2013年7月31日水曜日

イソギン・リターンズ ~ あすなろ海水魚館

イソギンチャクは難しい・・・

何を今さら、とあきれられてしまいそうですが、5月なかばに長らくカクレクマノミと仲良しだったシライトイソギンチャクが☆になり、つづいて入れたサンゴイソギンチャク。

これは2週間ほどで、移動しているうちに吸水口に吸い込まれボロボロ。その次に入れたサンゴイソギンチャクも移動を続け、何故か2週間程度で融けるようにだめになり、あわや水槽崩壊というピンチ。

それでもめげずに、間髪いれずに入れたのがロングテンタクルアネモネと呼ばれるイソギンチャク。これも2週間ともたず、さらに新たなサンゴイソギンチャクをいれましたが、これは水流を作っているプロペラでボロボロ。

この前の日曜日に、さらにサンゴイソギンチャクを投入。こうなったら、意地みたいなものです。ところが、厳重にかくしていたつもりの吸水口にまたしてもやられて、わずか2日でアウト。

さすがに、めげました。しかし、かみさんが立ち上がった。このままでは、カクレクマノミの安息はない、というわけで、火曜日の夜にシライトイソギンチャクをゲット。

ここで、久しぶりにカクレクマノミもイソギンチャクの中に入って嬉しそう。とりあえず入れた場所に、しっかり広がって初日は落ち着いていました。

結局、イソギンチャクは移動するというのが問題なのかもしれません。自分が落ち着く場所を求めて、砂地、岩の上、時には壁にへばりついたりとけっこう動きまわる。

そして、水流ポンプや吸水口などは鬼門で、ちょっと痛むともうだめ。体調をくずしたら、溶け出して水質は一気に悪化するので、かわいそうと様子を見ていたら取り返しの付かない事になるかもしれない。

あ~、イソギン貧乏になりそうですから、いいかげん何とかこのまま平和になってもらいたいと、切に切に願っているんです。

2013年7月30日火曜日

魁力屋 @ センター南

魁力屋は、「京都北白川背脂醤油ラーメン」を提供するチェーン店。濃厚な鶏がらベースのスープに、ストレートな細麺が基本。

クリニックのある周囲では、 2009年に東方町に最初に出来て、2011年には市ヶ尾にも出店してきました。どちらも、食事時間には行列ができる人気店になっています。

そして、最近ついにお膝元のセンター南、駅から徒歩数分程度の場所にお店が出来て、昼休みとかでも歩いて行けるようになりました。

今日は、夜8時過ぎに行ったのですが、数組が待っている状態。相変わらずの人気は、衰えていないようです。ただ、クリニックに近すぎて患者さんと遭遇しないか、ちょっと気になりました。

今回は、こく旨ラーメン+肉入り+味玉。摩り下ろしにんにくがたっぷり入っていました。通常の醤油ラーメンよりも、少し農耕ですが甘めのスープでした。

甘く感じたの理由は、醤油ラーメンには最初から唐辛子がけっこう入っているということに気がつきました。あれれ、こんなに唐辛子入れていたっけ? ちょっと、むせやすいかも。

横浜といえば醤油豚骨、醤油豚骨といえば横濱家。しかもその本店があるのが都筑区ですから、京都の背脂醤油が殴りこみでどこまで頑張るのか、ちょっと見ものです。

2013年7月29日月曜日

土潤溽暑

昨日のエントリーは、土曜日にクリニックの納涼会をした話。ブログには備忘録的な意味があるので、記録に残しておきたい事はできるだけリアルタイムで書いておきたいわけです。

ですから、今日の話は一日遅れになってしまいました。昨日の7月28日から大暑の次候に入り、七十二候では「土潤溽暑」ということになりました。

いやぁ、いつものことですが、何て読むんだろうと思ってしまいます。ずばり、「つちうるおうてむしあつし」だそうで、このところは蒸し暑くて、まさにの通りという感じ。

上空には寒気があるそうで、昼間気温が上がると雷雨になりやすい。雨が降って地面が湿ると、昼間に蒸発して湿度が上がる。蒸し蒸しして、湿度がだいぶ上がって溺れてしまうのでは・・・といらぬ心配をしてしまいます。

今時の言い方だと、ゲリラ豪雨なんていう味気ない呼び方をされていますが、昭和の時代には夕立という言葉がありました。暑くなった地面を適度に冷やしてくれて、気温が下がって夕涼みという風流な味わいがありました。

今は、エアコンの部屋から出れませんね。

2013年7月28日日曜日

チキンすーぷライスいり @ 仲町台

昨夜はクリニックの納涼会。場所はクリニックのある市営地下鉄センター南の隣、仲町台駅のすぐ駅近のお店。名前が「チキンすーぷライスいり」という風変わりな感じ。

仲町台で働いている患者さんの推薦でしたが、それなりに名が知れているようで、クリニックにも行ったことがあるというスタッフが、何人かいました。

給料日あとの土曜日で混むから、コースにしたほうがいいと言われ、一番安いコースに2時間飲み放題という明瞭会計パックにしました。

基本はイタリアンですね。味はまぁまぁで、宴会コースとしては質は十分な感じ。前菜、サラダ、ピザ、白身魚のグラタン、パスタ1、ローストチキン、パスタ2、アイスクリームといったメニュー。

食べたり無かったら追加で単品をオーダーしようと思っていたのですが、それなりに料理の量もあって、基本は十分でした。ただ、見せの名前にもなっているチキンすーぷライスいりがコースに無い。

せっかくのメニューですから、これを食べない手は無い。ということで、追加で注文して味見。また、女性陣にとってはデザートが寂しかったようで、いくつかスイーツが運ばれていました。

だいぶ昔の外国の絵本に「チキン・スープ、ライス入り」というのがある。作者は「怪獣たちのいるところ」で有名なモーリス・センダック。70年代にキャロル・キングが、その絵本を元に歌にしていたので、馴染み深いものがあります。

行くまではこの絵本がお店のモチーフになっているのかと思っていましたが、実際はまったく関係ないようでした。

帰りは雷雨になっていて、お店を出てびっくり。駅近で、ほとんど濡れずにすんで助かった~

2013年7月27日土曜日

Alina Ibragimova / J.S.Bach Sonatas & Partitas

名立たるバイオリン奏者が、今も昔も数多くいて、自分の場合は華やかさで特に女性奏者に注目してしまうのです。

ただし、いくら名演奏とは言っても、昔の悪い音質のものを一生懸命聴くのはつらい。そこで、基本は現役の奏者のものが中心となって、もしかしたら重要な音源が抜け落ちた中途半端な聴きこみかもしれません。

となると、女性に年の話は失礼かもしれませんが、年齢順でキョンファ、ムター、ヤンセン、ハーンあたりが大御所~中堅どころという感じ。最近話題のバティアシブリは、年齢的にはハーンといっしょですが遅咲きですね。古楽系だとムローヴァ、ポッジャー。

80年代組はフィッシャー、イブラギモバ、ベネディティのかわい子ちゃん三人組。キャリア的にはフィッシャーが最も突出していて、早くも新世代女王の呼び声が高い。ベネディティは、どうもその可愛い外観が先行しすぎかも。

