールが悪者というのは今までにもありましたが、その最後はおそらく初めてのケースになっています。エンディングのラブ・シーンを務めたのはデニス・リチャーズですが、それまでは男勝りの強気な科学者という役柄でお色気は封印しています。
Mの心情が深く関わってくるという設定も初めてで、出番がかなり多め。ズコフスキーは「ゴールデン・アイ」にも登場した、ちょっと憎めないキャラの悪党で、同じ俳優が演じています。今回のキャスティングで一番話題になったのは、これまでシリーズすべてでQを演じてきたデスモンド・リュウェリンの引退でしょう。作品中で、代わりの人物を紹介していますが、この映画が公開された直後に、交通事故で85歳で亡くなりました。
父親に対する復讐、人質を捨て石にした自責の念、今まで以上に非情になり切らなければならないスパイといった、シリーズの中にこれまでなかった心的な要素が複雑に絡み合うことで、ストーリーは深みが増しています。いつも余裕しゃくしゃくのボンドが、焦りの色を見せると言うのは珍しい。
冷戦時代のような国と国の駆け引きではありませんが、諜報部員が出ていって活躍する土台は、十分に納得できる内容になりました。もちろん恒例のアクション・シーンも秀逸で、特に水上のモーターボートによるカーチェイス(ボートチェイス?)は圧巻ですし、スピード感のあるスキーのシーンも見応えがあります。さらには潜水艦まで登場するというサービス振りもあって、最後まで楽しく見れる内容になっています。
2026年5月5日火曜日
こどもの日
世の中はゴールデン・ウィークということで、それも終盤になってきました。
さらに追加で休んじゃって週末までのんぴりという豪傑もいるかもしれませんが、自分の場合は休みはカレンダー通りで、赤いところは休み、それ以外は仕事です。
別に文句は無いんですけど、どこかに出かけるにしても混雑しているでしょうから、うちで大人しくしているのが一番。
それでも今日は「こどもの日」で、国民の祝日です。
子供の日ではありません。「こども」の日です。子供と漢字で書くのは、時代劇で耳にする「者ども、出あえ!!」の「ども」と同じ意味で、子の複数形ということなので、「こども達」ということ。
戦後すぐにできた「国民の祝日に関する法律」では、5月5日を「こどもの日」と定めてあり、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ものとしています。
こどもの健やかな成長を祈念するだけでなく、母親にも感謝する日というのは知らなかった。
ここんとこは父親にも感謝してもらいたいものじゃないですか。今どきはイクメンもたくさんいるんですから、考えてもらいたいかもしれません。
2026年5月4日月曜日
トゥモロー・ネバー・ダイ (1997)
公開されると大きな話題になる「007シリーズ」の第18作目。前作に続きジェームス・ボンド役は五代目のピアース・ブロスナンが努めます。監督はロジャー・スポティスウッド、主題歌を歌うのはシェリル・クロウ。
ロシア国境で開かれていた武器商人たちによる大かがりな取引を調査していたジェームス・ボンドは、現場の映像を本部に送っていました。映像を確認した海軍提督の決断により、巡行ミサイルが発射されますが、ボンドは間一髪で核魚雷を搭載した攻撃機で脱出に成功しました。しかし、テロリストのグプタはアメリカ製のGPS暗号解析器を持って逃亡します。
それからしばらくして、南シナ海の公海上を航行していたイギリス海軍フリゲート艦が、中国軍機から領海侵犯の警告を受けます。そこへ密かに近づいたステルス艦が特殊魚雷を発射し、フリゲート艦を沈没させ、搭載していた核ミサイルが盗まれました。海上に投げ出された生存者は、ステルス艦からの中国製機関樹により射殺されました。実はグプタがGPS信号を操作してフリゲート艦に誤った位置情報を送り、中国から攻撃されたように偽装していたのです。
グプタを操っていたのは、世界的なメディア王であるエリオット・カーヴァーでした。カーヴァーはニュースを配信するだけでなく、世界中が目を見張るような情報を作り出そうともしていたのです。カーヴァーが発行している新聞に発表前にもかかわらず事件が報道されため、公海上の艦船が攻撃されたと信じるイギリス国防省は、中国に対して艦隊の派遣を容認します。しかし、事件の直前に謎のGPS信号が発せられていたことを察知したMI6のMは、48時間の猶予をえてボンドに調査を命じるのです。
カーヴァーのパーティに潜入したボンドは、過去に関係を持ったことがあるカーヴァーの妻、パリスに近づきますが、二人の会話を怪しむカーヴァーの命令で捕らえられます。ボンドはパーティ会場を停電にしてカーヴァーの自慢の演説を台無しにして脱出します。研究所に忍び込んだボンドはGPS暗号解析器を奪還し、中国の公安から派遣されたウェイ・リンと鉢合わせするもののカーヴァーの野望の証拠をつかみます。
カーヴァーはイギリス艦隊を出動させたところで、盗んだミサイルで北京を破壊、世界的な戦争を勃発させ独占的にメディアを操作することで巨万の富をえようとしていたのでした。ボンドは、ステルス艦の基地はベトナムと考え、CIAの協力のもとベトナムのカーヴァーの拠点となるビルに向かい、ウェイ・リンと合流するのでした。
前作よりも高評価であったことから、ブロスナンのジェームス・ボンドが受け入れられたということ。もともとボンドのキャラクターは、一仕事の後で、あるいは最中でもちょっとした洒落たセリフを言う「キザ」なところが面白いわけで、ロジャー・ムーアは露骨に遊び過ぎてジャグになってましたし、ティモトー・ダルトンは余裕が無さ過ぎたかもしれません。
