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2024年8月31日土曜日

京都のでっかい油揚げ


関東の油揚げは、大体8cm×15cmくらいかな。

まぁ、それで特に不満を感じたことはないけど、これも「ちょこっと京都に住んでみたみた」ネタなんですが、京都の町中のなんの変哲もない豆腐屋さんが紹介されていたんです。

そこの油揚げが・・・でかい。

でかいんです。

10cm×20cmくらいありそう。数字で書くとたいしたことはないように思うけど、見た目のインパクトは絶大。

ドラマに登場した同じ店のではありませんが、スーパーで京都の油揚げ見つけました。

でかい。でかいわぁ。

フライパンで焼いただけで、醤油かけて食べました。

味は・・・普通の油揚げと一緒でした。それでいいんです。

それにしても、しつこうようですが、でかい。

2024年8月30日金曜日

レンイボー


強力な台風10号が、すでに被害を出し始めています。とっとと駆け足で抜けてもらいたいものですが、何しろやたらと足が遅い。

首都圏にも週末にはかなり影響が出そうですが、今のところは降ったり晴れたりというところ・・・

なので、虹がかかりました。

たまたま開けた場所で気がついたので、珍しくほぼ半円全部が見えて、ちょっと嬉しい。

とは言え、やはり電線は邪魔だなぁ。

2024年8月29日木曜日

劇場版 SPEC -結- 漸ノ篇、爻ノ篇 (2013)

さて、いよいよ起承転結の最終章「欠」、いやいや「結」です。「天」に続いて劇場版映画として、しかも各90分の前後編の2部作として公開されました。当然、スタッフ。キャストに変更はありません。

映画公開に先立って、スペシャル・ドラマが作られていて、そちらのタイトルは「SPEC - 零-」です。瀬文が登場する前、未詳は野々村(竜雷太)と当麻(戸田恵梨香)の二人だけという時期の本編の前日譚です。当麻の生い立ち、ニノマエ(神木隆之介)との確執が描かれ、当麻がずっと左手をギプスで隠し三角巾で吊っている理由が明らかにされます。

シリーズの中では、唯一見ていなくても何とかなる作品ですが、出来れば見ておいた方がこのストーリーの世界観をより深く理解することが可能です。また、「SPECシリーズ」がドラマ「ケイゾク」の続編的な側面があることも理解しやすいかもしれません。

それにしても、ある意味連続ドラマのわかりやすさと比べると、複雑すぎる設定はなかなか理解しにくく、好き嫌いがはっきりと分かれそうな感じです。最終的に何となくわかる様なわからない様なモヤモヤが残るし、あえて含みを残している作り方のような気がします。

「天」の最後に登場した謎の白服の男はセカイ(向井理)と名乗り、自らを人間が「神」と呼んでいるような存在だといいます。青池潤も突然大人の姿(大島優子)となり、青池聡子の体を借りて生まれたセカイの仲間と説明されます。また、プロフェッサーJと名乗る謎の人物が、世界中でスペック・ホルダーを抹殺するためのシンプル・プランの道具の開発らしきことをして暗躍しているらしい。

さらには「卑弥呼」と名乗る日本最古のスペック・ホルダー(北大路欣也))が登場し、世界を動かしている秘密会議でシンプル・プランの停止を求めます。各国は表面的にはスペック・ホルダーを危険分子として抹殺しようとしていますが、自国のスペック・ホルダーだけは保護し世界の覇権を獲得しようという腹積もりなのです。

これまではスペックを持つ者と持たざる者との闘いという流れでしたが、実際はスペックを許容する者と排斥する者との闘いであり、それらを越えた所で実は地球そのものの意思と通じ合える「先人類」が仕掛けたファティマ第3の預言の遂行が真のテーマでした。

もともと様々なスペックによって地球 ー ガイアと意思の疎通を図っていたのが先人類で、いろいろな要因によって次第に退化しスペックを持たない新人類になったのです。セカイら先人類は、新人類を虫けらのような存在と考え、自らの欲望を満たすためにガイアを汚すだけの新人類を粛清して世界をリセットするために降臨したのです。

そのためには、当麻の持つスペックが異世界と通じるための「ソロモンの鍵」として必要でした。情け容赦ないセカイらの行為に、当麻はついに自らのスペックを全開放し最終対決に臨むのです。

・・・と、まぁ、できるだけネタバレ無しでストーリーを紹介してきましたが、ネタバレしても何だかよくわからんので、なおさら意味不明だと思います。

テレビ・ドラマとしては視聴率の縛りがありますから、ある程度わかりやすくうけないといけない。そこで「ケイゾク」の続編という被り物で企画を通したわけで、実際は「翔」から始まる人類滅亡を描きたかったというのがスタッフの真意であるなら、それはある程度成功していると思います。

ただし、話を大きくするのにキーワードが多すぎて、かえって複雑になり過ぎたと言わざるを得ない。謎を上塗りしすぎて解決しきれなくなり、最終的にド派手な破壊シーンの中に落とし込んでごまかしたという部分も否定できないように思います。特にこの「結」は、壮大過ぎて描き切れないとして2部構成になったわけですが、やや散漫なシーンが目立ち、回想などの繰り返しも少なくありません。普通に2時間程度の1部構成でも特に問題はないように思いました。

それでも、日本のドラマ・映画で、ここまでこりに凝った企画は思い出せません。CGなどの映像技術の進歩も、この時期の邦画としてはトップクラスで、十二分に話を盛り上げることに成功しています。また、いろいろと各自が考察して楽しむというマニアックな嗜好も満足させる部分があるので、時間がある時にシリーズ全部を一気に見て欲しい作品です。

2024年8月28日水曜日

劇場版 SPEC -天- 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿 (2012)

連続ドラマ(起)、スペシャル・ドラマ(翔)に続くストーリーは、劇場版映画として登場しました。少なくとも映画から見始めるとチンプンカンプンです。必ず最初から鑑賞しましょう。

メインのスタッフは、制作・植田博樹、監督・堤幸彦、脚本・西荻弓絵の鉄壁トリオ。警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係は係長は市柳(でんでん)、野々村(竜雷太)は係長待遇に格下げ。当麻紗綾(戸田恵梨香)、瀬文焚流(加瀬亮)はミイラ化事件を追います。

体制に対抗するスペック・ホルダーのグループは、死んだはずのニノマエ(神木隆之介)がリーダーとなり、温波と冷波を自在に扱うマダム陽&陰(浅野ゆう子)、体を自在に変えられる伊藤淳史(伊藤淳史)を従えて、当麻にも仲間になるように迫ります。

新たに登場する重要キャラクターとしては、瀬文の元恋人で内閣情報調査室の青池里子(栗山千明)と、その娘青池潤(森山樹)がいます。青池里子も未詳らと共にスペック・ホルダーを追跡することになります。

ここでさらに明らかになるのが「御前会議」の存在。古くから日本の政治的判断を裏で操っているグループで、ニノマエは彼らをも支配しようと画策します。そしてニノマエは警視庁長官と青池潤を人質にして山荘にたてこもります。当麻の勝率1%の作戦に賭けるしかない警察は周囲を包囲し、再びニノマエとの対決が始まるのでした。

もう一つ、「ファティマ第三の預言」と呼ばれる重要なキーワードが登場しています。これは1916年にポルトガルのファティマという町で起こったものとされ、バチカンが奇跡として公認している物。聖母マリアが出現し、3つの預言をしたとされています。

第1の預言は「罪を背負った人は地獄に落ち二度と出ることは無い」、第2の預言は「第1次世界大戦の終焉と第2次世界大戦の勃発」、そして第3の預言は秘匿されました。バチカンは1981年に発生した教皇暗殺未遂事件がそれにあたると発表しましたが、預言としての重大性に疑問があるとして、バチカンが公開していない秘密があると言われ続けています。

さらに最後の最後に全身を白い衣装に包んだ謎の人物が登場し、「ファティマ第三の預言」と共にその謎は最終章に託されます。・・・が、最後の最後、当麻が出てきて「結をやると思ったら大間違いだぞ」と言い、瀬文が「欠」と書いた半紙を掲げるのはご愛敬。

2024年8月27日火曜日

SPEC -翔- 警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿 (2012)

2010年の連続ドラマで、「超能力」を持ったスペック・ホルダーたちが起こす犯罪を個別に解決してきた警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係に所属する当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬亮)でしたが、最終回は謎多き終わりを迎えました。

ネタばれ無しで話を進めるのはすごく難しい。もう10年以上経ちますから、ある程度興味のある人はだいたいの内容は知っていると思いますので、最小限のばらしはお許しいただきたい。

さて、スペック・ホルダーたちの能力は、世界を支配する者たちからすると、怖れるべきものであると同時に、利用すべき価値が高いということ。日本でも、実はだいぶ前からスペック・ホルダーの存在が知られていて警視庁公安部公安第零課が、彼らを拉致監禁してその存在を世間から隠していたのです。

