2024年1月31日水曜日

自宅居酒屋 #78 貝ひも


簡単で、早くて、美味しいがモットーの、もしかしたら居酒屋を営むときのお品書きにのせらけるかもしれないレシピです。

これは本当に簡単。

たまにスーパーでほたて貝のひもを見つけたら・・・ただ煮るだけです。

ちょっとだけ鷹の爪を入れて、醤油をお好みの濃さになるだけ入れる。生臭さが気になるなら、日本酒も少し入れてOK。

そして・・・ただ煮るだけ。

5分くらい沸騰させたら、あくがあれば取り除きましょう。そのまま食べてもいいんですが、火を止めて鍋に蓋をして、できれば数時間放置。味がしっかりしみ込みます。

これだけで350mlのビールの1缶や2缶はいけちゃいます。

残ったら、冷蔵庫で数日は問題ありません。

繰り返しますが、ただ煮るだけです。

2024年1月30日火曜日

PHEVへの道 27 BYD Atto3の通信簿


中国で乱立した電気自動車メーカーで頭いくつか飛び出したのがBYDで、「バイド」と読むこともありますが、正しくは「ビーワイディー」ですし、中国での正式名称は「比亜迪汽車工業有限公司」です。もともとはバッテリーの会社で、2003年に設立、2008年に世界初となるPHEVを発売。日本では2005年に早くも日本法人が設立されていて、2022年からは電気自動車を販売しています。

特に現行のATTO3はヨーロッパを中心に販売が拡大し、電気自動車販売数では昨年はBYDがテスラを大きく上回っています。ただし、日本ではもとから電気自動車への移行は慎重であり、BYDの国内販売台数は昨年1300台ほどで(テスラは5500台)、世界市場のわずか0.04%でしかありません。

現在日本で販売しているのはSUVのATTO3、コンパクトSUVのDOLPHINの2種類で、近日発売予定として高級セダンのSEALがあります。何と言っても、一番の魅力は価格。ATTO3は440万円、DOLPHINはロングレンジ・モデルは407万円、そして通常モデルなら何と363万円です。

ATTO3の諸元を確認します。大きさは、全長・全幅・全高が4455・1875・1615mmでトヨタRAV4より少し小ぶりで、特に全長は短め。車体重量は1750kgで、こちらも電気自動車としては軽めでしょうか。最小回転半径は5.3mで、狭いところでも取り回しは良さそうです。トヨタの電気自動車bZ4Xと比べても全長が短い以外は似たような大きさですが、200kgほど軽い。

WLTCモードの電費は139Wh/kmで合格点。搭載電池容量は58.56kWhで、最大航続距離は470kmですから、よほど過酷な使い方をしなければ十分な性能です。bZ4Xは電費は128Wh/kmで、電池容量は71.4kWh、航続距離559kmですから、性能としては電池が大きい差だけと言えそうです。モーターの最高出力は150kW、最大トルクは310Nmというのも、テスラModel 3にはかないませんが、bZ4Xをやや上回っています。

内装はテスラとBYDは真逆です。テスラは簡素の極みで、運転席に座るとステアリングとアクセルペダル、ブレーキペダル以外はでっかいタブレットがあるだけ。ウインカー・レバーとワイパー・レバーすら無い。すべての操作はタブレットをタッチするだけで、まさにスマート電化製品という感じです。

一方、BYDはスポーツ・ジムをイメージしたというだけあって、いろいろなトレーニング道具をばらまいたようなごてごてとした内装です。飾り気満載で、それが楽しいと思うか、うるさいと感じるかはかなり分かれるところ。

いずれにしても、実用的な電気自動車の選択肢が増えることは悪くはない。もちろん、まだまだ電気自動車の問題点は山積しているので、簡単に飛びつくわけにはいかないのですが、ますます熟成した国産車の登場を期待したくなります。

2024年1月29日月曜日

PHEVへの道 26 テスラ Model 3の通信簿


磁石の強さを表す磁束密度の単位はテスラ。セルビア系アメリカ人のニコラス・テスラの業績にあやかったもので、そのテスラの名前を会社名にしたのが、現在世界最大の電気自動車メーカーとして名が知られるテスラです。

技術者によって2003年に起業されたテスラに資本提供したのがイーロン・マスクで、マスクは2008年に社長に就任、2009年に自社第1号となる電気自動車ロードスターを発売しました。続いて2012年にModel S、2015年にModel Xを発表。そして2017年、量産型で価格を抑えたModel 3により人気に火が付き、2020年にクロスオーバーのModel Yが登場しています。

現在、日本で見かけることがあるのは、ほとんどがModel 3。もっともRWDタイプのベーシックな状態で、車両価格は561万3千円です。デュアルモーター搭載で、より航続距離を伸ばしたロングレンジ・モデルだと651万9千円。ボディカラーは白以外だと12万6千円~26万9千円が追加されます。

コネクテッド・カーとしてのテスラらしさを享受するためには、さらにフルセルフドライビング・ケイパビリティという追加装備が必要で、これが87万1000円。今のところ国からのCEB補助金が65万円出ますが、実用的に使おうと思うと680万円(消費税込み)くらいはかかることになりそうで、納期は2~4か月後となっています。

これらがテスラのホームページから、まるでAmazonで買い物するかのように「ポチ」っとできてしまうというのが驚きです。メンテナンスもある程度までは、ネットを介した通信で終了してしまうので、問題なく使用する分にはディーラーは必要ないことになります。それを良しとする人がいることは間違いないのですが、ひとたび問題が起こった時の安心という意味では、日本の自動車販売システムとの温度差がトラブルになるケースは少なくないようです。

それはともかく、世界的に代表的な電気自動車であることは間違いないModel 3の性能を見ていきます。

大きさは、全長・全幅・全高は4720・1850・1441mmで、セダンというタイプの自動車としては標準的な大きさで、車体重量はRWDは1765kg、ロングレンジAWDは1828kg。航続距離はRWDは573km、ロングレンジAWDは706km。0-100km/hにかかる時間はRWDが6.1sec、ロングレンジAWDは4.4sec。

公式HPでわかる主な性能はほぼこれだけ。実に控えめで質素・・・と褒めいたいところですが、いくら何でも情報量の少なさはいかがなものかと感じます。日本人が細かいことにこだわり過ぎるのか、アメリカ人がまったく気にしないのか・・・いずれにしても、このあたりも日本で販売が伸びない理由の一つになっていそうな感じ。

オーナー・マニュアルを探してたどって、追加でわかるのは少ないのですが、一つだけ「本当?」と疑いたくなったのが最小回転半径が11.7mという数字。どうやら直径の記載ミスらしく、実際は5.9m。それでもこの大きさの車としては「小回りがきかない」と一般にいわれる数字です。

あとはネットで検索。電池容量は非公表で、RWDについては、電費は123Wh/kmでさすがに優秀で、後輪駆動のモーターは最高出力は208kW、最大トルクは350Nm。急速充電は最大170kWまで可能とされています。ロングレンジAWDでは後輪駆動は同じモーターですが、さらに追加された前輪駆動用モーターは、最高出力158kW、最大トルク240Nmとなっているらしい。

単純に比較できる車があまり無いのですが、ある程度大きさが似ているので、昨年発売されたLexusのUX300eと比べてみたいと思います。

まず価格。Version Cが650万円で、装備を高めたVersion Lが705万円で、性能的にはどちらも変わりありません。大きさは全長・全幅・全高が4495・1840・1540mmで、Model 3よりも縦に短く上に長い。車体重量は1790kgでだいたい同じです。モーターはフロント駆動のみで、最高出力150kW、最大トルク300Nmですので、Model 3よりはかなり抑えめで、電費は141Wh/kmで、航続距離は512kmです。最小回転半径は5.2mで、圧倒的に小回りが利くので、取り回しは良さそう。

テスラは電気自動車の普及を牽引する第一の企業であることは間違いないのですが、心配なのは昨年から風向きが変わってきたこと。まず、販売台数は前年比37%増の180万台にもかかわらず、中国の国を挙げての電気自動車戦略に乗っかったBYD社の猛追を受け抜かれてしまいました(BYDは300万台)。

中国勢に対抗するために、値下げを余儀なくされた結果、ヨーロッパやアメリカのレンタカー会社がテスラ車の売却を始めています。これはレンタカー会社が、新車値下げと高い維持費により中古売却利益を得られなくなるためです。

予想を下回った業績により、今後も企業成長は抑制されるという見方から、年明けにテスラの株価は12%下落しています。これはさらなる値下げで中国勢と対抗することを困難にしますので、どのような魅力的な新しいモデルを投入できるかが重要なポイントになりそうです。

また今季の大寒波により、電気自動車全般に共通の弱点である、走行距離の大幅な減少や充電効率の著しい低下がアメリカでも大きな問題になっています。さらにテスラに固有の問題として、没個性というのもあります。車体がシンプルで、ドライバーが個性を表現できる部分がほとんど無いため、売れれば売れるほど全部同じという潜在的な不満が少しずつ拡大しているのです。

個人的にはトップのイーロン・マスク氏の様々なエキセントリックなエピソードも、日本ではプラスにはなっていないように感じます。安心・安全・安定が求められる自動車という高価な買い物に対して、日本人には不安要素にしかなっていないかもしれません。

2024年1月28日日曜日

PHEVへの道 25 ブレーキ


エンジンやモーターだけで自動車は成り立つわけではなく、動き出したら止まらないと困る。そのための装置がブレーキと呼ばれるものですが、従来からアクセルペダルと並んで足元に設置してあるフット・ブレーキと運転席と助手席の間のパーキング・ブレーキ、(以前はハンド・ブレーキとかサイド・ブレーキと呼びました)が馴染み深い。

これらの機械的ブレーキは、構造的にはディスク・ブレーキとドラム・ブレーキに大別されます。前者は、タイヤと一緒に回転しているディスクローターを、ブレーキパッドが挟み込んで摩擦を起こして回転を止めるもの。後者はブレーキシューと呼ばれる部品を回転するドラムの内側から押し付けることで止まります。

物理学的には、どちらも車を動かしていた運動エネルギーを摩擦による熱エネルギーに変換することが車の停止という現象につながります。この時生じた熱エネルギーは、基本的にそのまま放出してしまうことになります。

運動エネルギーをモーターの駆動に使い電気エネルギーに変換するというのが回生ブレーキというもので、モーター搭載車で効率的に車を走らせるための重要なポイントになっています。

初めて聞いた時は、回生ブレーキと言われても何のことやら。エンジンブレーキのことかと思ったりもしました。エンジンブレーキは、アクセルを放して出力を絞ると、その時のスピードに対して抵抗力が生じることで発生するもので、フットブレーキを使い過ぎると摩擦熱によりブレーキの利きが悪くなるため、長い下り坂などでは利用が必須の運転技法です。

マニュアル・ミッション車では、シフト・ダウンすることでエンジン・ブレーキがかかるのですが、オートマチック車では一般に利きが弱くなります。しかし、モーター搭載車ではエンジンブレーキに代わって回生ブレーキがより重視されることになります。

走行中にアクセルを放すと、タイヤの回転を使いモーターで発電するというものが回生。物理的なブレーキは、運動エネルギーを摩擦熱として生じた熱エネルギーにして捨てていましたが、回生は運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、発電により運動エネルギーが減少することでブレーキの役割を果たすことになります。回収した電気エネルギーを電池に貯えることで、再び走行するために利用できるというメリットが生まれます。

つまり、充電量を回復させることで航続距離と燃費を向上させ、外部充電量を軽減させることにつながります。またブレーキパッドの摩耗を遅らせ長持ちさせることも利点となります。ただし、電池が満充電の状態では回生ブレーキは使えないことは注意が必要です。

近年、話題になるアクセル操作だけで加速・減速を行なう「ワンペダル走行」は、回生ブレーキを応用するもので、ペダルの踏み替えが無いため、足が疲れにくく踏み間違いの事故を予防できると言われています。しかし、フットブレーキによる制動性よりも回生ブレーキは弱いため注意が必要です。

