クリニックの夏季臨時休診のお知らせ
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8月12日(金)~8月17日(水) 臨時休診します。
8月18日(木)より、通常通りの診療をいたします。18日は木曜日なので、午前のみの受付になりますのでご注意ください。

2022年4月30日土曜日

タケノコのイタリア風


4月後半くらいから、日本で旬な食べ物というと、真っ先に思い浮かべるのがタケノコじゃないでしょうか。炊き込みご飯とか、煮物とか、青椒肉絲とかでタケノコを食べ飽きたら、イタリア料理の一つでも作ってみるのが精神衛生上お勧めかと。

ところが、ネットを探してみると、イタリアではタケノコは超マイナーらしい。まともなレシピはほぼ出てこない。YouTubeでイタリア人が何か作っていると思ったら、中華風炒め物だったりして、それなら日本人の方がよっぽど美味しそうに作れそう。

ただし、数少ないイタリア人のタケノコ紹介では、ほぼ共通しているのは「味がニュートラルでどんなものにも合わせやすい」ということ。確かにそれは間違いとは言えないので、だったら普通にイタリアンな炒め物にしてしまおうということに・・・


ジェルモイ・ディ・バンブー・アッラ・イタリアーナ(Germogli di bambù all'italiana)ということで、(呼び名だけは)イタリア料理っぽくなったところで、レシピの紹介です。

結局、ペペロンチーノの作り方と一緒にしてみました。オリーブオイルにニンニクみじん切りを入れてスイッチON!! ニンニクから泡がでると香りがオイルに移ってきます。そしたら鷹の爪を入れて、焦げてしまう前に、筍、マッシュルームを好きなだけ入れて炒めます。

軽く塩を振って味を整えたら、小口切りにした生トマトを投入して火が通る程度に一緒に炒めたらイタリアンパセリを乗せて出来上がりです。

まぁ、普通に食べれますが、取り立てて美味というほどではないかも・・・いや、まぁ、とにかく普通です。合わないわけではないけど、合うというほどでもない。タケノコが余っていて、味変して食べたいと思っている方は一度はやってみてください。

2022年4月29日金曜日

イタリア・ワインの話 2 一般知識


ワインの知識はほとんど無く、安いから買って飲んでいるだけ。フランスならボルドーかブルゴーニュ、シャンパンと呼べるのはシャンパーニュ地方で作られたスパークリングだけ。原料となるブドウの品種としては、赤ならピノ・ノワール、カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー。白だったらシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング。

おそらく、その程度が精一杯で、正月の芸能人格付けを見て、安い方のワインですら高いと思って買ったことも無いのです。ましてや、1本が何万円もするワインの良し悪しなどわかるはずもないわけで、それより1000~3000円くらいを10本飲めた方が嬉しいと思ってしまいます。

ですから、ワインのことを勉強してみようと思っても、どこから始めたものか途方に暮れるだけ・・・なんですが、特に格式高く値段もバカにできないフランス・ワインに比べると、イタリアはカジュアル感があって、必ずしも高い格付けされたワインがやたらと高価というわけではないので、そこんとこはちょっと嬉しい。

もっとも、自分を含めて大多数の一般人は、千円前後のワインで十分に楽しんでいるわけだし、高級ワインばかりを飲んで蘊蓄を語るような方々は別世界人と割り切るしかありません。ただし、安いワインでも安いなりに多少の勉強をしておくだけで、より美味しい物を見つけられるというもの。最低限、このくらいは知っていた方がよさそうなワイン全般に関する知識を仕入れていくことにしたいと思います。

まず、果実はどんなものでも発酵させてワインにできるというのが原則。果実に含まれる糖分がアルコールに変化するのは、熟成中の魔法のような出来事です。ただし、糖分が過不足なく含まれ、雑菌を増やさずに作れるのがブドウと言うこと。

ワインに使われるブドウの品種は世界中で1000種以上あるようですが、これは主として病害を防ぐために研究され人工的な交配により生み出されたもので、植物学的には数種類に含まれてしまうようです。その中でも、大多数がヴィティス属のヨーロッパ種(Vitis vinifera)に含まれ、生食用に比べて皮が厚く小さめです。

フランスだっら、ボルドーは主として赤はメルロー、白はソーヴィニヨン・ブラン。ブルゴーニュでは主として赤はピノ・ノワール、白はシャルドネという具合で、比較的わかりやすい。イタリアはブドウ栽培に適した気候のため、ほぼ全土でたくさんの品種が栽培されていて、しばしばブレンドも行われるので、それらをすべて把握して理解することは至難の業です。

主として果実の果肉だけから作られるのが白ワイン。果皮も加えて赤くしたのが赤ワインで、果皮に含まれるタンニンにより独特の飲み心地となります。そして、赤白のブドウを混合させて、透明なピンク色に作り上げたのがロゼ。アルコール発酵で発生する炭酸ガスを多く含ませるとスパークリングワインになります。

基本的に安いワインは、瓶詰めされて早いうちに飲む方が果実味が残って美味しく感じられます。高価なワイン、特に赤ワインは瓶内熟成を前提に作られていて、数年待ってから飲むことが推奨されています。とは言っても(一部の例外を除いて)何十年も昔のものが良いわけではなく、高級ワインでもだいたい赤は10~20年物くらい、白は10年前後が飲み頃とされるようです。当然、年によってブドウの出来映えは変わるので、高級ワインではヴィンテージ(何年物か)をチェックすることになります。

どんなに高級なワインでも、飲み方を間違えると台無し。まず温度ですが、温度が低いほどタンニンの渋みが強くなり、高いほど香りが強くなるので、赤ワインは濃厚なもの(ボディという言葉で表現されます)ほど冷やし過ぎないことが肝心。軽いライト・ボディで12゚c、ミディアム・ボディで15゚c、フルボディなら18゚cくらいが目安になります。

また温度が低いほど甘味・酸味は弱くなりますので。白ワインは赤より低めですが、辛口は10゚c前後、甘口は5゚c前後に冷やします。スパークリングは、基本は白ワインに準ずるわけですが、温度が高いと破裂の危険もあるのでしっかり冷やすのが基本とされています。

さらにワインを注ぐグラスにもこだわりのポイントがあります。一般的には、赤ワインは飲み口がつぼまった大きめのグラスで、少量を入れてグラス内に香りを貯める感じ。白ワインは赤よりも細めのグラスで、スパークリングはもっと細いグラスが好まれます。グラスの胴体を持つのはワインが温まるという理由で細い脚の部分を持つ人が多いのですが、かえって不安定で危ないので推奨されていません。

ワイン単独で飲むというのはあまり無いわけで、普通は食事と合わせるわけで、適切な組み合わせにすることをマリアージュ(mariage、結婚という意味)と呼びます。一般的には肉には赤、魚には白と言われますが、食べ物と似たようなチョイスで味覚を強調する、むしろ相反する風味で合わせる、あるいは口に残るものを洗い流すような選択をするなどが考えられますが、まぁ、一般庶民は好きなものを好きなだけ飲むで満足しちゃいます。

2022年4月28日木曜日

アスパラガスのクリーム和え


春は野菜が美味しくなる時期で、アスパラガスも4月から5月が旬な時期。湯がいてそのまま食べても美味しいのですが、スタンダートにはベーコンとかと一緒に炒めたりします。今回は、イタリアンなアレンジを考えてみました。

アスパラガスは切り口から水分が抜けて固くなってしまうので、普通は下の方を数cmくらい切って捨ててしまいます。これって、いつももったいないと思っていましたが、確かにそのまま食べようとしてもとても食べられたもんじゃない。

そこで、この部分は全部ブレンダーで粉々にしてしまえばいいんじゃないかと気がついた・・・早速、やってみました。少しだけ茹でた後にギュイ~~~ンとやったら、緑色のアスパラガス・ペーストになりました。

オリーブ・オイルを少しだけ入れてバンチェッタを炒めます・ある程度油が出たらスライスした玉ねぎ、マッシュルームを追加して炒めます。パンチェッタは塩味が強いので、後で塩を追加する必要はほぼありません。パンチェッタが無い場合はベーコンで構いませんが、塩は少し追加した方がいいかもしれません。

少量の塩を入れた湯で、残りのアスパラガスを食べやすい大きさに切って数分間茹でます。そしたら、茹でたアスパラガスとペーストをフライパンに投入して全体に絡めます。最後に生クリームを大さじ1程度、パルミジャーノを大さじ1程度入れてなじませたら出来上がり。

いつもの「アスパラ・ベーコン」が、ちょっとの一手間で、グレードアップして無駄なく全部美味しく食べることができました。

2022年4月27日水曜日

セリのフリッタータ


フリッタータ(frittata)は、簡単に言ってしまえばイタリアのオムレツです。

言葉自体は目玉焼きのように卵を「炒める、揚げる(フリット、fritto)」というところから来ていて、オムレツに具材を入れる場合は、中にまとめて卵で挟み込むイメージですが、フリッターターではといた卵に最初から具材を混ぜて焼く感じ。

基本的な作り方は、パルミジャーノを振り入れて溶いた卵の中に火を通したお好みの野菜をたっぷり入れて、塩コショウで味を調えたらしっかり焼くと出来上がり。

今回は、たっぷりのセリを上乗せしてみました。セリはきりたんぽ鍋でも大事な食材ですし、正月7日の七草がゆにも登場するので冬が旬という印象がありますが、実は香りが強くなり伸びてくる4月頃が旬の食材。

