何と、珍しいことにアニメの紹介。「はたらく細胞」は、2015年から連載が始まった清水茜のマンガが原作。清水茜は1994年生まれなので、連載開始時は21歳の若さ。マンガの専門学校に通っている時に、妹が学校の授業の免疫の話を覚えるために、教科書をマンガにしたのがきっかけらしい。
書くことで医学知識がさらに増え、さらにより擬人化にもリアリティが増していったようで、医療関係者が見ても十分に納得できるストーリーになっていることは素晴らしいことだと思います。2018年にアニメ化され、そして今年、それも今週末から実写版映画も公開されるので、この年末一番の話題作と言えそうです。
基本的に細胞は人間風、病原体は怪物風に描かれていて、それぞれに固有名詞はありません。主人公は血液中に最も多い細胞である赤血球と白血球。
赤血球は空気を吸って取り込んだ酸素を体中に運び細胞活動を活性化させ、その結果生じた二酸化炭素を回収して肺に戻す。実写版では永野芽衣が演じます。
白血球は免疫機能により生体防御の仕事をしていて、最も多い好中球は体内に入り込んだ細菌やウイルスなどの病原体を攻撃して除去します。実写版では佐藤健。特定の病原体に働くのは主として各種のリンパ球の仕事で、その中でもヘルパーT細胞が病原体を感知するとキラーT細胞が実働することになります。T細胞が適切に働くために。各種のサポートがあります。
また、特にB細胞と呼ぶリンパ球は、特異度の高い免疫機能を発動する抗体を産生します。他にも、白血球には単球、好酸球、好塩基球といったものがあり、さまざまな免疫に関係しますが、中にはアレルギーのような体に問題を引き起こす事態を招く原因も作ってしまうことがあります。
血液中の細胞成分として、もう一つ大事な仕事をしているのが血小板です。損傷した血管に集まり血栓を作ることで出血を抑制します。皮膚の表面に見える状態の物は、いわゆる「かさぶた」で、この力が無ければ失血死の恐れが生じます。
他にも、専門家でないと説明しきれないくらいたくさんの種類の細胞が登場してきますが、最初からいろいろ知らなくても、自然と理解を深めることができると思うので、マンガでも、アニメでも読んだり見たりする価値は高いと思います。実写版では、さらにエンターテイメントの要素が強化されるでしょうから大変楽しみですね。
年末年始診療 12月29日~1月5日は休診します
年内は12月28日(土)まで、年始は1月6日(月)から通常診療を行います
2024年12月7日土曜日
汁なし まぜそば @ ファミリーマート
ラーメン荘 歴史を刻め・・・って、何かの格言のような店名のラーメン屋さんがあるそうで、場所は世田谷区の祖師ヶ谷大蔵。
当然のように行ったことは無いし、まったく知らない店ですが、大阪発祥の「二郎系」の店として人気らしい。
ファミリーマートの新しい麺類ラインナップにこの店の看板の一つ、「汁なし」が登場しました。
そもそも二郎系と言われる店で実食したことが無いし、ラーメン荘監修のこれがどれほど店で提供するものを再現しているのかはわかりません。少なくとも店では、トッピングでてんこ盛り何だろうと思います。
まず、見た目にも角々として平打ち太麺ですが、スープは底に少ししか入っていないので、電子レンジでチンすると、そのまま角張っていて食べた時の食感が悪い・・・と、麺は固めが好きな自分でもいきなり残念な感想。
この辺りは、コンビニ販売の商品として考え直す必要があるポイントだと思います。汁の少ないまぜそばとするなら、麺はほぼ完成された茹で具合でも良いのかもしれない。
トッピングは、二郎系としてはたぶん標準的なものだと思いますが、少なくとも肉厚の豚肉(チャーシュー?)はけっこう美味しく感じました。スープの味そのものはGOODです。
総じてコンビニ商品としては合格点をあげたいところではありますが、もう一度食べるかと聞かれればたぶん・・・食べないと思います。
2024年12月6日金曜日
2024年12月5日木曜日
お終活 熟春! 人生、百年時代の過ごし方 (2021)
香月秀之監督・脚本による人情コメディ。コロナ禍の最中の公開で苦戦したものの、評価は高く、2024年に同じキャストで続編も作られました。
母親の延命を希望しなかった父親と断絶してしまった菅野涼太(水野勝)は、勤めていたIT企業が倒産したため、一柳葬具総本店・・・つまり葬儀社に再就職しました。菅野を面倒を見ることになったのは、ベテランの桃井梓(松下由樹)です。早速、終活フェアのチラシを配ることになった菅野は、キッチンカーを営業している大原亜矢(剛力彩芽)にご両親にとチラシを渡します。
大原家は夫の真一(橋爪功)、妻の千賀子(高畑淳子)は結婚してもうじき50年。家のことは何もしないで文句ばかり言っている真一に、千賀子はいらいらを募らせる毎日。千賀子はチラシを見て終活フェアに出かけて、ずいぶんと人が亡くなることは大変な事かあると改めて認識しました。
フェアでメモリアル・ビデオの無料作成に当たった千賀子は、せっかくだからと乗り気になるのですが、真一はばかばかしいと猛反対し、説明に訪れた菅野にも人の不幸を仕事にしているとか、葬式を任せてもらいたいからの営業だなどと毒づくのです。
しかし、千賀子が脳梗塞を起こし倒れてしまいます。真一はあらためて、一人ではできないことがたくさんあることに気がつかされます。真一は一柳葬具総本店を訪れ、あらためて失礼を詫びビデオの作成を依頼するのでした。
幸い千賀子の脳梗塞は軽く、すぐに退院して家に帰ってきますが、今度は郷里の真一の兄が亡くなったという知らせが来る。亜矢は二人に金婚式をすることをすすめ、一柳葬具総本店にその段取りをお願いするのでした。
