2013年8月31日土曜日

光学30倍の威力

昨日の光学30倍の話、どんだけすごいかを、もう少し説明しておきたいと思います。

sonyのCybershotの最新機種で、コンデジのシリーズとしては、現状で最上位にランク付けされるのがDSC-HX50V。売り文句は、「世界最小・世界最高光学ズーム」ということで、そのことについては偽りがありません。

有効画素数が2040万画素となっていて、最高画質で撮影するとJPEG保存ですが、一つの写真ファイルが4~6MBにもなってしまいます。 大きさは5184×3888pixelで、解像度は350pixel/inch。

それをそのままブログにアップするなんてことは、とうていできませんので、1200×900pixelで72pixel/inchというダウンサイズした、広角端で撮影した写真がこれ。いつもの、おなじみのセンター南駅前ロータリーの風景です。

画面の中央、レンガ色のビルの壁面中ほどに三井住友銀行の看板があるのがおわかりでしょうか。そのままこの画像を30倍に拡大してみましょう。

確かに銀行のシンボルカラーはわかりますが、文字はほとんど読めません。ロゴも何となく雰囲気だけは伝わるかも、という程度。

それでは光学ズーム30倍、35mmフィルム換算で720mm望遠の威力を見てください。同じ位置から撮影したもので、実際の距離はおよそ150mです。

驚くべき解像度なのは当たり前で、すごいのはこ写真がコンデジで撮られたということと、そしてもう一つ。カメラは手持ちだということです。

三脚とかで固定されているわけではなく、普通に手で持っている。今までの常識では、ぶれまくりでとても見れたものにはならないはず。この手ぶれ補正機能の威力があるからこそ、コンデジで超望遠を搭載する意味が出てくるわけで、当然スマートフォンがいくら頑張っても及ばない領域ということになります。


2013年8月30日金曜日

スマホ+コンデジ

確かにスマートフォンは、小さいパソコンであり、使う人がその気になれば携帯型のデジタル機器の機能を何でも実装することができて大変便利です。

よく言われることですが、「何でも持っているということは、何も持っていないと同じ」とはよく言ったもので、例えば学生が試験前に過去問を集めることだけで安心してしまうのと似ているかもしれません。

当然、スマートフォンを持っているだけでは最低限の電話機としか機能しないわけで、メールのやり取りさえできません。自分がスマートフォンを使ってやりたいことをはっきりさせて、それなりの設定や、アプリを導入していくことが重要。

自分の場合は、電話とメール、そして時間と天気が気になるので、すぐにそれらを見たい。そして、スケジュール管理というところまでが最低限必要なことで、あとは遊び。

青空文庫の無料の名作小説を読むためのリーダー、乗り換え案内、地図、渋滞情報、それとほとんど使う事は無いのですが音楽や動画を見るためのビューワーなど。それとゲームは、ファイナル・ファンタジー III と IV が入っています。

カメラについては、スマートフォンに付属のカメラは800万画素あり、通常のスナップ撮影はこれで十分すぎるほどのもの。ちょっとした動画も撮れて、その分野の進化は驚くものがあります。DROPBOXなどのクラウドを利用して、WiFiから簡単にパソコンに取り込めるのも便利。

ただし、どうしても満足しきれないのが、このカメラ機能。やはり、単焦点カメラとしては画が貧弱で、デジタル・ズームは荒くなるだけで使いたくない。とは言っても、デジタル一眼は日頃持ち歩くにはでか過ぎ重過ぎ。

カメラ業界も、そのあたりのニーズは理解していて、いわゆる薄さを競っていたコンデジ(Compact Digital Camera)はずいぶんと少なくなりましたが、デジ一とコンデジの中間の位置づけになる優れたカメラがだいぶ増えてきました。

セールスポイントは、高解像度と高光学倍率です。今使っているカメラはこれ。基本的にsony信者なので、カメラもCybershotの今年の春モデルです。DSC-HX50Vという機種ですが、画素数は2000万画素で、これだけでもびっくりもの。

しかし、一番の売りは光学ズームが、何と、何とですね、30倍なんです。これは通常の35mm一眼レフカメラで換算すると720mm相当ということで、ものすごい超望遠撮影が可能ということです。一応デジタル処理で60倍ズームも可能ということになっていますが、これはおまけみたいなもの。

しかも、手ぶれ補正機構の進化がすごくて、手持ちで光学30倍のズームにしてもほとんどぶれないというのが驚異的。動画撮影もフルHDが可能で、録画時間もメモリーカードの限界まで可能でほぼ無制限と言ってもいいかもしれません。

ポケットに入れて持ち歩くには、ちょっと大きすぎるのですが、カバンに入れるにはまったく問題になりません。現状では、スマホ+コンデジが自分のデジタルライフの定番スタイルになっています。

2013年8月29日木曜日

冶一郎のバウムクーヘン

去年くらいから、巷でブームになっているものの一つがバームクーヘン。古くから日本人には馴染みのあるお菓子・・・今時はスイーツと呼ばれるもの。

いったんブームが起こると、ピンからキリまで注目されて、平常時なら見向きもされないものが持ち上げられたりするものです。

バームクーヘンは、もともと誰でも口にした事があって、こんな味がスタンダードというイメージが出来ているものです。それだけに、味の違いは比較的わかりやすい。

柔らかくするだけで絶品、甘さを控えるだけで絶品、卵を増やすだけで絶品・・・など、安易に持ち上げることが多いのですが、やはり基本を抑えておかないと多くはブームの衰退と共に消えていくでしょう。