ソビエト連邦が崩壊し、東西冷戦の構図が無くなってしまうと、国のために働くスパイの存在意義が薄くなってしまいます。そこで、この作品でもイギリスとロシアは仲良しで、新たに中国が仮想敵国になりそうな雰囲気を出していますが、実際の敵は大物犯罪者です。中国が絡むことをスパイ活動の根拠としていますが、ややメディア王が情報を作り出して世界の覇権を得ようとするという動機はやや弱いと言わざるを得ない。
ボンド・ガールは中国公安のミシェル・ヨーと、ボンドと過去に関係があったことがばれて殺されてしまうパリスのテリー・ハッチャーの二人。パリスは多少お色気シーンがありますが、メインのウェイ・リンは、役柄からしてもボンド顔負けのお得意のアクションを見せて、なかなかかっこいい見せ場を提供してくれます。
お馴染みのM、Q、マネーペニー、CIAのウェイドらは前作から引き続き同じ俳優が登場。ジュディ・デンチのMは前作では数字市場主義みたいな感じでしたが、今作ではあまり毒気は感じられませんでした。悪役陣はカーヴァーにジョナサン・プライス、グプタにリッキー・ジェイ、一番の用心棒スタンパーにゲッツ・オットーとなっています。
ロシア国境で開かれていた武器商人たちによる大かがりな取引を調査していたジェームス・ボンドは、現場の映像を本部に送っていました。映像を確認した海軍提督の決断により、巡行ミサイルが発射されますが、ボンドは間一髪で核魚雷を搭載した攻撃機で脱出に成功しました。しかし、テロリストのグプタはアメリカ製のGPS暗号解析器を持って逃亡します。
それからしばらくして、南シナ海の公海上を航行していたイギリス海軍フリゲート艦が、中国軍機から領海侵犯の警告を受けます。そこへ密かに近づいたステルス艦が特殊魚雷を発射し、フリゲート艦を沈没させ、搭載していた核ミサイルが盗まれました。海上に投げ出された生存者は、ステルス艦からの中国製機関樹により射殺されました。実はグプタがGPS信号を操作してフリゲート艦に誤った位置情報を送り、中国から攻撃されたように偽装していたのです。
グプタを操っていたのは、世界的なメディア王であるエリオット・カーヴァーでした。カーヴァーはニュースを配信するだけでなく、世界中が目を見張るような情報を作り出そうともしていたのです。カーヴァーが発行している新聞に発表前にもかかわらず事件が報道されため、公海上の艦船が攻撃されたと信じるイギリス国防省は、中国に対して艦隊の派遣を容認します。しかし、事件の直前に謎のGPS信号が発せられていたことを察知したMI6のMは、48時間の猶予をえてボンドに調査を命じるのです。
カーヴァーのパーティに潜入したボンドは、過去に関係を持ったことがあるカーヴァーの妻、パリスに近づきますが、二人の会話を怪しむカーヴァーの命令で捕らえられます。ボンドはパーティ会場を停電にしてカーヴァーの自慢の演説を台無しにして脱出します。研究所に忍び込んだボンドはGPS暗号解析器を奪還し、中国の公安から派遣されたウェイ・リンと鉢合わせするもののカーヴァーの野望の証拠をつかみます。
カーヴァーはイギリス艦隊を出動させたところで、盗んだミサイルで北京を破壊、世界的な戦争を勃発させ独占的にメディアを操作することで巨万の富をえようとしていたのでした。ボンドは、ステルス艦の基地はベトナムと考え、CIAの協力のもとベトナムのカーヴァーの拠点となるビルに向かい、ウェイ・リンと合流するのでした。
前作よりも高評価であったことから、ブロスナンのジェームス・ボンドが受け入れられたということ。もともとボンドのキャラクターは、一仕事の後で、あるいは最中でもちょっとした洒落たセリフを言う「キザ」なところが面白いわけで、ロジャー・ムーアは露骨に遊び過ぎてジャグになってましたし、ティモトー・ダルトンは余裕が無さ過ぎたかもしれません。
ソビエト連邦が崩壊し、東西冷戦の構図が無くなってしまうと、国のために働くスパイの存在意義が薄くなってしまいます。そこで、この作品でもイギリスとロシアは仲良しで、新たに中国が仮想敵国になりそうな雰囲気を出していますが、実際の敵は大物犯罪者です。中国が絡むことをスパイ活動の根拠としていますが、ややメディア王が情報を作り出して世界の覇権を得ようとするという動機はやや弱いと言わざるを得ない。
ボンド・ガールは中国公安のミシェル・ヨーと、ボンドと過去に関係があったことがばれて殺されてしまうパリスのテリー・ハッチャーの二人。パリスは多少お色気シーンがありますが、メインのウェイ・リンは、役柄からしてもボンド顔負けのお得意のアクションを見せて、なかなかかっこいい見せ場を提供してくれます。
お馴染みのM、Q、マネーペニー、CIAのウェイドらは前作から引き続き同じ俳優が登場。ジュディ・デンチのMは前作では数字市場主義みたいな感じでしたが、今作ではあまり毒気は感じられませんでした。悪役陣はカーヴァーにジョナサン・プライス、グプタにリッキー・ジェイ、一番の用心棒スタンパーにゲッツ・オットーとなっています。
2026年5月3日日曜日
007 / ゴールデンアイ (1995)
007シリーズとしては、第17作目。この作品で、今までのシリーズの印象を大きく変えました。まず、制作陣からアルバート・R・プロッコリが高齢のため濡れました。ブロッコリは、ハリー・ザルツマンとイーオン・プロダクションを立ち上げ、シリーズ第1作から制作に携わっていましたが、1975年にザルツマンと決裂しています。
キャストも大幅に変更されています。主役のジェームス・ボンドには、ティモシー・ダルトンに代わって5代目としてピアース・ブロスナンが抜擢されました。ずっとMを演じたロバート・ブラウンも退き、この作品から女性のジュディ・デンチが、古臭い勘などは信じない情報分析によって導き出される数字を信じる上司として登場します。
