2024年1月11日木曜日

PHEVへの道 13 エコカーの税金と補助金


そもそも、車の規格って日本ではどうなっているんでしょうか。

よく耳にするのにもナンバープレートの始まり方で「5ナンバー」、「3ナンバー」というのがありますが、昔は高級車が3で一般車は5みたいな理解で、ほぼ困ることはありませんでした。しかし、いつの間にか5だった車がモデルチェンジで3になったりして、今ではほとんどが3ナンバー。これは自動車登記規則という法律で決まっている分類番号の話。

1ナンバー 普通貨物車 貨物の運送の用に供する普通自動車
2ナンバー 普通乗合車 人の運送の用に供する乗車定員11人以上の普通自動車
3ナンバー 普通乗用車 人の運送の用に供する乗車定員10人以下の普通自動車
4、6ナンバー 小型貨物車 貨物の運送の用に供する小型自動車(6は三輪)
5、7ナンバー 小型乗用車 人の運送の用に供する小型自動車(7は三輪)
8ナンバー 特種用途自動車 特種の用途に供する普通自動車及び小型自動車
9ナンバー 大型特殊自動車
0ナンバー 建設機械

自家用車として一般人が使うのが3と5ですが、車両が増えて2桁だったものが3桁になり、さらに今ではローマ字も導入されています。

ここで疑問になるのは「普通乗用車」と「小型乗用車」の違い。さらに「軽自動車」というのもあります。これは車両規則という法律で規定されています。

小型乗用車 5ナンバー 定員10人以下
  全長4.7m、全幅1.7m、全高2.0m以下 排気量2000cc以下
普通乗用車 3ナンバー 小型の条件を一つでもばずれたもの
軽自動車 ナンバープレートは黄色
  全長3.4m、全幅1.48m、全高2.0m以下 排気量660cc以下

ナンバーの違いで自動車税が違ってくると考えられがちですが、基本的には自動車税は排気量で決まります。税額はしょっちゅう変更されますが、軽自動車、1000cc以下、1001~1500cc、以後500ccごとに決められています。軽自動車はだいたい1万円くらいで、最大6001cc以上は11万円です。エンジンを搭載しないBEVは、1000cc以下という扱いです。

ただし、BEV、PHEV、FCEVについてはグリーン化特例(2024年1月現在)の適応があり75%減税、そのほかの車は自家用車については特例は廃止されました。そのほかの車では2030年度燃費基準に対してどれだけ達成しているかによって、1~3%の環境性能割という追加分があります。

一般に「2000ccのエンジン」と言われていても、実際は「1986cc」だったりするのは車両の分類や自動車税に影響するからです。自動車に関係する税金としては重量税というのがありますが、これは分類とは無関係に車体重量によって0.5tごとに増えていくもの。

エコカー減税(2024年1月現在)では、BEV、PHEV、FCEVについては取得時と初回車検時までの自動車重量税は非課税、そのほかの車は2030年度燃費基準(25.4km/L)に対してどれだけ達成しているかによって25~100%の減税があります。

プリウスはグレードによって1800ccと2000ccがありますが、実際のエンジンの排気量はそれぞれ1797ccと1986ccで、5ナンバーレベル。ところが、大きさは全長4.6m、全幅1.78m、全高1.43mなので全幅がオーバーしてしまい3ナンバー確定です。普通・小型自動車は車両重量(タイヤを除く、含む場合は車両総重量と呼びます)に対して重量税が決まりますが、PHEVは1.57tでHEVはほぼ1.4tです。

自動車税は1501~2000ccの枠内に入り、36000円。ただしPHEVはグリーン化特例によりかなり少なくなります(納車時期によります)が、HEVには減税適応がありません。重量税はPHEVは非課税ですが、HEVも2030年度燃費基準を満たすので課税されません。細かい点は、かなり複雑なので個別に確認してもらいたいところです。

後は国が交付するCEV補助金(いわゆるエコカー補助金)について。これは車の大きさ・重さなどは関係なく、令和6年度も引き続きBEV、PHEV、FCEVを購入した場合にそれぞれ85万円、55万円、255万円が補助されるというもの。神奈川独自の補助金は終了していますが、東京都は継続しているのは、横浜市民としては不満なところ。

今後の維持費などのこともあるので一概には言えませんが、とりあえず新規に車両を取得する場合は、FCV、BEV、PHEVの順に減税や補助金の恩恵があるということ。ただし、もともと価格が高いわけですし、同型車のHEVモデルより安くなるわけではありません。やはり、選ぶからには車そのものに何かしらの魅力をしっかりと感じることが大事かもしれません。