さて、このバームクーヘンはどうでしょうか。冶一郎のバームクーヘンは、川崎ラゾーナや横浜ららぽーとなどで並んで手に入る人気商品。もともとは、浜松のパン屋さんが始めたお店。

濃厚な味は卵でしょぅか。周りの砂糖は多すぎず少なすぎず。焼きすぎにならないぎりぎりで、しっとり感を残す。バームクーヘンの基本的な味はおさえ、全体にこくある味が人気なのではないかと。

ブームは数年で落ち着くでしょうが、来年になっても生き残るかどうか、水面下のバトルが大変です。

2013年8月28日水曜日

天地始粛

処暑(しょしょ)の次候で、今日からは天地始粛。

処暑が暑気退かんとするということで、確かにこの何日かはけっこう涼しくなってきた感じでした。特に朝は20度近くまで下がって、ひんやりとしてすごしやすくなったような。

その上、さらに天地始粛で「てんちはじめてさむし」と読むんですから、もう夏よサヨナラ、秋風よコンニチワと行きたいところ。

しかし、そうは問屋がおろさない。ちょっと涼しくして油断させておいて、まだまだ昼間の暑さは厳しいものがあります。

2013年8月27日火曜日

スマホはブラックホール

国内TVゲームメーカーの総出荷額は2007年にピークで、以後減少に転じ昨年はピーク時の半分以下となったということです。

こういう傾向は、TVゲームに限らない。コンパクト・デジタルカメラもどんどん現象していて、ビデオ・カメラも同様の傾向にあるそうです。また携帯型の音楽プレイヤーやナビゲーション・システムなども、この数年減る一方。

簡便に携帯できるデジタル機器の多くが売れなくなっているわけで、その理由はまさにスマートフォンの市場拡大に尽きるということらしい。

携帯電話機も昨日が拡大して「ガラケー(ガラパゴス携帯)」と呼ばれるようになって、何でもできるようになりましたが、それぞれの機能にはかなり限界がありました。

ところが、スマートフォンは基本はパソコンと同じ。画面に表示できる情報量は格段と多くなり、また量的にも質的にも内容も飛躍的に増えました。

それに伴い、スマートフォンはブラックホールのように、携帯型デジタル機器の機能を吸収してきたわけで、それは個人のパソコン・ユーザーにまで拡大していく勢いです。

実際、自分も仕事の上で使用しているパソコンの機能を除けば、スマートフォンで大半が足りてしまうという状況があることは間違いありません。

マイクロソフトは、昨年Windows8を発売し、ある意味デスクトップ・ユーザーを切り捨てるという「大英断」を行ったわけですが、この事情の裏には現在のデジタル市場への予想があってのことならば(成功とは言い難いのですが)先見の明があったということかもしれません。



2013年8月26日月曜日

神の子 マー君

楽天のマー君、田中将大がすごい。

なにしろ、今シーズンは負け無しの18連勝。去年から、連続で22連勝というのですから、もう平成プロ野球としてはバケモノ状態。

昭和の時代なら、最多勝利投手といえば年間20勝以上というのが最低ラインみたいなところでした。しかし、平成になってからは20勝を超える人はきわめて少ない。

過去に遡ってみてみると、20勝越えは、2008年の岩隈(楽天)の21勝、2003年の井上慶(阪神)の20勝、斉藤和巳(ダイエー)の20勝、1999年の上原浩二(巨人)の20勝、1990年の斉藤雅樹(巨人)の20勝、1989年の西本聖(中日)と斉藤(巨人)の20勝というところ。

今時のプロ野球では20勝を超えるのはいかに大変かよくわかります。今年は、田中はあと5回くらい当番の機会があるでしょぅから、全勝すれば23勝くらいまでいけるかもしれません。

しかし、あまり話題になっていないのですが、もっと凄いのは防御率。これは、ここまで 1.15 という、これまた大変な数字を出しています。

なにしろ、楽天は少なくても2点取れば勝てるということ。楽天はここまで、一試合あたりの得点は4.3ですから、田中が出ればチーム全体のムードは良くなるのは当たり前。

がばれ、マー君!!

2013年8月25日日曜日

Neumann / Dvorak Symphonic Works

ドヴォルザーク(1841-1904)はチェコを代表する作曲家であるとこは、今さら言うまでもありません。ドボルザークと簡単に書く場合もあり、英語表記だと Dvorak ですが、正しくは Dvořák。これを発音に近い形でカタカナ表記すると、ドヴォジャークとなる。ヨーロッパの人の名前は難しい。

音楽史の中では、 後期ロマン派、チェコの国民学派の代表という位置づけ。最も有名なのは「新世界(交響曲第9番)」でしょう。日本の普通の音楽教育を受けていれば、たぶん小学生でも知っているクラシックの一つ。

国民学派と呼ばれる音楽は、口で説明するのはなかなか難しいのですが、一聴して古典派のものとは雰囲気が違うものです。もともとクラシック音楽と呼ばれるものは、主としてキリスト教文化から派生したものであり、大多数の日本人からは異質な部分が少なくない。