この「翔」は、連続ドラマの最終回、癸(起)の回の1年後の描くスペシャル・ドラマ。直後に公開される劇場版にさらに続く構成です。ここでは、最終回の謎が解明され、その結果、当麻自身も強力なスペックを持っていることが明らかにされます。

そして、裏で世界の動向を決定し支配している秘密結社の存在が明らかになり、彼らが有益ではないスペック・ホルダーを抹殺するための「シンプル・プラン」を発動しようとしていることがわかります。

スペック・ホルダーは、体制側に従属するグループと、それに対抗するグループに分かれて、お互いに自陣営へ引き込もうとする抗争が始まっていました。体制側グループは、対抗勢力グループの抹殺に乗り出し、ついに公安第零課のスペック・ホルダー隔離施設に潜入し殺戮を画策するのでした。

当麻がスペック・ホルダーであったことから、当麻と瀬文の距離が離れてしまうのですが、当麻がスペックがあることに苦しみ、そして刑事としての覚悟がわかると二人は仲間としてより固い結束のもと協力するのです。

というわけで、スタッフ、キャストは連続ドラマと同じで、いよいよストーリーの本題が見え始めてくる内容です。もはや、超能力者の犯罪を解決する警察ドラマではなく、人類の存続にかかわる壮大なストーリーの幕開けとなります。

2024年8月26日月曜日

SPEC -警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿 (2010)

タイトル、ながっ! ということは横に置いておいて、2010年の秋ドラマ枠で放送されたもの。テレビ・ドラマとしては、実に深い深い設定があって、元はと云えば1999年の「ケイゾク」でコンビを組んだ脚本の西荻弓絵と監督の堤幸彦、そしてプロデューサーの植田博樹が、同じ世界観を持った続編にしようということで作られました。

とは言っても、ややオカルト色の強めの「ケイゾク」よりも時代を反映してか技術的にもスタイリッシュな作りになり、スペックと呼ばれる隠れた特殊能力を巡る持つ者と持たざる者たちの攻防に焦点を当てています。両者には直接的なストーリーの続きはあまりありませんが、もしも機会があれば「ケイゾク」もドラマの名作として見ておいて損はない。

本作は当初、テレビで伝えるにはハード過ぎる内容とエキセントリックなキャラクター設定から評価が心配されましたが、連続ドラマ後にスペシャル・ドラマ2本、劇場版3本が作られる大きな「起承転結」の人気シリーズとなりました。

連続ドラマは「起」の部分にあたるパートで、通常の第1話、第2話・・・ではなく「甲の回」、「乙の回」、丙丁戌
己庚辛壬、そして癸(起)と続くこだわりようです。前半はいろいろな超能力者、スペック・ホルダーが登場し、未詳事件特別対策係が解決する一話完結の形をとっていますが、後半は物語全体のテーマが中心となって序章部分の一定の解決が目指されます。

主人公、当麻紗綾(戸田恵梨香)は、IQ201の天才で大食漢でガサツな女刑事。三角巾で隠した左手は、過去の事件で切断し再接着手術を受けて使えない。使える右手でいつでもキャリーバックを引き釣り歩き、祖母から教え込まれた書道の達人という変わり者。婚約者だった地居聖(城田優)は、今でも何かと関わってきます。

SIT(特殊事件捜査係)の隊員だった瀬文焚流(加瀬亮)は、現場で部下の志村勇作(伊藤毅)が錯乱して乱射したのですが、撃たれた銃弾が被弾したのは志村の方という謎の事件の責任を問われ、未詳事件特別対策係に配置換えされてしまいます。志村は直物状態となり、妹の美鈴(福田沙紀)からは兄を撃ったと非難されています。

未詳事件特別対策係の係長は野々村光太郎(竜雷太)で、「ケイゾク」では捜査一課弐係長でした。昼行燈みたいにのらりくらりした対応で、いつも柿ピー瓶を抱え込んで食べている。奥さんの雅とは離婚調停中らしく、来客を案内してくる婦警の雅(有村架純)と愛人関係になっています。

甲の回では、成り上がりの国会議員、五木谷(金子賢)と秘書の脇(上川隆也)が未詳を訪れ、近々行なわれるパーティで五木谷が殺されるという占いがあると言うのです。占ったのは有名な占い師である冷泉俊明(田中哲司)で、2億円払えば回避する方法を教えると言うのです。しかし、パーティの警備に参加した当麻と瀬文でしたが、五木谷はまんまと毒殺されてしまいます。当麻は高度な身体能力のスペックを持つ者が犯人と確信し犯人に迫りますが、その時突然時間が停止し、一人の少年一十一(ニノマエジュウイチ)が現れます。

連続ドラマの表の悪役がニノマエですが、実は裏でニノマエを操るスペックホルダーがいます。最後にそれらを倒すのですが、これは少しずつ表面に現れた前兆みたいなものでした。

2024年8月25日日曜日

柳宗民 / 雑草ノオト


柳宗民(やなぎ むねたみ)は、京都出身の園芸家で、NHKの「趣味の園芸」に長年携わった方。2006年に79歳で亡くなっています。

当然、園芸家ですから華やかな植物はたくさん手掛けたことでしょうが、晩年に発表されたこの著書は、一般にはほとんど顧みられず無視されてしまう「雑草」に注目したもの。

あとがきに「名も解らぬ、美しくもない草々をすべて雑草という言葉でくくってしまっているようだ。野の草でも、美しいものは雑草扱いされない。(中略) 雑草という言葉は差別的ではあるが、・・・美人も不美人も差別なく、私たちの身近に普通に見られる草、と解釈していただきたい」とあります。

ありふれたものの中にも光るものを見つけられるというのは、功を成し遂げた人物はさすがだなと思います。いろいろな物から「気づき」を得たいと日頃から思ってはいても、なかなか実現していない我々凡人との決定的な違いです。

この著作は、2002年に毎日新聞社から出版され、その後ちくま学芸文庫にも収載されています。内容は春、夏、秋に分かれていて、全部で60種類の「雑草」が美しいイラストと共に紹介されています。

イラストを描いたのは、1953年生まれで医学、天文学、古生物学など主に自然科学書の企画、執筆等に携わる三品隆司で、親しみやすい柳のエッセイのような文章に華を添えています。

実はこの本を知ったのは最近のことで、京都人のスローライフをテーマにしたドラマ、「ちょこっと京都に住んでみた。」がきっかけ。主演の木村文乃がふと入った古書店で見つけたのがこの本でした。ちらっと映る本の雰囲気に魅了され、早速Amazonで探したら中古で格安に手に入れることができました。

トリビアとか蘊蓄と呼んで「どうでもいい」扱いをしている、簡単に見過ごしているものの中にも、ちょっと生活を豊かにするいろいろなものが詰まっていることを知ると楽しくなってきます。タイトルは「ノート」ですが、「雑草の音」という意味をありそうに思いました。


2024年8月24日土曜日

黒椎茸


驚き、桃ノ木、山椒の木・・・って、昭和人しか知らんだろうフレーズ。そう言いたくなるほど、どでかい立派な椎茸なんです。

秋田県八峰町の特産品で「黒椎茸」と「峰玉」というもので、黒は直径が最大で10cmほどあります。普通にスーパーで売っている大きな物でも5cm程度ですから、この大きさはなかなかのもの。

黒椎茸は傘の大きさ9cm以上、肉厚3.5cm以上、重さ90g以上という規格を満たしたもの、それ以下ですが重さ50g以上あれば峰玉となるらしい。

食べ方は、切るなんてとんでもない。そのまま焼くのが一番。炭火でじっくりというのが一番ですが、ちょっと無理なのでフライパンに傘を下にして、蓋をして弱火でじっくり蒸し焼きにしました。


味付けは、塩だけ、醤油だけ、バターだけというシンプル。

大量の出汁がじわーっと出てきて、超旨い。食感は「森の鮑」という感じ。との味でもOKなんですが、素材の味が引き立つ塩だけというのが最もお勧めです。

2024年8月23日金曜日

大名倒産 (2023)

この作品は、原作は「鉄道員(ぽっぽや)」の浅田次郎の晩年の長編。地方大名が、さんざん好き勝手をして作った莫大な借金のため、隠し子にしていた四男にすべての責任を取らせて切腹させることで生き延びようとするという話。

それだけ聞くと何とも暗澹たる気持ちにさせる話なんですが、その四男が妙に頑張ることでコメディ要素をまき散らすという風変わりな作品です。監督は前田哲、脚本はドラマ「半沢直樹」の丑尾健太郎とドラマ「下町ロケット」の稲葉一広が共同で担当しています。

新潟の丹生山藩の名物「塩引き鮭」を作る名人である間垣作兵衛(小日向文世)と一人息子の小四郎(神木隆之介)は、慎ましくも幸せに暮らしていました。小四郎の母なつ(宮崎あおい)は、小四郎が小さいうちに病で亡くなっていました。実は、小四郎は藩主松平和泉守(佐藤浩市)がなつに産ませた庶子で、鮭役人だった作兵衛が面倒を見ていたのでした。