終活というテーマのようですが、実質的には熟年夫婦にあらためて絆を思い出してもらい、長いくなってきた人生の再出発を応援するような内容のストーリーです。ですから「青春」に対して、ここでは「熟春」がテーマということ。
何といっても、さすがはベテランの橋爪功がいかにも昭和のオヤジを演じているのが見所です。そうそう、こんなオヤジが普通だったと思い出しますが、これは高度成長期の日本を支えてきたからという確固たる自信があるからで、自分を含めて今の時代のオヤジには到底真似できるものではありません。
価値観は時代と共に変わるものですから、令和の時代にこんなオヤジがいたらヤバイの一言で片づけられてしまいます。でも、強がっているのは弱さの裏返しでもあるわけで、そこを表に出すことができないのが昭和のオヤジの特徴かもしれません。
父親と断絶していた菅野は、そんな大原一家に接しているうちに「許すこと」の大切さに気がつき父親に連絡を取るというのは、ベタですが気持ちの良い終わり方です。
母親の延命を希望しなかった父親と断絶してしまった菅野涼太(水野勝)は、勤めていたIT企業が倒産したため、一柳葬具総本店・・・つまり葬儀社に再就職しました。菅野を面倒を見ることになったのは、ベテランの桃井梓(松下由樹)です。早速、終活フェアのチラシを配ることになった菅野は、キッチンカーを営業している大原亜矢(剛力彩芽)にご両親にとチラシを渡します。
大原家は夫の真一(橋爪功)、妻の千賀子(高畑淳子)は結婚してもうじき50年。家のことは何もしないで文句ばかり言っている真一に、千賀子はいらいらを募らせる毎日。千賀子はチラシを見て終活フェアに出かけて、ずいぶんと人が亡くなることは大変な事かあると改めて認識しました。
フェアでメモリアル・ビデオの無料作成に当たった千賀子は、せっかくだからと乗り気になるのですが、真一はばかばかしいと猛反対し、説明に訪れた菅野にも人の不幸を仕事にしているとか、葬式を任せてもらいたいからの営業だなどと毒づくのです。
しかし、千賀子が脳梗塞を起こし倒れてしまいます。真一はあらためて、一人ではできないことがたくさんあることに気がつかされます。真一は一柳葬具総本店を訪れ、あらためて失礼を詫びビデオの作成を依頼するのでした。
幸い千賀子の脳梗塞は軽く、すぐに退院して家に帰ってきますが、今度は郷里の真一の兄が亡くなったという知らせが来る。亜矢は二人に金婚式をすることをすすめ、一柳葬具総本店にその段取りをお願いするのでした。
終活というテーマのようですが、実質的には熟年夫婦にあらためて絆を思い出してもらい、長いくなってきた人生の再出発を応援するような内容のストーリーです。ですから「青春」に対して、ここでは「熟春」がテーマということ。
何といっても、さすがはベテランの橋爪功がいかにも昭和のオヤジを演じているのが見所です。そうそう、こんなオヤジが普通だったと思い出しますが、これは高度成長期の日本を支えてきたからという確固たる自信があるからで、自分を含めて今の時代のオヤジには到底真似できるものではありません。
価値観は時代と共に変わるものですから、令和の時代にこんなオヤジがいたらヤバイの一言で片づけられてしまいます。でも、強がっているのは弱さの裏返しでもあるわけで、そこを表に出すことができないのが昭和のオヤジの特徴かもしれません。
父親と断絶していた菅野は、そんな大原一家に接しているうちに「許すこと」の大切さに気がつき父親に連絡を取るというのは、ベタですが気持ちの良い終わり方です。
2024年12月4日水曜日
セブンのおにぎり 55
新発売になったのは、コラボ商品です。「セブン・イレブン×ちいかわ あったまるね、きもち」というキャンペーンが始まりました。
ちいかわ・・・って何なん?? となるわけですが、Twitter(現・X)で連載され、単行本化されて人気のマンガ「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」のことらしい。
知らなきゃそれまでですので、どうでも良いのですが、とりあえず登場したのは「ちいかわのケチャップごはんおむすび」と「ハチワレの炊き込みご飯おむすび」の2つ。
はっきり言って、見た目そのまま、想像通りの味ですので、とくに驚きはありません。
ケチャップごはん・・・そりゃそんな味にしかならない。炊き込みご飯もほぼ鶏五目と同じ。
マンガのファンは手に取ればいいし、知らなければスルーでも問題ありません。
2024年12月3日火曜日
変な家 (2024)
「この間取り図は変」という宣伝文句がまだ耳新しい映画。
もともとは、オカルト・ユーチューバーの雨穴(うけつ)によるYouTube動画が原作。これを本人が書籍化して大ヒットしました。「ブラックペアン」や「半沢直樹」の丑尾健太郎が脚本、「リーカルハイ」の石川淳一が監督しました。
ユーチューバーの雨宮は雨男(間宮祥太朗)と名乗りオカルト関連をアップロードして人気を得ましたが、最近はマンネリ気味で閲覧数は頭打ち。雨男をサポートする動画制作会社の柳岡(DJ松永)は、買うかどうか考えている家の間取り図を見せるのです。
その家の間取り図は見れば見るほど違和感があり、これはネタになると考えた雨宮は、知り合いの設計士、栗原(佐藤二朗)に図面を見せ意見を聞くことにしました。栗原は、2回の中心にある独房のような子供部屋、その下にあるキッチンに意図不明のすべて壁に囲まれた空間などを指摘し、「私なら絶対にこの家は買わない」というのでした。
雨宮は柳岡にそのことを伝えようとすると、先方から購入は中止したと連絡が入ります。その理由は、すぐ近く雑木林からバラバラの遺体が発見されたため気味が悪いというのでした。それから、雨宮の動画を見たという女性(川栄李奈)が雨宮に会いに来ました。