アリーナ・イブラギモバはロシア出身、メニューイン門下生で2000年ごろから注目され始めました。前回、最新作のシューベルトに度肝を抜かれた話を書きました。名をあげた他の人たちで、同じようなCDをだしているのはフィッシャーだけ。しかし、フィッシャーの演奏はまだまだ楽譜をなぞっているだけみたいな印象でした。

昨年リリースされたメンデルスゾーンの協奏曲は超有名曲で、ベートーヴェンで言えば「運命」みたいなもので、クラシックファンではなくてもこのメロディを聴いた事が無い人はいないというくらい。それでも、こんなメンデルスゾーンは初めてというくらい話題になりました。

しかし彼女の評価を決定付けた録音はというと、2009年のバッハの無伴奏ソナタ・バルティータ全曲でしょう。2005年に来日したときにも、はやくも一部を取り上げていて驚異的な演奏を行っています(YouTubeで見る事ができます)。

バッハの無伴奏は、バイオリン奏者にとってはエベレストみたいなもの。伴奏なしで、バイオリンの本質を描き出す、ごまかしの効かないプログラムです。これも全曲録音しているのはフィッシャーとイブラギモバだけ。

イブラギモバのバッハは、本当に素晴らしい。音の強弱、ヴィブラートの使い方、トリルの入れ方、どれをとっても嫌味が無く、聴きやすいのだけれど、深く心にしみてくるような演奏です。

人気の点でもフィッシャーを急追して、もはや実力から完全に追い抜いた感があり、新世代バイオリン女王として一押し、二押し、三押しの存在です。


2013年7月26日金曜日

なす ~ あすなろ菜園

今年のベランダ菜園は、「おくらがなっているところを見よう」というのがテーマだったのですが、隣の泌尿器科から苗を数種類いただきまして、いくつか種類が増えました。

ただし、貰った時期が遅めだったのか、ベランダ菜園の限界なのか、育ちがイマイチ。申し訳ありません。やはり地植えと比べて、なかなかプランターでは難しい。

ピーマンは葉っぱが生い茂って・・・いるのはいいのですが、いっこうに花が咲きません。自宅の庭に植えているのは、まぁまぁこの数週間それなりに収穫できているんですが。

そんな中で、やっと一輪の清楚な薄紫の花・・・茄子の花が咲きました。花につながる茎は、いかにも茄子らしい色をしています。

ずいぶんと昔に四国に学会で行った時に、茄子そばというメニューがあって印象に残っています。精進料理の一つだそうで、動物の殺生を禁じた関係で、鰹とかの普通のだしが使えない。

そこで、細切りにしたナスを菜種油で軽く炒めたものをだしに使うというもので、これがけっこういけるのです。今でも、うちでは時々美味しそうなナスが手に入るとやっています。

2013年7月25日木曜日

おくら ~ あすなろ菜園

おくらがなっています。クリニックのベランダの菜園・・・というには、だいぶみすぼらしいプランターですが、まぁ患者さんの中にはこんなものでも見て楽しんでいただけるかと。

食べるならもうそろそろ収穫だよと教えてくれる患者さんもいましたが、もともと食べようと思って栽培しているわけではないので、このままほっておこうと思います。

それにしても、とりあえず初めてこんなん見ました、ってな感じ。もちろんこれしかないだろうという形ですが、実際に見てみるとなんとも不思議な野菜・・・というか果実ですね。

オクラの粘り気は、コレステロールを下げる働きがあると言います。ビタミンも豊富で、夏バテ防止にも役に立つ。今の旬な時期に、せっせと食べたいものですね。

2013年7月24日水曜日

リウマチ勉強会 @ 横浜駅西口

昨夜は横浜駅前に出かけて行って、リウマチの勉強会に参加。天気が荒れ模様だったせいか、出席者は少なめ。

自分が世話人をしている田園都市リウマチフォーラムは、地域を横浜市北部~川崎西部地区を対象にしていて、だいたいリウマチを専門にしている先生を中心に開催にしています。だいたいレギュラーで出席していただけるのは、10人くらいでしょうか。

一方、昨日の会は横浜市全体を対象にしているのですが、場所が横浜駅周囲でいつも行われるので、だいたい田園都市リウマチフォーラムの地域以外からの先生、特に東南部からの出席者が多い。

横浜市北部からは市営地下鉄、横浜市西部からは相鉄で横浜駅に出れるのですが、ちょっと大変。北部と西部を結ぶ交通は無く行き来はめんどうという、地域の特性があるわけです。

ですから、この会はできるだけ参加しようと思ってはいるのですが、毎回というわけにはいかない。田園都市リウマチフォーラムと同じ頃から始まったのですが、年4回というペースなので、こちらは昨夜で13回目。自分は出席率は半分くらいでしょぅか。

昨日のテーマは、春に新発売された7つのリウマチ治療のための生物学的製剤の話。日本で最初の生物学的製剤が発売されたのが2003年7月のことですから、ちょうど10年で7種類が登場し、リウマチ治療はまさに激動の10年間だったといえるでしょう。

特に抗TNFα製剤と呼ばれるものは最も多く、製薬会社はその差別化には苦労しているようです。今回登場したものは、本来の分子の一部を取り除いて、いろいろな副作用を軽減。さらに構造を付け足す事で、体内に留まる時間を長くするという特徴があります。

ただ、今回の新薬も含めて4種類ある抗TNFα製剤で、明らかに効果に差があるかというと、なかなかそうとも言えないし、副作用の発言頻度も大差ない。その他の薬理作用の異なる3種類も含めても、どのように使い分けていくかという結論ははっきりしません。

それぞれを使用した経験的な部分では、こんな患者さんにはこれを勧めたいという漠然とした意見はあるものの、いわゆるエビデンスと呼ばれるようなまとまったデータがないわけです。逆にどんどん新薬が出で来る現状が、データの分散化に関与している部分は否定できません。

それでも、患者さんにとって戦う武器が増えることは歓迎すべき事であり、今後も続々とこの系統の薬が登場してくる予定があります。まだまだ、医者の勉強すべきことは絶えることがありませんね。

2013年7月23日火曜日

桐始結花

今日から二十四節季では大暑、いよいよ本格的に暑いぞ!! ということですが、天気は戻り梅雨という感じで、気温は低めですが、湿度はかなり高い。

大暑の初候は、七十二候だと桐始結花となり「きりはじめてはなをむすぶ」と読む。桐というと、桐の箪笥とか、高級木材の代名詞みたいな感じがしますが、どういう木なのかよくわからない。

500円硬貨に描かれているのも桐の紋だそうで、けっこう身近にも使われているにもかかわらず、普段からいろいろなことを観察する事を怠っている事を知らされます。ましてや、桐の花なんて、もっと知らない。

こどもたちは夏休みに突入。いよいよ、海や山では夏本番。熱中症や事故などに気をつけて、楽しんでもらいたいものです。

2013年7月22日月曜日

H.Udagawa / Rachmaninov Violin Works

最近はネットで音楽を購入して、専用ソフトで管理という形も一般化してきました。理由としては、ディスクやケースは場所を取るのでいらないというのはあるでしょう。また、ネット購入は、いつでもどこでもお手軽にできるのも重要なポイント。

ただ自分のようなおじさんにとっては、30cm四方のレコード盤を並べていたときに比べれば、今の12cm四方のディスクはずいぶんと小さくなったと思います。形のあるものを並べることで、コレクションとしての価値や満足感があると思ってしまいます。