松平和泉守の長男は事故で家督相続直前に急死。次男(松山ケンイチ)はうつけ、三男(桜田通)は病弱だっため、急遽四男の小四郎が新たな藩主として藩を継ぐことになってしまいます。しかし、丹生山藩は商人の天元屋(キムラ緑子)に利益をむさぼりとられ、莫大な借金のためお取り潰しの危機に面していたのです。

和泉守は小四郎に「大名倒産」を宣言させ、藩を幕府直轄にすれば借金返済は幕府に押し付けられるというのです。しかし、その責任により小四郎は切腹する運命にあるのでした。小四郎は、幼馴馴染の賢くて気丈なさよ(杉咲花)の協力も得て、藩の財政を立て直す作戦を開始します。

大名らしくない小四郎の振る舞いに最初はあきれていた家臣たちも、彼の真っすぐで真剣な取り組みに少しずつ感化され、協力して藩の立て直しのために動き出すのでした。

時代劇は昔からありますが、日本の場合は戦国時代の武将たちの立身出世物語か、江戸時代の金太郎飴のような勧善懲悪物が大多数。ただ、エンターテインメントの波は時代劇にも押し寄せ、21世紀になって「古臭くない」アクションを売りにした作品や、現代風の感覚を取り入れたドラマ・コメディなども増えてきました。

この映画は、基本的に荒唐無稽な話ではありますし、そもそも塩引き鮭作りの家に育った小四郎が、いきなり大名ができるはずがない。そこんとこはある程度了解しておくしかないのですが、さすがに原作が良さのせいもあってか、それなりに最後まで破綻することなく楽しめる。

コメディ色は、直接的なギャグはありませんが、小四郎の藩主らしからぬ行動が自然と笑いを誘うところが嫌味が無くて良い。神神木隆之介や杉咲花の演技力の良さが光っていると思います。また、大挙して登場する大御所俳優たちも、実に「らしからぬ」暴れっぷりを見せてくれて痛快な作品になっています。

2024年8月22日木曜日

セブンのおにぎり 45


今回の新発売は「軟骨入り 焼つくね」・・・とは言っても、似たようなものは何度も登場しているので、新鮮味はありません。

強いて言えば「軟骨入り」が目新しいのですが、食べてみるとあまり食感として軟骨は感じませんでした。

つくねと米の間に「卵黄ソース」が入っていて、こちらは確かに存在感があります。

もう一つ、「わさびめし」も同じようなものが何度も登場していて、いまさらというところはあるのですが、今までとの違いは機能性表示食品となったこと。

何で? とは思うのですが、GABAが含まれていて「ストレスや疲労感を緩和する」んだそうです。

GABA(γ-アミノ酪酸)は、アミノ酸の一種で、脳内の抑制性神経伝達物質として機能しているんだそうです。

まぁ、これでストレスが減るほど現代人は簡単じゃありません。

2024年8月21日水曜日

蝶の力学 殺人分析班 (2019)

麻見和史原作の「警視庁捜査一課十一係シリーズ」の実写化第3弾です。前作に続き監督は内片輝ですが、脚本は穴吹一朗です。前2作との違いは、まず主人公の如月塔子が十一係の中で成長して、全体の指揮をまかされていること。そして、これまで如月を指導してきた鷹野主任が公安に移動することが決まり、これが二人が組む最後の事件となることです。

蝶の力学とは、バタフライ効果(Butterfly Effect)と呼ばれる物理学の用語です。ある力学系にちょっとだけの変化を与えてると、その先に予測不能な大きな変化をもたらすと言うもの。タイトルからして、想像を掻き立てられる最も魅力的なものになっています。

十一係の主任で、如月塔子(木村文乃)の相棒である鷹野秀昭(青木崇高)は、捜査中にかつての相棒を刺殺した犯人を捕らえるために数日後に公安への移動が決まっていました。

そこへ再び異様な殺人事件が発生します。遺体は喉を真横に切り開かれ、そこへ青い花が4本差し込んであったのです。しかも、被害者の妻も行方不明となっており安否不明でした。如月らの捜査チームは、妻の犯行ではないかと考えます。

その夜、新聞社にクラスター16と名乗る人物からメールが届きます。瀕死に見える被害者の妻の写真を添付して、自分が犯人であり助けたいなら指定した場所を探せと書かれていました。そして実際に、衣装ケースに入った遺体が発見されます。彼女も喉を切られ、青い花が4本差してありました。

自分たちの筋読み(事件を推理すること)が間違っていた如月は、新たに分かったことから筋読みをやり直すのです。しかし、重要参考人と考えられた人物も第3の被害者となり同じような状況で遺体となっていました。すべてに後手に回っている捜査、そして主任がもうじきいなくなることへの不安と焦りが如月の冷静さに影を落とし始めます。

これまで1話1時間が5話、全体で約5時間で作られましたが、今回は1話分追加されます。これは第5話の後半から原作にはないドラマのオリジナル・ストーリーがあるから。これが衝撃的で、鷹野の相棒にまつわるある意味本編を忘れてしまうほどの内容で、去っていく鷹野と成長した如月が象徴的に描かれます。

今回も、推理物としてはやや情報提供が不親切なんですが、結局このシリーズは如月塔子の人物像を丁寧に描くこと、そのためのツールとしての事件という位置づけにあるものなので、事件の動機などが後から納得できるものであれば良しとすると考えないといけないようです。

蝶の羽ばたきのような本当にわずかな変化が、次々と連鎖反応を起こして大きな竜巻になってしまうという見本のような事件そのものについては、よく考えられています。医療関係者としては、ちょっと疑問に思うところはありますが許容範囲です。

それにしても、追加のストーリーがすごい。原作を離れて、オリジナルで考えられたものとしては、大変よくできている。十一係から去っていく鷹野を送り出す最後の事件として相応しいし、これからリーダーシップを発揮しなければならない如月の決意も明示されています。公安に移動した鷹野については、別シリーズが作られていますので、独り立ちした如月塔子の新たなストーリーも見たいなと思わせます。

2024年8月20日火曜日

水晶の鼓動 殺人分析班 (2016)

麻見和史原作の「警視庁捜査一課十一係シリーズ」の実写化第2弾です。前作に続き監督は内片輝ですが、脚本は八津弘幸になっています。前作「石の繭」事件から1年後を描き、あの事件のトラウマをまだ克服しきれていない如月塔子と鷹野主任の活躍が描かれます。主だったキャストは続投です。

十一係の仲間からすっかり信頼されるようになった如月塔子(木村文乃)でしたが、父親の如月功刑事の形見の時計の音を聞かないと、気持ちを落ち着けられない日々を送っていました。

そんな中、事件が発生します。アパートの一室で他殺体が発見しれますが、遺体を含めて部屋中が赤いペンキで塗りめぐらされていたのです。そして、出口の扉には同じ赤いペンキで「〇×」と書かれていました。

如月は鷹野主任(青木崇高)と捜査を開始しますが、何者かに尾行されていることに気がつきます。そして、被害者が何者かと連絡を取り合っていたことがわかり、そのメモには「オックスが暴れている。注意しろ」とありました。如月らはオックスが犯人であり、尾行していたのは犯人ではないかと考えます。

その時、ビルの爆発が起こりました。そして、最初の被害者と連絡を取り合っていたと推察される人物が、第2の被害者として発見されます。やはり犯行現場のアパートは、赤いペンキがぶちまけられていました。そして、第2、第3のビル爆発事件が発生するのです。

連続爆破で使われた爆弾の仕様が、過去にトレミーが使用したものに酷似していることがわかると、精神的につらそうな如月を鷹野は資料整理の予備役に変更します。現場に行けない如月は、しかたがなく資料の整理を始めますが、爆破された建物の共通点を発見し、殺人事件との接点も発見します。そして、さらなる殺人、さらなる爆破の発生が予測されたため、如月は自分がすべきことをあらためて確認するのでした。

如月のトラウマは、「石の繭」事件でトレミーの罠にはまり爆発に巻きこまれたことが原因にあり、物語の最期には再びトレミーとの重要なやり取りが必要になってくるのです。そのような意味でも、絶対に「石の繭」を先に見たほうが良いと断言します。

確実に刑事として成長したものの、まだ不安を抱える如月塔子を描くことがテーマのストーリーであり、仲間との関係性もより強くなってきたことがよくわかります。ただし、推理物として見れば不親切であることは否定できません。そこをどう評価するかで、賛否が分かれるように思います。

連続猟奇殺人と連続爆破テロを関連付けるのも、視聴者を驚かせるネタではありますが、さすがにちょっと無理っぽい。それぞれの犯人の利益とリスクのバランスを考えると、必ずしも均衡が取れているとは言い難い。この辺りは、何故このような犯罪が起こったのかという動機が話の中心と割り切った方がよさそうです。

