2024年6月30日日曜日

S - 最後の警官 - 奪還 (2015)

警察物のドラマも山ほど登場してきますが、警察の特殊部隊を主役にする物語はあまりありません。そんな中で、2014年にTBSの日曜劇場の枠で放送された「S - 最後の警官 -」はけっこう骨太のベースのもとに作られたドラマでした。

原作は作・小森陽一、画・藤堂裕によるマンガで、犯人を生け捕りにして死なせずに確保することを目的とした架空の組織、警視庁特殊急襲捜査班(NPS, National Police Safetyrescue)の物語。警察に実在する組織として、制圧を任務とするSAT(特殊急襲部隊)、捜査を任務とするSIT(特殊事件捜査係)があり、NPSは両者の機能を備えた第三の「S」という設定です。

元警視庁次官で今でも暗然たる力を持つSATの生みの親、霧山六郎(近藤正臣)が、NPS創設の発案者でした。霧山はひそかにテロリストの正木圭吾(オダギリジョー)を利用して、犯人を死なせないというNPSでは対処できない事件を起こさせ、SATの力を増強し犯人を殺すことを厭わない組織に改編していくことが目的でした。NPSは目的を達成するためのスケープ・ゴートだったのです。

SAT隊長の中丸(高島政宏)の腹心の部下だった香椎秀樹(大森南朋)は、犯人殲滅を厭わない中丸と袂を分かち、NPSの隊長に就任。副官の速田(平山浩行)、交渉術に長けた古橋(池内博之)、警察犬を操る梶原(高橋努)らとチームを組みます。そして、ある事件をきっかけに犯人が死ねば残されたものは怒りを向ける相手がいなくなることから、犯人も死なせてはならないという信念を持つ警察官、神御蔵一號(向井理)をスカウトします。

SATには一流のスナイパーである蘇我伊織(綾野剛)がいて、たびたび一號と衝突するのですが、蘇我は姉を殺されたことで犯人は死をもって裁くべき考えていました。一號の考えに同調することはありませんが、いくつもの事件を経てしだいに一號のやり方も認めるようになります。蘇我に劣らない射撃の腕を持つ林イルマ(新垣結衣)が加わりますが、彼女もまた犯人を死なせることは絶対にできないと考えていました。

ドラマの最終話で、霧山の意志によりNPSは壊滅するはずでしたが、SATが協力して無事に事件を解決しました。しかし、主犯の正木は取り逃がしていて、翌年公開された劇場版映画が本当の最終回という位置づけになっています。ドラマの内容はほとんど知っているものとしてストーリーが展開するので、最低限このくらいの知識が無いと映画版は理解できないと思います。

しばらく潜伏していた正木は、日本からフランスに向けて運搬されるプルトニウムを積んだ貨物船を占拠し、日本政府に閣僚全員が乗船することを要求します。NPS、SATだけでなく実在する海上保安庁のSST(特殊警備隊)も加わり、総力戦による奪還作戦が始まりました。

しかし、正木の目的は閣僚を人質にして大金を手にすることではなく、また霧山の意図した強大な力を持つ犯罪者に対する警察力の無能さを世間に知らしめることでもなかったのです。SST隊長の倉田(青木崇高)のこどもの乗るバスをジャックし揺さぶりをかけつつ、貨物船を東京湾に戻し、核爆発により関東全域を壊滅させようとしていたのでした。

ドラマから登場する一號の恋人ゆづる(吹石一恵)、科学警察研究所主任で香椎の良き理解者である横川秋(土屋アンナ)らも加わり、スケールの大きな戦いが描かれています。「誰も絶対に死なせない」というのは医者の言うことだけではなく、警察の中でも同じような設定が生きていて、いろいろな考え方をする人物も公平に配置することで、奥行きのあるストーリーに仕上がりました。

テレビ版から引き続き、監督は平野俊一、脚本は古谷和尚が担当。丸腰で凶悪犯に立ち向かうというのはリアリティのかけらもないと批判される部分もありますが、テレビ版放映前から、映画化が決定していただけあって、ストーリーの無駄を省いて、一気に駆け抜ける爽快感がある映画になっています。

2024年6月29日土曜日

くるま OR バイク ??


車で走っていたら、バックミラーに何か見たことが無い感じの車両が接近してきました。

車ともバイクとも判別できない、独特のフォルム。不思議な外観の車両です。

そこで、ドラレコのリアカメラ映像をチェック。信号待ちで後ろについた時の画像がこちら。

この写真をGoogleの画像検索にドロップすると・・・まあ、便利な時代になったものです。すぐに正体が判明しました。

カンナム(can-am)というメーカーのSPYDER F3というものです。

ベースモデルで約350万円・・・って、けっこうまともな車が買える。ただフロントの形状からグレードはLIMITEDのようなので410万円かもしれません。

三輪バイクと紹介されていますが、扱いとしてはバイクの免許ではなく、普通自動車免許が必要らしい。つまり三輪自動車ということのようです。

確かにかっこいい~感じなんですが、バイクのような機動力は期待できないし、雨が降れば濡れるし、冬は寒い・・・って、こういうのに乗る人は、そんなことは気にしていませんよね。



2024年6月28日金曜日

工業地帯


川崎あたりの首都高速道路を走っていると、周囲が見渡す限り工業地帯という場所があります。

たくさんのプラントがあって、煙突が立ち並び、複雑に絡み合うようにパイプがあちこちに延びていく様子は、何か機械が生き物のように見えてしまう。

工場フェチ、とか、煙突フェチ・・・こういう光景が大好きでたまらんという人がけっこういるらしい。特に愛好家は、これらの夜景は大好物。

ただ、昭和の高度経済成長期に日本に「公害」があったことを覚えていますか。

自分も、こどものときに車が通るたびに、その排気ガスに息を止めて我慢したことを覚えています。

社会科で「四大公害」として熊本の水俣病、岐阜県神通川のイタイイタイ病、四日市の喘息、そして新潟水俣病などを教わりました。そして、近かったせいもあってか、必ず川崎の排煙による大気汚染の問題も併せて話題に上ったことを覚えています。

そんな時代もあった・・・と過去の事ですけど、こういう場所を見ると必ず思い出します。


2024年6月27日木曜日

セブンのおにぎり 42


今回は、新発売ではありません。今だけ!! ・・・のサービスです。

「期間限定 税込110円、うれしい値!」というシールがついて、セブンイレブンのおにぎりのシリーズとしては最安値です。

「かき醤油使用 たまご醤油」は、まさに卵かけご飯に可能な限り寄せたおにぎり。さすがに、そのままでは握りようがないので、真ん中にとろとろの卵が入っていて、周りは普通の白い米というもの。

口を大きく開けて、ガブリとかぶりつけば、まさに卵かけご飯の味です。安さがポイントですが、20円ほど高くなっても海苔で巻いてもらえば、さらに美味しさアップで手に取ると思います。

もう一つのうれしい値は「焼きガラ醤油仕立て 炒飯」です。

セブンの炒飯シリーズは、定期的に具材の量が多くなったり少なくなったりと「何となく」更新されていますが、まあ、どれも似たり寄ったり。

今回のは具材が無い方。ほぼ卵とちょっとの長ネギだけというシンプルなもので、特に期待することもなく、こんなもんでしょうというところ。

とにかく財布に優しいことが一番の価値のおにぎりですから、それ以外は二の次ということで良いと思います。

2024年6月26日水曜日

罪の声 (2020)

皆さん、「グリコ・森永事件」を覚えているでしょうか。

1984年3月江崎グリコ社長が誘拐され身代金を要求されたものの、3日後に社長が自力で脱出しました。4月になって、江崎グリコに脅迫状が届き、犯人は「かい人21面相」と名乗りました。マスコミにも「売られている菓子に毒物を混入した」とするマスコミへの挑戦状が送られてきました。9月からは森永製菓に脅迫状が届き、その他の企業にも及びます。

10月には実際に青酸ソーダ混入の菓子が相次いで市中から発見され、これらの騒ぎは翌年まで続きますが、何度かチャンスがあったものの犯人を逮捕できなかった滋賀県警本部長が自殺するにおよび、1985年8月に犯人から終息宣言が出されました。すべての刑事・民事事案は2000年に時効となっています。死者も出ず、金銭的被害も出ませんでしたが、初めての「劇場型犯罪」と呼ばれています。