卵4個、パルミジャーノの粉末大さじ2杯くらい、塩コショウは適量をよく混ぜ合わせます。今回は火が通っていなくても食べられる小口切りのトマト、スライスした玉ねぎ、イタリアンパセリなどを入れました。

フライパンにオリーブオイルを入れて熱くしたら、これらを流しいれある程度固まってきたら上にセリをどさっと乗せます。セリは湯がいてしまうと香りが減ってしまうので、蓋をして弱火で蒸し焼きにしました。セリがしんなりしたら完成です。

セリの香りが立ち、少しシャキっとした食感が残るので、卵のフワっとした感じとコントラストが出てなかなか美味しい感じに仕上がりました。

2022年4月26日火曜日

コールスロー


コールスロー・・・ってイタリアン? という声が聞こえそうなんですが、確かにアメリカンな食べ物かなと思います。

実際、某有名チキン・フライのチェーン店があって、サイドメニューにあるコールスローがめちゃくちゃ旨い。正直、チキンは食べたいと思うことはないのですが、コールスローは食べたくなる。

そもそも古代ローマ時代からあったというコールスローって何? ということなんですが、最初はcold slowかと思っていたりして、冷たくてゆっくりってどういうこと? みたいな。

コールスローはアブラナ科という意味の「cole」とキャベツの千切りという意味の「slaw」が合わさったものだそうで、事前に調味料と合わせてなじませてあるところが特徴のサラダ料理。

キャベツはイタリアでもメジャーな野菜の一つですし、調味料についてもかなり自由度があるようなので、イタリア風にすることは簡単かなと思いました。基本となる作り方は、キャベツの千切りを塩もみして、マヨネーズと和えるというイメージなんですが、それじゃあまりと言えばあまりなんで、もう少しらしくしてみたいと思います。

使う野菜は、何といっても時期的に旬な春キャベツを使います。隙間があるので、ケチケチしないで半分くらいは切っちゃいましょう。多少多くても数日くらいは日持ちするので気にしない。

あまり細く切ってしまうとしなしなになって食感が減ってしまうので、けっこう大ざっぱな切り方でOK。チキン屋さんの味に近づけたいならみじん切りですが、この場合も大きめのみじん切りがお勧めですが、箸では食べにくくなります。

後は何を入れてもよさそうですが、今回は玉ねぎ(1/2個)、にんじん(1/4本)、ピーマン(1個)、キュウリ(1本)、そして少しだけセロリをいれました。これらは脇役なので、薄めのスライス(あるいは千切り)です。玉ねぎとにんじんとくれば、イタリア料理の基本香味野菜トリオとしてセロリが不可欠。

これを全部大きめのボールに入れて、軽めに塩を振ります。全体にまぶして、しばらく放置しておくと野菜から水が出てくるんですが、これを捨てた方が良いという人が多いのですが、せっかくの野菜の旨味なので、この水をドレッシングのベースにしてもいいんじゃないかと思います。

ワインビネガー(なければ米酢でも可) 50ml くらいに、砂糖 大さじ1/2、オリーブオイル 大さじ1くらい。マヨネーズもお好みで入れますが、たくさん入れるとマヨネーズの味ばかりが目立つので少なめがお勧め。味を見て塩を追加。お好みで胡椒。

これを野菜にざっと回しかけたら、上から重しを乗せて1時間くらい放置します。どっちにしてもここでも水がたくさん出てくるので、さすがに多少は捨てて調節した方が良い。

さらにイタリアンにしたければ、野菜としてはバジルやイタリアンパセリを加えたり、ドレッシングにニンニクを追加したりとアレンジはどうにでもなります。もちろんよく入っているハムとかコーンとかを追加してもOKです。

大きなボールに溢れそうだった野菜が、最終的にはラーメン丼に収まっちゃうくらいになりますので、めちゃめちゃ美味しくて二人で一気に食べれてしまいます。

2022年4月25日月曜日

菜の花と鰤


どこの国でも旬な物を食べるというのは食文化の基本。

・・・とは言っても、やや旬な時期が終わろうとしている二つの食材なんですが、一つは菜の花。春を告げる野菜で、ちょっと苦みがあるのが特徴。

もう一つはブリ(鰤)。ブリは「寒鰤」と言われているくらいで、真冬の時期に脂が乗って美味しい。ただし、それは天然物の話で、今は養殖物が安く出回っていて、むしろ夏に向けて美味しくなると言われています。

いずれも、和風な食材ですが、簡単に普通にイタリア風の味付けによく合います。

菜の花は、だいたい15cm程度に揃えてパックに詰められていたりします。さすがにちょっと長いので半分くらいに切って、水でよく洗っておきます。

ブリは普通に網焼きでもいいですし、フライパンで油をひかずにから焼きでもOK。量はそれほどいらないので、余りものでもかまいません。

作り方はまさにペペロンチーノと同じ。

フライパンにオリーブオイル、みじん切りのニンニクを入れ弱火で香りを出します。そこへ輪切りにした鷹の爪をお好みの量いれます。焦げてしまう前に、菜の花を入れ炒めます。

さらに火が通ったブリを手でほぐして入れ、塩で味を整えたら出来上がり。程よい苦味と辛味が癖になる美味しさです。このままパスタと合わせてもOKですね。

2022年4月24日日曜日

ジョーズのソテー


いや、ジョーズ(JAWS)っていうか、要するに鮫です。

スーパーにときどき見かけるんですが、「鮫」ってラベルを見ると、怖いもの見たさみたいなところで興味が湧くけど、食べてみる勇気が出ない。

ところが、イタリア料理の食材としては必ずしもレアではない。意外とサメを使ったレシピが紹介されていたりするんです。イタリアで食用にされているのはドッグフィッシュと呼ばれるサメみたいですが、日本のスーパーに並んでいるのはモウカサメ、正式にはネズミザメと呼ばれているもの。

臭みの少ない淡白な味で、癖が少ないため食用向きとされています。切り身はメカジキみたいですが、やや明るい感じの色で、柔らかい感じです。いろいろな味に変化するんですが、ここは初めてサメに挑戦するんで、まぁスタンダードと呼べるソテーにしてみました。

オリーブオイルにニンニクの香りを移して、塩胡椒で下味をつけたサメをじっくりフライパンで焼くだけ。サメだけの味はちょっと不安だったので、トマトベースの簡易カポナータをソースのように添えています。

さてさて、お味は・・・うん、確かに癖のない味で食べやすいかもしれない。出来上がりもメカジキに似ていますが、メカジキよりは歯応えは無く、油気も少ない感じ。

知らないで出されれば、特に美味しいというほどではない白身の魚という印象。食べれないわけではないのですが、サメというイメージでだいぶ損をしているのかもしれません。少なくとも、安価で低カロリー、高タンパクな食材としては優秀です。

2022年4月23日土曜日

包丁の話


包丁って・・・プロの料理家じゃないので、うちにあるのはおそらく一般の家庭に普通にあるようなもの。特にイタリア料理だからと、特別な物はありません。

包丁はプロはいろいろな専用のものを使い分けます。魚を三枚におろすのに出刃包丁、刺身を切るのに柳刃包丁といったものはよく知られていまが、そんなに一杯持っていても使いこなせません。

でかい方は、一般には先がやや鈍な感じの肉・魚・野菜のいずれにも対応できる三徳包丁が使いやすい。刃の長さはだいたい16~18cmです。もともとは長年、三徳を研ぎつつ使っていました。ただ、もう少し長さがあった方が使い勝手が良いと思うことが多々あります。

そもそも、切れ味は相当鈍ってきていましたので、トマトを薄くスライスしたくてもほぼ無理という感じでした。この数年は、別に安価な薄刃の料理ナイフを使っていましたが、さすがにこっちも切れ味が悪くなってきた。

そんなわけで、最近ついに新しい包丁を買うことになりましたが、素人としてはでかいのと小さいの、2本あれば十分。小さい物は、ペティナイフと呼ばれる刃が10~15cmのものが一般的。問題は大きい包丁をどうするかです。

基本的には三徳にしておけば間違いないのですが、やはりもう少し長さが欲しい。となると、牛刀(あるいはシェフ・ナイフ)と呼ばれる包丁が選択肢に入って来る。ツヴィリング・ ヘンケルス、吉田金属、三星刃物、藤二郎など有名メーカーはたくさんあります。

ネットを探しても、評価はひとそれぞれで何がいいのかピンとこないので、お店に行った方が間違いない。安い数千円のものはホームセンターでもいろいろ取り扱っていますが、間違いなく切れ味は劣るだろうし、かと言って数万円もする高級なものは身の程知らずになりそう。

そこで料理雑貨の専門店に行ってみました。予想通り有名各社の包丁が並んでいるのですが、店員さんの実際に使ってのお勧めと予算の関係で選んだのは、吉田金属のブランドGLOBALです。

ネットでの評価も高かったのですが、GLOBALのスタンダードは三徳包丁で刃渡りは16cmと18cmのものがあります。ただもう少し長さが欲しいとなると牛刀の20cmなんですが、牛刀は店にありませんでした。店にあったのはGLOBAL-ISTの19cm。

この1cmの違いにこだわってこちらを選択。通常のものよりISTはより日本向けに特化した仕様になっていて、店員さんも10年くらい使っていて研いだことが無いけど切れ味は落ちないとのこと。15cmのペティナイフと合わせて「万能2点セット(¥18,700)」を購入しました。

