2017年9月30日土曜日

朱華園 @ 尾道


ご当地ラーメンは各地にいろいろありますが、例えば横浜なら醤油豚骨のいわゆる「家系」ということになる。

地名付きのご当地ラーメンでは、一番有名なのは博多でしょうか。でも、尾道ラーメンもけっこう名前が広まったもの。

せっかく現地に行ったので、これを食べずに終わらせられません。じゃあ、どこに行くか。当然、ラーメン店はたくさんあるのですが、間違いなく初めて行くならここ、朱華園(しゅかえん)しかありません。

行ったことが無いのになんでそうなのかというと、正真正銘元祖尾道ラーメンだからです。開店は1947年というから、今年で70周年。

もっとも、スタートとは代替わりして味は進化しているようですが、とにかくここのラーメンが基本であることに変わりはないようです。

商店街付近を歩くとラーメン店はたくさんあって、当然昼時分にはどこも行列待ちは覚悟しないといけません。ただし朱華園の行列は群を抜いています。

自分が行ったときは30~40mくらいだったでしょうか。ところが、1時間くらいは覚悟していたのですが、30分ほどで店内に入れました。

何しろ、席に着く前に注文して会計も終わり。メニューが少ない。大盛はない。そして、そこらをてきぱきとさばいていく手慣れたおばちゃんの「司令塔」がいるということのようです。

さて、待望の「中華そば」です。

外見は、わりと素っ気ない感じで、いかにも昔ながらのラーメンを思い起こします。麺は平打ち細麺ですが、けっこうこしがある感じ。悪くありません。

スープの味は、鶏ガラ醤油です。奇をてらったところはなく、比較的正面突破攻撃という感じ。自分的には大好きな味。

一番の特徴はたくさんのっている背綿脂。それもかなり粗挽きのミンチ状で、存在感が増しています。あっさりのスープとのバランスがいい。大変満足の一品でした。

千光寺山ロープウェイの麓駅からは歩いて5分程度なので、観光の際にはセットで楽しむのにもちょうどいいかもしれません。


2017年9月29日金曜日

山陰・山陽の旅(2) 倉敷・尾道編


情緒のある街並み・・・というと、誰もがそのランキングの上位にあげるのが倉敷、尾道といった瀬戸内海沿いの場所を想像すると思います。

いろいろな歴史的な深みとかは、いろいろある書物やネット情報におまかせするとして、とにかくある種の憧れを感じるこれらの場所に行きました。

出雲からは、山陰から山陽に車で縦断して2時間ちょっと。意外と近いです。途中でどこかに寄り道しようかとも思ったのですが、ちょっとというのは難しそうなのでパス。一気に南下しました。

倉敷に入ると、まず最初の印象は普通の街という感じ。そりゃそうでしょう。倉敷市全部があのイメージだったらびっくりします。

あのイメージというのは、堀沿いのレトロな景観、明治・大正・戦前昭和の雰囲気ということなんですが、実際に確かに想像通りでした。


実際に経験したわけではないのに、何か懐かしい感覚で散歩できました。この場所は美観地区と呼ばれるわけですが、残念なのは思ったより狭い。

堀沿いにこっち側から歩いて行って、あっち側を戻ってくる感じで1時間とかからないくらい。もう少し広い範囲だと嬉しかった・・・という勝手なことはともかく、これだけの雰囲気を維持するだけでもいろいろな努力は必要でしょうね。


次は尾道。倉敷からは山陽道で1時間。

尾道は、自分たちの世代としては大林宜彦の映画で有名になった場所。細い上り下りの多い坂道が網の目のように広がるところで、いろいろな青春ドラマが展開するのは印象深かったわけです。

まずは、一番の観光スポットである小高い山の上の千光寺へ。頂上り駐車場は意外と狭いので、すぐ一杯。


展望台で瀬戸内海を眺めます。遠近の墨絵のような小島がたくさんあって、静かな海面が絵になります。

そこから想像していた通りの小道をだらだらと下りました。観光用に整備された建物もありますが、一般の家屋もたくさんあって、この地区の宅配便の仕事はさぞかし大変そうです。


特に有名なのが「猫の小道」とよばれる場所。確かに雰囲気がありありで、通るだけで何か楽しくなりました。

下りきったところで、ソフトクリームを食べてちょっと休憩。今度はロープウェイで山頂に戻ります。


さっきだらだらと降りてきた場所を上から見ると、よくぞこんな斜面に生活の場を作ったものだと感心します。

千光寺は、「ミニ清水の舞台」みたいな感じでした。山頂に戻って、すぐ横にある尾道市立美術館に立ち寄りました。

倉敷、尾道ともにレトロ感満載で、本当にぶらぶら散歩するのに楽しい場所でした。もちろん古さだけでなく、その中に新しさがうまく共存しているところもあって、時代の流れにうまく生き残っているようです。