新聞記者だった塩田武士は、この事件を徹底的に調査し、犯人こそフィクションですが、現実の事件に沿った形の小説を2016年に発表しました。これを原作とし、監督・土井裕泰、脚本・野木亜紀子で映画化したのがこの作品で、初共演の小栗旬と星野源のW主演となりました。

2018年、京都で洋服の仕立て屋を営む曽根俊也(星野源)は、たまたま見つけた父親の遺品に英語で書かれた手帳とカセットテープを見つけます。手帳に製菓会社である「ギンガ」と「萬堂」と書かれているのを見つけた俊也は、インターネットで検索すると35年前の「くら魔天狗」と名乗る犯人による連続企業脅迫が行われた「ギン萬事件」に行き当たり、犯人が脅迫に使ったとされるこどもの音声と同じものがカセット・テープに収録されていることに愕然とし、そしてその声は自分の子供の時の声だと確信するのです。

その頃、大日新聞大阪本社の記者、阿久津英士(小栗旬)はギン萬事件の特集記事の取材を始めていました。事件の直前に似たような誘拐事件がロンドンで発生していることを知りイギリスに渡りますが、特に目新しい情報はありませんでした。また、株に詳しい人を取材し、犯人の本当の目的は株価を操作して儲けることだった可能性を指摘されます。

俊也は父を古くから知る人物から、手帳の文字は消息不明となっている父の弟、曽根達雄が書いたものではないと教えられます。俊也の祖父はギンガの社員でしたが、当時の学生運動のウチゲバ事件の巻き沿いで殺されたのです。しかし、ギンガの対応に恨みを持った達雄は、次第に過激派に傾倒し行方をくらましたのでした。また達雄は事件前に、事件で脅迫された企業の株の状況を調べていたのです。

俊也は、達雄の足取りをたどっていくと、達雄の友人の生島が事件の最中に家族ごと消えたことが判明します。生島には娘と息子がいて、残されている脅迫電話の音声の残りの二つの声の主の可能性が出てきました。その頃、阿久津は犯人らしき人物の足取りを追い、次第に犯行グループの実態が少しずつ判明してくるのです。そして、俊也が同じように事件を調べていることに気がつきます。

阿久津は駿也の店を訪ねますが、俊也は話すことは無いと言い、今更公にして私たちの生活を壊すことに、どんな意義があるのかと問いただします。奥津はそれに答えることはできず、一度おとなしく帰るのでした。しかし、俊也は生島の娘のかつての同級生から生島が殺されたため逃げたらしいことを教えられ、彼女も声を利用されたが、今では俊也のように幸せに暮らしているかもしれないと望みが持てたと言われるのです。

俊也は家族にすべてを話し、阿久津に連絡を取ります。二人は、分かった情報を持ち寄り、事件の解明に向かって協力することにしました。そして声を使われたこどもたちがどうなったのか、その後の人生の足取りを追いかけるのでした。

この映画のポイントは、事件そのものを解明することよりも、犯罪に使われた声のこどものその後の人生にどんな影響があったのかに焦点を当てているところ。犯罪が被害者・加害者だけでなく、家族やその周囲の人々にも大きな影響を与え、その人生そのものを変えてしまうのだということを明らかにしています。

ものすごく重たいテーマに挑戦したもので、もちろんこれが真実かどうかはわかりませんが、十分すぎる説得力を持った内容になっており、脚本は日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞しました。一見、ばらばらに動いている俊也と阿久津の線が次第に近づいていくところは、さすがという感じです。

また脇役がすごい。俊也の妻は市川実日子、母は梶芽衣子、父の同僚に日野正平、曽根達也は宇崎竜童。他にも松重豊、橋本じゅん、桜木健一、浅茅陽子、佐藤蛾次郎、正司照枝、宮下順子などなどで、ちょい役でも手を抜いていません。

2024年6月25日火曜日

くちびるに歌を (2015)

原作は中田永一の小説ですが、もともとは歌手、アンジェラ・アキのヒット曲「手紙 -拝啓 十五の君へ」に基づくドキュメンタリーがベースになっています。この曲は、もともと2008年のNHK全国学校音楽コンクールの中学生の部の課題曲と書き下ろされたもので、「15歳の自分が書いた未来の自分への手紙」によって今を生きていくことの意味を考えるというもの。

監督は三木孝浩、共同脚本は持地佑季子と登米裕一です。主演は新垣結衣ですが、ずっと心を閉ざし笑い顔が無いという役柄は、まず他では見られません。撮影は五島列島を中心とした長崎県で行われ、新垣はピアノ、合唱部員は合唱の特訓を受けて実際に歌唱に臨みました。

合唱部の面倒を見ていた松山ハルコ先生(木村文乃、)が産休に入るため、ハルコの友人の柏木ユリ(新垣結衣)が臨時教員として島の中学に着任します。ユリは将来が期待されたピアニストでしたが、恋人が交通事故で亡くなってから、その責任を重く受け止めピアノが弾けなくなってしまったのです。

合唱部員の仲村ナズナは、早くに母を亡くし父親は愛人といなくなっていました。そんなナズナのことを気にかけているのは向井ケイスケ。桑原サトルは、兄が自閉症だから自分が生まれたと思い、兄に対する責任を重く受け止めているのでした。

最初は、女子部員と男子部員が対立したり、ユリの突き放したような態度によってばらばらでしたが、ハルコからの宿題だった「15年後の自分に手紙をかくこと」を実践し、ユリも過去の中学の時の文集で15年前の自分の文章を読んで、少しずつお互いを理解し始めます。そして、いよいよコンクールの当日となり、それぞれが様々な思いを持って課題曲の挑もうとしていました。

けして奇をてらった展開は無く、普通と言えば普通なんですが、逆にこの手の映画では見ている者の想像通りに進むことでがっかりさせないことが大事。そういう意味ではお手本みたいな映画です。否が応にも感動してしまいますし、気を許していると泣いちゃうかもしれません。

2024年6月24日月曜日

劇場版 TOKYO MER -走る緊急救命室- (2023)

というわけで、医療系ドラマの一つ「TOKYO MER -走る緊急救命室-」が映画化されました。もともとはTBSテレビの日曜劇場で2021年に全11話で放送された連続ドラマですが、2022年6月にSPドラマが放送され、2023年についに劇場版が登場しています。

主要キャストはすべて一緒。監督はドラマでも半分を演出した松木彩。シリーズすべての脚本は黒岩勉が担当しています。連続ドラマでは、東京都知事の赤塚梓(石田ゆり子)の構想により、東京海浜病院に創設されたEMR(東京モバイル・エマージェンシー・ルーム)のもとに集められたのはチーフで専任の喜多見幸太(鈴木亮平)、厚生労働省医系技官の音羽尚(賀来賢人)、麻酔科医の冬木治朗(小手伸也)、研修医の弦巻比奈(中条あやみ)、看護師の蔵前夏梅(菜々緒)、ベトナムから研修で来日した看護師のホアン・ラン・ミン(フォンチー)、そして臨床工学士の徳丸元一(佐野勇斗)らの7名の活躍と成長が描かれました。

連続ドラマで余裕がありますから、例によって研修医弦巻の活躍っぷりはちょっと現実味が無いのですが、それを補って余りある横糸が張り巡らされていました。その一つが、喜多見の過去。「待っていては助けられない命がある」を信念に、苦しんでいる人がいれば老若男女・職業・善悪に関係なく、危険な現場に飛び込んでいくという、医療アクションドラマとしてよくできていました。

もう一つは、これはややありきたり感がありますが、都知事の先行に苦々しい思いを持ち計画を潰したい厚生労働省側の大臣(渡辺真起子)や官僚(鶴見慎吾)たちとの対立があります。音羽は、MERの問題を明らかにするために送り込まれたのですが、次第に喜多見に感化されていくのです。