そもそも、データというものが散々消えてしまったという経験が山ほどありますから、どうもデータだけというのは、いまいち信用できない・・・というのも年寄りの証みたいなところでしょうか。

Amazonでは、数年前からMP3でのネット配信を行っていましたが、今まで一度も利用したことはなかったのも、そんな理由から。ところが、前回ラフマニノフの弦楽四重奏のCDを探していて、大変少なくて、ちょっと聴いてみたいがそれほど有名どころが演奏しているわけでもなく、そのわれに価格も安くない。

そんなわけで、はじめてネット購入をしてみたというわけです。ところが、やはりこれを中心にコレクションを増やすというのはあまり好まないという感じは変わりません。

というのは、まずデータの質。MP3であることはいいのですが、データ量を減らすためにVBRを使用していて、実質変わりないと言っても最高音質とは言い難い。そして、ジャケットがない、ということは演奏者や曲の情報がまったくないということです。

Amazonのクラウドで管理され、自分のPCなどにもダウンロードして自由に使えるところはいいのですが、友人から借りて録音したみたいな感じで所有欲はとても満足させません。楽曲の情報なんてネットで探せばいいと思うでしょうが、今回のような珍しいものはなかなか検索してもわからない。

ということで、実はもう一つネット購入してみたのがこのアルバム。こちらはラフマニノフのバイオリンとピアノのための全集というもので、 これだけ集めたものは唯一といってよい。

超レアなアルバムですが、やはり演奏者の宇田川さんという日本人・・・申し訳ないのですが知りませんでした。実際聴いてみて、普通の感じでしょうか。悪くはありませんが、特に・・・

ラフマニノフのバイオリン曲は、実際の所2曲くらいしか無いはずで、そもそもアルバムを一枚作るには無理があるはず。そこで、ここに収録されているのは歌曲などの編曲が中心。そして目玉は、ラフマニノフの最も有名なチェロ・ソナタのバイオリン編曲版。

まぁ、確かに面白い。また、あらためてラフマニノフの国民学派とは違った、ロマン派としてのリリシズムみたいなものはわかる。弦楽四重奏も含めて、もっともっと室内楽を作ってくれていたらと思ってしまいます。

とにかくこういうレアなCDは手に入りにくいか、あるいは価格が安くないので、ネット購入は大変楽ちんな方法でいいのですが、聴いてみてやはりCDで持っていてもという感じなのでしょうか。

簡単に買える・・・ということで、無駄遣いになりそうなところもありますので、いやぁ今後はネット購入は慎重にしたいと思います。やはり並べて置きたくなるようなものと内容は必ずしも一致はしませんが、少なくとも簡単に手に入るものは需要があり、それだけ評価も高いというところでしょうか。

2013年7月21日日曜日

パイナップル

パイナップルと言えば熱帯地方の果実、自分が物心ついたときには日本でも一般的になっていたと思います。まぁ、南国の果実の元祖というか、バナナとともに代表選手みたいなものでしょうか。

英語で書くとpineappleで、松(pine)とリンゴ(apple)が合体している。松の実である松ぼっくりと似ているからということらしい。中学生の時には、りんごとは味がまったく違うのにと、不思議に思っていたものでした。

昔は生で食べる機会というのはほとんどなく、シロップづけの缶詰が主流でした。もちろん、今時は、普通にスーパーでドカンっと売っています。とは言っても、切り落としてからだいぶ立っているので切り口は完全に乾燥しているもの。

今回、切り立て(?)と思われる新鮮なパイナップルをいただきました。切り口の所はまだ湿り気があって、切り落としてからどのくらいたっているのでしょうか。パイナップルの食べ時というのがよくわからないので、とりあえず1週間くらい寝かせておくくらいはいいでしょうか。

料理をするときには、パイナップルの中にタンパク分解酵素が含まれていることを忘れてはいけません。安くて固い肉でも、パイナップルをいれておくと、けっこう柔らかくなるものです。

だからと言って、何時間も漬けておいてはいけません。以前、数時間漬けておいて焼いたら、ボソボソになっていて、食感も何もあったものじゃないという。何でも長ければいいというわけじゃない。

酢豚によくパイナップルが入っていますが、結局固い豚肉を使うところほどいれたくなるというのもわかります。いい肉を使えば、当然入れる必要は無いわけです。


2013年7月20日土曜日

第8回田園都市リウマチフォーラム

田園都市リウマチフォーラムのこれまでの記録は、前回の6月の会合のときにこのブログでまとめてみました

今夜は第8回ということで、東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター教授の桃原茂樹先生をお招きして、生物学的製剤の時代における新しいリウマチ治療の考え方などをいろいろと講演していただきました。

名称が長いので、女子医のリウマチセンターの簡単に呼ばせてもらいますが、ここは今でも自分が非常勤講師として所属させてもらっているところ。桃原先生は、自分が常勤で所属していたときのすぐ上の上司ということになります。

おかげで気楽に桃原先生とか、影では桃ちゃんとか呼ばせてもらっていますが、この世界では実際のところなかなかの有名人。普通は、そんなに気楽に声をかけたりはできません。

今日はリウマチの診断についての遺伝子の話からはじまり、いきなりのストレートパンチのように強い衝撃を受けました。その後、簡単な治療の歴史的な変遷の話でちょっとクールダウンしたかと思うと、またまた生物学的製剤の問題点を簡潔に説明してもらってジャブ攻撃。

外科系の先生の話なのに、手術の話は全体の1/5程度。いかに、現代のリウマチ治療が内科でも整形外科でもなくリウマチ医によって行われているかを実感しました。はっきり言って、普通の整形外科医が扱える病気ではありません。

とにかく、最新の話と言うのはどんどん動いていて、寛解=治療の中止という夢を見始めているリウマチ診療がそんなに簡単ではないという現実も知らされた感じでした。

次回は聖マリアンナ医科大学教授の山田先生の話を聞く予定ですが、テーマはステロイド。リウマチ診療では無くてはならない古い薬ですが、最近けっこうホットな話題が出ているところ。またまた、意外な盲点を話してもらえるものと期待しています。

2013年7月19日金曜日

Moz-Art Quartet / Rachmaninov String Quartets

ラフマニノフはピアニストとしての成功がベースにあり、作曲についてもピアノを生かしたものが評価が高い。代表作としては、ピアノ協奏曲や独奏曲があげられるのが普通です。

室内楽では、比較的演奏される機会が多いのが、チェロ・ソナタとピアノ三重奏曲。いずれも、哀愁にみちた印象的なテーマで、その美しさは誰もが楽しめるものでしょう。

また、もともと歌曲として作られた「ボーカリース」も大変綺麗な曲で、チェロで演奏されたり、また本人によりオーケストラ用編曲があったりして、代表作の一つに入れてもおかしくない名曲でしょう。

基本的に、これらはいずれもピアノが効果的に使用され、ピアニストとしての面目躍如というところ。ピアノが出てこないものとしては、3つの交響曲が知られていますが、実は弦楽四重奏が無い。

無い・・・というのは正確には間違いで、実際のところ2つの弦楽四重奏曲が残されています。ところが、いずれも第2楽章までしか完成しておらず、何らかの理由で途中で断筆して完成していません。

