クリニックの夏季臨時休診のお知らせ
8月11日(木) 山の日 通常の祝日で休診です。
8月12日(金)~8月17日(水) 臨時休診します。
8月18日(木)より、通常通りの診療をいたします。18日は木曜日なので、午前のみの受付になりますのでご注意ください。

2022年3月31日木曜日

ピッツァの話 1 食べる場所


イタリア料理と言えば、スパゲッティと双璧をなすのがピッツァ・・・なのに、何故かピッツァのことはあまりイタリア料理人の方々のネットへの発信で語られることがほとんど無い印象です。

これは、そもそもイタリアの飲食店の「格付け」みたいな物を知らないと理解できません。日本でも、正装して出かける店から、近所の定食屋さんまでいろいろな店があって、出されるメニューは違うものです。

イタリアの飲食店は高級志向のリストランテから、順にトラットリア、オステリア、そしてタヴェルナという具合に大衆志向になっていきます。

リストランテ ristorante はレストラン。基本的には形式のあるコースを中心に、時にはちゃんとした服を着ていないと入れません。日本の有名のシェフがいる店はたいていリストランテですが、日本の方が多少カジュアルでも許される雰囲気です。伝統的に、コースにはピッツァは含まれない。

トラットリア trattoria は、格式ばった雰囲気はありませんが、フル・コースが食べられる場所。オステリア osteria は、日本だと居酒屋さんみたいな感じで、大人数でわいわいがやがやできる店。タヴェルナ taverna は大衆食堂という感じで、料理が出されてもタベルナとはこれいかに、というのは昔からあるギャグ。

他にもおつまみ程度の食事を出すバーカロbacaro とか、立ち飲みスタイルのバール bar などがありますが、メニューを特化しているのが、パスタ専門店のスパゲッテリア、揚げ物専門がロスティッチェリアなどですが、特にピッツァを専門にしているのがピッツェリアです。

要するに、通常リストランテにはピッツァは無いということ。とは言え、日本の場合、経営的な意味合いでイタリア料理店なのにピッツァは無いとも言えないみたいなところがあるのが、シェフたちの悩みどころなのかもしれません。

そもそもピッツァはイタリア、ナポリが発祥ですが、アメリカ人が四角い箱の出前を取りまくってビールやコーラと一緒にガツガツ食べているイメージがあります。アメリカでピッツァが広まったのは第二次世界大戦後のことで、瞬く間に定着し「ピザ」と呼ぶようになりました。

一般にイタリアのピッツァは、生地は薄くて、いわゆるクリスピータイプです。アメリカのピザは生地は厚めで甘いことが多いらしい。日本にも進出している宅配ピザはほとんどアメリカ資本です。日本で認知されるようになったのは、70年代のシェーキーズによるところが大きいと思います。

元祖ナポリの典型的なピッツァは、ピッツァ・トンダと呼ばれる円形の物。代表的なものはマルゲリータと呼ばれる、トマトソースとチーズ、そしてバジルの葉だけがトッピングされたもので、イタリア国旗の赤(トマト)・白(チーズ)・緑(バジル)を意識したものといわれています。

アメリカナイズされた「ピザ」に食べ慣れた自分たちは、サラミ、玉ねぎ、ピーマンとか、シーフードがどっさりみたいなイメージが定着していますが、イタリアのピッツァはシンプル。もう一つの定番、クアトロフォルマッジも4種類のチーズ(どんなチーズでも可)だけが生地の上にのっているだけ。

トッピングが多いのも、シンプルな物でも、ピッツァは美味しくて、時々やたらと食べたくなりますよね。

2022年3月30日水曜日

桜満開


先週から、チラホラと咲き始めた桜。

自分のまわりのまとまって見れる主な場所で、ほぼ満開に咲きそろいました。

やはり、満開の桜は日本人の原風景みたいなところがあり、毎年毎年、何度見てもどこかほっとするような気持になるものです。

コロナ渦もなかなか先が見えず、さらに世界情勢が急速に不安定になっている中ですが、桜の景色を見て、ちょっと心をリセットするのもいいかもしれません。

2022年3月29日火曜日

メランザーネ・グリッリアーテ


茄子がメランザーネ、つまりはっきり言うと焼き茄子(グリルした茄子)ということ。

まぁ、普通だったら醤油とか、生姜とかと一緒に食べればいいわけで、わざわざイタリアンにこだわらなくてもいいんですけど。

でも、茄子とトマトって、けっこう相性がいい。だったらイタリアンでもいいんじゃないかと作ってみました。

茄子は普通にオリーブオイルで焼くのもありだとは思ったのですが、油をかなり吸ってしまいそうなので、フライパンで空焼きです。油は使わず、表面が焦げるまで焼きました。

ソースはオリーブオイルとニンニク、唐辛子の基本トリオ。今回の塩味はパンチェッタを使いました。みじん切りにした生トマトを入れて炒める感じで煮崩していきます。ほとんどアラビアータのソースです。

後は焼いた茄子に乗せて、イタリアンパセリで彩を良くして完成。茄子を焼くのとソースを作るのを同時進行すれば10分程度で出来上がります。もっとも、本当のイタリアンなら、ソースの中に茄子を入れて、茄子にソースの味を吸わしていそうですけれどね。

まぁ、当然、想像通りの味で不味いはずがない。めっちゃ合います。カロリーも少な目で、罪悪感も少ないのが嬉しい。

2022年3月28日月曜日

フリコ


フリコ fricoは、これ以上簡単なレシピは無いというくらいのもの。日高シェフは「チーズとじゃがいものカリカリ焼き」という呼び名で紹介していますが、北部のフリウーリ地方代表的な郷土料理です。

チーズだけを揚げて作るものもあるようですが、ここではじゃがいもと合わせることで外はカリカリ、中はモチモチという絶妙な食感でお酒のおつまみにも、こどものおやつにもばっちりです。

材料はスーパーによく売っているピザ用のミックス・チーズとじゃがいもだけ。調味料もいりません。

串が通るくらいに茹でたじゃがいもを摺り下ろします。同量くらいのチーズをいれて混ぜたら、フライパンに入れてゆっくり焼いていくだけ。チーズからじわじわと油が出るので、焦げ付かないフライパンなら油もいらない。チーズに塩気があるので、味はそれだけでOK。

最初はバラバラですが、チーズが溶けてくるとしだいにまとまってきます。焦げ目がついてくるくらいになると、うまくひっくり返すことができるようになります。ひっくり返すのに失敗しても大丈夫。まとめていけば、それなりに一塊になってきます。両面が美味しそうな焦げ目がついたら出来上がり。

今回は、イタリア感を増やすために、バジルの葉をみじん切りにしたものを一緒に混ぜました。また、玉ねぎのみじん切りを少しだけ入れておくと、さらに美味しくなります。温かいうちが食べ時ですが、冷えてしまったらもう一度フライパンで温め直すのがお勧めです。

じゃがいもを茹でるのが面倒なら、電子レンジでチンでも構わない。それも面倒なら、生のまま摺り下ろしても大丈夫です。ただし、その場合は水が出るので、ある程度捨てておいた方がまとまりやすくなります。

2022年3月27日日曜日

プレア・ディ・ズッキーネ


プレア(purea)は、野菜・果実などをすりつぶして滑らかなペースト状にしたもので、普通に言ったらピューレのこと。ズッキーネ(zucchine) は想像通り、日本ではズッキーニと呼んでいるウリ科のカボチャの仲間。一見、キュウリに似ていますが、一緒なのはウリ科まで。

料理と言うより、これは料理をおいしくする裏方みたいなもの。日高シェフのレストランは、その下に川合大輔さんと直井一寛さんの二人のシェフがツートップで仕切っています。このレシピはその二人がネットで紹介していたもので、素材の味を大事する見本みたいな物。

例によって、レシピはいたってシンプル。

容器にスライスしたズッキーニを入れて、ラップして数分間チンします。柔らかくなったら、スプーンやフォークなどで潰して、塩で味を整え、オリーブオイルを混ぜたら出来上がり。

ブレンダーなどで一気に潰してもいいのかもしれませんし、最初から摺り下ろしてから作るという作戦もありかなと思ってしまうのは素人の浅はかさ。多少ツブツブ感が残った方が、風味と食感が良くお勧めだそうです。

さて、お味は・・・バケットに乗せて食べたい感じ。シンプルですから、シンプルな食材と合わせるのがgoodな感じでしょうか。

ただ、ちょっと青臭い感じが残るので、もう一度温めてから、パルミジャーノ・チーズを振り入れて混ぜ合わせてみました。当然のことながら、全体がまとまりやすくなり、味も格段にアップした感じです。

2022年3月26日土曜日

インサラータ・ディ・カラマリ・エ・パターテ


本来はInsalata di polpo e patateとなるところですが、見ての通り今回はInsalata di calamari e patateです。Insalataはサラダ。diは英語の「of」で、eは「and」です。そして、patateはポテト、polpoがタコで、calamariはイカ。