トマトを切ってみると、力を入れずにすっと刃先が入るので、トマトを潰す感じがありません。感動物の切れ味です。もっとも、新しければどれでもそんなもんかもしれませんが、食材を壊さずに薄くスライスできるというのは重要なところです。

こだわりの1cmの違いも実感できました。短いと、あと少しのところで刃を戻したり、引き直したりしなければならないのですが、たった1cmでもそういう機会がぐんと減りました。注意しないといけないのは、切れ味がよいので指先に注意することと、切っ先がとがっているところです。

2022年4月22日金曜日

ストラッチャテッラ


ストラッチャテッラ(Stracciatella)は、かき卵とバルメザンチーズのスープです。これもまた実にシンプルなレシピなのに超旨い。

かき卵というと、日本の卵とじ。これ出されたら、イタリアンとは思えないのが普通かもしれませんが、食べてみれば、あ~イタリアンだぁとなります。

日高シェフが紹介するレシピにならって作ると、まず最初に用意するのは鶏ガラベースのブロード(だし汁)なんですが、残念ながら冷蔵庫に鶏肉が無い。野菜のブロードにしようと思っても、セロリを切らしてしまいました。そこで、久しぶりのマギー・ブイヨンの登場。

マギー・ブイヨンは商品名ですが、基本的に香味野菜・牛肉などを煮詰めて濃縮した出汁で、無添加をうたっています。注意しないといけないのは、約50%が塩分なので、固形キューブ4g/個に対して2g程度の塩が含まれているところ。

キューブ1個をシンプルなスープにするのに水は400ml程度無いと、けっこう塩辛いと思います。今回はチーズも使うので、キューブ1個に水は500ml程度にして沸騰させました。

生卵2個にパルミジャーノ・チーズを大さじ2~3杯程度(お好みで調整)、そしてイタリアンパセリのみじん切りを合わせてしっかりと混ぜておきます。

これらを、沸騰しているスープの鍋にいっきにいれます。そのまま固まるのを待つのではなく、ある程度かき混ぜます。ストラッチャテッラには「引きちぎる」という意味があって、卵をこまかくちぎってしまう感じ。

しばらくすると卵が固まってフワフワと浮いてきますので、これで完成。皿に盛って食卓へどうぞ・・・なんですが、これだけだと調理時間はほんの5分程度で有難味がないかもしれません。

日高シェフのアレンジ・レシピは、これにモロヘイヤとフェデリーニ(1.2mm程度の細めのロングパスタ)を入れたりしています。米と合わすのもありだと思いますが、今回は手近に残っていたホウレン草を追加しています。

とにかく、かき卵がふわっふわで、簡単で美味しいので、是非試してみてください。

2022年4月21日木曜日

トマトのクリームスープ


トマト・ベースの・・・ようするにいわゆるポタージュなんですが、Crema di pomodoro ということで、シンプルですが超美味しいスープです。

実はハンド・ブレンダーという、手持ちで使うミキサーを使います。玉ねぎスライス(1/2個)をバター(10gくらい)で炒めます。火力は弱めで、ジュージューさせません。絶対に焦がさないで、ゆっくり、じっくりです。ブレンダーが無い場合は、かなり細かめのみじん切りにしてください。

玉ねぎに火が通ったら、小口切りにしたじゃがいも1/2個と生トマト3個を入れます。ここでトマトに一工夫します。先に切ったトマトに、塩小さじ1程度と砂糖小さじ1/2程度を振りかけて和えておきます。高級フルーツトマトを使うなら砂糖はいらないかもしれません。こうしておくと、トマトの旨味が凝縮して甘みも増すという仕掛け。

ここでもブレンダーが無い場合は、じゃがいもについては先に茹でて十分に潰してマッシュポテト状にしておきます。食感を良くするため、面倒でもトマトは湯むきして種の部分は取り除いておきましょう。そんなこんなで、水を500mlくらい入れてしばらく煮込みます。

ブレンダーがあれば、全体に火が通ったら鍋の中でギュイ~ンといっきにすり潰してしまいます。トマトに振った塩で味は十分だと思いますが、どうしても足りないならここで追加。最後に生クリームを100mlくらい追加し、一煮立ちしたら二人前のつもりで出来上がりです。

まさにポタージュ。しかも、トマトの酸味と甘味が加わって絶妙な美味しさです。バケットとかクラッカーなどを添えてみるとオシャレかなと思います。

2022年4月20日水曜日

ミネストローネ


これは、外見はいかにもミネストローネですが、シンプルさとカロリーを重視して作った「野菜スープ」です。

ミネストローネは日本で言えば味噌汁みたいなもので、地域によって、各家庭によって様々な作り方があるようです。なかなか一定の作り方を説明するのは難しいわけで、「これがうちのレシピ」と言えばそれがミネストローネになっちゃう。

少なくとも「具沢山」という意味のネーミングのスープですから、いろいろな具材がたくさん入っていることは間違いない。一般にトマトで赤くなっているスープをイメージしますが、これもいろいろ。しばしばベーコン(パンチェッタ)は入っている。ニンニクをオリーブオイルで炒めた後に、具材と水を入れて煮込むというのが基本のようです。

今回は、あえて油は使わず、肉的なものも無し。本来は、ある程度炒めるのかもしれませんが、小口切りにしたいろいろな野菜だけを煮るだけで、味付けも塩と控えめな胡椒だけです。

香味野菜の基本3種類は、玉ねぎ、セロリ、人参ではずせません。じゃがいも、ズッキーニ、パプリカ(彩りが良いので赤・橙・黄)、マッシュルーム、そして最後に皮むきして入れたのがトマト。トマトは煮崩したくなかったので、さっと煮る程度で、スープは赤くありません。

イタリアだと、ひよこ豆とかレンズ豆というのがしばしば登場するんですが、日本ではあまり馴染みが無いので、今回は冷凍枝豆を利用してみました。他にも、何を入れてもOKだと思います。

全部小さく切ってますから、調理時間は切って煮るで20分程度。野菜の旨味だけで、十分すぎるほど美味しいスープで、しかもカロリーはかなり控えめなので言うことなしです。

2022年4月19日火曜日

キャベツのスープ


スープは、イタリア語ではズッパ(zuppa)ですが、これはいろいろな具材と共にスライスしたパンが入っている料理らしい。野菜や肉・魚などから取られた出汁をブロード(brodo)と呼び、いわゆるブイヨンという最もシンプルなスープになります。クリームが入るスープはクレマ(crema)、香味野菜やトマトなどを細かく切った物が入るとミネストラ(minestra)、さらに具沢山だとミネストローネ(minestrone)と呼んだりするようです。このあたりの細かい違いは、なかなか理解しにくいところです。

日高シェフが紹介してくれているのは、春キャベツをメインにしたズッパでした。ベーコン、玉ねぎ、キャベツ、じゃがいもに水と塩という実にシンプルなレシピ。皿に焼いたバケットを下敷きにしていました。

さて、真似てみようと思ったものの、そもそも手元にパンが無かったので、ズッパとは呼べないのですが、このレシピを参考にしたミネストローネと呼ぶ方がよさそうなスープを作ってみました。

使った野菜は、キャベツ、玉ねぎ、じゃがいも、トマト、セロリ、ピーマン。そしてベーコンのかわりとして腸詰なしの自家製サルシッシャを入れています。

じゃがいもは、小さいビニール袋に少量の水と一緒に入れて電子レンジで数分間チン。時短で軽く火を通しました。サルシッシャは、豚ひき肉を塩・胡椒・セージ・ナツメグと共に粘りが出るまで練って、適当な大きさにしてフライパンで炒めてあります。

フライパンにオリーブオイルを入れ、厚めにスライスした玉ねぎと細かく切ったセロリを炒めます。次にじゃがいも、ざく切りのキャベツ、サルシッシャ、そして水を入れて煮込んでいきます。

10分くらいで、全体に火が通りますので、ここでトマト、ピーマンを追加し、塩で味を整えてあと数分間煮たら出来上がり。玉ねぎ、セロリなどが自然と野菜ブイヨンのベースになり、豚肉とトマトの旨味が加わって、追加の味付けはまったく不要。これもまた実にシンプルなレシピですが、大変美味しくいただくことができました。

2022年4月18日月曜日

きのこの話


イタリア料理でもキノコは大活躍する食材の一つで、イタリア語ではフンギ funghi です。ただ、日本と違い、旬の時期に旬の物を食べる文化があるので、年がら年中、簡単に手に入るわけではないらしい。また、地域による食文化もけっこう違いがあるようで、ネット情報だけではなかなか定番のキノコを決めるのは難しそうです。

もともと、ナポリタン・スパゲッティに入っていたというのもあって、マッシュルームはいかにもイタリアっぽく思ってしまいます。イタリアでは、時期になると一般人のキノコ狩りはかなり盛んらしく、食用の可否を判断してくれる役所もあったりするようです。

無い物ねだりをしても始まりませんから、日本で手に入りやすい代表的なものを選んでみました。

最初はマッシュルーム。あちらではフランス語のシャンピニオンと呼ばれ、イタリアでも、いつでもスーパーに売っているらしい。ハラタケの一種で、17世紀ごろから人工栽培されるようになり一般化したようです。日本のスーパーでは、たいていホワイト種とブラウン種が売っていますが、ブラウンの方が傷みにくく長持ちします。