特にロシアから東欧諸国出身の国民楽派作曲家の場合、いわゆるボヘミアの大地に根付いた伝統的な楽想が特徴と説明されます。ロシアのグリンカ、ムソルグスキー、ボロディン、チェコのドヴォルザーク、スメタナ、ヤナーチェク、マルティヌー、ハンガリーのコダーイ、バルトーク、ポーランドのシマノフスキーなどの名前が思い浮かびます。

ボヘミアの大地の音楽というのは、日本で言うと歌謡曲のような感じとでも言いましょうか。非常にとっつきやすい、親しみの持てるメロディ。新世界の第2楽章から取られた唱歌「家路」は、まさにその象徴かもしれません。

堀内敬三の作詞で歌われる、
 遠き山に 日は落ちて 星は空を ちりばめぬ
 きょうのわざを なし終えて 心軽く 安らえば
 風は涼し この夕べ いざや 楽しき まどいせん まどいせん

自分の卒業した小学校では、午後5時になると下校の音楽として毎日流されていました。この哀愁に満ちた素朴なメロディは、もともと日本の曲と言われても何の不思議がないくらいで、家路とか故郷という言葉を連想するのにふさわしいやさしさにあふれています。

ヨーロッパからアメリカに渡って、目覚しい文化的な発展をとげる新しい国を「新世界」とした一方で、故郷の豊かな自然の香りを対比させたかった意図が入っているのだろうと言われています。

CDでは名盤と呼ばれるものは数多くあるようですが、さすがにお膝元のチェコ出身の演奏家によるものがベストでしょう。ラファエル・クーベリック指揮のベルリンフィルの交響曲全集は、代表的なものと言えます。

しかし、せっかく国民学派というくらいですから、すべてチェコでかためた演奏というなら、ヴァーツラフ・ノイマン指揮のチェコフィルによるものを決定盤としたい。このコンビは50年以上の歴史があり、カラヤン+ベルリンフィルみたいな感じで、完成されたコンビネーションは素晴らしい。

交響曲全集は3回作られているのですが、1968~1973年に録音された最初の全集が内容的に最も評価が高いのではないてしょぅか。音質的にも優秀で、古くても何ら問題はありません。

チェコのレコード会社のSupraphonは、この数年膨大な録音の中からチェコの演奏家による優秀な演奏をピックアップして、ドヴォルザークの全集にしようというボックスが登場しています。間違いのない演奏がそろった秀逸な企画であり、大変素晴らしい。

交響曲ボックスに選ばれたのが、ノイマンの最初の全集の音源で、交響詩や演奏会用序曲もあわせて収録されています。直接見たことが無いにもかかわらず、自然とボヘミアの大地というものが目の前に広がってくるような雄大な清涼感とでも言うような雰囲気が詰め込まれた名演を堪能してください。

2013年8月24日土曜日

THE DEEP (1977)

海洋物の映画というと、まぁ最近はカリブの海賊シリーズなんかが人気ですが、映画史上最大のヒットはスピルバーグ監督のJAWSシリーズかもしれません。

ただし、相手が相手ですから、なかなか見せない。つまり海の中のシーンはほとんどないわけで、海上での戦いが中心でした。

同じ原作者によるTHE DEEPは、本来はB級アクション物みたいなところがありますが、海の中のシーンが中心の海洋物アドベンチャーの隠れた一品。

監督はピター・イェーツ。スティーブ・マックイーンの「ブリット」が代表作ですが、病気で早くに引退してしまい、作品は多くありません。

主演はジャクリーン・ビセットとニック・ノルティで、バミューダでダイビングをしていて偶然宝物を見つけてしまい、ギャングに襲われる。ギャングは、「愛と青春の旅立ち」で鬼教官を熱演したルイス・ゴセット。ふたりを助ける世捨て人がロバート・ショーで、役どころとしては「ジョーズ」のときとかぶってきます。

なにしろ、始まっていきなりのジャクリーン・ビセットの「濡れたTシャツ」でのダイビング・シーンが色っぽい。もう、これだけ撮りたくて映画を作ったと言っても疑わないくらいのもの。ビセット32歳、もっとも美しかった頃のメモリアルです。

もっとも、色っぽいの最初の数シーンだけで、あとは平凡なアクション映画。映画で、冒頭に観客の興味を一気に引き込む手法としては大成功といえます。

特に何かを訴える映画でもないですし、夏に気楽に見るにはちょうどいい映画の一つということですが、水中シーンが多く、ダイビングやアクアリウムが好きな人には、けっこう楽しめるのでお奨めです。

☆☆☆★★

2013年8月23日金曜日

綿柎開

今日から暦は二十四節気で処暑、その初候で七十二候で綿柎開となります。

処暑は「しょしょ」で、暑さが退くという意味だそうですが、いやいやどうして。今年は猛暑、酷暑を通り越し、未体験ゾーンに突入している感じ。

綿柎開は「わたのはなしべひらく」と読みますが、柎(はなしべ)とは萼(がく)のことで、綿は7月頃に花を咲かせた後、しだいに萼が膨らんで、今頃はじけて中からワタが出てくるのだそうです。