見物は、救急処置や緊急手術の場面なんですが、北里大学の救命センターが全面的に協力して、実にやっていることはリアル。最新の部分はよくわからないところもありますが、自分も大学で救急車と格闘していたころにやったことがあると思い出し、そうそうと拍手したくなったり、いやいやもうちょっとこうした方が良くないかと思い見入ってしまいました。

さて、劇場版は舞台は横浜ミナトミライ。ランドマークタワーで放火による大規模火災が発生し、上層階に193名が取り残されるという事件が発生します。連続ドラマの最期にMERを離れた音羽が、あらたに厚生労働省管轄の全国規模のMER設置を計画し、その第一号として発足したヨコハマMERが登場します。

エリート集団のヨコハマMERのチーフは、女性の鴨井友(杏)で、喜多見の自分だけでなくチームを危険にさらす状況に対して「危険を冒しても救えない命がある」と否定し対立を深めます。

取り残された人々の中に、喜多見の妻で妊娠中の心臓外科医、高輪千晶(仲里依紗)とチームの夏梅がいることが判明し、物語はさらに緊迫度を増していきます。喜多見らトウキョウMERは、東京消防庁レスキュー部隊の千住(要潤)らと共にビル内に突入していくのでした。

映画は2時間勝負なので、ドラマの時のような複雑な設定が無く、ある意味いたって常識的なヨコハマMERとの対立の軸しかありません。研修医だった弦巻はしっかり成長していて、代わりに新たな研修医の潮見知広(ジェシー)が加わっていますが、危険におじけづいて後方支援に回される辺りはある意味リアリティがあります。

シリーズ全般を通して感じるのは、手に汗握るよくできたストーリーだと思いますが、医者としては「待っていたら救えない」のは理解できますが、「テレビだから救えている」という部分があることは間違いなく、ヨコハマEMRの立場の方がわかりやすい・・・けど、それじゃ、ドラマとしては面白くなりませんね。

2024年6月23日日曜日

医療系ドラマ


テレビ各局が用意しているドラマ枠は、約50番組。現在は各季節ごとに完結するスタイルが主流ですから、年間で200本くらいの新しいドラマが「量産」されていることになります。

その中には医療系ドラマが必ずいくつか混ざっています。今は改変時期ですから、7月から始まるタイトルを眺めてみると、少なくとも4つくらいはありそうです。テレビ局も苦労していて、単純な医者が出てくるものはない。今回は、山岳だったり、繁華街だったり、いつもの法医学とか、2度目の天才外科医とかが登場するようです。

ただ、正直に言いますが、名作とされる「白い巨塔(もちろん田宮二郎版)」以来、少なくとも自分の知っている医療の現場からは、あまりにかけ離れすぎてリアリティの欠片すら感じられないものばかりで、ドラマに没入できるものは皆無と言ってよいくらいです。

もちろん医学の世界を隅々まで知っているわけではありませんから、中には本当にそんなこともあるのかもしれませんけど、とにかくあり得ない設定が多すぎる。

人気の高いものだとシリーズ化された「ドクターX」は、とにかく日本の医療システムではフリーランスの医者というのは基本的に活躍できる場所は限られ、特に大病院ではまずありえない。「私、失敗しないので」とか言い出したら誰も協力しないし、そもそもフリーランスでそれだけの技量を保つのは不可能に近いと思います。

放射線科が主役の「ラジエーションハウス」も、直接患者さんを診ることが無い放射線科の医師や、まして放射線技師が一つの事案に表立って行動する暇なんてあるはずがない。法医学者が主役の「科捜研の女」や「アンナチュラル」も、刑事の仕事を肩代わりするなんて想像を絶するものです。

となると、既存の組織にこだわらずドラマチックな部門を創設してしまうという路線があり、はなからリアリティは横に置いておくというのが「コード・ブルー」や「TOKYO MER」という現場で救急救命医療を実践してしまうというもの。

これらは、まだ最初からスリリングなアクション物としては見れなくはないのですが、やはり現実に現場でできることは限られていて、いくら何でもそりゃないよと言いたくなることが多々あります。特にあり得ないのが研修医の活躍。

若く未熟な研修医が、いろいろ悩んで成長するというのは定番の展開ですが、日本の研修システムでは、研修医にそこまでさせるというのはあまりに無謀すぎるし、いくら勉強していてもそれだけ医療行為を行えるまでになるのは無理すぎるというものです。

まぁ、そんなかたいことを言わずに、あくまでもエンターテイメントなんだから楽しみなさいよと言われそうですが、やはりどうしてもリアルが気になってしょうがないのです。

2024年6月22日土曜日

梅雨入り


一昨日、6月20日に沖縄が梅雨明けとなりました。

昨日、6月21日に関東は梅雨入りしました。そして夏至。暦でも夏到来です。

毎年、梅雨が始まった、終わったと書いていると、たまには去年はどうだったとかがわかって役に立つ・・・時もあるかもしれない、という程度のこと。

去年は、平年並みの6月8日。今年は2週間近く遅かったというところで落ち着きました。

実際のところ、この1週間は晴れたり振ったりで、もう梅雨だろうと思う天気が多かった。梅雨前線の位置がなかなか固定されないことで、専門家は梅雨入り宣言を渋っていたようです。

梅雨明けはどうなるんでしょうか。例年通りで、短く開けてくれれば助かりますけどね。

2024年6月21日金曜日

シーフードサラダ


説明するまでも無いのですが、サラダとしてシーフードを中心にしたものです。

野菜の量がもっと少なくて、シーフードを食べるのが目的なら、イタリアンのカルパッチョがあります。もっとも、シーフードのカルパッチョは、日本発祥のなんちゃってイタリアンです。

今回は、シーフードと野菜が半々。

野菜は、トマト、タマネギ、ピーマン。そして、隠し味的にセロリも入れています。

シーフードは、ヤリイカ、ムキエビ、サーモンです。

シーフードは臭みが苦手となりやすいので、イカとムキエビは茹でてあります。サーモンは炙ってあります。

ドレッシングはベーシック。塩・コショー、オリーブ・オイル、そしてお酢かワインビネガーで酸味を加えるというのが普通ですが、今回は香りを絶たせるためレモン果汁を用いました。

ちょっと高級感が漂い、満足感の高いサラダになりました。

2024年6月20日木曜日

超濃厚!! カルボナーラ


パスタ・ソースの中でも、カルボナーラは人気上位に必ず登場します。

そして、だいたい喜ばれるキーワードのひとつになるのが「濃厚」です。テレビのグルメ番組で食レポというと、「濃厚」と言えばスムみたいなところがあります。

じゃあ、目一杯、濃厚なカルボナーラを作ってみようじゃありませんか・・・ということで、実際やってみました。

基本的なカルボナーラのレシピは難しくはありません。

一人前、パスタは100g、通常はスパゲティかスパゲティーニが用いられます。これを茹でるのですが、忘れてはいけないのが10%の濃度になるように塩を入れること。これがそのまま最終的な味につながります。茹で時間は、それぞれのパスタが指定している時間通りでOKです。

ソースは一人前で、生クリーム100ml、生卵の卵黄1個、挽いたパルミジャーノ・レッジャーノ(いわゆる粉チーズ)を20g程度、多めの粗挽きの黒コショウをしっかり混ぜ合わせておきます。

フライパンで少量のみじん切りしにたタマネギと短冊状に厚切りにしたパンチェッタ(またはベーコン)を炒めます。茹で上がったパスタを入れたら、火は止めるかごく弱火にしてソースを混ぜ合わせ、とろみがしっかり出たらもう一度黒コショウを振って出来上がり。

濃厚にするには、できるだけ濃い目の生クリームを使う、卵黄を増やす、パルミジャーノ・レッジャーノを増やすという方法があります。昨今は何でも値上がりで、生クリームも高いし、チーズが増やしすぎると濃厚というより重たくなってしまう。

そこで、今回は卵黄を一人前2個使い、パスタは太目のスパゲティにしました。

結果。いかにも濃厚。パスタに絡みつくソースが垂れ落ちる感じがありません。味はもちろん完璧です・・・が、やはりソースが重い。そこを狙ったわけですが、やや食べるのに疲れる感じもします。

