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2024年6月8日土曜日

ミステリと言う勿れ (2023)

2022年1月期のフジテレビの「月9」で放送されたドラマの、劇場映画版です。原作は田村由美のマンガで、主役の久能整(くのう ととのう)は、実写映像化する場合は原作者も菅田将暉をイメージしていたらしく、キャスティングは見事にはまったという感じがします。監督はテレビのドラマ版を手掛けた松山博昭、脚本は相沢友子。

大学生で、観察力が優れていて、やたらと細かいことを説明し続けるという、扱いにくい久能整(菅田将暉)は、広島にやってきて高校生の狩集汐路(原菜乃華)から、なかば強引に命の危険がある金になるバイトとして、自分のボディ・ガード兼謎解き係として雇われます。

汐路の一族の家長である祖父の遺言状開封の儀が執り行われ、相続権のある孫4人が集められました。遺言は、ゆら(柴咲コウ)、理紀之助(町田啓太)、新音(萩原利久)と汐路の4人に、狩集家の広大な敷地内にある4つの蔵を与え、それぞれの蔵を調べて「足りない物を過不足なくそろえる」ことができたものにすべての財産を相続させるというものでした。

相続権を持っていた4人の父や母は、8年前に交通事故で死亡しており、運転していた汐路の父親の居眠り運転が原因とされていました。しかし、汐路は遺産相続をめぐって、昔から続く一族の確執が関係していると考えていました。そして、早くも汐路の周囲には不穏な動きが始まっていたのです。

ストーリーの性質上、起承転結の起の部分しか紹介しませんが、一見横溝正史ばりの「おどろおどろしい」一族の話に金田一耕助のような探偵が出で来るわけですから本格的推理物のような話・・・と思いきや、謎解きについてはそれほど力は入っていません。

大元のマンガを読まず、ドラマも見なかった自分としては、少々主人公のキャラクターに戸惑うところがありますが、どうやら基本点的にこの変わっためんどうくさい大学生の喋りを楽しむというのが作法のようです。できれば、ドラマを先に見れた方がより楽しめるのでないでしょうか。

久能整は、やたらと思い立つと誰彼構わずに持論を話始めるのですが、事実に基づくものもあれば、個人の思い込みみたいなものもある。全般に男性社会に批判的な考えに基づいているような印象ですが、けっこう的を得たもっともな意見が語られています。このあたりは、このシリーズの見所と言ってよさそうでする

出演者としては、狩集家の顧問弁護士の車坂義家に段田安則、その息子も朝晴に松下洸平、狩集家の顧問会計士の真壁軍司に角野卓造、汐路の両親は滝藤賢一と鈴木保奈美、ゆらの夫に野間口徹など。他に松坂慶子、松嶋菜々子も登場します。