2024年1月27日土曜日

PHEVへの道 24 エンジンとモーター


何十年も前に教わった物理学・・・って、とっくに錆びついた知識なんですが、例えば「エネルギー不変の法則」とは、すべてのエネルギーは消えるのではなく別のエネルギーに変化するというもの。

車の内燃機関、つまりエンジンの中で起こっていることは、ガソリンや軽油などの化石燃料を燃焼させてシリンダー内のピストンを動かし、動力を発生させるということなんですが、これは熱エネルギーが運動エネルギーに変化するということ。その結果発生するのが「仕事」という概念で、仕事量と投入された熱エネルギーの比率がエンジンの熱効率と呼ばれます。

エネルギーが不変なら、熱効率は100%になってほしいのですが、現実には50%を超えることはありません。つまり半分の熱エネルギーは別のエネルギーにはなっても、車を動かすことには使われないということ。

これは熱エネルギーが物体の分子を様々な方向へ無秩序に拡散するように動かすためで、一定方向にピストンを動かす分は与えられたエネルギーの半分にも満たないと理解すればよいようです。

一方、HEV、PHEVやBEVで用いられるモーターはどうなんでしょうか。モーターは電磁誘導の力を使って、ステーター(固定子)で発生した磁力でローター(回転子)を回すわけですが、もともと電流は一定の方向に揃って流れています。従って、投入された電気エネルギーは仕事に変換される効率が80%以上という、エンジンからすれば驚くほど高いエネルギー効率が得られます。

エンジンの中でピストンが上下する力が車軸を回転させるわけですが、車軸が動く・・・つまり車が動き出すには一定以上のトルクが必要であり、いきなり動き出すわけではありません。エンジンの規格で「最大トルクは195/4300(Nm/rpm)」などと表記されるのは、回転数4300rpm(回転数/分)で最も強いトルクが発生し、その時の力は195Nm(ニュートン・ルーター)という意味。

アクセル・ペダルを踏み込むと、エンジンへガソリンと空気がが流入・混合して爆発・燃焼により回転数が上がり、一定以上のトルクが発生すると車体が動き出すわけで、当然アクセルを踏むこととスピードが出ることにはタイム・ラグが生じます。

できるだけアクセルとスピードが比例的な関係になるために、停止していてもアイドリングというエンジンをある程度動かしておく仕組みがあるのですが、「無駄なCO2排出を抑制する」という観点で、停車するとアイドリングを停止する仕組みが普通になったことで、タイム・ラグはより顕性化したともいえます。

一方、モーターは与える電力に応じてリニアに回転数が上がる(出力が増加する)ので、少ない回転数でも大きなトルクを生じさせることができ、その力は一定です。ただし、高速回転域になると出力の延びが無くなるため、回転数が高くなってもトルクは減少してしまいます。

つまり、低速域での加速感はモーターがエンジンに勝りますが、高速ではアクセルを踏んでも思ったほど速度は上がりにくいという特性があると理解できます。スピードを上げるために、アクセルを踏んで回転数を上げても、4~5千回転くらいからは出力が伸びません。

加速性の評価として0-100km/hというのがありますが、停止状態から100km/hに達するまでの最速時間を示しています。ガソリン車では一般的には10秒以下ならまぁまぁというところですが、BEVは5秒以下のものがほとんどで、優れた加速性は歴然としています。

しかし最高速度では逆転します。モーターの場合はガソリン車のような変速器は不必要ですが、BEVではある程度のスピードが出せるように何らかの変速器を設けている場合が多く、それでも性能的には最高速度130~140km/hです。ガソリン車では180km/hくらいまでは平気で出る車が多いので、高速域ではBEVは不利と言えます。

PHEVの場合は、ほぼBEVとして走れる街中では、平均30km/h程度の速度で走ることになるので、エネルギー効率的にもきびきびした走りが期待できます。ただし、高速道路などでは、モーターは補助的に使うエンジン主体のHEVとして走行することが理にかなっているということになりそうです。

2024年1月26日金曜日

自宅居酒屋 #77 小松菜しらす和え


某コンビニの新発売おにぎりにヒントをもらったレシピ。

小松菜としらすは、必ずしも味の主張が強い食材ではないので、混ぜご飯にしても、ちょっと物足りない感じがしました。ただ、その上品な味わいは嫌いじゃない。

だったら、ダイレクトにこの2つを「おひたし」風にしたらいいんじゃないか・・・という実に安直な考えでやってみました。

手間は小松菜を適当な長さに切って湯がくだけ。

軽く水気を絞って、しらすを混ぜます・・・出来た。食べる。やっぱり、味が無いわけではありませんが、かなり物足りない。

しかたがないので、塩気がある白だしを少しだけかけてみました。素材の味を消さないようにごく少量使うのがポイント。

まぁ、こんなモンでしょう。悪くはないけど、予想されたこととは言えあっさりしすぎかもしれません。小松菜は炒めてみるのも良かったかも・・・と後で思いました。

2024年1月25日木曜日

セブンのおにぎり 23


新しい商品を開発することに余念が無いセブン・イレブン。新発売のおにぎりネタは尽きることがありません。

今回新発売となっていたのは、この二つ。「梅づくしおむすび 紀州南高梅」と「混ぜめしおむすび しらす青菜」です。

もっとも、たぶん全くの新商品ではなく、過去にあったような気がします。季節ものか、リバイバルということだと思うので、新鮮味は少な目です。

どちらも味はそのままのもの。まさに想像通りで、それ以上でもそれ以下でもありません。

梅干しはこどもの頃は苦手でしたが、大人になってから食べれるようになった食品で、今でもあえて梅干しのおにぎりを食べようとは思わない。

こちらの「紀州南高梅」は、中央にやわらかい果肉がかたまって入っていますが、周りの米と混ざっているカリカリ梅が食感のアクセントになっています。

青菜は刻んだ小松菜で、しらすはほとんど塩味しかないので、タイトルの食材はあまり主張しない。鰹だしメインのおとなしい味が「しらす青菜」です。以前あった「湘南しらす菜飯」からご飯の味付けが変わりました。

まぁ、無難にまとめた感じですが、値段が安いので◎というところでしょうか。

2024年1月24日水曜日

PHEVへの道 23 プジョー 308GT Hybrid の通信簿


外国車の中では、ドイツ勢が日本ではリードしていて、フランス製となると独特の雰囲気があるというイメージがあります。近年はフランス車も「グローバル化」したのか、だいぶ日本でも増えてきました。

比較的価格が安いPHEVを探してみると、フランスのプジョーの308GT Hybridが見つかりました。SUVタイプですが、コンパクト・ハッチバックという感じもするこの車は、556万円からという国産車とも十分に戦える価格に収まっています。荷室を延長したステーションワゴン・タイプの308 SW Hybridだと599.5万円からです。

ただし、注意が必要なのは「円安」の問題。注文した時と価格が変動する可能性、しかも高くなってしまうことがあるので、あらかじめディーラーと話を詰めておかないとトラブルの元になるかもしれない。また、完成品は外国から船で運んでくるので、納期に関しても不安定なことがしばしばあります。

現行のものは2021年から日本に導入された3代目で、2021年にシリーズにPHEVが加わっています。どうやら、どこでも評判なのはドライバーの快適装備の充実。日本車も負けるほどの機能が備わっているようです。

それでは諸元のチェック。大きさは、全長・全幅・全高が4420・1850・1475mm、ホイールベースは2680mm、車体重量は1660kgです。やはり、SUVとしてはやや小ぶりな感じのボディサイズ。その分重量もPHEVとしては少なめというところでしょうか。

WLTCモードでの燃費は17.6km/Lで、同車のガソリン車タイプの17.9km/Lよりも落ちてしまのはちょっと寂しい。電費は168Wh/kmでまぁまぁ合格点。1回の満充電でEV走行できる距離は64kmとなっています。

エンジンは1.6L直列4気筒DOHCターボエンジンなので、排気量の割には最高出力は132/6000(kW/rpm)、最大トルクは250/1750(Nm/rpm)とかなり頑張っています。タンク容量は40L。モーターは一つで、最大出力は81kW、最大トルクは320Nm、搭載電池量は12.4kWhです。

ガソリン車の場合は似たようなエンジンで1.2Lタイプ、ディーゼル車は1.5Lタイプなので、PHEVはかなりパフォーマンスを重視したパワートレインを載せているようです。満タン・満充電で走れる最大距離は768kmなのですが、電池が少ないのでほとんどHEV走行が主体になってしまう感じ。

EV走行は日常使いには十分といえますが、例えば横浜から都内往復となると、天候などの影響も加味すると電池だけでは厳しい感じがします。大きさなどからは、しいてライバルをあげるならSUVというよりはプリウスPHEVかと思いますが、単純な性能比較だと歴然とした差があり、ブランドの好みとか外見の好みでの選択となるのかもしれません。

2024年1月23日火曜日

PHEVへの道 22 BMW X5 xDrive50eの通信簿


基本的にベンツやBMWなどに代表されるような外国車は、ほとんど興味が無かったので、これらの車についての知識量はほぼゼロ。そもそも車名が記号化されているので、どれがどれだかよくわからんのでとっつきにくい、というのが正直な気持ち。

外国のPHEVはどうなんだろうということで、とりあえずBMWについてみていきますが、現行のPHEVはセダン2種類、SUV2種類の4種があるらしい。ここでSUVが多い国産車と比較するなら、SUVタイプのX5 xDrive50eとXMが対象になります。

ところが、価格が・・・・もう涙目にしかならない。X5 xDrive50eは1260万円、XMは2130万円ですから、あまり本気で考える必要が無い。過去にはもう少し安いものもあったようですけど、それじゃあ話が終わってしまうので、ちょっと気を取り直してX5 xDrive50eだけでも、どんなものか見ておきましょう。

大きさは、全長・全幅・全高が4935・2005・1770mm、ホイールベースは2975mm、車体重量は2500kgです。もうこれだけでも、国産SUVと比べて一回りも二回りも大きい。普通のスーパーなどの駐車場では、相当困りそうです。重たいアウトランダーより、さらに500kgも重量があります。

WLTCモードで燃費は10.1km/Lで、電費は307Wh/kmです。搭載電池容量は29.5kWhで、1回の満充電でEV走行できる距離は110kmとなっています。燃費はガソリン車とたいして変わりないし、電池はPHEVとしては大容量ですが、電費も褒めれる数字じゃない。

それもそのはず、エンジンは3L直列6気筒DOHCという強力なもので、前輪2・後輪4程度の配分で動かします。最高出力は230/5500(kW/rpm)、最大トルクは450/4700(Nm/rpm)で、タンク容量は69L。モーターは後輪を駆動して最大出力は145kW、最大トルクは280Nmとなっています。

国産車からすれば、もう化け物級のパワー。価格の高さもうなづけると言うところですが、ここまでくると満タン・満充電で走れるのが最大807kmと国産車より少ないことなどどうでも良い感じ。そもそも、国産PHEVのSUVと比較すること時代がナンセンスというところ。

まぁ、国内でこれだけのパワーを使い切れる道路はありませんから、サーキットにでも行くかアウトバーンに行くしかないですね。

2024年1月22日月曜日

PHEVへの道 21 トヨタ ハリアーPHEVの通信簿


世評的にはBEV、PHEVでは後れを取っているトヨタですが、現時点でPHEVとしてはRAV4と共に人気なのがハリアーです。

初登場は1997年。当時、四駆と言えばオフロードのための車で、頑丈一式のごつい車というイメージが定着していましたが、スタイリッシュな外観でオンロード中心の都会派四駆として登場し、大変に注目されました。初代は3LのV6エンジンまたは2.2L直列4気筒エンジンを搭載した4WDとFFが販売されました。2003年に外観の変更が少ない2代目が登場し、3LのV6エンジンまたは2.4L直列4気筒エンジンを搭載しました。2005年にHEV仕様が登場しましたが、レクサス版ハリアーであるRXが2009年から日本でも発売されたことで廃止が検討され2013年に販売終了。