口に入れて美味しいと感じて、さらに口にしたくなるというのが「美味しい」の要素の一つなら、重たいとどうしてもやや次の一口までに時間がかかってしまいます。やはり、通常量で作るのがベストだと感じました。濃厚なら良いというもんじゃないというのが結論です。


2024年6月19日水曜日

前科者 (2022)

保護司は「仮釈放で出所した受刑者の保護観察にあたり、犯罪者の更生を助けることで犯罪を予防する。非常勤の国家公務員だが、報酬はない」と説明があります。最近、保護司の方が保護対象者に殺害されるという事件が実際に起こり、その仕事について大変注目されました。

もともとは香川まさひと・作、月島冬二・画によるマンガで、2021年にWOWOWドラマとして6話が放送されました。続いて、オリジナル・ストーリーとして監督・脚本を岸善幸が担当して映画化されたもの。

阿川佳代(有村架純)はコンビニでのバイトをしながら、保護司をしている女性。女性らしい気遣いする一方で、時には保護対象者のダメなところは強い調子で叱責するのです。

殺人罪で収監された工藤誠(森田剛)は、半年前に出所し担当の保護司、阿川佳代のものを訪れました。佳代は普通に生きることが大事で、工藤にも必ず更生することができると話しました。その後、工藤は町の自動車修理工場で働き、愛想が無く笑うこともありませんが、しっかりと仕事をするようになっていました。

ある日、近くの交番で巡査が襲われ、拳銃を奪われる事件が発生します。何とか一命をとりとめた警官は、実は職権を利用して恐喝などをしていたのです。刑事の鈴木(マキタスポーツ)と滝本(磯村勇斗)の事情聴取にも答えようとしません。

そしてDV被害者の保護をしていた区役所の福祉課の田辺やすこが、奪われた銃で撃たれて殺害される事件が起きます。警察には「偽善者に天罰がくだった」という内容の文書が送られてきます。

その頃、工藤に近づいてきた男がいました。麻薬中毒になっていた弟の実(若葉竜也)でした。夜の河原に散歩に行こうという実に付いて行くと、実は通りかかった自転車の男性に銃を向け射殺するのでした。男性は二人が入っていた養護施設の担当者でした。

工藤は観察期間の最期の面会をすっぼしてしまったため、仮釈放が取り消されてしまいます。さらに、被害者の爪の間から工藤のDNAが検出されたため、容疑者として警察に追われることになってしまうのです。滝本は事情を聴くために佳代のもとを訪れます。

実は、加代と滝本は高校の時同級生でした。通り魔に襲われそうになった佳代を、滝本の父親が助け、身代わりに殺されたのです。滝本は犯罪者は何度でも罪を犯すんだと言うのです。かつて工藤の母親が夫のDVを相談したが相手にしなかった警官、逃げた母子の転居先を夫に教えてしまった福祉課の職員、そしてその結果母親は殺されているのです。そして、兄弟が送られた児童施設で二人に暴力をふるっていた職員。それらが被害者だと話します。

二人の父親、遠山史雄(リリー・フランキー)の住所を、彼の弁護をした宮口弁護士(木村多江)から教えてもらい、加代は遠山に会いにいきます。佳代が工藤のこどもの時の話を聞いていると、工藤と実がやってきます。しかし、次の標的として、遠山をマークしている警察が包囲していたのです。

クライム・サスペンス風の連続殺人が起こりますが、あくまでも保護司として前科者に寄り添う阿川佳代を軸としたヒューマン・ドラマです。ここでの有村架純は、これまでにやったことがない大変難しい役をこなしています。

劇中、かつて保護対象者だった斎藤みどり(石橋静河)が、ところどころで登場し佳代の本質を少しずつ明らかにしてくれますが、「まともに生きている人たちが、まともにできなかった犯罪者に立ち直れと言っても説得力が無い。佳代はまともに生きてこれなかった弱さがあるから信じられる」というような発言をしていて、加代の複雑な心情を代弁しています。

過去のトラウマを引きづり続けている女性というのは、有村作品では多いパターンですが、ここで心を負おう暗雲は最高レベルですし、それを力にしてさらに同じようなトラウマを持つ人々に寄り添うという複雑な状況は簡単ではありません。

台詞は多くありませんが、トラウマを持つ前科者として、そしてだからこそ兄弟の絆を優先せざるを得ないという工藤という男も、ものすごい存在感があります。森田剛は、ここでも優れた演技力で、見るものを圧倒してくれます。

テレビのシリーズは見ていませんが、映画だけでも大変見応えがあって、コロナ禍であまり話題にならなかった印象なのが残念です。

2024年6月18日火曜日

夏美のホタル (2016)

原作は森沢明夫の小説。監督は廣木隆一。

写真家を目指す学生の河合夏美(有村架純)は、同棲している相羽慎吾(工藤阿須加)が写真を諦めて実家の造り酒屋を継ごうと思っているという話に腹を立て、一人でバイクを走らせ、昔父と蛍が飛び交うのを見た山村に出かけます。夏美のカメラもバイクも、今は亡き父親から譲られたものでした。

夏美は村のたけ屋という雑貨屋に立ち寄ります。店をやっているのは、事故で足が不自由な中年男で、近所のこどもたちから「地蔵さん」と呼ばれ親しまれている福井恵三(光石研)とその老いた母ヤスエ(吉行和子)でした。夏美は彼らと仲良くなり、家に滞在させてもらうことになります。慎吾もやって来て、結局二人でたけ屋にやっかいになることになりました。

近所に一人で住んでいる気難しい仏師の榊山雲月(小林薫)も、しだいに心を開いていきます。恵三は離婚して家族に何もできなかった、雲月は家族を捨てて仕事を選んで村に移り住んできた、そして夏美の父はひとり親のバイクレーサーでしたが、突然の病で他界してしまったのです。夏美は父親の夢であるレーサーの道をあきらめたのは、自分のためではないのかと思っていました。

ある日、恵三は動脈瘤破裂で倒れ危篤に陥ってしまいます。雲月は別れた妻と子に合わせてやれとヤスエに言いますが、ヤスエはうちのことに口を出さないでと言い、夏美と慎吾にも帰ってくれと言うのでした。一時、意識を取り戻した恵三は、皆がいればいいと強がるのです。

ヤスエは夏美と慎吾の助けを借りて、別れた妻と子に頭を下げに行きました。面会に来た二人を見て、恵三は心から喜ぶのでした。慎吾は今まであきらめてばかりだった自分に気がつき、一人東京に去っていきます。

恵三は夏美に、昔、ふらっと店に来たバイク乗りの話をします。事故で仲間を亡くし悩んでいた彼に、恵三は三つの恵みがあると教えました。この世に生まれること、親に愛されること、そして親になって子を愛すること。お父さんは夏美のことを本当に愛していたんだよと教えるのです。

恵三の葬式。やってきた慎吾は、夏美に酒造りの難しさとそれに立ち向かう決心がついたことを話し、夏美は雲月に恵三にそっくりな地蔵を彫ってくれと頼みます。それから3年たち、慎吾は身重の夏美と共に再びたけ屋を訪れました。締め切ったたけ屋には人の気配はなく、近くの祠に恵三に似たのと、小さなヤスエに似せた2体の地蔵が祀られていました。

作品としては地味な印象ですが、有村架純の現在の女優イメージを形作る原点のような映画。迷いをたくさん持つ若者が、田舎での他人との交流の中から、少しずつ大切なものを得る流れの中で、父親に対する思いを強く持つ主人公を演じています。

映画では吉行、光石と小林のベテランが、しっかり脇を固めていて、若い有村と工藤を支え切っているところが素晴らしい。

有村架純も女優ですから、当然恋愛映画もあるわけですが、何しろこちらが苦手なジャンルであまりそこに時間を割きたくない・・・ということで、紹介だけしておきます。

2015年 ストロボエッジ 福士蒼汰とW主演で高校生の役。
2017年 ナラタージュ 松本潤とW主演で、大学生。高校の時の恩師との恋。
2021年 花束みたいな恋をした 菅田将暉とW主演。大学生から社会人になる5年間。