女性は発見された遺体は自分の夫で、この変な家に訪ねて行ってから行方不明になった、あの家に秘密があるはずだから一緒に調べて欲しいというのでした。しかし、実はもともとの家の住人だった片淵綾乃(瀧本美織)は、ずいぶん前に失踪した実の姉で、彼女は妹の柚希だったのです。
というわけで、原作となったYouTube動画は、柳岡が購入を断念したところで終わっているのですが、映画はここからが本題。間取り図が変な家で起こった殺人事件を設計士の探偵とユーチューバーの助手が解決する・・・というサスペンスのように見せかけて、しだいにオカルト調が強まってホラー映画のような展開をしていきます。
商業映画としては「何か変ですね。チャンチャン!」では終われませんから、それなりに盛り上げて派手な立ち回りがあって決着がつくのですが、ちゃんと不気味な余韻を残しているところはそれなりに出来ています。
綾乃と柚希の母親に斉藤由貴、片淵家の本家の人々に石坂浩二、根岸季衣、高嶋政伸といったなかなかのキャスティングです。いつもアドリブ満載でナンセンスが喋って歩いているような佐藤二朗が、比較的大人しく演技をしているのはちょっと新鮮。
ただ、サスペンスなのかホラーなのか、どっちつかず的な感じがやや残念なところです。謎解き的な部分も、一気に語らせてしまい終わり方がせわしいのもマイナス点になりそうです。まぁ、YoTubeを題材にしているところが今どきで、興味深いところということでしょうか。
もともとは、オカルト・ユーチューバーの雨穴(うけつ)によるYouTube動画が原作。これを本人が書籍化して大ヒットしました。「ブラックペアン」や「半沢直樹」の丑尾健太郎が脚本、「リーカルハイ」の石川淳一が監督しました。
ユーチューバーの雨宮は雨男(間宮祥太朗)と名乗りオカルト関連をアップロードして人気を得ましたが、最近はマンネリ気味で閲覧数は頭打ち。雨男をサポートする動画制作会社の柳岡(DJ松永)は、買うかどうか考えている家の間取り図を見せるのです。
その家の間取り図は見れば見るほど違和感があり、これはネタになると考えた雨宮は、知り合いの設計士、栗原(佐藤二朗)に図面を見せ意見を聞くことにしました。栗原は、2回の中心にある独房のような子供部屋、その下にあるキッチンに意図不明のすべて壁に囲まれた空間などを指摘し、「私なら絶対にこの家は買わない」というのでした。
雨宮は柳岡にそのことを伝えようとすると、先方から購入は中止したと連絡が入ります。その理由は、すぐ近く雑木林からバラバラの遺体が発見されたため気味が悪いというのでした。それから、雨宮の動画を見たという女性(川栄李奈)が雨宮に会いに来ました。
女性は発見された遺体は自分の夫で、この変な家に訪ねて行ってから行方不明になった、あの家に秘密があるはずだから一緒に調べて欲しいというのでした。しかし、実はもともとの家の住人だった片淵綾乃(瀧本美織)は、ずいぶん前に失踪した実の姉で、彼女は妹の柚希だったのです。
というわけで、原作となったYouTube動画は、柳岡が購入を断念したところで終わっているのですが、映画はここからが本題。間取り図が変な家で起こった殺人事件を設計士の探偵とユーチューバーの助手が解決する・・・というサスペンスのように見せかけて、しだいにオカルト調が強まってホラー映画のような展開をしていきます。
商業映画としては「何か変ですね。チャンチャン!」では終われませんから、それなりに盛り上げて派手な立ち回りがあって決着がつくのですが、ちゃんと不気味な余韻を残しているところはそれなりに出来ています。
綾乃と柚希の母親に斉藤由貴、片淵家の本家の人々に石坂浩二、根岸季衣、高嶋政伸といったなかなかのキャスティングです。いつもアドリブ満載でナンセンスが喋って歩いているような佐藤二朗が、比較的大人しく演技をしているのはちょっと新鮮。
ただ、サスペンスなのかホラーなのか、どっちつかず的な感じがやや残念なところです。謎解き的な部分も、一気に語らせてしまい終わり方がせわしいのもマイナス点になりそうです。まぁ、YoTubeを題材にしているところが今どきで、興味深いところということでしょうか。
2024年12月2日月曜日
のだめカンタービレ 最終楽章 (前編 2009, 後編 2010)
映画として「最終楽章」というタイトルになりますが、スタートは言わずと知れた2006年のテレビドラマ。その後、2008年に「新春スペシャル in ヨーロッパ」が2夜にわたってスペシャル・ドラマとして放送されました。クラシック音楽の世界で、ラブ・コメ青春根性ストーリーを展開するという、今まで無かった世界が大ヒットしました。
原作は二ノ宮知子のマンガで、当初岡田准一がキャスティングされたのですが、ジャニーズ事務所の強引な要望を二ノ宮が拒否したことで、製作は1年遅れになったというのは知る人ぞ知る有名な話。シリーズを通して脚本は衛藤凛、監督は武内英樹と川村泰祐が勤めています。
ストーリーは比較的原作に忠実に進みますが、マンガ的な演出も頻出しているのも特徴的。またそれぞれの登場人物の実写版としての再現度もかなり高いため、原作ファンからも好感を持たれた作品になりました。
連続ドラマでは、天才的ピアノ技巧を持つにもかかわらず音楽は楽しければ良いと向上心の無い音大生、のだめこと野田恵(上野樹里)と、指揮者を目指していますが飛行機恐怖症のため海外に行けず鬱々としてるエリート、千秋真一(玉木宏)が、たまたまアパートが隣同士だったところから始まります。
音大に客員として招聘された世界的指揮者シュトレーゼマン(竹中直人)は、のだめと千秋に目をつけます。音大の落ちこぼれを集めてSオーケストラを結成し、千秋を副指揮者にすると練習は千秋に任せっぱなしで、自分はキャバレー通い。千秋は直観力だけで弾くのだめのピアノに感心しますが、それだけではだめだと感じます。のだめも千秋と一緒にいたいがために、努力することを決意するのでした。
