2026年10月27日火曜日

鯛の春雨スープ


スーパーの魚売り場で、たいてい売っているのが魚を下ろした後の頭の残骸。

残骸というと語弊がありますが、いわゆるあら汁などに利用するためで、とても安く手に入ります。

今回は、大きめの鯛、お頭だけ2尾分が299円!!

お頭だけと言っても、残っている身の部分は丁寧にかき集めると、けっうな量になります。たとえば普通サイズのアジの開き1尾分くらいは余裕であります。

当然、スープを取っていくわけですが、二人前で一尾分を鍋に入れ全体が浸るくらいの水から沸かしていきます。沸騰し始めたら、火を弱くしてぎりぎり泡が立つくらいで、丁寧にアクを取り除きながら、1時間ほどじっくりことこと煮だしていきます。

中身はかなりもろくなるので、取り出すときは注意します、箸で持ち上げると崩れてしまうので、フライ返しなどでゆっくり取り出しましょう。たくさん付いている身は、丁寧に取り分けて麺つゆをかけておきます。

できたスープは、味をみながら塩を加えていきます。また、臭みを減らすために小指の時ほどのごく少量のショウガも入れておきます。

あとは煮て柔らかくした春雨を食べたいだけ用意して、お好みの野菜やほぐした身を乗せれば出来上がりです。

今回は 椎茸、ほうれん草、カイワレ大根、長ネギをトッピング。だいたい180kcalくらいで、少なくとも200kcalは超えていないと思います。

鯛の出汁はとても香りがよく、あっさりしていますが、味わいがあります。塩だけのシンプルな味ですが、満足感のある一品です。

2026年10月26日月曜日

クリニックHPリニューアル


リニューアル ・ ・ ・という言葉の響きから想像できるものとはだいぶかけ離れているのですが、クリニックのホーム・ページを新しくしました。

以前より、スマートフォンで開けない、読み込みにものすごく時間がかかるというご指摘を受けていました。その分、こちらのブログで「お知らせ」的な内容もお伝えできるようにしていたつもりです。

とは言え、やはり本家が見れないのじゃしょうがない。

クリニックの元々のホームページは、開業するときに自分で一からHTMLを書き起こしたものでした。大学を辞めて、開業するまでの3か月間の準備期間にコツコツと作ったものですが、当時はスマートフォンはまだまだ普及していなかった。

時代はあっという間に進化して、とてもとても自分で作り直すことができないと、ほとんどあきらめて開き直っていた状態です。何しろ、ちゃんとオーダーして作ると、場合によっては百万円単位のお金がかかる。

でも、最近は簡単にホーム・ページが作れるサイトなどがたくさんあって、今年になっていろいろ探して試していたんですが、無料のサイトはほとんどが、そのサイト内での公開が原則でそれはそれで困るというもの。

で、GoogleのAI、Geminiに聞いてみた。質問は、「ホームページを無料で簡単に作って、自分のサイトで公開したい」です。

で、出てきた答えが「それならMobiriseの一択です」ということ。Windows Storeから無料でダウンロードできます。

試してみると、確かに簡単です。ほとんどパーツを選んで配置するだけ。フリーの画像が選べて、使いたい画像はPCからアップロードもできる。後は表示したいテキストをワープロ的に入力するだけです。

出来上がったら丸々ダウンロードして、どこで公開するのも自由。自分の場合はFTPでホームページのサイトにアップロードして終わりです。

数時間、集中していじっていたら、とりあえず完成しました。前はいろいろ無駄な情報を含めてごちゃごちしていたのですが、今回はできるだけシンプル、必要最低限の情報の掲載にしました。

おそらく、見る人は診療時間、臨時休診の有無、場所などの確認のためにホーム・ページを探すのでしょうから、サクサクとそれらの情報が見れればクリニックのホームページとしての機能は果たせるのではないかと思います。