「ストロボエッジ」のみ恋愛成就ですが、あとは残念な結果。「フォルトゥナの瞳」と「月の満ち欠け」も恋愛がメインではありませんが、どちらも恋愛は不成立で終わっています。どうも、あまりハッピーエンドにならない役が多いみたいですが、そこがリアリティにつながり、女性からも支持されるところなのかもしれません。

2024年6月17日月曜日

田植え


いつも通る道沿いの田んぼです。

5月に水が引き入れられ、6月になって苗が植えられていました。

さずかに仕事が早い。あっというまに、水田らしくなりました。

すでに水を求めてカモが飛来しています。

毎年見る光景ですが、梅雨前から気温が上昇して、季節感がしだいに変わりつつある今でも、風物詩として何となく安心します。

ただ、高温のため、最近は米の一粒が小さめになっているらしい。

農家の方はいろいろと苦労が増えて大変なんだろうなと思います。

2024年6月16日日曜日

ちひろさん (2023)

目下のところ、有村架純の主演映画としては最も新しい作品。原作は安田弘之によるマンガで、人気風俗嬢の日常を描いた作品。ただし、風俗を辞めて海辺の街にやったきた様子を中心とした、続編にあたる部分を映画は描きます。

監督は「からかい上手の高木さん」で注目される今泉力哉。製作総指揮はWOWWOWを主戦場とする岡野真紀子、製作会社は最近次々と話題作を提供するNetflixです。だんだん映画の製作形態もネット寄りになってきたことを実感できます。

のこのこ弁当で売り子として働くちひろ(有村架純)は、以前風俗嬢であったことを隠すことも無く、当時の源氏名のまま呼ばれ、愛想が良く評判は上々です。

オカジ(豊嶋花)は目立たない女子高校生で、家では細かい親に従順ですが、ちひろの町での様子に興味を持ち、ちひろにも気に入られ感化され自分を表にだすようになっていきます。

まこと(嶋田鉄太)は小学生。母親はシングルマザーで、あまりまことの面倒は見ていません。ちひろにいたずらを仕掛けたことで知り合い、弁当をもらったり一緒に遊んだりするようになりました。

べっちん(長澤樹)は、オカジと同級生ですが、引きこもりで高校へはほとんど登校したことがない。隠れ家にしていた廃屋ビルにマンガを置いていて、ちひろと知り合い意気投合します。

バジル(van)は風俗時代からのちひろの友人のニューハーフ。ちひろの分け隔てのない付き合い方が好きで、今でもときどき一緒に食事したり遊びに出かける仲。

内海(リリー・フランキー)はちひろが働いていた風俗店の店長で、今は熱帯魚店を営んでいます。気のあるバジルが店を手伝いますが、娘のように思えるちひろに関わることで、バジルとちひろの間に亀裂が入るのです。

尾藤(平田満)はのこのこ弁当の店主で、ちひろが風俗嬢だったことを知ったうえで、お弁当を綺麗に食べきったことが気に入り雇うことにしたのです。妻の多恵(風吹ジュン)は、唯一ちひろが本名の古澤綾で接する母親のような存在で、視力を失い入院中です。

特別に大きな事件が起こるわけではなく、日常の普通の出来事がさざ波のように寄せては引いていくようなストーリーなんですが、ちひろの純粋な心が自然と周りに人々を集め、まるで疑似的な「家族」を形成していくような雰囲気を作り上げています。

それは家族のいない孤独なちひろにとってはどこかで欲しているはずなんですが、実際に表に見え始めるとちひろは距離をとるように身を引いてしまう。おそらく過去の家族に対する嫌な思いがあるのかもしれません。

それにしても、どうしても「かわいい」イメージが先行する有村架純に「したくなっちゃった」と言わせ、付き合っているわけでもない男と一夜を共にするシーン(まぁ、ほとんど何も見えませんけど・・・)が登場するのには驚いた。作られたイメージを踏襲しつつも、大人の女性としての変わっていこうとする姿勢の表れなのかもしれません。

2024年6月15日土曜日

かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発 (2018)

「RAILWAY」は映画としてはシリーズ化されており、本作は3作目です。多くのヒット作を手掛けた製作総指揮をする阿部秀司の鉄道好きから企画されたシリーズ、一つ一つは監督も違い別々のストーリー。本作の監督・脚本は吉田康弘です。

25歳の奥薗晶(有村架純)と10歳の奥薗駿也(歸山竜成)は、東京から鹿児島の奥薗節夫(國村隼)を訪ねてきました。節夫の息子、修平(青木崇高)は東京でイラストレーターの仕事をしていましたが、妻は駿也を産むときに亡くなってしまい、男手一つで駿也を育てていたのです。たまたま知り合った家族のいない晶と再婚したものの、妊娠した晶は流産しています。

しかし、修平が突然の病で亡くなったため、晶と駿也は節夫を頼ってやってきたのでした。節夫は鹿児島のオレンジ鉄道の運転士をしていて、晶も父親譲りで鉄道好きの駿也のために運転士になることを決意します。厳しい研修を受けついに運転士免許を取得した晶でしたが、研修運転で突然飛び出してきた鹿を轢いてしまいパニックになるのです。

学校で家族について作文を発表することになった駿也は、父親との思い出ばかりを書いたため、晶に「もうお父さんには会えないんだよ」と言われ、反発して「晶ちゃんがいなくなればよかった」と口にしてしまうのでした。

運転士としての適性に悩んでいたところに、母親になろうとしている駿也の言葉にショックをうけた晶は、一人東京に戻り修平と駿也と三人でいつも来ていた鉄橋から下を走る鉄道をじっと眺めていました。そこへ駿也からきっとそこにいると教えられた節夫がやってきて、晶にどうなっても心配ないから自分で決断しなさいと優しく言うのです。

そして携帯に修平からのコールがあり、出ると駿也でした。ごめんなさいと一言いって電話が切れると、晶は着信者の名前を修平から駿也に変更して駅に走るのでした。

有村架純主演の映画としては、やや話題性が低かった印象ですが、内容はなかなか素晴らしい。比較的わかりやすい展開で、ストーリーの流れも想像しやすいのですが、少しずつ回想シーンを入れて、晶と駿也、そして節夫が新しい家族を作り上げていく様子がうまくまとめ上げられています。

有村架純の役どころもけっこう難しいもので、連れ子の駿也の母親になろうと決意する過程、全くの他人である義父であり運転士としての先輩である節夫との関係性などは今までにはないものでした。ただし、周囲をホッとさせる雰囲気と、一つの芯が通った女性を演じると言う点では、有村らしさの完成形みたいなところがあるように思います。

鉄道好きの人には、実際にある熊本・鹿児島間を走るディーゼル1両編成のオレンジ鉄道が見どころでしょう。実際に列車が走ってくるシーンでは、有村本人が運転席に座っているように見えるのですが、本当のところはどうなんでしょう。

2024年6月14日金曜日

女子ーズ (2014)

もう、これは、ギャグ。ここまでギャグに徹すると、潔さを通り越して単なる開き直りとでも言える。いわゆる「戦隊物」のパロディですが、何しろ戦隊のメンバーが豪華すぎる。

赤木直子(レッド)が桐谷美玲、青田美佳(ブルー)が藤井美菜、緑山かのこ(グリーン)が有村架純、黄川田ゆり(イエロー)が高畑充希、紺野すみれ(ネイビー)が山本美月というキャスティングですから、10年前の映画とはいえ、このメンバーは二度と揃えられるもんじゃない。

なんちゃらレンジャーが任期満了になって、レンジャーのまとめ役のチャールス(佐藤二朗)は、名前に色が入っているというだけで女子たち5人を新たに集めました。レッドはとにかく超真面目な建設会社の社員、ブルーはパリピ系のアパレル販売員、グリーンは臭い演技をする劇団員、イエローは貧乏でバイトに明け暮れ、そしてネイビーは金持ちの財閥令嬢です。

何しろ女子ですから、集まれば女子会。怪人が出現してもまつ毛の手入れ中とか、バイトで忙しいとか、いろいろな理由で集まらない。真面目なレッドはそのたびにイライラしているんですが、ついに自分の大事な仕事のプレゼンのために、自分も穴をあけてしまうのです。