2024年8月19日月曜日

石の繭 殺人分析班 (2015)

麻見和史による小説が原作で、如月塔子と彼女が所属する警視庁捜査一課十一係が活躍するシリーズの第一作目。誉田哲也による「姫川玲子シリーズ」からの「ストロベリーナイト(2010)」と似たようなテイストなんですが、女刑事がまだまだ馴れない新人であるところがポイントです。

WOWWOWがテレビ・ドラマ化し、全5回のシリーズとして放送されました。脚本は「舟を編む(2013)」の渡辺憲作、テレビの推理物が得意な内片輝が監督を務めました。

警視庁捜査一課十一係に新たに配属された新人女性刑事、如月塔子(木村文乃)は主任の鷹野秀昭(青木崇高)の指導を受けることになります。着任早々、モルタルで固められた死体が発見されという事件が発生します。捜査本部が立ち上がると、トレミーと名乗る人物から警察に電話がかかってくるのです。

トレミーは話しやすい女刑事を出せと言うため、如月が電話に出るのです。彼の予告通り、第2の死体が見つかり、同時に謎の人骨の写真が送られてきました。トレミーはさらに何度も如月を電話に呼び出し、何も見つけられない警察をなじるのです。

警察は過去に未解決となっている母子誘拐事件に注目します。母親は殺され、この事件で如月の父親、如月功刑事は犯人によって重傷を負わされました。この傷も関係して如月功は早世していたのです。そして、二人の被害者がこの事件の犯人ではなかったかという疑いが出てきます。

トレミーは、ついにこの事件で生き残ったこども、八木沼雅人(古川雄輝)ではないかと推定されました。トレミーは事件を解決できなかった警察へ挑戦していると考えられましたが、ついに第三の被害者がでることを予告してきます。トレミーが復讐すべき第三の人物とは・・・!!

いやいや、実によくできたストーリーです。5時間分の映像によって、新人女性刑事の不安と葛藤、なかなか正体がつかめないトレミー、上司として如月を育てようとする鷹野らのさまざまな思いが過不足なく描かれています。

時間的にはこれ以下でも駄目だし、これ以上ではだれてしまいそうなちょうど良いところで、一気に見れる面白さがあります。演技が下手ではない木村文乃ですが、まさに新米で不安たっぷりな様子をたどたどしさでうまく表現しているように思いました。

本来、凶悪犯であるトレミーについても、なかなか表にでるわけではないのに、実に存在感を感じることができるのは古川雄輝の功績かもしれません。豪快で愉快な役回りが多い青木崇高も、ここでは実に落ち着いた演技を見せてくれています。

2024年8月18日日曜日

エアガール (2021)


2014年以降は、理由はわかりませんが、航空業界を舞台にしたドラマや映画はしばらくありませんでした。久しぶりだったのは2019年に放送された「ランウェイ24」です。深夜帯の30分の連続ドラマで、出演者も人気者が出ていないので、ちょいマイナーな存在。「チープ・フライト(2013)」では、かなり誇張して描かれたLCC(格安航空会社)が舞台ですが、こちらはピーチ・アビエーションが全面協力して現実に即したLCCならではの描写がされています。タイトルは24番滑走路のこと。

副操縦士の井上桃子(朝比奈彩)は、恋人で和菓子職人の海野大介(犬飼貴丈)、仲間のCAやディスパッチャー(運行管理者)らとLCCならではの日々を過ごしていました。そこへ前職で問題を起こした副操縦士の香月徹也(白石隼也)が転入してきたことで、いろいろと波風が立つ中で成長していくという、実にストレートな内容ですが、大手航空会社との違いが分かりやすい内容です。

同じく2019年にはスペシャル・ドラマ「FLY! BOYS, FLY! 僕たち、CAはじめました」があります。こちらもLCCのジェットスター・ジャパンが協力しました。CAを目指す訓練生(永瀬廉、北村匠海ら)は男性、新人パイロットを目指すのは女性(黒島結菜)となっていて、今までのパターンを逆転させているところが目新しい。ただ、正味90分の中にいろいろな要素を詰め込み過ぎで、どれもが中途半端。まるで連続ドラマのダイジェストです。せっかく、男女の立ち位置を変えた意味があまり見えてこないのが残念。

2021年にはスペシャル・ドラマとして登場した「エアガール」があります。珍しいのは、話が古いと言うこと。敗戦後GHQの管理下で日本の飛行機は運用が禁止されていましたが、1951年に禁止解除となり、ついに日本航空株式会社が発足しました。10月25日にアメリカからリースした「もく星号」が、初めての旅客機として運用が始まります。その際に募集した、日本初の客室乗務員、「エアガール」を主役にして、日本の空を取り戻すべく奮闘する人々を事実に基づいたフィクションとして描きました。

飛行機が大好きでパイロットになることを夢見ていた佐野小鞠(広瀬すず)は、日本航空エアガール一期生の募集に応募し、自前の明るさと熱意によって難関を勝ち抜いて合格します。日本の空を取り返すべく粘り強くGHQや政府と交渉にあたる松木(吉岡秀隆)、初代社長になる柳沢(田中哲司)、そしてパイロットを目指す三島(坂口健太郎)らと共に、エアガールたちも多くの困難に立ち向かうのです。

半分フィクションだとしても、日本の民間航空事業の開拓者たちの努力があってこそ、今の空の自由があるわけですし、敗戦後の日本を復興させた力の一端を垣間見ることができる作品に仕上がっています。正味100分程度ですが、もっと時間を足して映画として仕上げてもいいくらいのクオリティがあるように思います。残念ながらDVD等は未発売ですが、Amazon Prime Videoなどで視聴することができます。

最後に紹介するのは2022年放送の「NICE FLIGHT!」です。協力はJALで、副操縦士と管制官との恋という、こちらもこれまでなかったパターンですが、ストーリー展開はよくあるものです。副操縦士の倉田粋(玉森裕太)は、飛行中に羽田の管制官である渋谷真夢(中村アン)の声に「一聞き惚れ」してしまいます。しばしば機長の喜多見(吉瀬美智子)と組むことが多く、整備士でシングルファザーの酒木(尾上右近)、CAの飯塚(黒川智花)らの仲間に囲まれている。

粋は誰にでも優しく人気者ですが、相手を悲しませないために優柔不断なところがある。真夢は、冷静沈着で感情を表に出さず口数も少ない。次第に距離を縮めていくむずキュンな二人ですが、まぁいろいろと起こるわけです、ドラマですから。飛行機物好きとしては、久しぶりに管制官が日の目を見るので、単純に楽しいことは間違いない。

飛行機物と言っても、さすがにパターンはいろいろですが、基本は夢を実現するために頑張るというのはほぼ共通しています。もっとも、そこがいいんですけど。これからも、見つけたら見逃さないようにしたいと思います。

2024年8月17日土曜日

ミス・パイロット (2013)

飛行機物のドラマや映画は大好きというのは、これまでにも何度かブログにも書きましたが、たぶんその原点は1970年のテレビ・ドラマ「アテンション・プリーズ」です。紀比呂子演じる新米スチュワーデスの成長物語。担当教官は「ウルトラQ」の佐原健二でした。2006年に上戸彩主演でリメイクされていますが、そっちは見ていません。

その頃のこどもがなりたい職業は「野球選手」、「飛行機のパイロット・スチュワーデス」が必ず一位争いをしている時代。このドラマの影響も少なくなかっただろうと想像します。1983年の堀ちえみ主演の「スチュワーデス物語」も主人公を比喩する「どじでのろまな亀」というセリフと共に大ヒットしましたが、陰湿ないじめのシーンも多く好きじゃないためほぼ見ていない。これらはすべて「日本の翼」として輝いていた日本航空(JALが協力しています。

1978年に「大空港」という鶴田浩二・中村雅俊主演で、空港警察の話がありました。空港を舞台としていますが、基本的に刑事物であり、ちょっと対象外という感じ。1992年に続編としてキャストを一新して「大空港'92」、さらに1994年に続編の「新空港物語」が放送されましたが、こちらも犯罪物です。


次に航空業界への就職希望者の増加に寄与したのが2003年の木村拓哉主演の「GOOD LUCK!!」で、全日空(ANA)が全面協力しました。苦労して副操縦士となった主人公が航空整備士の女性(柴咲コウ)との恋を温めながら、怪我を乗り越えてパイロットに復帰する話。当時は毎回30%近い視聴率で、特に最終回は37.6%という驚異的な人気となりました。

2008年に公開された映画「ハッピーフライト」は、飛行機が飛ぶことに関わる全ての職業に注目した矢口史靖監督の傑作。パイロットは時任三郎、田辺誠一、CA(この頃はスチュワーデスと呼ばなくなりました)は綾瀬はるか、寺島しのぶ、グランドスタッフは田畑智子、平岩紙、オペレーションセンターは岸部一徳、整備士は田中哲司といった面々が、無事に飛行機を飛ばすために奮闘します。