アイテム追加も簡単にできるので、今後内容が増えるかもしれませんが、とりあえずは当面これで良しとしたいと思います。

2026年10月25日日曜日

里芋と豚肉のゴマ味噌和え


今回は、里芋のレシピとしては定番の一つです。

里芋は皮の剥くのが面倒だと思いますが、できれば生のまま包丁やピラーで剥くのがおすすめです。

レンジでチンして加熱すると向きやすくなりますが、火が通ってしまい煮るとぐちゃぐちゃになりやすいので注意が必要です。

どうしてもやりたくないと言うなら、最初から剥いて下茹でしてあるものを使うという手もあります。

最初に豚肉を下茹でして、アクと余分な脂を取り除きます。

まずはお湯で食べやすい大きさに切り分けた里芋を茹でます。今回は人参も一緒です。

5分ほどしたらお好みの出汁を入れましょう。できれば食塩抜きの顆粒タイプがおすすめですが、もちろん家にあるものでまったく問題はありまん。

下茹でした豚肉を戻して、さらに5分くらい茹でたら、火を止めて茹で汁は捨てます。

鍋のはじに味噌とすりごまをいれてよく混ぜます。今回は大きめの芋4個に対して、それぞれ大さじ1程度を使いました。

ここでみりんを入れるとなっていることが多いのですが、甘くなりすぎのは避けたいので、砂糖を小さじ1/2程度使うにとどめました。

長ねぎ(できるだけ緑色のところ)をざく切りにしたものを入れて、全体をよく和えたら蓋をして10分ほど寝かしたら出来上がり。

煮込むというよりは和えるという作り方なので、とろとろの里芋が好きな方は最初の茹で時間を多めにしてください。

けっこうご飯のおかずにもビールのお伴にもなるのでおすすめです。


2026年10月24日土曜日

コキアの紅葉


数年前にも紹介したんですが、 近くの畑のコキアが見頃です。

コキアは和名ホウキギ、漢字で書くと箒木、つまり箒の材料として昔はよく使われていました。

夏まではきれいな黄緑色で、真ん丸な感じが可愛らしい。そして、秋になると深紅に紅葉します。その後は茶色くなって枯れてしまう一年草です。

見渡す限りコキアで埋め尽くされて壮観な眺めが楽しめるので有名なのは、茨城県の国営ひたち海浜公園「みはらしの丘」です。4万本も植えてあるというので、そりゃ見応えがあるにきまっている。

都筑区の畑にも、取り囲むように毎年コキアが栽培されているところがあって、毎年通るのが楽しみな場所があります。

こちらも、このところの急な冷え込みで、いっきに紅くなっていました。

そりゃ、あちらには敵いませんが、たぶん数百本はあろうかという光景はバカにできません。近場でこれだけ楽しめるのなら、これはこれで十分に秋を実感できるというものです。



2026年10月23日金曜日

自宅居酒屋 #102 茎ワカメのナムル


ナムルというのは韓国の家庭料理ですが、山菜や野草の塩茹でごま油和えの総称です。

そういう意味では、茎ワカメは本来はナムルにはならない。ただし、海藻ですから、草ですから・・・ということで、ナムルに入れても許してもらえる、かもしれません。

茎ワカメは生食用を用意しました。しかも、最初から細切りにしてあるやつで、手間いらずです。

塊で売っているのをよく見かけますが、この場合塩漬けになっているものが多いので、塩抜きが必要です。しかも、ねっとりするので細切りにするのはけっこう大変です。

それだけでは寂しいので、鶏むね肉を茹でて裂いて合わせました。まぁ、この時点で非ナムル確定なんですが、そこは大目に見てください。

さて味付けですが、顆粒の塩味付きの鶏ガラスープの素を少々、コチュジャン少々、そしてごま油です。味は濃くしない方が美味しいと思います。

コリコリ食感の茎ワカメと柔らかいむね肉のバランスが丁度良い感じです。

2026年10月22日木曜日

自宅居酒屋 #101 茄子の紅葉おろし和え


あれっ? 気がついたら自宅居酒屋シリーズも100を超えてしまいました。

これで、本当の居酒屋を開店できる・・・わけがない。

あまりにメニューが偏っているので、店に来たお客さんは「全部同じ味」と怒られそうです。

で、やっぱり同じような味ですけど、何と言ってもポン酢は最強です。これに頼らない手はないという・・・

基本的には茄子を焼いて、ポン酢をかけて食べるだけのレシピ。

簡単でしょう?

