夏季臨時休診のお知らせ

8月15日(金)~8月20日(水)は臨時休診となります ご迷惑をおかけしますが、お間違いないようにご注意ください

2025年7月4日金曜日

曲がれ! スプーン (2009)

もともとは劇団ヨーロッパ企画の上田誠による舞台劇「冬のユリゲラー」が原作で、上田誠自ら映画用脚本を担当し、「踊る大捜査線」の本広克行が監督をしました。舞台を演じた俳優と、これまでの本広作品に登場した俳優が、入り乱れてのシチュエーション・コメディで、舞台では脇役だったテレビ局の女性ADを中心に展開します。

テレビで超常現象バラエティ「あすなろサイキック」を担当しているADの桜井米(長澤まさみ)は、こどもの頃から超常現象に強い興味を持っていて、日頃から自らもスプーン曲げに挑戦しているのです。しかし、番組に登場するのはインチキ臭い者ばかりであったため、上司から局に寄せられた多くの投書を検証して本物のエスパーを探すようにいわれます。

今日はクリスマスイブで、喫茶店「カフェde念力」には本物のエスパーが集まってパーティをすることにしていました。マスター(志賀廣太郎)自身は超能力を持っていませんが、昔エスパーに助けられた恩義があるということで、彼らが気楽に集える場所にしていたのです。

マスターは、サイコキネシスの河岡(諏訪雅)、エレキネシスの井出(川島潤哉)、透視の筧(中川晴樹)、テレパシーの椎名(辻修)らに「今日は新入りが来る」と言ってお使いに出ます。そこへやってきたのは桜井と待ち合わせしていた神田(岩井秀人)ですが、彼はテレビに出たいだけのインチキエスパーなのです。

そんなことも知らずに4人は自分の能力を神田に見せてしまいますが、遅れて登場したのが今回が初参加のテレポートの小山(三宅弘城)でした。神田にエスパーである秘密をばらされると困るため、神田の処遇をどうするか困っているところに、桜井が店にやってきます。

神田は技を桜井に披露するのですが、超能力とはとても言えるものではないため桜井はがっかりして帰ろうとします。ところが、筧が透視で桜井の持ち物の中に毒蜘蛛が紛れ込んでいることを見てしまったため、自分たちの超能力で何とか毒蜘蛛を退治しようということになるのでした。

映画化に際して桜井米が町をあちこちエスパーを探して歩き回るシーンなどが追加されてはいるものの、基本が喫茶店の中だけで起こる舞台劇ですから、あまり背景に奥行きは感じられません。正直、作者ではない別の映画専門の脚本家に任せた方が面白かったのかもしれません。

また、監督の本広もそんな脚本を尊重してか、時間の経過やストーリーの転換点で暗転する舞台的な編集を多用していて、いちいちCMでも入るのかと言いたくなるようなぶつ切り感があるのも残念なところ。せっかく舞台と違って、エスパーを信じている長澤まさみをメインに仕立てたのですから、彼女の主観で進行する形はできなかったのかと思いました。

結局、長澤まさみであってもなくてもいいような流れの中に、上田・本広の作品を細かく知っているマニアがクスっと笑うような小ネタ満載の映画なのかもしれません。

2025年7月3日木曜日

もっちゅりん


謎のお菓子・・・もっちゅりん。

mister donutsの55周年を記念して6月に発売された新作なんですが、売れ切れ続出で、並んでもなかなか手に入れるのが難しいらしい。

しかも、すでに販売を終了した店舗も多いらしく、HPからは情報が削除されています。

国産のもち粉と米粉の配合にこだわった生地を揚げて、表面にオリジナルのコーティングしたもの。今までになかった「もちもち」を超えた「もっちゅり食感」を味わえるということらしくて、大好評だそうです。

センター南では、先週末まではまだ売っていましたよ。まだ未体験の方は急ぐべし!!

