有村架純の金髪ギャル姿が話題になった主演映画。もっとも、原作も超話題になった坪田信貴作のノンフィクション「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」でした。監督は土井裕泰です。
仲間と遊んでばかりいてまったく勉強をしなかった工藤さやか(有村架純)は、学校でも担任の西村(安田顕)からクズ呼ばわりされています。父親(田中哲司)は長男の野球の才能ばかりを期待して、さやかはまったく放置されていました。
母親(吉田羊)は、さやかを個人指導の塾に連れて行きます。担当の講師、坪井(伊藤淳史)はさやかの話もよく聞きどうせなら慶応大学を目指そうと言うのです。弁護士の父親に反発してグレている森玲司(野村周平)も入塾してきます。
さやかは小学生の勉強から開始し、苦手な歴史はマンガを読み込んで次第に勉強に力をいれていきます。遊び仲間も、頑張っているさやかを応援し、遊びに誘うのをやめると伝え、自分たちをクズ扱いする学校を見返してほしいと言います。
しかし、3年生になって模擬試験を受けるようになると何度受けても成績が伸びない。しかし、坪井らの励ましや母の努力で何とかさらなる猛勉強を行い、ついに大学入試の日を迎えるのでした。
まずは実話をもとにしていることがすごい。小学生レベルの学力で、1年半で大学入試、しかも慶応とか狙うというのは、普通に考えれば不可能としか言いようがない。坪井先生は、自分もクズ扱いされた過去から、一人一人の状況を考慮した指導をするのですが、保護者や学校の先生にも毅然とした態度で臨むところが素晴らしい。
また、塾代を出さない父親に代わって夜も働きに出る母親もすごい。長男以外はどうでもいいと豪語する父親も、ある意味すごい。もっとも、長男が野球で挫折してこどもに託した夢が崩れ去るところは多少お気の毒。
有村架純のギャル演技は、ちょっと無理がある感じ。「イェ~イ」とか言っても、ちょっと可愛すぎ。夏休みが終わって金髪をやめた後の方が違和感が無くなります。とは言え、この映画の演技で日本アカデミー賞、ブルーリボン賞などの主演女優賞を受賞し、飛躍の作品となったことは間違いありません。