次は宮島に向かいます。

2017年9月28日木曜日

出雲そば ふなつ @ 松江


蕎麦好きと云わず、誰でも聞いたことがある蕎麦の有名処の一つが出雲。

出雲蕎麦は、現地に行けば一度は口にしたいものと思っていました。当然、出雲大社の周辺にはたくさん蕎麦店があり、ネットで検索するとたくさん評判の店が出てくる。

ただ、どうしてもこういう場所にある蕎麦店は観光の一見の客が相手なので・・・だから質を落とすとは言いませんが、中にはかなりいい加減な店もあったりすることが多い。

そこで、あえて出雲を離れて松江市内で、こだわりの手打ち蕎麦を提供する店を探してみました。

でかけたのは「ふなつ」というお店。松江城から車で数分。中国山地蕎麦工房ということで、店内で殻の付いたままの玄蕎麦を石臼で挽いて蕎麦粉を作っています。

この殻ごとというのがポイントで、関東で云ういわゆる「田舎蕎麦」という感じでしょうか。粗挽き感がある太麺で、蕎麦の味わいは強く出るところが魅力。

口コミではかなり混みあうようですが、平日、昼過ぎのひと段落した時間帯だったのですぐに着席できました。店の外観も、店内も手作り的な雰囲気がなかなかいい感じです。

メニューを見ると、一番のおすすめは割子蕎麦のようです。一番いろいろと具材が乗っていて華やかな千鳥割子をチョイスしました。

とても存在感のある太めの蕎麦が実に美味しい。固めの粗挽きの食感が、噛むたびに口の中で蕎麦の風味を広げてくれます。

汁は醤油控えめで主張しすぎない感じで、蕎麦を引き立てるのにとてもバランスがいい。賑やかな具も楽しかったです。

一緒に出されたそばがきの素揚げがまた美味しい。さらに蕎麦粉の団子?と思われる甘味も悪くありません。大変満足しました。

サイドメニューで卵焼きがあったので、これも注文してみました。いわゆる出汁巻き卵ではなく、ごま油で焼いたもの。これもなかなかの味でした。

2017年9月27日水曜日

山陰・山陽の旅(1) 出雲・松江編

クリニックを夏休みをにして、旅行をしてきました。昨年、伊勢神宮に行ったので、その流れで有名な神社に行ってみたいということで、今年は出雲大社と厳島神社を選びました。

伊勢は車で行きましたが、さすがに山陰・山陽は遠い。そこで、行き帰りは飛行機を利用して、空港からレンタカーを利用しての気まま旅です。

松江空港についたのが昼前。早速、車に乗り込んで宍道湖の横断するルートで松江市に入ります。最初のお目当ては、市内の松江城。


どこの城も立派ですが、松江城もそれなりに風格があります。当然、内部にも入れます。各階の由緒ある展示を見ながら急な階段を上がって、最上階で松江市街を眺めながら涼風にあたりました。

さて、次は今回の旅の本命、出雲なんですが、松江市街から車で約1時間。最初は、大社駅に向かいます。


大社駅といっても、現在使われているものではなく「旧大社駅」です。昔の雰囲気そのままに保存され、昭和のレトロな空間は気持ちが落ち着きます。

市川崑監督の「悪魔の手毬歌」で、ラストシーンの岡山の総社駅を思い出しました。ここは大社ですし、実際の映画の撮影はここではありませんが、石坂浩二の金田一が走り出してきそうな感じがいい。

いよいよ出雲大社・・・といきたいところですが、その前に歴史の勉強。何しろ出雲は日本の神話の宝庫。古事記、日本書紀の世界を少しでも知っておいて損はありません。


そこで、向かったのは出雲大社のすぐ近くにある古代出雲歴史博物館です。中でも大社本殿の復元想像模型は見応えがありました。出雲神話を紹介するショート・ムービーも3画面を使った凝った造りでなかなか面白い。


多少の知識を仕込んだところで、早くも旅のメイン・イベントである出雲大社に向かいます。

やはり、古代の神々が集っている場所・・・なのか、どうかわかりませんが、とても心が穏やかになりそうなたたずまいです。ちなみにここは「ポケモン禁漁区」です。

最初に目に入ってくるのは拝殿で、とても太くて大きなしめ縄は否が応にも目立ちます。


拝殿の後ろにあるのが本殿。しっかりと拝ませてもらいました。伊勢は、ほぼ本殿は見えないような作りでしたが、こちらは周りを一周すると、何となくうかがい知ることができます。

博物館で見た復元模型を思い出して、古代の人々がここに詣でていたイメージを想像するとタイムスリップしたかのような気分です。

邪馬台国の場所は諸説ありますが、本殿に向かって畏まっている卑弥呼が実際にいたんだよと言われても納得してしまう感じです。

さて、次は中国地方を縦断して日本海側から太平洋側に一気に走り抜け、倉敷に向かいます。

2017年9月26日火曜日

夏休み(後半!!)が終了


今日から通常の診療に戻ります。

今年は、夏休みを二つに分けて取らせていただきました。おそらく、いろいろとご迷惑をおかけしたのではないかと思います。

おかげさまで、ひさしぶりにゆっくりと休養を取ることができました。ありがとうございました。

自分が休んでいる間に世間は動いているわけで、アナウンス通りに昨日首相は衆議院の冒頭解散を行いました。

首相の権利だそうで、本来それ自体は何ら問題無い・・・らしいのですが、なんかもやもやが残ります。

ここで解散して、「国民に問う」べき問題はたくさんあることは認めますが、それをしっかりと国会で議論して国民に選択肢を提示できているのかということ。

北朝鮮問題は確かに困りもの。米朝の直接的な非難合戦がエスカレートして、トランプは合法的に北朝鮮を軍事攻撃するきっかけを作らせようとしているかのようです。

加計問題は、完全にうやむやですよね。国会議員の質の低下も何かなぁという感じ。

消費税は10%になることは既定路線としてすでに覚悟できている話ですが、またここで改めて「いいですか」と尋ねられるというのは、経済政策がうまくいっていないことを認めるわけですかね。

