2024年8月2日金曜日

宇宙人のあいつ (2023)

映画の情報は、今までWikipediaでたいたいのことはわかるので、古い物でも困ったことは無い。これ、初めてかもしれない・・・って、この映画は新しいのにWikipediaに載っていないんです。何でやろ?

ということは、横に置いておいて、タイトルからしてSFコメディなんですが、この映画はどちらかといえば家族愛を歌い上げる人間愛のドラマ・・・でいいかも。監督と脚本は飯塚健。何しろキャスティングが面白い。

四国の海沿いの道路に面した焼肉店を営む4人兄弟が主役。両親は昔に亡くなっていて、親代わりに兄弟の面倒を見てきたのが、長男の真田夢二(日村勇紀)、飄々とした次男は真田日出男(中村倫也)、DV男と離れられない長女は真田想乃(伊藤紗莉)、そしてちょっとひ弱な末っ子は真田詩文(柄本時生)です。

さて、ストーリーは奇想天外な始まり方。突然、日出男が「実は僕は土星から来た宇宙人なんです」とカミングアウト。土星時間では1年間ですが、地球時間では何と23年の間一緒に暮らしてきたのに、急にそんなこと言われても納得できるわけがない。しかし、様々な証拠を見せられ、信じるしかなくなります。

日出男は、土星から地球の「家族」というものを研究するために派遣されたのですが、あと地球時間で1か月後に任期が終わり土星に帰らないといけないと言うのです。兄弟はそれぞれにいろいろな悩みをかかえていたのですが、日出男はちょっとずつ超能力を使って問題を解決する手伝いを始めます。

日出男本人も大きな悩みがありました。実は、土星に誰かを連れて行かないといけないという使命があったのです。しかし、日出男にも、家族の温かさ、辛さ、楽しさ、いろいろなことが理解できていたのです。

冒頭。焼肉屋の店をものすごい勢いで飛び出して、何かが空に駆け上がっていくシーンから始まるんですが、これは土星に帰る日出男なわけです。結局、なんでこんなったかという話が始まるんですが、さすがに宇宙人登場という突拍子もない話なんで、少しでも話に入りやすくするためのシーンだとは思いますが・・・ちょっと無駄な演出という感じ。

ただ、主役4人の怪演もあって、本編はなかなか見応えがある仕上がり。特にバナナマン日村が、けっこう頑張っています。この数年、注目度が高い伊藤紗莉も、ここでもなかなか味がある演技を見せています。

そういう意味では、俳優に助けられている映画という印象ですが、まぁ、一度はチャンスがあったら見てもいいという感じの作品でした。