しかし、ハリアーを単独で扱っていたトヨペット店の強い要望により、大きくデザインを変更した3代目が登場。2.0L直列四気筒DOHCガソリン車、およびそのターボ搭載版、そして2.5LのHEVというラインナップでした。2020年発売の現行4代目からは、全チャンネルでの販売に変わり、エンジンは2Lまたは2.5L、ガソリン車はFFまたは4WD、HEVはFFまたはE-four(電気的4WD)という仕様です。

そして2022年9月についにPHEVが発売されます。エンジンは2.5L直列四気筒、前後モーターを搭載するE-fourになっています。それでは諸元をチェックしましょう。

大きさは、全長・全幅・全高が4740・1855・1660mm、ホイールベースは2690mm、車体重量は1950kgです。気になるWLTCモードでの燃費は20.5km/Lで、電費は160Wh/kmです。搭載電池容量は18.1kWhで、1回の満充電でEV走行できる距離は93kmとなっています。

エンジンの最高出力は130/6000(kW/rpm)、最大トルクは219/3600(Nm/rpm)で、タンク容量は55L。モーターは、前/後で最大出力は134/40kW、最大トルクは270/121Nmとなっています。

大きさとしては三菱アウトランダーとだいたい同じですが、車体重量は50kg少ない。燃費・電費ともにアウトランダーよりも優れていて、RAV4には少し負ける。パワートレインはRAV4と同じで、アウトランダーと比べてエンジンは強力ですが、モーターは前輪が強く後輪は弱い。当然、満タン・満充電で走れる最大距離は1220kmは、RAV4には劣りますが、アウトランダーより200kmも多い。

RAV4がややオフロードに寄せているのに対して、ハリアーはもともと優雅なオンロードSUVという特徴がありますので、内装を中心とした装備の充実度が優れている点が特徴で、価格は620万円。RAV4 PHEVより60万円、アウトランダーより20~120万円ほど高いことになります。

ハリアーという名前にこだわらない、あるいは外観も気にしないというならば、RAV4を選択するのはあり。ただし、ドライバーの居心地を重視するならハリアーが正解です。アウトランダーの上級グレードなら価格差はあまりないので、性能的にハリアーの勝ちかと思いますが、廉価グレードでよければ120万円の価格差は大きなメリットだと思います。

2024年1月21日日曜日

PHEVへの道 20 いつかはクラウン


「いつかはクラウン」というのは、80年代前半にトヨタが自社のフラッグシップ・モデルであったクラウンの宣伝に使ったキャッチ・コピーです。いつかはクラウン(のような高級車)を運転したいものだという一般ドライバーの心理をうまくついた、かなり上から目線の誘惑心満載の決め台詞でした。

当時はトヨタの販売チャンネルごとに売る車種が別々でしたが、そのころから運転を始めた自分はたまたま近くにあったという理由で関りを持ったディーラーが神奈川トヨタでした。唯一クラウンを扱っていたチャンネルなので、しばしばこのコピーを店で聞かされたものです。

その頃は、トヨタは「C」から始まる車名ばかりでしたが、カリーナ、コロナ、セリカなどのメイン・ブランドが消え、今残っているのはセンチュリー、クラウン、そしてカローラだけです(カムリがありますが、これは21世紀の登場)。

センチュリーは別格として、21世紀に入ってカローラは大衆車というより商用車として一般ドライバーは避けるようなブランドに格下げされたし、高級セダンのみのクラウンも官公庁や会社の偉い人が後ろに乗る車、あるいは警察車両か個人タクシーというイメージが固まった感じでした。

創業家出身の豊田章男氏が2010年に社長に就任して、今のトヨタ一強時代を作り上げたことでその手腕はいろいろと高く評価されていますが、自分たちにわかりやすいポイントの一つがカローラ・ブランドの復活です。

1966年に初代が発売されたカローラは、一般向けの価格で人気となり様々な展開が行われたのですが、他車・他社の選択肢が増えるにつれ忘れられた存在になっていました。しかし、2018年に12代目となる現行モデルで、外観も性能も大きく刷新され「買いたい・乗りたい車」としてブランドが再生されたことは驚くばかりです。

そして、もう一つのポイントがクラウンの刷新です。1955年の初登場以来、高級車として販売され続けたクラウンは、いくら「いつかはクラウン」と言われようと一般人からすると無関係なブランドとして定着してしまったことは否めない。基本的に運転手が別にいて、自分は後部でゆったりしている車のイメージの代表格なのです。

クラウンには80年代から、通常のロイヤル、高級インテリアのマジェスタ、性能強化のアスリートという3本柱がありましたが、いずれも4ドア・セダンというエクステリアはほぼ共通でした。

トヨタが高級路線をレクサスに集約したことで、トヨタとしてのクラウンの存在理由が希薄になってきた2022年に、先代からわずか4年でフルモデル・チェンジした次期モデルが発表され、時代の流行とはいえ、クラウンがSUV化するというニュースに世間は驚かされました。


16代目となるクラウンは、異なる外観と異なる性能を持つ4種類のシリーズとなり、従来の高級感は維持しつつ多様なニーズに応えられる新しいサブ・ブランドとして再出発することになったのです。

2022年7月、最初に発売されたのがクラウン・クロスオーバー。基本的にはセダン・タイプですが、SUVとの融合(クロスオーバー)で基本グレードはRSとGの二つ。トヨタは「RS」は、「Runabout Sports」の略としていて、走りの楽しさを追求するモデルに冠しています。

Gグレードは、2.5L直列四気筒エンジンに前後モーターを搭載してFFベースの電気的4WDですが、RSには2.4Lターボエンジンを搭載し後輪モーターも強化されています。それぞれに装備を強化したAdvancedモデルも用意されています。

2023年10月、完全なSUVであるクラウン・スポーツが発売されます。当初はHEVのグレードZのみですが、遅れて12月にはPHEVのグレードRSが発売されました。基本的な外観は、トヨタの新しい顔であるハンマー・ヘッド・シャークをモチーフにした点はニュー・クラウン・シリーズとして共通ですが、スポーツでは全長を減らし全幅を広げた「塊」のあるごついボディで、特に後方の筋肉質な張り出し感が圧倒します。

どちらのグレードも、2.5L直列四気筒エンジンと前後モーターによるFFベースの電気的4WDはクロスオーバーGと同じ。ただしPHEVであるRSは前輪モーターを強化、走るための装備もパワーアップさせています。

2023年11月に登場したのがクラウン王道のセダン。正式な車名は「クラウン」だけです。まさに後部座席でくつろぐための装備が充実し、従来のユーザーが満足する仕様になっています。クラウンの特徴だったFRで2.5L直列四気筒エンジンによるHEVと、驚いたことにMIRAI一択だったFCV車が合わせて用意されました。

2024年3月に発売予定されているのがクラウン・エステート。エステートというのはヨーロッパ風の呼称で、従来のステーション・ワゴンのSUV風の物を意味します。クラウンのステーション・ワゴンは60年代の2代目から「バン」として登場し、1999年の11代目でエステートと改称し2007年まで販売されましたが、12代目で廃止されていました。

今回新たに、そして他の新シリーズと意匠を異にして登場するエステートは、SUV風に生まれ変わっています。パワートレインはまだ詳細は不明ですが、HEVとPHEVの2種類で、おそらくスポーツと同じような仕様になると思われます。

クラウンですからもちろん高級感は維持しつつも、クラウンを運転してみたいと改めて思わせる革新的な展開はさすがと言わざるをえない。外観だけでも先進的な、いわやゆるスタイリッシュなかっこよさは群を抜いていますし、パワートレインはFFもFRもターボもあり、そしてHEVもPHEV、さらにFCVもありという多彩なバリエーションが用意されていることは特筆すべき点でしょう。

高級路線を目指したはずのレクサスが次第に大衆化している現状なので、トヨタは新たに「クラウン」を高級ブランドとして独立した位置づけにしていく方向性が見えてきます。実際、クラウンのみを扱う専門店も横浜と福岡にできました(何と横浜は都筑区にあります)。今後、新たなバリエーションが出てくる可能性もありそうで楽しみです。

2024年1月20日土曜日

セブンのおにぎり 22


2024年、最初のセブンイレブンのおにぎりは・・・・

そうです。ただいま開催中、北海道グルメフェアからになります。

阿部商店監修の「いかめし」とぶたはげ監修の「炭火焼き豚丼風おむすび」の二つ。

少なくとも「いかめし」再登場だと思います。阿部商店は、あの駅弁の「いかめし」を作っているところで、函館と長万部の中間の場所で何しろ100年近く作り続けているまさに王道、まさに元祖、まさに本家。

開封すると、冷えていてもいかにもイカの香りがいかしている。もち米をブレンドしてあり、「いかめし」の食感を再現している感じがします。

真ん中に刻んだイカがそれなりの量で包み込まれているので満足感もありますが、しいて言えば海苔で巻いていないのでやや食べにくい。もっとも海苔の味は邪魔になりそうですけどね。

帯広の豚丼の名店といわれるぶたはげが監修したのが「炭火焼き豚丼風おむすび」です。想像通りの味で、確かに美味しい。真ん中の豚焼きがなかなかのものです。

まわりの白米は、たぶん少しだけ塩味がついているので、一口で豚に達しなくてもお米の旨さを感じられるのが嬉しいポイント。こちらは海苔巻きです。

2024年1月19日金曜日

PHEVへの道 19 三菱 アウトランダーPHEVの通信簿


自動車は高価で機能性・安全性が重視される製品ですから、一度失った信頼を回復させるのは並大抵のことではありません。巨人トヨタでさえも、グループ会社の不祥事が度々発生しています。

世間を揺るがした大事件は2000年のこと。国の監査によって三菱自動車工業の大規模なリコール隠しが判明しただけにとどまらず、2004年にもさらなるリコール隠しが発覚し、消費者の信頼は地に落ちました。しかし三菱グルーブの支援で倒産はまぬがれ、様々な企業努力によって2007年に黒字化したというもの。

しかし、2012年にエンジン不具合の不適切対応、2016年に燃費試験不正、2018年に外国人技能実習生の不正就業などの問題が続発しており、三菱自動車には企業風土として根本的な問題が潜んでいるような疑惑が払拭できません。

とは言っても、現実にそれなりに良い車を作り続けていることは否定しません。実際、今の時点でPHEVを買いたいと思ったら、国内PHEV販売台数で第1位がアウトランダー、第2位がエクリプスクロスですから、三菱を検討対象からはずすわけにはいきません。

アウトランダーは車種としては2005年からある比較的古い物ですが、PHEVが登場したのは2012年。量産型としてはプリウスに次ぐ2車種目で、SUVタイプとしては国内初です。毎月千台前後はコンスタントに販売され、2023年は年間で13395台になっています。2020年11月にガソリン車が生産終了及び2021年10月にPHEVのフルモデルチェンジを行い、現在はすべてがPHEVモデルとなっている点が注目されます。

PHEVでは人気のSUVタイプで競合車種が無かったことが人気の理由としてあげられますが、2022年にはトヨタから人気のハリヤー及びRAV4のPHEV、2021年にはレクサスからNX及びRX、さらに2023年はクラウンRSという強敵が登場しています。しかし、ある程度は三菱の優位性が続くと思われる要因は価格。500~600万円という他車よりも低い車両価格なので、唯一ライバルになりそうなのはRAV4だけ。

まずアウトランダーの諸元をチェック。大きさは、全長・全幅・全高が4710・1860・1740mm、ホイールベースは2705mm、車体重量は2010kgです。一番気になるのは燃費と電費。WLTCモードでアウトランダーは燃費は16.6km/Lで、電費は227Wh/kmです。搭載電池容量は20kWhで、1回の満充電でEV走行できる距離は87kmとなっています。