それだけじゃ、紹介するほとではないので、一手間というほどではない0.5手間くらいを追加します。

大根おろしを用意します。たまたま大根が少なかったので、ニンジンも摺り下ろして紅葉おろしにして合わせました。

本当の紅葉おろしは、大根と唐辛子を摺り下ろすのですが、さすがにそれじゃ辛すぎるので、ニンジンを使って赤くして後から七味を追加しました。

この0.5手間が旨いんです。

もっとも後ちょっとの手間をかけるのが「居酒屋」ということですよね。

2026年10月21日水曜日

自宅居酒屋 #100 メカジキとたまねぎスライス


基本的にタマネギスライス・・・オニオンスライスとも言いますが、ここではあえて和のテイストを出してたまねぎとしますが、とにかく一番よく合うのはポン酢だと、もう信念のようなところがあったりします。

そりゃ、マヨネーズでもいいし、洋風のドレッシングでも美味しくいただけるのは間違いないのですが、好みの問題ですのでご容赦いただきたい。

たまねぎを薄くスライスしたら、しばらく水にさらす。時間が無い時は、水の中である程度揉むのがおすすめです。

今回はメカジキと合わせてみました。

メカジキもけっこう高いのですが、切り落としの端の不揃いを使いました。半額くらいでお買い得です。

これを細かく刻んでフライパンで炒めます。味付けは、よくある照り焼きと同じで、醤油とみりん、少々のしょうがです。

細かいのですぐに火が通りますので、あとはたまねぎと混ぜてボンズをかけまわすだけです。

たまねぎとの相性も良くて、実に美味しく食べれます。

2026年10月20日火曜日

もうじき、ハロウィン


気がつくと10月も後半。

10月と言えば、あれがあるじゃん。ハロウィンじゃん。

基本的には、あまりイベントとして楽しんだことはことはない。そりゃそうです。何しろ日本で、知られ始めたのは70年代後半。こちとらもうこどもじゃない。

一般にひろまったのは21世紀になってからですから、なおさら知らなくて当たり前。

こどもが小さい時に、ふ~ん、日本でもそんなイベントがあるだと、やっと認識した次第です。

うちの近くに、毎年、この時期に家の入口をハロウィン仕様にしているお宅があって、今年もオバケでデコってました。

毎年の事ですが、これがよくできている。いつも感心してしまいます。

2026年10月19日月曜日

続々・横浜市長選挙


昨日は横浜市長選挙の投票日。

近くの投票所に行ってきました。

朝から、まさに抜けるような、見事の秋晴れの青空で、とても清々しい気分になりました。

国政選挙だと、あまり近くに選挙カーがくることはないのですが、今回はさすがに選挙カーの通る時のスピーカーから聞こえてくる音がちょっと目立ちました。

投票所も閑散としていてのんびりとした雰囲気です。大きな選挙と比べて、地域の有権者数には変わりはないはずなんですけどね。

もともと大きな争点がある選挙では無いので、関心が少ないのかもしれないと、ちょっと心配になりました。

とは言え、即日開票で、深夜に大勢が判明しています。

投票率は45.56%。最低は鶴見区の40.46%、最高は都筑区の48.88%です。当然、商業地よりも住宅地が多い方が高めです。それでも、50%に届かないのはちょっと寂しい。