これも見たことが無い。いやはや、日本人として今まで何を見てきたんだか。季節の移り変わりを、五感でしっかり感じることができるのは、日本人としての特権みたいなところがありますので、今後はどこかでしっかり行使していきたいものです。

それにしても、昔教わったのは日本は温帯。確かに昭和の日本は温帯地域にあって、夏は暑くても夕立があって涼しくなる。平成の日本は、もう熱帯地域としか言いようが無い。ゲリラ豪雨が暴れて、その後はもっと蒸し暑くなる。

日本は、いや地球はどうなっていくんだか。

2013年8月22日木曜日

高崎白衣大観音

たいてい簡略化して「高崎の観音」などと呼んでいますが、正確には群馬県高崎市にある高野山真言宗慈眼院の境内に建立された白衣大観音というのでそうです。

軽井沢に行くには、JR線で高崎から、あるいは関越自動車道で藤岡で降りて国道18号を通って、碓氷峠を越えていくというのが昭和のスタンダード。

いずれにしても、必ず高崎市内の小高い丘の上にそびえるでっかい観音像が目に入ってきて、確かに高崎を通過中ということが確認できたものです。

JRでは、峠の釜飯で有名な横川駅が、峠に登る入り口として馴染み深かったのですが、新幹線ができて、在来線が廃線となってしまいました。車の場合も上信越自動車道ができて、一般道を使う事がなくなった。

そうなると、観音像を見ることはほとんどなくなってしまいました。いつも遠目で見えていて、実際にそこまで行った事はありませんでしたが、見えなくなるとわざわざ行ってみたくなるものです。

近づいていくにしたがって、その大きさはさすがに目を見張るものがあります。 昭和11年に建立されたコンクリート製ということですから、それほど古いものではありません。高さは41.8mで、単純高さだけなら日本一の仏像といえそうです。

中に入る事ができて、胎内めぐりが可能。肩の高さまで登る事ができるので、小さな窓からは高崎市内が一望に出来ます。天候によっては東京も見えるらしい。是非、一度えっちらおっちら階段を登ってみるのもいいかもしれません。

2013年8月21日水曜日

プリンスショッピングプラザ


今時軽井沢に行く人の目的の一つ、というより最大の目的になっているのが、プリンスショッピングプラザでの買い物。

いわゆるアウトレット・モールとしては、古いほうで1995年にゴルフ場をつぶして作られました。少しずつ建物を増やしていて、今も来年開業予定の大規模な増築工事をしています。

JR軽井沢駅と連動して、アクセスがしやすいこともあり人気があり、もともとゴルフ場という広大な敷地の中は、もう歩き回るだけでも1日つぶれてしまうほどです。

特に女性にとっては、もう楽しくて楽しくてしょうがないという感じでしょう。しかし、買い物にあまり興味が無いものにとっては、けっこう辛い場所かもしれません。もう少し、時間を潰せる場所があるといいのですが、喫茶店などは多くはありません。

北西のはじにはボウリング場があったりしますので、ここでしばらく遊んでいるというのも一計かと思いますが、いずれにしても軽井沢まできて買い物三昧というのもいかがなものかと・・・

2013年8月20日火曜日

軽井沢タリアセン

"The Book of Taliesyn"は、1968年にDeep Purpleが発表した2枚目のアルバム。邦題は「詩人タリエシンの世界」となっていましたが、当時は"Black Night"がヒットする前で、サイケ・ロック・バンドの一つで、日本ではまだ知らない人が多かった。

当然、アルバムタイトルにもなっているタリエシンなんて、なんじゃそりゃ? 状態だったし、そもそもタリエシンが何かなんてことは誰も気にもかけなかったというのが本当だと思います。

今でこそ、ネットで簡単にタリエシンを検索できる。すると、タリエシンとは6世紀のウェールズの吟遊詩人で、本来はTaliesinと書くということが、すぐに調べられる。便利な世の中になったものです。

またケルト神話からも、芸術に関する知恵者の妖精の名前がタイエシン(タリアセン)であり、taliesin あるいは taliessin と綴るようです。

そのな縁があってか、軽井沢塩沢湖を囲む一帯がタリアセンという名前で呼ばれる観光スポットになっていると知っては気になってしかたがない。

自然を感じやすいように、できるだけ湖の柵などは作らず、鴨や鯉がいるすぐ横の木陰でゴロっとなって昼寝ができるような環境です。湖では大人げなく、久しぶりにボート遊びなんていうのもいいでしょう。

奥に行くとイングリッシュ・ローズ・ガーデンがあり、たくさんの薔薇を見ることができます。8月だと二番花もだいたい終わってしまいますので、ちょっと寂しいところ。

ちいさな美術館が点在し、特にペイネ美術館では、たいへんなじみ深い愛らしい絵をたくさん見ることができます。

小さいお子さん連れには、ゴーカートとかパターゴルフなんていうお楽しみもあるようですから、けっこう一日楽しめる場所になっています。

餌を求めて大量の鯉が、口を開けて集まってくる様にびっくりしてみるのもいいものですね。

2013年8月19日月曜日

白糸の滝

クリニックは本日から通常診療をしています

 白糸の滝と呼ばれているのは、全国で何か所かあります。関東に住んでいると、だいたい静岡県富士宮市か軽井沢の二つが有名。

静岡の場合は、幅200m、高さ20mから富士山の雪解け水が落ちてくるわけで、景観としても日本を代表するものと言えます。富士山が世界文化遺産に登録されるにあたっては、その構成要素の一つに含まれているのだとか。