はっきりと、野党らしい野党がいない「今なら勝てる解散」と言ってくれた方がすっきりします。何を言っても、どうせ国民不在の世界の話なんですから。

2017年9月25日月曜日

地方空港


羽田や成田を見慣れると、たくさんの飛行機が駐機していて、空港では次から次へと離発着が見られるのが当たり前に思ってしまいます。

地方の空港ではそのようなことはなく、ポツンポツンと一機が着陸して、一機が飛び立っていくわけで、一度に見られる飛行機の数は多くても数機程度が当たり前。

日本はアメリカと違って、国内線は距離があまり無いですし、新幹線の方が時間が読めて便利だったりするので、あまり利用することはありません。

そう云えば、昔・・・って、もう四半世紀前の話ですけど、脊髄損傷の患者さんの転院で付き添って、羽田から一地方都市まで飛行機で行きました。

到着すると、ロビーに出るとすでに転院先の病院の救急車が待機していて、すぐに引継ぎをすることができました。

さて、任務完了で、街に出るのは無理としてもせめて空港の売店でも眺めたり、ちよっとコーヒーでも飲んで一息・・・と、思ったら大間違い。

到着が少し遅れていたみたいで、帰りの便はすでに搭乗を開始しているってんですから、大慌てです。もう、まさに「トンボ返り」です。

すぐに出発ゲートに走って行って、何とか間に合いましたけど、空港ロビーにいた時間はせいぜい5分程度だったでしょうか。

まぁ、毎日の日常雑務をしないですんだだけ得だったのかもしれません。

2017年9月24日日曜日

Ginkgo Nuts


この前の台風の風雨のせいで、街路樹がだいぶ傷んで、枝葉が道路に散乱しました。

家の近くにはイチョウが植えてあるところが多く、これらも例外ではありません。

ほとんどは緑の葉が落ちているのですが、ところどろに樹の下に白くて丸みのある種子がたくさん落ちていました。

イチョウの種子というと、いわゆる「ギンナン」ですが、これは雌木にできるもの。イチョウには雄雌があるのですが、外見的には意外と判断しにくい。

ギンナンは独特の匂いがあって、通常街路樹としては雌木は避けるのだそうですが、植えたら実は雌だったということがところどころにあるようです。

黄色に紅葉して自然に実が落ちれば、食用として拾い集めるのも一興かと思いますが、まだこの時期は残念ながら早すぎです。

2017年9月23日土曜日

秋分


二十四節気で秋分、夏の雰囲気はほぼなくなり、いよいよ本格的な秋が深まっていく頃ということになります。

今日は秋分の日、いわゆるお彼岸の中日。

お彼岸に墓参りというのは、他の仏教の国には無い習慣だそうで、日本独自のもの。

春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」、秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」という意味があるそうなので、特に秋分の日の墓参りは大切かもしれまん。

この時期になると、彼岸花は強く自分の存在を主張する感じで、やはり名前通り代表的な花ですね。

2017年9月22日金曜日

クライバー / R.シュトラウス 「ばらの騎士」


今回見たのは、リヒャルト・シュトラウスの最も有名なタイトルである「ばらの騎士」です。

選んだ理由は、お気に入りのアンネ・ソフィー・フォン・オッターが出演しているから・・・って、ミーハーですよね。

でも、こういうのって、そんな理由が優先していいと思うんですよね。オペラはビジュアルですから。

音だけなら、映画のサウンドトラック聴いているようなもんです。やっぱり、映像あってのオペラです。

ただ、これは困った。もともと、リヒャルト・シュトラウスというと、バリバリのロマン派です。どうも、とっつきにくい。実は、今までもあまり聴かなかった類の物。

今回のは、オペラといえばクライバー、クライバーといえば「ばらの騎士」というくらい、定番中の定番の有名なもの。

他の出演者も、フェリシティ・ロット、バーバラ・ボニーなど、オペラ好きでなくても、知っていた名前のひとばかり。

実際見て聴いてみると、正直話としては面白いのですが、音楽の良さがわからない。これっというはっきりした旋律があるんだか無いんだか。

それぞれの歌唱も、「美しいメロディ」とか、「哀愁の漂う旋律」とか、後で記憶に残って口ずさむような感じにならない。

やはり、クラシックというとバロック~古典が自分の守備範囲ですね。作曲家では、せいぜいシューマンまで。無理してブラームス。

この名演がわからないなんて、オペラの世界に首を突っ込む資格も無いと怒られそうですが、とりあえずフォン・オッターのズボン役というのは面白かった。

なるほど、これは宝塚の原型ですよね。メゾソプラノが男装役をするというのは。なるほど、オペラの魅力の一つは理解した気がします。

2017年9月21日木曜日

モンブラン


味覚の秋。

美味しいものが、いろいろ。実りの秋ということですけど、何を食べても美味しく感じられる気候も関係しているんでしょう。

秋を代表する味の一つが栗。

栗といえば・・・

天津甘栗!! ・・・なんですが、これはおじさんの場合。女子に一番人気なら、やはりスイーツ。栗を使ったケーキの代表がモンブランです。

写真がうまく撮れていなくてすみません(ほんとiPhoneのカメラ性能の悪さはがっかりです)。あまり美味しそうに見えません。

でも、実際食べてみると美味しかったです。有名なお店のモンブランらしいです。

もともとスイーツ系には、とんと興味がないので、こまかい良さは表現できませんが、そんなオジサンでも美味しいねと言える味でした。

2017年9月20日水曜日

夜明け前


夜明け前というのは、独特の雰囲気があります。

何の変哲もない街並みですけど、見方によっては安らぎ、場合によっては邪悪だったりと、何でもありの様相です。

日が昇って朝日が差し込むと、それらが一気に吹き飛んでありふれた日常に戻ってしまうのが不思議。

空が白みだして太陽が出るまでの短い時間ですが、これを見ようと思うと、これからは寒くなるしけっこう大変です。

2017年9月19日火曜日

今週の診療は今日と明日だけ


昨日は敬老の日で祝日、台風一過で気温が上昇し、暑さが凄かった。そして、今週は土曜日も秋分の日で祝日になっています。

今年は、クリニックを始めてから初めて夏休みを分割して取ることにしました。今週木曜日(9/21)、金曜日(9/22)、来週月曜日(9/25)は休診にさせてもらっています。

ですから、今週は診療は今日(9/19)と明日(9/20)のみです。

その分、混雑して忙しくなるかもしれませんが、自分が決めたことですからしょうがない。ただし、来院される方には、いろいろとご不便をおかけするのは申し訳なく思ってはいます。