日高シェフが、自身のYouTubeの第一弾で紹介したのが、タコとじゃがいもの温サラダでした。なかなか初々しい映像が楽しめますが、せっかくなので再現しようと思ったんですが、ちょうどタコは冷蔵庫にありませんでした。

そこで、冷凍してあるヤリイカ君の登場。まぁ、風味は違いますが、雰囲気は出るでしょうし、味もそんなに問題はないだろうということで・・・

じゃがいもは串が簡単に通るくらいに茹でておく・・・んですが、今回は電子レンジでチンです。ビニール袋に水を少々入れて、中くらいじゃがいもを2個、500Wで5分くらい。

フライパンにオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪の黄金トリオをいれ、皮をむいて一口大に切ったじゃがいも入れて炒めます。続けて適当に切ったイカも入れて、塩胡椒で味を決めます。みじん切りのイタリアン・パセリをパラパラと入れて完成。

イカをタコに変えれば日高シェフのレシピ通りです。食べてみると、イカでもまったく問題なく美味しい。まずいはずがない。

スペイン料理でも定番の一つに「タコとじゃがいものガリシア風」というのがありますが、茹でたじゃがいもとタコのぶつ切りをオリーブオイルと塩胡椒で和え、上からパプリカ・パウダーを振った物です。ほとんど似たような料理ですが、タコの旨味は炒める方がじゃがいもに移り美味しくなるように思います。

2022年3月25日金曜日

カポナータ


夏野菜を中心に一口大に切って煮込んだラタトゥイユという料理がありますが、これはフランス料理とされています。イタリア料理のカポナータは、シチリア島を中心に広まった、ラタトゥイユと同じような材料を使うイタリアの野菜の煮込み料理です。

両者の違いは、一言で言えば、全部まとめて煮込んじゃうのがフランス。イタリアは少なくとも茄子は素揚げにするし、味を作るときにワインビネガーの酸味と砂糖の甘味を加えます。

そのまま出来立てを食べても、冷えてから食べても、あるいはパスタのソースとして食べても美味しい野菜料理の万能選手です。日高シェフは、マグロのステーキの下に敷く付け合わせてきな料理として紹介していました。そのせいか、一般的にネットなどで紹介されているものと多少違っていそう。

今回は、多数決に従って、最大公約数的な作り方をしてみました。

使ったのは、ナス、セロリ、ズッキーニ、パプリカ(黄)、玉ねぎ、マッシュルーム、ミニトマトです。野菜は1cm角程度に切ります。本来ならナスは素揚げにするところですが、大量の油を消費するのがもったいないので、フライパンで全体に焦げ目がつくように炒った感じ。オーブンで焼き色をつけるという方法を紹介している人もいます。

鍋にオリーブオイルとニンニクです。続いて玉ねぎ、さらにセロリという具合に追加して炒めていきます。後は、残りの野菜を入れて炒め、トマトが入ると水が出てくるので、そこで焦げ目がついたナスを入れる。

適当な味になるように塩を振り入れたら、カポナータとして大事なワインビネガーと砂糖を好きなだけ入れます。自分の場合は、ナス3本で作ってビネガーは大さじ2杯、砂糖は小さじ1杯程度です。後は5分程度煮込めば出来上がりです。

正直に告白すると、セロリとかズッキーニは苦手な方なんですが・・・まったく問題なく美味しく食べることができました。確かに、そのままパスタに絡めてもかなりイケてる感じです。これにソーセージを加えてもい感じだし、好みに応じてバリエーションはいろいろと思いつきそうです。

2022年3月24日木曜日

塩味の話


どんな料理も、味の基本中の基本が塩味。塩に対する理解は、作る上でも食べる上でも大切なことです。

そもそも塩って何?・・・塩化ナトリウムで、化学式だとNaClです。人に限らず生物にとって、生きていくために無くてはならないミネラル。もちろん、取り過ぎは健康に良くはありません。

料理に使われるのは、一般に食塩と呼ばれますが、基本的には塩化ナトリウムそのもの。ただし、自然界のさまざまな別のミネラルを微量ですが含んでいることで、食塩によって微妙な違いが生まれてきます。

工業的に作られる物は精製塩と呼ばれます。主として輸入された塩を一度水に溶かした後に純度を高く精製したもの、あるいは海水をイオン交換膜透過法で濃縮して作り、99%以上の塩化ナトリウムです。

もう一つが自然塩。いろいろな成分が混入しているため、塩辛さは減り(甘味を感じる)旨味が増えますが、別の言い方をすれば雑味が強い。

代表的な自然塩の原料は海水。海水には水以外の成分が3.4%含まれ、このうち塩化ナトリウムは2.8%を占めています。残りの0.6%は塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウムなどで、大きな意味では「塩分」と呼ぶことができるものです。

代表的な製法は天日塩(てんぴえん)と呼ばれ、海水を塩田にまいて水分を蒸発させたもの。ただし、日本のような雨の多い気候では難しく、すべての天日塩は輸入品と言われています。日本で作られるものの多くは精製塩ですが、歴史的には主として海水を釜で煮詰める煎熬(せんごう)方法が取られてきました。さらに高温で煎るものは焼き塩と呼ばれます。

昔、海だった場所に閉じ込められた海水が結晶化したものが岩塩(がんえん)です。岩塩には塩化ナトリウム以外のミネラル分がより多く含まれ、特にインド、パキスタン、ネパールなどで採取されるピンク色のものが手に入りやすい。ヒマラヤ山脈で採取される物は、色が濃くなり希少な物とされています。他にもアンデス山脈やモンゴルなどで産出される物もあります。

ビーズ状に砕かれたものはミルで崩しながら使いますが、使って楽しい反面、粒子が大きい分思った以上に味が濃くなってしまいやすいので注意が必要。一般に岩塩は、塩辛さが強めで、いろいろなミネラルによって味も違って来るので、料理を選ぶかもしれません。

陸地に閉じ込められた海水が結晶になる前の水だった状態なのが、いわゆる塩湖というもので、塩湖はカスピ海(東ヨーロッパ)、バルハシ湖(カザフスタン)、グレートソルト湖(アメリカ・ユタ州)、死海(イスラエル)、ウユニ湖(ボリビア)などが有名。この湖水から作られるのが湖塩で、海水塩と岩塩の中間的な位置にあります。

塩にハーブやスパイスを混ぜてある物はフレーバー・ソルトと呼ばれ、シンプルに黒胡椒やニンニクと合わせたものはよく見かけます。より匂いが特徴的な物としては、山椒、柚子、そしてトリュフなどもあります。いろいろなハーブ類が混合され万能調味料として便利なクレイジー・ソルトという商品も有名。

さて、自分のレストランでも使用していて日高シェフのお勧めは、クリスマス島の天然海水による天日塩です。クリスマス島をネット検索するとオーストラリアに属する島がヒットしますが、塩で有名なのは太平洋のほぼ真ん中付近、キリバス共和国の島で、発音に近いのはキリスィマスィ島です。キャプテン・クックがクリスマス・イブに上陸したので命名されたということらしい。

日高シェフが、「ちょっと塩」と言いながら、けっこうたくさん塩を振りかけている感じがして気になっていたんですが、実際に使ってみるとかなり優しい塩味でなるほどと思いました。太陽の光でひたすら濃縮させ、一切の精製作業が入っていないのに、この完璧なまでの白さにちょっと感動します。

2022年3月23日水曜日

イタリア・ワインの話 1 格付け


美味しい料理には美味しいワイン、というのは西欧の食文化の基本みたいなところで、多少なりともワインの勉強をしておかないと楽しみが半減してしまいます。

ワインと言うとフランスという感じがしますけど、生産量はイタリアが上。歴史も古いのですが、イタリアはワインを格付けしてアピールするのが遅れたためフランスに立ち遅れたようです。


イタリアは国を挙げて食文化を守る姿勢が顕著で、1963年のワイン法によってワインに対しても厳格な格付けが行われるようになりました。現在は、この法律は2008年に改正され、新旧両方の呼称が混在しています。

Aランク 保護原産地呼称ワイン
D.O.P. (Vino a Denominazione di Origine Protetta)
旧ランクのD.O.C.G.とD.O.C.を統合したもの


旧ランク1 統制保証付原産地呼称ワイン D.O.C.G. (Vino a Denominazione di Origine Controllata Garantita)
5年間以上D.O.C.として認可されたものが、さらに国も加わった厳しい審査で選別された最上級ワイン

旧ランク2 統制原産地呼称ワイン
D.O.C. (Vino a Denominazione di Origine Controllata)
すべての生産過程(生産地、栽培方法、ブドウ品種、最大収穫量、最低アルコール度数、熟成方法など)が商工会議所に厳格に審査されたもの