2025年7月2日水曜日

サグカレー


インド料理でよく目にするのものの一つに、青汁入れたんかい!っと突っ込みたくなる緑色のカレーがあります。

ほうれん草を用いたものが多いみたいで、サグカレーと呼ばれています。ただし、サグというのは青菜のことなので、必ずしもほうれん草でなくてもOK。

冷蔵庫に安い時に買った小松菜が余り気味だったので、今回はこれを使うことにしました。

やることは基本のチキンカレーとたいして変わらない。追加でひと手間増えるだけです。

飴色たまねぎを作り、トマトを入れて煮詰め、スパイスパウダー(クミン、ターメリック、コリアンダー)と塩を混ぜたら、チキンを入れてある程度火が通ったら水を入れる・・・

このタイミングで青菜を入れるだけ。ただし、あらかじめ軽く茹でてブレンダーでペースト状にしておくというのが、ちょっと面倒かもしれません。

彩を良くするために仕上げにヨーグルトをかけましたが、もちろん無くてもかまいません。小松菜の風味が立って、スパイス感をマイルドにしてくれます。

2025年7月1日火曜日

こんな夜更けにバナナかよ (2018)

鹿野靖明氏は北海道で1959年に生まれ、12歳の時に筋ジストロフィーと診断されました。筋ジストロフィーという病気は、四肢の筋肉の力が衰え、最後は呼吸するための筋肉にも影響し成人まで生きるのが難しいといわれています。鹿野氏は1982年に「自立」した生活を始めます。1987年には結婚しますが、残念ながら1992年に離婚。以後、多くのボランティアと共に生活を続けますが、1995年からは人工呼吸器が必須となり、2002年に亡くなっています。

北海道在住のノンフィクション作家、渡辺一史が2003年に鹿野氏とボランティアの方々の話をまとめた本を発表し、この映画はそれを原作とする実話をもとにした作品です。脚本は「ビリギャル」の橋本裕志、監督は「大名倒産」、「九十歳。何がめでたい」などの前田哲です。

筋ジストロフィーのため口と手しか動かすことができない鹿野靖明(大泉洋)は、医大生のボランティアである田中久(三浦春馬)の様子を見に来た久の彼女である安藤美咲(高畑充希)を気に入り、強引にボランティアの一人にしてしまいます。夜中に急に「バナナを食べたい」と言い出し、美咲は街中を走り回ることになったりして、そのわがままな態度に美咲ははじめは反発します。

しかし、そんな鹿野を田中をはじめ、リーダーの高村(萩原聖人)、前木(渡辺真起子)、塚田(宇野祥平)らは嫌な顔をせず面倒を見ているのでした。主治医の野原(原田美枝子)は、鹿野のわがままを許すわけでは無いものの、自立した生活を望む鹿野のことを認めていました。

久は病院長である父親との関係に悩んでいて、美咲ともちょっとした行き違いでギクシャクしてしまい、しだいに自分の進むべき道に自信を無くしてしまうのです。しかし、鹿野がついに人工呼吸器を装着しなければならない状態になり、それでも自分の夢を追いかけ意志を貫こうとする姿勢を見ているうちに何かが変わっていくのでした。

自分がかつて勤務した病院は、内科は神経・筋肉疾患、整形外科は脊髄損傷の患者さんばかりが入院していました。脊髄損傷の患者さんは若者が多く、リハビリテーションによってある程度の生活能力を獲得して退院していくのですが、内科の患者さんはほとんどが進行性の病気により確実に死が訪れる方々ばかりでした。

当直のときには、何度も内科病棟でのトラブルに呼び出されることが多くありましたが、未来が無い病棟の雰囲気はとても重々しいものだったことを覚えています。そこからは、これらの患者さんが自立して一般社会の中で暮らすということは現実的に想像すらできませんでした。

同じ時期に、鹿野氏が自立しようと努力していたことは驚くしかありません。当然、そこにはボランティアの方々の「献身的な支え」があるわけですが、鹿野氏の場合自立を支えていたのはそんな上から目線のようなきれいごとではなく、わがままを含めてすべてをさらけ出すことで、対等な人間関係を築いていたところがすごい。それはある意味、疑似的な「家族」を形成したと言うことができるのかもしれません。

映画としては、美咲が最初は視聴者の代弁者として鹿野のわがままぶりに反感を持つのですが、しだいに鹿野を愛おしく思うようになっていく過程がやや急ぎすぎのように思いました。そこの描き込みが足りないために、鹿野に共感していく部分に苦労します。最終的には鹿野は亡くなるわけですが、そこは積極的に描かず久と美咲が鹿野から「自立する」とはどういうことなのかを学び取ったところで止めたのはよかったと思います。