秘書のマネーペニーも前2作と変わっていますし、とりあえずレギュラーで変わらないのはQのデスモンド・リュウェリン翁だけです。また、長らくお馴染みだったオープニングでのガンバレル・シークエンス(銃口の先にボンドが入り込んでくるやつです)がなくなりました。監督は、5作連続で担当したジョン・グレンからマーティン・キャンベルに代わりました。オープニング・テーマは007らしい曲で、ティナ・ターナーが歌っています。内容はイアン・フレミングの原作はネタ切れで、映画オリジナルのストーリーです。
ジェームス・ボンドは、モナコでゼニア・オナトップと名乗る美女に目をつけていました。彼女は、元ソ連戦闘機パイロットで犯罪組織ヤヌスのメンバーであることが判明し追跡するものの、オナトップとロシア軍のウルモフ将軍によって、NATOの最新鋭の対電磁波戦闘ヘリコプターを奪われてしまうのです。
キャストも大幅に変更されています。主役のジェームス・ボンドには、ティモシー・ダルトンに代わって5代目としてピアース・ブロスナンが抜擢されました。ずっとMを演じたロバート・ブラウンも退き、この作品から女性のジュディ・デンチが、古臭い勘などは信じない情報分析によって導き出される数字を信じる上司として登場します。
秘書のマネーペニーも前2作と変わっていますし、とりあえずレギュラーで変わらないのはQのデスモンド・リュウェリン翁だけです。また、長らくお馴染みだったオープニングでのガンバレル・シークエンス(銃口の先にボンドが入り込んでくるやつです)がなくなりました。監督は、5作連続で担当したジョン・グレンからマーティン・キャンベルに代わりました。オープニング・テーマは007らしい曲で、ティナ・ターナーが歌っています。内容はイアン・フレミングの原作はネタ切れで、映画オリジナルのストーリーです。
ジェームス・ボンドは、モナコでゼニア・オナトップと名乗る美女に目をつけていました。彼女は、元ソ連戦闘機パイロットで犯罪組織ヤヌスのメンバーであることが判明し追跡するものの、オナトップとロシア軍のウルモフ将軍によって、NATOの最新鋭の対電磁波戦闘ヘリコプターを奪われてしまうのです。
ソビエト連邦が崩壊し、廃棄されたはずの北極海近くの軍事基地ではロシアが「ゴルデンアイ」と呼ばれる宇宙から強力な電磁波を放出して都市を壊滅させることができる兵器の研究が進んでいました。奪ったヘリコプターで研究所に現れたウルモフとオナトップは、所員を皆殺しにしてゴールデンアイの基盤を奪取し、2基あるうちの1基を研究所に向けて発射し一帯のすべてを破壊しますが、コンピュータ技師のナターリア・シミョノヴァだけが生き残ります。
これらの様子を衛星などの映像で見ていたボンドは、Mからヤヌスのアジトがあると考えられたサンクトペテルブルクで事態の収束にあたるよう命じられました。何とか再びオナトップと接触し、ヤヌスのアジトに到着したボンドは、登場したヤヌスのボスを見て驚きます。9年前に一緒にソ連の兵器工場爆破作戦を実行した際、まだ所長にすぎなかったウルモフに射殺されたはずの006、アレックだったのです。
捕らえられたボンドは、先に捕まっていたナターリアと用済みになったヘリコプターと伴に爆破されそうになりますが、間一髪脱出。しかし、今度はロシア側に捕まり、防衛大臣の尋問を受けます。そこへウルモフが現れ、大臣らをボンドの銃で射殺しナターリアを連れ去ります。ボンドは戦車で追跡し、ヤヌスが拠点にしている軍用列車を発見。戦車を衝突させ、列車を止めるとボンドは乗り込んでいくのでした。
悪役アレックを演じるのはショーン・ビーン。ボンドガールはナターリアに「バーティカル・リミット」のイザベラ・スコルプコ、お色気ムンムンですがサイコな殺戮者オナトップには「X-メン」シリーズでおなじみのファムケ・ヤンセンが起用されています。ナターリアも単なるカワイ子ちゃんではなく、ボンドに負けずに行動力ある女性として描かれています。
話のきっかけはまだ冷戦時代末期ですが、本編は冷戦が終結しソビエト連邦が崩壊した後という時代の空気を強く反映し設定です。ロシアも一部で絡んでくるものの、メインの敵は金銭目的の犯罪組織。ただ、そこにかつての信頼していた同僚が絡んでくることで、ストーリーに厚みが出ていると言えそうです。
また「合言葉なんて古臭い」というセリフがあるわけで、ここでは世間一般に浸透し始めたパソコン関連の用語が頻出し、インターネット、ハッキング、パスコードといった単語が登場するハシリの映画かもしれません。
ティモシー・ダルトンのボンドが、真面目一辺倒で義理人情に厚い人物だったのに比べると、ブロスナンは外見もかっこいいのですが、数字至上主義の新Mに対抗して、臨機応変にユーモアを少しだけ交えて現代風のボンド像を見せてくれます。
これらの様子を衛星などの映像で見ていたボンドは、Mからヤヌスのアジトがあると考えられたサンクトペテルブルクで事態の収束にあたるよう命じられました。何とか再びオナトップと接触し、ヤヌスのアジトに到着したボンドは、登場したヤヌスのボスを見て驚きます。9年前に一緒にソ連の兵器工場爆破作戦を実行した際、まだ所長にすぎなかったウルモフに射殺されたはずの006、アレックだったのです。
捕らえられたボンドは、先に捕まっていたナターリアと用済みになったヘリコプターと伴に爆破されそうになりますが、間一髪脱出。しかし、今度はロシア側に捕まり、防衛大臣の尋問を受けます。そこへウルモフが現れ、大臣らをボンドの銃で射殺しナターリアを連れ去ります。ボンドは戦車で追跡し、ヤヌスが拠点にしている軍用列車を発見。戦車を衝突させ、列車を止めるとボンドは乗り込んでいくのでした。