レッドが来なかったと4人が心配して家を尋ねると、仕事だったからというレッドに皆はあきれてしまいます。それから、レッドは連絡をされても無視することが続きます。チャールスはレッドを呼び出し、レッド抜きでもほかの4人が精一杯戦っていることを教えます。

再び怪人が現れ、反省したレッドはいつもの採石場に向かいますが、今度は他の4人がいない。レッドは一人一人のもとに言って謝り、何とか全員揃うことができました。しかし、今までの怪人以上に強敵で巨大化して襲ってきたため、ついに、新兵器女子-ズロボが登場するのでした。

監督・脚本はほぼギャグ映画ばかり作っている福田雄一。戦隊員を演じた5人にとっては、若かりし頃の黒歴史みたいなもの。とてもじゃないけど、見返したくはならないと思います。それぞれのファンが怖いもの見たさで見ればいいのかな、という感じです。

2024年6月13日木曜日

コーヒーが冷めないうちに (2018)

原作は劇団音速かたつむりの川口俊和による舞台劇で、後に自ら小説化したもの。監督は多くのテレビ・ドラマを手掛けた塚原あゆ子、脚本も奥平佐渡子という女性ペアが作り上げたところも注目です。

時田数(有村架純)と叔父の時田流(深水元基)がやっている街の古くからある喫茶店「フニクリフニクラ」は、ちょっとかわったところがあります。特定の一つの席に座って、数が淹れたコーヒーを飲むと過去に戻れるのです。ただし、過去に戻っても現在の状況には変化は起きない、コーヒーが冷める前に飲み切らないと現在に戻れなくなるという条件があります。

1週間前に急にアメリカに転勤で旅立った男ともだち(林遣都)と喧嘩になってしまった清川二美子(波瑠)は、戻って彼に言いたいことがあるという。しかし、その席にはずっと女性(石田ゆり子)が座っていて、なかなか席が空きません。二美子は席を替わってもらおうと女性の肩に触れると強い息苦しさを感じるのです。数は彼女は「幽霊」みたいなもので、20年前にコーヒーを飲み切らなかったために戻ってこれなくなったと説明します。

女性はたまにトイレに立つので、その隙に二美子は席について数にコーヒーを淹れてもらいます。すると水の中を落ちていくような感覚があり、1週間前に戻っていました。二美子は男ともだちの気持ちを確かめきれないうちにコーヒーが冷めてしまいそうになり、慌てて飲み干し「今」に戻ってきました。現在を変えることはできませんが、二美子は思い切って彼と連絡を取りアメリカに旅立つ決意をし、未来は変えることができることに気がついたのでした。

よく来店しずっとコーヒーを飲んでいる初老の婦人(薬師丸ひろ子)は、いつも男性(松重豊)が迎えに来ます。婦人は夫に何か渡したいと考えているようですが、実は認知症が進行して迎えに来る男性がその夫であることさえわからないのでした。

男性は数にコーヒーを淹れてもらい、まだ妻が認知症が出ていないときに戻ります。妻はこの店の過去に戻れることを知っていて、夫が未来から来たことを理解します。夫は何か自分に渡し忘れているものがあるかと聞くと、妻はカードの入った封筒を渡しあなたは未来に帰りなさいと言います。カードには自分の認知症のことが書かれていて、自分のことで無理しないように書かれていました。

スナックを営んでいる平井八絵子(吉田羊)も常連客。ときどき郷里から訪ねてくる妹のことは避けていて、伝言を置いて行っても読みもしません。実家の旅館を嫌がって都会に出てきて、すべてを妹に押し付けたことが重くのしかかっているのです、しかし、その妹が突然交通事故で亡くなってしまいます。

平井は前回妹が訪ねてきたときに戻り、今までの事を謝りたかったのですが、時間切れで戻るしかありませんでした。そして、郷里に戻り旅館を継ぐ決意をして帰っていくのでした。

数は店に通う新谷亮介(伊藤健太郎)と次第に仲良くなり、ついに妊娠します。実はずっと例の椅子に座っている謎の女性は数の母、要なのでした。数は、母親にコーヒーを淹れたこと、そして自分が一人残されたことがずっと心にあって、素直に受け入れることができないでいたのです。亮介は数の重荷を取り除くため、ある方法を思いつくのでした。

可愛らしい顔立ちから、「女の子」らしい役回りが多い有村架純ですが、ふわ~とした雰囲気から、徐々に癒し系の役柄が増えてきました。この映画は、そんな人を和ませる雰囲気がみられる作品です。ただし、心にある種のトラウマを抱え、芯の強い女性という、ある意味典型的な有村架純が得意なジャンルと言えそうです。

タイム・スリップ系のファンタジー作品なのですが、SFではなくあくまでも誰もが一つは心に刻んでいる「後悔」を解決するための道具として過去に戻るという状況が出現します。そして過去を振り返っても、起きたことは変わらない。でも、区切りをつけることができれば、人は未来に向かって前向きになれるというメッセージが込められています。

タイム・スリップ映画では、しばしば時間軸が混乱しやすいのですが、数自身のエピソードについては、よく見ていないと、そしてよく考えないと何でそうなるのかわかりにくくなります。集中して見るようにしましょう。

2024年6月12日水曜日

セブンのおにぎり 41


行くたびに新発売が並んでいて、セブンイレブンのおにぎりの棚が元気。

毎回チェックするのも大変ですが、今回も「新発売シール」が貼られているのがありました。

目玉は・・・まさに目立のような、「丸ごと半熟煮玉子」です。今までは、卵を半分に切ったものがありましたが、今回は丸ごと1個のゆで卵が入っているので、もはやご飯はほぼおまけ。

濃厚豚骨醤油御飯となっていますが、量が少ないのでほとんどどうでもいいような存在。茹で卵はしっかりと味がしみ込んで、めちゃめちゃ美味しいです。

もう一つは「のりバタしょうゆ」で、こちらは可もなく不可もない想像通り。

まぁ、バターと醤油というのは、だいたい間違いのない組み合わせ。味的には問題ありません。

とは言え、海苔が具材としてはあまり食感がないので、ペースト状のものがはいっているだけというのが、ちょっと寂しいというところでしょうか。

2024年6月11日火曜日

ビリギャル (2015)

有村架純の金髪ギャル姿が話題になった主演映画。もっとも、原作も超話題になった坪田信貴作のノンフィクション「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」でした。監督は土井裕泰です。

仲間と遊んでばかりいてまったく勉強をしなかった工藤さやか(有村架純)は、学校でも担任の西村(安田顕)からクズ呼ばわりされています。父親(田中哲司)は長男の野球の才能ばかりを期待して、さやかはまったく放置されていました。

母親(吉田羊)は、さやかを個人指導の塾に連れて行きます。担当の講師、坪井(伊藤淳史)はさやかの話もよく聞きどうせなら慶応大学を目指そうと言うのです。弁護士の父親に反発してグレている森玲司(野村周平)も入塾してきます。

さやかは小学生の勉強から開始し、苦手な歴史はマンガを読み込んで次第に勉強に力をいれていきます。遊び仲間も、頑張っているさやかを応援し、遊びに誘うのをやめると伝え、自分たちをクズ扱いする学校を見返してほしいと言います。

しかし、3年生になって模擬試験を受けるようになると何度受けても成績が伸びない。しかし、坪井らの励ましや母の努力で何とかさらなる猛勉強を行い、ついに大学入試の日を迎えるのでした。

まずは実話をもとにしていることがすごい。小学生レベルの学力で、1年半で大学入試、しかも慶応とか狙うというのは、普通に考えれば不可能としか言いようがない。坪井先生は、自分もクズ扱いされた過去から、一人一人の状況を考慮した指導をするのですが、保護者や学校の先生にも毅然とした態度で臨むところが素晴らしい。

また、塾代を出さない父親に代わって夜も働きに出る母親もすごい。長男以外はどうでもいいと豪語する父親も、ある意味すごい。もっとも、長男が野球で挫折してこどもに託した夢が崩れ去るところは多少お気の毒。