それに比べると、軽井沢の白糸の滝はだいぶ小さめ。幅70m、高さ3mですからしょうがない。しかも、きれいに水が落ちるように半人工的に地形をいじっているので、まったくの自然のものとは言い難い。

そけでも、軽井沢の数少ない自然の観光スポットの一つとしてははずせないところです。お世辞にも有料道路とはとても思えない白糸ハイランドウェイで軽井沢駅からまっすぐ上がっても、中軽井沢駅からまっすぐ上がってもいけるわけです。

旧三笠ホテルや鬼押し出しなどと一緒に半日くらい観光して回る定番観光ルート。旧軽やプリンスのモールもいいですが、せっかく来たからには少しは観光したいという向きにはお勧め。

夏の間はライトアップということで、なかなか幻想的な雰囲気を楽しめます(冬は凍った様子が楽しめるらしい)。しかも、夏休み時期限定で滝と周囲の森を使ったライティングショーをやっています。

これは今あちこちで行われて話題になっている、いわゆるプロジェクション・マッピングというもの。動物や魚が、滝の周りを動き回ります。ただし、ある程度の平たい面積がないところで、マッピングしてもあまり立体的な効果が少ないのは残念。

2013年8月18日日曜日

千住博美術館

千住博という方は、なんとなく芸術家の千住三兄妹の一人というくらいの認識しかなく、特に妹の千住真理子のバイオリンのCDは、けっこうデヴュー当時からいくつか持っていたりします。

長兄の博氏は現代日本画で、最も有名な一人。最近知ったのですが、自分と同い年。ということは、マイケル・ジャクソンとも同い年。しがない開業医と比べるのは失礼なほど、その世界では注目されているわけです。

浅学で日本画というと、東山魁夷くらいしか名前が出てこない。国宝にでもなりそうな画風しか思い浮かばないので、千住博の絵はそういう固定観念を覆すものかもしれません。日本画という技法の枠を使って、もっと自由な表現の拡大に成功したということでしょぅか。

特に滝を題材にしたものは数多くあり、墨の黒色と白金泥の白色とのコントラストが生み出す、水の流れ、落ちる音などの描出は見事です。似たような絵が多いのですが、一つ一つに個性が感じられます。

ただ、落ちた滝壺の絵が多い。水しぶきの混乱はドラマチックなのかもしれませんが、これは、ある意味終焉です。自分としてはこれから落ち始める滝のスタート地点の方が、この後の想像力をかきたてられて面白みを感じる。

軽井沢には常設展示をしている美術館がありますので、興味をお持ちの方は是非一度立ち寄ってみるとよいと思います。また、絵画、あるいは日本画に興味のない方も、ちょっとした発見があったりして面白いのではないでしょぅか。

2013年8月17日土曜日

蒙霧升降

今日から暦では、二十四節季の立秋の末候になり、七十二候だと蒙霧升降。いつものことながら、まったく何と読むのかわからなかったのですが、「ふかききりまとう」と読むのだそうです。

日没後の気温が下がって、空気中の気体化していた水分が液体状の微粒子になる・・・ということなんでしょうか。朝晩に霧が立ち込めることが多くなってくる頃ということなんでしょう。

今年は8月になってから猛暑が続いており、夜の間もほとんど気温が下がらずエアコンを切る間がなかなかありません。それでも、今朝なんかは比較的涼しくなった方かもしれません。

真夏には怪談は付き物ですが、夏山の深い森で暗くなってきて霧が深く立ち込めるなんていうのは、かっこうの舞台だったりします。虫の鳴き声も、蝉から鈴虫に選手交代。だんだん秋が近寄ってくる感じが欲しくなってきます。

2013年8月16日金曜日

鶏味座 @ 塩沢湖

鶏味座(とりみくら)は東京・青山に本店がある焼き鳥や。軽井沢の塩沢の交差点の角にも、お店があるのですが、ほとんど道から見える看板が無いので、交差点のところと思っていてもけっこう見逃しやすい。

もともと青山だけあって、店構えも店内の雰囲気もおしゃれで、それよりも値段も青山価格という感じで、大吉(そこら中にある)の2倍以上、権八(あざみ野駅前)の5割り増しという、かなりお高めの店。

ただし、それだけの値段をだすだけの味は保証できる店です。ですから、いつも通う馴染みの店というわけにはいきませんが、とっておきの機会にはまた行きたくなる感じでしょうか。

まずは定番の味が鶏塩もつ煮。豚とかのもつ煮と違い、スープもおいしくいただけます。焼き鳥は、どれも美味しいのですが、特に上レバーはまさにフォアグラの焼き鳥で極上。いろいろある素揚げは、カリカリです。〆には卵かけご飯がおすすめ。