Bランク 保護地理表示ワイン
I.G.P. (Vino a Indicazione Geografica Protetta)
旧呼称 地域特性表示ワイン I.G.T. (Vino a Indicazione Geografica Tipica)
生産地の名称が表記され、その地域のブドウを85%以上使用

Cランク 地理表示無しワイン Vino
旧呼称 テーブル・ワイン V.d.T. (Vino da Tavola)
特別な規定に縛られていないもの


基本的には産地に重点が置かれた格付けですが、一般にはD.O.P.が高級とされています。D.O.P.あるいはI.G.P.を確認して選んでおけば、はずれは少ないと考えて良さそうです。ただし、特にトスカーナ産のワインには、これらの規格にこだわらない上質なものが多く存在することが知られています。

もう一つワインで問題になるのは、ブドウの品種です。ワイン素人の自分としては、白ならシャルドネかソーヴィニョン、赤ならメルロかピノ・ノワールくらいしかわからないし、それってほとんどフランスのワインの話。イタリアについてはとんと知らないというから情けない。

イタリアは全土がブドウ栽培に適した土地・気候なので、イタリア固有のブドウにフランスから入ってきた品種も含めて多種多様のようです。

赤ワイン用としては北部中心に栽培されるバルベーラとネッビオーロ、中部中心のサンジョヴェーゼ、南部中心のアリアニコなどが有名品種。白は北部がピノ・ビアンコ、全土で栽培されるマルヴァジア、モスカート、トレッビアーノなどなどとなっています。

ワイン通ならいつまでも語り尽くせないくらい、いろいろな蘊蓄があるんでしょうけど、まぁ財布と相談しながら、自分好みの味を見つけられればいいんじゃないでしょうか。

2022年3月22日火曜日

アリ・アラ・グリッリア


すみません。適当に料理の名前を付けちゃいました。

本当は、ちゃんとしたものじゃなくて、バルサミコ酢のソースがあまりに美味しいので、たまたま冷蔵庫に残っていた鶏肉の手羽中を炒めて、バルサミコ酢をじゃんじゃんかけて絡めてみただけ。

手羽のことをアリ(ali)、何とか風というのがアッラ(alla)、そして焼くこと、つまりグリルがグリッリア(griglia)ということで、勝手なイタリア語で、間違っているかもしれません。

とは言っても、手羽肉は軽めの塩胡椒で、ニンニク+オリーブオイルで、まじめにフライパンで焼きました。中に骨があるので、転がして面を変えつつ丁寧にやらないといけません。

だいたい全面に焦げ目がついたところでバルサミコ酢。焼きながら絡めたので、自然と煮詰まって濃厚なソースと化していきます。

想像にたがわず、これが超絶美味しい。調味料としてのバルサミコ酢の実力たるや、相当なもんです。

どんな食材でも、いつもの味に飽きたら是非使ってみるというのは有りですね。

2022年3月21日月曜日

タリアータ


牛肉のステーキのイタリア流の食べ方がタリアータ(tariata)。タリアータはステーキの薄切りという意味。やることはすごく簡単で、ステーキを焼いてバルサミコ酢のソースをかけるだけ。今回は、日高シェフより一世代上のイタリアンの巨匠、片岡譲シェフの動画を参照しました。

大事なのはステーキの焼き方。高級な霜降り肉だろうと、安売りの赤身肉だろうと、原則は共通。一般的には冷蔵庫で保管しているので、冷たいまま焼くと中まで火が通る前に外が黒焦げになってしまいます。通常は冷蔵庫から出して1時間くらい待って常温に戻すのが基本。冷凍していた肉の場合は、まず冷蔵庫に移して半日以上かけてゆっくり解凍します。

塩を振ると、肉内の水分が旨味を伴って出始めます。ですから、塩を振るのは焼く直前でOK。場合によっては焼いてから振るというのもありです。加熱して筋肉繊維が縮まるので、何か所かに繊維方向に直角の切れ込みを入れておきます。自分は、フォークでぶすぶす刺して筋繊維を切るというのをやってましたが、これは肉汁の出口を作るだけで推奨されません。

油を入れたフライパンは、できれば煙が出るくらい高温にしておきます。肉は加熱をするとたんぱく質が固まり噛み切ることができます。ところが、65℃を超えると急激に硬くなって身が締まり、かつ旨味の肉汁が外に出始めてしまいます。

ですから、まず高温で表裏をいい具合に焼き色が付く程度に焼いて(側面も忘れずに)、肉汁を中に閉じ込めたら、肉は火から下ろしてアルミホイルなどで包みます。焼いている時間は肉の厚さにもよりますが、レアが良ければ各面数十秒~1分程度。

後は余熱で、数分~10分間程度かけて中心までゆっくり火を通します。片岡シェフは、焼いたフライパンにくしゃっとさせたアルミホイルの台を置き、その上にアルミホイルごと焼いた肉を乗せ蓋をしていました。

さて、これだけでも十分に美味しいビーフ・ステーキが焼けたところで、イタリア料理らしいソースを用意します。ここで登場するのがバルサミコ酢。高級なものなら最初からソースとして使えるトロミがあるらしいのですが、安いものはサラっとしているので煮詰める必要があります。沸騰させてツンとする酸味を飛ばしつつ、半分くらいの量になるとめちゃめちゃ旨い。

完成したステーキは食べやすい大きさに薄切りにします。ここがタリアータと呼ぶところ。薄切りと言っても、5mm~1cmくらいはあったほうがステーキらしい。少し斜めに切るとオシャレです。皿に並べたら、バルサミコ酢ソースをサッとかけまわし、バルミジャーノ・チーズを振りかければ完成です。

薄切りにするので、焼き方さえ間違わなければ安い肉でも問題なし。めちゃめちゃ美味しくて、久しぶりに肉を食べたぁ~という感覚になりました。

2022年3月20日日曜日

ポッロディアボラ


イタリア料理のポッロディアボラ Pollo al diavolo は「鶏肉の悪魔風(ヘブライ語で悪魔はディアポロス)」という意味で、基本的にローズマリーとニンニクの風味を加えて、鶏もも肉をソテーしたもの。皮をパリパリにすることで、食感が増して大変旨い・・・のですが、これだけだと簡単過ぎてちよっとつまらない。

いろいろネットを探すと、フランス料理としても鶏肉の悪魔風というのがあった。こちらはプーレ・ディアブルと呼ばれ、ポッロディアボラをさらに進化させた感じ。イタリアから伝わった料理を、フランス人が精錬したということでしょうかね。

そもそも「悪魔風」というのは何だ? という感じですが、ポッロディアボラの場合は、鶏を丸ごと開くとマントを広げた悪魔に見えるからという説もあったりします。中には唐辛子などで業火の中で燃える悪魔を表現したものもあったらしい。フランスでは後者が、マスタードで上品に仕上げる仕様に変化して成立した感じです。

さて、鶏肉を焼きます。フライパンにオリーブオイル、ニンニクの香りを出したら、軽く塩胡椒した鶏もも肉を入れます。基本として忘れてはいけないのは、皮面から焼くということ。少し上から押さえながら、まずは皮面全体がパリパリになるまでしっかり焼いていきます。ひっくり返して反対の面も焼いていきます。

もうこれだけでも十分に美味しいのですが、一度肉は取り出します。そして、皮面にたっぷりのマスタードを塗り広げる。本来は、殻を除いて白ワインを入れ滑らかにしたディジョンマスタードを使うのですが、うちの冷蔵庫にあったのは粒入り。まぁ、良しとします。少しだけウースター・ソースを入れて使いました。

フライパンには鶏肉から出た汁と油が残っていますが、捨ててはいけません。ここにパン粉を入れて汁を吸わせます。このパン粉をマスタードの上にびっしりと敷き詰め、オーブンまたはトースターでパン粉の表面に焦げ目がついたら出来上がりです。

イタリア色を出すために、パン粉はローズマリー、セージ、イタリアンパセリなどを混ぜた香草入りにしました。それと、実は食べる時のことを考えて、マスタードを塗る前に肉を一口大にカットしてあります。

いやいや、めっちゃ美味しい。マスタードはそれほど辛くないので、たくさん使っても問題ありません。さぁさぁ、どんどんお食べという悪魔の囁きが聞こえてきそうです。

2022年3月19日土曜日

ブロデッタート


ブロデッタートという料理は調べてみると、いろいろな説明が出てきて、ちょっと混乱します。ここでは日高シェフの説明だけに集中して、本来は子羊の肉を卵黄のソースで絡めたものと理解しておきます。

正確にはAgnello brodettato (子羊のブロデッタート)と呼ばれ、ブロデッタートはだし汁(ブロード)で煮た料理という意味。実際には、煮汁を卵黄とレモンでつなぐ(フリカッセーア)のが特徴で、子山羊なども使われるらしい。