休みを休みらしく有効に使ってリフレッシュして、来週からまたしっかりと診療を行いたいと思っていますので、どうかご容赦ください。

2017年9月18日月曜日

葬儀


昨日は、お通夜に行ってきました。

亡くなったのは同じ大学の先輩にあたる方。比較的近くで開業してクリニックを営んでいましたので、このブログでも何度か以前に書いた「大学同窓の会」でお世話になりました。

自分よりは3期上ですから、まだ60歳そこそこ。今年初めから体調を崩され、わかったときは末期がんだったそうです。

学生の時は知りませんでしたが、医者になった1年目、研修医として各科をローテーションする中で放射線科を回ったときに大変お世話になりました。

右も左もわかっていない研修医にとって、ローテーションを終えた「兄貴」とし、一番直接的、かつ実務的な指導をしてもらいました。

自分が開業して、またもや右も左もわからない時に「飲み会」に呼んでいただいて、今度は開業医のイロハを教えてもらい、またいろいろな愚痴も聞いてもらいました。

何しろ今どきでは、まだまだ働く年ですからさぞかし無念だろうと思います。そして、働く医者が一人のクリニックでは、医者が倒れるとどうなるのかという現実を考えさせられました。

もちろん、自分も「もしも」の時のことは何となく想像してある程度の準備はしていますが、それはあくまでも「もしも」のことであって、現実的な危機感を伴っていません。

自分は健康だと思っていても、実際年も取ってきましたし、何があっても不思議はありません。家族だけでなく、通っている患者さん方のためにも、何となくではない現実的な対応をわかるようにしておかないといけないと思いました。

昨夜は、最後の最後まで先人として身をもっていろいろなノウハウを教えてもらったのだと思い、とにかく感謝してきました。本当にありがとうございました。

2017年9月17日日曜日

ボールペン


医者の仕事をしていると、何かを書く機会は大変多い。

ですから、筆記具は重要。

電子カルテの時代になって、ペーパーレスが実現・・・するかと思ったのですが、実際は紙媒体が皆無になることはなく、手書きをする部分はけっこう残っています。

例えば紹介状。

メールで送れれば、切手代とかも減らせるんですが、いまだに送るのも受け取るのも紙面での郵送です。

他にもカルテ本体以外は、山ほど紙が使われています。スキャンして保存することで、できるだけ電子カルテに統合するようにはしていますが、なかなか一筋縄ではいかない。

主として使用する筆記具はボールペン。最低、黒と赤の二色。できれば青もついた三色。シャーペンも付いていれば最高。

昔は製薬会社が宣伝目的でボールペンを大量に配りましたから、まず買うことはありませんでした。今は、ほぼそういうサービスは無くなりました。

だからというわけではありませんが、もう7、8年前からはずっと同じものを使用しています。

製薬会社のボールペンで、えらく書き味の良いものがあった。三菱鉛筆、いわゆる「uni」のJetstreamというシリーズでした。

そこで、ちゃんと文具店で購入したんですが、安いのだと気が緩んで失くしやすいかと思い、どうせなら一番高そうなのを・・・というわけで、黒・赤・青・緑+シャーペンという1本1000円の多機能なものにしました。

もともと入っている芯は0.7mmですが、さらに太い1.0mmの方がさらに滑らかで書き心地が素晴らしい。

そこで、黒・赤・青については替え芯で1.0mmを別途買い込んで交換しています。

実は、けっこう大事に使い続けているのですが、一度紛失しています。ですから、現在のは二代目。失くした時のための、まだ未使用のもう1本も用意してあります。

他のメーカーのものでもいいものはあるのかもしれませんが、お気に入りを長く使い続けることにこだわっていきたいと思います。

2017年9月16日土曜日

茨城


茨に取り囲まれた城・・・って、「眠れる森の美女」の話。

ヨーロッパの古い民話なのでいろいろな伝わり方をして、様々なバージョン違いがあるようですけど、あえて基本となる「原作」と言えるのはグリム童話なんでしょうか。

ただ、日本で知られるようになったのは、圧倒的にディズニーのアニメ映画(1959年)の力が大きい。自分の場合も同様で、映画館で見たかどうかは記憶にありませんが、少なくとも家にはソノシートがありました。

ソノシート・・・まぁ、何て昭和なレトロなメディアなんでしょう。レコードの一種なんですが、薄くてぺらぺらなビニール素材にすることで低価格にしたもの。

絵本みたいな冊子を見ながら、ソノシートに収録された音声を聞くというわけ。

王子が眠れるオーロラ姫を救うために城に入ろうとすると、悪い魔女マレフィセントは城に通じる道を茨で覆いつくして妨害するわけなんですが、ちょうどこんな写真の感じが360゚に広がる感じ。