定期演奏会で、優秀者から選抜されるAオケの前座としてSオーケストラが登場するのですが、シュトレーゼマンは直前になって後は千秋に任せると去ってしまいます。しかし、初めての千秋の指揮は音楽は楽しいものだということを体現した演奏で大成功になるのでした。
のだめも初めてコンクールに出場し、予選では審査員をうならせる演奏をするのでしたが、最終審査で熱を出したことでめちゃめちゃになってしまいます。しかし、のだめの才能を見抜いたフランスの著名なオクレールにより、フランスで勉強するように勧められるのです。のだめは素人催眠術で千秋の飛行機恐怖症を何とか克服させ、二人はヨーロッパに出発するのでした。
で、次はヨーロッパ編。スペシャルでは指揮者コンクールで、ライバルとなるジャン・ドナデュウと戦い、千秋は優勝を勝ち取ります。シュトレーゼマンの策略で、彼の助手として世界各地を演奏旅行して回ることになるのです。のだめはパリの音楽院でオクレールの指導を受けることになりましたが、あまりにも自分の知識不足・経験不足に落ち込む毎日を送るのでした。
さらに追い打ちをかけたのがシュトレーゼマンの代役で千秋が指揮をしたピアノ協奏曲の大成功の知らせでした。ピアノを弾いたのはのだめと同世代の孫ルイ(山田優)で、のだめはルイの演奏に追い付こうと自分をさらに苦しめてしまうのです。しかし、教会の讃美歌にであったのだめは再び音楽は楽しむものだと思い出し、オクレールの推薦で古城で行われる貴族のコンサートで初めてリサイタルを行い大喝采をもらうのでした。
そして、ついに完結編の映画となるわけです。あの孫ルイが音楽院に入学してきて、のだめは再び心乱れる毎日。コンクールでは勝ったのに、ジャンは人気のデシャン管弦楽団の常任指揮者になり、千秋は落ち目のマルレ管弦楽団に迎えられます。マレル管は、団員が減ってしまいボロボロでしたが、千秋の熱意が次第に次第に伝わり、何とか軌道に乗っていきます。
のだめはオクレールから次々に課題を出されるものの、コンクールへの出場は許可されず、千秋との差がどんどんひろがっていくことに焦るのです。シュトレーゼマンはオクレールには黙ってのだめを自分の指揮の演奏会に引っ張り出してしまいます。のだめは渾身の演奏を行い大喝采となるのですが、燃え尽きてしまい行方をくらましてしまうのでした。
てなわけで、大好評につき膨大なボリュームのシリーズとなったわけですが、クラシック好きにとっては、最初から最後まで十分すぎるほど楽しめました。出てくる曲も人気曲だけでなく、おーそれを使うかというマニアックなものまで多彩で、なかなかの選曲です。でも、ストーリーの面白さがあるので、クラシックを聞かない人にも問題なく刺さったのはうなづけるところ。
それにしても玉木宏でよかった。岡田クンは好きですけど、千秋が岡田クンだと、かなり残念な結果になっていたかもしれません。
原作は二ノ宮知子のマンガで、当初岡田准一がキャスティングされたのですが、ジャニーズ事務所の強引な要望を二ノ宮が拒否したことで、製作は1年遅れになったというのは知る人ぞ知る有名な話。シリーズを通して脚本は衛藤凛、監督は武内英樹と川村泰祐が勤めています。
ストーリーは比較的原作に忠実に進みますが、マンガ的な演出も頻出しているのも特徴的。またそれぞれの登場人物の実写版としての再現度もかなり高いため、原作ファンからも好感を持たれた作品になりました。
連続ドラマでは、天才的ピアノ技巧を持つにもかかわらず音楽は楽しければ良いと向上心の無い音大生、のだめこと野田恵(上野樹里)と、指揮者を目指していますが飛行機恐怖症のため海外に行けず鬱々としてるエリート、千秋真一(玉木宏)が、たまたまアパートが隣同士だったところから始まります。
音大に客員として招聘された世界的指揮者シュトレーゼマン(竹中直人)は、のだめと千秋に目をつけます。音大の落ちこぼれを集めてSオーケストラを結成し、千秋を副指揮者にすると練習は千秋に任せっぱなしで、自分はキャバレー通い。千秋は直観力だけで弾くのだめのピアノに感心しますが、それだけではだめだと感じます。のだめも千秋と一緒にいたいがために、努力することを決意するのでした。
定期演奏会で、優秀者から選抜されるAオケの前座としてSオーケストラが登場するのですが、シュトレーゼマンは直前になって後は千秋に任せると去ってしまいます。しかし、初めての千秋の指揮は音楽は楽しいものだということを体現した演奏で大成功になるのでした。
のだめも初めてコンクールに出場し、予選では審査員をうならせる演奏をするのでしたが、最終審査で熱を出したことでめちゃめちゃになってしまいます。しかし、のだめの才能を見抜いたフランスの著名なオクレールにより、フランスで勉強するように勧められるのです。のだめは素人催眠術で千秋の飛行機恐怖症を何とか克服させ、二人はヨーロッパに出発するのでした。
で、次はヨーロッパ編。スペシャルでは指揮者コンクールで、ライバルとなるジャン・ドナデュウと戦い、千秋は優勝を勝ち取ります。シュトレーゼマンの策略で、彼の助手として世界各地を演奏旅行して回ることになるのです。のだめはパリの音楽院でオクレールの指導を受けることになりましたが、あまりにも自分の知識不足・経験不足に落ち込む毎日を送るのでした。
さらに追い打ちをかけたのがシュトレーゼマンの代役で千秋が指揮をしたピアノ協奏曲の大成功の知らせでした。ピアノを弾いたのはのだめと同世代の孫ルイ(山田優)で、のだめはルイの演奏に追い付こうと自分をさらに苦しめてしまうのです。しかし、教会の讃美歌にであったのだめは再び音楽は楽しむものだと思い出し、オクレールの推薦で古城で行われる貴族のコンサートで初めてリサイタルを行い大喝采をもらうのでした。