羊は癖があって苦手という方がよくいますが、それは成長した羊の肉でマトンと呼ばれているもの。子羊肉はラムと呼ばれ、臭みはなく食べやすい。さてスーパーに行くと、あったとしてもジンギスカン用の肩の薄切りか、ラム・チョップ用の骨付バラ肉。この料理に向いているサイコロ・ステーキのようなラムはほぼ見かけることがありません。

そんなわけで、日高シェフが代替えとして、牛肉の赤身のステーキ肉を使ってくれているというのは大変嬉しい。これだったら、比較的簡単に安価に雰囲気を味わえるというものです。

とりあえず、塩胡椒して牛肉ステーキは簡単に焼きます。この後にさらに火を通すので、多少レアでも問題はありません。また、一口大に切るので、硬さもあまり気にしないで済むというのも助かります。

次に大事なソース。イタリア料理にしては珍しい比較的厚めにスライスした玉ねぎを、焼いた肉を取り出したフライパンで炒めるところから始めます。続いて細かく切った生ハムを一緒に炒めます。

ここでも生ハムは塩味と旨味の調味料という扱い。ある程度火が通ったら、全体が浸る程度の白ワインを入れて煮込む。ある程度煮たら、日高シェフはブイヨン・スープを追加しています。

くず野菜とかから、塩味のないブイヨンを自作している方はいいんですが、市販の固形ブイヨンだと塩がけっこう入っています。ここで味見してみるとしっかり塩味があるので、今回は見送りました。

焼いたステーキ肉を、食べやすい大きさに切ってフライパンに戻し一緒に煮ていきます。水気が少なくなったら、火を止めて溶いた卵黄とナツメグとレモン汁を入れてよく混ぜたものざっと混ぜ合せて出来上がり。

200gくらいのステーキ肉1枚に対して、卵黄2個、レモン汁大さじ1くらい使ったんですが、全体のソースが多くなってしまいました。また塩味は生ハムだけなんですが、もともとショッパイので今回はちょっと入れすぎた感じ。生ハムの塩味は製品によってけっこう違いがあるので、いつも同じものを使って自分で味の濃さを知っていることが必要そうです。

2022年3月18日金曜日

サルティンボッカ


何となく聞いたことはあったけど、どんな料理か知らなかったのが、イタリア語で「口に飛び込む」という意味のサルティンボッカ。イタリアの代表的な肉料理の一つと言ってよそさうです。

本来は子牛肉を薄く叩き伸ばして使う料理ですが、日高シェフは豚の生姜焼き用の薄切りロース肉を使ったレシピを紹介しています。確かに一般家庭では手に入りやすい材料なので、豚肉の方が作りやすい。ただし、今回は、本来の味を知りたくて、すき焼き用の牛肉を使ってみました。

ポイントはセージ。セージは肉料理に相性が良いスパイスとして今までにも使っていましたが、これがサルビアのことだとは知らなかった。セージの葉をそのまま間に挟んで、薄い肉と生ハムをサンドイッチにして一緒に焼くというもの。

セージの葉は、スーパーによっては売っていないことはないんですけど、なかなか手に入りにくい。そこで、普通の粉末のスパイスになった物を使いました。代わりに間に挟んだ葉物はベビーリーフです。

生肉と生ハムは焼いているうちに離れてしまうのではないかと心配したのですが、日高シェフの教え通り、最初に包丁の背でトントン叩いておくだけで、意外にはがれないものですね。

生ハムだけで塩味がけっこうあるので、特に追加の味付けはいらない感じです。お好みで胡椒を振ってもOKです。肉を焼いた後のフライパンにバター、白ワイン少々、レモン少々を入れて煮詰めたものをソースとして上からかけました。

すき焼き用はかなり薄いので、もう少し肉に厚みがあった方がよいかもしれません。そういう意味では、生姜焼き用の豚肉はちょうど良さそう。

それにしても、生ハムは肉を食べるための調味料という扱いには驚かされます。値段高めの生ハムは、基本的に生で食べる物というような思い込みがありました。そういえば、カルボナーラのパンチェッタも調味料ですし、そういうところがイタリア料理の面白いところなのかもしれませんね。

2022年3月17日木曜日

ニンニクの話


イタリア料理にはまってみると、やたらとニンニクを消費しているような感じがして、最重要食材の一つのように思ってしまいます。ところが、日高シェフが若い時、イタリアでの武者修行で、日本人的に普通の量のニンニクを使ったまかない料理を作ったところ、こんなもの食べられないと怒られたという逸話があります。

つまり、主としてニンニクを使うのはイタリアの中でも南部地域で、基本的には香りづけとして用いるもので、ニンニクの味そのものを楽しむというのはほとんどありません。北部ピエモンテのバーニャ・カウダは、ニンニクがメインのかなり例外的な郷土料理です。

日本のニンニク味バリバリのペペロンチーノは、日本向けに特化した味付けということです。とは言え、イタリア料理の味のベースになる大事な調味料みたいなものですから、ちゃんと利用することが大事。

そもそもニンニクとは・・・そんな大袈裟に構えることも無いのですが、英語でガーリック(garlic)、フランス語でアイユ(ail)、そしてイタリア語だとアッリオ(aglio)です。漢字だと大蒜(おおひる)となり、ヒガンバナ科ネギ属の植物で、茎も食用にしますが、一般に料理に使用しているのは球根の部分。

インド、中国、韓国料理でも重要な食材で、もともとは中央アジアが始まりらしい。紀元前から、主として肉食文化と共に世界中に広まりました。日本では、外からの軋轢を耐え忍び自分自身の欠点も認めるという仏教用語の「忍辱(にんにく)」が語源とされ、香り高い青森県産が有名でます。

一般にニンニクを食べると元気になる、と言われることが多いのですが、科学的な確証ははっきりしない。少なくとも、ビタミンB6と、ビタミンB1吸収を促進するアリシンをたくさん含んでいることから、何らかの健康増進効果が期待できることは間違いない。

本来無臭のアリインが、細胞が壊れた時にアリシンに変化し空気に触れて酸化すると、あの独特の臭いのもとになります。体臭としては個人差はあるものの、半日くらい残ると言われています。牛乳のたんぱく質や緑茶のカテキンは防臭効果が期待できるので、注意したい方は先に飲んでおくと良いと言われています。

イタリア料理の話に戻ると、基本的な使い方はニンニクの一片を、大まかに潰すか、スライスするか、あるいはみじん切りにして、オリーブオイルを入れたフライパンに入れます。

なお、中心に芽が出始めていたら、苦みの原因になるので取り除いておきます。料理に混ざって構わない時はみじん切り、残したかったら荒く潰した使い方が良い。

この時まだ火はついていないことが大事。ゆっくり過熱していくと泡が出始め、ここでニンニクの旨みがオイルに移っていきます。焦がしてしまわないように注意して、火を止めるか、次の食材を入れます。

日高シェフは、あらかじめみじん切りにしたニンニクをオリーブオイル漬けにしておくことを勧めています。毎日のように使うわけではないので、みじん切りのチューブのニンニクも売っているので使いやすいかもしれません。

2022年3月16日水曜日

酸味の話


酸っぱい調味料なら、日本では主として米から作る穀物酢が一般的で、特に玄米から作る黒酢は何かと人気があります。また、すだち、ゆずなどの柑橘系の柔らかい酸味が料理には使われます。

何しろ酢は、人類が作り出した最古の調味料と言われていて、紀元前5世紀ごろから存在していたらしい。西欧の酸味といえば、ワインから作られるワイン・ビネガーとバルサミコ酢が代表的なもので、柑橘だと圧倒的にレモンということになります。

基本的には、穀物や果実の中のアルコールが、菌の作用で酸素と結合して生じた、酢酸(さくさん)が食用酢となります。ブドウから作られるワインは、古くなると酸っぱくなることから、最も身近な酢の原料として使われるようになりました。

ブドウの果汁をアルコール発酵させたのがワインで、さらに酢酸菌を入れてさらに発酵を進め、数か月程度の熟成によって作られたのがワイン・ビネガーで、フランス発祥。

米酢と似たような用途で使われる一般的な酢で、ワインと同じで赤と白があります。白は野菜サラダのドレッシング、マリネ、カルパッチョなどで活躍し、渋さが増す赤は煮込み料理などに使われます。

バルサミコ酢はイタリア発祥で、原料がブドウというのは一緒。ただし、ワイン・ビネガーと違い、絞り出した果汁を煮詰めて濃縮してから樽で発酵させるもので、その期間は数年から数十年にも及びます。

エミリア・ロマーニャ州のモデナまたはレッジョ・エミリアで作られ、かつ12年あるいは25年以上寝かせたものは高級品としてトラディツィオナーレ、特に25年以上は、別格としてストラヴェッキオと呼ばれます。

Amazonで手に入る30年物のストラヴェッキオは100mlで29,480円、40年物になると40mlで21,600円という具合で、ネットを探すと100年物で68gで54,000円なんてのも見つかります。さすがに超高級レストランを除くと、とても一般向けとは言い難い。