続いてRAV4の諸元を見てみましょう。全長・全幅・全高が4610・1865・1690mm、ホイールベースは2690mm、車体重量は1920kgです。WLTCモードでRAV4は燃費は22.2km/Lで、電費は155Wh/kmです。搭載電池容量は18.1kWhで、1回の満充電でEV走行できる距離は95kmとなっています。

RAV4の方が、ほんの気持ちだけ小ぶりですが、大きさとしてはほとんど同じと考えて良さそうです。しかし、燃費・電費共にトヨタの圧勝で、ここに技術力の差があることは認めざるをえない。エンジンやモーター性能の差も当然あるかもしれませんが、車体重量約100kgの違いが大きい。電池容量を増やしていますが、EV走行距離でもトヨタに負けています。つまり購入後のコストパフォーマンスはRAV4に軍配が上がります。

走りの具合はどうかというと、アウトランダーは2.4LのDOHC16バルブ4気筒エンジンで、最高出力は98/5000(kW/rpm)、最大トルクは195/4300(Nm/rpm)で、タンク容量は56L。モーターは前輪・後輪別々にあり、前/後で最大出力は85/100kW、最大トルクは255/195Nmとなっています。

RAV4は、2.5Lの直列4気筒エンジンで、最高出力は130/6000(kW/rpm)、最大トルクは219/3600(Nm/rpm)で、タンク容量は55L。こちらもモーターは前輪・後輪別々にあり、前/後で最大出力は134/40kW、最大トルクは270/121Nmとなっています。

簡単に言えばエンジンはトヨタ、モーターは三菱の勝ち。特に四駆としてオフロードを楽しみたい場合は、後輪のパワーアップを図ったアウトランダーの方が力強い印象です。しかしオンロードではアウトランダーに勝ち目はありません。ガソリン満タン・満充電で走れる距離は、アウトランダーは1025km、RAV4は1316Kmでかなり差が開きました。

安全装備や運転支援、そして室内の快適装備については、圧倒的にRAV4が優れています。アウトランダーはオプションでも選択できない機能がRAV4には多数あるので、ますます価格差を考慮しての選択ということになりそうです。外見だけならアウトランダーの方が好みかなと思いますけど、まぁ、トヨタ信者の言うことですから、三菱が大好きな方は軽く流してください。

2024年1月18日木曜日

PHEVへの道 18 日産 サクラの通信簿


昨年、最も販売台数が多かった電気自動車(BEV)は、日産のサクラでした。

何故、売れたのか? 今の日本の環境では、フルに電気自動車に鞍替えするには様々な問題があり、ファースト・カーとして選択するのはかなり勇気が必要です。サクラは、同じく日産のシンプル・ハイブリッドの軽自動車デイズのボディをそのまま流用した車で、あくまでも2台目、3台目として街乗りメインに振り切ったことが成功の理由と言われています。


外観は基本的にデイズと同じで、全長・全幅・全高は3395・1475・1650mmです。ホイルベースも2495mmで同じ。最小回転半径も4.5mで同じ。ただし車両重量はデイズ850kgに対してサクラは1070kgで200kg増になっています。

WLTCモードで、デイズの燃費は23.3km/L、タンク容量が27Lなので、単純に考えれば満タンで629kmの距離を走れることになります。サクラの電費は124Wh/km・一充電走行距離180kmとなっています。1km走るためにかかる費用は、ガソリン160円/Lとするとデイズは6.9円。31円/kWhとするとサクラは3.8円となり、デイズの半分近い数字になる。

軽自動車は、個人の場合は基本的に遠距離移動はあまり想定された使い方ではありませんので、ちょっと買い物とか、駅までの送迎など、一回の走行距離は数kmか多くても20km以内がほとんどと思われます。

となると、サクラならだいたい一回の満充電で1週間くらいは大丈夫というところでしょうか。搭載するリチウムイオン電池は350V・20kWhで(リーフの半分)、自宅で使いやすい200V・16Aの3.2kW充電だと、満充電にかかる時間はおおよそ7時間。基本的には電気代が安くなる深夜の時間帯で完了できます。もしもの場合には、急速充電ポートもあるので安心です。

価格はデイズが180~200万円なのに対して、サクラは250~300万円ですが、購入に対して公的補助金が55万円ありますので、価格差はだいぶ縮まります。ほぼ同じ容量の電池を搭載するトヨタのプリウスPHEVは、価格が460万円ですから、街乗りだけならサクラはだいぶお得ということになるのもしれません。

2024年1月17日水曜日

自宅居酒屋 #76 せせり焼き


簡単で、早くて、美味しいがモットーなんですが、今回はちょっとひと手間かけて、スーパーの安い鶏肉を美味しく焼き上げる方法を紹介。

いつものスーパーに、珍しく「せせり」がありました。

せせりはニワトリのくびの部分。地鶏ではなくても、始終動かしている場所なので、身が締まりぷりぷりした食感と、ほどよくのった脂によって濃厚な旨味をもっている部分です。

一羽からとれる量が少ないので、なかなか普通に売られていることが少ない。値段もそんなに高くはないので、見つけたら絶対に買うべきマストアイテム。

今回は、使い残しの安いムネ肉も一緒に焼いたのですが、ムネ肉は塊だとパサパサして、そのまま焼いて食べるにはあまり向かない。

これらをめちゃめちゃ唸るほど美味しくする方法は・・・

まず、下ごしらえ。せせりは細長いのですが、そのまま使います。ムネ肉は焼き鳥くらいの一口大に切り分けます。今回は両方合わせると400gくらいの量でしょうか。

ビニール袋に水100mlくらいと、塩と砂糖をいれてよく溶かします。肉の味付けは1%の塩とよく言われますが、実際のところ400gに対して4gの塩は味が濃すぎだと思います。水に溶かすと、半分くらいは水の中に残りますし、全体に均等に広がるというのが利点。

ポイントは砂糖。薄めの塩味でも、甘みを足すことで強調してくれて、肉の旨味も増す効果があります。量は塩の半分くらい。肉を袋に入れたら、液につかるように少し揉みます。あとは数時間放置して味がしみ込むのを待ちましょう。

さて、炭火を起こして焼き鳥屋さんのように焼ければ、最も美味しいのですが、家庭ではなかなかハードルが高い。そこで、フライパンで普通に焼くことになるのですが、ここで絶対に必要な道具がバーナー。

普通のカセットコンロのボンベに取り付けるタイプが、通販サイトで千数百円で手に入ります。これは、さまざまな料理で大活躍するので持っていて損はない。

袋から肉を出したら、水分を軽く取り除いてフライパンに並べます。最低限、肉が重ならないようにして、焼いていきますが、この時上からバナーで炙り続けるのがコツ。

表面が焼けて、肉の中の水分が残りやすくなるので、固くならずジューシーさを損ないません。また、ほどよく焦げたことで、本格的な焼き鳥のような味わいも出てくる。

旨いせせりを味を噛みしめながら、ビールとくれば最高です。

2024年1月16日火曜日

自宅居酒屋 #75 シーフードのマヨネーズ・ソテー


簡単で、早くて、美味しいがモットーの料理。

今回はむきエビとヤリイカ、そして彩を良くするためブロッコリー。ニンニクをたっぷり入れたバターで炒めて、マヨネーズをかけて溶けきるまでさらに炒めるだけというもの。

実際、ここまで書くとほとんどすべてという感じなので、追記することか無くなっちゃうくらい簡単。

もちろん、ブラックタイガーみたいな立派エビを使ってもいいんですけど、時短のためにはむきエビが一番(お財布にも優しい)。

今回は大きめのヤリイカがあったので使いましたが、スルメイカでも構いません。

味付けは、有塩バターとマヨネーズの塩気だけで十分なので、追加の調味料は使っていません。

ニンニクは苦手な人もいるかもしれませんが、シーフードの臭みを取るし、何といっても香りが立つので好きなだけ入れたいところです。

2024年1月15日月曜日

PHEVへの道 17 安全装備と運転支援


自動車に搭乗している人に対しての安全装備の日々の進化はすさまじい。そもそも元祖ともいえるのは前後のバンパーで、衝突時の衝撃を和らげる働きがあります。今では、デザインとしてボディと一体化しているので、外観上は意識することは少なくなりました。

次に装備されたのはシートベルト。もともとレーシングカーにしかありませんでしたが、一般車向けが登場したのは戦後の事。日本では、1969年以降に装備、1992年に使用が義務化されました。全席義務となったのは2008年のこと。

さらにエアバッグが登場したのが70年代からで、日本では1978年にホンダが初めて搭載した車を発売しました。90年代からほぼ全社で装備され標準化しています。これらのアナログとは別に、車のデジタル化に伴い、搭乗者だけでなく車運用に関わる様々な安全システムと自動運転支援技術が各社から考案・実用化されています。

全部を見ていくのは大変なので、プリウス Z PHEVについて、搭載されているトヨタの先進システムを確認してみましょう。

まず、視界についてはBi-Beam LEDヘッドランプは、一つの光源で格段と明るい視界を確保します。サイドミラーには死角に入った他車や障害物の存在を知らせるブラインド・スポット・モニターのモニターがついています。フロントガラスとドアガラスは撥水機能付きで、最近はバックカメラをつけるのは当たり前になっていますが、レンズが汚れた時の洗浄機能もあります。アダプティブ・ハイビームは、対向車の有無や自転車・歩行者を感知して自動でハイビームとロービームを切り替える優れもの。

システムの肝になるToyota Safety Senseです。もう10数年前から搭載され、どんどん性能に磨きがかかっているのがプリクラッシュ・セーフティ。ミリ波レーダーにより前方の対象物をキャッチしレーダー・クルーズ・コントロールによって適切な車間距離と速度を維持します。車線はレーン・トレーシング・アシストにより中央をキープし、はみ出しそうなときはレーン・ディパーチャー・アラートにより知らせます。

運転席では、ロードサイン・アシストで道路の標識を認識して制限速度、一時停止、Uターン禁止、はみ出し禁止などを表示してくれます。状況によっては赤信号も認識してくれます。ドライバー異常時対応システムとして、ハンドルを一定時間放していると警告し、反応が無い場合には自動で停車してヘルプネットに接続して異常を通報します。

後続車が近づきすぎると教えてくれる後方車両接近告知は、あおり運転に遭遇した時の対策として、場合によっては通報の手伝いをしてくれます。踏み間違い防止には、急アクセルにおける加速を抑制するプラスサポート、駐車時の巻き込みを注意するパーキング・サポート・ブレーキ、駐車位置に自動的に車を移動できるアドバンスト・パーク、衝突された場合に前車への玉突きを防止するセカンダリー・コリジョン・ブレーキどなど。

運転そのものについても、何かに衝突しそうな場合の緊急時操舵支援、交差点進入時に左右から接近する車両など検知し知らせるフロント・クロストラフィック・アラートなどがあります。最新のものとして、特に興味深いのがプロアクティブ・ドライビング・アシストです。これは運転状況による事故のリスクを先読みして、周辺の歩行者や先行者などの動きに対応したハンドル操作、ブレーキ操作をサポートするもの。

もうあまりにも機能がありすぎて、とても把握しきれません。以前の車だと高速での時速80km/Lくらいの手放し運転が可能でしたが、今は手を離してはいけないと警告されます。この辺りは「退化」ではなく、まだ安全な自動運転は確立していないということ。どんなに便利で安心な機能があっても、安全を守るのはドライバー本人であることを忘れてはいけません。

2024年1月14日日曜日

PHEVへの道 16 昨年の自動車業界


2023年の自動車の販売に関する国内統計がだいたいまとまりましたので、あらためて眺めてみます。

コロナ禍前の2018年には、ガソリン車は全体の2/3、HEVは1/3、PHEV・BEV・FCVは1-2%、ディーゼル車数%でした。ディーゼル車は主として業務用車両として一定の需要があり、最近までほとんどいつでも同じくらいの販売台数です。