あらためて興味を強く持ったのがANA協力の2011年の「TOKYOコントロール」でした。きっかけはテレビで世界初の3D放送というところ。たまたま買ったテレビが3D対応で、是非この新しい技術を体験したかったから。主役は航空管制官で、しかも飛行場ではなく所沢の東京航空管制部が舞台。演じるのは時任三郎、清水美沙、川原亜矢子ら。レーダー画面だけで、飛行機の運行をしっかりコントロールするというところが興味をかき立てます。

翌2012年、「TOKYOコントロール」の続編的な「TOKYOエアポート~東京空港管制保安部」が放送されました。こちらも協力はANA。今回の舞台は羽田空港の管制塔。前作から同じ俳優がスライドし、そこへ新米管制官の深田恭子が成長していく話となっています。副操縦士になったものの怪我で飛行機に乗れなくなった恋人の話が絡めてあり、前作より一般向けかもしれません。

2013年は航空物の大豊作の年。1月の「あぽやん~走る国際空港」は、成田空港内の旅行代理店でおこる様々なトラブルを解決するためセンダー(案内係)の伊藤淳史が走り回るというもの。4月は「空飛ぶ広報室」があります。こちらは自衛隊の全面協力により、航空自衛隊広報室が舞台。事故によりパイロットを外された綾野剛と、テレビ局から取材に来た勝気な新垣結衣とが衝突しながら再生していく話。とは言え、どちらも飛行機物としてはちょっとフラストレーションを感じます。

この年の本命は10月からの「ミス・パイロット」です。自社養成パイロットに採用された堀北真希がライバルの相武紗季らと供に、教官の斎藤工、岩城滉一のもと資格をとるまでの成長のストーリー。何も知らない一般人が副操縦士として飛行機を操縦するまでを描くと言うのは、今までになかったパターンです。

職業根性ドラマなので、真っ直ぐな主人公が様々な問題をクリアしつつ頑張るわけで、恋愛要素は基本的にありません。ANA協力で、実際の教育課程に沿った単発機操縦訓練や、フライトシミュレーター訓練などが描かれているのが見所になっています。それにしても、女性がパイロットを目指すと言うのは時代の変化が感じられますね。

さらにこの年、竹内結子主演で2つのスペシャル・ドラマが放送されました。3月に放送されたのが「チープ・フライト」で、大手航空会社CAの竹内結子が、突然に子会社として立ち上がったLCC(格安航空会社)に出向となり、初出航に向けて新米CAを取りまとめていくドタバタコメディ。LCCが取り上げられると言うのも時代の流れです。年末に放送されたのが「大空港2013」で、舞台は松本空港。脚本・監督は三谷幸喜。竹内結子はグランドスタッフで、訳アリの乗客が巻き起こす出発までの三谷作品らしい大騒ぎを描きます。

ここまでで、他にもあるとは思いますが、少なくともたいがいの人が覚えている物は網羅されていると思いますが、長くなってきたので今回はこの辺で・・・

2024年8月16日金曜日

ちょこっと京都に住んでみた。 (2019,22)

テレビ大阪制作、2019年の年末スペシャル・ドラマとして「観光地に一切行かない京都案内」をコンセプトに放送されました。それが好評だったため、30分ドラマとして2022年夏に続編が全6回で放送されました。

監督は吉見拓真、脚本は横幕智裕で、出演者は基本的に木村文乃と京都出身の近藤正臣の二人だけ。町で出会う人々は、京都の一般の方が登場して、京都人しか知らない京都をドキュメンタリー的に紹介するという流れになっています。

江東佳奈(木村文乃)は東京で仕事がうまくいかず落ち込んでいたところ、京都に住む叔父の大賀茂(近藤正臣)が怪我をしたという知らせで、家のことを手伝うため京都にやってきました。

典型的な京町屋に一人住まいの茂は、怪我はたいしたことはなかったのですが、せっかく来た佳奈にいろいろとお使いを頼むのでした。いろいろな店に自転車で走り回っているうちに、佳奈は古くて新しい京都の魅力を発見し楽しくなります。

佳奈は、慣れてくると自分から行ってみたい店を茂に尋ねるのでしたが、茂は「行きたいところは自分で探して、自分の直感を信じて入ること」と言うのです。そうやって5日間を京都で過ごすうちに、佳奈はくよくよしていた心が晴れてちょっとだけ大人になった気持ちになるのでした。

その後、再びやりたい仕事を見つけた佳奈は、長期の大阪出張のため再び京都を訪れ、茂の家に泊めてもらうことします。今回は、茂の若い友人である古バイク店主の小山(古舘寛治)やデザイナーの吉田(玉置玲央)にも京都を案内してもらいます。

佳奈は大阪に住む親友の結(徳永えり)の結婚式に出ることになっていたのですが、それが寂しいことだと思い素直に喜べない自分がいたのです。茂にそのまま伝えれば良いと言われた佳奈は、結にその気持ちを伝え、結も同じに感じたことがあると言い、気持ちが楽になるのでした。

茂も何十年も前に誤解から別れてしまった友人(桜木健一)がいることを思い出し、思い切って合いに出かけます。そして、素直な気持ちを伝えることで、再び友情を取り戻すのです。佳奈は寂しさは否定的な感情ではないことを知り、再びちょっとだけ大人になることができたのです。

ストーリーは大したことはありませんが、まさにゆったりとした時間の中で、時には時が止まったかのような感覚になるドラマ、と言うか京都案内。時には木村文乃が素で発見を喜ぶようなところが楽しくなります。

スーパーで一度で終わらせない、食べ物でも雑貨でも一つ一つにこだわり、お気に入りの店を見つけていく京都の暮らしぶりみたいなものが伝わってきます。もちろん、京都であっても変わってきた部分はたくさんあるのですが、その新しい物も「京都」というイメージの中に取り込んでしまうような大きな包容力みたいなものも感じられます。

昭和人として嬉しくなったのは、茂と旧友の話。「柔道一直線」は、桜木健一と近藤正臣の名前が知られるようになったきっかけのこども向きスポ根ドラマ(1969~1971)。二人の共演はそれ以来半世紀ぶりという、なかなかおじさんの心をくすぐる仕掛けでした。

2024年8月15日木曜日

全開ガール (2011)

まだまだ「月9」と云えば、作る側も見る側もありがたがっていた頃のフジテレビの連続ドラマ。「岳-ガク- (2011)」、「君の膵臓をたべたい(2017)」、「四月になれば彼女は(2024)」などのヒット・メーカーである吉田智子のオリジナル脚本です。「のだめカンタービレ」シリーズ、「テルマエ・ロマエ」シリーズ、そして最新作「はたらく細胞(2024)」も期待される武内英樹監督がメインの演出を行っています。

主演の新垣結衣は、地上波連続ドラマ初主演。当時は関ジャニ∞で、俳優としても頭角を現していた錦戸亮が共演。「強い男と弱い女」という既成概念を逆転させ、子育て、イクメンといったいかにも21世紀らしい社会事情を反映させたラブ・コメで、「ムズキュン」という形容で話題になった新垣結衣の「逃げるは恥だが役に立つ(2016)」よりも、さらに上を行くむずむず感を味わえるドラマです。

主人公の鮎川若葉(新垣結衣)は、母を早くに無くし父の手一つで育てられ、極貧生活の中で必死に勉学に励みセレブになることを目標に弁護士資格を獲得しました。その輝かしき船出となる外資系法律事務所に就職が決まった途端に、事務所が日本撤退し失職。かわって鮫島桜川事務所に頼み込むと、条件付きで即日採用。その条件とは、所長の桜川昇子(薬師丸ひろ子)の5歳の娘、超生意気な日向(谷花音)のベビーシッターをすることでした。

保育園での日向の大の仲良しは山田笑太郎(高木星来)で、父親は居酒屋の料理人、山田草太(錦戸亮)です。草太は結婚したリリカ(浅見れいな)の連れ子で、リリカはダンサーになるためアッと言う間に草太と笑太郎を捨ててニューヨークに行ってしまい離婚しました。それでも、草太は笑太郎を本物の父親以上に育てようと日々努力していました。

のし上がって金と地位を得るためには、ベビーシッターでも一度引き受けた仕事は完璧にこなすと言い切る若葉と、他人に合わせてどんなことでも受け入れてしまう草太はこどもたちを介して次第に惹かれ合うのですが、若葉は自分の高い目標とはほど遠い草太を「だんご虫」と呼び徹底的に頭の中から排除しようとします。一方、草太も悪く言えば優柔不断で、他人の幸せのためならすぐ身を引いてしまうため、若葉への想いを態度にも口にも出せないのでした。

という、まさにむずむずキュンキュンする毎週のエピソードの連続。さすがに、何か事あるごとに、それぞれが相手をあきらめるしかないようなシーンを聞いたり見たりするのは、3か月間の放送期間を埋めるための引き延ばし的な部分はあると思うのですが、視聴者も毎週拍手したりため息をついたりして楽しむポイントは心得ています。