でもって、一般向けは熟成期間が6年~10年くらいのもので、酸が目立つためバルサミコ・ビネガーという呼ばれ方もある物。値段は急に下がって、200円/100mlくらいから、高いものでも1,000円/100ml程度。ただし、中には混ぜ物があったりするので、品質を保障するモデナIGPの表記があるものを選べば、間違いがありません。

自分が使うのはワイン・ビネガーはGrosoliの白で500mlで400円くらい。バルサミコ酢は同じくGrosoliの赤で250mlで約1000円です。一応、コストパフォーマンスが良いと評判のオーガニック専門のAlce NeroのモデナIGPも買いましたが(500円/250ml)まだ使っていません。たまたま安売りスーパーで見つけた、タマノイ酢の400円/250mlでもまぁまぁでした。

2022年3月15日火曜日

バルサミコ酢でカルパッチョ


塩と胡椒だけではパンチが足りない感じがするので、何かしら酸味を加えた方がカルパッチョがキリっと締まる感じがします。そもそも、サラダ・ドレッシングなんかでも、酢が入っている物が多いですよね。

そこで使うのは、白ワイン・ビネガーとかレモン汁が多いのですが、もう一つ忘れてはいけない酸味調味料でバルサミコ酢があります。一般的にワイン・ビネガーというと白、バルサミコ酢と言うと赤というイメージ。

白のバルサミコ酢もあることはあるんですが、一般家庭で両方揃えても使い道に困ってしまいそうです。でも、ネットではけっこう赤のバルサミコ酢でカルパッチョを作るのを紹介していたりします。

この前使って余っていたヒラマサを並べました。バルサミコ酢のソースは、そのものの味をシンプルに味わって見たくて、バルサミコ酢と塩・胡椒・オリーブオイルだけにしています。

確かに見た目は油田でも見つけたかのような感じで、あまり見栄えはよろしくない。

食べてみると・・・あ~、そうなんだ。酸味もありますけど、どちらかという甘味が目立つ感じ。確かにこれはこれでアリ。ただし、エッジの効いた酸味を期待するなら、バルサミコ酢は少な目にしてレモンとかを追加するのもよさそうです。

2022年3月14日月曜日

鰹のカルパッチョ


カルパッチョは、生の魚をいろいろなソースで食べる料理。日本の究極のカルパッチョともいえるのがわさび醤油で食べる刺身。似たような料理でマリネがありますが、こっちは素材を味・香りのついた液に付け込んでおくもの。

食べたいと思う魚、手に入る魚を、いろいろな味付けを自分なりにすればいいわけで、そういう意味ではレシピというものが存在しません。いろいろ試してみると、自分なりに一定のパターンが出来上がっていくというところ。

スーパーで刺身として売られているものは、いろいろな魚が入っていて楽しいのですが、厚みがあって、後からソースを足さないカルパッチョとしての食べ方には向いていません。できれば、さくで買ったものを自分でスライスする方が作りやすい。

三枚におろすのが苦でなければ選択肢は広がりますが、生食用で簡単に手に入りやすいさくとなる、鯛、サーモン、カンパチくらい。そして、値段的にも安いのが鰹ですが、多くはたたきとして表面が炙り焼にしてあるものが多い。

たたきはもともと新鮮さを失った鰹を食べるための知恵で、表面を焼いて叩いて味を浸みこませたもので臭みを取り美味しく食べる調理法。それはそれで美味しいのですが、生のさくがあったら、当然そっちの方が新鮮っぽい。

今回は生の鰹を、塩胡椒をして表面だけオリーブオイルをひいたフライパンで焼いて、「たたき風」にしてみました。いかにも鰹らしい感じですがステーキに近い感じです。

合わせるソースは、湯むき・種取りのトマトと玉ねぎの粗みじん切りに塩・胡椒・レモン・オリーブオイルです。トマトは煮たり炒めたりするのであれば、皮も種もあまり気にしないのですが、カルパッチョに使う場合は食感を邪魔するので無い方が良い感じです。

通常のたたきほど豪快に焼いていませんが、このくらいでも生臭さは無くなって鰹本来の味だけしっかり楽しめる・・・って、もともと新鮮なんでしょうけど。

2022年3月13日日曜日

ヒラマサ、真鯛とサーモンのカルパッチョ


日高シェフも、海鮮食材を使ったカルパッチョは、きっちりとしたレシピは無いと言っています。正直、その組み合わせは何でも有りの世界なんですが、サーモンは比較的定番と言えそうです。スーパーでもさくが安価に手に入りやすいので、何かと使いやすい。味もわかりやすく、まぁ、外れが少ないというところ。

ただし、サーモンの食感は柔らかくて、歯ごたえがありません。そこで、今回は比較的食感がしっかりしているぶり系のヒラマサを一緒に盛ってみました。

さて、やはり問題はソース。

定番を離れて、色々な味を試してみたいと思うので、今回はホースラディッシュを使ってみました。西洋わざびとも呼ばれ、ローストビーフの薬味としてしばしば口にするもの。普通のわさびほどはツーンと来たりはしませんので、多めに使ってもあまり問題はありません。

生のホースラディッシュ(リフォール)はさすがに手に入らないので、摺ってチューブに入っているものに塩・胡椒・ワインビネガー、そしてオリーブ・オイルを混ぜてみたもの。ピーマンと玉ねぎのみじん切りを一緒に和えています。

ほんのりした辛さとしっかりした酸味が、素材の味を潰さない程度に口の中に広がる感じです。もちろん普通のわさびで味わうのもありというところです。

もう一つ、アレンジ物を作ってみました。


こちらは、付け合わせてきな野菜を薄切りの魚で包んでみたもの。使った野菜はきゅうり、大根、ほうれん草、スナップエンドウなどです。魚は白いのが、やはり定番の真鯛、赤いのはサーモンです。

ソースは、茶色はアンチョビに塩・胡椒・レモン・オリーブオイル。白いのはホース・ラディッシュ・マヨネーズ・オリーブオイル。

一口サイズで分かれているのが面白いかなと思って試してみたんですが、野菜を巻くには薄くて広い面積が必要で、身の柔らかいこれらの魚はどうしてもバラバラになってまとまりが無くなってしまう感じ。

ソース自体はまぁまぁ。特にアンチョビは使えます。ただし、普通に平たく並べた方が作りやすく、食べやすく、ソースの味も均等に感じられるということを実感しました。そうです。はっきり言って失敗作。

2022年3月12日土曜日

帆立とタコのカルパッチョ

15世紀後半~16世紀前半のヴェネチアの人物で、画家のヴィットーレ・カルパッチョは、「聖ウルスラ物語」と呼ばれる連作絵画で知られています。そのカルパッチョが、バルミジャーノ・チーズをかけた薄切りした牛生肉が好物だったらしい・・・

嘘かホントか、そんな逸話から始まったのがカルパッチョ carpaccio。イタリア料理の中では、前菜、アンティパストとして出てくる代表的な料理。日本では、イタリア料理界の巨匠の一人、落合勉氏が刺身に慣れている日本人向けに肉の代わりに魚を使ったものを創作し広まったといわれています。

もともと生肉を食べる習慣が一般的ではない日本ですし、特に近年は食中毒の問題でますます生肉は避ける傾向がありますので、海鮮食材を使ったカルパッチョは、日本で受け入れやすかったのだろうと思います。

基本は魚介は何でもOKだと思いますが、問題はソースです。面倒なら、買ってきたそれなりのドレッシングをかけるという簡単な方法もないわけじゃないのですが、イタリア感は薄まってしまいます。


最初は帆立とタコです。食感の違う素材を組み合わせてみました。

ソースは、イタリア料理のサラダのスタンダードな味付けで、塩・胡椒、そしてオリーブ・オイル、酸味はレモン汁です。まぁ、いかにもイタリアンという味付けで、可も無し不可も無しというところ。

ただ、見栄えを良くするため、というか見た目の派手さを増すために、生トマトとピーマンのみじん切りを混ぜてあります。トマトは、やはり見栄えを気にして湯むきして種は取り除いてあります。


味を変えて、もっと派手にしてみたのがこちら。

欲張って、真ん中に日高式カプレーゼを盛ってあります。薄切りではなく4分割したフルーツトマトとちぎったモッツァレラとバジルに、塩・胡椒・オリーブ・オイルだけというもの。薄切りよりも食材の味がしっかりわかるので確かに美味しい感じが増したように思いました。

さて、カルパッチョ・ソースですが、見ての通り緑色。市販のジェノベーゼ・ソースを利用しました。もともと少し塩味がついているので、これに追加したのは胡椒・摺り下ろしニンニク、そしてワインビネガーとオリーブ・オイルです。

ワインビネガーだとレモンよりフルーツ感が減りますが、ここではフルーツトマトの味がいかせるかなと思いました。ジェノベーゼによってイタリア感は強まりますが、素材の味をダメにすることは無く、この組み合わせは高評価です。