悪役アレックを演じるのはショーン・ビーン。ボンドガールはナターリアに「バーティカル・リミット」のイザベラ・スコルプコ、お色気ムンムンですがサイコな殺戮者オナトップには「X-メン」シリーズでおなじみのファムケ・ヤンセンが起用されています。ナターリアも単なるカワイ子ちゃんではなく、ボンドに負けずに行動力ある女性として描かれています。
話のきっかけはまだ冷戦時代末期ですが、本編は冷戦が終結しソビエト連邦が崩壊した後という時代の空気を強く反映し設定です。ロシアも一部で絡んでくるものの、メインの敵は金銭目的の犯罪組織。ただ、そこにかつての信頼していた同僚が絡んでくることで、ストーリーに厚みが出ていると言えそうです。
また「合言葉なんて古臭い」というセリフがあるわけで、ここでは世間一般に浸透し始めたパソコン関連の用語が頻出し、インターネット、ハッキング、パスコードといった単語が登場するハシリの映画かもしれません。
ティモシー・ダルトンのボンドが、真面目一辺倒で義理人情に厚い人物だったのに比べると、ブロスナンは外見もかっこいいのですが、数字至上主義の新Mに対抗して、臨機応変にユーモアを少しだけ交えて現代風のボンド像を見せてくれます。
2026年5月2日土曜日
Pink Floyd / Aom Heart Mother (1970)
昭和40年代というのは、自分にとってはいろいろな知識を吸収して、ある意味人格を形成するのに最も大きな役割を果たした時期だと思います。
日本は、敗戦から立ち直り高度経済成長のピークを迎えていて、アメリカを中心として世界中からたくさんのカルチャーが流入してきていました。
例えば、ピーナッツ。食べる方じゃなくて、スヌーピーのピーナッツです。新書サイズの50ページほどの本で、左側にチャーリー・ブラウンとスヌーピーの仲間たちの4コマ漫画があり、セリフは英語です。そして右側にその日本語訳と、英会話のポイントがちょっとのっています。
英語を学び始めた時期だったので、これは役に立つと思ったのですが、実際はくだけた生きた英語ですから、学校で習うガチガチの英語とはまったく違うので勉強にはなりませんでした。
テレビをつけると、外国映画の2時間枠が、民放チャンネルのどれかでほぼ毎晩9時から用意されていたので、これもずいぶんと映画好きになる基盤になったようです。
またアメリカのテレビドラマもいくつも放送されいました。ただし、すべて日本語吹き替えだったので、これも映画の勉強にはなりませんでした。
そて、音楽は・・・前にもどこかで書いたんですが、最も自分に影響を与えたのは、小学校の同級生のCK君。かれはクラリネットを習っていて音楽に詳しく、家に遊びに行くと大きなステレオ装置がありました。自分の家には30cm四方くらいのモノラルのレコード・プレイヤーしか無くて、当然いつも圧倒されていました。
そして、教えてもらったのは、当然クラシック音楽だけでなく、たくさんのポップスがありました。ビートルズ、カーペンターズ、サイモン&ガーファンクルなどなど・・・これらは、今でもよく聞く音楽として、最近は大人買いで全部を揃えたりしたりしました。
その中で、当時としては異色だったのは・・・何と、ピンク・フロイド。今でも伝説のプログレッシブ・ロック・バンドとして、高い評価を受けています。CK君は、発売されたばかりのアルバムを絶賛して、自分にも強く勧めてくれたんですが、それが「原子心母」です。
そもそも「Atom Heart Mother」という原題を「原子心母」としたのは名和訳だと思います。日本語として意味が不可解なんですが、何か混沌とした凄いものが渦巻いているような印象を与えました。
すでにピンク・フロイドを知っている多くの人には、今更何をかいわんやくらい有名なアルバムです。ロックのサウンドにブラス、ストリングスのオーケストラと合唱団が加わるという、まさにサイケデリックとクラシック音楽が融合した、現代音楽風の前衛的なサウンドが23分間に渡って圧倒的に迫ってきます。
ピンク・フロイドにとっても、最初に商業的成功をもたらしたアルバムですが、自分にとっても衝撃的でした。そもそもアルバム・ジャケットで「何じゃこりゃ?」となる。草原に乳牛の写真があるだけ。わけがわからないけど、ものすごく強い印象を与えました。
そして、レコードに針を落とすと、冒頭すぐにバイクがエンジンをかける爆音が響き、なんと右から左に走り抜けていくんです。今では、誰も驚かないと思いますが、ふだんモノラルでしか音楽を聞けない環境だった自分には、CK君宅のステレオ装置でまさに立体音響の体験は驚天動地でした。
最近でもYouTubeでは、大勢の演奏者によって完全再現する動画がいくつか見ることができます。今でも、多くの音楽家や愛好者に影響を与え続けている音楽であることの証明だろうと思います。
英語を学び始めた時期だったので、これは役に立つと思ったのですが、実際はくだけた生きた英語ですから、学校で習うガチガチの英語とはまったく違うので勉強にはなりませんでした。
テレビをつけると、外国映画の2時間枠が、民放チャンネルのどれかでほぼ毎晩9時から用意されていたので、これもずいぶんと映画好きになる基盤になったようです。
またアメリカのテレビドラマもいくつも放送されいました。ただし、すべて日本語吹き替えだったので、これも映画の勉強にはなりませんでした。
そて、音楽は・・・前にもどこかで書いたんですが、最も自分に影響を与えたのは、小学校の同級生のCK君。かれはクラリネットを習っていて音楽に詳しく、家に遊びに行くと大きなステレオ装置がありました。自分の家には30cm四方くらいのモノラルのレコード・プレイヤーしか無くて、当然いつも圧倒されていました。