エリンギはヒラタケの一種で、食感があわびに似ていることから白あわび茸という名前がついていることがあります。日本では90年代から人工栽培技術が確立し、急速に食卓に広まりました。香りが少ないのでどんな料理にも合わせやすいのが、利点であり欠点。元々は、地中海地域に自生していたものなので、イタリアでもよく使われているそうです。

イタリアの高級キノコとして有名なのがハラタケの仲間であるポルチーニ。丸っこいので「子豚」という意味が語源です。独特の香りが強く、イタリアでも人気が高い。ただし自生種しかないため、秋の時期にしか採取できません。パスタでもリゾットでも、そのままソテーなどどんな食べ方にも合います。

日本では、生のまま手に入れることはほぼ無理で、冷凍したものかスライスして乾燥させたものが売られています。価格はけっこう高い。安価な中国産もありますが、大きな声では言えませんが虫の混入がかなりあるようで注意が必要。ホールの冷凍ものは解凍すると、ぐずぐずになるので調理が難しい。乾燥ものが香りも凝縮して、扱いやすい感じです。

他にはジロール茸(アンズ茸、フィンフェルリ、あるいはガレッティ)というのもイタリアでは人気らしいのですが、日本では稀に乾燥物を売っている程度でなかなかお目にかかれません。

イタリア料理でも、日本で定番のキノコを使うのはほとんど違和感が無いので、しめじや舞茸などはどんどん合わせています。ただし、椎茸は香りがいかにも日本料理っぽいので、和風のパスタとかリゾットに向いている感じがします。

2022年4月17日日曜日

鰹と大葉のリゾット


今回はオリジナル・・・かもしれない。

かっこよくイタリア語にすると Risotto di bonito e perilla という感じ(かな?)。ボニートが鰹、ペリッラが大葉(紫蘇)ですね。実際のところは、和の食材を使ってみたということなんですが、まぁ、こんな感じの物はプロの料理家がきっと先にやっている。

和の雰囲気を出そうとすると、ちょっと方向がずれれば「雑炊」になってしまいます。そこで、和なんだけどイタリアンというところを意識して、お米はカルナローリ米です。スープにコンソメは使いませんが、鰹をいれました。

鰹節だと完璧に和の出汁になってしまうので、生の刺身用の鰹を薄くスライスして投入しました。生の鰹は味が凝縮していないので、ちょっと風味が弱いので、手元にあった魚醤(ナンプラー)をほんの少し加えています。イタリアンっぽくするのに、マッシュルームも合わせています。

オリーブオイルで玉ねぎみじん切りを炒めて、米を入れ米粒にオイルをまとわせます。そこへちょっと塩味にした鰹入りスープを、おたま(レードル)一杯分入れる。沸騰させ続け、水気が減ったらまた一杯追加を繰り返す。リゾットの作り方の基本を守ります。

ある程度、お米が好みの固さになったらイタリアン・パセリ・・・ではなく、今回は大葉のみじん切りを入れました。香りの豊かなハーブという意味では、まったく負けていません。

最後にチーズをいれたいところなんですが、チーズを使うといっきにイタリアンに傾いてしまうかと思いぐっと我慢。上から追い大葉を乗せて出来上がりです。

実食しての第一印象は、「上品」という感じ。チーズ入れてませんし、大葉ですから、くどくなくさっぱりした味わい。日本人的にはまったく問題ない。ただし、やっぱり鰹がちょっと弱い感じかもしれません。

ネットを探してみると、大葉を使うリゾットはけっこうあるようです。鰹の場合は、比較的塊で使っている感じ。やはり薄切りだと味が出きってしまうようです。米の粒を崩さないリゾットの作り方なので、なんとか雑炊感はまぬがれました。

2022年4月16日土曜日

ポルチーニ・リゾット


キノコを使うとなると、やはりイタリアで王道ともいえるのがポルチーニ。秋の自生でしか手に入らない、日本で言えば松茸のような位置づけでしょうか。パスタでもいいんですが、ここは米と合わせてリゾット(Risotto ai funghi porcini)がお勧めです。

とは言っても、ポルチーニだけだとそれなりの量を使うと、けっこう高額になってしまうで、ポルチーニを主役にするにしても、やはりいろいろな種類をミックスして使うのが妥当というところ(Risotto ai funghi vari)。

日本でも手に入りやすいマッシュルームやエリンギは、ポルチーニの特徴的な香りを邪魔しないので重宝します。他には舞茸、しめじなども合わせやすい。椎茸はいかにも和の香りが目立つので一緒には使いづらい。

ポルチーニは、生は入手は無理ですから、通常は輸入された乾燥品を用いますが、だいたい20gで600~800円。ポルチーニを20gだけなら、水で戻して一人分という感じ。あとは、お好みで好きなキノコを好きな量だけ追加して作ればいい。

一度失敗したのは、キノコの香りが出るだろうと思って、米を煮ていくスープにキノコをいれたこと。せっかくの香りが飛んでしまい、仕上がりは風味の無くなったしょぼいキノコが混ざっていだけになってしまいました。

そこで、キノコの豊かな香りを立たせて美味しくする作り方は、あらかじめキノコを炒めて火を通す・・・なんですが、究極の炒め方を紹介してくれるのがHATAKE AOYAMAのオーナーシェフ、神保佳永さん。たらこスパゲッティの作り方も参考にさせていただきましたが、実に強い信念を持っている料理人だと思います。

できるだけ熱くしたフライパンにキノコを入れますが、オイルは使わないし、塩も胡椒も振りません。かき混ぜたりもせずに強火で煎っていく感じにしていると、キノコの持っている水分が蒸発してきます。湯気が出てきたら焦げない程度に混ぜて、蒸気が出なくなったらOKです。しっかりと水分をとばすことで、キノコの持っている旨味や香りを凝縮させるということだそうです。キノコは火からおろして、ひとまず横に置いておきます。

リゾット自体は基本の作り方と同じ。ただし、キノコの風味を引き立たせるために、コンソメ、ブイヨンなどのスープは使いません。ただし、大事なのは乾燥ホルチーニを浸した茶色く染まった戻し水。捨ててはいけません。ポルチーニの味がしっかり染み出ているので、この水を使います。ゴミが混ざっていることがあるので注意しましょう。

薄く塩を足したポルチーニの戻し水を沸騰させて作ってみます。オリーブオイルでみじん切り玉ねぎを炒めたら米を入れてオイルをなじませる。少しずつ戻し水を足し、足りなくなったらただのお湯でかまいません。程よい硬さにお米が仕上がったところで、炒めておいたキノコを入れる。温まったら火を止め(足りなければ塩)、パルミジャーノをふりかけ全体に和えたら完成です。

今回は乾燥ホルチーニ10gくらいに、エリンギ、マッシュルームなどを足したものですが、ポルチーニの香りが強いので、十分すぎるくらい香りました。お手頃にキノコの香りを楽しむなら、椎茸メインで、舞茸、しめじみたいな組み合わせもありかと思います。

2022年4月15日金曜日

チーズ・リゾット


イタリア料理にはまったきっかけは、スペインの米を使うパエリアをちゃんと作りたいから始まり、地中海近辺の米料理といえばリゾット、リゾットと言えばイタリアという流れ。

すでに、リゾットの話題はこのブログでも登場しているのですが、いろいろイタリア料理を勉強した上で、もう一度話を整理しておきたいと思います。

リゾット(risotto)は、米栽培が行われているイタリアの北部の代表的な料理ですが、もともとは米をバターで炒めてサフラン、スープで煮る料理で、作り方としてはパエリアに近いかもしれません。

日高シェフに教わる基本の基本、チーズ・リゾットの作り方を改めて確認します。

まず、大事なポイントは米をできるだけ崩さないように火を入れていくということ。崩れるとお粥状になってしまいます。芯が残っているようないないようなアルデンテの食感を目標にするので、新米よりも水分含量が減っている古米が推奨されます。日本人感覚と異なり、古いほど「熟成」された高級品という扱い。

日本米よりも大粒のイタリアのカルナローリ米が煮崩れしにくいのですが、日本米でもかき回したりしないように注意すれば大丈夫です。イタリアではアルボリオ米というのも、リゾットに使われるようですが、日本ではほぼ入手困難です。

一人前の米の量は、一人前はおおよそ1/3~1/2合程度です。玉ねぎみじん切りをオリーブオイルで炒め、米を入れて米の一粒一粒を油でコーティングする気持ちで和えます。これも米を崩れにくくするための作業。

ここから沸騰したスープ(またはお湯)を全体が浸る程度に入れ、強火で煮ていきますが、できるだけ中身をかき混ぜない。水分が減ってきたら、またレードル(おたま)一杯くらいの量を追加します。熱々の湯を入れて、沸騰状態を維持するようにします。

これを繰り返し、ちょっと水分が残っていて食べごろの固さになったら火を止めて、バルミジャーノ(または粉チーズ)を振り入れ(量はお好みで)、よくなじませたら出来上がり。チーズは必ず火を止めてから入れること。イタリアン・パセリを乗せれば完璧です。

スープは塩分の入っている固形のコンソメとかを使うなら、一人前で1/2個程度。最後のパルミジャーノにも塩味がありますから、煮詰まっていくので味が薄いと思いながら調理していてちょうどよい感じになります。