2025年6月30日月曜日

スーパーで手に入るスパイス


本気のスパイスカレーを作ろうと思ったら、けっこう敷居が高いと思う人が多いかもしれません。

でも、そこらのスーパーで簡単に必要なスパイスは手に入ります。比較的種類が豊富なのは、日本のものだとS&B食品、そして海外ブランドならGABAN(日本の代理店はハウス食品)が定番というところでしょうか。

うちのスパイスは、写真のようなものが以前から並んでいます。これ以外では、ブラックペッパーもGABANのホールをミル容器に移して使う時に挽いています。唐辛子は「鷹の爪 輪切り」を常備しています。

他にはローズマリーは庭に植えてあるので、使いたいときに適当にとってくるし、バジル、イタリアン・パセリは、使いたいときに買います。

スパイスカレーを作る時必要なものは、ほぼ下の段のものが左から必要で、足りないのはカイエンペッパーくらいですが、鷹の爪でもOKですし、スーパーに青唐辛子を見つけた時は長持ちするので買っておくと良いと思います。

とりあえず試してみたい場合は、ターメリック、クミン、コリアンダー、そして一味唐辛子だけ用意すれば、何とか様になります。

これらはすべてパウダー・タイプなので、焦がしては風味が落ちるので、比較的投入するのは後の方です。クミン、カルダモンなどはホールも手に入れやすいのですが、その場合は初めに熱した油で最初に香りを油に移すという使い方をします。

ある程度慣れてきたら、さすがに100g単位とかの袋詰めになったものがネットで各種売っているので、そちらの方が経済的です。しっかり密閉して保管すれば、常温でも2年程度は問題無いので、自分のスタイルに合わせて用意するのがおすすめです。

2025年6月29日日曜日

同期のサクラ (2019)


遊川和彦は、「家政婦のミタ」、「女王の教室」などのたいへん話題になったドラマのオリジナル脚本を書いたかたで、高畑充希とは「過保護のカホコ」に続いてのオリジナル作品です。連続ドラマとして、最初から全体の構成がしっかりと考えられていて、全10話に無駄がありません。

開始早々、主人公はベッドに昏睡状態で寝ていて、いつ目覚めるのかわからないという状態。そこへ仲間らしき4人が心配で集まってきているのですが、何故そんな状況になっているのかの説明はないままに、初めて彼らが出会った時のことを回想するのです。

2009年に大手ゼネコンの花村建設に、5人の若者が入社します。主人公である北野サクラ(高畑充希)は新潟県の離島の出身で、本土との間に橋を架けることを夢見て上京しました。ものすごく頑固な性格で、曲がったことが大嫌いでおかしいと思ったことは口に出さずにはいられません。忖度ということと無縁で、空気を読むことを知らない「面倒くさい」人でした。

新入社員研修で同じグループになったのは、月村百合(橋本愛)、木島葵(新田真剣佑)、清水菊夫(竜星涼)、土井蓮太郎(岡山天音)で、サクラのマイペースに振り回されながらも同期として仕事に頑張ることになります。

しかし、パワハラやセクハラ、社内のいじめなど、さまざまな問題に直面し、それぞれが挫折しそうになった時、同期の仲間として嘘偽りのない態度で励ますサクラの力によって、彼らは何とか試練を乗り越えていくのです。サクラの影響力は先輩の火野すみれ(相武紗季)にまで及び、誰もがサクラを中心に結束力を高めていきました。

実はサクラも、忖度無しの発言や行動で問題を起こし、いつも「大人になれ」と言われ続けていたのです。サクラの心を支えていたのは、上京以来ずっと島にいる祖父(津嘉山正種)との毎日のファックスのやり取りで、人として大事なことを伝えられていたのでした。悩み苦しむ同期たちをどうやって応援するのかわからず自分の非力さを感じていたのですが、祖父の言葉が大きな力を与えていたのです。

ドラマではそれぞれがサクラの病床に見舞いに来て回想する形で進行し、その回想は各話ごとに1年ずつ時がたっている構成になっています。

そして2015年、故郷の橋の建設が決まり、住民説明会のためサクラも島に帰ることになりました。しかし、最低限の基準は満たしていましたが、できるだけ早く安く完成させるために手を抜いた設計であることを知っているサクラは、悩んだ末に説明会で「この橋を作ってはいけない」と言ってしまいます。さらに心の支えだった祖父が心臓病で急死してしまうことで、ついにサクラの心は壊れてしまうのでした。