近くの家の格子なんですけど、前を通るたびにそこだけ見て茨城みたいだなぁと思ってしまうわけです。

2017年9月15日金曜日

長寿梅


梅ではありませんが、ボケの仲間で梅のような花が咲くということらしい。

さらに、年に数回も花が咲くというのも楽しみが多くて嬉しい。

・・・とは言っても、そんなにうまくいかない。確かにこの1年では数回花がついたのですが、毎回1つか2つ。

けっこう寂しい感じで、もう少し華やかさが欲しいと思うのは、素人には贅沢でしょうか。

とりあえず1つだけ花が咲いて、蕾らしきものがもう一つ。まぁ、こんなもんでしょう。

育てやすいということで、初心者向け盆栽としておすすめに上がっていることが多いのですが、やはりほったらかしでいいというわけではありません。

特に水切れには注意が必要で、何にしても盆栽に簡単なものはありません。

2017年9月14日木曜日

カラヤン、フレーニ / プッチーニ「ラ・ボエーム」

プッチーニ作曲の「ラ・ボエーム」を見ました。

今回はオペラ映画で、古典的名盤として知られているカラヤンが指揮するゼフィレリ演出のDVD。

出演は、主人公ミミにフレーニで、これは当たり役として名高いもの。まずオペラ初心者が選ぶにはうってつけの名演とされています。

内容は歴史的な基本知識が無くても大丈夫。月9でもやれそうな、恋の始まりから終わりまでの青春群像劇です。

いきなり恋に落ちるところから、「そんな簡単でいいのか」と突っ込みたくなりますが、それが恋というものらしい。

最後にミミが死んでいく悲恋に終わるわけですが、死の間際にこんだけ元気に歌えるなら・・・というのもオペラならではのもの。

やや古めかしさは禁じえませんが、50年くらい前の映像ですからしょうがない。映画にすることで、場面展開の流れはスムースでわかりやすい。

あえて文句をつけると・・・もう少しフレーニの鼻の穴が小さければとか、出演者全員がふくよかすぎるとか、カラヤンが冒頭のほんの数秒しか映っていないとか・・・

まぁ、その辺りはしょうがないですよね。でも、「オペラは聴くものではなく観るもの」ということを発見してしまったので、ビジュアルも重視したいです。

ビジュアルでいうなら、実はネトレプコの「ラ・ボエーム」の映画もあるんですね。こちらも評判が良い。出演者全員が役柄にあった年代で、より映画としての完成度は高いようです。いろいろ有名どころを鑑賞した後、2週目にチョイスしたいと思います。

2017年9月13日水曜日

七志 @ たまプラーザ


ふだんラーメンを食べに行こうかという時に、ホームとして利用しているのは初代か横濱家であることが多い。

プロ野球チームが、毎年シーズン中に地方の決まった球場で数試合を主催するみたいなもので、七志(ななし)のラーメンは年に一度は妙に食べたくなる味。

基本の味は豚骨ですけど、この店は比較的すっきりしている。だからといって、薄いわけではなく、こくは感じられるところがいい。

今回は、ちよっと贅沢に「全部乗せ」にしちゃいました。店で人気のトッピングが何でもありというところ。

丸々1個の煮卵は、中は半熟。メンマではなくて筍。チャーシューと角煮がありますが、味の違いはよくわかりませんでした。

なんにしても、美味しかったです。

2017年9月12日火曜日

オペラはたぶん楽しいことに少し気がついた

アンネ・ソフィー・フォン・オッターのメゾソプラノの歌声が好きで、その流れで「カルメン」のDVDを見ました。

もともと、クラシック音楽の歌物が大の苦手で、特にイタリア物に多いやたらと大袈裟な感じがする歌い方はどうも受け入れにくいと思っていました。

バッハの宗教音楽作品で声楽に興味が出て、シューベルトの歌曲にはまった流れとしては、やはりオペラは敷居が高かったのですが、この「カルメン」は違った。

まず、オペラが総合芸術であり、音楽として聴くことよりも、クラシック音楽を使うミュージカルとして見ることが大事なんだと思いました。

巷にはオペラ作品の音楽CDは山ほどあり、大傑作と呼ばれるものはたくさんあるわけですが、これらはいずれにしても音だけで、しかもほとんどはイタリア語、フランス語、ドイツ語で歌われていて何を歌っているのかわからない。

ネット時代ですから、歌詞の対訳を探すことはできますが、それを片手に耳で聞くのはけっこうしんどい作業です。

しかも、その多くにヨーロッパの人々なら、こどもの時から慣れ親しんでいる史実や神話のような話が出てくるわけですから、日本人にはちんぷんかんぷん。

評判の高かった舞台のDVDや最新のネット動画であっても、最低限の条件として日本語字幕があるものを見ることがオペラ初心者には重要なんだろうと思います。

字幕があると、ほぼリアルタイムにストーリーが掴め、歌の内容が理解できる。そして演技を見ることで、より深く作品の世界に入っていけることになります。

ですから、多少古くても、あまり聞いたことがない指揮者・楽団・歌手のものでも、まずは日本語字幕の有無を最優先に探してみるのがよさそうです。

21世紀になって、オペラは「読み替え」上演が流行しているようです。この読み替えというのは、歌手の口にする内容は原典通りですが、時や舞台を変えて行われるもの。

いろいろとオペラを堪能した後では、なるほどこんな解釈もあるのかと楽しめるものらしい・・・なんですが、いきなりこれはきつい感じがします。

ヘンデルで、大好きなフォン・オッターが出ていて、大スターのバルトリが主演するジュリアス・シーザーの話が、中東の石油の利権争いの話になって、恐竜がでてきたりロケットが飛び交う演出・・・しかも、字幕なしですから、もう何が何だかわからない。

とにかく最新の物は、注意しないとこんな読み替え演出が主流のようですから、いきなりここから入ってしまうと後戻りができなまなりそうです。

オペラは基本は舞台で上演されるものですが、これを映画化したものがけっこうあります。歌手のアップや演技そのものに集中しやすく、また舞台で多少無理がある背景もロケなどでうまく処理されたりして、より話の展開がつかみやすくなるという利点があります。

初心者としては、これらも積極的に選択肢に入れてよさそう。もちろん、日本語字幕付きの物から探すのは同じですけど。

いくつかのネットのオペラ紹介サイトや、入門書籍などを眺めていると、だいたいオペラ作品として現在残っているものは200くらいのようで、意外と少ない印象です。

その中で、特に有名なものというと、ほぼ誰が選んでも20作品程度にしぼられます。とりわけたくさんのオペラ作品を手掛けた作曲家というとヴェルディ、プッチーニ、ワーグナー、モーツァルトの4人がビック・フォーという感じ。