この基本の作り方さえわかれば、色々な具材をいれたりしてアレンジはどうにでもできます。塩気のある具材を使う場合は、スープではなくお湯だけで作った方が無難です。

2022年4月14日木曜日

カレー風味のライスサラダ


イタリア料理とカレーって、あまり結びつかない印象ですが、カレー粉が登場するレシピが無いわけじゃありません。今回はカレー粉を使うライスサラダで、これはかなりお勧め度が高い。一応、料理名はRiso in insalata al curry ということになります。

鍋に水と塩。卵を一個入れて沸騰させます。同時に今回は、食べたい量の米と伴に、トマト、アスパラガス、セロリなどを入れました。トマトはすぐに取り出し、皮を湯むきにして種の部分を取り除き、数分後に湯がいた野菜は水で冷やして、いずれも適当な大きさに切りました。

ズッキーニがあれば一緒にしたいところだったのですが、今回は見た目が似ているということで胡瓜ですが、さすがに生を切りました。他に生で入れたのは玉ねぎみじん切りですが、もうお好みで好きな野菜を使えばいいんです。

米はだいたい15分(+α)くらい茹でる感じなので、その間に野菜を用意すればいいんですが、10分くらいすると茹で卵ができますので、これを取り出し、白身はみじん切り、黄身はボールに入れてつぶします。そこへ、オリーブオイル適量、ワインビネガー適量、マスタード適量、そしてカレー粉を適量入れて味を見て塩を追加して整えます。

適量ばかりで何なんだと思うかもしれませんが、結局各自の好みなんで好きにしてください。野菜や米の量にもよるんですが、サラダなのであまり味を濃くしない方が美味しく出来るように思います。

アルデンテの固さの米ができたら、水で冷やしてよく洗います。水をしっかり切ったら、全部を混ぜて出来上がり。マスタードが主張しないのですが、おそらくカレーの風味を引き立てている感じです。黄身が全体をソフトにまとめていて、ワインビネガーのとんがり感もマイルドにしています。特に夏場などには、食欲を増してくれて、大変美味しく食べられそうです。

2022年4月13日水曜日

エビのライスサラダ


米は日本を含むアジア地域では、主食としても利用される重要な食材です。世界の米の生産量はベスト10内で、アジアの国でないのはブラジルだけ。意外なことに、日本はベスト10に入っていない。

ヨーロッパではかなりマイナーな農作物ですが、それでもスペイン、そして北イタリアあたりでは、米は野菜の一種という位置づけで栽培されていて、メジャーな食材の一つです。しかも健康志向が高くなるにつれ、イタリアの米は高級品として扱われるようになってきたようです。

イタリアの米の基本レシピは、軽く塩茹でをして、バターとともにオーブンで加熱するとか、牛乳と一緒に煮て砂糖とバラエッセンスを加え(!!)デザートにするなんていうのがあります。日本でも言葉として馴染みのあるピラフは、バターで玉ねぎみじん切りを炒めた後に、米とブイヨンを入れてオーブンで加熱したもの。

日本はコメを炊くと言いますが、ちょうど米が吸収しきれる分量の水を使います。イタリアでは、塩を入れたたっぷりの湯で米を茹でるという調理法が基本で、これらは riso ××という名称で呼ばれます。

米は野菜という考え方をするなら、サラダとして食べるというのは、ごく自然な発想です(米のサラダ、Insalata di riso)。イタリアのレシピ本で紹介されているこの料理は、Riso in insalata ai gamberetti (エビのサラダご飯)ということで、日本人にはなかなか思いつかない、こんな食べ方もあったんだと思わせるもの。

塩を入れた(パスタと同じ1%の濃度にしました)たっぷりの沸騰した湯に、米を入れ茹でます。イタリアのカルナローリ米を使い、茹で時間は約16分で、リゾットを作るよりはちょっと短め。最後の2分くらいで、冷凍ムキエビを一緒に湯がきました。

米を茹でている間に「ドレッシング」を作ります。今回は米2/3合に対して、塩一つまみ、胡椒パラパラ、レモン汁小さじ1、オリーブオイル、小さじ1くらい。そこへ、バジルとイタリアンパセリをお好みの量だけみじん切りにして加えます。

米の芯がだいたい無いくらいになったらザルにあげて、流水でよく洗います。水気をしっかり切ったら、ドレッシングと和えて完成。見た目はエピピラフですが、当然味は野菜サラダという、ちょっと不思議な感覚に陥りますが、さっぱりとしてポロポロした米の食感が意外と好印象です。

ダイエット中の方でも、米を食べてもカロリー控えめな感じがして罪悪感も少ないと思います。日本米でもできると思いますが、茹でていると崩れてお粥になってしまうかもしれませんので、あまり沸騰させないほうが良いかもしれません。

2022年4月12日火曜日

スパイスとハーブの話


イタリア料理で使う調味料、特にスパイスについては、思ったほど種類は多くありません。ほとんどの料理は、食材となる野菜・肉・魚そのものから出てくる味が決め手で、それに塩を加えることで味が成立しています。そして、らしさを出すことに重要なのがオリーブオイル・ニンニク・唐辛子、そして黒胡椒です。

スパイスとしては黒胡椒さえあれば、多くの味を引き立てて料理を美味しくしてくれるわけですが、料理によっては時には追加のスパイスがあるとよりいっそう料理の幅が増えることになる。

自家製ソーセージであるサルシッシャには、セージ(sage)とナツメグ(nutmeg、ニクヅキ)は是非いれたい。いかにもソーセージらしい味の決め手になります。ボロネーゼ・ソースにもこの組み合わせは使いたいところ。セージはサルビアの葉ですが、サルティンボッカで大活躍します。いずれも、肉料理で活躍することが多く、肉の臭みを消して甘味を引き立てる役目を持っています。

オレガノ(oregano)は、特にトマトやチーズとの相性が良く、イタリア料理らしい風味である独特の香りが素材を引き立てます。オレガノと一緒に使われることが多いタイム(thyme)は、ローリエ(laurier、月桂樹)と共に煮込み料理に多用されています。

フェンネル(fennel、ウイキョウ)は、魚料理との相性が良く、日高シェフもしばしばお勧めしています。本来は乾燥した種を挽いて使うのですが、一般家庭では香りが落ちますがパウダーが使いやすい。


葉や種などを乾燥して粉末状したスパイスに対して、植物をそのまま料理、芳香、防虫などに使えるものは、一般にハーブと呼ばれています。

イタリア料理で。最も活躍するハーブはイタリアンパセリ(parsley)。俗にイタパセなどと省略すると料理人っぽい。よく洋食の飾りみたいについてくる葉が縮れた普通のパセリは、カーリー・パセリというもの。イタリアンパセリの葉は縮れておらず、苦みなどが少ないため料理の香りづけとしても彩を良くするにしても実用性が高い。ちなみに中国パセリと呼ばれているのがコリアンダーで、いわゆるパクチーです。

ローズマリー(rosemary)も肉魚を問わずオールマイティに使われます。乾燥粉末もありますが、うちでは庭に植えてあって、年がら年中、使いたい時は若い枝を取って来て使います。

そして、特徴的な香りと味によって、一部の料理のメインの素材にもなるのがバジル(basil)。イタリア語ではバジリコ(basilico)です。本来は多年草なんですが、日本の気候では冬を越せません。マルガリータやジェノベーゼでは、バジル無くしては料理が成り立ちません。

いろいろ用意しても使いきれないと思うかもしれませんが、乾燥粉末は各社からだいたい300~500円程度でありますので、セージ、オレガノ、イタリアンパセリくらいは用意したい。面倒なら、イタリアン・スパイス・ミックスみたいなものもあるので、うまく利用すればレシピの幅が広がります。

2022年4月11日月曜日

辛味の話


イタリア料理は、素材の味を大事にする意識が高い印象で、調味料で味を修飾することはあまりしないように思います。従って、辛い味付けをする場合でも、あくまでも素材を引き立てるため。

実際、日高シェフがイタリアで修業時代に、日本人的ペペロンチーノ・パスタをまかないとして作ったら、仲間の料理人からはニンニク臭すぎ、唐辛子辛すぎと言われたということです。ましてや、辛さを楽しむいわゆる「激カラ」みたいなものはほとんどありません。

とは言っても、辛味は美味しさの重要な要素の一つ。辛味は食欲を増進し新陳代謝を促進するので、特徴を知って、うまく使いこなせれば料理がワンランク上がるということ。

コショウ (胡椒、ペッパー、パイパー)

スパイスの王様とも呼ばれ、ピペリンなどによる辛味とピネンなどによる香りが好まれ、世界中の料理に古くから用いられています。もちろん、イタリア料理でも多くの場面で活躍しますので、できればミルで挽きたての香りの強い状態で使いたい。

一般的に最も使われているのが黒胡椒。完熟前の緑色のコショウの実を乾燥させたもので、黒くなった外皮に辛味成分が多く含まれます。乾燥させず、そのまま塩蔵したのは青胡椒です。

完熟して赤くなったコショウの実を発酵後に外皮を取り除いたものが白胡椒で、辛味は減りますが独特の風味が好まれます。完熟実を乾燥させたものは赤胡椒。一般にピンクペッパーと呼ばれるのはコショウボクの実で、辛味はなくコショウとは別物。

唐辛子 (チリペッパー、カイエンペッパー、ペペロンチーノ)

一般に使われるほとんどの唐辛子は Capsicum annuum の完熟した赤い実を乾燥させたもの。仲間にはピーマン、パプリカ、シシトウなどもありますが、これらは辛味は少ない。辛さの成分はカプサイシンで、時に粘膜を傷つけます。実は自分も小学生の時、生の唐辛子を口に入れて腫れてひどい目にあったことがあります。