有村架純のギャル演技は、ちょっと無理がある感じ。「イェ~イ」とか言っても、ちょっと可愛すぎ。夏休みが終わって金髪をやめた後の方が違和感が無くなります。とは言え、この映画の演技で日本アカデミー賞、ブルーリボン賞などの主演女優賞を受賞し、飛躍の作品となったことは間違いありません。

2024年6月10日月曜日

ギャル バサラ 戦国時代は圏外です (2011)

若手の女優さんの中で大変輝いている一人が有村架純(1993年生まれ)。2010年にテレビドラマでデヴューして、おそらく2013年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の出演で知名度が上がったかと思いますが、映画は2011年が初で、同年の2作目のこの映画で早くも主役に抜擢されています。

監督は佐藤太で、縁があるAKB48、SKE48のメンバーが顔出しています。簡単に言うと、現代女子高生が戦国時代にタイム・スリップして、携帯電話(まだスマホはメジャーじゃなかった)が圏外になってしまう話ですが、それほど練られているわけじゃないので細かいことは気にしてはいけません。

あさみ(有村架純)とヒロ子(荒井萌)と優(竹富聖花)の3人と公平(賀来賢人)は、授業をさぼったため、補習で戦国時代の展示をしている博物館に行くことになります。同級生の卓也(森廉)も、父親の民間研究科と一緒に訪れていました。その時急にタイムホールが発生し、5人は飲み込まれてしまうのです。

気がつくと、そこは戦国時代で野武士が斬りあいをしている状況に、次第に5人は状況がわかってきます。百姓から武士になることを夢見ている与平(浜尾京介)、吾作(相馬圭祐)、利吉(鈴木勝吾)の3人の若者と知り合います。

彼らは織田信長(松方弘樹)がいる岐阜城に向かいますが、途中で野武士の襲撃を受け、与平は命を落とし、ひろ子と公平は河津信行(有薗芳記)の一派に連れ去られてしまいます。あさみと優は羽柴藤吉郎の妻ねね(篠田麻里子)と面会します。実はねねも未来からタイムスリップして来たのです。ねねは藤吉郎に歴史の知識を使って助言をしていたのでした。

優はねねの言葉でこの時代で生き抜く気持ちに傾き、あさみと喧嘩になります。卓也は次のタイムホールが発生する時間と場所を計算し、帰れるチャンスを見つけるのでした。それまで、ひろ子と公平を助け出すためため、吾作と利吉の力を借りるのでした。

まぁ、いわゆるB級映画的なものなので、内容的には既視感のある映画のつなぎ合わせみたいなところはあるんですが、女子高生が主役でときどきタイムホールが開く時だけ携帯が使えて未来と会話ができるというところが目新しい。

有村架純はまだ十代なんですが、逆に今でも同じ雰囲気を保っているのには驚きます。とにかく演技的にはそんなもんかというところはありますが、ファンの方なら見逃せない作品かもしれません。

2024年6月9日日曜日

セブンのおにぎり 40


セブン・イレブンの「韓国グルメフェア」のおにぎりシリーズの第2弾です。

こちらの方が、より韓国を感じられるかもしれません。

右は、韓国の太巻きとして、最近ではスーパーでもよく見かけるようになった「ビビンバキンパ」です。中に入っている具材は、キュウリ、ニンジン、大根、卵焼き、ポーク・ソーセージ。

そして焼肉風の味がついた牛肉も入っているんですが、あまりに細かすぎて何だか味はすれども姿は見えずという感じ。

とは言え、それなりの雰囲気は出ているので、美味しく食べることができます。ただ、これ1個で285円はちょっときつい。

左は「韓国式ハンバーグ トッカルビ」です。

豚肉のつくねみたいな感じですが、ハンバーグと呼ぶにはちょっと違うかも。味は韓国を感じるほどのことはないのですが、まぁ、普通に美味しいというところ。

ちょっと気になったのは、肉の部分を噛んでいると粘り気みたいな食感があるところ。レンコンとかがはいっているような感じ。

原材料を見てみると、たぶんその正体は「豚皮すり身」だろうと思います。コラーゲンたっぷりということなんでしょうが、正直に言うと傷んだ肉を食べているような感じがしてちょっと不安になりました。

2024年6月8日土曜日

ミステリと言う勿れ (2023)

2022年1月期のフジテレビの「月9」で放送されたドラマの、劇場映画版です。原作は田村由美のマンガで、主役の久能整(くのう ととのう)は、実写映像化する場合は原作者も菅田将暉をイメージしていたらしく、キャスティングは見事にはまったという感じがします。監督はテレビのドラマ版を手掛けた松山博昭、脚本は相沢友子。

大学生で、観察力が優れていて、やたらと細かいことを説明し続けるという、扱いにくい久能整(菅田将暉)は、広島にやってきて高校生の狩集汐路(原菜乃華)から、なかば強引に命の危険がある金になるバイトとして、自分のボディ・ガード兼謎解き係として雇われます。

汐路の一族の家長である祖父の遺言状開封の儀が執り行われ、相続権のある孫4人が集められました。遺言は、ゆら(柴咲コウ)、理紀之助(町田啓太)、新音(萩原利久)と汐路の4人に、狩集家の広大な敷地内にある4つの蔵を与え、それぞれの蔵を調べて「足りない物を過不足なくそろえる」ことができたものにすべての財産を相続させるというものでした。

相続権を持っていた4人の父や母は、8年前に交通事故で死亡しており、運転していた汐路の父親の居眠り運転が原因とされていました。しかし、汐路は遺産相続をめぐって、昔から続く一族の確執が関係していると考えていました。そして、早くも汐路の周囲には不穏な動きが始まっていたのです。

ストーリーの性質上、起承転結の起の部分しか紹介しませんが、一見横溝正史ばりの「おどろおどろしい」一族の話に金田一耕助のような探偵が出で来るわけですから本格的推理物のような話・・・と思いきや、謎解きについてはそれほど力は入っていません。

大元のマンガを読まず、ドラマも見なかった自分としては、少々主人公のキャラクターに戸惑うところがありますが、どうやら基本点的にこの変わっためんどうくさい大学生の喋りを楽しむというのが作法のようです。できれば、ドラマを先に見れた方がより楽しめるのでないでしょうか。

久能整は、やたらと思い立つと誰彼構わずに持論を話始めるのですが、事実に基づくものもあれば、個人の思い込みみたいなものもある。全般に男性社会に批判的な考えに基づいているような印象ですが、けっこう的を得たもっともな意見が語られています。このあたりは、このシリーズの見所と言ってよさそうでする

出演者としては、狩集家の顧問弁護士の車坂義家に段田安則、その息子も朝晴に松下洸平、狩集家の顧問会計士の真壁軍司に角野卓造、汐路の両親は滝藤賢一と鈴木保奈美、ゆらの夫に野間口徹など。他に松坂慶子、松嶋菜々子も登場します。

2024年6月7日金曜日

フォルトゥナの瞳 (2019)

これ、原作は百田尚樹。なんか、硬派な小説ばかり書いて、時には過激な発言で注目を集める人という印象なんですが・・・まぁ、意外なことに、これは普通じゃないけど恋愛小説の部類に入るもの。監督は胸キュン映画が得意な三木孝浩、脚本は坂口理子。

木山慎一郎(神木隆之介)は幼い時に飛行機事故にあい、一緒に搭乗していた両親を失いました。今は遠藤哲也(時任三郎)と妻の美津子(斉藤由貴)が経営する車の整備工場で、仕事だけが生きがいのような生活を送っていました。

ある日、他人の体か透けて見え、その人物が直後に車にはねられて死亡します。寿命が尽きそうな人がわかることに気がついた慎一郎は、携帯ショップで桐生葵(有村架純)と知り合います。

葵の手が透けて見えたため仕事終わりに喫茶店に呼び出しましたが、手は元に戻っていました。実は葵がそのまま帰宅していたら、帰り道の工場火災に巻き込まれていたのでした。しかし、慎一郎は強い胸の痛みを感じます。さらに遠藤も透けて見えたため、死の直前を助けるのでした。