その中から初心者向けの、これだけは絶対見ておきたいベスト10を順位は無しで選んでみると、

① ビゼー カルメン
② ヴェルディ リゴレット
③ ヴェルディ トロヴァトーレ
④ ヴェルディ 椿姫
⑤ プッチーニ ボエーム
⑥ プッチーニ 蝶々夫人
⑦ プッチーニ トスカ
⑧ R・シュトラウス ばらの騎士
⑨ モーツァルト フィガロの結婚
⑩ モーツァルト ドン・ジョバンニ

という感じ。あともう少し増やせるなら、

⑪ ロッシーニ セビリヤの理髪師
⑫ ワーグナー トリスタンとイゾルデ
⑬ ワーグナー ニーベルングの指輪(四部作)
⑭ ウェーバー 魔弾の射手
⑮ オッフェンバック ホフマン物語
⑯ ベルリーニ ノルマ
⑰ レオンカヴァレロ 道化師
⑱ マスネ ウェルテル
⑲ ガーシュウィン ボギーとベス
⑳ ドニゼッティ ランメルモールのルチア

まぁ、異論はいろいろあるかもしれませんが、当たらずとも遠からずということで、だいたいこれらをおさえておけば間違いはなさそうです。

映像作品であること、日本語字幕があること、制作年代は問わない、できれば多少なりとも有名な演奏家によるもの、舞台ライブが基本ですが、映画作品も積極的に採用する・・・こんな基準でいろいろ探してみたいと思います。

2017年9月11日月曜日

七星天道


ナナホシテントウです。

テントウムシの中では、ありふれた種類で、最もよく見かける・・・とされていますが、どうも自分の周囲では珍しい。

たいてい、目に入るテントウムシの背中の斑紋の数は少ないことが多い。

通常、ナナホシテントウはアブラムシをせっせと食べるので益虫という扱い。

とは言っても、虫は「人間様のために」なんてことは考えているわけもなく、究極の本能である「生きる、そして子孫を残す」ためにやっていること。

益虫、害虫という区別は人間の都合だけで言っていることであって、地球からすれば人間は害虫なのかもしれません。

2017年9月10日日曜日

路傍の"花" 2


ほんと、時に生物の生き抜こうとする力には驚かされます。

単なる朝顔です。それ自体、珍しくはない。

でも、これ住宅のコンクリートの階段の途中ですから、ほぼ土は無いと言っていい。

今年のように雨が多くなければ、こぼれた種は発芽してもすぐに枯れてしまったんじゃないかと。

わずかな雨露で、よくぞここまで育ったものだと感心します。しかも、花が咲いているし。

そして、普通ならとっくに掃除しているところなのに、そのままにして花を咲かせた、この家の住人の方にも風流を感じます。

2017年9月9日土曜日

次の満月が仲秋の名月


「夏も近づく八十八夜・・・」って、これは立春から数えて88日目で、だいたい5月初め。

兎は「十五夜お月様、見て跳ねる」んですけど、これは新月から満月になるのに15日かかるということ。

ですから、毎月のように15夜はあるわけで、何も秋にだけ注目しなくてもいい・・・んですけど、普通は「仲秋の名月」とセットで用いられる。

まぁ、空気が乾燥して澄んでくるため、よけいに月がきれいに見えるということもあるんでしょう。

最近だと6日の水曜日が満月だったんですけど、仲秋の名月は次の満月になります。正確には次の新月は9月20日で、そこから15日目の十五夜は10月4日になる。

でも、実際には次の満月は10月6日ですから、ちょっとずれている。まぁ、10月最初に空を見上げて、「あっ、今日は満月だ」と思ったら、それが仲秋の名月ということでいいんじゃないでしょうか。

2017年9月8日金曜日

白露


夜中に気温が下がって、草木に夜露がつくことを白露(はくろ)と呼びます。二十四節気では、いよいよ本格的な秋の到来をあらわします。

今年の8月は猛暑・・・ではなく、予想を覆して雨ばかりでした。気温は高くはなかったけど、じめじめ感が強い何とも快適とは程遠い。

9月になっても、天気は似たような感じですが、少なくとも湿度は下がってきただけまだ過ごしやすい。

また、朝の気温もだいぶ低くなってきたので、1日のなかでの寒暖差も強まってきました。

近くの山紅葉にも白露が・・・じゃなくて、これは雨による水滴。でも、寒暖差のせいか葉先が少し紅くなり始めています。

あとは、すっきり晴れて、そよ風くらいが吹いてくれれば・・・気持ちよく過ごせますけどね。

2017年9月7日木曜日

A.S.von Otter, P.Jordan / Bizet "Carmen"

というわけで、「カルメン」です。

昨日のブログでは、アバド指揮、ベルリンフィルの演奏、アンネ・ソフィー・フォン・オッターの歌で、ビゼーの超有名な歌劇「カルメン」の音楽を復習しました。

これだけ聞いたことがあるメロディーが出てくると、さすがに苦手としているオペラも見たくなるというものです。

「カルメン」はオペラ初心者向けのおすすめとして、だいたい筆頭に位置する作品なのでちょうど良い。

当然、映像化されたものはたくさんあるわけですが、できるだけ手間をかけずに楽しむためには、日本語字幕は必須。その分、新品・中古に限らず値段が高めになるのが悩みどころ。

輸入物DVD、Blurayでは2000円前後で、韓国語・中国語を含む各国語の字幕が入っていることが多い。ところが、日本語字幕入ったものだと日本独自版しかなく6000円程度になることが多い。日本のメーカーの独占的な販売戦略が昔からあるのか、非常に憤りを感じるところです。

それはさておき、数ある中でも、お目当ては2002年グラインドボーン歌劇場での舞台で、アンネ・ソフィー・フォン・オッターが演じる「カルメン」のDVD。幸い、ちょっと古いので、中古の日本版でも3000円くらいで手に入ります。