結果は約40%の票を獲得した原沢あつみ氏が新市長となりました。当初から予想されていた結果です。

若手の福山あつし氏と中谷一馬氏は、16.48%と12.85%善戦しましたが、パワハラ辞任の前市長も14.28%で、許している市民が意外と多いという印象です。

ちなみに横浜市長選挙の立候補者は240万円の供託金が必要なんですが、有効投票総数の 10分の1 未満だと没収されてしまいます。残りの3氏は没収決定です。

また、今回の選挙に計上された予算は15億3千6百万円です。前市長には半分くらい負担してもらいたい気分です。

2026年10月18日日曜日

自宅居酒屋 #99 砂肝塩焼き


鶏肉の中で、高たんぱく低カロリーの代表と言えばむね肉。

皮無しであれば、100gあたりのたんぱく質は23.3g、カロリーは105kcalです。もも肉は19.0g / 113kcalなので、皮をとって丁寧に脂肪を取り除けば、もも肉もそんなに劣るわけではありません。

さらなる高たんぱく低カロリーを目指すなら、優勝はささみです。23.9g / 98kcalで間違いないのですが、あっさりしすぎてレシピの選択肢が少な目です。

砂肝は、同じく常用しにくい部位ですが、18.3g / 86kcalで、ささみよりもカロリーが少ない。砂肝は砂嚢と呼ばれる胃の一部で、石や砂と一緒に飲み込んだ食物を砕く部位で、ほとんど筋肉だけの組織。

好みは分かれるかもしれませんが、独特のコリコリした食感があるので、好きな人にはたまらないところがあります。

今回は、シンプルに塩焼きにしました。

塩をふってフライパンで焼くだけです。実に簡単。ただし、美味しく食べるための一手間としてやったことは、焼きながら上からバーナーで炙っています。軽く焦げ目がつくようにすると、肉の旨さは倍増します。

それだけでもいいんですが、せっかくなので長ねぎを全体にまぶすように混ぜて、さらに美味しさアップです。七味をかければ完璧です。

2026年10月17日土曜日

かぶ煮 中華風


かぶは見た目は丸い大根という感じで、どちらもアブラナ科。

大根で食べているのは肥大化した根ですが、実はかぶは違う。かぶの場合は、食べているのは根と葉の間の茎が膨らんだ部分です。

大根は苦みがあって消化酵素が豊富。かぶは甘味があってビタミンが豊富。まさに似て非なる物という感じですが、どちらも美味しい野菜であることには変わりはありません。

かぶは定番の食べ方は煮ることなんですが、いつもは和風の味付けにするんですが、今回は中華風にしてみました・・・って言っても、そんなに違うわけではありません。

まずはかぶを煮る。沸騰した湯の中に、一口大に6等分したかぶを入れ、5分くらいしたら巷に売っている中華スープの素を入れます。

さらに5分くらい煮たら、火を止めて5分ほど放置します。かぶは火が通りやすいので、固さはお好みですが、ときどき箸をさしてみてチェックします。

この煮汁を必要なだけ取り分けて、かぶの葉の部分を別の鍋で煮ます。葉は美味しく食べられますから、捨てたらもったいない。

上にかけるあんを作ります。鶏、または豚の挽肉を炒めますが、味付けは豆板醤少々、オイスターソース少々、にんにく好きなだけという感じですが、かぶの味を生かすために薄味に仕上げたほうが良いように思います。ごまを適量入れて、固めの片栗粉でまとめます。

全部混ぜてもいいんですが、今回はそれぞれ別々に盛り付けました。皿に葉をひいて、かぶをのせ、あんをかけました。香りづけにごま油をほんの少々かけたら出来上がりです。

なんちゃって中華ですが、多少いつもと違う雰囲気で楽しめます。

2026年10月16日金曜日

茄子グラタン


これ、何だ??