昇子の秘書で草太に積極的にアプローチする汐田そよ子(蓮佛美沙子)、資産家令息で事務所一の切れ者で、まさに若葉の目指す結婚相手に相応しい新堂響一(平山浩行)が恋のライバルとして登場します。草太のイクメン仲間として西野(鈴木亮平)、林(荒川良々)、鶏井(皆川猿時)ら、そしてこどもたちの通う保育園の園長(竹内力也)とその妹(皆藤愛子)が幕間を埋めています。

ラブ・コメですから、当然落としどころは最初から決まっているわけてすが、最終回のぎりぎりまで向きたいけど反対を向く二人がついに・・・という展開は唐突過ぎる感じは否めません。男性の育児の諸事情についても、いろいろ現実を詰め込んではいますが、あまりそこを掘り下げるというところまではいっていない。あくまでもコメディとしてのドタバタ的要素で終わっているのはもったいない。

少なくとも、よくある恋愛物の殻を破ろうとした内容であることは間違いありません。そういう意味では「月9」としては異色の出来かもしれませんが、結果として新垣結衣の魅力を引き出した作品という意味では評価できるように思います。

2024年8月14日水曜日

スティックセニョール


スティックセニョール・・・別名「スティックブロッコリー」と呼ばれる野菜。

横浜市都筑区に本拠地があるサカタのタネが、中国野菜のカイランとブロッコリーから作ったもの。

通常のブロッコリーよりも、茎が細長く伸びて花芽は小さい。

確かに、つまんでお好みのドレッシングにポチョンとつけて食べるのに丁度良い感じ。食べやすさは◎です。

味は・・・美味しい。けど、ほぼブロッコリーですね。

2024年8月13日火曜日

サラダ担々麵


何だかてんこ盛りですごいことになっていますが、これは野菜が多いから。

基本は「サラダ」と言うからには野菜がメインなのでしょうがない。一番下にレタス1/3個の細切り、次にキュウリ1本の薄切り。太麺2食分をはさんで、鶏ムネ肉1枚分のひき肉、そして最後に長ネギ1本分という大盤振る舞いです。

最初のポイントは麺。実はこれ、インスタントです。マルちゃんの「正麺」の味噌味の麺を使っています。この麺は、インスタントとは思えない、普通の生麺と遜色がない味と食感があります。

そして、最大のポイントは坦々の肉のところ。ムネ肉1枚を薄切りにして、さらに細かく切って、自家製ひき肉にしました。この方が、肉の断面が空気に触れている時間が少なく、ぱさつきのない滑らかな食感が残ります。

ごま油で肉を炒めて火を通したら、味付けをします。ニンニク好きなだけ、豆板醤好きなだけ、鷹の爪輪切り好きなだけ、花椒粉好きなだけ、味噌大さじ1、みりん大さじ1、そしてオイスターソースを味をみながら追加していきます。

全体がなじんだら火を止めて、すりごま好きなだけ、煎りごま好きなだけ入れ、ペースト状になるように少しだけ水を加えて混ぜ合わせれば出来上がり。少し熱を冷ましてから麺の上に乗せました。

実に旨い。しかも、罪悪感が少ない。何度でも楽しみたい一品です。

2024年8月12日月曜日

PARIS 2024 オリンピック閉幕


2週間にわたり、世界のアスリートが力を競い合ったオリンピックが閉幕しました。

我が日本は・・・・

何だかんだで選手の皆さん頑張りました。

スポーツは結果がすべてと考える人はいますし、それもある意味真理だと思います。それを端的に表すのがメダルの数。

中国、アメリカ、オーストラリアに次いで、日本は金メダル数は20。金銀銅合わせて45個を獲得という活躍でした。

ただ、結果と同じくらい一つ一つのパフォーマンスも大事な要素であることは否定できません。むしろ、悔しさに涙した選手の方にドラマがある場合も少なくありません。

個人の思いからオリンピックを目指してきたのでしょうが、いざ国を背負って戦うというのは、おそらく想像を絶するプレッシャーだろうと思います。

ですから、すべての選手の方々に拍手を送りたいと思います。本当にご苦労様でした。しっかりと休んだら、また次の挑戦に向けて頑張ってもらいたいものです。


2024年8月11日日曜日

海に降る (2015)

朱野帰子の小説が原作で、WOWWOWがドラマ化したもの。国立の海洋研究開発機構(JAMSTEC)を舞台に、有人深海潜水艦「しんかい6500」のパイロットを目指す女性のストーリー。監督は山本剛義で、JAMSTECが全面協力してリアルな仕上がりになりました。

天谷深雪(有村架純)は、JAMSTECの中でしんかい6500の運行チーム(6Kチーム)の研修中の新人で、優秀なパイロットだった父親の天谷厚志(時任三郎)の遺志でもある「深海の宇宙」を見つけ出すためにパイロットになろうとしていました。

深雪は、初めてのコパイロット(副操縦士)として抜擢されましたが、乗船する直前に厚志が最後の搭乗で撮影したプライベート・ビデオを発見し、そこに映し出された不気味な光景に愕然とします。そして、潜航途中でパニックを起こしたため探査は中止になってしまい、6Kチームから広報部に移動させられてしまいます。

その頃、研究者だった石堂(遠藤憲一)が、民間企業の陣内(竹中直人)と癒着し、国家予算を獲得するために深海の資源に特化した組織にJAMSTECを改変するため理事長に抜擢されます。石堂は、資源開発部門以外を次々と排除し、陣内の企業が開発した無人探査機を導入することでしんかい6500すらも運用を停止しようとします。

深雪は、地質学者の高峰(井上芳雄)に協力してもらいビデオに写っているものが何を示すのかを探ります。広報の先輩、正田(板谷由夏)も事情を聞いて二人に協力することにします。厚志の最後の航海は石堂と、頼れる先輩パイロットである神尾(筒井道隆)が一緒であったこと、そしてその潜航はJAMSTEC内で記録が無く何者かによって隠蔽されていることがわかります。

そして神尾の口から、厚志が亡くなった理由、記録に残されていない探査の目的、そしてビデオの秘密が語られるのです。深雪と高峰は、本来のJAMSTECの姿に戻すため、そして厚志が最後まで追い求めた「深海の宇宙」を解明するために、石堂と陣内と対峙することを決意するのでした。

宇宙を探査するのがJAXA(宇宙航空研究開発機構)であり、深海を研究するのがJAMSTECです。両者は未知の世界を研究する両輪みたいなもの。ドラマに登場する母船よこすかと探査船しんかい6500は、現在も現役で活躍する実物が登場します。

しんかい6500は1989年にしんかい2000の後継機として就航し深度6500mまで潜航が可能で、パイロット、コパイロット、研究者の3名の定員です。現在もほぼ毎月のように調査に出動し、1回の調査で複数回の潜航を行って、多くの研究成果を上げています。

WOWWOWのドラマは5~6話完結が多く、この話も1時間×6回なので、だれることがなくテンポよく展開します。そして、映画の約2時間よりも余裕がある分、ストーリーのベースを丁寧に描くことができるところが、作品の質の向上に大きく役立っていると感じます。

有村架純はまだまだ「駆け出し」の頃で、可愛さ最強時代なんですが、父親の夢を追いかけ謎を解明する大役を無難にこなしています。周囲をベテラン陣が手堅く固めているので、見ていて安心です。地上波テレビ局の製作でないため、あまり知られていませんがなかなかの良作だと思います。

2024年8月10日土曜日

百日紅


暑い時期になると、街路樹や家々の庭などからピンク色の花をたくさんつけた木が目立つようになります。

百日紅(サルスベリ)です。

百日紅の樹皮は、すべすべしたかんじがするため猿も滑り落ちるといういうところから名が付きました。

比較的高いところに花が付くため、たいていは下から見上げることになるんですが、うちに植えてあるのは、手入れを考えて人の身長くらいの高さ。

直接、花を正面から見ることができるところが、ちょっとだけ楽しい。

夏の風物詩として、今年も記録しておきます。

2024年8月9日金曜日

PARIS 2024 問題いろいろ


オリンピックも終盤に入ってきましたが・・・まぁ、頑張っている日本の選手たちの話題で、そこそこ楽しんでいることと思います。

ただ、リアルタイムで観戦しようと思うと、ほとんどが日本では真夜中というのがちょっと残念。それにもまして、今回のオリンピック・・・いろいろ問題があって、熱戦に水を差すところが目立ちます。そもそも本来商業ベースのイベントではなかったオリンピックが、利権にまみれた雰囲気に包まれ鼻白むようになったことは否定できません。

それはともかく、今回のパリ・オリンピックでは、各種競技におけるジャッジの問題がクローズアップされています。日本の男子バスケットボール、男子バレーボール、そして柔道の試合は言うに及ばず、なんとなくもやもやした気持ちになる判定が少なくない。