そして、教えてもらったのは、当然クラシック音楽だけでなく、たくさんのポップスがありました。ビートルズ、カーペンターズ、サイモン&ガーファンクルなどなど・・・これらは、今でもよく聞く音楽として、最近は大人買いで全部を揃えたりしたりしました。
その中で、当時としては異色だったのは・・・何と、ピンク・フロイド。今でも伝説のプログレッシブ・ロック・バンドとして、高い評価を受けています。CK君は、発売されたばかりのアルバムを絶賛して、自分にも強く勧めてくれたんですが、それが「原子心母」です。
そもそも「Atom Heart Mother」という原題を「原子心母」としたのは名和訳だと思います。日本語として意味が不可解なんですが、何か混沌とした凄いものが渦巻いているような印象を与えました。
すでにピンク・フロイドを知っている多くの人には、今更何をかいわんやくらい有名なアルバムです。ロックのサウンドにブラス、ストリングスのオーケストラと合唱団が加わるという、まさにサイケデリックとクラシック音楽が融合した、現代音楽風の前衛的なサウンドが23分間に渡って圧倒的に迫ってきます。
ピンク・フロイドにとっても、最初に商業的成功をもたらしたアルバムですが、自分にとっても衝撃的でした。そもそもアルバム・ジャケットで「何じゃこりゃ?」となる。草原に乳牛の写真があるだけ。わけがわからないけど、ものすごく強い印象を与えました。
そして、レコードに針を落とすと、冒頭すぐにバイクがエンジンをかける爆音が響き、なんと右から左に走り抜けていくんです。今では、誰も驚かないと思いますが、ふだんモノラルでしか音楽を聞けない環境だった自分には、CK君宅のステレオ装置でまさに立体音響の体験は驚天動地でした。
最近でもYouTubeでは、大勢の演奏者によって完全再現する動画がいくつか見ることができます。今でも、多くの音楽家や愛好者に影響を与え続けている音楽であることの証明だろうと思います。
2026年5月1日金曜日
ハイドランジア
ハイドランジア(hydrangea)と言うと、何のことやらとなってしまうのですが、アジサイの英語名です。
アジサイは5月を代表する花の一つだと思いますが、これが咲き出すと梅雨が近いなと思います。ジトジトした時期の一服の清涼剤というところでしょうか。
日本では古来からガクアジサイという品種があり、「味狭藍」、「安治佐為」、「阿豆佐為」、「集真藍」、「狭藍」などの当て字が使われてきました。
現在は一般的に漢字だと「紫陽花」と書きますが、もともとはライラックにつけられた名称が誤って広まったと考えられているらしい。
アジサイの花の色は、土の酸性度によることがわかっています。酸性の土だと青、アルカリ性の土だと赤になる。このあたりは、リトマス試験紙の色と逆なのが面白い。
これは土が酸性だと土中のアルミニウムイオンが吸収されやすく、アジサイが持っているアントシアニンと結合して青色を発色するんだそうで、このあたりをうまくコントロールすると、色違いに咲かせることができるわけです。
一般に花と呼んでいる大きく開いたところは、実は装飾花と呼ばれ花弁ではありません。本当の花は、中央の点みたいな小さいところ。まわりを目立たせて、虫などをおびき寄せようと言う作戦だそうです。
2026年4月30日木曜日
サラバンド
検索サイトのGoogleの画像検索は、本当に便利。
トップページで、右上の「画像」をクリックして、後は写っている物が何かを知りたい画像をドラック&ドロップするだけです。
すると、見た目で一致する画像を探して表示してくれます。最近はAIによる解説までついている。
で、間違いなく、この花はサラバンド(sarabande)です。
サラバンドというと、バロック音楽の組曲でよく耳にする3拍子の舞曲で、J.S.バッハを聞いているとしょっちゅう出てくるので、単語としてはけっこう耳馴染みがあります。
バラ科バラ属なので、ほとんどバラと言ってもいいのですが、70年近く前にフランスで作られた園芸品種です。
ココリコ(cocorico)とムーランルージュ( moulin rouge)の交配からできたものだそうですが、バラ栽培に興味がないと、あまりピンときません。
樹高が1m程度におさまるので、垣根などに利用するため育てやすいと言われて、よく見ていると住宅街ではよく見かけます。
しかも、春から秋までと開花期が長いので、鮮紅色の花をずっと楽しめるのも嬉しいポイントです。
2026年4月29日水曜日
アグロステンマ
近所の公園に、見たことが有るような無いような、ちょっと「春の北海道」あたりを連想するような花が咲いていました。
細い茎がまっすぐ伸びて、その先で花弁が5つに割れたピンクの花が咲いています。
一本だとひょろ長くてあまり面白くないかもしれませんが、たくさん群生させるとけっこう見応えがあります。
「これ、何?」と思った時に、便利なのがネット検索。
検索したい写真をドラッグ&ドロップするだけで、似たような写真の中から一番近いものを見つけてくれます。
その答えは・・・アグロステンマ、だそうです。あとはWikipediaで調べます。
ナデシコ科の植物で、和名はムギセンノウ(麦撫子、麦仙翁)という1年草。もともとはヨーロッパの雑草で、種子に毒があり麦畑では混入してしまうと有害植物として忌み嫌われているようです。
日本では北海道を中心に、園芸種として広まったので全国各地で見つけることができるらしい。「春の北海道」というのもあながち間違っていないようです。