通常、食品としては鷹の爪と呼ばれ、辛味をつけるだけの場合は調理の途中で取り出します。そのまま残して仕上げる場合は、薄く輪切りにしたものが使われます。赤唐辛子の辛さは加熱によって強まりますが、完熟前の緑色の青唐辛子は加熱によって辛味が和らぐことが知られています。ちなみに「柚子胡椒」の胡椒は青唐辛子です。

辛子 (マスタード、モスタルダ)

からし菜の種を単純にすり潰したものは一般には和辛子と呼ばれ、通常粉末を水で練った物が使われます。含まれるシニグリンが水と混ざることでアリルイソチオシアネートという辛味になりますが、風味は時間と共に失われます。

一方、洋がらしは同類のシロガラシの種が使われ、和辛子に比べると辛味はマイルド。西洋料理で一般的に使われるものはマスタードと呼ばれ、洋がらしに酢・糖などの調味料を加えて加工したもので、アメリカでは練ってターメリックを加えたイエローマスタード、ヨーロッパでは粒入りがよく使われます。フランスでは、ワインビネガーやブドウ果汁で練るデジョンマスタードが有名です。

2022年4月10日日曜日

生パスタの話 3 ラザニア


手作り生パスタに向いている食べ方は・・・と考えていたら、平たい物がいいんじゃないかとなったので、本当に平たいパスタというと、まず思い出すのがラビオリ(Ravioli)。

ラビオリは、餃子みたいな感じで、数cm程度の大きさの生地(四角だったり、丸だったり)で具材を挟み込んだもの。ただ、縁を閉じるのが面倒。

もう一つ、日本でもよく知られている平たいパスタと言えば、ラザニア(Lasagne)。売られているラザニア生地は10×20cmくらいの薄い板みたいな形。間に具材を挟んで、何層かに積み重ねるようにしてオーブンで焼き上げます。実は紀元前から食べられていて、すべてのパスタの原点みたいなものらしい。

生地は平たいままでいいし、形も容器にぴったりでなくてもどうにでもなるので、かなり気楽に作ることができます。また、オーブンで火を通すので、あらかじめ茹でるという手間を省くことができるのも助かります。

今回は、基本であり定番のボロネーゼ・ソース(ミートソース)とベシャメル・ソース(ホワイト・ソース)を使うボローニャ風ラザニア(Lasagne alla Bolognese)を作りました。


耐熱容器の内側にオリーブオイルを塗って、容器の大きさくらいに延ばした最初の生地を敷きます。その上にボロネーゼ・ソースとベシャメル・ソースを適当に配置します。均一になる必要はありません。その上に第2層の生地を乗せます。


第2層は、二つのソースを配置したら、ほうれん草を隙間を埋めるように置いていきます。そして、第3層の生地を乗せる。


次はせっかくなのでキノコをいろいろ挟み込んでみました。マッシュルームとエリンギ、あとちょっと贅沢にポルチーニも混ざっています。


最上層は、二つのソースの上にピザ用チーズをばらまきます。白くて丸いのはモッツアレラで、粉状のものはパルミジャーノです。焼いたとき、パルミジャーノがいい感じに焦げてくれます。

きのこの層だけよけいに追加しましたが、小麦粉100gと卵1個で、直径20cmの容器に4枚の生パスタ・シートを敷くことができました。オーブンは予熱して220度で20分。いかにも美味しそうに焼きあがりました。

不揃いにソースを置いているので、ボロネーゼの味が強いところと、ベシャメルの味が強いところがあって、食べ進めても飽きがこない感じです。

ちなみに、ベシャメル・・・ホワイト・ソースの作り方は、実はかなり昔から知っていました。小学生の頃だと思うので、家庭科の調理実習かなんかでグラタンかなんかを作ったのかもしれません。

バターを弱火で溶かして、小麦粉を入れて焦がさないように炒めていき、固まってきたら牛乳で延ばすようにするとできる。今回はバター10g、薄力粉10g、牛乳100mlくらいで作りました。ボロネーゼ・ソースは、普通にロングパスタで食べるなら1人前くらいの量です。


全体の量としては、やはり一人で食べるにはちょっときつい。二人前というところ。焼きたてにすぐ食べると、超旨くて大成功という感じです。

2022年4月9日土曜日

生パスタの話 2 食べてみよう

自作の生パスタを食べてみました。

卵を使ったデュラム小麦100%の生地は、ほどほどに弾力と歯ごたえがあり、でも乾燥パスタに比べてもちもち感がしっかりあるのが特徴です。どうしても、太めになってしまうので、濃厚なソースとの相性がよさそうです。


まずはジェノベーゼ。バジルのジェノバ・ペーストにからめて、最後にパルミジャーノ・チーズをたっぷり振りかけて和えていくので、パスタにしっかりとソースが合わさります。

本来は細めのリングイネなどと合わせるのが定番とされていますが、バルミジャーノを多めに使ったので、まぁまぁの感じです。シンプルな味のソースなので、パスタの味そのものもよくわかり、食べやすい印象でした。


次は、濃厚なソースと言えばと考えて、ボロネーゼにしてみました。まぁ、当然それなりの美味しさなんですが、ここで思ったのは、普通のスパゲッティとして食べるなら、やはり乾燥パスタを使った方がうまく出来るということ。

こういうロングパスタ風にするなら、費用・労力・時間、どれをとっても乾燥パスタに敵わない。せっかく自家製パスタとしての特徴が半分失われてしまっている感じがします。どうせ、丸い麺にならないのなら、平たいままのパスタにした方が特徴を生かせるのかもしれないと思いました。


そこで作ったのが、きしめんのように平たくて幅のあるパスタ。イタリア南部でフェットチーネ (Fettuccine)、北部でタリアテッレ (Tagliatelle)と呼んでいるもので、幅は5~10mm程度。

平たく延ばした生地を、だいたい1cmくらいの幅で切って作りました。濃厚なトマト・ソースの味付けで、トマトと相性の良い茄子を合わせてみました。

これは、普通の乾燥パスタのスパゲッティなどとは、一味違う食感で、パスタの自己主張もかなり強くなる印象です。幅がある分、出来るだけ薄く延ばした方が美味しいのかと思いました。

後は、思い思いの形に成形したショート・パスタなども、手作りならではのものだと思います。イタリアの家庭では、おばあちゃんやお母さんが、代々受け継がれた独特の形のショート・パスタ料理を作ったりするそうです。

2022年4月8日金曜日

生パスタの話 1 作ってみよう

プロの料理人でも通常使うパスタは工場で大量生産されたもので、デュラム小麦と塩と水だけで作られ、乾燥させて長期間の保存が可能なもの。イタリアには、乾燥させずに低温で管理した、生パスタ(Pasta fresca)というものがあります。

我々も生パスタという言葉をよく耳にしますが、正確にはイタリア(特に北部)では卵パスタ(Pasta all'uovo、卵付パスタ)と呼ばれているものです。まさに、それぞれの家庭の手料理としてのパスタは卵パスタであり、いろいろな形にアレンジして食を楽しむ文化として定着しました。

さて、我々が生パスタと呼んでいる卵パスタは、実際のところ、生地を作るまではそれほど難しい作業ではありません。


必要なものは、デュラム小麦のセモリナ粉、無ければ強力粉でも構いません。薄力粉をある程度混ぜると作りやすいのですが、多少食感は悪くなるかもしれません。そして、全卵、塩、オリーブオイルですべてです。小麦粉100gに対して、通常サイズの卵1個、塩は一つまみ、オイルは大さじ1/2くらいが、基本の量。

乾燥パスタだと80g~100g程度が一人前という感じですが、生パスタでは小麦粉100gに対して、完成したパスタは140g前後になりますので、小麦粉100gからスタートすると1.5人前くらいと思っておいた方が良いようです。


これらを混ぜていくわけですが、台に小麦粉の山を作って真ん中をほじくって、そこへ残りの材料を入れます。フォークなどで、周りの土手の粉を少しずつ中に落とし込むようにしていくと、しだいにそぼろ状になってきます。


デュラム小麦は水の吸収がゆっくりなので、粉っぽい所は湿った塊を押し付けるようにするとまとまってきます。もちろん、ボールの中でこの作業をしてもいいわけで、その方があちこち粉で汚さずにすむかもしれません。ここで、水分がなじむまで少し時間をおきます。

台に打ち粉をしてそぼろ状の塊を押しつぶすように練っていくと団子状になりますが、まだグルテンの粘りがないので延びにくい。ここからは肉体労働で、力を込めて捏ねていく。手のひらを使うと、手にくっつきやすいので、手首のあたりでぐいーっと押し出すようにして、延びたところを折り返すという作業を繰り返します。


5~10分程度頑張ると、全体が弾力のあるスムースな塊になります。指で押しても圧痕が戻る感じならOKです。ここまで来たら、ラップして1時間程度休ませる。


ここで、パスタマシンなんてしゃれたものを持っているなら、あとは機械で薄くして裁断すれば麺の完成なんですが、そんな便利なものは持ち合わせていないので、十分に打ち粉をして綿棒で均一に薄く延ばします。

