昨年、最も販売台数が多かった電気自動車(BEV)は、日産のサクラでした。
何故、売れたのか? 今の日本の環境では、フルに電気自動車に鞍替えするには様々な問題があり、ファースト・カーとして選択するのはかなり勇気が必要です。サクラは、同じく日産のシンプル・ハイブリッドの軽自動車デイズのボディをそのまま流用した車で、あくまでも2台目、3台目として街乗りメインに振り切ったことが成功の理由と言われています。
外観は基本的にデイズと同じで、全長・全幅・全高は3395・1475・1650mmです。ホイルベースも2495mmで同じ。最小回転半径も4.5mで同じ。ただし車両重量はデイズ850kgに対してサクラは1070kgで200kg増になっています。
WLTCモードで、デイズの燃費は23.3km/L、タンク容量が27Lなので、単純に考えれば満タンで629kmの距離を走れることになります。サクラの電費は124Wh/km・一充電走行距離180kmとなっています。1km走るためにかかる費用は、ガソリン160円/Lとするとデイズは6.9円。31円/kWhとするとサクラは3.8円となり、デイズの半分近い数字になる。
軽自動車は、個人の場合は基本的に遠距離移動はあまり想定された使い方ではありませんので、ちょっと買い物とか、駅までの送迎など、一回の走行距離は数kmか多くても20km以内がほとんどと思われます。
となると、サクラならだいたい一回の満充電で1週間くらいは大丈夫というところでしょうか。搭載するリチウムイオン電池は350V・20kWhで(リーフの半分)、自宅で使いやすい200V・16Aの3.2kW充電だと、満充電にかかる時間はおおよそ7時間。基本的には電気代が安くなる深夜の時間帯で完了できます。もしもの場合には、急速充電ポートもあるので安心です。
価格はデイズが180~200万円なのに対して、サクラは250~300万円ですが、購入に対して公的補助金が55万円ありますので、価格差はだいぶ縮まります。ほぼ同じ容量の電池を搭載するトヨタのプリウスPHEVは、価格が460万円ですから、街乗りだけならサクラはだいぶお得ということになるのもしれません。