1年草ですから、もともと誰かが種を撒かないと生えてこない。ここは麦畑ではないので、「わ~、綺麗」だけですみますが、花が枯れて種ができると毒があるので注意は必要。
まぁ、わざわざ食べてみようという人はいないとは思いますが・・・
2026年4月28日火曜日
007 / 消されたライセンス (1989)
四代目ジェームス・ボンド役のティモシー・ダルトンが活躍する「007シリーズ」第16作目。内容的には大変面白く、脚本もうまくできていると思いますが、ここではスパイという肩書はまったく関係なく、ボンド対犯罪組織のクライム・アクション映画になっています。
今まで度々登場していますが、いろいろな俳優が演じてきたジェームス・ボンドの盟友であるCIAのフェリックス・ライターが話の起点になっています。監督は引き続きジュン・グレンで、テーマ曲はグラディス・ナイトが歌う、往年のテーマ曲を思い出すような仕上がりです。
ジェームス・ボンドとフェリックス・ライターは、ライターの結婚式に向かう途中で、中南米の巨大麻薬組織のボスであるサンチェスがアメリカ国内に現れたと麻薬取締局から一報が入ります。長年追いかけてきましたが、多くの政治家、警察を買収していてなかなか捕まえられなかったので、ライターとボンドはすぐにヘリコプターに乗り換え、ボンドの活躍で何とかサンチェス逮捕に成功します。
しかし、ここでも買収された捜査官の裏切りでサンチェスは逃亡に成功し、復讐のためライターに瀕死の重傷を負わせ、新婦は殺されてしまうのです。ボンドはライターの無念をはらす決意をし、サンチェスの組織のNo.2であるクレストの研究所に忍び込んでアヘンを発見し、裏切った捜査官を殺すのです。
権限を逸脱した行為にMは、本来の任務に戻るように強く叱責しますが、ボンドはライターへの義理を果たすべく、「殺しのライセンス」を返上してその場から消えるのでした。ボンドはクレストの船に潜入し、水上飛行機との間で麻薬と金銭の交換を阻止します。ライターの残したサンチェスに関するデータから、元サンチェスの飛行機のパイロットで麻薬取締局への協力者であるパメラに会いに行きますが、そこへサンチェスの部下が現れ格闘になります。パメラは元陸軍所属で、こういう場面でも物おじしないので、二人は何とか逃げることができました。
パメラの飛行機で、サンチェスの母国に飛んだボンドは、サンチェスの経営する銀行に大金を預け口座を開設し、カジノで大勝負をして見せました。その様子を監視カメラで見ていたサンチェスはボンドを事務所には招き入れますが、ボンドは仕事を探していると自分を売り込むのです。ホテルに戻ると、ボンドを心配したマネーペニーの頼みでQがいろいろな仕掛けのある小道具を揃えて待っていました。
サンチェスは複数の中国系組織を招いて販路を拡大する相談をしていましたが、ボンドが狙撃しようとすると、忍者姿の二人組に襲われ彼らの隠れ家に連れていかれます。中国系組織の一つが、実は長い時間をかけて潜入していた香港の麻薬取締官でボンドの行動が邪魔だったのです。しかし、サンチェスの息がかかった軍隊の攻撃を受け、ボンド以外は全滅してしまいます。
束縛された状態のボンドを見たサンチェスは、かえってボンドを信用し自分の邸宅に招きます。ボンドは組織内に裏切り者がいて、サンチェスを殺そうとしていると吹き込み、クレストに疑いが向くように仕掛けます。中国系組織を信用させるため、郊外の麻薬精製工場に案内することになり、ボンドも同行することになるのでした。
前作に続き義理人情に厚いジェームス・ボンド像が描かれ、今回は英国諜報部員としてではなく、個人的な恨みをはらすために私腹を肥やす犯罪組織を追い詰めるという内容。Qが今まで以上に活躍するのも面白い所です。Mとマネーペニーは、ワン・シーンだけの登場です。
ボンドガールはパメラ役にキャリー・ローウェル、サンチェスの愛人でしだいにボンドに惹かれていくルぺにタリサ・ソトの二人が登場します。ダルトンの007では、ボンドカールには従来のお色気調は求められていなようで、まぁ普通と言えば普通の女性たちです。ただ、パメラに関しては、ボンドのバディとしてかなり危険なことも実動部隊として関わってくるのは珍しい。
全体的に残酷なシーンが多めで、スパイ物とは呼べない内容だったので、「007シリーズ」の中ではあまり人気がありません。ダルトンは3作目にも意欲をみせていたようですが、製作サイドはもっと多くの数をこなしてほしかったらしく、ボンドカラーに染まり過ぎるのを嫌って、前作と本作の2作だけでボンド役から降板します。
・・・にしても、香港からで忍者はないよなぁ。
今まで度々登場していますが、いろいろな俳優が演じてきたジェームス・ボンドの盟友であるCIAのフェリックス・ライターが話の起点になっています。監督は引き続きジュン・グレンで、テーマ曲はグラディス・ナイトが歌う、往年のテーマ曲を思い出すような仕上がりです。
ジェームス・ボンドとフェリックス・ライターは、ライターの結婚式に向かう途中で、中南米の巨大麻薬組織のボスであるサンチェスがアメリカ国内に現れたと麻薬取締局から一報が入ります。長年追いかけてきましたが、多くの政治家、警察を買収していてなかなか捕まえられなかったので、ライターとボンドはすぐにヘリコプターに乗り換え、ボンドの活躍で何とかサンチェス逮捕に成功します。
しかし、ここでも買収された捜査官の裏切りでサンチェスは逃亡に成功し、復讐のためライターに瀕死の重傷を負わせ、新婦は殺されてしまうのです。ボンドはライターの無念をはらす決意をし、サンチェスの組織のNo.2であるクレストの研究所に忍び込んでアヘンを発見し、裏切った捜査官を殺すのです。