引きこもり生活を続け、出社しなくなって1年近くがたち、解雇期限が迫る中、同期の仲間たちは何とかサクラを立ち直らせようと、かつての祖父からのファックスを真似たメッセージを送ります。やっと仲間と会いたいと思えたサクラは外に出ますが、隣人のこどもを助けようとして交通事故にあい脳挫傷のため昏睡状態になってしまうのでした(2019年3月31日)。

最初はサクラのかなりとがったキャラに見ている側も振り回される感じがしますが、しだいにその特異なキャラに慣れ、そして応援したくなる作りはよくできています。一見奇抜なんですが、ぶれない芯が通った人物像というのは、高畑充希にとっては一番得意な役柄なのかもしれません。

放送は2019年第4クールでしたので、ドラマの中の時間は第9話でリアルタイムに追い付きます。再び同期の絆を固め、新たなステージに向けて飛び立つ彼らを追いかけます。

とても良質などらまだと思いますが、唯一残念なのはタイトル。古い軍歌の中でも「同期の桜」はかなり有名ですが、それでも若者にはあまり知られているとは言い難い。幅広い年代に興味をもたせようという趣旨なのかもしれませんが、軍国主義を真っ先に想像させる感じが「なんかなぁ」という気持ちにさせました。

2025年6月28日土曜日

ひまわり


関東はまだまだですが、西日本が一斉に梅雨明けになり、夏がぐっと近づいてきた感があります。

とは言え、すでに30゚cを超える日があり、実質的に夏みたいなもんですけど。

夏らしい花・・・というと「ひまわり」はまさに夏を代表する花の一つ。

ひまわりは「日廻」と書ける。一般に感じだと「向日葵」と書き「コウジツキ」と読むこともあります。

人の身長よりも大きく育って太陽に向かって大きな花が咲くひまわりは、とてもインパクトがある。でも、大きすぎてあまり一般の住居では育てにくい。

でも近年は、高さが数10cm程度の鑑賞用の小さいひまわりが栽培されるようになって、わりと手軽に楽しめるようになっています。

ちょっと玄関に置いてみましたが、急に華やいだ感じがして楽しいです。

2025年6月27日金曜日

バンクーバーの朝日 (2014)

昭和のはじめ、夢を抱いて多くの日本人が外国に出ていきました。その中で、カナダのバンクーバーには日本人街が作られ、多くの日本人が働いていたのです。彼らは、低賃金で自分たちの仕事を取られたと考える多くのカナダ人から、虐げられ苦しい生活を強いられていました。

彼らの気持ちを代弁し、勇気を与え、そしてカナダ人にもその存在を認めさせたのが、アサヒという野球チームでした。この映画は、アサヒの実話を元にして、フジテレビが開局55周年記念として映画化した物で、脚本は最新作「国宝」であらためて注目される奥寺佐渡子、監督は「舟を編む」の石井裕也です。

レジー笠原(妻夫木聡)は、父親の清二(佐藤浩市)、母親の和子(石田えり)、そして妹のエミー(高畑充希)の4人家族でしたが、清二は出稼ぎばかりで家に寄り付かず、自分は外国で成功していると思われたくて稼ぎは全部日本に送ってしまうのでした。

レジーは日本人だけの野球チーム「アサヒ」に入ってショートを守っていましたが、体格差があるカナダ人相手にまったく歯が立たない。仲間には、ピッチャーのロイ永西(亀梨和也)、キャッチャーのトム三宅(上地雄輔)、セカンドのケイ北本(勝地涼)、サードのフランク野島(池松壮亮)らがいました。

何とか勝つにはどうすればいいのか考え込むレジーは、ある日の試合でセーフティバントを試みます。巨体のカナダ人の意表を突くこの作戦は成功し、さらに盗塁も決め、ついにホームベースに戻ってくることができたのです。試合に負けたものの、点を取ったことで町の人々も大いに喜びます。

そして、機動力を生かした野球によって初勝利をつかみ、カナダ人も頭脳的な戦略を用いるアサヒノの戦いを感心するようになるのです。審判による明らかにアサヒに不公平な判定に対しても、カナダ人から批判の声が聞かれるようになりました。

しかし、レジーが頭にデッドボールを受けたことで、ロイは相手ピッチャーの元に走り寄ります。これが両軍入り乱れての乱闘になってしまい、アサヒだけが出場停止になってしまうのでした。