2022年3月11日金曜日

インサラータ・カプレーゼ


ナポリ湾の沖合に位置する、カプリ島のサラダを意味し、一般には単純にカプレーゼと呼ばれることが多い料理。日本でも人気があり、スーパーの総菜売り場にも売っていたりします。何しろ赤・白・緑という、まさにイタリア国旗らしい配色が美しいです。

レシピというほどのものはなく、トマト、モッツァレラ・チーズ、バジルの3つの食材を混ぜただけ。味付けは塩と胡椒、オリーブ・オイルだけ。時にワイン・ビネガーとかバルサミコ酢とか、あるいはレモン汁などを合わせたりする。

日高シェフの紹介したカプレーゼは、半分に切ったミニ・トマトと手でちぎったモッツァレラを、さらに濃厚なトマト・ジュースで和えたものでした。シェフのレストランで使用しているトマトはかなり高級品で、いやもう旨いに決まっているだろうという一品。

我々凡人はスーパーで売っている普通のトマトですが、せめてフルーツ・トマトというちょっと高級なものくらいは使いたい。モッツァレラも、本来はブーファラと呼ばれる水牛の乳から作った物が使われるそうですが、さすがに普通の牛のモッツァレラで良しとします。

実は、イタリア料理の流れの中では、考えだすと難しい立ち位置にある料理と言えます。サラダと思えば、メイン・ディッシュの付け合わせとしてだされるコントルノなんですが、アンティパストとして最初に食べるのも有り。

生ハムを加えたり、温かくしたり、バジルの代わりにオレガノを使ったり、アレンジ・バージョンもいろいろあります。場合によっては、この一品とワインだけあれば、楽しい時を十分に過ごせたりする優れものです。

2022年3月10日木曜日

オリーブオイルの話


オリーブオイルは、その名の通りオリーブの実から採取される油のこと。オリーブの木は主として地中海沿岸で栽培され、それらの地域の調理には欠かせない食材であり、オイルは調味料としの役割が大きく、時にはそのまま飲用としても使われています。世界のオリーブオイルは、40%はスペイン、20%はイタリア、そして13%がギリシャで生産されています。

日本ではオリーブオイルは「食用植物油脂の日本農林規格(JAS規格)」で規定されていて、酸度0.6以下の精製オリーブ油( おおむね清澄で、香味良好)と酸度2.0以下の単なるオリーブ油(オリーブ特有の香味を有し、おお おおむね清澄)の二つの分類されています。

スーパーに行くと、だいたいどのオリーブオイルにも「エクストラ・バージン」という表記がされていますが、バージンというのは実を絞っただけのものという意味。エキストラは国際オリーブオイル協会が規定しているもので、さらに酸度が0.8以下で官能検査で合格したものだけが名乗ることができます。

JAS規格で精製オリーブ油とされたものは、酸度だけならエキストラ・バージンなんですが、ここで日本の規格にない官能試験に合格しているかどうかが品質として重視されます。官能評価は、専門の訓練を受けた複数のテスターによって、フルーティーさ、苦味、辛味など数多くの評価表にもとづいて風味をチェックするもの。

バージン・オイルでも、エキストラ以外に酸度2.0以下で官能検査でやや欠点ありのファイン、酸度3.3以下で官能検査で欠点ありのオーディナリー、そして酸度3.3を超えそのまま食用には適さないとされるランパンテがあります。

さらに酸度は低くてもランパンテを精製したリファインド、搾りかすから抽出したポマースと呼ばれる精製オリーブオイルがあり、その精製オリーブオイルにバージンをブレンドした単なるオリーブオイルも存在します。

高級な品質を保つため、実の採取は機械式よりも実を傷めにくい手摘みが良いとされますが、当然手間がかかります。基本的には、ペースト状にしたオリーブの実の絞り果汁を水と油に分離するだけですが、伝統的には手作業で不純物が混ざりやすい。現在は機械による圧搾が主流です。あえて風味を増すために果肉を残すものもありますが、その代わり腐敗しやすく賞味期限が短くなります。

オリーブオイルはしばしば健康には良いとされますが、その理由は主成分の一つであるオレイン酸が多いこと、そしてポリフェノールを多く含むことに関係します。オレイン酸は悪玉コレステロールを減らし、ポリフェノールは抗酸化作用があるため動脈硬化を予防しやすいことがわかっています。もっとも、油は必須栄養素ですが、取り過ぎは要注意。

料理に使うオリーブオイルは、通常はエキストラ・バージンを選択すれば間違いないのですが、風味はまちまち。最終的には個人の好みで選択すればいいのですが、風味が強すぎると素材の味を殺してしまう場合もある。

炒めたり揚げたり加熱して使う場合は、風味が落ちてしまうので、あまり高級なものを使うメリットは減ってしまいますので、メジャーなメーカーの比較的安価なオイルで良いと思います。魚料理にはスッキリ系、肉料理には濃厚なものが向いていると言われています。

日高シェフの店でのお勧めは、加熱用は安価なアウリア、仕上げ用はオールマイティに使いやすい高価なサルバーニョが基本。安価と言っても2.8円/mlで、自分が使っているボスコが1.2円/mlなのでだいぶ高級。サルバーニョは3.9円/mlです。さらに魚介系に向いていると紹介しているのがチェトローネのインテンソ(12円/ml)、さわやかさを求める場合はチンクエコッリ(8.4円/ml)などだそうです。

他にはネットをいろいろ探していると、いろいろなものが出てきます。アルドイノ(3.1円/ml)、プラテナ(4.9円/ml)はしばしば高評価の物として登場しますし、スーパーでも見かけやすいヴィラブランカ(1.9円/ml)はコストパフォーマンスが良いとされているようです(価格はAmazonでのもの)。

いずれにしても、開封すると酸化が始まり風味が落ちていくので、我々一般人は一つを使い切ってから次を試すのが大事ということですね。

2022年3月9日水曜日

イタリアのコース料理の話


西洋料理のフルコースを食べるという機会は、数少ない経験しかありませんが、そのほとんどは結婚披露宴でフレンチばかり。イタリア料理ともなると、家庭料理のイメージがあって、あまりかしこまって食べるという印象が無い。

そもそも、スパゲッティとピザという、思い切りカジュアルな感じがする料理が有名ですから、イタリアンはランチ、フレンチはディナーという印象があるかもしれません。初期のイタリア料理の店が、人気を広めるために若者が利用したくなるおしゃれな感じを強調したことも関係あるかもしれません。

それでもフランス料理ほど厳格なルールは無さそうですが、イタリア料理にもフル・コースというものがある。それなりの順番で食べるのは、お腹に負担をかけずに美味しい物をしっかり食べるための方程式みたいな物なので、知っておいて損はないというところ。

まず最初が、アペリティーボ(aperitivo)。食前酒です。胃を刺激して臨戦態勢に供えるもので、軽めのカクテルかスパークリング・ワインなどを楽しみます。ストゥッツィーノ(stuzzichino)と呼ばれるおつまみ程度のものが一緒に出てくる場合があります。

さて最初の料理は、前菜にあたるアンティパスト(antipast)。カルパッチョやフリッターなどが供され、本格的な料理ができるまでのつなぎの意味もあり、ある程度作り置きしておけるものが登場します。

さて、いよいよ第1の皿、プリモ・ピアット(primo piatto)です。パスタ、リゾット、ズッパ(スープ)などから一つ、あるいは複数の皿が出てきます。

続いて第2の皿、セコンド・ピアット(secondo piatto)で、メイン・ディッシュという位置づけ。肉または魚料理の登場です。両方出てくる場合は魚が先。サラダのような野菜を主体としたコントルノ(contorno)と呼ばれる副菜が一緒に出されることがあります。メインが終わると、ちょっと箸休めのフォルマッジィ(formaggi)と呼ばれるチーズが出される場合があります。

次はデザートに当たるドルチェ(dolce)。ケーキ系の場合とフルーツの場合があります。一緒に飲むコーヒーは、もちろんエスプレッソ。そして最後の最後に食後酒、ディジェスティーヴォ(digestivo)で〆ます。

基本的にはフレンチと似たような進行なんですが、組み合わせの自由度は高く、特にパスタやリゾットのような炭水化物が含まれていることが特徴的なのかもしれません。

2022年3月8日火曜日

パスタの話 5 郷土の定番


イタリアは南北に長い、いわゆる「長靴」のような形をした国土を持ちます。北部は山並に続き、スイスやフランスと接しますが、大部分は海に囲まれた国。地中海の温暖な気候が、様々な美味しい料理を生み出しました。

イタリアでは、それぞれの地域で独特の味があり、イタリア料理というのは郷土料理の集大成と言われています。それぞれの家庭で、作り慣らされた「おばあちゃんの味」みたいなもので、パスタについても600種類以上あるというのもそういうところからきている。