権限を逸脱した行為にMは、本来の任務に戻るように強く叱責しますが、ボンドはライターへの義理を果たすべく、「殺しのライセンス」を返上してその場から消えるのでした。ボンドはクレストの船に潜入し、水上飛行機との間で麻薬と金銭の交換を阻止します。ライターの残したサンチェスに関するデータから、元サンチェスの飛行機のパイロットで麻薬取締局への協力者であるパメラに会いに行きますが、そこへサンチェスの部下が現れ格闘になります。パメラは元陸軍所属で、こういう場面でも物おじしないので、二人は何とか逃げることができました。
パメラの飛行機で、サンチェスの母国に飛んだボンドは、サンチェスの経営する銀行に大金を預け口座を開設し、カジノで大勝負をして見せました。その様子を監視カメラで見ていたサンチェスはボンドを事務所には招き入れますが、ボンドは仕事を探していると自分を売り込むのです。ホテルに戻ると、ボンドを心配したマネーペニーの頼みでQがいろいろな仕掛けのある小道具を揃えて待っていました。
サンチェスは複数の中国系組織を招いて販路を拡大する相談をしていましたが、ボンドが狙撃しようとすると、忍者姿の二人組に襲われ彼らの隠れ家に連れていかれます。中国系組織の一つが、実は長い時間をかけて潜入していた香港の麻薬取締官でボンドの行動が邪魔だったのです。しかし、サンチェスの息がかかった軍隊の攻撃を受け、ボンド以外は全滅してしまいます。
束縛された状態のボンドを見たサンチェスは、かえってボンドを信用し自分の邸宅に招きます。ボンドは組織内に裏切り者がいて、サンチェスを殺そうとしていると吹き込み、クレストに疑いが向くように仕掛けます。中国系組織を信用させるため、郊外の麻薬精製工場に案内することになり、ボンドも同行することになるのでした。
前作に続き義理人情に厚いジェームス・ボンド像が描かれ、今回は英国諜報部員としてではなく、個人的な恨みをはらすために私腹を肥やす犯罪組織を追い詰めるという内容。Qが今まで以上に活躍するのも面白い所です。Mとマネーペニーは、ワン・シーンだけの登場です。
ボンドガールはパメラ役にキャリー・ローウェル、サンチェスの愛人でしだいにボンドに惹かれていくルぺにタリサ・ソトの二人が登場します。ダルトンの007では、ボンドカールには従来のお色気調は求められていなようで、まぁ普通と言えば普通の女性たちです。ただ、パメラに関しては、ボンドのバディとしてかなり危険なことも実動部隊として関わってくるのは珍しい。
全体的に残酷なシーンが多めで、スパイ物とは呼べない内容だったので、「007シリーズ」の中ではあまり人気がありません。ダルトンは3作目にも意欲をみせていたようですが、製作サイドはもっと多くの数をこなしてほしかったらしく、ボンドカラーに染まり過ぎるのを嫌って、前作と本作の2作だけでボンド役から降板します。
・・・にしても、香港からで忍者はないよなぁ。
2026年4月27日月曜日
007 / リビング・デイライツ (1987)
数年前に集中的に「007 ジェームス・ボンド」シリーズの映画を見ましたが、その時、自分にとってはショーン・コネリーとロジャー・ムーアだけで十分とか言った覚えがあります。もっとも、ムーアは最後の方ではロートルぶりが顕著になり、ギャグが多すぎてちょっとあきれていました。
1985年にムーアがボンドを引退し、製作陣は新たなボンド役者を探し始めるのですが、そこで白羽の矢がたったのがディモシー・ダルトンでした。この25周年記念の第15作目で4代目に就任するわけですが、映画が作られたときに40歳くらいなので、だいぶ若返って溌溂とした感じがします。内容的にも、おふざけ部分がだいぶ少なくなって、ボンドにかっこよさが戻り、もっとも原作に近いキャラクターと評価されました。
イアン・フレミングの原作は主だった長編はほとんど使っていたので、短編の「ベルリン脱出」をもとに脚本が練られました。監督は、4作品続けて起用されたジョン・グレン。テーマ曲は、当時人気だったa-haが担当したことも話題になりました。ボンド・カールにはイングランド出身のマリアム・ダボが選ばれましたが、この作品以外ではとくに目立った活躍はしていません。
ジェームス・ボンドの今度の仕事は、チェコスロバキアでソビエト連邦の要人、コスコフの西側への亡命に際して、暗殺者からコスコフを守ることでした。コンサート会場から脱出したコスコフを狙う狙撃手を発見したボンドは、スコープで相手を見て驚きます。なんと、先ほどまでオーケストラでチェロを弾いていた女性、カーラ・ミロヴィだったのです。ボンドはカーラがスナイパーとしては素人と感じ、とっさにカーラが手にしていたライフルの銃身を撃って狙撃を失敗させます。
無事にオーストリアに脱出したコスコフがもたらした情報は、KGBのゴーゴル将軍に代わって実権を握ったプーシキン将軍が、西側のスパイを全員暗殺して復讐の連鎖から世界大戦を引き起こそうとしているというものでした。コスコフは、プーシキンを倒さないと大変なことになると言うのです。ボンドはプーシキン暗殺を命令されますが、何か裏があると感じるのです。しかし、何者かによってコスコフは連れ去られてしまうのでした。
ボンドはカーラに接近して、カーラがコスコフの恋人で、狙われている芝居のために空砲を詰めたライフルで狙撃者のふりをしていたことをつかみます。同時にKGBもコスコフを追いかけているようで、カーラはKGBにマークされていました。ボンドはコスコフの友人としてカーラを迎えに来たと説明して、KGBをまいてウィーンに向かいます。