そして、ついに完結編の映画となるわけです。あの孫ルイが音楽院に入学してきて、のだめは再び心乱れる毎日。コンクールでは勝ったのに、ジャンは人気のデシャン管弦楽団の常任指揮者になり、千秋は落ち目のマルレ管弦楽団に迎えられます。マレル管は、団員が減ってしまいボロボロでしたが、千秋の熱意が次第に次第に伝わり、何とか軌道に乗っていきます。
のだめはオクレールから次々に課題を出されるものの、コンクールへの出場は許可されず、千秋との差がどんどんひろがっていくことに焦るのです。シュトレーゼマンはオクレールには黙ってのだめを自分の指揮の演奏会に引っ張り出してしまいます。のだめは渾身の演奏を行い大喝采となるのですが、燃え尽きてしまい行方をくらましてしまうのでした。
てなわけで、大好評につき膨大なボリュームのシリーズとなったわけですが、クラシック好きにとっては、最初から最後まで十分すぎるほど楽しめました。出てくる曲も人気曲だけでなく、おーそれを使うかというマニアックなものまで多彩で、なかなかの選曲です。でも、ストーリーの面白さがあるので、クラシックを聞かない人にも問題なく刺さったのはうなづけるところ。
それにしても玉木宏でよかった。岡田クンは好きですけど、千秋が岡田クンだと、かなり残念な結果になっていたかもしれません。
2024年12月1日日曜日
マイナ保険証
いよいよ、明日から新規の「紙」の健康保険証が発行されなくなります。マイナンバーカードの取得率は、全国民の約80%と言われています。その中でマイナ保険証を登録済は2/3程度。
注意していただきたいのは、マイナンバーカードに紐づけが完了しているマイナ保険証が無いと病院・診療所への受診ができなくなるわけではありません。
現行の保険証は、最大で来年の12月1日まで利用できますが、後期高齢者医療制度の利用者は2025年7月31日まで、国民健康保険は自治体によって期限が異なります。
横浜市の場合は、国民健康保険は来年の7月31日まで有効です。ただし、令和7年7月31日より前に75歳のお誕生日を迎える方は、お誕生日の前日までです。そして、令和7年7月31日より前に70歳のお誕生日を迎える方は、誕生日の月末(1日の場合は前月末)までが有効期間となります。
マイナ保険証を登録している場合には、「資格情報のお知らせ」が発行され登録されている保険情報(氏名、生年月日、被保険者番号、一部負担割合 等)を簡便にご確認することができます。ただし、これはマイナ保険証の代わりではありませんので、これだけで保険診療は受けることはできません。
マイナ保険証を利用登録していない場合には、「資格確認書」を受診の際に提示していただけば、今まで通り保険診療を受けることができます。
資格確認書は現行の保険証の有効期間が過ぎた場合に、申請していただくことで取得できます。取得方法は、社会健康保険の場合は各自の会社へ、国民健康保険・後期高齢者保険の場合は居住地の区役所(あるいは市役所など)の保険年金課に届出していただくことになります。
原則として病院・診療所への受診の際は、従来から毎回保険証を提示することが決められています。ただし、作業が煩雑になるためほとんどの医療機関では月に1度確認させていただくかたちで運用されている場合がほとんどでした。
マイナ保険証を利用する最大のメリットは、投薬や検査などの情報を別の医療機関でも確認できる「鍵」になっているところで、より適切な医療を提供できる情報になっている点です。そのためにも、これらの情報を確認しても良いという同意をしていただき、受診のたびにマイナ保険証で受付することをお勧めします。
詳しく知りたい方は、以下へお問い合わせください。
横浜市 マイナ保険証移行等に関する専用コールセンター
TEL 045-620-8187 (来年1月末まで)
マイナンバー総合フリーダイヤル
TEL 0120-95-0178
マイナンバー総合フリーダイヤル
TEL 0120-95-0178
2024年11月30日土曜日
セブンのおにぎり 54
今回の新発売のおにぎりはこれ。
まず、安さが売りの「うれしい値!」シリーズの一つで、118円の「エリンギバター醤油」です。
御飯に細かき刻んだエリンギを混ぜて、醤油とバターを混ぜた感じの物。細かいことを言えば、みりん、ニンニクなども使っていて、いろいろと考えられた味なんだろうと思います。
実際に食べてみると、やっぱりそんな複雑さは感じません。普通にシンプル。エリンギは何とか食感を感じる程度を、念入りに計算しているように思いました。
もう一つは、「ベーコンチーズ焼きおにぎり」です。
厚さ1cmくらいの醤油味の焼きおにぎりを2枚使って、間に細かいベーコン入りのチーズが挟まっている。
さすがにチーズが使われているので、カロリーが気になりますが、236kcal/個と表記されています。これはさすがに多いので、食べるには罪悪感必至です。
2024年11月29日金曜日
違和感
違和感とは・・・
不適合、両立しない、相反する・・・といった意味であれば英語では「incompatibility」を使います。何となく気分がすぐれない、不快である・・・なら「malaise」になる。
これは違和感大あり。
東洋水産のマルちゃんブランドで、一番有名なカップ麺は、油揚げがのった「赤いきつね」うどんとかき揚げがのった「緑のたぬき」そばだと思います。
一目で、違和感。そもそもいつも見慣れているのは、平たい容器ですが、これは縦長。油揚げとかき揚げを小さくして、実質的な値上げになったのかと・・・
いやいや、そんなことより、驚くべきポイントは「赤いたぬき」と「緑のきつね」じゃないですか。
