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2022年4月29日金曜日

イタリア・ワインの話 2 一般知識


ワインの知識はほとんど無く、安いから買って飲んでいるだけ。フランスならボルドーかブルゴーニュ、シャンパンと呼べるのはシャンパーニュ地方で作られたスパークリングだけ。原料となるブドウの品種としては、赤ならピノ・ノワール、カルベネ・ソーヴィニヨン、メルロー。白だったらシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング。

おそらく、その程度が精一杯で、正月の芸能人格付けを見て、安い方のワインですら高いと思って買ったことも無いのです。ましてや、1本が何万円もするワインの良し悪しなどわかるはずもないわけで、それより1000~3000円くらいを10本飲めた方が嬉しいと思ってしまいます。

ですから、ワインのことを勉強してみようと思っても、どこから始めたものか途方に暮れるだけ・・・なんですが、特に格式高く値段もバカにできないフランス・ワインに比べると、イタリアはカジュアル感があって、必ずしも高い格付けされたワインがやたらと高価というわけではないので、そこんとこはちょっと嬉しい。

もっとも、自分を含めて大多数の一般人は、千円前後のワインで十分に楽しんでいるわけだし、高級ワインばかりを飲んで蘊蓄を語るような方々は別世界人と割り切るしかありません。ただし、安いワインでも安いなりに多少の勉強をしておくだけで、より美味しい物を見つけられるというもの。最低限、このくらいは知っていた方がよさそうなワイン全般に関する知識を仕入れていくことにしたいと思います。

まず、果実はどんなものでも発酵させてワインにできるというのが原則。果実に含まれる糖分がアルコールに変化するのは、熟成中の魔法のような出来事です。ただし、糖分が過不足なく含まれ、雑菌を増やさずに作れるのがブドウと言うこと。

ワインに使われるブドウの品種は世界中で1000種以上あるようですが、これは主として病害を防ぐために研究され人工的な交配により生み出されたもので、植物学的には数種類に含まれてしまうようです。その中でも、大多数がヴィティス属のヨーロッパ種(Vitis vinifera)に含まれ、生食用に比べて皮が厚く小さめです。

フランスだっら、ボルドーは主として赤はメルロー、白はソーヴィニヨン・ブラン。ブルゴーニュでは主として赤はピノ・ノワール、白はシャルドネという具合で、比較的わかりやすい。イタリアはブドウ栽培に適した気候のため、ほぼ全土でたくさんの品種が栽培されていて、しばしばブレンドも行われるので、それらをすべて把握して理解することは至難の業です。

主として果実の果肉だけから作られるのが白ワイン。果皮も加えて赤くしたのが赤ワインで、果皮に含まれるタンニンにより独特の飲み心地となります。そして、赤白のブドウを混合させて、透明なピンク色に作り上げたのがロゼ。アルコール発酵で発生する炭酸ガスを多く含ませるとスパークリングワインになります。

基本的に安いワインは、瓶詰めされて早いうちに飲む方が果実味が残って美味しく感じられます。高価なワイン、特に赤ワインは瓶内熟成を前提に作られていて、数年待ってから飲むことが推奨されています。とは言っても(一部の例外を除いて)何十年も昔のものが良いわけではなく、高級ワインでもだいたい赤は10~20年物くらい、白は10年前後が飲み頃とされるようです。当然、年によってブドウの出来映えは変わるので、高級ワインではヴィンテージ(何年物か)をチェックすることになります。

どんなに高級なワインでも、飲み方を間違えると台無し。まず温度ですが、温度が低いほどタンニンの渋みが強くなり、高いほど香りが強くなるので、赤ワインは濃厚なもの(ボディという言葉で表現されます)ほど冷やし過ぎないことが肝心。軽いライト・ボディで12゚c、ミディアム・ボディで15゚c、フルボディなら18゚cくらいが目安になります。

また温度が低いほど甘味・酸味は弱くなりますので。白ワインは赤より低めですが、辛口は10゚c前後、甘口は5゚c前後に冷やします。スパークリングは、基本は白ワインに準ずるわけですが、温度が高いと破裂の危険もあるのでしっかり冷やすのが基本とされています。

さらにワインを注ぐグラスにもこだわりのポイントがあります。一般的には、赤ワインは飲み口がつぼまった大きめのグラスで、少量を入れてグラス内に香りを貯める感じ。白ワインは赤よりも細めのグラスで、スパークリングはもっと細いグラスが好まれます。グラスの胴体を持つのはワインが温まるという理由で細い脚の部分を持つ人が多いのですが、かえって不安定で危ないので推奨されていません。

ワイン単独で飲むというのはあまり無いわけで、普通は食事と合わせるわけで、適切な組み合わせにすることをマリアージュ(mariage、結婚という意味)と呼びます。一般的には肉には赤、魚には白と言われますが、食べ物と似たようなチョイスで味覚を強調する、むしろ相反する風味で合わせる、あるいは口に残るものを洗い流すような選択をするなどが考えられますが、まぁ、一般庶民は好きなものを好きなだけ飲むで満足しちゃいます。