評判は悪くはありませんし、そもそもフォン・オッターのファン、しかもまともにオペラ鑑賞をほとんどしたことがない者としては、これ以外の選択肢は考えられません。

スペインが舞台で、情熱的な女性、カルメンが主人公ということくらいしかわからなかったのですが、あらすじはネットでいくらでも調べられます。

自由奔放なカルメンは多くの男性から惚れられますが、中でも純粋なドン・ホセは清楚な許嫁がいるにもかかわらず、カルメンの魔性の魅力の虜になってしまいます。ホセは軍を抜けて、強盗団に入ったカルメンを追って、犯罪者の仲間入り。

しかし、カルメンは人気の闘牛士に気が移り、ホセは捨てられる。闘牛士の女としてセレブな生活をしているカルメンのもとに、すべてを失ったホセがやって来て復縁を迫りますが、小競り合いの中でホセはカルメンを刺し殺してしまうのでした。

とにかく、何が驚いたって、今までCDで音だけ、あるいはコンサートの映像で普通に「歌手」と思ってみていたフォン・オッターをはじめとする、出演者が舞台俳優なんだということ。特にこの舞台はオペラ・コミック版と呼ばれる、歌だけでなく台詞の多い形式なのでなおさらです。

以前、頑張って見たモーツァルトのオペラのいくつかは、話の進行上多少の演技はあるものの、基本的には歌を聴くことが主のように感じていました。

ところが、この「カルメン」では、全員が見事な俳優であり、宗教作品を歌うフォン・オッターのイメージをも180゚覆す、ある意味ファンとしては愕然とするステージでした。カルメンは、好き勝手に生き男を次々と変えていく悪女なわけで、フォン・オッターも妖艶で俗人的な欲深い女になり切っている感じです。

特に冒頭、たばこ工場のシーンでは、多くの出演者が実際にたばこの煙を燻らせているところにはかなりびっくりです。フォン・オッターでさえ、歌いながら煙を吐き出してみせたりする。歌手がたばこを吸っていいのかという疑問も感じますが、役になり切るためにそこまでするかというところ。

他の舞台を知りませんから、比較しようがありませんが、指揮のフィリップ・ジョルダンもきびきびした演奏で、間延びするようなところも無く、テンポよく話が進んでいくので、オペラを見たというより普通にミュージカルという印象で、これなら確かに楽しいなと思わせてくれました。

2017年9月6日水曜日

C.Abbado / New Year Gala 1997

C.アバドは、カラヤンの後任として、体調を崩したため2002年にS.ラトルに席を譲るまでベルリンフィルの芸術監督として活躍しました。

カラヤンの作り上げたイメージからの脱却は、大変難しい作業だっただろうと思いますが、おそらくいろいろな試行錯誤があったことでしょう。

しかし、アバドは変革の種を撒くところまでで、その土台があって、ラトルはかなり自由に改革を実行できたのではないでしょうか。残念ながら、2014年にアバドは亡くなりました。

さて、ベルリンフィルを率いていた時代、いくつかのビデオも残っているのですが、今回の注目は・・・1997年の"New Yea Gara" コンサートの模様です。

このコンサートでは"Tribute to Carmen"というサブタイトルがついていて、ビゼーの有名なオペラ「カルメン」をテーマに、いろいろな関連作品を聴かせてくれる。

次から次へと、耳覚えのあるメロディが出てくるので、とにかく見ていて、聴いていて楽しいことこの上ない。アバド自身も実に楽しそうです。おそらく、あまりクラシックに興味が無い人でも、けっこう楽しめる内容だと思います。

「カルメン」では、主役の自由奔放が故に破滅していく女性、カルメンを演じるのはメゾソプラノが定番・・・と、いうわけで、登場してくるのがアンネ・ソフィー・フォン・オッターなんですよ。

おっと、結局、またそこかいと言われそうですが、「カルメン」の中から有名な曲を抜粋していて、フォン・オッターを中心に実に楽しい。コンサート形式ですから演技はしませんが、多少の身振りが小粋な感じで、オペラを知らなくてもカルメンという女性が垣間見れる感じです。

こうなると、フォン・オッターのカルメンをオペラで見てみたいと・・・思うでしょう? 思いますよね。そうでしょう、有るんですよ、ビデオが。

このコンサートから5年後、グラインドボーンでの公演がDVD化されているんですよね。絶対、これは見なきゃという思いにさせられました。

2017年9月5日火曜日

A.S. von Otter / B a c h

通常のオペラ作品では、ソプラノが主役であることが多く、より低い声域をカバーするメゾソプラノは、どちらかというと存在感のある助演女優という感じ。

16~17世紀には、こどものうちに去勢することでボーイソプラノを維持するカストラータが存在し、彼らのための音楽が多数存在しました。

その後は人道的にカストラータは存在しないために、その代替えとしてメゾソプラノが用いられるようになったので、バロック・オペラの中では活躍の場が多い。

グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」は2つの版があり、ガーディナーは初期版のカストラータ用にはカウンターテナーの男性、そしてカストラータが批判され始めた後期版ではメゾソプラノでの録音を行っています。

バッハの声楽作品でも、メゾソプラノとカウンターテナーが同じ曲を歌っていることがしばしばあります。とはいっても、カストラータの声を聴いたことがある人は現在だけもいないわけですから、伝聞の伝聞を重ねた話としては、いずれにしてもカストラータの素晴らしさには敵わないらしい。

男性か女性かといえば、自分は男ですから、そりゃまぁ女性が歌っている方が本能的に気持ちがいい。そんなわけで、よりメゾソプラノが好きなんですけどね。

そこで自分の中では現代最高のメゾソプラノとして、アンネ・ソフィー・フォン・オッターの存在が大きくなってくるわけなんですが、彼女の場合は、デヴュー当初からメゾソプラノの役割が重視されるバロックで、ちょうど盛り上がってきた古楽奏法の波に乗った活躍をしました。