しかしこの数年でガソリン車は減少傾向が続き、最新の数字ではHEVがガソリン車を上回っています。次第にガソリン車の選択肢が減っていることもありますが、ガソリン料金が高くなったこと、PHEV・BEV・FCVが3%台に漸増していることを合わせて考えれば、消費者側のガソリン車離れが進んでいることは明らかなようです。

普通・小型・軽のすべての新車販売台数でみると、2023年はコロナ禍前の水準には一歩及ばないものの、前年比113.7%で業績は上り調子です。メーカー別では想像通りトヨタの圧勝で、2023年は161万台で前年比131.1%。輸入車合計は31万台、日産とホンダは27万台、マツダは13万台、スズキは12万台、スバルは9万台、三菱は4.5万台、ダイハツは3万台。

ダイハツは第4四半期に不正問題で急ブレーキがかかったのでしょうがないのですが、気になるのは日産とほぼ同じ台数を販売したホンダです。日産が前年比112%を達成しているのに対して、ホンダは102.5%でほぼ横ばいと言えます。

ホンダの軽自動車N-BOXは2年連続で販売台数としてはトップの座に君臨していますが、2023年の販売台数は23万台なので、何とホンダの車の85%を占めていて、「N-BOXしか売れない」状態が鮮明になっています。

軽自動車を除いた車名別では、トヨタのヤリス、カローラ、シエンタがトップ3を独占。以下、ノート(日産)、ルーミー(トヨタ)、プリウス(トヨタ)、ノア(トヨタ)、ヴォクシー(トヨタ)、アクア(トヨタ)、フリード(ホンダ)という順。

50位までのランキングで各社のシェアは、トヨタ62.9%、ホンダ12%、日産10.2%、マツダ5.3%、スズキ5.1%、以下数%でスバル、レクサス、三菱、ダイハツの順になっています。マツダ、スバルは恒久的な人気車種があり一定の顧客層をつかんでいる印象で、スズキは本丸は軽自動車ですから、納得の数字のように思います。

やはり、もここでも問題は日産とホンダの凋落です。かつてはトヨタのシェア争いをしていたのが嘘のようです。日産のカルロス・ゴーン路線からのごたごたが最も影響していると思いますが、それでも人気ブランドを持っているので収益は上がってきている。

一方、ホンダは昨年収益自体もマイナスで、いくらN-BOXが売れても2台でヤリス1台分です。バイクなどの自動車以外の収益もありますが、基幹業務の自動車部門がこれでは心配にならざるをえない。

普通乗用車としては2000年以降フィットが売り上げを牽引していましたが、この頃から「フィットしか売れない」状態が始まっており、フィットのモデル・チェンジでの失敗と燃費競争の終焉が痛かった。2040年までに全車BEV宣言も、そのあせりから来るととらえる意見が多そうで、最近公表されたBEVコンセプトモデルも注目と同時に実現性に疑問を感じる部分も少なくありません。

何にしてもトヨタ一強という状態は、健全なマーケッティングという意味では良いわけがない。是非にでも日産とホンダには復活してもらいたいものだと思います。

2024年1月13日土曜日

PHEVへの道 15 自動車の電気代


電気料金はどのくらい支払っていますか。一般的な家では、1~1.5万円くらいは毎月かかっていると思いますが、地域や使い方によって、かなり差があるのでなかなか簡単にはわかりにくいところだと思います。

全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している「新電力料金目安単価」では、1kWhあたりの平均的な電気代は31円です。とは言っても、kWhという単位が何を意味しているかよくわからない。

電化製品を動かすために必要な電力を表す単位がkWですが、その電化製品を1時間使用するのに必要な消費電力量がkWhということになる。例えばテレビは、だいたい200~250Wくらいなので、4時間付けっ放しにしていると0.8~1kWhで電気代は30円前後かかるということ。強力なヘアドライヤーは1500Wくらいになりますので、10分間使用で7.8円。400L・250Wの冷蔵庫は24時間使い続けているので、1日で6kWhとなり186円です。

このように例をあげていくと、何となくイメージが湧いてきます。本題の電気で走る車の電気代はどうなっているのでしょうか。

電費と言われる性能評価では、1kWhの電力消費で6km程度走れるというのが標準的な数字で、1km走るのには0.167kW必要。ということは、6km走るのに31円、1km当たり約5円です。東京から名古屋まで電気だけで往復すれば約800kmで4000円です。これはあくまでも家庭の電気を使った場合ですから、途中で充電ステーションなどを利用すればもう少し費用は高くなります。

ガソリン車で燃費10km/Lの場合は、単純に考えれば80Lのガソリンが必要ですから、ガソリンが160円/Lだとすれば12800円(16円/km)。ハイブリッド車で燃費20km/Lなら6400円(8円/km)。いずれも電気だけで走れればかなり安くなると考えられます。

PHEVの場合は、電気だけで走れるのは50~100kmで、燃費はHEVよりやや落ちますので、長距離移動の場合はHEVとあまり差は出なさそうです。市街地の場合は話が違います。PHEVはそれなりに充電していれば、ほぼ電気だけで日常的な運用は可能になりますので、ガソリン車やHEVよりも優位性がはっきりします。

家庭での充電にかかる電気代はどのくらいでしょうか。プリウスPHEVの場合で考えてみます。カタログ値としては、200V・16Aで満充電にかかる時間は4時間30分となっています。オプションとしては100V・6Aも可能ですが、この場合は39時間以上と言われています。

電圧V×電流A=電力Wなので、200V・16Aは3200W(3.2kW)です。4.5時間だと14.4kWhとなり、電気代は446円かかることになります。満充電で走れる距離はカタログ値で87kmなので、これで計算しても1km当たりに5円で、電費で計算した数字と同じ。

例えば、毎日往復20km程度を走るならば、プリウスPHEVなら4日に一度満充電にすればよいので、月に7~8回の充電で電気代は3000~3500円/月。ガソリン車なら9600円/月、HEVでは4800円/月。

忘れてはいけないのが、充電用のコンセントを新たに設置する費用。3年間車を使うと充電回数は約270回、5年間なら450回です。200Vコンセントは工事費込みで最大10万円くらいかかりますので、充電1回当たりの工事にかかった費用の上乗せは、3年なら370円/回、5年なら220円/回なので、おそらくHEVのガソリン代とあまり変わらなくなるかもしれませんね。

どこの電気会社を使っているか、どの地域に住んでいるか、契約の仕方はどうなっているかなど、多くの要素によって変動はありますし、そもそも車がカタログ値どうりに走るとは限りませんから、あまり細かい数字を追っかけても意味はありません。大雑把なとらえ方をするなら、PHEVの場合は日常的な使用においては、EV走行を上手に使えばHEVやガソリン車のガソリン代よりはある程度は安くできるということになります。

2024年1月12日金曜日

PHEVへの道 14 車で給電


最近のハイブリッド車(HEV)には、アクセサリー・コンセントが標準、またはオプションで設置され、AC100Vで1500Wまでの電化製品を使うことができます。手近なところでは、キャンプ場で電化製品を手軽に使えたりするのは大変便利。また、災害などにより停電の時も、ある程度はしのぐことが可能だったりして安心です。

HEVの場合は、ガソリンでエンジンを動かすことで発電し、ガソリン満タンであれば標準的な一般家庭の5日分程度の電気を供給することが可能です。車から伸ばしたコンセントを利用するので、基本的にはケーブルが届く範囲という制約はありますが、場合によっては家屋の側に家全体に電気をまわせる給電インレットを設置しておくというやり方もあります。

HEVよりPHEV、PHEVよりBEVがより大容量の電池を搭載しているわけですが、PHEVなら6日程度まで若干給電可能時間は増えますし、ガソリンが入手できればさらに延長が可能です。ただし、BEVは発電システムが無いので、3.5日程度で搭載電池を使い切ればそれ以上は無理と言うことも注意が必要です。

PHEV、BEVではさらに究極の給電方法として「V2H」という方法があります。これは「Vehicle to Home」という意味で車から家に給電するという意味です。

V2Hシステムを設置すると、充電方法として使う場合は、通常の普通充電(3kW)の倍のスピード(6kW)が可能となります。また日中に車を走らせない時には、電気代が高い時間帯に車を蓄電池として利用して料金を減らすことに貢献します。当然、停電時にはバックアップ電源として使える。

6kW充電は早くていいんですが、早いと電池寿命に負荷をかけることもあるので、PHEVの場合は満充電命ではないので、わざわざ数十万円かける必要はないように思います。

家屋への給電、蓄電池として機能を重視すると機器だけでも100万円近くかかります。補助金の制度はあるんですが、それでもかなりの出費です。災害時の利点は確かにありますが、災害時はそもそも家の中に入れる保証はないし、断水していたり、家が潰れてしまえば機能しません。まあ、車が無事なら車周囲で電気が使えれば十分ラッキーという感じがします。

2024年1月11日木曜日

PHEVへの道 13 エコカーの税金と補助金


そもそも、車の規格って日本ではどうなっているんでしょうか。

よく耳にするのにもナンバープレートの始まり方で「5ナンバー」、「3ナンバー」というのがありますが、昔は高級車が3で一般車は5みたいな理解で、ほぼ困ることはありませんでした。しかし、いつの間にか5だった車がモデルチェンジで3になったりして、今ではほとんどが3ナンバー。これは自動車登記規則という法律で決まっている分類番号の話。

1ナンバー 普通貨物車 貨物の運送の用に供する普通自動車
2ナンバー 普通乗合車 人の運送の用に供する乗車定員11人以上の普通自動車
3ナンバー 普通乗用車 人の運送の用に供する乗車定員10人以下の普通自動車
4、6ナンバー 小型貨物車 貨物の運送の用に供する小型自動車(6は三輪)
5、7ナンバー 小型乗用車 人の運送の用に供する小型自動車(7は三輪)
8ナンバー 特種用途自動車 特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車
9ナンバー 大型特殊自動車
0ナンバー 建設機械

自家用車として一般人が使うのが3と5ですが、車両が増えて2桁だったものが3桁になり、さらに今ではローマ字も導入されています。

ここで疑問になるのは「普通乗用車」と「小型乗用車」の違い。さらに「軽自動車」というのもあります。これは車両規則という法律で規定されています。

小型乗用車 5ナンバー 定員10人以下
  全長4.7m、全幅1.7m、全高2.0m以下 排気量2000cc以下
普通乗用車 3ナンバー 小型の条件を一つでもばずれたもの
軽自動車 ナンバープレートは黄色
  全長3.4m、全幅1.48m、全高2.0m以下 排気量660cc以下

ナンバーの違いで自動車税が違ってくると考えられがちですが、基本的には自動車税は排気量で決まります。税額はしょっちゅう変更されますが、軽自動車、1000cc以下、1001~1500cc、以後500ccごとに決められています。軽自動車はだいたい1万円くらいで、最大6001cc以上は11万円です。エンジンを搭載しないBEVは、1000cc以下という扱いです。

ただし、BEV、PHEV、FCEVについてはグリーン化特例(2024年1月現在)の適応があり75%減税、そのほかの車は自家用車については特例は廃止されました。そのほかの車では2030年度燃費基準に対してどれだけ達成しているかによって、1~3%の環境性能割という追加分があります。

一般に「2000ccのエンジン」と言われていても、実際は「1986cc」だったりするのは車両の分類や自動車税に影響するからです。自動車に関係する税金としては重量税というのがありますが、これは分類とは無関係に車体重量によって0.5tごとに増えていくもの。

エコカー減税(2024年1月現在)では、BEV、PHEV、FCEVについては取得時と初回車検時までの自動車重量税は非課税、そのほかの車は2030年度燃費基準(25.4km/L)に対してどれだけ達成しているかによって25~100%の減税があります。