第1番は1889年、16歳の時の作品。第2番は1896年、23歳の時の作品です。第1番は、当時の学校での課題として出されたものらしく、それでもラフマニノフらしい美しい曲で、2楽章しか無くても十分に楽しめます。

第2番は、ピアノ協奏曲第1番やピアノ三重奏曲の成功の後、再度挑戦したものでしょう。しかし、交響曲第1番の酷評により、精神的に大きなダメージを受け、おそらくこの弦楽四重奏曲第2番も途中で書けなくなったのでしょう。

その後、28歳でピアノ協奏曲第2番により復活した後も、ラフマニノフは二度と弦楽四重奏を完成させることも、新たに作曲する事も無く、二度とこのジャンルには手を染めませんでした。

当然、録音もきわめて少なく、あまり演奏を選り好みすることはできませんが、Amazonで最初に見つけたアルバムを手に入れました。これは2つの未完の弦楽四重奏と、弦楽四重奏で歌曲の伴奏をするという企画の抱き合わせで、けっこう面白い。

演奏しているのはモツ-アート四重奏団という、あまり聞いた事が無いグループ。モツ-アートというのはMoz-Artと書くので、ハイフンを抜くとMozart(モーツァルト)ですから、なかなか洒落たネーミングです。まぁ、可もなし不可もなしというところでしょうか。

とりあえず、ラフマニノフの室内楽は大変少ないので、未完成でもこれらの曲は貴重で、是非一度は聴いておきたい隠れた名曲だと思います。

2013年7月18日木曜日

センター南駅前工事

横浜市営地下鉄センター南駅というのが、うちのクリニックの最寄り駅。まぁ、今更言うまでもないのですが、港北ニュータウンと呼ばれる街の中心部で、区役所とか警察署、消防署、郵便局などが居並ぶわけです。

センター南と言うからには、実は隣の駅はセンター北という名称で、こちらのほうは大規模商業施設が多い。あえて例えるならば、センター南が東京駅でセンター北が銀座みたいな感じ。

「官公庁街」みたいなセンター南は、どうも人の動きはぱっとしないわけで、2005年に開業した当初は、昼間はクリニックのあるビルがある北側は駅まん前にもかかわらずほとんど歩いている人がいませんでした。

駅の南側には東急ショッピングセンターがあってまぁまぁの人の出でしたが、それも何となく勢いが減って出店しては撤退みたいな繰り返しで、今ひとつ盛り上がらない。

それでも、南北の間に商業施設ができたり、北側にスーパーやホームセンターが出来て、昼間に歩いている人を見るようになり、近隣の道路も渋滞する事がちらほら。とは言え、そもそも駅舎に隣接する一等地が空き地というのが、何とも寂しい限り。

そこが、今年の春からいよいよ工事が始まりました。今のところ、地下をせっせと掘り進んでするようで、巨大なボーリング機械がぐるぐると廻っている様子を、けっこう間近で見ることが出来ます。

けっこう期待してしまいますが、でもパチンコ店が入るようで、何かなぁ~という気分だったりします。それと、センター南の駅舎がどうなるのか気になってきました。

駅舎は、ちょっとモダンな外観で、センター南の象徴みたいなところがあります。ところが5階建てらしいビルがどーんっと建ってしまうと、間違いなく隠れてしまう。どうなるんでしょぅかね。

近くのスーパーや家具店が入っているビルの隣、区役所通りと呼ばれる幹線道路に面した大きな空き地もビルの建築が決まったようです。こちらは、老人施設らしい。

かつてはみんなが夢見たニュータウンの「官公庁街」でしたが、駅前はパチンコ、近くは老人施設が居並び、そして幹線道路沿いにはセレモニーホールが何軒もあって、どうも街づくりのコンセプトもだいぶ変わってきたのかもしれません。


2013年7月17日水曜日

鷹乃学習

またまた読めない。鷹乃学習と書いて「たかすなわちわざをならう」と読むのだそうですが、素直に読めば「たかのがくしゅう」となる。

二十四節季で小暑、七十二候ではその末候ということになります。猛暑はちょっと一休みで、朝は少しひんやり。

鷹がいったい何を学習するのかというと、巣から飛び立ち空を自由に飛ぶこと、すなわち自分で餌を捕獲することらしい。

春の内はそこらへんに虫とかも一杯いるんでしょうが、夏になっ暑くなると親も餌を探すのは大変。

もうそろそろ、いいかげん巣立って自分のことは自分で何とかしなさい、と思っているのかいないのか。

今では鷹匠でもないと、鷹そのものを見ることはなかなかないですね。畑で仕事をしていると、暑くて汗をぬぐって、ふと見上げると幼い鷹がひゅーっと飛んでくるのを初めて見る頃なんでしょうね。

学習というのも、技を習う、あるいは業を習うと読むというのも面白い。鷹が空を飛ぶというのも、本能に根ざして、必要に迫られて経験則からくる技術でしょう。

本能によってできることは業でしょうし、経験則からできることは技だと思います。学問は、それらを理論的に統合して知識としてまとめあげたもの。つまり、本能がなくても経験がなくても同じ事をできるようにするためのものが学ということになるんでしょうか。

2013年7月16日火曜日

V.Ashkenazy / Ravmaninov Piano Concertos


ラフマニノフはロシアの近代作曲家で、自分のピアノ演奏もけっこう残っていたりする。英語表記だと、Rachmaninovと書く場合とRachmaninoffとする場合もあって注意が必要です。

いわゆる現代音楽の時代にあって、非調性音楽が増える中、ラフマニノフは比較的ロマン派の流れを捨てずに美しいメロディをたくさん生み出しました。

ですから、生前はいろいろと悩みが多かったらしい。まるで映画音楽のようだとか、甘ったるいメロディだとか、批評家からは大衆娯楽音楽のような扱いを受けていたわけです。

もちろん今では、そんな評価をすることはありません。そして、最も人気があり、世界の名曲集みたいな企画があるとはずせないのが、ピアノ協奏曲第2番でしょう。最近はのだめ効果もあって、第3番もかなり人気があります。

自分も小学生の時に自分の意志で聴き始めたクラシックのなかで、もっとも最初の頃に好きになった曲が第2番でした。レコードを持っていたのですが、誰の演奏家はまったく記憶がありません。Columbiaレコードだったのは間違いない。

アルゲリッチも協奏曲はよく演奏していますが、ラフマニノフ全体を網羅して精力的に演奏しているのがアシュケナージ。ピアニストとしても、指揮者としても、重要なレパートリーとして取り上げています。

もともとアシュケナージは、甘めのメロディを感情たっぷりに弾くのがうまい。ショパンはいいけど、ベートーヴェンには向かない感じ。だからラフマニノフにはぴったりなのか、ラフマニノフを演奏しているうちにそうなったのか・・・

70年代にプレヴィン指揮で録音したものと80年代にハイティンク指揮で録音した2度目のものと、ふたつのピアノ協奏曲全集があります。

若さと勢いがピアノの圧倒的な迫力と緊迫感を生み出している傑作は前者、オーケストラと一体感なら後者かもしれません。

有名曲だけに、名演は数多くあり評判になった演奏は数多くありますので、アシュケナージをスタートに漁ってみるのも悪くはありません。ジンマーマンの演奏(第1番・第2番)は、評判が高く一聴の価値があります。