パスタの名称も、素材の名前を並べただけというのもありますし、町の名前が使われることある。

北から行くと、まずはジェノバ。バジルの葉をすりつぶしてソースにした、そのまんま、ジェノベーゼが有名。断面が楕円形のリングイネを使うのが本場の作り方。

ガラス工芸で有名な水の都、ヴェネチアではペスカトーレ。豊富な魚介をふんだん使った、濃厚な味わいを楽しめます。特にイカ墨を使ったネロは独特の風味で魅了します。

ボローニャから中部という位置づけ。ボローニャと言えばボロネーゼ。ミートソースの原型です。なんとかネーゼというのはなんとか風という意味で、本来のボロネーゼは平らなパスタを使うらしい。

中部になると、南北が合わさった食文化。まずはアマトリーチェ。ローマの北100kmの山のふもと。アマトリーチェが地震で被害を受けた時は、ここで発祥したアマトリチャーナを食べて支援する運動がおこったりしました。本来はグアンチャーレと呼ばれる豚ほお肉の塩漬けと、羊のチーズであるペコリーナを使い、トマトは使わないこともあったりするらしい。

イタリアの首都、ローマで定番と言えば、カチェエペペとカルボナーラ。これらでメインに使われるのが濃厚なチーズと刺激的な胡椒。

南の有名所というと、ナポリとシチリア島とバレルモ。素材を生かした、比較的さっぱりとしたものが多く、香辛料としては唐辛子がたくさん使われます。基本的なソースとして多用される、トマトとバジルだけのポモドーロ、ニンニクと唐辛子だけのペペロンチーノなどが人気。

これらが混ざった発展形がボンゴレ・ビアンコとトマトが加わるボンゴレ・ロッソ、あるいはオリーブ、アンチョビ、ケイパーのプッタネスカになります。他にも日本では高級食材になるウニやカラスミの味を楽しむパスタなどもあります。

イタリアの食文化を楽しむためには、特色のあるそれぞれの地域の味を網羅することが大事。その中で、好みの味を見つけてみるのが楽しいようです。日本もイタリア料理の中では一つの地域と考えれば、特色ある素材を生かしたものは和製の独自のパスタ料理としてOKということですね。

2022年3月7日月曜日

プッタネスカ


プッタネスカ puttanesca・・・またもや耳慣れないイタリア語ですが、puttanaというのが娼婦という意味で、日高シェフによると元々はナポリ湾の沖合にあるイスキア島の郷土料理。娼婦風というのは、それだけ刺激的で華々しいということだとか、娼婦が忙しくて海山のものを混ぜて食べたからなど諸説いろいろ。

基本的にはペベロンチーノのバリエイションの一つだと思いますが、ポイントはオリーブの実、ケイパー、そしてアンチョビのハーモニーです。

ケイパーは風蝶木(ふうちょうぼく)のつぼみで、独特の酸味があるため調味料として地中海沿岸で良く使われる物。スモーク・サーモンに付け合わせてあるのでお馴染みです。

アンチョビはカタクチイワシを塩漬け発酵させたもので、そのまま食べるというよりこれも調味料として用いられます。オイル漬けにしたカタクチイワシを加熱したものは、オイル・サーディンと呼ばれます。

慣れればパスタを茹で始めるところからスタート。指定茹で時間より1~2分早くに取り出すつもりなので、その間にソースを作ります。

フライパンにオリーブオイル、ニンニクみじん切りを入れて加熱。泡が出てきたら鷹の爪。そしてオリーブの実、ケイパー、アンチョビを入れて、アンチョビを崩していくように軽く炒めます。このパスタでは塩味を決めるのはアンチョビですが、けっこう塩辛いので1人前2切れ程度にして、入れすぎには注意します。

そこへトマト。生でもいいし、缶詰でも良い。自分は、あらかじめ細かく切ったトマトを炒めて煮崩しておいたものを使いました。てきぱきできれば時間が余りますが、素人料理人の場合はちょうどそのころにパスタの茹で上がりになります。

パスタをフライパンに移し、茹で汁を少し加えて、かき回すようにソースをパスタに吸わせていくと出来上がり。

ニンニクの香り、唐辛子のピリっと感、そしてオリーブ、ケイパーの酸味が加わり、アンチョビの独特の味と塩味、加熱したトマトの甘味も交じり合って、とても複雑な風味になりました。

2022年3月6日日曜日

カチョ・エ・ペペ


ローマ付近の定番のパスタ料理の一つがこれ。カチョ(cacio)はチーズ、ペペ(pepe)は胡椒。日高シェフは、本当に材料がこれだけのパスタを紹介しています。実にシンプルな料理ですが、チーズ好き、胡椒好きにはたまらない一品です。

大事なのはチーズ。たいていのパスタ料理では、粉末状のパルメザン・チーズ(パルミジャーノ)をしばしば使いますが、これは牛の乳から作られる。今回のレシピに無くてはならないのは、羊の乳から作られるペコリーノです。長期保存を目的としていたので、塩分が多めのチーズです。

胡椒はできれば粒のままを使いたい。それを調理直前に叩いて粗く砕いたものが、香りが強く出て溶けたチーズに切れ味を追加してくれます。

スパゲッティは、チーズがたくさん絡むので太目の方が合う。一人前60~80gに対して、すりおろしたたペコリーノは15~20g、胡椒は15粒程度がよさそうです。

茹で汁の塩は少な目で、スパゲッティを茹で始めます。茹でている間に、チーズを用意し、胡椒を砕きます。砕いた胡椒をフライパンに入れて軽く煎ったら、水を100ccくらい追加して温めます。

指定された茹で時間の1分前にパスタを取り出し、フライパンに投入。水分が大部分無くなるまでかき混ぜます。火を止めてペコリーノを入れてかき混ぜると出来上がり。

ペコリーノだけで十分な塩味で、おそらく牛よりもあっさりとした風味がくどくない。胡椒がガツンと効いて、くぅ~たまらんという出来栄えです。

料理人によっては、バターを加え濃厚な仕上がりにする人もいます。ペコリーノが手に入らない場合は、パルミジャーノでもOK。この場合は、塩を少し足した方が良いかもしれません。こういう料理は、日高シェフも言っていますが、基本的にイタリアの家庭料理なので、それぞれの家にそれぞれの味があるってことなんですね。

2022年3月5日土曜日

リッチョ・ディ・マーレ


リッチョ・ディ・マーレ riccio di mare は、耳慣れないと思いますが、日本語だと高級食材のウニ(雲丹)のこと。リッチョはハリネズミ、マーレは海という意味で、イタリアでも貴重な海産物です。

ウニのクリーム・パスタと言えば、何となく雰囲気がわかると思いますが、和製パスタを想像しますが南イタリアの定番の一つ。

日本でもウニは高価なので、まじめに作ると雲丹だけで一人前1000円くらいかかりそう。そこで、利用したのが瓶ウニ。物によりますが、量的なことで考えるとこっちのほうが少し安く手に入ります。

作り方は簡単で、あらかじめ一人前で生クリームを50mlくらい用意して、好きなだけウニを入れたら混ぜておきます。ある程度粒が残った方が食べる時、ウニの雰囲気が伝わりやすい。

フライパンにオリーブ・オイル、ニンニク少々、香りが出たらクリームを入れ少しだけ温めます。火を入れすぎるとボソボソした状態になりやすいので注意。茹で上がったパスタを入れたら手早く混ぜ合わせて出来上がり。

仕上げで、塩気が足りなければ塩を追加したり、お好みで粉チーズや胡椒を振ってもいいと思います。今回はセリをトッピングに使ってみました。

口の中でホワ~っと広がるウニの風味が嬉しい。ただ、たくさん入れるほど美味しさは増えるし、生ウニの方がかたまり感もあってより美味しいのかもしれませんが、やはりお財布には優しくありません。何度も作るのはためらいますかね。

2022年3月4日金曜日

ペスカトーレ


ペスカトーレは、「漁師」という意味。つまり魚介メインのパスタ料理のこと。漁師が売れ残った魚介で作ったのが始まりと言われています。実は単純にイカが入っているのがペスカトーレだと思っていた自分が恥ずかしい。

一般にはトマト・ソースをベースにしますけど、仮にトマトが無くたって魚介盛沢山ならペスカトーレだそうです。様々な魚介の旨味が混ざり合って、最高に贅沢な味になるわけで、言ってみればスペイン料理の海鮮パエリアのパスタ版みたいなところがあります。

日高シェフは、立派な魚介を使ったレストラン・バージョンと、簡単に作りやすい冷凍シーフード・ミックスを使用した家庭バージョンを紹介しています。シーフード・ミックスを使う場合の注意点は、冷凍のままフライパンに入れ火を入れて解凍していくということ。溶け出た水にも魚介の旨味があるので、これを捨てる手はないという話。なるほど、なるほど。