妻夫木以外は野球経験者で固めていますので、さぞかし手に汗握る試合シーンがあるかと思うと意外と大したことはありません。実際は迫害されている日系人というのがテーマですから、カナダに溶け込めず家族との関わり方が下手糞な父親とか、理不審な扱いを受けても何とかカナダという国を好きでいたいと願う妹、そしてさまざまな忍耐を強いられている町の人々などのある種群像劇的な雰囲気でストーリーは進みます。

主役の妻夫木、助演の亀梨などもいいんですが、実は最も大事なところを任されているのは高畑充希です。出場停止処分がカナダ人からのクレームによって解除され、再び士気を高める集まりで、すべての町の日系人の気持ちを代弁する長いシーンは、一番の見所になっていると思います。

バンクーバーでのロケもされていますが、最も素晴らしいのは国内で組まれた日本人街の広大なセットです。当然、CGなども使われているとは思いますが、役者が走り回る様子は相当な面積で本当に町一つを作り上げたのかと思ってしまいます。

内容としては日系人は虐げられる被害者という立ち位置ばかりなので、ちょっと同法に味方のし過ぎではないかと感じる部分もありますが、移民として現地の人々と真に心を通じさせるところまで描くには132分の尺では厳しいようです。そういう意味で、ちょっと物足りない印象を持ってしまいました。

2025年6月26日木曜日

スパイスカレーのカロリー


ごく標準的な日本のカレーライスの場合、茶碗一杯分のご飯が150gで234kcalで、カレー自体は具材によりますが平均的には400kcal前後と言われています。合計すると普通盛で600kcalちょっと、大盛だと800kcal近くになるかもしれません。

じゃあ、スパイスカレーは?

気になりますが、カレールゥを使う場合と比べると、小麦粉を使わないのでそこそこカロリーは少ないように思います。そこで、調べてみました。

まずタマネギ。だいたい1玉で62kcal。一人分は1/2玉とすると、32kcalになります。
続いてトマト。タマネギの半分くらいです。多めでも一人分(2/3玉)は100g程度で、20kcal。
ニンニクは一人分に1片5g程度で6kcal。ショウガも同じくらいの5gでせいぜい2kcal。

問題はスパイス。いろいろとレシピによって使うスパイスは異なりますが、一応どれも一人前小さじ1杯2g使うとして考えてみます。だいたい100g当たり300~500kcalとされていますので、一種類につき6~10kcalです。

基本の4種、クミン、ターメリック、コリアンダー、チリペッパーだと、24~40kcalです。鶏もも肉を皮を取り除いて、一人前100g使うと113kcalなので、チキンカレーは合計で一人前で200kcal程度と考えられます。

インド米であるバスティマライスは、米の状態では日本米よりカロリーは少な目ですが、炊き上がった状態では茶碗一杯分150gが272kcalとやや多めになります。ですから、あくまでも概算のイメージとしては、日本のカレーライスと比べるとスパイスカレーは150kcal程度少な目というとらえ方でよさそうです。

なお、バスティマライスはGI値が低い(血糖があがりにくい)ので、ダイエットには有利と言われています。また、普通サイズ(100g)のナンは262kcalなので、ライスをやめてナンで食べても同じくらいになります。

カレーライスと比べると予想通りスパイスカレーのカロリーは低めで、ダイエットに有利なことがわかりました。ただし、食べる量や使う具材にもよって大きな差がでるので、あまり過大な期待はしないほうがよさそうですね。

2025年6月25日水曜日

はたらく細胞 (2024)

監督・武内英樹、脚本・徳永友一のコンビによる清水茜原作のマンガの実写化映画。ヴィジュアル的には、キャラクターの再現度が高いことで評判になりました。

体内の様々な細胞を擬人化した表現が大変面白いわけですが、原作やテレビアニメ版と比べると、やはり内容を詰め込み過ぎたせいか物足りない感じは否めません。

体内だけにとどまらず、体の持ち主の人間ドラマをからめたところが映画としてのセールスポイントです。日胡(芦田愛菜)は医学部を目指す高校生で、母親を早くに病気で亡くし、不健康な生活をしている父親、茂(阿部サダヲ)が心配でしょうがない。