プリウスはグレードによって1800ccと2000ccがありますが、実際のエンジンの排気量はそれぞれ1797ccと1986ccで、5ナンバーレベル。ところが、大きさは全長4.6m、全幅1.78m、全高1.43mなので全幅がオーバーしてしまい3ナンバー確定です。普通・小型自動車は車両重量(タイヤを除く、含む場合は車両総重量と呼びます)に対して重量税が決まりますが、PHEVは1.57tでHEVはほぼ1.4tです。

自動車税は1501~2000ccの枠内に入り、36000円。ただしPHEVはグリーン化特例によりかなり少なくなります(納車時期によります)が、HEVには減税適応がありません。重量税はPHEVは非課税ですが、HEVも2030年度燃費基準を満たすので課税されません。細かい点は、かなり複雑なので個別に確認してもらいたいところです。

後は国が交付するCEV補助金(いわゆるエコカー補助金)について。これは車の大きさ・重さなどは関係なく、令和6年度も引き続きBEV、PHEV、FCEVを購入した場合にそれぞれ85万円、55万円、255万円が補助されるというもの。神奈川独自の補助金は終了していますが、東京都は継続しているのは、横浜市民としては不満なところ。

今後の維持費などのこともあるので一概には言えませんが、とりあえず新規に車両を取得する場合は、FCV、BEV、PHEVの順に減税や補助金の恩恵があるということ。ただし、もともと価格が高いわけですし、同型車のHEVモデルより安くなるわけではありません。やはり、選ぶからには車そのものに何かしらの魅力をしっかりと感じることが大事かもしれません。

2024年1月10日水曜日

PHEVへの道 12 プリウスの歴史


プリウスはラテン語の「~に先駆けて」という意味で、トヨタは様々な思いを込めて革新的な車の名称として使っています。P、R、I、U、Sの5文字は「Presence、存在」、「Radical、革命的」、「Ideal、理想」、「Unity、調和」、「Sophisticate、洗練」というコンセプトの頭文字です。

内燃機関(エンジン)と電動機関(モーター)の両方を搭載した世界初の量産型ハイブリッド車であり、自動車業界が地球環境に目を向け、一般人にもその意識を植え付けたきっかけとなるものとして今後も歴史上に名を残すものと思われます。

90年代になって、トヨタの会社の中では未来志向の地球環境を配慮した車の開発が始まり、1995年の東京モーターショーでそのプロトタイプが初めて公開されました。そして1997年12月、「21世紀に間に合いました」というキャッチフレーズのもとハイブリッド専用車初代プリウス(10系)が発売されます。

10系は4ドア・セダン・タイプで、エンジンの排気量は1500cc、モーターと合わせた総馬力は100PS程度でした。二つの駆動方法を併せ持つTHS(Toyota Hybrid System)は、当時1桁が当たり前だったガソリン燃費を最大28km/Lという驚異的な数字に押し上げました。もっとも、これはその頃標準だった10・15モードと呼ばれる計測法によるもので、実燃費はその6割程度です。

ただ、この革新的な車に飛びつく人は多くはありませんでした。性能としてより小型車とあまり変わらないこと、THSが信頼できるものか判断がつかないこと、そして何よりも同じ車格の中で3~4割高であることなどが理由としてあげられます。

2003年9月、フル・モデル・チェンジにより二代目となる20系が発売されました。一番大きな変化はセダンからハッチバック・スタイルになり全体のサイズも大きくなったこと。システムはTHS-IIに進化し、エンジンは1500ccで同じですが、エンジン・モーター共にパワーアップし10・15モード燃費は35.4km/Lに向上しました。

THS-IIは大小さまざまな規格が登場し、既存の車種にも応用が始まります。また20系から、初期の運転支援装備が搭載されました。いろいろなグレードを用意して様々な人にアピールしたせいか、20系は大ヒットし一躍人々の注目を集めることになりました。特に、環境問題にポジティブであることをアピールしたい企業やハリウッド・セレブらが率先して使用したところが大きい。

2009年5月、人々の期待の中3代目(30系)が登場します。4ドア・ハッチバックは踏襲したものの、デザイン面でシャープになり人気に火がつくことになります。国内販売台数のトップに長期間君臨し、名実ともに「国民車」の地位を獲得しました。珍しいこととして、20系も商用車として2012年まで併売されました。

進化したTHS-IIではエンジンは1800ccと強化され、総合馬力も150PSに引き上げられました。また2009年12月には初めて電池容量を増やし充電を可能としたプラクイン・ハイブリッド車(プリウスPHV)を発売しました。ハイブリッド車は排気量増加にもかかわらず10・15モード燃費は38.0km/L、PHVは10・15モード燃費57km/L・EV最大航続距離23.4kmを実現しています。

また2011年にはワゴンタイプに拡大したプリウスα(40系プリウス)、コンパクトにしたプリウスC(発売名称はアクア)にシリーズを拡大。これまでニッケル水素電池を搭載していましたが、αには初めてより小型化したリチウムイオン電池を搭載し実用的な7人乗りも実現しています。

2015年12月、大きな期待を背負って4代目プリウス(50系)が登場しました。初めていろいろな車へ共通に利用することができるTNGA(Toyota New Global Architecture)というフラットフォームが導入され、生産コスト低減に成功しました。4WDの選択が可能になり、インテリアに豪華な仕様も加わりました。

エンジン1800cc、総合馬力160PSで、走行性能はあまり変わりはありませんが、より実走行に近いとされるJC08モード燃費が40.8km/Lに達しました。2017年2月にPHVタイプが発売され、ハイブリッドとはっきり区別できるエクステリアが用いられました。電池容量も増えEV最大航続距離は68.2kmに延びました。

しかし、他社からも続々とエコカーが発売され、既存のトヨタ車にも続々とハイブリッド・システムが搭載され選択肢が増えたこと、さらにデザインに対する不評がかなり大きく、販売台数は伸び悩みました。トヨタ社内でも、ハイブリッド車を世の中に広めるというプリウスの役割は終わったという意見が多くなり、豊田章男社長(現・会長)も「プリウスはタクシー専用車でいいんじゃないか」と述べるようになります。

しかし開発陣は「ちょっと待て」と違う意見をあげます。確かにハイブリッド車を普及させる目的はもう達成していて、ファミリーカーとして定着したプリウスは魅力を半減したことは間違いない。だったら、もう一度運転したくなる車、かっこよくて買いたくなる車として再生したいという思いから「Hybrid Reborn」というコンセプトを掲げ、5代目となる60系の開発が始まりました。

2023年1月、登場した新生プリウスは世の中をあっと驚かせます。60系の話はこの記事シリーズでさんざん書いているので省略しますが、最終的に2023年の日本カー・オブ・ザ・イヤー、そして先頃発表された北米カー・オブ・ザ・イヤーに輝いたことがすべてを語っていると思います。

2024年1月9日火曜日

航空管制


ドラマとかでの知識ですけど、航空管制にはずいぶんと興味を持ったていたので、1月2日に発生した羽田の事故は大変気になりました。

東京国際空港(羽田空港)には4本の滑走路があり、離陸・着陸のいずれもこなします。旅客機が通常使用する時間帯は午前6時から午後11時までで、深夜帯は主として貨物便が利用しています。離陸は午前9~10時台、着陸は午後9~10時台がピークになります。

コロナ禍前の水準で、1日の発着数は約1200回。平均すれば1.2分ごとに離陸・着陸が行われていることになりますが、当然深夜は少なく、昼間のピーク時には45秒ごとという超過密スケジュールの運用をしています。

航空管制は、最もストレスが高い仕事の一つと言われていますが、これだけの数の飛行機の出入りをさばくのですから、特に羽田の管制塔の仕事の大変さは並大抵のものではないと容易に想像できます。

航空管制は、いろいろなステップがあります。羽田に向かってくる飛行機が、日本領域に入ってくると、最初にコンタクトを取るのは所沢の東京航空交通管制部という国土交通省管轄の組織です。ここではレーダー管制と交信によって、飛行機を決められた航空路にのせ安全に羽田に向かわせます。

飛行機が空港管制レーダーの範囲に入ると、所沢から羽田の地下にあるターミナル・レーダー管制室に権限が移行します。ここでも飛行機そのものは目視はしていません。近づいてきて目視できるようになると、ターミナル・レーダー室から管制塔で行う飛行場管制に移る。

どこから向かってくるのか、その時の風向き・風速・天候などによって管制官は適切な滑走路を指定して飛行機に進入を指示し、問題なければ着陸許可を出します。着陸許可された飛行機は、肉眼による滑走路誘導灯の視認と、誘導電波によって降り立ってくることになります。

着陸した後に飛行機が滑走路から外れた時点で、次の着陸機への許可、あるいは離陸機への離陸許可が出るのが理想。短時間で多くの発着をこなすためには、離陸機は着陸の合間を縫ってすぐさま飛び立てる位置について準備している必要があります。

したがって、離陸準備ができた飛行機から、絶えず滑走路端の滑走路外の離陸準備位置まで地上移動して待機させることになります。滑走路に外の機体がいなくなったら最終的な離陸許可が出され、飛行機は滑走路内に進入します。離陸した飛行機は、着陸の場合とは逆に管制塔からターミナル・レーダー室、そして東京航空交通管制部へと順次管制が受け渡されていくことになります。

今回の事故では、飛行場管制から離陸準備位置へ進むように指示された海上保安庁の機体が、完全に滑走路内までに進んで停止したことによって着陸してきた日航機が衝突したことがわかっています。

日航機は全員が奇跡的に脱出できたのに対して、海保機側は亡くなられた方がいるのは大変に残念なことです。死者に鞭打つことは慎みたいとは思いますが、代って管制官側に責任を求めるような論調がメディアに散見されるのは如何なものかと感じます。少なくとも、現在まで公表された事実では管制そのものには誤りはありません。

根本的に海保機が誤進入したことは事実ですから、何故海保機乗員が勘違い(?)したのか、管制官は誤進入に気がつけなかったのか、滑走路監視システムは適正だったのか、さらに羽田の発着数は適正なのかなどさまざまな解決しないといけない問題がありそうです。

2024年1月8日月曜日

PHEVへの道 11 燃料電池車


トヨタのMIRAI、クラウンセダン、ベンツのGLC F-CELL、ヒュンダイのネクソ。

この4つに共通することは? 答えられる人は自動車の情報に詳しい人だろうと思います。正解は現在入手可能な水素燃料電池車です。外国ではプジョーの商用車もあります。過去にはホンダのFCX、日産のエクストレイルFCV、BMWの760Li、そしてホンダのクラリティなどが発売されていました。

燃料電池車(Fuel Cell Vehicle)は、水素またはエタノールを使って発電しモーターを動かす電気自動車のこと。水素燃料を使ってエンジンを動かすものは、水素自動車と呼ばれ別物。

一般的にFCVは、水素を充填して酸素と反応させて発電します。走行中にCO2は排出せず水しか排出しないため、現状でのカーボンニュートラル実現の最先鋒として期待されています。他にも、ガソリンによるエンジンの倍近いエネルギー効率がある、騒音が少ない、充電が必要ないなどの利点があげられます。

発電するためには水素を充填するわけですが、通常は水素ステーションで補給するわけですが、実用化されたものでは数分で満充填できるサイズのタンクが搭載されています。問題は充電スポットよりもさらに少ない水素ステーションの数。

現在、水素ステーションは全国で157か所。関東は49か所で、そのうち東京に19か所、神奈川に13か所となっています。東京・神奈川とも平野部、特に臨海地域に集中しており、横浜市北部が生活圏の自分の場合、半径5km県内にはまったくありません。確かに充填そのものは数分ですむかもしれませんが、そのために往復1時間近くをかけるというのは躊躇します。

とは言っても、ちょっと前まではもしもFCVを購入したいと思ったら、トヨタのMIRAI一択となる。MIRAIは2014年に発売された、実質的に一般向けに初めて発売されたセダン・タイプ。2020年にフル・モデル・チェンジして現行は2代目になります。ただし昨年11月に、16代目となるクラウン・セダンにHEVと共にFCVモデルが登場しています。

