2024年1月6日土曜日

PHEVへの道 9 PHEVの問題点


現時点でのbetterな選択としてPHEV(プラグイン・ハイブリッド車)があるわけですが、当然bestでは無いわけで、BEVと同じようないろいろな問題点は指摘できると思います。確かにHEV(ハイブリッド車)に近い燃費が得られるし、充電を切らさずにバッテリーとモーターだけで走るように心がければBEV(電気自動車)となり、ガソリンを消費せずCO2排出も最小限に抑えられる。

ということは、HEVとBEVの中間に位置して、両者の欠点を補ういいとこ取りみたいな感じになるわけですが、両者よりも劣る部分も出できてしまうわけです。

単純に考えて最初に悩むのは、ガソリン車あるいはHEVよりも車両価格は高くなります。一般には同一車種ではガソリン車よりHEVは数十万円、HEVよりPHEVはさらに50~100万円割高になってしまいます。実際、PHEVでは選択できる車種は少ないために、そのままの価格を受け入れざるをえないケースが多い。

ガソリンを使わないで走れるのは嬉しい反面、もしかしたらタンク内にはずっと同じガソリンがあるということ。実はガソリンは長期滞留によって劣化します。空気中の酸素によって酸化して異臭を放ち、タンク内は錆び始めます。さらに時間が経つと粘度が上がってドロドロになり、配管に詰まり最悪エンジンを壊します。

もっとも劣化が始まるのは数か月から半年くらいしてから。1か月、2か月では問題ありません。トヨタ公式HPには「12か月ごとに20L以上燃料補給を行ってください」と注意があり、プリウスでは車内のインフォメーションディスプレイに表示されるようです。

逆に電気をまったく使わないとしたら・・・走ればそれは無いので、運転する機会が無くて駐車場にずっと置かれているような場合の話になりますが、この場合1か月でモーター走行数km程度分の放電が起こるとされています。

バッテリーをHEVよりも多く搭載するので、車体重量が増えます。当然、燃費が同一車種のHEVよりPHEVは劣ることになります。またバッテリーを搭載した分、車内は多少狭くなることを覚悟しないといけません。プリウスの場合は、グレードZ PHEVは車体重量1570kg、同一グレードのHEVでは1420kgですから、150kg増量になります。室内スペースの広さは変わりがありませんが、ラゲージスペースの底面がやや高めになるので、HEVの410Lに対してPHEVは345Lで減少しています。

充電の手間をメリットと感じるかデメリットと感じるかは人それぞれだと思いますが、マンションや家から離れた駐車場を借りているような場合は、そもそも充電設備を設置できないかもしれないという悩みが生じます。戸建住宅に住んでいる場合は、基本的に自宅に充電設備を設置することが可能です。

自宅充電は通常普通充電と呼ばれ、家庭の一般的なコンセントを利用する100Vの場合と、専用線を引いて200Vにする場合があります。プリウスの場合は、100Vの充電器をオプションとして選ぶことは可能ですが、使用時に安全のためアース線の確保は必須であり、満充電までの時間も最低でも30時間以上かかることを覚悟しないといけない。

200Vは電流が3kW(16A)と6kW(30A)の場合がありますが、満充電にかかる時間は、3kWなら5時間半、6kWなら3時間半です。3kWの充電コンセントの設置は、いろいろな条件にもよりますが工事費5万円前後で可能。しかし、6kW充電をしようとすると工事費は20~40万円もかかり大きな負担になります。

急速充電は、充電スポットにある大きめの50kWの機械で可能で、設置には500万円以上かかりますから、当然一般の家屋では無理。しかも、30分程度でプリウスPHEVなら満充電が可能ですが、プリウスには急速充電のプラグはありません。急速充電は、通常はより大容量電池を搭載するBEV専用みたいなところあります。

電気自動車全般に言えるデメリットと、特にPHEVに特化した問題点などを許容できるのであれば、よりエコロジーを意識したカーライフを目指すと言うのは悪い話ではありませんね。