どんなパスタにしたいかにもよりますが、ロングパスタのように食べたいのであれば、厚さは最低でも2mm以下にしないと、食べる時に口の中でもてあましそうです。上と下から丸めて中央に集め、包丁で切っていき、真ん中を菜箸のようなものですくい上げるようにするとうまくいきやすい。


とりあえず、完成した生パスタ。まぁ、厚みが2mm、幅が2~3mm、長さは25~30cmくらいでしょうか。とりあえず許容範囲の出来だと思います。

イタリア南部では、グルテン量が多く崩れにくいデュラム小麦だけで作ることが多いそうで、卵を使わずに水と塩だけを加える生パスタも作れます。ただし、生地が固く捏ねにくいので、最初は卵入りが作りやすい。

茹で方の注意としては、くっつきやすいのでお湯は多め、場合によってはオリーブオイルを少し入れることが勧められています。茹で時間は短くて、数分間程度。出来上がったパスタの太さなどによるので、硬さを注意深く確認することが大事です。

たぶん、どこの家にもありそうか、無くてもスーパーで簡単に揃う食材だけで作れるので、一度チャレンジしてみてはどうでしょうか。

2022年4月7日木曜日

アクアパッツァ

 


一般にアクアパッツァと呼ばれ、日本でも人気のイタリア魚料理です。日本ではほとんど知られていなかった80年代に、イタリア修行から帰国した日高良美シェフが、積極的に紹介し、また日本人の味覚に合うようにアレンジしたものが、あっという間に全国のレストランに広まったと言われています。

正確には pesce all'acqua pazza と呼ばれます。そのまま訳せば、「奇妙な水風の魚」ということになって、何のことだかわからない。そもそもの始まりは、漁師が売れ残った魚を海水で煮て食べたとか、また、水で薄めた粗悪なワインをアクアパッツァと呼んでいたという話があります。

基本的には水で魚を煮るだけというシンプルな料理ですが、煮る時にワインを使ったり、いろいろな魚介を使って複雑な出汁のハーモニーを楽しんだりするアレンジがいろいろと知られています。

しかし、ここは日本版アクアパッツァの元祖たる日高シェフの作り方を尊重したいと思います。今でこそ自分のYouTubeチャンネルを持つようになったシェフですが、そもそもは料理人YouTuberの先達であるChef Ropiaさんのチャンネルに出演したのがきっかけ。その最初に紹介したのがアクアパッツァでした。また、家庭で作りやすい切り身の魚で作るバージョンも公開しています。

何しろ日高シェフは、自分の店の店名をアクアパッツァにしてしまうくらいですから、イタリアで出会ったこの料理のインパクトたるや相当な物だったのでしょう。当初はオリーブを入れたり、アンチョビ、ケイパーなども使っていたそうですが、次第に精錬されて今の形にたどり着いたようです。

使う魚は、主として白身なら何でもOKとのことですが、鯵などの青魚も大丈夫とのこと。YouTubeでのシェフのチョイスはチダイで、真鯛よりはちょっと小ぶり。二人で食べるなら、量としてはチダイが丁度良いし、また値段も安い(一尾300~400円)ので用意しやすい。真鯛だと値段も高く、一尾で4人前くらいでしょうか。また、大きいとフライパンに入りきらないことも起こるかもしれません。

まず魚の下処理ですが、尾やひれは料理ばさみで切り落とし、鱗を引きます。鱗は、専用の道具が無くても、包丁の背でがりがりとこすります。お腹を開いて、鰓から内臓を一気に取り出し、血合いもきれいにしたら、塩胡椒をしてしばらく寝かせます。

日本人的には魚の頭は左で腹は手前に来た方が見た目が落ち着くので、表になる方からオリーブオイルを入れたフライパンで焼きます。焦げ目がついたらひっくり返して反対側もしっかり焼き、真水をコップ1杯くらい入れます。ここからは火力は全開で、できるだけ沸騰させ続けます。

続いてアサリを入れ、さらにセミドライ・トマトを投入。生トマトを使う場合は煮崩れるので、出来上がり直前に入れます。アサリの貝が開いて、スープが煮詰まってきたらオリーブオイルを回しかけ、みじん切りのパセリを振りかけたら完成。

あれっ? 味付けは? と思ったかもしれませんが、最初に魚に振った塩と、魚と貝から出る塩気だけがこの料理の塩味です。魚介からでる深い深い旨味だけで、最高に美味しいソースになるということ。ですから、出汁が多く出る頭や骨のある尾頭付きで調理することを強くお勧めします。

もう、まったくの受け売りですが、真似っこで作っても最高に美味しく、何度でも食べたくなります。スーパーで安い尾頭付きを見つけた時に買って、下処理をして冷凍しておくと、食べたい時にいつでも作れます(今も2尾冷凍されてます)。アサリも砂抜きしたら冷凍して保存できます。

2022年4月6日水曜日

オーストリケ


オーストリケ(ostriche、単数だとostrica)は牡蠣です。通常スーパーで手に入るのは真牡蠣で、旬の時期は冬。たまに見かける殻ごと売っている岩牡蠣は、逆に夏が旬で、産卵期に向かって栄養をため込む時期の違いがあります。

栄養が豊富で水分を多く含むので、「海のミルク」とも呼ばれますが、おそらく一番美味しい食べ方はレモンをちょっとかけての生食なんでしょうが、主としてノロウイルスによる食中毒の危険もあり注意が必要。

イタリアでも、貝を使った料理はいろいろいあるようですが、主として使われるのはアサリ、ムール貝、そして牡蠣といったところでしょうか。ちなみにアサリのパスタで知られるボンゴレ vongole はハマグリなども含む二枚貝の総称です。

まずは、オリーブオイル、ニンニク、鷹の爪の黄金トリオでソテーして、塩だけで味付けしました。香りが立つセリを一緒に炒めています。

このようなシンプルなレシピは、牡蠣の美味しさをストレートに感じることができます。火を通し過ぎると縮んでしまうので、炒めすぎないことが大事。

もう一つ、グラタンに仕立ててみました。


グラタンというと、ベシャメル・ソース(ホワイトソース)に和えてオーブンで焼くという印象がありますが、グラタンは本来オーブンで焼いた時の焦げのことで、ベシャメル・ソースを使うかどうかはオプションです。

同じようにソテーして、今度はエリンギを一緒にしています。エリンギは、ちょっと加熱したアワビと食感が似ていて、取り合わせとしての相性は悪くありません。

耐熱容器に入れて、上からバルミジャーノ・チーズを振りかけてからオーブンで200度10分くらい焼いたもの。いい感じの焦げがついて、香ばしさが増して違った美味しさを味わえます。

2022年4月5日火曜日

メルルッツォ


メルルッツォ(merluzzo)は鱈(たら)です。イタリア料理に限らず、地中海沿岸諸国ではいろいろな調理法によって食べられるポピュラーな魚。大型魚なので、ほとんど切り身の形で利用されます。日本だと、鍋に入れるのが定番ですが、あとは西京味噌や酒粕に漬け込んだものを焼いて食べることが多く、スーパーでは無いことが無いくらい手に入れやすい食材です。

イタリアでは塩漬けの保存が利きやすいものを、塩抜きして使うレシピが多い感じがしますが、当然、生の真鱈も利用できます。レシピ動画を探してみると、トマト・ソースで煮込むというのが多いようですが、今回は直接的な鱈の味を楽しみたくて、ソテーにトマト抜きのカポナータを添えてみました。

というわけで、Merluzzo saltato e caponata というレシピになります。

塩胡椒した生の真鱈の切り身を、ニンニクの香りを移したオリーブオイルでソテーします。皮付きの場合は皮目から焼きますが、皮が縮まって身が反り返ってしまいやすいので注意が必要です。焼き始めの最初の1~2分は、フライ返しなどで上から押さえておきます。

カポナータは、茄子、ズッキーニ、パプリカなどを炒めたもの。これにトマトを加えてもいいし、いろいろな野菜でも可。今回は玉ねぎとセロリをみじん切りにして混ぜています。

鱈は身が柔らかく崩れやすいのですが、比較的淡白な味なので、どんな料理でも合わせやすい感じです。それでも、シンプルな塩胡椒だと、意外と甘みのある美味しい身だとわかります。野菜の方が歯ごたえがあり、違った食感が楽しめました。

2022年4月4日月曜日

ペーシェ・スパーダ

 メカジキ(Pesce spada、英語ではSwordfish)というと、海釣り好きな方は、大型で暴れるので一度はチャレンジしたくなる魚。学問的にはスズキ目カジキ科で、仲間にはマカジキがいます。あれっ? カジキマグロじゃないの、と思ってしまうかもしれませんが、マグロはサバ科マグロ族で、カジキマグロという魚はいない。

メカジキは、イタリア料理でも、よく使われ海鮮食材の一つ。シチリア島の周囲に回遊してくるらしく、いろいろな調理法で食されています。日高シェフはシチリアのレストランでも修業したそうで、「メカジキの食いしん坊風 (Pesce spada alla ghiotta)」という料理を紹介しています

ただ、「食いしん坊風」という意味がネットを探してもよくわからない。料理を想像できる呼び名なら「シチリア風メカジキのソテー」が正しいかもしれません。シチリア風という表現は、シチリアの特産品を使うということで、ここではメカジキ以外にも、ケイパーなどが使われます。


よくスーパーで売っている切り身に塩胡椒。まずはステーキとして焼いていきます。美味しそうになったところで、白ワインをメカジキが浸るくらいに入れ煮込んでいきます。ここで、粗みじんにした玉ねぎとトマト、そしてケイパーを加えます。