そこで、HEVとの性能差がわかりやすいクラウン・セダンを中心に諸元を確認してみます。

車体重量は、どちらもほぼ2000kgで差はありません。HEVは燃費は18.0km/L、エンジンは直列四気筒の最大出力136kW/rpm、最大トルクは225Nm/rpm、モーターは最高出力132kW/rpm、最大トルクは300Nm/rpmで、トータルでは245PSです。

FCVの性能評価は、まったく概念が異なりどうも単純には理解しずらい。燃費については、充填した水素当たりどれだけ走れるかというkm/kgです。クラウンFCVは148km/kgという国土交通省審査値が示されています(MIRAIもほぼ同じ)。ただし、実際の使用においては100km/kg程度ではないかと考えられています。

水素は1200円/kgくらいなので、理想値としては8.1円/kmで、ガソリン160円/LとするとHEVでは8.9円/kmでわずかに安く済むことになります。また一回の満充填で走れる距離はFCVは820kmで、タンク容量が82LもあるHEVは1476kmと差をつけられました。

動力性能は燃料電池ユニット(FCスタック)と搭載したモーターの能力を合算して考えるようです。クラウンFCV(MIRAIも同じ)のFCスタックは最高出力128kW、モーターの最高出力は134kW/rpm、最大トルクは300Nm/rpmなので、おそらく総合的にはHEVよりはわずかに劣るのかもしれません。とは言っても、優れた加速性と強力なパワーがあることは間違いない。

走行時のCO2排出量は、HEVはディーゼル車並みの129g/kmであまり褒められません。一方、FCVだと・・・ゼロ。なんですが、実は、現状では水素エネルギーを生成する過程でCO2排出がバカにできなくて、それを考えると必ずしもカーボン・ニュートラルの最終解答にはならないと言われています。

クラウンセダンHEVは730万円、クラウンセダンFCVは830万円。MIRAIは726.1~861万円です。やっぱり高いですね。ただしFCVは国からの補助金が、クラウンで136.3万円、MIRAIは145.3万円出ます。だからって易々と買えるものではありませんね。

2024年1月7日日曜日

PHEVへの道 10 全固体電池って何?


日本ではホンダが、昨年春に「2040年までにEV・FCEV販売比率をグローバルで100%にする」という目標を宣言しました。これは、その他大勢の自動車会社に転落したホンダの起死回生の策と言えるかもしれません。ただし、知識と技術が現時点では追い付いていないことははっきりしているので、失敗して信用を失墜させる可能性もはらんでいる。

トヨタの豊田章男会長が、わざわざホンダのヴェゼルを運転する動画をネットに上げ「いい車だ」と持ち上げたのも、先走ったホンダ戦略に何かしら言いたいことがあるのかと勘繰りたくなります。これまでトヨタは批判の目にさらされながらも、じっと全方位(マルチ・パスウェイ)戦略という開発方針を提示してきました。

トヨタの全方位戦略は、実現できている技術力をもとに、ガソリン車、HEV、PHEV、BEV、そしてFCVなどのさまざまな方式の中から、それぞれの人々が自分の生活に合った選択の中で、次第によりカーボン・ニュートラルに近づいていくという、きわめて現実的なもの。ホンダの宣言は、16年後に「すべて病気を根絶します」と言っているようなもので、数字としては可能でも企業としては利益が出なければ成功とは言えません。

世界中の企業が、カーボン・ニュートラルを達成するために最も重要と考えているのは新しい電池の開発です。昭和の時代には、携帯できる乾電池が登場しただけで「電気を持ち運べる」という技術革新がありました。しだいにより大容量・小型化が進み、現在では車で使われているのはニッケル水素電池かリチウムイオン電池が主流ですが、多くの電気容量が求められるBEVではリチウムイオン電池一択です。

従来の電池は液体電解質が用いられていて、電解質の発火・劣化・蒸発といった問題点があり、リチウムイオン電池でも同じ。今以上の小型化も難しく、自動車の使い勝手をさらに良くしようとしても重量の問題で限界に来ています。そこで安全性を高め、より大きな容量を可能とすると期待されているのが全固体電池(Solid State Electrolyte)で、実はその開発は100年ほど前から始まっていました。

全固体電池は、正極と負極の間を液体である溶媒ではなく固体で埋めるもの。両極間のイオンの移動が格段と早くなり、液体の場合の過熱・蒸発がありません。利用される固体には、硫化物系、酸化物系、ポリマー系の三種類が開発されています。硫化物系はイオンの伝導率が優れていて、酸化物系は高出力に有利と言われています。

もちろん問題が無いわけではなく、高出力を得ようとすると固体部分に亀裂が生じやすい、あるいは硫化物系は水と反応すると有毒な硫化水素を発生させる危険があります。これらの課題を解決して実用化すめための取り組みは、21世紀になって本格化し、自動車分野では2020年にトヨタが世界に先駆けて試作車を公開しました。さらにフォード・BMW、日産、中国企業なども全固体電池への取り組みを発表しており、生産力が追い付けば今後数年以内に一般向けの搭載車両が登場することは間違いありません。

全固体電池を搭載すれば、従来より非劣化・小型化して10~20倍の電池容量が可能とされ、安全性が高まることでより高い電流での充電も可能になります。昨年秋に、トヨタは出光興産と共に、硫化物系全固体電池の量産に向けた取り組みを発表し、10分間の急速充電で1200kmの航続距離が得られるだろうとしています。早ければ2027年に搭載車を世に送り出したいらしい。

しかもトヨタの実にうまいのは、いきなりBEVに搭載するのではなく、まずはHEVで実用化しようとしているらしいところ。HEVならば量産化しやすい少ない電池でより大きい出力が得られ、なおかつ大容量へのステップアップにもつながるという考え方です。

トヨタは、従来の電池の改良研究も同時進行しつつ、次のステップでは充電不要の電気自動車の開発にも着手している。充電不要というのは、車の太陽光電池を使うということ。現状では太陽光パネルをオプションで装備すると、年間で平均的な天気で1200km走行できる発電量がありますが、それだけで足りると言う人はまずいませんし、そもそもずっと屋根なしの屋外駐車しないといけないという制約もあります。

じゃあ、どうするか。従来の物はシリコンパネルを使用しますかせ、トヨタが開発しているのはペロブスカイト型と呼ばれ、桐蔭横浜大学教授、宮坂力教授が発明したもので、車全体に張めぐらすことができれば、通常の使用では充電の必要が不要なほどの発電ができると言われています。

全固体電池を搭載したBEVは最終解答ではなく、あくまでも燃料電池車(FCV)が普及するまでのブリッジング・メソッドかもしれませんし、そもそもFCVも終わりではない。技術革新はとどまるところを知らないようです。

2024年1月6日土曜日

PHEVへの道 9 PHEVの問題点


現時点でのbetterな選択としてPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)があるわけですが、当然bestでは無いわけで、BEVと同じようないろいろな問題点は指摘できると思います。確かにHEV(ハイブリッド車)に近い燃費が得られるし、充電を切らさずにバッテリーとモーターだけで走るように心がければBEV(電気自動車)となり、ガソリンを消費せずCO2排出も最小限に抑えられる。

ということは、HEVとBEVの中間に位置して、両者の欠点を補ういいとこ取りみたいな感じになるわけですが、両者よりも劣る部分も出できてしまうわけです。

単純に考えて最初に悩むのは、ガソリン車あるいはHEVよりも車両価格は高くなります。一般には同一車種ではガソリン車よりHEVは数十万円、HEVよりPHEVはさらに50~100万円割高になってしまいます。実際、PHEVでは選択できる車種は少ないために、そのままの価格を受け入れざるをえないケースが多い。

ガソリンを使わないで走れるのは嬉しい反面、もしかしたらタンク内にはずっと同じガソリンがあるということ。実はガソリンは長期滞留によって劣化します。空気中の酸素によって酸化して異臭を放ち、タンク内は錆び始めます。さらに時間が経つと粘度が上がってドロドロになり、配管に詰まり最悪エンジンを壊します。

もっとも劣化が始まるのは数か月から半年くらいしてから。1か月、2か月では問題ありません。トヨタ公式HPには「12か月ごとに20L以上燃料補給を行ってください」と注意があり、プリウスでは車内のインフォメーションディスプレイに表示されるようです。

逆に電気をまったく使わないとしたら・・・走ればそれは無いので、運転する機会が無くて駐車場にずっと置かれているような場合の話になりますが、この場合1か月でモーター走行数km程度分の放電が起こるとされています。

バッテリーをHEVよりも多く搭載するので、車体重量が増えます。当然、燃費が同一車種のHEVよりPHEVは劣ることになります。またバッテリーを搭載した分、車内は多少狭くなることを覚悟しないといけません。プリウスの場合は、グレードZ PHEVは車体重量1570kg、同一グレードのHEVでは1420kgですから、150kg増量になります。室内スペースの広さは変わりがありませんが、ラゲージスペースの底面がやや高めになるので、HEVの410Lに対してPHEVは345Lで減少しています。

充電の手間をメリットと感じるかデメリットと感じるかは人それぞれだと思いますが、マンションや家から離れた駐車場を借りているような場合は、そもそも充電設備を設置できないかもしれないという悩みが生じます。戸建住宅に住んでいる場合は、基本的に自宅に充電設備を設置することが可能です。

自宅充電は通常普通充電と呼ばれ、家庭の一般的なコンセントを利用する100Vの場合と、専用線を引いて200Vにする場合があります。プリウスの場合は、100Vの充電器をオプションとして選ぶことは可能ですが、使用時に安全のためアース線の確保は必須であり、満充電までの時間も最低でも30時間以上かかることを覚悟しないといけない。

200Vは電流が3kW(16A)と6kW(30A)の場合がありますが、満充電にかかる時間は、3kWなら5時間半、6kWなら3時間半です。3kWの充電コンセントの設置は、いろいろな条件にもよりますが工事費5万円前後で可能。しかし、6kW充電をしようとすると工事費は20~40万円もかかり大きな負担になります。

急速充電は、充電スポットにある大きめの50kWの機械で可能で、設置には500万円以上かかりますから、当然一般の家屋では無理。しかも、30分程度でプリウスPHEVなら満充電が可能ですが、プリウスには急速充電のプラグはありません。急速充電は、通常はより大容量電池を搭載するBEV専用みたいなところあります。

電気自動車全般に言えるデメリットと、特にPHEVに特化した問題点などを許容できるのであれば、よりエコロジーを意識したカーライフを目指すと言うのは悪い話ではありませんね。

2024年1月5日金曜日

PHEVへの道 8 電気で走ることの問題点


最新の大型ガジェットとしてBEVは、最も興味を引く商品の一つで、新し物好きとしてはいつかに使ってみたい、乗ってみたい車です。しかし、BEVは時期尚早と判断してPHEVを買うことになったというのも、2023年に電気自動車推進の潮目が変わってきたことも少なからず関係しています(もちろん予算も大きい要素)。

これまでヨーロッパを中心にBEV普及がどんどん加速し、アメリカも追従するようになりました。そこへ、中国の急速な進出も手伝い、もうBEVは世界的なトレンドと言っても間違いない・・・と思っていました。

そもそも環境問題に敏感なヨーロッパでは、ずいぶん前から自動車の排出するCO2は地球に重大な影響を及ぼすものの一つとして指摘されていました。そこへ登場したのが日本のトヨタが発売したプリウスでした。「20世紀に間に合いました」というキャッチコピーと共に発売された世界初のモーターを搭載したHEVは、ガソリンを消費するエンジンの仕事量を減らすことからCO2排出量削減に効果があると考えられました。

しかし、ヨーロッパでは、トヨタに追従するのを良しとせず、ガソリンよりも燃費が格段と良い軽油を使用したディーゼル・エンジンへシフトしました。ところが、2015年に大問題が発覚します。フォルクスワーゲン社が性能を良く見せるために、データを改ざんしていたのです。インチキは他社にも波及し、ディーゼルへの信頼は失墜します。

