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2024年1月4日木曜日
PHEVへの道 7 昨年最も売れた車は?
自動車も多様性の時代になって、駆動方式による違いが多くなりました。また、世界的な半導体供給不足と言われ、新車を買っても納車時期は早くて半年後、1年待ちは当たり前という状況が続いています。
にもかかわらず、生産台数も販売台数も右肩上がりというのは解せない話。コロナ禍で多少落ち込んだ数字も、あまり影響を受けているようには思えません。ということは、需要が供給を上回っているということなんでしょうか。
アメリカでは、政府が積極的に電気自動車(BEV)の普及を支援したこともあり、昨年前半までは購入された新車の半数がBEVでした。ところが後半に入り、とりあえず新し物好きの人々に新車が行き渡ったせいか、BEVの販売が急速に落ち込んでいるらしく、各販売店は在庫を抱えて四苦八苦になってきたようです。
日本では昨年最も売れたのは・・・
やはり、ホンダのN-BOXでした。毎月トップの販売台数を維持したことはすごいのですが、やはり困ったことは「N-BOXしか売れていないホンダ」につきる。秋にモデル・チェンジをしたので、ますます人気のようですが、N-BOXは軽自動車ですし、軽自動車全体では当然ダイハツ、スズキの二強にかなうはずがない(もっともダイハツは最後でこけましたが)。普通車でもベスト10圏内にかろうじてヴェゼルが食い込むだけで、フリード、ステップワゴンが多少健闘している程度。
もっとも日産も似たような状況で、コンパクトカーのノートがベスト5以内をキープしたものの、あとはセレナ、エクストレイルが何とか土俵際残った程度です。トヨタ・日産・ホンダという三強は過去の話で、今やトヨタ1強とその他大勢の日産・ホンダ・スバル・マツダ・三菱(とスズキ・ダイハツ)という勢力図はますます顕著になっていきそうです。
トヨタ自動車についてみると、普通車販売台数ではベスト10に7台入る。1位のヤリス(ヤリスクロス含む)、2位のカローラは不動で、他にプリウス、ルーミー、シエンタ、ノア、ヴォクシーなどが絶えず上位に入っていました。
気になるのは、受注停止になっている車が多いこと。単純に供給が追い付かないためという場合と、モデル・チェンジを控えている場合があり、どちらも膨大なバック・オーダーを抱えていると想像できる。ある意味1強の弊害なので、納車待ちで悶々と日々を送っている顧客のためにも、他社に頑張ってもらいたいというところです。
トヨタは、HPで一般向けの乗用車は全部で50種類掲載されています。ところが、昨年末の時点で受注制限がかかっているのは32車種にものぼり、そのうち24車種については全グレード受注停止というから驚くしかない。ほとんどの人気車種が含まれており、今制限なく購入契約できるのはヤリス、ヤリスクロス、プリウス、ミライ、ハイラックス、ハリアー、bZ4X、スープラくらいでしょうか。受注制限はトヨタの高級ブランドLEXUSにも及んでいます。
コロナ禍で減産したことによる未消化のバック・オーダーが溜まっていること、販売チャンネルを統一してどのディラーでもすべての車種を扱うことになったことで人気車種への集中が加速したこと、他のメーカーに競合する車が少ないことなどが原因として挙げられます。受注制限が長引くと顧客が他社へ離れると心配の声もありますが、他社が弱すぎて流れたくても流れられないというジレンマもあると想像します。
昨年の日本国内の自動車全体の販売台数はだいたい38万台で、そのうちBEVは1.9%、PHEVは1.3%です。HEVを含む電池搭載車は50%を超えています。BEVのうち一番売れたのは軽自動車クラスの日産サクラで、半分以上を占めました。
改めて数字で確認しても、日本のBEV・PHEV普及率は低すぎます。ガソリン・スタンド並みに充電スポットが増えれば、安心して購入する人が増えるかもしれません。逆に、普及が進まないとインフラ整備も進まないというのもあって、これはトヨタが力を入れている水素燃料車についても同じことが言えそうです。
PHEVに限ると、何と三菱のアウトランダーとエクリプスクロスがワン・ツー・フィニッシュ。正直、意外な結果なんですが、PHEVとしてはいろいろな要素で後れを取っているところは間違いないのですが、選ばれる最大の要因は価格ではないでしょうか。トヨタのRAV4やLEXUSのNXなどと比べて価格が抑えられて頑張っている。ただ、PHEVとしての優越性が薄いので、(過去の様々なことから三菱を信用できないので)HEVでもいいんじゃないかと思ってしまいます。