2010年の連続ドラマで、「超能力」を持ったスペック・ホルダーたちが起こす犯罪を個別に解決してきた警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係に所属する当麻紗綾(戸田恵梨香)と瀬文焚流(加瀬亮)でしたが、最終回は謎多き終わりを迎えました。
ネタばれ無しで話を進めるのはすごく難しい。もう10年以上経ちますから、ある程度興味のある人はだいたいの内容は知っていると思いますので、最小限のばらしはお許しいただきたい。
さて、スペック・ホルダーたちの能力は、世界を支配する者たちからすると、怖れるべきものであると同時に、利用すべき価値が高いということ。日本でも、実はだいぶ前からスペック・ホルダーの存在が知られていて警視庁公安部公安第零課が、彼らを拉致監禁してその存在を世間から隠していたのです。
この「翔」は、連続ドラマの最終回、癸(起)の回の1年後の描くスペシャル・ドラマ。直後に公開される劇場版にさらに続く構成です。ここでは、最終回の謎が解明され、その結果、当麻自身も強力なスペックを持っていることが明らかにされます。
そして、裏で世界の動向を決定し支配している秘密結社の存在が明らかになり、彼らが有益ではないスペック・ホルダーを抹殺するための「シンプル・プラン」を発動しようとしていることがわかります。
スペック・ホルダーは、体制側に従属するグループと、それに対抗するグループに分かれて、お互いに自陣営へ引き込もうとする抗争が始まっていました。体制側グループは、対抗勢力グループの抹殺に乗り出し、ついに公安第零課のスペック・ホルダー隔離施設に潜入し殺戮を画策するのでした。
当麻がスペック・ホルダーであったことから、当麻と瀬文の距離が離れてしまうのですが、当麻がスペックがあることに苦しみ、そして刑事としての覚悟がわかると二人は仲間としてより固い結束のもと協力するのです。
というわけで、スタッフ、キャストは連続ドラマと同じで、いよいよストーリーの本題が見え始めてくる内容です。もはや、超能力者の犯罪を解決する警察ドラマではなく、人類の存続にかかわる壮大なストーリーの幕開けとなります。