日胡の体内にいる、ドジな新米赤血球(永野芽郁)は酸素を運ぶ仕事に慣れるのに精いっぱいで、外敵を排除する仕事をしている白血球(佐藤健)に助けられてばかり。茂の体内は場末のドヤ街の様相を呈していて、新米赤血球(板垣李光人)は、先輩赤血球(加藤諒)に助けられて何とか仕事をしています。

しかし日胡が急性白血病を発症したことで事態は急変します。新しい血球が減ってしまい、次から次へと白血病細胞が臓器を侵食していくのです。治療のために抗がん剤投与と放射線照査によって、白血病細胞だけでなく正常細胞も大きなダメージを受けていくのでした。

最近では主演女優さんのスキャンダルのせいで、すでに忘れ去られた作品になりそうな感じなんですが、見るべきものは佐藤健の「るろうに剣心」を彷彿とさせるアクションとSEKAI NO OWARIのFukaseの悪役振りというところでしょうか。

他にもちょっとずつ出てくる豪華出演陣も見物。山本耕史、仲里依紗、松本若菜、染谷将太、片岡愛之助、小沢真珠、深田恭子、加藤清史郎、DK.KOOなどなどが、どこで出てくるのか探すのも楽しみになっています。内容的にはアニメ版を見たほうが面白いし、よくわかると思います。

2025年6月24日火曜日

もしも徳川家康が総理大臣になったら (2024)

眞邊明人による小説が原作で、「翔んで埼玉」の徳永友一が脚本、「のだめカンタービレ」、「翔んで埼玉」の武内英樹が監督をしました。

新型コロナウィルスのパンデミックにより日本では総理大臣が亡くなり、政府は人工知能IZUMOを使って歴史上の偉人をホログラムにより現代に蘇らせ、1年という期限付きで彼らによる偉人内閣を発足させました。

内閣総理大臣には徳川家康(野村萬斎)、内閣官房長官には坂本龍馬(赤楚衛二)、経済産業大臣には織田信長(GACKT)、財務大臣には豊臣秀吉(竹中直人)がつき、その他の要職には徳川吉宗(髙嶋政宏)、北条政子(江口のりこ)、徳川綱吉(池田鉄洋)、足利義満(小手伸也)、聖徳太子(長井短)、紫式部(観月ありさ)、石田三成(音尾琢真)、土方歳三(山本耕史)らが就任しました。

テレビ局の新人記者西村理沙(浜辺美波)は、坂本龍馬に直接話を聞くことができたため順調に記事を書くことができました。はじめは、国民の誰もが期待していなかったのですが、家康はすぐに鎖国(つまり都市のロックダウン)を断行し、それによって困窮する人々に信長・秀吉の号令の元で手厚い見舞金を支給することで、世界の中で最も早く感染を封じ込めることに成功します。

この結果に国民は手のひらを返したように内閣を支持するようになったため、信長・秀吉らの急進派は解散総選挙により1年という期限を反故にしようと考えます。慎重派の家康が熟考しているうちに、信長のプログラムが何者かによって破壊され、実質的に暗殺されてしまうのです。

秀吉は家康が信長抹殺の犯人だと世間に拡散し、この世界を救えるのは自分だけだと宣伝をするのです。もはや国民は秀吉を崇拝するようになり、秀吉の言葉を疑うものはいなくなってしまいます。何か大きな裏があると感じていた理沙は、坂本龍馬と共に真実を追求することになるのでした。

さすがにコロナ禍をギャグにするには、ちよっと早すぎるというのが第一印象。平和ボケした日本人が政治に興味を無くしている現状を憂いているところはわかりますが、コロナ禍をきっかけにしなくても面白いストーリーは作れたと思います。

そもそもホログラムのはずなのに、偉人たちがどこにでも好きなように行動することへの違和感がつきまといます。タイムワープしてきたというならわかるけど、何か設定からして無理があり過ぎる。

それ以上の感想を言うほどの映画ではないように思いますが、唯一感心したのはGACKTの織田信長は様になっているというところくらいでしょうか。

2025年6月23日月曜日

スパイスカレーとは


インド発祥と言われている「カレー」なる食文化が日本に入ってきたのは19世紀半ば、横浜港が開港しカレー粉が入ってきた時からといわれています。その後、中国料理の「ラーメン」と共に、「カレーライス」として独自の発展により今や国民食として確固たる地位を築いていることは誰もが認めるところ。