ここでは、できるだけレストラン・バージョンを目指してみました。

2人前のつもりで、赤エビ 4尾、ヤリイカ 2杯、あさり 1パック、大きめの帆立の貝柱 3個です。日高シェフはトマト缶を使っていましたが、ここはフレッシュ・トマトのソテーから始めます。

多めのオリーブ・オイルにニンニク、鷹の爪少々、玉ねぎのみじん切りの順に入れて炒めます。そこへトマト中玉なら3個、ミニ・トマトなら15個前後を小さめにカットしてから入れてフリット(揚げる感じ)していきます。魚介からも塩味が出るので、ここで使う塩はかなり少なめ。しっかり味をつけると後で困ることになります。ある程度煮崩れた感じになればOK。

ここで、パスタを茹で始める。一人前100gに対して、水は1リットル、塩は10g(もちろん、だいたいですけど)。茹で時間は、指定されている時間より2分程度早めを予定します。

次は、別のフライパンで魚介に火を通していきます。最後にあさりで、白ワインを入れたら蓋をして蒸し煮。あさりの貝が開いたら、蓋を開けてトマト・ソースを入れ、パスタが茹であがるのを待ちます。

茹で上がったパスタを入れたら、少しここで煮る感じ。水分が足りなければ、茹で汁を追加。イタリアン・パセリのみじん切りを振りかけて完成。今回はパセリの代わりにベビー・リーフを使いました。

あさりだけ、エビだけでも旨いに決まっているのに、さらにイカや帆立の味も混ざって、もう魚介のハーモニーが口の中で響き渡ります。そこにトマトの酸味と、フリットしたこによる甘味も加わり、究極の美味しさです。

シーフード・ミックスでも雰囲気は出ますけど、やはり魚介から出る旨味はかなり少なくなるので、どうせ作るなら頑張って魚介を揃えるにこしたことはありません。

2022年3月3日木曜日

ジェノベーゼ


イタリア料理と言えば、短絡的にバジル入れればOKって思ってましたが、それはごくごく一部のレシピでした。香りを求めて、いろいろなハーブを利用するのですが、ことパスタに関しては、主役となる素材の旨味を最大限に尊重し、あまり余計なものは使わない。

ただし、バジルが主役となる定番パスタがジェノベーゼ。北西部の町、ジェノバに由来するネーミングで、直球でバジルの味と香りを前面に押し立てるもの。

日高シェフは、すり鉢で必要な分だけのジェノバ・ペーストを作る方法を紹介しています。一般的によく言われているのは、バジル、松の実、ニンニク、オリーブ・オイル、塩をブレンダー、あるいはミキサーで混ぜて作る方法。

バジルの香りを最大限に生かすためには、温まってはダメ。道具も冷やせという料理人がいたりします。オイルは後から入れる方もいますし、オリーブ・オイルではなくごま油を使うというのもあったりします。

パスタは、本場ではリングイネと呼ばれる断面が楕円形のロング・パスタと合わせるのが定番ですが、さすがにそこまで用意してないので、ちょっと細目のスパゲッティーニを使いました。

茹でる時に、一緒にサイコロ状に切ったじゃがいもとインゲンを一緒にするのが定番ですが、今回はインゲンが無かったのでグリーンアスパラガスです。フライパンにジェノバ・ペーストをお好みの量を入れ温めておき、1~2分早めに茹で上げたパスタを、じゃがいも、アスパラガスも一緒にいれてしっかりかき混ぜまぜます。火を止めたらパルメザンチーズを振りかけて、再び混ぜ込んだら完成。

ですが・・・ごめんなさい。今回は、出来合いのジェノバ・ペーストを使っちゃいました。けっこう、大量のバジルが必要なので・・・このあたりは、何でも手作りということではなく、便利に使えそうな物は利用して、時間とお金の節約ということで。ただし、問題もある。

出来合いのペーストは、たいてい味がしっかりついていて、けっこう塩辛くなってしまいます。ですから、パスタの茹でるお湯に入れる塩は少な目にしました。しっかり全体が緑色になるようにしようと思うと、けっこうな量が必要だったりします。

ちなみにイタリアの国旗は、右から赤、白、緑の、三色旗トリコロール)で、赤は愛国者の血・熱血、白は雪・正義・平和、緑は国土をあらわすと言われています。料理では赤はトマト、白はニンニク・チーズ、緑はバジルということも納得です。

2022年3月2日水曜日

アラビアータ


ショート・パスタの一番人気のメニューといえば、おそらくペンネ・アラビアータ Penne all'Arrabbiata。

いやいや、マカロニ・グラタンがあるじゃないか、と思ったあなた。残念賞です。マカロニ自体は確かにショート・パスタの一つではありますが、実は、マカロニ・グラタンはフランス料理の範疇。オーブンで焼いたときに焦げがでるのをグラタンと呼ぶんですね。

アラビアータは「怒り」という意味で、一般的にはおこりんぼう風パスタと呼ばれています。何でかというと、唐辛子を強く効かせて辛さを売りにするから。もちろん、ロング・パスタで調理してもいいんですが、一般的にはショート・パスタ、しかも筒状で両端を斜めにカットしたペンネが使われることが多い。

レシピは、これも基本のペペロンチーノの派生形。

お湯を沸かして、1%の濃度になる量の塩を入れます。一人前のペンネは、ロング・パスタより少な目で60~80g程度が適当らしい。沸騰したらパスタを入れてソース作りをします。

フライパンにオリーブ・オイル。ニンニクを入れたら火をつけて弱火でじっくりと香りを出す。ニンニクが少し狐色になったら、鷹の爪を入れます。ニンニクや鷹の爪の量はお好みです。ここまではほぼペペロンチーノ。

さて、ここで面倒は嫌という場合は、追加の味が付いていないトマトの缶詰でOK。入れたトマトを揚げていくような感じ(フリット)で火を通していきます。今回はフレッシュ・トマトを使いましたので、細かく切って投入し、オイルは少な目でペースト状になるように強火で煮崩していく感じ。当然、トマトの量もお好みで。

その頃にはパスタも茹であがりますので、フライパンに混ぜてソースをしっかり絡めて出来上がり。味見して足りないなら塩を少し追加。

これも、実にシンプル。素材の味だけをしっかりと引き出しただけですが、ストレートにトマトとニンニクと、そしてピリっとする唐辛子の刺激がたまらない一品です。

2022年3月1日火曜日

パスタの話 4 カロリーあるよね


パスタばかり食べていると・・・

いゃあ、カロリーが気になります。何しろ「スパゲッティはダイエットの大敵」ということがよく言われていますからね。

白米のご飯は、普通のお茶碗一杯で150gで234kcal。丼飯になると200gで約300kcalです。
パスタと同じく小麦粉を主材料とした食品はパン。食パン一斤はおおよそ1000kcalあります。標準的な6枚切りだと一枚で170kcal前後です。

じゃあ、パスタは?

通常の一人前のパスタでは、乾燥麺の場合、だいたい80~100gが使われます。材料はデュラム小麦と塩だけが一般的で、100g当たり350kcalです。茹でると水を含んで、一食分250g程度になります(カロリーは同じ)。

同じ量の白米なら390kcalになりますから、白米よりは多少カロリーは少ない。少ない方が良しとするならば、白米一膳で終われれば、パスタの負け。ご飯をお替りしてしまうとパスタの勝ちということになります。

つまり、パスタだけで考えればカロリーとしては、特に怖がる必要はありません。むしろ、白米よりもミネラル、ビタミン、食物繊維などが豊富な分栄養学的には有利と言えます。

ただし、問題の一つはオリーブ・オイル。イタリア料理ではオリーブ・オイルをふんだんに使用しますが、食用油の中では健康には良いとされますがカロリーはそれなりにある。オリーブ・オイルのカロリーはだいたい9kcal/gです。

パスタ料理では一人前に少なくとも10g、場合によっては20gくらいは使うことを考えると、90~180kcalになる。一番何も入っていないペペロンチーノで、標準的な一人前で500kcalくらいになってしまう。

トマトやアサリなどはたいしたことが無いので、あまり気にしなくてもいいんですが、さらに困ったことになるのがチーズです。パスタで多用するパルメザン・チーズは、特にカロリーが高いチーズで約45kcal/gです。上からちょっと多めに振りかけただけで100kcal近くになってしまいます。

チーズをたくさん使う代表的な人気パスタはカルボナーラで、一人前にパルメザンチーズの粉末を5~10gくらい使います。さらに卵黄1個(66kcal)が入って、最大の敵、生クリームを50mlくらい使う。生クリームは100g当たり約430kcalもありますから、これだけで200kcalオーバー。さらに、パンチェッタ(またはベーコン)も加わって、余裕で一人前が1000kcalくらいになってしまう。

パスタ自体はあまりカロリーはありませんが、「白パスタ」で食べる人はいませんから、こうやって料理として食べるとなると確かにダイエット向きとは言えませんね。野菜をできるだけ一緒に食べるようにして、パスタは少なめにしておいた方が無難ということなのかもしれません。