期間限定企画ということですが、もうこれは違和感しかない。
この場合は「strange feeling」でしかありません。
2024年11月28日木曜日
旨辛麺 @ ファミリーマート
ファミマで見つけた・・・「旨い辛い 旨辛麺」です。もう少しネーミングを何とかできなかったのかという・・・
それはともかく、注目した理由は・・・これはひょっとして、あの元祖ニュータンタンタルメン本舗イソゲンのレプリカではないかと思ったということ。
早速、チンしてみた。
おー、スープは少な目、具も少な目ですが、見た目は間違いない。唐辛子でむせるのも同じ。
ひき肉煎りかき卵、赤い唐辛子。ニンニクもしっかり香り立つ。味もたぶんほぼ再現しています。久しぶりにいいもの食べさせてもらいました。
右は本物ですけど、さすがにちょっと寂しいのですが、コンビニ麺としては我慢できるレベルでした。
2024年11月27日水曜日
タッチ (2005)
言わずと知れた、挿入歌のタイトル曲と共に、大人気だったあだち充原作のマンガを実写化した作品。ほぼマンガを読まない自分も、何と実は単行本を持っていました(!!)。監督は犬童一心、脚本は山室有紀子。
しばしば問題になるのは、マンガではすでに映像イメージがファンの中に固定されているため、実写化した場合に賛否両論が巻き起こるということ。たいていの場合は、イメージと食い違いがありすぎるとか、エピソードを端折りすぎという批判的な見方が多く、この映画もそういう意見にさらされました。
隣同士で、幼い時から兄弟のようにして育った双子の上杉和也(斎藤慶太)と上杉達也(斎藤祥太)、そして朝倉南(長澤まさみ)の3人は、思春期になって、明星高校に入学すると少しずつビミョーな関係性の変化が起こっていました。
3人で交わした約束は、必ず南を甲子園に連れて行くというものでしたが、達也は野球を辞めてしまい、ボクシングを始めますがどこか中途半端。南は野球部のマネージャーになり、エースになった和也を支える毎日。
地区大会決勝まで進んだ明星の対戦校は強打者、新田明男(福士誠治)を要する須見工です。しかし、試合に向かう途中和也は、交通事故にあい命を落としてしまうのです。エース不在の明星は敗退します。
もともと剛速球を投げられる達也を、同級生たちが再び野球に引き戻します。しかし、秋の大会で達也は多くの失点をしてしまい、和也のかわりにはなれないことを思い知らされるのです。南は甲子園に行くのは3人でした約束だったはずだと詰め寄りますが、今の達也には重たいだけの言葉でした。
しかし、親友らの言葉によって、和也の代わりではなく、自分が南と和也を甲子園に連れて行くと考えることができた達也は再び立ち上がるのでした。そして、再び地区大会が始まり、決勝は再び須見工との対戦になりました。マウンドに立つ達也は、観客席の南の姿を探してしまいます。打たれれば負けという新田との最後の勝負。ベンチの指示は敬遠でしたが、ナインは達也に勝負させることにしたのです。
ものすごく青春スポ根としてはベタな展開ですが、何しろ主人公の一人が死んでしまうというのは究極の涙ポイントで、もちろんこれは原作がそうだからしょうがない。確かに原作と異なるエピソードも入って来て、それにもかかわらずものすごいスピードでストーリーが進むので、批判されるのは理解できます。
が、しかし、約2時間にまとめるためには、それなりに原作をそぎ落とす必要があるのは当たり前。それでも、絶対に落とせない部分はしっかりと描き切ることが大事で、この作品はそれなりに映画的にはよくできている。それでも文句を言いたい人は、可愛い長澤まさみを見るための映画だと思えばいいんじゃないでしょうか。
しばしば問題になるのは、マンガではすでに映像イメージがファンの中に固定されているため、実写化した場合に賛否両論が巻き起こるということ。たいていの場合は、イメージと食い違いがありすぎるとか、エピソードを端折りすぎという批判的な見方が多く、この映画もそういう意見にさらされました。
隣同士で、幼い時から兄弟のようにして育った双子の上杉和也(斎藤慶太)と上杉達也(斎藤祥太)、そして朝倉南(長澤まさみ)の3人は、思春期になって、明星高校に入学すると少しずつビミョーな関係性の変化が起こっていました。
3人で交わした約束は、必ず南を甲子園に連れて行くというものでしたが、達也は野球を辞めてしまい、ボクシングを始めますがどこか中途半端。南は野球部のマネージャーになり、エースになった和也を支える毎日。
地区大会決勝まで進んだ明星の対戦校は強打者、新田明男(福士誠治)を要する須見工です。しかし、試合に向かう途中和也は、交通事故にあい命を落としてしまうのです。エース不在の明星は敗退します。
もともと剛速球を投げられる達也を、同級生たちが再び野球に引き戻します。しかし、秋の大会で達也は多くの失点をしてしまい、和也のかわりにはなれないことを思い知らされるのです。南は甲子園に行くのは3人でした約束だったはずだと詰め寄りますが、今の達也には重たいだけの言葉でした。
しかし、親友らの言葉によって、和也の代わりではなく、自分が南と和也を甲子園に連れて行くと考えることができた達也は再び立ち上がるのでした。そして、再び地区大会が始まり、決勝は再び須見工との対戦になりました。マウンドに立つ達也は、観客席の南の姿を探してしまいます。打たれれば負けという新田との最後の勝負。ベンチの指示は敬遠でしたが、ナインは達也に勝負させることにしたのです。
ものすごく青春スポ根としてはベタな展開ですが、何しろ主人公の一人が死んでしまうというのは究極の涙ポイントで、もちろんこれは原作がそうだからしょうがない。確かに原作と異なるエピソードも入って来て、それにもかかわらずものすごいスピードでストーリーが進むので、批判されるのは理解できます。