鶏専門店だけあって、親子丼も強力なお奨めメニューですが、親子丼で有名なのがogoosoという店。国道18号沿い、軽井沢高校の近く。

SUPER親子は、しっかりと焼いた地鶏を、たっぷりの卵でふわふわにとじた看板メニュー。


なお、かなりユニークな店員さんがいて、 付け合せの鶏がらスープの替わりにお風呂につかる目玉親父をだしてくれ・・・いやいや、もちろん後からちゃんと飲めるスープがでてきましたけど。めちゃめちゃ美味しかったんですが・・・ただ、1600円はちょい高すぎ。

2013年8月15日木曜日

ミカドコーヒー @ 旧軽井沢

軽井沢と言えば、まさに旧軽井沢銀座が中心。この時期、原宿の竹下通りも真っ青の賑わいになります。

学生のときは硬式テニス部に在籍していたので、ほぼ毎年のように夏の合宿は軽井沢でした。昼間汗を流して、暗くなると旧軽に繰り出すので定例で、当時も旧軽銀座はずいぶんと人が多かったわけです。

当時は、まだ上信越自動車道はできていませんでした。さすがに中仙道(国道18号)ではなく、碓井バイパスをえっちらおっちら登っていくと、神奈川からだいたい5~6時間。今は半分近い時間で行けます。

旧軽銀座の中では、モダンな店や古めかしさを生かした店がたくさんあるわけですが、自分にとっては今も昔もシンボル的なお店がミカドコーヒー。もともとは東京にあるコーヒー小売業者で、旧軽にあるのはその直営店。

ちょうど自分が軽井沢に行き始めた頃に、今の場所に移転したらしい。木造2階建ての特徴のある店構えで、2階が喫茶店になっていて、特に銀座側はテラスになっています。

このテラスでコーヒーを飲んでいると、下を通る仲間を見つけたり、あるいは見つけられたりするわけです。「おーい、どこ行くの?」とか、「あそこ行ったか?」とか、上下で会話をしていると、いっぱしの旧軽フリークになった気分になります。

もうその頃から30年がたちましたが、今も変わらずに入り口では名物のモカソフトが人気。軽井沢にきたら、一度はここでコーヒーを飲みたくなるわけです。

2013年8月14日水曜日

かぎもとや @ 中軽井沢

ふだんは近所の更科の蕎麦屋、比較的細麺で二八くらいのそばでしょうか、がお気に入り。今回は軽井沢では知らぬ人がいないくらい有名なかぎもとや(鍵本屋)、その本店に行ってきました。中軽井沢の派手ではないおしゃれな駅舎のすぐ目の前。

入り口はよくある、昔ながらのお蕎麦屋さんという風情。中に入ると、これもまた古いお店だと実感できる感じ。壁にこの店を気に入った有名人のサインがたくさん飾ってあります。特に作家吉川英治や、石原裕次郎の写真が大きく飾ってあったのが、何とも誇らしげで、見ていて楽しい。

初心者向けという口コミのもみじセットを注文しました。いかにも手打ちという感じの十割そばです。それでも、ボソボソ感はなく、しっかりとした蕎麦の味と食感があり、なるほどこれは旨い。何度も食べたくなるのがよくわかる。

もみじセットにはたくさんの天ぷらがついてくるのですが、これもまた美味しい。さらにすごいのは、けんちん汁がセットになっていること。

けんちん汁は、白味噌仕立てで、関東あたりで普通に口にする澄まし汁的なものとは、一味違う。しかも、野菜がごろごろ入っていて、これだけでもお腹が足りてしまう勢いです。

ざる蕎麦は大ざるにも変更できますが、いやいや普通でも十分な量だと思いますよ。

2013年8月13日火曜日

読書感想文

夏休みの宿題というと、小学生は絵日記とかは定番。そんな毎日書くなんて、ブログじゃあるまいし、そりゃ大変でしょう。本文はともかま、一番大変なのが天気。夏休みの終わりになると、今も昔も気象庁への問い合わせがどんどん増えてくるのは同じ。

中学生になると、読書感想文なんてものがよく出てきて、これがまた大変。だいたい純文学のタイトル数点を読んで来い、その上400字詰め原稿用紙4枚の感想文を書けなんて。

普段から、本を読むわけでもなく、また推理小説ならいざしらず、歴史上の文豪の作品を読めといわれてもなかなか気持ちが乗ってくるものではありません。

今時は、よく活字離れと言う様に、メディアの多様化によって本を読む事がますます減っているような時代ですから、そんな宿題を出された生徒さんたちはさぞかし大変じゃないかと同情します。

まぁ、とりあえず助かるのは対象となる図書はたいてい、岩波文庫とか新潮文庫に収載されている古典的名作であったりすることが多いこと。文庫には、普通なら有っても無くてもいいような解説が必ずついてくる。

読書感想文は、あくまでも個人の感想ですから、読んだ後の気持ちをひたすら書けばいい。そこで便利なのが、この文庫の解説というもの。

まず最初の数ページだけは、眠気が襲うまで頑張って読む。もう無理、と思ったら、いっきに最後の解説へ。これで、だいたいは何とかなるものです。正しい姿勢ではないけれど、それも一つの感想ですから、その気になれば一日で何冊分かの宿題が片付くというものです。

そんなことをして夏休みの宿題を乗り切ってきたわけですが、実は今となっては後悔していたりします。いやぁ、やはり名作小説くらいは常識としてちゃんと一度は読んでおくべきだったと。

