メルルッツォ(merluzzo)は鱈(たら)です。イタリア料理に限らず、地中海沿岸諸国ではいろいろな調理法によって食べられるポピュラーな魚。大型魚なので、ほとんど切り身の形で利用されます。日本だと、鍋に入れるのが定番ですが、あとは西京味噌や酒粕に漬け込んだものを焼いて食べることが多く、スーパーでは無いことが無いくらい手に入れやすい食材です。
イタリアでは塩漬けの保存が利きやすいものを、塩抜きして使うレシピが多い感じがしますが、当然、生の真鱈も利用できます。レシピ動画を探してみると、トマト・ソースで煮込むというのが多いようですが、今回は直接的な鱈の味を楽しみたくて、ソテーにトマト抜きの
カポナータを添えてみました。
というわけで、Merluzzo saltato e caponata というレシピになります。
塩胡椒した生の真鱈の切り身を、ニンニクの香りを移したオリーブオイルでソテーします。皮付きの場合は皮目から焼きますが、皮が縮まって身が反り返ってしまいやすいので注意が必要です。焼き始めの最初の1~2分は、フライ返しなどで上から押さえておきます。
カポナータは、茄子、ズッキーニ、パプリカなどを炒めたもの。これにトマトを加えてもいいし、いろいろな野菜でも可。今回は玉ねぎとセロリをみじん切りにして混ぜています。
鱈は身が柔らかく崩れやすいのですが、比較的淡白な味なので、どんな料理でも合わせやすい感じです。それでも、シンプルな塩胡椒だと、意外と甘みのある美味しい身だとわかります。野菜の方が歯ごたえがあり、違った食感が楽しめました。