煮詰まってきたら、オリーブオイルを回しかけて乳化させパセリを散らして出来上がり。メカジキの身も硬くならず、ワインの酸味とトマトの旨味が加わって、どんどん食べてしまえます。もう、まるで食いしん坊のよう・・・って、そういうことからのネーミングでしょうか。なお、この時は残念ながらケイパーを切らしていたので、オリーブの実で代用しています。

それと、同じようなメカジキのソテーなんですが、日高シェフの店の厨房風景で、じゃがいものピューレを下敷きにしている動画があったので真似て応用してみました。


煮たじゃがいもを潰し、本来は裏ごしするんでしょうけど、素人的にはそのまま牛乳と合わせて火を通した感じです。焼いたメカジキを上にそっと乗せて、ジェノベーゼ・ソースを回しかけ、パルミジャーノ・チーズを振りまいて出来上がり。

同じソテーですが、酸味のかわりにじゃがいもの甘味が引き立ち、これもまた食いしん坊になれる一品です。

2022年4月3日日曜日

フリット・ミスト


フリット・ミスト Fritto misto は、要するにミックス・フライということ。野菜でも構いませんが、やはり定番は魚介だとおもいます。

言うなれば、イタリア風天ぷらです。ただし、それなりに日本の天ぷらとはちょっと違いがあるわけで、そこが洋風になるポイントです。

よくあるフリッターと呼んでいる衣がなめらかに膨らんで丸みを帯びたフライがありますが、あれは衣に卵とか牛乳とかが入っている。

フリットの生地は、小麦粉をまぶす程度のものも紹介されていますが、もうちょっと衣らしい感じにできるレシピを選びました。

その大事な衣の作り方ですが、今回の衣は薄力粉50g+強力粉50gで、多少余りました。どのくらい使うかは、各自で調整してください。

水を180ml入れてだまが無くなるまでよく混ぜます。そこへ塩1.5g。そして大事なのはドライイーストを2gです。30分くらいそのままにしておくと、ドライイーストがガスを出して泡がでてきます。ここが、ふっくら、パリッとなる決め手のところ。

後は、食べたい食材にからめ、高温のオリーブ・オイルで揚げていくだけ。

今回使ったのは、冷凍のムキエビ、帆立の貝柱、茹でたマダコ、牡蠣、そしてヤリイカです。タコとかイカは、衣にくぐらす前に粉を振っておくと、衣が付着しやすい・・・というのですが、やっぱり難しいです。

カキは、どうしても水分が多い食材なので、すぐに食べないとべちゃべちゃになり、揚げ物としてはパン粉をつけたフライが正解のようです。

揚がったら、軽く塩を振って食卓へ。熱くて衣がパリパリのうちに、ビール片手にどんどん食べるのがお勧めです。

2022年4月2日土曜日

ピッツァの話 3 本場の定番

日本の宅配ビザ店のメニューに慣らされてしまうと、やたらと豪華なトッピングが主役のように思ってしまいますが、本場イタリアのピッツァは実にシンプル。

究極的には、ピッツァ・ビアンコ。生地にチーズだけで、塩・胡椒・オレガノだけ振って食べるというもの。ナポリ風ピッツァは、トマト・ソース、チーズ、そしてアンチョビです。漁師風ピッツァと呼ばれるマリナーラは、生地にトマト・ソースとニンニクだけ。

最も典型的な定番であるマルゲリータは、生地の上にトマトソース、チーズ、バジルの葉だけ。さらに、定番のクアトロフォルマッジは、生地の上にあるのは組み合わせ自由の4種類のチーズだけで、一般的にはゴルゴンゾーラ、モッツァレラ、パルミジャーノ・レジャーノ、タレッジョが使われています。


日本でシーフード・ピザと呼んでいるのは、魚介系の具材がいろいろと乗っかっています。シーフードを使う料理はアラ・ペスカトーレ(alla pescatore、漁師風)と呼ばれ、スパゲッティならスパゲッティ・アラ・ペスカトーレ、ピッツァならピッツァ・アラ・ペスカトーレになりトマト・ベースが多い。魚介なら種類は何でも可で(典型的にはエビ、イカ、アサリ)、イタリアのピッツァとしては、トッピングに比率が置かれているものになります。


派手さがあるのはソーセージのピッツァで、Pizza con le Salsicce と呼ばれるもの。サルシッシャは、一般に腸詰の食べ物という意味で、肉を詰めればまさにソーセージです。ソーセージに詰めるのは、豚肉の挽肉を捏ねて塩・胡椒・セージ・ナツメグなどで味付けしたものですが、腸詰せずにミートボール状にしたものも、便宜上サルシッシャと呼んでいるみたいです。

このピッツァには、パンチェッタものせて、バシル、ローズマリーなどを散らしてあります。今回は、サルシッシャは手ごねだけでさすがに腸詰はしていません。こういう組み合わせは不味いはずがない。特にこどもにも人気なんじゃないでしょうか。


派手にトッピングが乗っている代表とも言えそうなのが、カプリチョーザ(capricciosa)。意味は「気まぐれ」で、シェフにおまかせということ。それ故に、いろいろな具材がトッピングされて豪華な雰囲気になりやすい。今回は、パンチェッタ、茄子、マッシュルーム、ピーマン、バジルなどを所狭しとのせてみました。

何にしても、かしこまって食べる料理ではないことは間違いないので、コーラでもビールでも、あるいはワインとかを片手に、好きなものを乗せて美味しく食べてお腹がいっぱいになれば幸せということです。

2022年4月1日金曜日

ピッツァの話 2 生地の作り方

本来、ピッツァを焼くには専用の窯が必要だったりして、しかも薪の窯だと400度以上の高温でわずか数分の短時間で焼ける職人技が必要です。

ですが、多少のことは目をつぶれるのなら、オーブンがある家では簡単に自家製ピッツァが作れます。というわけで、挑戦しました。

最初のステップは生地作り。パンの心得がある方なら何にも心配はありません。パンよりも簡単です。そうじゃない方も、そこら中が小麦粉で白くなることさえ覚悟できれば大丈夫です。

小麦粉は強力粉 250g と薄力粉 50g を用意します。塩 3g、ドライイースト 5g、オリーブオイル 大さじ1杯を入れてよく混ぜ合わせます。そのままボールなどの中てやってもいいんですが、平たい場所に山盛りにすると雰囲気が出て楽しい。

真ん中をほじくって穴を作ったら、ぬるま湯を少しずつ入れていき、周りの粉をすこしずつ落とし込むようにしていきます。最終的にお湯の量は150mlです。だいたい混ざったら、とにかく手のひらを押し付けるように何度も何度もこねます(ここが大事)。5分くらい肉体労働をしたら、生地が滑らかになり、1枚分ずつ丸くして常温で放置して一次発酵をさせます。


ちなみにこれは、直系26cmくらいで厚めの生地2枚分というところ。家庭用オーブンだと、大きさがギリギリかもしれません。実際自分も、この量を3枚分にして薄めの生地を作ってちょうどよかった。

数時間で1.5倍くらいに膨らんだらOKですが、より美味しくしたければ冷蔵庫で一晩寝かすのが良い。さて膨らんだ生地から発生したガスを追い出すように押し付けて、さらに30分程度そのまま放置して二次発酵させる。

さていよいよ丸く平たく伸ばすわけですが、間違ってもどこかのお店で観たような手のひらに乗せて空中でぐるぐる回そうなんてことは考えてはいけません。小麦粉をふりまいた平たい場所で、各方向に少しずつ伸ばしていけば何となく丸くなります。できるだけ厚みは均一になるように心がけることが大事で、形は二の次です。

形ができたら、トマトソースを塗り広げ、チーズを散らして、好みのトッピングをしたらあとは手早くオーブンに投入して焼くだけです。


生地作りと並行してやる次の大事なステップは、基本のトマト・ソース作り。イタリアの細長いトマトの絵が描かれた缶詰を用意します。できればホールトマトが良い。たいてい400gの容量なので、これに対して塩を4g入れてホールを潰すようにかき混ぜれば完成。これが一番簡単。

ひと手間かけたければ、みじん切り玉ねぎをしっかり炒め、オリーブオイルとみじん切ニンニクの中にトマト缶と共に入れて、2/3~1/2程度に煮詰めます。最後に適度な味になるように塩を入れて出来上がりです。

オーブンはあらかじめ高熱になっていることが物凄く重要なので、必ず予熱をすることを忘れてはいけません。薄い生地は250度で5~10分程度、厚い生地は200度で10~15分程度のようですが、機種によってけっこう癖があるので、経験的に調整するしかありません。

たいてい予熱に10分くらいは必要なので、予熱を開始したら生地を丸くしてソースを塗ってトッピングというのが丁度よい感じです。さすがに専用窯のような丁度良い焦げ具合とはいきませんが、味はまったく問題なく焼き立ては本当に美味しい。

問題は、どうやってオーブンに入れるか。ピザピールと呼ばれる大きくて平たいフライ返しみたいなものがあればいいんですが、無い場合は工夫が必要。アルミホイルの上にのせて、そっと持ち上げてアルミホイルごと入れるとか、できるだけ小さめの生地にして我慢するとか・・・

実働時間は、前半の生地作りで20分、間に数時間休憩をはさんで後半で30分程度。半日ひまなら十分に作って楽しく、食べて美味しい、と言うことなしです。