それが直接に生活に役立つわけではないかもしれませんが、そういう文化的な部分が日常の中で気持ちを豊かにしてくれることに、大人になってから気がつくものなんですよね。

2013年8月12日月曜日

寒蝉鳴

寒蝉鳴と書いて、ひぐらしなく。

二十四孝で立秋、その次候は七十二候で寒蝉鳴です。夏の始めは蝉の声は、圧倒的にあぶら蝉。みーん、みーんと鳴いて、たくさん集まって蝉時雨になります。

今年は、どうでしょう、比較的蝉はしっかり鳴いているように思います。近くだと都筑中央公園あたりでは、けっこううるさいくらいに鳴いている。

ヒグラシは、普通は文字で書くとカナカナカナと鳴く。いつ頃から鳴くんでしょうか、実際のところあまり気にしたことがない。

けっこう早くから鳴くみたいですから、今聞こえている蝉時雨の中には、きっと混ざっているんでしょうね。

暦の上では、過ぎ行く夏を謳いあげるヒグラシというところですが、いやいやまだまだ夏真っ盛りですね。

2013年8月11日日曜日

家族旅行

こどもの頃は夏休みになると、家族旅行というのが一度はあって、いろいろ楽しいことがありました。ただ自分が中学生以降は、あまりそういう記憶は無くて、自分の夏休みの予定が優先していたんでしょうかね。

自分の父親は自動車の運転免許は持っていなかったので、旅行というと当然列車。もっとも、昭和の時代にはそれが普通でしたし、マイカーを持っていない人の方が多かったと思います。

実は、あまりどこに連れて行ってもらったかは記憶が曖昧で、どうもはっきりしない。とりあえず最初に思い出したのが、渋川温泉。

普通渋川というと伊香保温泉でしょうが、伊香保温泉に行ったという記憶がまったくない。渋川温泉に行ったというところからすると、なんかごたわりの理由があったのかもしれません。蓼科にも渋川温泉というのがありますが、明らかにここじゃない。

何故かと言うと、その続きで草津温泉、さらに浅間山に行ったんです。渋川温泉から行くと、吾妻線の列車で草津にでたんでしょぅか。町の中に温泉のたまりがあって、もうもうと湯気が立ち、硫黄の匂いがぷんぷんしていたのが印象的。

そこから浅間山は南下すればいいのですが、これは線路がない。自動車道のみですから、まさかタクシーはないと思うので、バスを利用したんでしょう。

そこらあたりからは、まったく記憶が蘇ってこないので想像するしかないのですが、当然浅間山からさらに南下すれば軽井沢。まぁ、ここまで来て軽井沢を素通りすることはないでしょうから、きっと少しは滞在したんじゃないかと。

今から考えると、3泊程度の旅行だったのかもしれません。少なくとも、ほとんど忘れてしまった思い出の中でも、記憶に残っている方ですから、きっと楽しかったのかなぁと思ったりします。

間違いなく言えることは、今も昔も、父親は夏休みには家族サービスに忙しいということ。うちのこどもたちは大きくなって、みんなバラバラにいろんなことをしていますが、世の中のお父さんたちはがんばりましょう。

2013年8月10日土曜日

オスロで叫んで氷河とフィヨルド

ストックホルムをちょっとだけ観光した後は、今回の目玉、いよいよ永久氷河を巡る旅に出発。ストックホルムから飛行機でノルウェイの首都オスロへと渡ります。

まずはオスロ市内観光、と言っても印象に残っているのは美術館だけ。オスロ国立美術館に出かけていったのは、もちろんムンクの「叫び」があるから。いくつかバージョンがある中で、もっとも有名な油彩の「叫び」がこれ。

そこの角の裏っかわにあると思って、廻ってみたら何ともあっけなく飾ってありました。思ったより小さめ。触ろうと思えば手が届きそうな感じでした。この数年後に盗難に合うのですが、そりゃ盗まれるでしょう。

その後、道中を一緒にしている4人でレンタカーを借りました。ボルボのマニュアル車。左ハンドルで、久しぶりのマニュアルというのは、最初は緊張しましたがすぐに慣れて、交代で目指すのは約300km西にある港町ベルゲンです。

途中で山を越えていくわけですが、まさにこの山のてっぺんが永久氷河というわけです。とてもきれいな青い氷の塊が山肌を覆っていて、ところどころに透明度の高い池ができている感じです。地球上で、最も美しい光景の一つである事は間違いない。

この氷河から溶け出した水が山を削って、ごつごつした深い絶壁をたくさん形成したのがフィヨルドです。下りは、このフィヨルドのせまる岩肌を縫うように一気にくねくね道を降りる感じです。そういう閉塞感が。ムンクを叫ばせたというのも理解できるというところ。

港町ベルゲンにつくと、もうご馳走は海の幸一色です。いやもう、何を食べても旨いなんてものじゃない。大満足続きで、北欧めぐりは終了です。

ベルゲンからは、空路でデンマークのコペンハーゲン。そのまま成田行きに乗り換えて帰国したわけで、そりゃもう仕事をする気がしばらく出なかったのは言うまでもありません。