2013年7月15日月曜日

人間の証明 (1977)

森村誠一の代表作であり、人間・青春・野生という証明三部作として、「犬神家の一族」でスタートした角川映画の認知度を決定づけた作品と言えます。

日本の推理小説は、耽美的な世界を中心に描く江戸川乱歩や横溝正史によって人気を作ってきました。それらは、ある意味あり得ない世界のファンタジーとでもいうような色彩が漂うものです。

それに対して松本清張らの社会派推理小説が台頭してきて、社会の問題に根付いたリアルな犯罪をテーマにして、より人間性を浮き彫りにすることにテーマを置いたものが人気になってきました。

森村誠一は、そういった社会派の第2世代の推理作家であり、この「人間の証明」の映画のヒットにより、日本中に知れ渡りました。角川春樹のマルチメディア戦略は、今でこそ当たり前ですが、当時としては画期的な商法でした。

アウトロー的なロック歌手だったジョー山中、「太陽にほえろ」で人気が爆発した松田優作、「大空港」シリーズで知られたジョージ・ケネディらの出演も相当に話題になり、大ヒットしたものです。

実は、自分はこの映画自体ははそれほど好きではない。正直、お涙頂戴的なメロドラマ的犯罪ドラマであり、推理小説と呼ぶにはいかがなものかと、リアルタイムでも思っていました。

ただ、物語のモチーフとして用いられた西条八十の「ぼくの帽子」という詩については、とても記憶に残るインパクトがあったのです。

もう今から100年ほど前の作品ですが、この詩の存在を教えてくれたことだけで、「人間の証明」は忘れられない作品となり、森村誠一には感謝する部分があったりするのです。

  母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
  ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
   谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。


あれはいつだったか、たぶん小学生の低学年。家族で箱根に旅行に行きました。夏のことで、母は日差しを避けるために、白い大きめのつば、たぶん麻みたいな通気の良い帽子をかぶっていました。

芦ノ湖の遊覧船乗り場だったと思いますが、柵の上にちょこんと帽子を置いていたときに、たまたま自分が帽子に触ってしまい、帽子が湖の中に落ちていったのです。

白い帽子が、水紋に揺れてだんだん沈んでいく様子が見えました。少しずつ白い色が見えなくなっていくのに、どうすることも出来なかったんです。

母さん、母さんのあの帽子どうしたでせうね?

☆☆☆★★

2013年7月14日日曜日

昭和40年男

自分のような昭和どっぷり浸かってます男にとっては、ちょいと気になる雑誌を見つけました。

タイトルはそのものズバリ、「昭和40年男」というもので、隔月刊行で第2巻第4号となっていますから、去年から出ているもののようですが、今まで一度も目に触れたことがありません。

実際は、2009年から季刊で出ていたようですが、この手のサブカルチャーはややアンダーグラウンド的な存在ですから、普通にコンビニに置かれているというのはあまり似合わないかもと思ったりして。

特集は「俺たちをドキドキさせた女神たち」となっていて、キャンディーズ、友里アンヌ(ウルトラセブン)、キューティハニー、750ライダー・委員長などが出てくる。

あー、確かにそうだよね、と思わせる選び方。もちろんそれだけではなく、他にも「女神」はいましたが、それらを含めて確かに昭和40年代に何かしらのインパクトを与えてくれたキャラクターです。

昭和40年代は、ちょうど自分は小学生~中学生という時期で、ある意味男の子が成長していく課程で、最もスピードが速く、何でもたくさんのことを吸収する年頃。

いまだにこの頃のことを引きずって生きている大人たち・・・まぁ、自分も含めて、少なくありません。ただし、過去は過去ですから、懐かしいけど、あまり現在に役に立つような話ではありません。

一通り話題を総括すると、いずれネタが無くなることは明かで、やはりそういつまでも続くとも思えません。そのうち「昭和50年男」とかにタイトルを変えるんでしょうか。

まぁ、いいや。確かにちょっと懐かしくて、パラパラめくって時間を潰すにはもってこいであることは間違いない。クリニックに置いておくには悪くはないでしょう。

2013年7月13日土曜日

いやぁ~、久しぶりに綺麗な雲を見ました。

空に浮かんだ水蒸気と言ってしまえばそれまでですが、不思議なモンです。

薄かったり濃かったり。高かったり低かったり。

広がっていたかと思うと、ぎゅぎゅぎゅっと濃縮したいたり。

もくもくしているかと思うと、ふわふわしていて、風に吹かれてあっちこっちにウロウロ。

雨をふせらるけど、暑いときには日陰を作ってくれたり。

最近ではデータを溜め込むような仕事をしていて・・・

うん? それは違う? まぁ、いいっしょ。

ぼーっと見ていたいときが、時々あるものです。

2013年7月12日金曜日

蓮始開

今日から、小暑に入ってから、2番目の次候である蓮始開になります。

蓮始開と書いて「はすはじめてひらく」と読むのだそうで、まさに蓮の花が初めて咲く頃という意味。とは言っても、これも見たことがない。

なにしろ、蓮の花は夜中に開き始めて、昼前には閉じてしまうらしい。しかも、3日だけ続けて開花を繰り返した後に、花びらが散るのだそうです。

タイミングがかなり重要になってくるので、なかなか時間の自由がきいて、ちかくに蓮の畑でもないとなかなか目にするのは難しいかもしれません。

地下茎はレンコンとして、普通に食べるので珍しくはありませんが、葉っぱなどはやたらとでかくて、園芸向きではありません。宗教的な利用も多くて、たいていの仏像は蓮の花の台座に鎮座していたりする。

そういえば、暑中見舞いの時期。最近は、年賀状以上に形骸化した感がありますが、もともとは暑い時期の知人の体調を気遣う気持ちの表れ。

なんとなく、お盆前までに出すものみたいに思っていたのですが、8月の後半もまだまだ暑くて、残暑というのは早いとか考えてしまう。

暑中というのは二十四節気での小暑と次の大暑の期間のことだそうで、今年は7月7日の小暑の始まりから、8月6日の大暑の終わりまでの期間にあたり、この期間に出すお見舞いのが暑中見舞いになるんですね。

実は意識していないところで、日本人が暦によって生活のリズムを作っている一つの例ですね。わざわざ暑中見舞いを出す事はほとんどありませんが、そういう気持ちを忘れないようにしたいものです。

2013年7月11日木曜日

デジタル

連日暑くて暑くて・・・どうも、今年は気候の変化がデジタルっぽい感じです。

アナログというのは連続的になだらかな変化をするもので、それに対してデジタルは基本となる信号は All or Nothing です。

デジタルはbitという単位で表現されますが、1bitの信号で表せるのは0と1という違いだけ。2bitになると、0-0、0-1、1-0、1-1という4つのものを区別できるようになります。

パソコンで表示している色は、昔々は白黒。しかも、色の諧調は無く、いわゆる白黒二値というやつ。この場合は、1bitの信号で十分で、モニター上の点を光らせるか否かだけでOKでした。