強烈な胸の痛みに襲われ病院に行った慎一郎は、医師の黒川(北村有起哉)と知り合います。黒川は慎一郎の能力を知っていて、自分も死ぬ人の体が透けて見えると話す。この力は強い精神的ストレスによって発生する「フォルトゥナの瞳」であり、他人の運命に立ち入ると、その分自分の体を傷めることになる。だから、自分は一切見ても見ぬふりをして関与しないことにしていると話します。

自分の力を葵に話した慎一郎でしたが、葵は理解を示し、慎一郎にもやっと楽しい日々がやってきたように思えました。しかし、再び、慎一郎はいろいろな場所で体が透けている人々をみるようになります。そして、それが葵が通勤に使っている電車を利用する人々であることに気がつきます。

黒川からこれ以上他人の運命に介入すると自分の命が無くなると忠告されますが、葵の体が再び透けて見えたため、何とか葵の命を守ることを決意するのでした。

恋愛小説と言ったのは、運命によって導かれた二人が恋人になって、訪れる運命に立ち向かうということなんですが、確かに一風変わっています。人の生き死にがわかる超能力をからめたことで、ちょっとSF調というか、ファンタジーというか、不思議な色彩に包まれた映画です。

ものすごい傑作とはいいませんが、何しろ神木隆之介と有村架純のお互い訳アリの演技に見入ってしまいます。その訳は最後の最後にわかるんですが、とにかく二人の演技の見事さで最後まで見続けられる映画です。もっとも、そこが監督の力かもしれません。

2024年6月6日木曜日

iPhoneヌード


・・・って、まぁ、これだけのことなんですが。

簡単に言うと、レントゲン写真にしてみたということ。

こうやって中身の雰囲気がわかると、パッケージングを設計した人は、ある意味「芸術家」だなと思ってしまいます。

使い勝手などを考慮しなければ、もっと凝縮させことも可能なのかもしれません。一番面積を占めているのはバッテリーで、重なる〇がMagSafe。

まぁ、これだけのことですね。

2024年6月5日水曜日

骨付き豚バラ肉のビール煮



「××のビール煮」というのは、いろいろなレシピがあります。

炭酸が肉を柔らかくする効果があるので、いろいろと応用されているわけですが、中でもビールで煮込むと、味にも深みが出るため好んで使われています。

今回は骨付き豚バラ肉を煮込んでみました。

600g程度の肉に対して、ビールは350ml缶を丸ごと使いました。弱~中火で1時間ほどでめちゃめちゃ柔らかくなっています。骨からも味が出るのも嬉しいポイント。

あとは、ジャガイモ、エリンギ、タマネギ、ブロッコリー、トマトを入れてあと30分ほど煮込んで出来上がり。味付けはニンニク、唐辛子、塩だけなんですが、何とも複雑な味わいになりました。豚肉なんですが、普通のビーフ・シチューみたいな感じもします。

準備する時間に余裕がある、だけどあまり時間をかけずに肉を美味しく煮込みたいという時はビールがおすすめです。

2024年6月4日火曜日

マジドゥショコラ @ 自由が丘


ラーメンだけじゃない、日本蕎麦だけじゃない、たまにはおしゃれなお店にもいったりするという話。

最近、テレビ朝日の「ざわつく金曜日」を見ていたら、ここの菓子が出てきて、ゲストの石原さとみが3つの中から食べたい1つを選ぶという企画をやっていました。

登場したのは、自由が丘にあるマジドゥショコラというチョコレート専念店の人気商品、A シューショコラ、B 自由が丘生チョコブリン、C マジドカカオ・ミルクピスタージュの3つ。どれを選ぶか当てる側は高嶋ちさ子、長嶋一茂、石原良純の三人。

高嶋、石原はC、長嶋はBという選択でしたが、見ているこっちは、絶対Aだと思っていました。ところが、石原さとみが選んだのはC。長嶋さん残念!! ですが、こっちもアレレレレという感じ。

絶対、シューショコラは旨いはずだと確信していたので、悔しさをバネに珍しくお店に行って買ってきてしまいました。

結果。これは美味しい。間違いない。

サクサクしたシューはもちろんのこと、たっぶりのクリームにもほんのりとチョコの味がします。真ん中には板チョコが入っています。

それにして、専門店とはいえ、どの商品も高額なのは驚いた。バレンタインの時には行列になるそうですが、普段食べるのは森永の板チョコと明治のアーモンドチョコで十分です。

2024年6月3日月曜日

自宅居酒屋 #87 かぶのそぼろ煮


一見、大根と似ていますがかぶは、早く煮えるので助かります。ただし、早いということは煮崩れもしやすいので、多少コツがありそうです。

まず、皮をむいたかぶだけを煮て火を通しますが、15分程度で透き通ってきたら火を止めます。切り方は好き好きですが、6等分か8等分くらいにすると時短になりますし、だいたい一口で食べれます。

別の鍋で汁を作ります。これも好みでいいんですが、今回は細かく刻んだ鶏もも肉を入れているので、鶏ガラスープの素とかつおだしの素を同じくらい使い、砂糖は少量を控えめに入れました。

煮立ったらあくを取り除き、先ほどのかぶを入れます。数分程度煮たら溶いた片栗粉を入れてとろみをつけ、株の葉を刻んだものを彩りに追加して出来上がり。

煮込み過ぎないので、かぶの味を直接感じることができます。汁にとろみをつけるので、味がしっかり絡みつくので物足りなさはありません。

ぱくぱく食べてしまえるので、このくらい作ってもあっという間に無くなります。

2024年6月2日日曜日

リハビリ新機種導入

クリニックのリハビリテーション室では、運動療法の他に機器を使った物理療法による疼痛緩和治療を行っています。

電気刺激装置による治療はその主たるもので、これまで広範囲に向いている干渉波装置と比較的狭い部位に使う低周波装置の2台を利用していました。

実用的には、干渉波装置は同時に最大2人、低周波装置は同時に3人の治療を行います。出力チャンネルはもっと多いのですが、首と腰、あるいは右膝と左膝のように複数個所の治療を希望する患者さんが多いため、マックスで稼働させることができません。

干渉波装置は一番古いので、現役とはいえメーカーから今度故障したら修理はできないかもしれないと言われているのですが、最近低周波装置が故障して修理に出しました。その間、代替えで最新機種を借りていました。

患者さんの来院する時間帯は、午前と午後の診療開始時に集中しやすく、その日の天候などによっても思わぬ時間帯で混雑します。今回、待ち時間を軽減することと、最新機種の使い勝手が良かったため、思い切って新規購入に踏み切りました。

新機種はカイネタイザーKT-108というもので、優れているのは干渉波と低周波の両方のモードが使えるというところ。他にも、疼痛の状況によっていろいろな出力が選択できるというマルチな一台です。

これで干渉波装置が引退しても、あわてる必要が無くなり同じ治療環境を提供できることになります。修理した低周波装置も戻ってきたので、現在3台稼働できる体制なので、スタッフがいろいろと最適な配置を試しているところです。

2024年6月1日土曜日

自宅居酒屋 #86 馬刺し


馬の肉は、一般に食用にしている牛豚鶏よりも低脂肪・高蛋白で低カロリー、カルシウムや鉄といったミネラルも豊富、菌の感染リスクも少ないため、日本でも生食用として流通しています。

特に、熊本、長野、山梨などでは、伝統的に馬肉を薄くスライスした「馬刺し」を食べる習慣があります。ただし、現在では国産はほとんど無く、多くは輸入されたもの。生で食べるにあたっては、厚労省が推奨する肉の中心温度をマイナス20゚cで48時間以上の冷凍処理によって感染予防が図られています。

生肉を食べるというのは好き嫌いが分かれるところだとは思いますが、自分は嫌いじゃない。牛ステーキでも、基本的には焼き加減はレアを指定したいところ。牛肉の生食がしにくくなった昨今では、馬刺しは生肉を食べる数少ない機会になっています。

ただ、価格が高いのが難点。今回は山梨の馬肉専門店のブロック肉100gを手に入れましたが、2000円くらいします。ヒぇ~という値段ですが、その分、ゆっくりと味わって食べました。タレは醤油とにんにくの一択です。好みによっては、生姜とか山葵とかも悪くありません。