スポーツですから、ルールにのっとって競技が行われるのは当然のことで、そのルールが守られているかを判断するのが審判の方々。どんなスポーツでも誤審は昔からつきものですが、審判も多くの努力と経験から公明正大な判断を下していると考えるのが基本原則。

しかし、ビデオが普及し、時には電子センサーが導入された今の時代では、人間の感覚器ではとらえられない瞬間がいくらでもあることが露呈しています。さらにSNSなどのネット社会となると、時には根拠のない個人の意見がいくらでも拡散し、審判の方々もさぞかし苦しい立場にあることは容易に想像できます。

しかし、審判は絶対であるとかたくなに考えず、誰もが少しでも納得できるようなシステムを導入しないと、このような時代の中では通用しなくなってきている。もちろん、自分についても、一つ一つの判定を正しいとも間違っているとも判断するだけの経験も知識もありませんが、選手だけでなく我々も素直に競技が終了したあとには相手側にリスペクトできることが大事だと思います。

日本では体操女子の直前のメンバー更迭から始まりましたが、他の国にも似たような話が持ち上がっています。また、中国の卓球選手のように大事なラケットを壊されてしまうという事件も起こりました。水質汚染が心配されるセーヌ川で行われたトライアスロン選手が、体調を崩したという心配な話もあります。開会式のパフォーマンスに対して、バチカンから暗に批判が起こっているというのも残念なニュース。

東京2020でもいろいろな問題が噴出していましたが、オリンピック全体の運営そのものにも、改善すべき問題が山積みのような感じがします。もはや4年ごとでは、次の大会も変われるはずもなく、10年ごとくらいにでもしないと答えはでないかもしれません。オリンピックを目指して切磋琢磨しているアスリートには申し訳ありませんが、目標としてのランクは下げてもいいのかもと思ってしまいます。

2024年8月8日木曜日

患者さまと患者さん


21世紀になって医療機関が変わったことの一つに、受診した方の呼び方があります。

患者(patient)は、診療を受けるために病院などに訪れた人のことですが、医療を提供する側からは、一般に「患者さん」と言い、名前で「××さん」と呼ぶのが慣例になっていたのは20世紀の話。

様付けは、厚労省がよりよい医療サービスのために「患者さま」、「××さま」とすることが望ましいという指針みたいなものを出して、国公立施設から広まったものです。

同じころに、「個人情報」が問題となり名前すら呼んではいけないという風潮も相まって、番号で呼び出す病院も出てきたものです。

最近、「患者さま」呼びをやめる病院が増えているそうです。その理由は・・・「カスハラ」らしい。カスタマー・ハラスメントは、最近はいろいろなサービス業で問題となっており、度を越した対応を求める人に苦慮する話がいろいろと伝わってきます。

病院でも同じで、そういう人がしばしば業務を著しく妨害することになり、ある程度毅然とした態度で接することが必要だという意見が増えているのだそうです。時代だな、と簡単に片づけるわけにはいかない難しい問題です。

ちなみにうちのクリニックでは、開院当初からあえて様付けはしませんでした。呼び方は「苗字+さん」をずっと使い続けています。

理由は、医療を提供する側と受ける側は、どっちが上ということは無いと思っているから。ですから「お医者さま」と呼ばれることも嫌なので、「先生」呼びで十分です。これまでにカスハラと呼べるような事態は数回ありましたが、特別な対策をしないといけないほどとは認識していません。

時代が変わって、いろいろな常識が変わるのは当然ではありますが、ハラスメントが増えた、そして何でもハラスメントと呼んでしまう風潮は、どこかで「何かが違う」気持ちを持っています。

2024年8月7日水曜日

ガパオ


タイ料理は・・・あまり詳しくはないので、レパートリー少ないんです。タイカレーはよく作りますが、タイカレーの素が必須なのであまり自慢はできません。

もう一つ、有名なタイ料理にガパオライスがあります。こちらも、これまでは素を使用していたのですが、ちょっとしたヒントで実に簡単に本格的なものが作れることがわかり、けっこうはまっています。

ヒントになったのは、テレビの某スーパーのプライベート・ブランドの紹介でした。中身のガパオはタイ現地で作られているそうです。

必要な材料は、鶏ひき肉、バジルの葉。調味料はニンニク、鷹の爪、オイスター・ソース、ナンプラー。以上です。

鶏肉はムネ肉でもモモ肉でもいいんですが、やはりモモの方がジューシー感は出ます。今回は、モモ肉をチョイスしたので、罪悪感を減らすために同量の大豆ミートを合わせて使いました。大豆ミートはバラバラになりやすいので、モモ肉としっかりこねて絡めます。

バシルの葉はたくさん入れていいんですが、値も張るので財布と相談で決めます。いっそのこと、比較的簡単に栽培できますから、プランターで育ててもいいかもしれません。

まずはフライパンで肉を炒めます。多少かたまり感があるくらいが良いと思いますので、バラバラにし過ぎないようにします。ある程度火が通ったら、ざく切りにしたバジルと好きなだけニンニクを入れます。

そして好きなだけ鷹の爪、好きなだけオイスター・ソースとナンプラーをかけまわし水分がある程度飛ぶまで炒め続ければ出来上がり。ちなみに白いのはゆで卵。熱湯に冷蔵庫から出したばかりの生卵を8分間ボイルして、黄身がちょっと固まるくらいにしたもので、ガパオの付け合わせにします。

御飯にかけてもいいし、レタスなどで包んで食べるのもおすすめ。めちゃめちゃうまい。暑い夏を乗り切るのにも最適です。

2024年8月6日火曜日

屍人荘の殺人 (2019)

新感覚ミステリー映画です。何が新感覚なのかと言うと・・・殺されるべき被害者がいて、動機を持った犯人がいて、そして何とゾンビが出てきて囲まれることで密室殺人の形を作ると言うところが目新しい。

原作は今村昌弘のベストセラー推理小説で、監督は木村ひさし、脚本は蒔田光治で、二人とも主としてテレビで活躍しています。原作は、その後シリーズ化されているので、映画も続きが作られるかもしれません。

神紅大学の学生でミステリー愛好会の会長、明智恭介(中村倫也)と部員の葉村譲(神木隆之介)は、ホームズとワトソン気取りで、学校内の謎に首を突っ込んでいました。そこへ、実際に警察が手を焼く難事件を解決したことがある剣崎比留子(浜辺美波)が、二人をロックフェス研の夏合宿についてきて欲しいと頼みました。

ロックフェスが行われる会場の近くに先輩の七宮(柄本時生)の別荘、紫湛荘があり、毎年そこで合宿・・・と言っても、フェスを楽しんで飲み食いする集まりがあるのですが、昨年、女子部員が合宿の最中に行方不明になっていたのです。そこへ「今年の生贄は誰だ?」という脅迫状が届いたため、その真相を探るための依頼でした。

しかし、フェスの会場では何者かによってウィルスがばらまかれ、集まった人々は次々にゾンビ化していったのです。ロックフェス研のメンバー、葉村、剣崎らは何とか紫湛荘に立てこもりますが、明智はゾンビに襲われてしまうのでした。

そして、周囲をゾンビが取り囲み、どこにも逃げようがない状況で、紫湛荘の中で連続殺人事件が発生するのでした。葉村は剣崎に協力して、事件の捜査を開始するのでしたが、ゾンビは扉を破って侵入し、彼らの運命は風前の灯火となってしまうのです。

そもそもゾンビが出てくる時点で、ミステリーとしてはギャグみたいなもので、実際映画もコメディ要素がたくさん入れ込んであります。家の外に出れない状況を作れば、その理由は嵐でも孤島でも何でもいいんですが、ここではゾンビを殺人の道具としても都合よく利用している。

そのかわりといっては何ですが、トリックとしてはあまり謎に満ちたものは使われないし、その謎を解くためのヒントも親切に提示しているとも言いにくいところがあります。主演級の中村倫也も早々に退場してしまい、実質的には神木と浜辺の掛け合いを楽しむ作品で、まぁ浜辺美波ファンの方向けという感じでしょうか。

2024年8月5日月曜日

ホムンクルス (2021)

Netflixの映画。山本英夫の漫画が原作で、ホラー映画専門みたいな清水崇が監督。例によって原作は未読ですが、映画はなかなかハードな仕上がり。精神世界に関する内容で、ボーっと見ていると、何が何だかよくわからない。

新宿の公園で車を根城にホームレス生活をしている名越進(綾野剛)は、以前の記憶が無く毎日を死んだように生きている。ある日、伊藤学(成田凌)というパンクな格好をした若者が近づいてきて、生きる目的が生まれるバイトをしないかと持ち掛けてきます。

