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2024年1月14日日曜日
PHEVへの道 16 昨年の自動車業界
2023年の自動車の販売に関する国内統計がだいたいまとまりましたので、あらためて眺めてみます。
コロナ禍前の2018年には、ガソリン車は全体の2/3、HEVは1/3、PHEV・BEV・FCVは1-2%、ディーゼル車数%でした。ディーゼル車は主として業務用車両として一定の需要があり、最近までほとんどいつでも同じくらいの販売台数です。
しかしこの数年でガソリン車は減少傾向が続き、最新の数字ではHEVがガソリン車を上回っています。次第にガソリン車の選択肢が減っていることもありますが、ガソリン料金が高くなったこと、PHEV・BEV・FCVが3%台に漸増していることを合わせて考えれば、消費者側のガソリン車離れが進んでいることは明らかなようです。
普通・小型・軽のすべての新車販売台数でみると、2023年はコロナ禍前の水準には一歩及ばないものの、前年比113.7%で業績は上り調子です。メーカー別では想像通りトヨタの圧勝で、2023年は161万台で前年比131.1%。輸入車合計は31万台、日産とホンダは27万台、マツダは13万台、スズキは12万台、スバルは9万台、三菱は4.5万台、ダイハツは3万台。
ダイハツは第4四半期に不正問題で急ブレーキがかかったのでしょうがないのですが、気になるのは日産とほぼ同じ台数を販売したホンダです。日産が前年比112%を達成しているのに対して、ホンダは102.5%でほぼ横ばいと言えます。
ホンダの軽自動車N-BOXは2年連続で販売台数としてはトップの座に君臨していますが、2023年の販売台数は23万台なので、何とホンダの車の85%を占めていて、「N-BOXしか売れない」状態が鮮明になっています。
軽自動車を除いた車名別では、トヨタのヤリス、カローラ、シエンタがトップ3を独占。以下、ノート(日産)、ルーミー(トヨタ)、プリウス(トヨタ)、ノア(トヨタ)、ヴォクシー(トヨタ)、アクア(トヨタ)、フリード(ホンダ)という順。
50位までのランキングで各社のシェアは、トヨタ62.9%、ホンダ12%、日産10.2%、マツダ5.3%、スズキ5.1%、以下数%でスバル、レクサス、三菱、ダイハツの順になっています。マツダ、スバルは恒久的な人気車種があり一定の顧客層をつかんでいる印象で、スズキは本丸は軽自動車ですから、納得の数字のように思います。
やはり、もここでも問題は日産とホンダの凋落です。かつてはトヨタのシェア争いをしていたのが嘘のようです。日産のカルロス・ゴーン路線からのごたごたが最も影響していると思いますが、それでも人気ブランドを持っているので収益は上がってきている。
一方、ホンダは昨年収益自体もマイナスで、いくらN-BOXが売れても2台でヤリス1台分です。バイクなどの自動車以外の収益もありますが、基幹業務の自動車部門がこれでは心配にならざるをえない。
普通乗用車としては2000年以降フィットが売り上げを牽引していましたが、この頃から「フィットしか売れない」状態が始まっており、フィットのモデル・チェンジでの失敗と燃費競争の終焉が痛かった。2040年までに全車BEV宣言も、そのあせりから来るととらえる意見が多そうで、最近公表されたBEVコンセプトモデルも注目と同時に実現性に疑問を感じる部分も少なくありません。
何にしてもトヨタ一強という状態は、健全なマーケッティングという意味では良いわけがない。是非にでも日産とホンダには復活してもらいたいものだと思います。