もちろんモダン奏法での演奏を含めて、いろいろなバッハの宗教曲でのアルバムに参加しており、80~90年代の重要な歌い手として名声を確立したと思います。

ところが、自身のアルバムでは、ずっとバッハをメインにしたアルバムがありませんでした。

そこへ満を持して登場したのが2009年のこのアルバムで、タイトルはストレートに「バッハ(BACH)」ということで、彼女のバッハのキャリアの集大成という意味合いがあるんだと思います。

中でも一番注目が、1988年のガーディナー盤ではカウンターテナーにとられた「マタイ受難曲」の白眉のアリア、"Erbarme Dich"です。ショルティ盤では録音がありますが、モダンの演奏でゆっくりめのためか、ビブラートが多めでいまいち。

今回は古楽グループを率いての歌唱で、YouTubeでもPVを見ることができます。若い時より、むしろ繊細な声なのにベテランとしての余裕が感じられます。

歌手としての旬のピークは過ぎているかもしれませんが、この声で「マタイ受難曲」全曲とかを聴きたくなりました。やっぱり、バッハはいい、そして・・・やっぱり、フォン・オッターはいいなぁとおもいます。

2017年9月4日月曜日

鯵・鰯


昔は魚は安かったけど、今では下手すると肉より高い。安さの代表だった鯵、鰯だって、高級食材と呼んでもいい感じです。

初めて一人暮らしを始めた時、近くのなんとか水産という魚屋さんによく行って、一夜干しの鰯がたくさん入っている箱を買いました。

何しろ、20尾くらいで300円くらいだったでしょうか。安い! 1週間はこれでいける。

鯵もそのまま塩焼きか、あるいは開きかです。刺身とかたたきとか、そんな洒落た食べ方は家庭では想像できなかったように思います。

旬はいつでしょう。春から夏が脂の乗りがいいと言われますが、あまりしつこいと胸やけしそうです。冬はぱさぱさ感があるのもどうかと。

となると、その中間。今頃の時期がちょうどいいんじゃないでしょうか。丸々太って、ほどほどに脂がのっている。

・・・っても、いつでも美味しいですけどね。

2017年9月3日日曜日

路傍の"花"


アスファルトで固められ、路肩や壁のコンクリートで、何処にも土が見えないような場所に、けっこうこぼれた種子から育った植物があるものです。

時には、しっかりと花が咲いて存在感を示す姿は、もちろん涙するほどではありませんが、健気な雰囲気で拍手を送りたくなります。

そういえば・・・「路傍の花」という小説があったっけ・・・うん? 路傍の・・花? あれっ、何か違うぞ、そうそう、石だよ、石。

「路傍の石」は山本有三の代表作。戦前の小説で、中学か高校の時に夏休みの課題図書になっていました。

当然、読後感想文を夏休み明けに出すわけですが、今だから白状しますが、実は読んでいません。

その頃は、毎年夏休みの間に読まないといけない本が数冊あって、全部文庫本で呼んだふりをしていました。

最初の数ページを読んで、最後の数ページに飛びます。そして、解説文を読んでおしまい。すると、不思議なこと?に書けるんですよね、感想文。

だから、昭和の有名な小説のタイトルだけはわりと知っているんですが、実は中身はよくわからないものばかり。「野菊の墓」とか、「蟹工船」とか、「黒い雨」とか・・・

でもね、けっこう読書は好きだったので、本はたくさん読みましたよ。江戸川乱歩、横溝正史とかは、たぶんすべてこの時期に読んだ。

それらからの続きで、小栗虫太郎、夢野久作とか、坂口安吾などなど。当時の作品としては、人気だった北杜夫、遠藤周作、星新一も大量に読みました。

目を通した活字の数だけは、たぶんともだちの誰よりも多かったんじゃないかと自負しています。そのあたりが、たぶん雑学的な知識の根源になっていて、多少なりとも今につながっていると思うんですけどね。

2017年9月2日土曜日

ヘリコプター


横浜薬科大学・・・って、知ってます?

10年くらい前に開校した学校なんですが、その土地は横浜ドリームランドの跡地なんですよね。

横浜ドリームランドは、オリンピックの1964年に開園し、2002年に閉園した遊園地。都内からは近場のレジャー施設として、豊島園、西武園、よみうりランドなどと並んで70年代までは人気でした。

たぶん、開園して間もない頃だと思いますが、一度だけ親に連れられて行った記憶があります。

でもって、ヘリコプターなんですが、自分の人生で過去に一度だけヘリコプターに乗ったことがあるんですけど、それがそのドリームランドでのこと。

アトラクションの一つに、ヘリコプター遊覧飛行があったわけです。

とにかく乗ったというだけの記憶しか残っていないので、面白かったのか、怖かったのか・・・もちろん、どんな景色を見たのかも思い出せない。

今でも自分の中では、「ヘリコプター」というだけで「ドリームランド」がすぐに思い浮かぶくらいインパクトがあったことは間違いない。

他の遊園地もそれなりに行っているはずですが、それほど記憶に残るほどの何かはありませんから、ヘリコプターの威力は恐るべしです。

2017年9月1日金曜日

防災の日


9月になりました。

8月は存在感が希薄でしたが、熱帯夜は少なくて、それはそれでよかったのかもしれません。

9月1日は防災の日。各地で訓練が行われていると思います。

いざという時に備えて、訓練などを通して日頃から「もしも」の時を意識しておくことは重要です。

でも、いくら訓練しても実際に何かが起こると、想定外のことが山ほどあるはずで、訓練通りにはいかないことの方が多いだろうと想像します。

東北大震災からは早6年が過ぎました。首都圏大地震が来るといわれて久しく、しだいに危機感が薄れ気味のところにあります。

防災の日ということで、もう一度「もしも」の場合を再点検することが大事ということですね。