典型的なカレーライスは、牛・豚・鶏のいずれかの肉とタマネギ・ジャガイモ・ニンジンをあらかじめ調合されたカレー粉を入れて煮込み、小麦粉でとろみをつけて御飯にかけて食するわけですが、ひとまとめになったカレールゥを使うのが一般的。

ルゥはフランス語で油と小麦粉を混ぜてスープのつなぎに使う物の事で、このことからもカレーライスはいわゆる「欧風カレー」の日本独自の改訂版という趣があります。これに対して、カレー粉に複雑に配合された香辛料 - スパイスを、本家インドのやり方にならってバラバラに加えて仕上げるのが「スパイスカレー」と呼ばれるものです。

90年代初めに大阪の店で始まったとされていますが、「スパイスカレー」という呼び名は水野仁輔さんが2010年に著書で言葉を使ったのが最初で、以後その活動が広まり昨今の「ブーム」に発展したと言われています。

スパイスの基本的な組み合わせはありますが、インドでさえ調理人の裁量によって多種多様なレシピが存在するのと同じで、日本人がスパイスカレーと呼んでいる料理もその中の一つであり、日本独自の発展形と言うこともできます。

スパイスカレーは肝であるスパイスを除くと、驚くほど潔いくらいシンプルです。味付けも塩だけで、ほぼフライパン(あるいは鍋)一つ、コンロ一つあればできてしまいます。時間も早いもので15分、長くても30分以内で完成し、「翌日が旨い」などとまどろっこしいことを考える必要はありません。

ですから、慣れてくるとその日の気分でまったく新しいレシピができるかもしれない。一番美味しいと思うレシピにたどり着いたと思っても、それが正解とは限らないところが面白い。

そこが食べ歩きしたくなったり、趣味としていろいろ作って探求したくなるポイントになっているように思います。

2025年6月22日日曜日

チキンのキーマカレー


よく言われていることらしいのですが、インドには「カレー(curry)」という料理は存在しないらしい。インドの言語でスープを意味するカリ(kari)が語源で、スパイスをふんだんに使った料理がヨーロッパに紹介された過程で生まれた言葉のようです。

ネットでいろいろレシピを探してみると、困ったことに一定の料理名が使われていません。これは、インドが南北、さらには東西で複雑な文化を形成しているため、それぞれの地域でこれが定番というのがまちまち出てくることに加えて、そもそもカレー料理が各家庭で独自の味付けがされていることが原因かもしれません。

ある料理人が「これが決定版!!」と言っていても、他の料理人だと違うレシピがでてきたいりするので、何をどうすれば「本格的」なのかがつかみにくい。ただし、スパイスの基本的な組み合わせはだいたい共通なので、最低限のルールを知ったら、自分の好みに応用すればそれが「本格的」なカレーになるのかもしれません。

キーマカレーは、日本では挽肉を使うカレー料理で、一般に汁は少な目です。ですから、ここで作ったキーマカレーは、湘南海岸あたりで食べるものとはだいぶ違うものになります。注意したいのは肉の種類。インドでは宗教上の理由で牛肉は絶対に口にしません。豚肉もまれで、ほとんどの場合は鶏肉か山羊の肉です。山羊は日本では簡単には手に入りませんから、基本的には鶏肉を使うことになります。

今回はホールのクミンシードを使いました。油を熱して、クミンシードを小さじ1程度いれます。泡が出てきて、香りが油に移ってきたら、みじん切りタマネギ(1/2個分)を入れ炒めます。

やや飴色になったら、ニンニクとショウガのペーストをそれぞれ小さじ1程度入れて軽く炒めます。つぎにトマト缶200g(1/2缶)を入れ、しっかり炒めることでトマトの酸味を飛ばします。

固めのペースト状になったら、ターメリック、コリアンダー、クミンのパウダーをそれぞれ小さじ1、チリ・ペッパー(赤トウガラシ)を小さじ1/2入れたら、よく混ぜながら軽く炒める。スパイスは焦がさないことが大事。ここまでだいたい15分くらいです。

鶏ひき肉は今回は300g程度使いました。水100mlと塩を小さじ1を入れて中火で10分くらい焦がさないように煮込めば出来上がりです。今回は彩を良くするために、緑色のカスメリティを上に散らしました。

ほとんど基本的なチキンカレーと作り方は大差ないので、一度手順を覚えればたいして難しいことはありません。4~5種類くらいの基本スパイスは、普通のスーパーでも簡単に手に入ります。よくある大きさだと、1回購入すれば3~4回は作れますので、是非お試しください。