が、しかし、約2時間にまとめるためには、それなりに原作をそぎ落とす必要があるのは当たり前。それでも、絶対に落とせない部分はしっかりと描き切ることが大事で、この作品はそれなりに映画的にはよくできている。それでも文句を言いたい人は、可愛い長澤まさみを見るための映画だと思えばいいんじゃないでしょうか。
2024年11月26日火曜日
シムソンズ (2006)
北海道の常呂町出身のカーリング・チームのシムソンズは、2002年ソルト・レーク冬季オリンピックに日本代表として出場しました。現在は北見市のロコ・ソラーレが名実ともにNO.1ですが、シムソンズは日本中にカーリングを知らしめた元祖みたいなもの。
この映画は、シムソンズの成り立ちのエピソードを基に、それぞれ実在の選手をモデルにしたフィクションです。監督は「ストロベリー・ナイト」の佐藤佑市、脚本は大野敏哉です。
ホタテと玉ねぎ、そしてカーリングが名物の常呂町の高校生伊藤和子(加藤ローサ)は、根っから明るい性格。地元出身のカーリングのオリンピック選手、加藤真人(田中圭)にたまたまカーリング・チームを作ることを勧められます。実は、それは強豪女子チームのホワイト・エンジェルスから浮いてしまった尾中美希(藤井美菜)の居場所を作るためでした。
和子は同級生の受験勉強中の林田史江(星井七瀬)、酪農家の目立たない小野菜摘(高橋真唯)を口説きシムソンズを結成します。そこに真人に頼まれて現れたコーチは、ホタテ漁を仕事にしている大宮平太(大泉洋)でした。平太もかつては代表選手の一員でした。
しかし、いかんせん美希以外はまったく初心者で、ルールは理解していないしまともにストーンを投げることもままなりません。とりあえず出場した試合では、当然1点もとれず大敗します。何とか1点を取ることを目標に出場した次の試合では、小学生相手に苦戦。しかし、美希の最後の一投で何とか1点を取り引き分けました。
3人は1点取って大喜びでしたが、平太は美希に反則したことで怒ります。実はストーンを決められたラインを超えて手放していたのですが、美希は1点取れたのだから文句を言われることじゃないと反発します。そして、4人は喧嘩別れしてしまうのでした。
実は平太は大事な試合で、ラインを超えたことを自ら申告し優勝を逃した経験があり、そのことで今でも仲間から「常呂の恥」と呼ばれていたのです。平太は嘘をつくことより、チームとずっと仲間でいたかったのでした。
せっかく仲間としてカーリングを楽しめるようになってきたそれぞれは、自然に一緒に練習していた海岸に集まり、ついに美希も心を開き、チームとして結束を強めるのです。いよいよ北海道大会が始まり、シムソンズは勝ち進みホワイトエンジェルスと決勝を迎えるのでした。
たまたま結成直後の彼女たちに注目し、何かと追っかけ取材をするテレビ局ディレクターに松重豊、和子の母に森下愛子、平太らを育てたコーチに夏八木勲、シムソンズのたまり場の喫茶店主に高田延彦らが出演しています。
実話からはだいぶ脚色がされているそうですが、チームの4人のキャラクター分けが明快で、チームとしてまとまればそれなりに強みが出てくるところは納得です。そして、勝負も大事なのは当然ですが、何よりもカーリングそのものを楽しもうという雰囲気が心地よい作品になっています。
この映画は、シムソンズの成り立ちのエピソードを基に、それぞれ実在の選手をモデルにしたフィクションです。監督は「ストロベリー・ナイト」の佐藤佑市、脚本は大野敏哉です。
ホタテと玉ねぎ、そしてカーリングが名物の常呂町の高校生伊藤和子(加藤ローサ)は、根っから明るい性格。地元出身のカーリングのオリンピック選手、加藤真人(田中圭)にたまたまカーリング・チームを作ることを勧められます。実は、それは強豪女子チームのホワイト・エンジェルスから浮いてしまった尾中美希(藤井美菜)の居場所を作るためでした。
和子は同級生の受験勉強中の林田史江(星井七瀬)、酪農家の目立たない小野菜摘(高橋真唯)を口説きシムソンズを結成します。そこに真人に頼まれて現れたコーチは、ホタテ漁を仕事にしている大宮平太(大泉洋)でした。平太もかつては代表選手の一員でした。
しかし、いかんせん美希以外はまったく初心者で、ルールは理解していないしまともにストーンを投げることもままなりません。とりあえず出場した試合では、当然1点もとれず大敗します。何とか1点を取ることを目標に出場した次の試合では、小学生相手に苦戦。しかし、美希の最後の一投で何とか1点を取り引き分けました。
3人は1点取って大喜びでしたが、平太は美希に反則したことで怒ります。実はストーンを決められたラインを超えて手放していたのですが、美希は1点取れたのだから文句を言われることじゃないと反発します。そして、4人は喧嘩別れしてしまうのでした。
実は平太は大事な試合で、ラインを超えたことを自ら申告し優勝を逃した経験があり、そのことで今でも仲間から「常呂の恥」と呼ばれていたのです。平太は嘘をつくことより、チームとずっと仲間でいたかったのでした。
せっかく仲間としてカーリングを楽しめるようになってきたそれぞれは、自然に一緒に練習していた海岸に集まり、ついに美希も心を開き、チームとして結束を強めるのです。いよいよ北海道大会が始まり、シムソンズは勝ち進みホワイトエンジェルスと決勝を迎えるのでした。
たまたま結成直後の彼女たちに注目し、何かと追っかけ取材をするテレビ局ディレクターに松重豊、和子の母に森下愛子、平太らを育てたコーチに夏八木勲、シムソンズのたまり場の喫茶店主に高田延彦らが出演しています。