・・・って、記事のタイトルで答えは出ているので、クイズにはなりません。

タマネギ 1/2個 みじん切り
マッシュルーム 数個
ベーコン 少々
そして、茄子 3個 みじん切り

これを全部まとめて炒めます、が、味付けに顆粒コンソメをパラパラとかけると、塩気で水が出てくるので、油はほとんど要りません。コンソメは味が薄いなと重いくらいが丁度良い。

だいたい火が通ったら、生クリームを50mlほどいれてよく混ぜます。茄子からとろみが出るので、小麦粉とかは使いません。

耐熱皿に移して、上にすきなだけピザ用のミックス・チーズを好きなだけ載せたら、後は電子レンジでチーズが溶けるまでチンします。溶けたらレンジから出して、表面をバーナーで炙って焦げ目をつけたら茄子グラタンの完成です。



バーナーが無い時は、まじめにオーブンとかオーブントースターとかで頑張って焦がしてください。

めちゃめちゃ簡単です。しかも、時間もあまりかかりません。それでもって、美味しければ、どこからも文句のつけようがない。

さらにカロリーを気にする場合は、チーズはできるだけ少な目にしましょう。

ちなみに、このレシピはNHK「うまいッ!」で紹介されたものを参考にしています。

2026年10月15日木曜日

世界遺産ノート 4 登録基準

広島 原爆ドーム

1972年のUNESCO総会にて採択された世界遺産条約では、世界の各地域の21か国から選出されたメンバーにより世界遺産委員会が年に1回開催され、その場で遺産の審議や世界遺産基金の運用について検討を行います。なお、条約締結国が参加する世界遺産条約締約国会議はUNESCO総会に合わせて2年に1度の開催となっています。

世界遺産委員会で推薦を受けた遺産を登録するためには、「顕著な普遍的価値」があることが前提条件にあり、その上で10ある登録基準の最低1個以上を満たす必要があります。ここでは順番に登録基準についてまとめます。

文化遺産の登録基準
 文化遺産には記念物(建築物、記念的意義を有する芸術作品、考古学的物件など)、建造物群(建築様式・景観などが優れた建築群)、遺跡(人間の作品を含む考古学的物件)が含まれる。

(i) 人類の創造的資質や人間の才能を示す遺産
 世界で知られた文化遺産の大多数がこれにあたり、製作者は問わない。(i)のみで登録されているのは、タージ・マハール(インド)、シドニー・オペラハウス(オーストラリア)、プレア・ビヒア寺院(カンボジア)の3つだけ。

(ii) 文化の価値観の相互交流を示す遺産
 交易路や大きな文化・文明の接する位置に存在するもので、建築物・記念碑の他に都市計画・景観設計・科学技術も対象としている。

(iii) 文化的伝統や文明の存在に関する証拠を示す遺産
 古代文明に多いが、人類史に残る帝国や時代についても対象となる。

(iv) 建築様式や建築技術、科学技術の発展段階を示す遺産
 特徴的な建築の多くが対象となるが、人類の歴史上「代表的な段階」と結びついていることが重視される。

(v) 独自の伝統的集落や、人類と環境の交流を示す遺産
 存続が危ぶまれている集落や景観、伝統的な土地利用、さらには人類と環境の交流も含まれる。

(vi) 人類の歴史上の出来事や伝統、宗教、芸術などと強く結びつく遺産
 信仰の対象であったり、芸術家に着想を与えたり、歴史上の重要な出来事と強く関連するような、無形の要素が重視されるもの。無形要素の影響は証明する必要はないが、他の基準と合わせて用いることが望ましい。

自然遺産の登録基準
 自然遺産には、無生物または生物の生成物・生成物群からなる特徴的な自然の地域、地質学的または地形学的形成物及び脅威にさらされている動植物の生息域・自生地として区域が明確なもの、自然の風景地及び区域が明確な自然の地域が含まれる。

(vii) 自然美や景観美、独特な自然現象を示す遺産
 有名な自然遺産の多くはこれにあたる。客観的な現象と評価の難しい主観的な美が混在している。

(viii) 地球の歴史の主要段階を示す遺産
 恐竜や古代生物の化石遺跡、現在進行中の重要な地質学的プロセスを含む地層や地形が対象となる。

(ix) 動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す遺産
 現在進行中の生態学、生物学の代表例が含まれる。