この場合は、写真などの色の濃さをあらわすためには、細かい点の点滅の密集度で表すしかありません。昔の新聞の写真などが、このやり方で写真を写真らしく見せていました。

そのうちグレースケールと呼ばれる、白と黒の間を16bitで256段階に分けたなだらかに濃さが変化する表示が可能になり、 パソコンでの画像の表現は格段とよくなりました。

さらに、そこに色を赤・緑・青の三色に分解しうまく混ぜ合わせることで、様々な色を表示する事ができるようになり、パソコン上でほぼ天然色に使い表示が可能となったわけですが、ここまでの変化はあっという間でした。

80年代なかばにNECが一般用のパソコンを売り出し、画面には白黒で文字だけを表示。画像を利用しようなんてことは、思いもしませんでした。医者になってすぐに初めて購入したスキャナーは、白黒二値ディザ表示でした。それでも画面に画像を表示できただけで感動物。

90年代の初めには、もうカラー表示は当たり前で、スキャナーもフルカラーが可能だったと思います。いろいろなコンピュータ技術の進歩が、この10年間くらいの中で驚異的なスピードで進んだことの一端が現れているわけです。

つまり、ハードの進化とプログラムを記述するコンピュータ言語の進歩のバランスが最もよかった10年間だったのだろうと思います。昔の日本の高度経済成長と似ているような感じですね。

2013年7月10日水曜日

J.Du Pre Complete EMI Recordings

今時のチェロという楽器が主役として活躍する場は、バロックからロマン派までが中心なんでしょうか。基本的に、低音域を受け持ち音楽の安定感を増やす仕事をしているので、脇役的な必要性はどの時代でも重視されています。

ですから、ピアノやヴァイオリンに比べると、チェロがメインの有名な曲というのは限られてしまうので、 最低限のおさえておきたい収集は比較的簡単にできてしまうかもしれません。

まず、曲の形式で考えると独奏、ソナタ、協奏曲の3種類。室内楽で一般的な、弦楽四重奏、ピアノ三重奏などではチェロが中心というものはほとんど無い。あとは、チェロだけの特徴として、人の声の音域と似ていることから、声楽曲をチェロで演奏するというのはよくあって、これもなかなか捨てがたい。

そこで、大胆に名曲をセレクトしてみます。独奏はJ.S.バッハの無伴奏チェロ組曲に尽きる。これは、チェロ奏者にとって、極めるべき最高峰と言える。ソナタは、J.S.バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、ショパン、フランク(ヴァイオリンからの編曲版)、協奏曲は、ドヴォルザーク、シューマン、エルガー、サンサーンス、ショスタコーヴィッチ、ラロなどということでいかがでしょぅか。

録音が残っている以降で著名なチェロ奏者というと、カザルス、フルニエ、ビルスマ、ロストロポーヴィチ、デュブレ、ヨーヨー・マ、マイスキーあたりが選出できるんでしょぅか。ここまでは、たいてい発売された音源が集大成された10数枚組のボックスセットが、5000~10000円くらいで売られているので、比較的簡単に揃ってしまいます。

あえて、その中から一つだけということになるとかなり選ぶのは難しい。有名曲をほぼ網羅していて、録音の良いものを基準に考えると、ジャクリーヌ・デュプレのボックスを推薦したい。

デュプレは、バレンボイムと結婚して、多発性硬化症のために若くして亡くなりました。女性としての繊細な情感と男性ばりの力強さを併せ持った、驚異的な演奏を主役としても脇役としても残しています。

ただ残念ながらバッハの無伴奏だけがないことが悔やまれる。最初に録音したカザルスというのが一般的に名演とされていますが、より攻撃的な音楽としての独自性が出ているマイスキーもお勧めかもしれませんね。

2013年7月9日火曜日

Alina Ibragimova / Schubert Violin Works

現役で女性ヴァイオリニストの頂点に立つのは、アンナ・ゾフィー・ムターかチョン・キョンファか。そして、二人を追いかけて人気と実力を誇っているのが、ヒラリー・ハーン、ユリア・フィッシャー、ジャニーヌ・ヤンセンの二人。ピリオド楽器を得意とするのはヴィクトリア・ムローヴァとレイチェル・ポッジャーの二人。

もう、ここまでの7人くらいをおさえておけばまず間違いはないという、まさに女流バイオリンの「神セブン」という感じてしょうか。それぞれに味わいが違って、有名曲などはぞぞれの録音があるので聴き比べたり出来ますから、けっこう楽しいものです。

まぁ、男性に比べて女性奏者は花があって、視覚的にも楽しみを増やしてくれます。当然というか、さらに華やかなのが、神セブンを追いかける若手ということになります。若手三羽烏というところが、リサ・バティアシヴィリ、ニコラ・ベネデッティ、そしてアリーナ・イブラギモヴァの三人。

バティアシヴィリはただいまドイツ・グラモフォンで売り出し中。ベネデッティはモデルさんかというほど圧倒的に美人。そして、神セブンを完全に脅かすほどの実力はイブラギモヴァという感じ。

そのイブラギモヴァの最新作、シューベルトのヴァイオリン作品全集が登場しました。それまでに、シマノフスキー、ラヴェル、ベートーヴェンと一緒に演奏してきた若手男性ピアニスト、ティベルギアンとの共演です。

とにかく、これがすごい。ヴァイオリンを弾いたことがない自分ですが、この弓使いは驚異的です。まったくブレのない、最弱音から一気に弾き切るところまで完璧な音でしょう。弱音では、その繊細な音の中にも情感がしっかりと織り込まれており、神セブンでさえも感じた事がありません。

Fantasy D934 を聴くと、もう鳥肌がたつようです。この曲は、自分のシューベルトのヴァイオリン曲を聴くときの評価を決める最初の一曲にしているのですが、初めてクレメールを越える演奏を聴いたと感じました。

2013年7月8日月曜日

二八の法則

熱い。今年の夏は、何か恐ろしく灼熱地獄のような予感が漂うのに十分すぎる感じです。まぁ、夏到来でいきなりそんなことを考えても、さらに暑苦しくなるだけなんで、あまり口にしないでおきたいと気持ちの上では思っていますけど。

世の中には二八の法則というのがあって、商売では2月は寒すぎ、8月は暑すぎて客足が途絶えるという。クリニックは純粋に「客商売」ではありませんが、第三種産業であることは否定できず、この二八はある程度は適用されるところです。

真夏は、午前中に患者さんが集中し、午後は夕方5時以降に混みだすもの。わざわざ、一番暑いさかりに外を出歩くなんてのは、熱中症の危険も増しますので、医者としてもお勧めしかねる。

一方、入院・手術をしている病院では、夏休みの時期に治療をしたいという生徒・学生が急増し、医者の夏休みもあって、整形外科はけっこうスケジュールがタイトになることが多いものです。

話は変わって、パレートの法則って知ってます? 経済学で、一部の要素が全体を左右するということらしいのですが、そこから派生した話として二八の法則と呼ばれることもあるんだそうです。

つまり、ある店の売り上げの大部分は2割の上客によるもので、残りの8割は1回限りだったり、たまに安いものだけ買っていく客だったりするらしい。となると、2割の上客を満足させるような経営方針を立てていく事が成功への道ということになるそうです。

確かになんとなくわかるような気がします。ただし、突き詰めていくと、8割の客はどうでもいいというような扱いになってしまうとまずい。8割の客も満足させて、リピーターになってもらい、上客にランクアップしてくれる展開というのも必要でしょう。