仲間からの情報で、コスコフは世界的に武器商人のウィテカーと手を組んでいることを知らされます。プーシキンはウィテカーから武器を購入することになっていましたが、話を怪しみ購入を中止しようとしていました。ボンドはプーシキンが滞在するホテルに侵入し、コスコフは公金横領でモスクワから逃亡していることを教えられます。ボンドは人目の付く所でプーシキンを射殺する芝居を打つことにして、コスコフを安心させ、ウィテカーの本当の目的を明らかにすることにします。
しかし、コスコフとの電話が通じてたカーラが協力したことで、ボンドは捕らえられアフガニスタンのソビエトの空軍基地に移されてしまうのでした。
確かにボンド像が、今までになく人情味があって、ほとんどギャグは口にしない。スパイの実像にやや近づいているのかもしれません。ただ、007と言えばスタイル抜群のボンドガールも、ストーリーに花を添える大事な要素。今回のカーラは、ただただコスコフの捨て駒であり、線の細い一般人女性なので、だいぶ物足りなさを感じてしまいます。そのくせ、最後には急に行動的になったりして違和感もある。
お馴染みのM(ロバート・ブラウン)、グレイ国防長官(ジョフリー・キーン)、Q(デスモンド・リュウェリン)は、今作でもちょっとだけ顔をだしています。マネーペニーは今までのロイス・マクスウェルからすごく若返ってキャロライン・ブリスが演じています。
コメディ系だったり、アクション系だったり、あるいは現実的だったり、いろいろなスパイ映画がありますが、「007シリーズ」はそれらの要素をすべて盛り込んだ元祖的なシリーズですから、今作はそこそこ楽しめます。悪役が小者過ぎるのも、現実的な設定なのかもしれません。
1985年にムーアがボンドを引退し、製作陣は新たなボンド役者を探し始めるのですが、そこで白羽の矢がたったのがディモシー・ダルトンでした。この25周年記念の第15作目で4代目に就任するわけですが、映画が作られたときに40歳くらいなので、だいぶ若返って溌溂とした感じがします。内容的にも、おふざけ部分がだいぶ少なくなって、ボンドにかっこよさが戻り、もっとも原作に近いキャラクターと評価されました。
イアン・フレミングの原作は主だった長編はほとんど使っていたので、短編の「ベルリン脱出」をもとに脚本が練られました。監督は、4作品続けて起用されたジョン・グレン。テーマ曲は、当時人気だったa-haが担当したことも話題になりました。ボンド・カールにはイングランド出身のマリアム・ダボが選ばれましたが、この作品以外ではとくに目立った活躍はしていません。
ジェームス・ボンドの今度の仕事は、チェコスロバキアでソビエト連邦の要人、コスコフの西側への亡命に際して、暗殺者からコスコフを守ることでした。コンサート会場から脱出したコスコフを狙う狙撃手を発見したボンドは、スコープで相手を見て驚きます。なんと、先ほどまでオーケストラでチェロを弾いていた女性、カーラ・ミロヴィだったのです。ボンドはカーラがスナイパーとしては素人と感じ、とっさにカーラが手にしていたライフルの銃身を撃って狙撃を失敗させます。
無事にオーストリアに脱出したコスコフがもたらした情報は、KGBのゴーゴル将軍に代わって実権を握ったプーシキン将軍が、西側のスパイを全員暗殺して復讐の連鎖から世界大戦を引き起こそうとしているというものでした。コスコフは、プーシキンを倒さないと大変なことになると言うのです。ボンドはプーシキン暗殺を命令されますが、何か裏があると感じるのです。しかし、何者かによってコスコフは連れ去られてしまうのでした。
ボンドはカーラに接近して、カーラがコスコフの恋人で、狙われている芝居のために空砲を詰めたライフルで狙撃者のふりをしていたことをつかみます。同時にKGBもコスコフを追いかけているようで、カーラはKGBにマークされていました。ボンドはコスコフの友人としてカーラを迎えに来たと説明して、KGBをまいてウィーンに向かいます。
仲間からの情報で、コスコフは世界的に武器商人のウィテカーと手を組んでいることを知らされます。プーシキンはウィテカーから武器を購入することになっていましたが、話を怪しみ購入を中止しようとしていました。ボンドはプーシキンが滞在するホテルに侵入し、コスコフは公金横領でモスクワから逃亡していることを教えられます。ボンドは人目の付く所でプーシキンを射殺する芝居を打つことにして、コスコフを安心させ、ウィテカーの本当の目的を明らかにすることにします。
しかし、コスコフとの電話が通じてたカーラが協力したことで、ボンドは捕らえられアフガニスタンのソビエトの空軍基地に移されてしまうのでした。
確かにボンド像が、今までになく人情味があって、ほとんどギャグは口にしない。スパイの実像にやや近づいているのかもしれません。ただ、007と言えばスタイル抜群のボンドガールも、ストーリーに花を添える大事な要素。今回のカーラは、ただただコスコフの捨て駒であり、線の細い一般人女性なので、だいぶ物足りなさを感じてしまいます。そのくせ、最後には急に行動的になったりして違和感もある。
お馴染みのM(ロバート・ブラウン)、グレイ国防長官(ジョフリー・キーン)、Q(デスモンド・リュウェリン)は、今作でもちょっとだけ顔をだしています。マネーペニーは今までのロイス・マクスウェルからすごく若返ってキャロライン・ブリスが演じています。
コメディ系だったり、アクション系だったり、あるいは現実的だったり、いろいろなスパイ映画がありますが、「007シリーズ」はそれらの要素をすべて盛り込んだ元祖的なシリーズですから、今作はそこそこ楽しめます。悪役が小者過ぎるのも、現実的な設定なのかもしれません。
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