(x) 絶滅危惧種の生息域でもある、生物多様性を示す遺産
 自然環境の変化や開発などの影響を受けやすいため、危機遺産リストに収載される自然遺産の多くはこれにあたる。

複合遺産
 (i)~(vi)のうち1つ以上、および(vii)~(x)のうち1つ以上が認められる遺産は複合遺産とみなされる。事前調査は文化遺産要素についてはICOMOS、自然遺産要素についてはIUCNが行っている。

危機遺産
 世界遺産リストに登録され危機に晒されているもの。その脅威が人間の関与により改善可能であり、保全のために大規模な作業が必要で、世界遺産条約に基づく援助が養成されている場合に、世界遺産委員会はその遺産を危機遺産リストに収載する。

負の遺産
 世界遺産条約では「負の遺産」は定義されていない。近現代の戦争・紛争、人種差別など、人類が犯した非人道的な過ちを記憶にとどめ将来への教訓とする遺産を便宜上「負の遺産」と呼んでいる。

2026年10月14日水曜日

世界遺産ノート 3 概念

 

アゼルバイジャン シェキ・ハーン宮殿

世界遺産に登録されるための基準は重要です。その中でも、「顕著な普遍的な価値 (Outstanding Universal Value, OUV)」は最も重要な概念であり、十二分に理解しておく必要があります。あらためて、世界遺産に含まれるOUVを中心とした概念についてまとめます。


最も重視されているのは、「顕著な普遍的な価値 (Outstanding Universal Value, OUV)」で、国家や文化、民族、宗教、性別などという枠組みを超え、人類全体にとって現在だけでなく将来世代にも共通した重要性を持つような、傑出した文化的な意義や自然的な価値を意味する。

世界遺産として登録される際には、2007年以降は推薦をした各国関係機関は「顕著な普遍的な価値の言明 (Statement of OUV)」を添付することが義務づけられ、それ以前の登録済み遺産についても遡って提出することになった(日本は2014年までにすべて添付済み)。

(1) 真正性 (Authenticity)
 形状や意匠、素材、用途、機能などの点において、それぞれの文化的背景の独自性や伝統を継承していると証明されていること。日本は1992年に世界遺産条約を締結したが、木造建築物が多い日本の気候風土の中では、欧米主体の真正性の確保が難しいことから、1994年に「真正性に関わる奈良会議」を主体的に開催した。ここで採択された奈良文書で、「真正性は文化ごとに異なる可能性があり、遺産の保存・保全方法は、それぞれの場所の地理や気候、環境などの自然条件と、文化・歴史的背景などの文化的文脈との関係の中で評価すべきである」とした。

(2) 完全性 (Integrity)
 顕著な普遍的価値を構成するために必要な要素がすべてが含まれ、遺産の重要性を示す特徴や背景を不足なく代表するための大きさが確保されている、また開発や管理放棄による負の影響を受けておらず、長期的な保護のための法律などの体制も整えられていること。

(3) 文化的景観 (Cultural Landscapes)
 1992年から遺跡の定義の中に盛り込まれたもので、「人間社会が自然環境による制約の中で、社会的、経済的、文化的に影響を受けながら進化してきたことを示すもの」で、自然の景観と人工の景観の両方が含まれ、文化遺産と自然遺産の境界に位置するものである。意匠された景観(人間がデザイン・創造)、有機的に進化する景観(人間社会から生まれ自然環境に対応し形成)、関連する景観(自然要素が人に影響し文化を発展させる)の3つのカテゴリーを持っている。

(4) グローバル・ストラテジー (Global Strategy)
  正確には1994年に採択された「世界遺産リストにおける不均衡の是正及び代表制、信用性の確保のための」世界的な戦略のことで、当初は西欧の記念碑的な遺産(宮殿、城塞、キリスト教施設など)に偏り、地域的な偏りも顕著であったため、これを是正し世界的な均等化を目指そうという考え方。