祇園のお店は、昔から「一見さんお断り」というのは有名な話。これは、最初から8割の一般客を切って、2割の上客のみに最大のサービスをするという 極端な例かもしれません。

当然、8割を受け入れたほうが売り上げは上がるわけでしょうが、サービスに誇りを持って徹底させるための一つの形と言えそうです。

うちのクリニックの場合、診療報酬点数が高い関節リウマチの患者さんを増やす事が、経営上はプラスになるというのは本音です。

ただし、大多数の一般の整形外科の患者さんが、例えばケガで数回来て終わるような方が、また何かあったらあそこのクリニックへ行こうと思ってもらえる事は大変重要なこと。

まぁ、いろいろ考えても、医療は元々経営学だけで答えが出るようなものではありませんから、毎日来院する患者さんを淡々と診療することが基本であることに変わりありません。





2013年7月7日日曜日

温風至


今日から二十四節季では小暑(しょうしょ)。そして、その最初の初候は、七十二候では温風至(あつかぜいたる)となります。

こうやって、暦を気にしてみると、いろいろと異常気候と言われていますが、実に現実の季節の感覚と暦が一致していること驚かされます。

温風至というくらいですから、梅雨の合間に熱い風が吹き始めて本格的な夏の到来を思わせると言うことになります。実際に、昨日から気温がかなり上がりました。今日は横浜は30度超え、東京は34度で、かなり温風というより熱風が吹いている感じです。

こうなると、急に脱水症状を呈する方が増えてくる。食欲が落ちたり、めまいや頭痛、発熱などで体調を崩してしまいます。ひどいと熱中症で命に関わる場合も出てきます。困ったことに、室内にいて直接外で日に当たっていなくても起こすことがありますから、特に高齢者の方は要注意です。

・・・っていうか、昨日関東は「梅雨明けしたと思われる」という発表があった。気がつかなかったわ。
梅雨入りも思われるで、明けるのも思われる。気象庁は暦に合わせて発表しているのかと思っちゃいます。

2013年7月6日土曜日

朝のこわばり ~ リウマチ診断学

関節リウマチを心配して、クリニックに来院する患者さんの多くが心配する症状の一つが「朝のこわばり」というもの。

関節リウマチでは、手指から発症することが多く、手指の小さな関節に炎症を起こすことで、関節の痛み・腫れ・発赤・熱感というものが一般的に現れてくるのです。

関節が腫れてしまうと、しっかりと動かすことがしずらいために「こわばる」という症状につながるわけですが、「朝の」というところに問題がある。

もともと1987年に作られた診断のための分類基準の中にチェックすべき項目として「朝のこわばり」というものが入ってきたのが始まり。ただし、60分以上つづくことという但し書きがありました。

実際は、もしもリウマチであれば1時間どころか半日、場合によっては1日中続くわけで、朝だけというものは逆にリウマチ以外のものを考えたくなることが多いのです。

手指の痛みの原因は、若い方では圧倒的に使いすぎ的な腱鞘炎のような原因ノモのが多い。そして中高年以上では、加齢性の変化による痛みが多いわけで、それらに比べると関節リウマチはそれほど多い病気とはいえません。

正確に数えてはいませんが、クリニックにリウマチを心配して来院される方の中で、本当にリウマチであると診断がつくのは20人に一人程度。女子医大リウマチセンターのような専門施設で外来をしていても、10人に一人程度です。

数年前に改訂された分類基準からは、「朝のこわばり」という言葉ははずされました。しかし、すでに言葉が一人歩きして一般に浸透してしまったので、なかなか心配する方が減らない状況があります。

朝のこわばりだけで、関節の痛みや腫れがまったく無い場合には、ほぼ関節リウマチを心配する必要はないのですが、ただごく早期であれば完全に否定することもできないところに医者としてのジレンマがあります。

発症して数ヶ月以上たっていて、典型的な関節の腫れや、場合によっては変形が出現していれば診断は楽ですが、「数日前から痛い」というような場合には、診断は大変困難です。

検査項目はいろいろありますが、これがあれば絶対というものは一つもなく、状況証拠の積み重ねから推定していくしかありません。リウマチ因子と呼ばれるような検査項目でさえ、診断的には絶対ではないのです。

自分の場合もエコー検査も導入して、より超早期の診断をなんとか正確にしていきたいと思っていますが、現実には治療法の極端なくらいの短期間の進歩に比べて、診断学はまだまだ不十分と言わざるをえません。

あと10年、いや20年以内には遺伝子診断学のようなものが実用化してくるのではないかと思うのですが、それまでは刑事ドラマのように、こつこつと歩き回って証拠を集めて犯人を追い詰めていく老刑事のような作業が必要のようです。

2013年7月5日金曜日

R.Levin & J.E.Gardiner / Beethoven Complete Piano Concertos

クラシック音楽を、誇りのかぶった過去の遺物として愛好するのは面白くない。じゃぁ、どうするか。時には、演奏者の大胆な解釈による、いろいろな装飾があってもいい。早すぎたり、遅すぎたり、強烈にプッシュするかと思うと、静寂の中に音符を並べるような個性を楽しみたい。

本来、ピリオド楽器による古楽と呼ばれる演奏法は、原典至上主義的なもので、より作曲者が直接頭の中で考えていた音を再現することが至上命題となっています。ですから、ピリオド奏法の行き着く先は、誰が演奏しても単一の音楽。

そこには、演奏者の個性など入り込む隙間がないことになってしまいます。そんな音楽は博物館にでも飾っておけばいい。学生がレポートを書くときにでも役に立てばいいわけで、歴史の一部でしかありません。

実際はどうかというと、ピリオド奏法と一口に言っても、あくまでも当時の古い楽器を使用するということが共通点で、演奏者によってずいぶんと違って聞こえるのは、モダン楽器演奏と一緒。

少しでも、演奏者の感性も加わった生きた音楽を楽しみたいと常々思っているので、大編成のオーケストラよりも室内楽、室内楽よりも独奏曲の方が聴いていて楽しいわけです。

それは、モダンでもピリオドでも一緒ですが、古楽のオーケストラは比較的編成が小さめだったりして、楽器ごとのテクスチャーが明瞭になりやすい分、けっこう聴いていて楽しいということに最近気がつきました。

例えば、ホグウッドのモーツァルト交響曲。ベームに比べて、軽量で、やや学問的なこだわりが強すぎ。ですけど、より18世紀後半の見たこともないはずの光景が目の前に浮かんでくるような感じがします。

ガーディナーのベートーヴェン交響曲は、カラヤンよりも貧弱かもしれません。しかし、カラヤンのベートーヴェンはカラヤンの音楽です。それがベートーヴェン演奏の唯一の正解ではない。

そこで今度は、ガーディナーがフォルテピアノのロバート・レビンと組んだベートーヴェンのピアノ協奏曲全集を聴いてみました。

フォルテピアノはモダン楽器の現在のピアノに比べて、響きが短めで音量が小さい。その分軽やかな響きが美しく、テンポ良く演奏されることが多い。

当然カラヤンとベルリンフィルみたいな超弩級重量戦車大隊みたいな中に入ってしまったら、存在すら気がつかれないほどです。ガーディナーは、そんなことは当然百も承知。オーケストラを鳴らすべきところと、フォルテピアノの伴奏をするところとを明快に振り分けています。