これがヨーロッパを電気に目を向けさせることになり、かなり強引ともいえる優遇政策もあり急激にBEVが普及することになりました。その急先鋒を行くのがノルウエイで、最近まで何と新車販売の80%がBEVを占めています。ところが、そこで大事件が発生しました。それがロシアのウクライナ侵攻です。

安定世界の崩壊により、全世界規模のエネルギー危機を誘発し、電気料金の高騰を招きます。そして、ついに昨年、すべてをBEVにするというヨーロッパの方針から脱落したのがドイツ。ノルウエイでさえ、内部から「石油・ガスを輸出して自分たちだけクリーンというのは都合が良すぎる」というような批判が出で来ています。イギリスもガソリンを使う車の販売を禁止する政策を施行するはずでしたがトーンを下げざるを得ない状況です。中国やアメリカでも昨年後半、急速にBEVの在庫が増加しており問題になっています。

ここにきて急速に評価を爆上げしているのがトヨタ。一般人からすれば、なんでトヨタはBEVを発売しないのか、なんでいつまでも普及の目途が立たない水素エネルギーのことばかりやっていると批判的な目を向けていました(自分もその一人)。豊田章男社長(現・会長)が「トヨタは全部本気」とCMでぶちあげても、全然出てこないじゃないかとという気持ち。

結局、昨年後半からヨーロッパでもトヨタのHEVの販売が伸びていて、BEV一択ではなく、PHEV、HEVなどをいろいろな状況の中でうまく選択していくことが現実的であるという評価に変わったようです。ある意味トヨタの全方位戦略は、初代プリウス発売以来25年間ぶれていないわけで、ほぼエネルギー資源を自給自足できない日本だけでなく、世界でも正解の一つというように考えられるようになったということらしい。

そもそもBEVにはまだまだ未解決の問題が山積していて、ヨーロッパでのBEV推進も見切り発車でした。例えば、そもそも搭載するバッテリーを作るのに、環境負荷として無視できない膨大なCO2が発生するらしい。また、BEVが搭載するバッテーリーの重さが、道路に与える影響も多大であることがわかっています。また長年使用された後、劣化したバッテリーの処分も解決していません。

ユーザー側から見ると、やはり充電のインフラ整備には無関心ではいられません。強力にBEVを推進する中国も、北京・上海のような都会以外は整備はかなり遅れているようです。新車の3%程度しかBEVが売れていない日本はなおさらのことで、自宅での充電ができないと実用的に利用することは困難ですし、電気料金の値上がりも今後気になるところです。

実際にBEVの利用者からしばしば言われるのは、気温の問題。気温が下がれば、エアコンの暖房を利用し、場合によってはシート・ヒーターも使います。電気の消費が格段に増えるわけですが、氷点下では走行可能距離は半分近くになるといわれます。充電についても、より時間がかかり、場合によっては充電不可と言うこともありうるようです。

毎年、雪国で渋滞して立ち往生というニュースがありますが、BEVが真っ先にどうにもならなくなったというのは事実で、下手すれば命に関わることも起こりうる。最終的なレッカー移動もなかなか簡単ではないらしい。他にも、価格が高い、電池が劣化して将来の下取りが期待できないとも言われています。

やはりそう簡単にカーボン・ニュートラルというわけにはいかなそうで、今車を選ぶならHEV、できればPHEVというのが自分の中での正解という結論になりました。

2024年1月4日木曜日

PHEVへの道 7 昨年最も売れた車は?


自動車も多様性の時代になって、駆動方式による違いが多くなりました。また、世界的な半導体供給不足と言われ、新車を買っても納車時期は早くて半年後、1年待ちは当たり前という状況が続いています。

にもかかわらず、生産台数も販売台数も右肩上がりというのは解せない話。コロナ禍で多少落ち込んだ数字も、あまり影響を受けているようには思えません。ということは、需要が供給を上回っているということなんでしょうか。

アメリカでは、政府が積極的に電気自動車(BEV)の普及を支援したこともあり、昨年前半までは購入された新車の半数がBEVでした。ところが後半に入り、とりあえず新し物好きの人々に新車が行き渡ったせいか、BEVの販売が急速に落ち込んでいるらしく、各販売店は在庫を抱えて四苦八苦になってきたようです。

日本では昨年最も売れたのは・・・

やはり、ホンダのN-BOXでした。毎月トップの販売台数を維持したことはすごいのですが、やはり困ったことは「N-BOXしか売れていないホンダ」につきる。秋にモデル・チェンジをしたので、ますます人気のようですが、N-BOXは軽自動車ですし、軽自動車全体では当然ダイハツ、スズキの二強にかなうはずがない(もっともダイハツは最後でこけましたが)。普通車でもベスト10圏内にかろうじてヴェゼルが食い込むだけで、フリード、ステップワゴンが多少健闘している程度。

もっとも日産も似たような状況で、コンパクトカーのノートがベスト5以内をキープしたものの、あとはセレナ、エクストレイルが何とか土俵際残った程度です。トヨタ・日産・ホンダという三強は過去の話で、今やトヨタ1強とその他大勢の日産・ホンダ・スバル・マツダ・三菱(とスズキ・ダイハツ)という勢力図はますます顕著になっていきそうです。

トヨタ自動車についてみると、普通車販売台数ではベスト10に7台入る。1位のヤリス(ヤリスクロス含む)、2位のカローラは不動で、他にプリウス、ルーミー、シエンタ、ノア、ヴォクシーなどが絶えず上位に入っていました。

気になるのは、受注停止になっている車が多いこと。単純に供給が追い付かないためという場合と、モデル・チェンジを控えている場合があり、どちらも膨大なバック・オーダーを抱えていると想像できる。ある意味1強の弊害なので、納車待ちで悶々と日々を送っている顧客のためにも、他社に頑張ってもらいたいというところです。

トヨタは、HPで一般向けの乗用車は全部で50種類掲載されています。ところが、昨年末の時点で受注制限がかかっているのは32車種にものぼり、そのうち24車種については全グレード受注停止というから驚くしかない。ほとんどの人気車種が含まれており、今制限なく購入契約できるのはヤリス、ヤリスクロス、プリウス、ミライ、ハイラックス、ハリアー、bZ4X、スープラくらいでしょうか。受注制限はトヨタの高級ブランドLEXUSにも及んでいます。

コロナ禍で減産したことによる未消化のバック・オーダーが溜まっていること、販売チャンネルを統一してどのディラーでもすべての車種を扱うことになったことで人気車種への集中が加速したこと、他のメーカーに競合する車が少ないことなどが原因として挙げられます。受注制限が長引くと顧客が他社へ離れると心配の声もありますが、他社が弱すぎて流れたくても流れられないというジレンマもあると想像します。

昨年の日本国内の自動車全体の販売台数はだいたい38万台で、そのうちBEVは1.9%、PHEVは1.3%です。HEVを含む電池搭載車は50%を超えています。BEVのうち一番売れたのは軽自動車クラスの日産サクラで、半分以上を占めました。

改めて数字で確認しても、日本のBEV・PHEV普及率は低すぎます。ガソリン・スタンド並みに充電スポットが増えれば、安心して購入する人が増えるかもしれません。逆に、普及が進まないとインフラ整備も進まないというのもあって、これはトヨタが力を入れている水素燃料車についても同じことが言えそうです。

PHEVに限ると、何と三菱のアウトランダーとエクリプスクロスがワン・ツー・フィニッシュ。正直、意外な結果なんですが、PHEVとしてはいろいろな要素で後れを取っているところは間違いないのですが、選ばれる最大の要因は価格ではないでしょうか。トヨタのRAV4やLEXUSのNXなどと比べて価格が抑えられて頑張っている。ただ、PHEVとしての優越性が薄いので、(過去の様々なことから三菱を信用できないので)HEVでもいいんじゃないかと思ってしまいます。

2024年1月3日水曜日

令和6年 まだまだ続く波乱


昨日起きた石川県の大地震は、夜が明けて被災状況が分かってくると、やはり気楽な状況ではないことがわかってきました。

亡くなられた方も少しずつ増えてきていて、発生した津波や火災の被害も大変です。古い町並みが風情のある場所でしたが、それが裏目に出ているような気がします。

輪島市は観光名所としても有名な「朝市」の通りが壊滅状態なのは衝撃です。

もう50年ほど前のことですけど、輪島から沖合の孤島、舳倉島に出かけたことがあります。その時は朝市も楽しみました。確か舳倉島は周囲3kmくらいの小さな島ですが、民宿で一泊して大変気に入った場所でした。

各地の被害の話が伝わってきていますが、舳倉島の話がまったく触れられていません。心配です。

そして、そして、あ~、年が明けて1月2日。今日も大きな出来事が起きてしまいました。

今度は羽田空港、南北に延びるC滑走路で、着陸してきた日本航空の旅客機と海上保安庁の飛行機が衝突炎上しました。何てことでしょう。

着陸してきた飛行機が優先でしょうから、海保の飛行機が滑走路に誤侵入したのでしょうか。海保側の管制指示の聞き間違いが可能性が高いように思います。もしかしたら、管制官の指示ミスということもありえる。

旅客機の乗客・乗員全員は脱出できたのが不幸中の幸い。海保は新潟に救援に向かうところだったらしいのですが、乗員の安否がわかっていません。

連日、今年に暗雲を立ち込めさせるような出来事が起こってしまいましたが、スカーレット・オハラのように「Tomorrow is another day」と言えればいいんですけどね。

2024年1月2日火曜日

令和6年 波乱の幕開け


令和6年、幕開けと共に石川県で大地震が発生しました。津波も発生して、被災地の方はさぞかし心配なことと思います。心よりお見舞い申し上げます。

こちらでは、何か気持ちの悪い弱い揺れが比較的長く続いた感じでした。年明け早々、何か今年の日本を不安にさせる出来事です。

元旦は近くの小さな神社、いわゆる氏神様に初詣。さらにクリニックの氏神ともいえる、都築中央公園に隣接する杉山神社にも出かけました。

ただ、杉山神社は去年もたくさんの人が出ていて1時間以上待ったのですが、今年はさらに参拝待ちの列が長くなっていて、どう見ても2時間以上待たないと無理そうなので後日に行くことにして元旦参拝はギブアップです。

お店もほとんどが休業しているし、まぁ、家に帰っておとなしくしておきましょう。

2024年1月1日月曜日

謹賀新年 2024



新しい年になり、いろいろと気持ちも切り替えていくことが多いことと思います。一方で、「継続は力なり」という言葉もありますので、時代に応じてアップデートしつつも、しっかりとやれることを続けていくことも大事です。

今年は1月にサッカーのアジアカップ、3月末は大谷翔平のドジャーズ・デヴュー、夏にはパリでオリンピックなどがあり、注目のスポーツが目白押しです。

政治では、またもや昨年末から騒動になっている「政治と金」問題の行く末が気になるところ。「政治家」不在、「政治屋」ばかりの今の政界で自浄作用が働くことはありえないので、下っ端数人が生贄になってうやむやに収束する予感がします。

11月にはアメリカの大統領選挙。バイデン氏再選はあり得ないと思いますが、再びトランプ氏が出てきたら、混迷する世界情勢はさらなる迷路に紛れ込みそうで恐ろしい。

2020年初頭から始まった新型コロナウイルスによるパンデミックは、昨年やっと沈静化しましたが、ウイルスが消えたわけではありません。いまだにけっこう感染者の発生が続いています。あくまでも「with」コロナの生活になっただけ。

2年半の間、風邪をひく方もまったくというほどいませんでした。あれだけ誰もが真剣に取り組んだ感染対策が、不必要になったと忘れ去られてしまったかのような状況には危機感を覚えます。

コロナ禍での体力低下もさらなる問題を発生させていて、若い人の腰痛、高齢者の転倒がすごく増えている印象があります。この辺りに、今年の目標がありそうな感じしますね。