あまりのしつこさに、名越は伊藤の部屋を訪れ、伊藤が父親が経営する大病院の研修医でると知ります。伊藤は名越に対して、前頭部に穴をあけ脳の圧を開放すると新しい能力が獲得できるトレバネーションを行います。すると、左目だけで見ると、他人の深層心理が具現化した像、ホムンクルスが見えるようになるのでした。

町で絡まれたヤクザの組長(内野聖陽)を左目で見ると、大きなロボットの中に埋もれていて鎌を持つ様子が見えます。組長はこどものときにともだちとロボットのおもちゃを巡って喧嘩になり、たまたまあった鎌でともだちが小指を切断してしまったのでした。組長はその時に謝らなかったことが、ずっとトラウマになっていたのです。しかし、名越にそのことを指摘され謝ることができたおかげで、トラウマから解放されホムンクルスは消失しました。

全身が砂になってしまうホムンクルスを持つ女子高校生のユカリ(石井杏奈)は、両親からの厳しい制約と日常のマニュアルに縛られた生活に苦しんでいました。名越に心を見透かされたユカリは、母親に反抗することができるようになり、彼女のホムンクルスも消失するのです。

他人のホムンクルスを消すたびに、名越本人が記憶を無くした原因、つまり名越自身のホムンクルスも少しずつ実態を現わしてきます。偶然見つけた赤い服を着た顔が無い女性のホムンクルスが、かつての恋人奈々子(岸井ゆきの)であることに気がついた名越は、自分の本当の家を思い出し、奈々子を連れて行くのです。しかし、奈々子の額にもトレバネーションの痕を見つけた名越は、伊藤に問いただすため彼の部屋に向かうのでした。

いわゆるホラー映画ではなく、サイコティック・スリラーとでも呼べばいいのかもしれません。とにかく綾野剛の狂気をはらんだ熱演には拍手を送ります。その狂気の裏返しになっているのが成田凌で、こちらも負けずの熱演です。

ただ、ストーリーが難解で、おそらく意図的に説明をしない作りのようなので、なかなか状況が理解しにくい。説明が少ない中で登場人物のセリフが抽象的なので、なおさら難しく感じます。とはいえ、何となく最後まで見れちゃう面白さはありました。

2024年8月4日日曜日

逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!! (2021)

「逃げるは恥だが役に立つ」は、海野つなみのマンガが原作で、2016年にTBSのテレビ・ドラマとして放送され、主題歌による「恋ダンス」と共に大人気となったことは記憶に新しいところ。原作のエッセンスを損なうことなく練り上げた野木亜紀子の脚本により、見事に登場人物のキャラクターが際立ちました。それをテンポよく映像として定着させた土井裕泰、石井康晴の演出も冴えを見せていたと思います。

そして、2020年に主役の森山みくり(新垣結衣)と津崎平匡(星野源)の事実婚のその後を描くスペシャルドラマの計画が立ち上がりました。連続ドラマではラブコメな内容にも関わらず、「労働としての家事」、「主婦という職業の対価」、そして「変わってきた結婚観」などを掘り下げ社会派ドラマの側面をしっかりと描いたことが評価されました。新作では、「夫婦別姓」、「育休に対する批判的な見方」、「広がるイクメン」といった新たな問題点を掘り下げる内容。

ところが2020年初頭に始まったコロナ禍はエンターテインメントの世界にも重大な影響を及ぼしたわけで、多くのドラマが中断したり、短期で終了したりしたのはご存じの通り。ドラマ・スタッフは、この今を生きる我々が初めて経験するパンデミックに対して、委縮するのではなく、むしろ立ち向かって行こうという応援歌としてオリジナル・ストーリーを大幅に追加することで、渦中に作られたドラマとしての存在意義を高めることに成功したと思います。

後から振り返って物事を整理してまとめ上げることは簡単とは言いませんが、このスペシャルドラマの凄いと感じるところは、リアルタイムで進行中のコロナ禍のいろいろな影響を的確に拾い上げているところ。「ガンバレ人類!」というサブタイトルはジョークではなく、スタッフ・キャストからの本気のメッセージであったことが、ひしひしと伝わってきます。

もう過去の話というように忘れてしまったような風潮も見受けられますが、コロナ禍は完全に終息したわけではなく、あくまでも重症化するリスクが軽減しただけで、現在も感染者数は再び増加しているというニュースが伝わってきます。あの時、誰もがどれだけ苦しい思いをしたかを忘れないことは大切ですし、今あらためてこのドラマを見返してみることはとても意味があると感じました。

2024年8月3日土曜日

ホログラム


ギリシャ語で 、「全部」とか「完全」といういう意味の「ホロ」と「記録」という意味の「グラム」を合わせた言葉が「ホログラム」。つまり3次元的な画像を2次元に再現する技術のこと。

考えてみると、商品券とかクレジットカードとかにずいぶんと前からついていました。ただし、小さい上に、何と説明できない模様でしたから、あまり意識することはありませんでした。

7月3日に新登場した日本銀行券、つまり新札にはこのホログラムの技術が使われ、それぞれの人物の立体画像が印刷されています・・・というだけの話・・・

なぜか千円札の北里さんだけ大きい。何で? という疑問は横に置いておいて、お札をいろいろな方向から見てみると、顔の向きが変わるのがわかります。

ふ~ん、という感じなんですが、絵としては小さくて見づらい。これを偽造するとはかなり難しいので偽札防止には効果的らしいので、本物かどうか確認する大事なポイントになるようです。

新札が手に入ったら、一度はじっくりと眺めておいた方がよさそうですね。

2024年8月2日金曜日

宇宙人のあいつ (2023)

映画の情報は、今までWikipediaでたいたいのことはわかるので、古い物でも困ったことは無い。これ、初めてかもしれない・・・って、この映画は新しいのにWikipediaに載っていないんです。何でやろ?

ということは、横に置いておいて、タイトルからしてSFコメディなんですが、この映画はどちらかといえば家族愛を歌い上げる人間愛のドラマ・・・でいいかも。監督と脚本は飯塚健。何しろキャスティングが面白い。

四国の海沿いの道路に面した焼肉店を営む4人兄弟が主役。両親は昔に亡くなっていて、親代わりに兄弟の面倒を見てきたのが、長男の真田夢二(日村勇紀)、飄々とした次男は真田日出男(中村倫也)、DV男と離れられない長女は真田想乃(伊藤紗莉)、そしてちょっとひ弱な末っ子は真田詩文(柄本時生)です。

さて、ストーリーは奇想天外な始まり方。突然、日出男が「実は僕は土星から来た宇宙人なんです」とカミングアウト。土星時間では1年間ですが、地球時間では何と23年の間一緒に暮らしてきたのに、急にそんなこと言われても納得できるわけがない。しかし、様々な証拠を見せられ、信じるしかなくなります。

日出男は、土星から地球の「家族」というものを研究するために派遣されたのですが、あと地球時間で1か月後に任期が終わり土星に帰らないといけないと言うのです。兄弟はそれぞれにいろいろな悩みをかかえていたのですが、日出男はちょっとずつ超能力を使って問題を解決する手伝いを始めます。

日出男本人も大きな悩みがありました。実は、土星に誰かを連れて行かないといけないという使命があったのです。しかし、日出男にも、家族の温かさ、辛さ、楽しさ、いろいろなことが理解できていたのです。

冒頭。焼肉屋の店をものすごい勢いで飛び出して、何かが空に駆け上がっていくシーンから始まるんですが、これは土星に帰る日出男なわけです。結局、なんでこんなったかという話が始まるんですが、さすがに宇宙人登場という突拍子もない話なんで、少しでも話に入りやすくするためのシーンだとは思いますが・・・ちょっと無駄な演出という感じ。

ただ、主役4人の怪演もあって、本編はなかなか見応えがある仕上がり。特にバナナマン日村が、けっこう頑張っています。この数年、注目度が高い伊藤紗莉も、ここでもなかなか味がある演技を見せています。

そういう意味では、俳優に助けられている映画という印象ですが、まぁ、一度はチャンスがあったら見てもいいという感じの作品でした。

2024年8月1日木曜日

セブンのおにぎり 44


ちょい、久しぶりの新作登場です。

それも、何だこりゃ?! と思わず口に出しそうになった、かなり攻めまくったおにぎりです。

タイトルは「どーんとおむすび のり弁」です。

そうです。コンビニ弁当の定番、海苔弁当を一つにまとめてしまったというもの。

値段も250円と高めですが、大きさもBIG。横から見ると、具材をサンドイッチ状にご飯で挟んで、厚みが通常サイズの倍くらいありそう。

間にあるのは、竹輪の磯部揚げ、白身魚のフライがメイン。ちなみに白身魚はホキを使用しています。間を埋めているのが、辛子明太子とタルタルソース、味付け鰹節。

確かにこれだけ入っていると、まるでのり弁を食べているみたいです。特に不味いこともありませんが、それ以上でもありません。

のり弁好きという人は、十分に満足が得られそうですが、のり弁にしては海苔の量が少なくないか? と思うのは、弁当版と同じです。