誰もが聴いたことがある第5番「皇帝」の出だしの勇壮なピアノ・・・あれっと思うくらいあっさりと響く。このあたりは、フォルテピアノの限界かもしれません。これはこれでいいのですが、モダン演奏の方がより曲のイメージをしっかり伝えているのかもしれません。

レビン=ガーティナーの全集では、一番面白いのは、第4番のピアノ五重奏版がはいっているところ。これは、もう完璧に楽しい。弦楽四重奏だけが伴奏でフォルテピアノに絡んでくるので、全体のバランスがちょうどいい。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集としては、強さと弱さの両方を確認できるという点で、画期的なものと言えるのかもしれません。世に数ある全集の中で、名盤として扱えるセットの一つであることは疑いのないところでしょう。



2013年7月4日木曜日

笹の葉さらさら

今度の日曜日はたなぼた・・・ではなく七夕。このギャグも使い古された感は否めません。

だいたいこの時期は、このネタを使わざるをえません。3年連続で、同じような写真ですみません。

今年も、クリニックにも笹を用意して、患者さんにも用意した短冊に願い事を書いていただいています。こればかりは、一人でいくつも書いてぶらさげるもんではない。

こどもの無邪気な願いごとには、思わず口元が緩むようなものがあって、中には「カーヴィー(懐かしいファミコンのキャラ)になれますように」なんて面白い。

笹は、実はうちの隣から頂く本物。ただ、笹は切ってからかぴかぴになってしまうまでが早い。一日もたつとずいぶんと乾燥してしまい、みるみる枯れていくんです。

そこで、今回は切り取ってからすぐに水を入れたペットボトルに突っ込んでみました。今のところ、「かぴ」くらいですんでいるのは、まぁまぁ成功というところでしょぅか。なんとか週末までもってくれればというところです。



2013年7月3日水曜日

あすなろ海水魚館 ~ 事件発生

5月に3年元気だったシライトイソギンチャクが☆になり、急遽あたらしいイソギンチャク・・・これはサンゴイソギンチャクですが、こいつを入れました。

カクレクマノミは喜んで入っていたのですが、水の吸引口にはさまってしまいずたずた。6月のはじめに、あらたなサンゴイソギンチャクを用意したのですが、今度はカクレクマノミはまったく興味をしめさない。

クマノミとイソギンチャクは個体ごとに相性があって、必ずはいるとは限らないのです。困ったなぁとは思っても、こればかりはどうしようもない。

ところが、先週くらいからイソギンチャクが急にあちこちに移動し始めた。また吸引口に吸い込まれては困るので、動くたびにやきもきしていたのですが、そのうちぎゅぎゅぎゅっと縮こまってしまいました。

もともとイソギンチャクは縮まったり膨らんだりを繰り返すので、様子を見ていたところなんと今回はただの縮こまりではありませんでした。

昨日、朝クリニックについてびっくり。カクレクマノミが上の方でアップアップしているではないですか。これはイソギンチャクが死んだな、とすぐピンと来て、イソギンチャクのへばりつしている岩を持ち上げてみたら、なんとイソギンチャクはてろてろ・どろどろ。

これは、一気に水質の汚染が進んだわけで、下手をすると水槽崩壊の事態に陥るかもしれないということです。すぐに、崩れたイソギンチャクをホースで吸い出しながら、半分近い水を換水。

この事件で、サンゴユビワヤドカリも犠牲者になりました。いやはや、どうも一度何かが起こると、連鎖反応的にいろいろなことが起こる。安定して綺麗なアクアリウムを維持するというのは、ものすごいエネルギーが必要。

片手間に水槽を管理するというのは、本当の愛好家の方からすれば邪道で怒られてしまうかもしません。それでも、じたばたしてみたいもので、いつか120cm水槽で、たくさんの色とりどりの魚やサンゴを入れてみたい・・・なんて無謀ですかね。

こういうトラブルの時こそ、あわてふためいているので、写真しかとっている場合ではなく、こういう文字だけの報告になってしまいます。

2013年7月2日火曜日

Kyung-Wha Chung / Tokyo Live 1998


チョン・キョンファ、鄭京和、Kyung-Wha Chung。1948年生まれの韓国のバイオリニスト。幼い頃からその技巧的なうまさもさることながら、すぐれた感性が評判となり、70年代からはトップアーティストとして認知されるようになりました。

とにかく、感情的に高まる演奏は各国で絶賛され、ムターとバイオリンの女王の座を争っていましたが、2005年に趾のケガを理由に、引退かと噂された長期療養に入ります。2010年に活動を再会し、ちょうど今月も久しぶりの来日公演を行っていました。

1998年の東京での演奏会は、珍しくピアニスト一人だけの伴奏によるリサイタルで、あまりの素晴らしい演奏のために伝説と化していたのです。評論家たちはこぞって大絶賛するものの、それを実際に聴けなかった者にとって、まさに幻のリサイタルでした。

ところが、今年の来日を記念して、15年ぶりにそのときの音源が発掘され発売されました。第1夜のAプログラムと第2夜のBプログラムのすべてが、それぞれ2枚のCDにアンコールを含めてすべて収録されています。

Aプログラムでは、シューベルト、シューマン。Bプログラムでは、ストラビンスキーとバルトーク、その間にバッハの無伴奏という組み合わせ。弱音の美しさというような表現が、褒め言葉としてよく用いられますが、キョンファのバイオリンから出てくるのは、弱音にもかかわらずチロチロと燃えている情念の炎とでもいう感じでしょうか。

シューベルトのファンタジアや、アンコールのG線上のアリアなどで聴くことができる、張り詰めた緊張感は例えようがありません。 一瞬たりとも隙をみせることはなく、聴いている側にもかなりの集中力を要求する演奏だと思います。それは、Bプログラムのバッハの無伴奏パルティータ第2番で最高潮に達します。

ムターのファンの方には申し訳ないのですが、この演奏を聴いてしまうと、ムターの演奏は厚化粧で品がない感じ・・・というと言い過ぎでしょうか。楽しく聴くにはほどよいのですが、圧倒的な表現力は疑いもなくキョンファに軍配が上がると感じられました。

2013年7月1日月曜日

半夏生

今日から7月。本格的に夏という感じが強まります。二十四節季では夏至、その末候となり、七十二候でも今日から半夏生となります。

ただし、ネットを見ていると7月1日からというものと7月2日からというものがあって、どちらが正しいのか自分にはよくわかりません。暦は年によって変動があるので、微妙なところです。

半夏生は「はんげしょう」と読み、半夏という薬草が生えてくる頃という意味だそうです。半夏は烏柄杓という呼び名もあるそうですが、当然見たことがありません。

まぁ、確かに半夏~湯という漢方薬は数種類ありますね。だいたい胃の働きを調整する効果があるようです。食べ物が傷んで、おなかの具合を悪くすることが増えるからでしょうか。

半夏生の間に降る雨は毒があると言い伝えられ、この間は農作業はせずに収穫はしないことになっているのだそうです。

単純に半分くらい夏という風に考えれば、それはそれで妥当かなと思ったりします。7月に入ったばかりで、まだまだ休みまではありますからね。