2025年6月21日土曜日

ワイルド7 (2011)

自分の少年時代・・・って、まぁ半世紀以上も昔の事ですが、こども向けの月刊誌といえば「少年」とか「冒険王」、週刊誌といえば「少年マガジン」、「少年サンデー」、そして「少年キング」の5つが定番でした。いまだに「マガジン」、「サンデー」が生き残っていることは驚異的なことかもしれませんが、当時からキングは三番手に甘んじていた印象で70年代末には自然消滅した印象です。

でも少年キングで最大のヒット作は何? と聞かれれば、望月三起也の「ワイルド7」と答える人は多いのではないかと思います。ロボット、アンドロイド、宇宙人、未来人などなどの超人的な主人公が活躍するマンガばかりの時代に、現代人が悪を退治する活躍をするのですから、まさに「痛快」なアクション物として人気を博しました。

それが映画になったというだけで、大人になったかつての少年としてはワクワクする気持ちはあるのですが、正直に言えば今の時代にそのまま持ってきても「どうなの?」という不安もかなりあります。監督は「海猿」や「暗殺教室」の羽住英一郎、脚本は2時間ドラマ専門みたいな深沢正樹です。

ワイルド7は、草波警視正(中井貴一)が犯罪者の中から選抜した「悪をもって悪を征する」ことを目的とした特殊な警察組織で、通常の警察が手を焼く凶悪犯を「抹殺」することを使命としています。隊員は飛葉(瑛太)、セカイ(椎名桔平)、パイロウ(丸山隆平)、ソックス(阿部力)、オヤブン(宇梶剛士)、ヘボピー(平山祐介)、BBQ(松本実)の7人。

新聞記者の藤堂(要潤)は、超法規的な行動する警察が存在する噂を追いかけていて、新人記者の岩下こずえ(本仮屋ユイカ)と取材を続けていました。テロリストのM108号が国家が秘密裏に開発していた細菌兵器を奪い、東京にばらまくと脅迫してくる事件が発生し、藤堂らも事件に関わっていくことになります。

解決を委ねられた草波は公安調査庁情報機関、通称PSUに出向き最高統括者である桐生(吉田鋼太郎)に協力を頼みます。PSUでは、国民一人一人の個人情報をすべて把握していて、膨大なカメラによってその行動すらリアルタイムに監視することが可能でした。PSUの協力で犯人グループを追い詰めたワイルド7でしたが、何者かによって犯人が射殺されてしまいます。

飛葉に接触してきた本間ユキ(深田恭子)は、両親の復讐としてM108号を追いかけ、すでに何人かを処刑していて今回の射殺のユキの仕業だったのです。飛葉はもう復讐はやめるように強く説得しますが、ユキはあきらめません。

草波は、PSUが今回の細菌兵器強奪事件の初動を遅らせるため、意図的に報告をしていなかった疑いを持ちます。そしてその間隙に桐生が株取引で大きな利益を上げていること、そしてこれまでにも同じような事案が何度もあることを突きとめました。草波に知られた桐生は、ワイルド7を凶悪犯罪集団に仕立て上げ世間に公開し、その首謀者として草波を逮捕させるのでした。地下に潜ったワイルド7のメンバーは、PSUとの対決を決意するのでした。

・・・まぁ、よくある感じのストーリーです。見かけは悪でも実は正義のワイルド7と見かけは正義ですが実態は悪という桐生・・・なんですが、PSUという組織全体ならともかく悪役が桐生一人で、その動機も私利私欲という設定はショボい。巨悪に挑むみたいな映画にするだけのモチベーションが感じにくい。

主役瑛太はそれなりにかっこいいんですが、見た目はともかくやはり原作の飛葉との印象が違うように思います。それにもまして、ワイルド7というばバイクを中心としたカーアクションなんですが、最初の紹介エピソードとPSU突入くらいで、ほとんどが人間アクションになっているのも今一つピンと来ないポイントになってしまいました。

最大の原因は、最大の見せ場で相手がPSUをガードする正規の警官隊というところにありそうです。問答無用で悪を退治するのがワイルド7の醍醐味なんですが、警察官を退治するわけにいかないのでなんともむず痒い感じです。まぁ、峰不二子ばりの深キョンのわずかな活躍だけが見所かもしれません。