熱い。今年の夏は、何か恐ろしく灼熱地獄のような予感が漂うのに十分すぎる感じです。まぁ、夏到来でいきなりそんなことを考えても、さらに暑苦しくなるだけなんで、あまり口にしないでおきたいと気持ちの上では思っていますけど。
世の中には二八の法則というのがあって、商売では2月は寒すぎ、8月は暑すぎて客足が途絶えるという。クリニックは純粋に「客商売」ではありませんが、第三種産業であることは否定できず、この二八はある程度は適用されるところです。
真夏は、午前中に患者さんが集中し、午後は夕方5時以降に混みだすもの。わざわざ、一番暑いさかりに外を出歩くなんてのは、熱中症の危険も増しますので、医者としてもお勧めしかねる。
一方、入院・手術をしている病院では、夏休みの時期に治療をしたいという生徒・学生が急増し、医者の夏休みもあって、整形外科はけっこうスケジュールがタイトになることが多いものです。
話は変わって、パレートの法則って知ってます? 経済学で、一部の要素が全体を左右するということらしいのですが、そこから派生した話として二八の法則と呼ばれることもあるんだそうです。
つまり、ある店の売り上げの大部分は2割の上客によるもので、残りの8割は1回限りだったり、たまに安いものだけ買っていく客だったりするらしい。となると、2割の上客を満足させるような経営方針を立てていく事が成功への道ということになるそうです。
確かになんとなくわかるような気がします。ただし、突き詰めていくと、8割の客はどうでもいいというような扱いになってしまうとまずい。8割の客も満足させて、リピーターになってもらい、上客にランクアップしてくれる展開というのも必要でしょう。
祇園のお店は、昔から「一見さんお断り」というのは有名な話。これは、最初から8割の一般客を切って、2割の上客のみに最大のサービスをするという
極端な例かもしれません。
当然、8割を受け入れたほうが売り上げは上がるわけでしょうが、サービスに誇りを持って徹底させるための一つの形と言えそうです。
うちのクリニックの場合、診療報酬点数が高い関節リウマチの患者さんを増やす事が、経営上はプラスになるというのは本音です。
ただし、大多数の一般の整形外科の患者さんが、例えばケガで数回来て終わるような方が、また何かあったらあそこのクリニックへ行こうと思ってもらえる事は大変重要なこと。
まぁ、いろいろ考えても、医療は元々経営学だけで答えが出るようなものではありませんから、毎日来院する患者さんを淡々と診療することが基本であることに変わりありません。