実話からはだいぶ脚色がされているそうですが、チームの4人のキャラクター分けが明快で、チームとしてまとまればそれなりに強みが出てくるところは納得です。そして、勝負も大事なのは当然ですが、何よりもカーリングそのものを楽しもうという雰囲気が心地よい作品になっています。
2024年11月25日月曜日
青空エール (2016)
青春っていいなぁ。おっさんが今更言うのは恥ずかしいところもありますが、スポ根性と応援する気持ちと、そしてせつない恋愛要素がバランスよくミックスした、青春映画のいいとこどりみたいな作品です。
原作は人気の高い河原和音のマンガで、「フォルトゥナの瞳」の三木孝浩が監督、「くちびるに歌を」の持地佑季子が脚本を担当しました。
引っ込み思案で、すぐにうつむいてしまう癖のある小野つばさ(土屋太鳳)が入学したのは白翔高校。楽器未経験のつばさは、経験者ばかりが集まる名門吹奏楽部にトランペットで入部を希望します。同級生の山田大介(竹内涼真)は野球部に入部し、二人はそれぞれの夢を叶える約束をするのでした。
つばさは3年生の森優花(志田未来)に個別の特訓をしてもらい少しずつ上達はするものの、定期演奏会では怖くて音を出せませんでした。そして、大介も地区大会決勝で自分のミスが原因で敗退してしまいます。その試合は吹奏楽部も応援に駆けつけていましたが、グランドで呆然としている大介に向かって、つばさは一人でルールを忘れてトランペットを吹いてしまい謹慎させられることになります。
大介はつばさにトランペットを吹いてくれたことのお礼をし、これからもともだちとして応援してほしいと言います。つばさは勇気をだして「ともだち・・・じゃなくて・・・」と告白しますが、大介は今は甲子園に行くこと以外は考えられないと伝えるのでした。
そして、二人は3年生になりました。大介はキャプテンとして、つばさも初心者の1年生を教える立場になっていました。しかし、つばさは吹奏楽コンクールのメンバーから漏れてしまいます。そして大介も練習試合で足首の骨折をしてしまい、「甲子園に絶対行く」、「甲子園でトランペットで応援する」という二人の夢に赤信号がともるのでした。
吹奏楽を厳しく、でも部員の事をやさしく見守る杉村先生に「スイングガール」で「のだめ」だった上野樹里というキャスティングも気が利いています。前半のもしもじ子さんの土屋太鳳は、やや演技がわざとらしい感じがしますが、後半のひたむきで努力し続ける頑張り屋の演技で帳消しにしています。竹内涼真は野球だけのドラマだったら暑苦しいかもしれませんが、比重が1/2なのでこちらも丁度良いところ。
主役の二人については、とても感情移入しやすい作りなので、野球の試合も吹奏楽のコンクールも自然と応援したくなる。べたべたし過ぎないところも好感が持てるところで、原作は未読ですが脚本の作りが素直でツボをしっかりおさえているというところでしょうか。
結末も、想像通りのハッピーエンドなんですが、野球の結果で本編を終わりにしたのは正解。吹奏楽の結果までしっかり入れると、冗漫になりすぎると思います。エンドロールの中で、さらっと結果だけ見せるというのはうまい方法でした。
原作は人気の高い河原和音のマンガで、「フォルトゥナの瞳」の三木孝浩が監督、「くちびるに歌を」の持地佑季子が脚本を担当しました。
引っ込み思案で、すぐにうつむいてしまう癖のある小野つばさ(土屋太鳳)が入学したのは白翔高校。楽器未経験のつばさは、経験者ばかりが集まる名門吹奏楽部にトランペットで入部を希望します。同級生の山田大介(竹内涼真)は野球部に入部し、二人はそれぞれの夢を叶える約束をするのでした。
つばさは3年生の森優花(志田未来)に個別の特訓をしてもらい少しずつ上達はするものの、定期演奏会では怖くて音を出せませんでした。そして、大介も地区大会決勝で自分のミスが原因で敗退してしまいます。その試合は吹奏楽部も応援に駆けつけていましたが、グランドで呆然としている大介に向かって、つばさは一人でルールを忘れてトランペットを吹いてしまい謹慎させられることになります。
大介はつばさにトランペットを吹いてくれたことのお礼をし、これからもともだちとして応援してほしいと言います。つばさは勇気をだして「ともだち・・・じゃなくて・・・」と告白しますが、大介は今は甲子園に行くこと以外は考えられないと伝えるのでした。
そして、二人は3年生になりました。大介はキャプテンとして、つばさも初心者の1年生を教える立場になっていました。しかし、つばさは吹奏楽コンクールのメンバーから漏れてしまいます。そして大介も練習試合で足首の骨折をしてしまい、「甲子園に絶対行く」、「甲子園でトランペットで応援する」という二人の夢に赤信号がともるのでした。
吹奏楽を厳しく、でも部員の事をやさしく見守る杉村先生に「スイングガール」で「のだめ」だった上野樹里というキャスティングも気が利いています。前半のもしもじ子さんの土屋太鳳は、やや演技がわざとらしい感じがしますが、後半のひたむきで努力し続ける頑張り屋の演技で帳消しにしています。竹内涼真は野球だけのドラマだったら暑苦しいかもしれませんが、比重が1/2なのでこちらも丁度良いところ。
主役の二人については、とても感情移入しやすい作りなので、野球の試合も吹奏楽のコンクールも自然と応援したくなる。べたべたし過ぎないところも好感が持てるところで、原作は未読ですが脚本の作りが素直でツボをしっかりおさえているというところでしょうか。
結末も、想像通りのハッピーエンドなんですが、野球の結果で本編を終わりにしたのは正解。吹奏楽の結果までしっかり入れると、冗漫になりすぎると思います。エンドロールの中で、さらっと結果だけ見せるというのはうまい方法でした。
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