(5) シリアル・サイト (Serial Properties)
 文化や歴史的背景、自然環境などが共通する遺産を、全体として一つの遺産として扱うことで、個々の構成資産がそれぞれ単体でOUVを満たさなくても全体で評価できれば良いとされ、時には複数の国に跨ることもある。

(6) トランスバウンダリー・サイト (Transboundary Properties)
 人為的な国境線にとらわれない自然遺産のことで、関係各国の協力のもと保護・保全が必要となる。ただし、同一民族・文化圏が歴史的に別々の国家に分断された場合もあるため、国境を超える文化遺産に対しても用いられるようになった。

(7) MAB計画
 UNESCOが立ち上げた、「人間と生物圏計画(Man and the Biosphere Programme)」とは、社会生活や商業活動などの人間の営みと自然環境の相互関係を理解し、環境資源の持続可能な利用と環境保全の促進を目的としたもの。自然遺産が自然環境を厳密に維持することを求めているのに対して、MAB計画では自然と地域社会の両立した持続的な発展を目指す。

(8) バッファー・ゾーン (Buffer Zone)
 世界遺産を効果的に保護するために、周囲に設定されたエリア(緩衝地帯)のことで、利用や開発を規制することで遺産の周辺環境や景観を保護する目的で設定される。バッファー・ゾーン自体は遺産には含まれないが、原則的に設定されていなければならない。

(9) 記憶の場 (Sites of Memory)
 国家とその国民が、もしくはコミュニティが、記憶に残したいと考える出来事が起こった場所のことで、最近加えられた考え方である。20世紀以後の紛争・戦争に関係した遺産は評価が定まっていないため、世界遺産の登録には議論が不足している。このような例を「記憶の場」として関係者間での対話を促す狙いがある。

(10) 戦略的目標 (Strategic Objectives)
 世界遺産条約履行のために、2002年「世界遺産に関するブタペスト宣言」において4つの「C」が提唱され、2007年世界遺産委員会で加えられたものを含めて「5つのC」と呼ばれる。① Credibility (信頼性)、② Conservation (保全)、③ Capacity-building (能力構築)、④ Communication (情報伝達)、⑤ Communities (共同体)の5つが含まれ、世界遺産の価値を堅持するために、制度の信頼性を高め、保全を確実なものにし、各国の遺産の保有能力を向上させるものとした。そして、情報を正確に伝えることで人々の意識を高め、コミュニティの役割を強化するものとした。

(11) 定期報告
 登録された世界遺産について、各国は6年ごとの自主点検による定期報告が義務付けられる。その中には、条約の履行状況、顕著な普遍的価値の継続の点検、周辺地域の変化や遺産の保全状況、適切な条約履行のための提言などが含まれる。

(12) リアクティブ・モニタリング (Reactive Monitoring)
 世界遺産センターだけでなく、UNESCOの関係部署全体で、脅威にさらされていると関係国からの報告があった場合に、その保全状況を報告する仕組みのこと。できるだけ早くに状況の改善につなげ、少しでも登録抹消などの事態を招かないようにすることが目的である。

(13) 緊急的登録推薦
 登録が確実と思われる遺産が、自然災害や人的破壊の被害を受ける危機に直面している場合、通常のプロセスを経ずに審議され、登録リストと同時に危機遺産リストにも記載される。

(14) 遺産影響評価
 登録された遺産が受ける影響について評価するもの。近年、遺産の内部・周囲で計画・実施される開発プロジェクトが増加してきたため、プロジェクトが実行される前に行う評価であり、プロジェクトが遺産に及ぼす影響と回避するための合理的な代替案を検討する。

(15) 歴史的都市景観 (Historic Urban Landscape)
 文化・歴史的な価値や自然の価値の積み重なりと、伝統文化、経験の蓄積によって認識される都市の範囲で、建造物だけでなく、空間構成や地下遺構などのすべての要素が含まれ、社会的・文化的な慣行や経済的作用などの無形のものも併せて、景観として保全していくことが重要とした。