2013年8月9日金曜日

ストックホルムとLEGO

ヘルシンキでの学会が終わって・・・さぁ、あと1週間は「楽しい」オマケの旅行。そこで、フィンランドといえば北欧。バルト三国を巡るというのが、順当な旅。

そこで、隣のスウェーデンに飛行機で移動。こちらも、首都ストックホルムの街並みはヘルシンキと同じで、古い感じがあるものの、ややこちらの方が近代的。

王制の国で、国王は町の真ん中に住んでいるらしい。その王様の住居では、イギリスみたいに衛兵の交替式が見られました。なかなか面白い。

ストックホルムは、実はジャズが盛んで、スウェーデン出身の世界的に有名なジャズ・ミュージシャンも少なくない。「懐かしのストックホルム(Dear Old Stockholm)」というスタンダードもあるくらい。

ジャズ好きとしては、本当はこのあたりを掘り下げてみたかったのですが、ここでも言葉の壁がありますし、一人勝手に動くわけにもいかず断念。

あとはデパートに行ってショッピング。もっぱらとーちゃんが遊んでいる間、家で待っている家族へのおみやげ選び。そこで買ったのが立派なお皿のセット。以前に紹介した事があるのですが、これは今でもとっときの食器として時々使用しています。

こども向けには・・・いろいろナチュラルな玩具も豊富に展示とてありますが、北欧といえばLEGO。今さらいうまでもなく、もとはデンマーク発祥の世界中で愛されているブロック玩具。

少しでも地元に近いので、さぞかし安いかと思ったのは甘かった。まぁ、確かに日本で買うよりは安いのですが、ちょっと面白そうなセットとなるとけっこうな値段になっています。

結局数種類を2万円程度で購入して、日本に発送しました。あとで、日本での価格を調べたら1.5倍程度の価格だったでしょうか。


2013年8月8日木曜日

ヘルシンキからソビエト国境

国際学会というのは、大学にいると遊びに行ける・・・いやいや、勉強にいけるいい機会で、通常行って帰って1週間は仕事を大っぴらに休める・・・いやいや、1週間も診療をしないと仕事がたまって大変なんです。

夏休みシーズンには、休みもくっつけて2週間くらい外国に行けるというのはなかなか無い機会なので、正直嬉しいものでした。今の開業医の生活では、まったくもって無理な話ですけど。

パリに行ったときは、自分は入院ベッド調整の係りをしていて、長く空けることができませんでしたので6日間。一緒に行った仲間は、パリのあとでロンドンなどで遊んで2週間でかけていました。一人でシャルル・ドゴール空港に行って帰ってくるのはずいぶんと寂しかったわけです。

その後、もう一度国際学会に行くことになって、目的地はフィンランド。首都のヘルシンキです。子の時は、うまいこと2週間の期間が確保できて、ずいぶんとオマケの楽しみもついてきました。

かもめ食堂よりだい前の話ですから、まだあまりヘルシンキで何を楽しむというのもよくわかりません。北のほうに行けば、ムーミンの故郷があるとか、サンタクロースが住んでいるとか、場合によってはオーロラが見れるとか・・・

ヘルシンキの市内は、何となく歴史と伝統を感じられ、派手さはなく落ち着いた街並みという印象でした。さすがにフィンランドの言葉は、まったくわからない。そもそも通常のアルファベット以外の文字も出てきて、なんて発音するかもわからない。

こういう時に、腹ごしらえするのに便利なのが、世界共通のマクドナルド。何もフィンランドまで来てマックというのは寂しい話ですが、とりあえず注文は間違いなく出来るし、そもそも味も確実ですからね。

印象に残っているのは、仲間とレンタカーを借りて国境に行った事。日本には国境というものが地面にありませんから、一度見てみようということになったわけです。

ヘルシンキから整備された道路を東にひたすら走る。これがまた、つまらない。すぐ市街地を出て、あとはひたすら閑散とした寒々とした大地が広がっているだけ。確か2時間近く、ほとんど変化の無い風景を走るだけ。

たどり着いたのが ソビエト連邦との国境。高速道路の料金所みたいなところでした。ただし違うのは、高い金網が周囲に設置されていて、確実にこっちと向こうを隔離している。ベルリンの壁が崩壊する前で、東西冷戦時代ですから、あちこちに兵士がいて銃をもっています。

なるほど、国境というのはこういうものかと。なかなかの緊張感です。もちろんソビエトに入国する予定はまったくありませんから、そのままUターンして、またひたすら同じ景色を見ながら帰ってきました。

2013年8月7日水曜日

涼風至

今日はジメジメむしむしからやっと解放された・・・と思ったら、再び真夏が戻ってきた。

そんな中で、何ですが・・・今日は立秋です。秋です。涼しげです・・・暦だけは。立秋は二十四孝での呼び方で、その初候は七十二候で言うと「涼風至(すずかぜいたる)」になります。


さすがに、これはないわ。8月初旬で涼風が吹くということは、今の気候ではありえない。 秋の気配を感じるのは、もう2週間くらいたってからでしょぅか。

秋の気配はオフコースの唄。だんだん彼女から離れていく、男の気持ちを歌っています。なんてことは、暦とは関係ありませんがね。

2013年8月6日火曜日

フランス古城でディナー

フランス革命はバスチーユの牢獄事件から始まった・・・というのが歴史の話。バスチーユといわれても、日本人としてはピンとこない。フランスのどっかかな、くらいしか思わないのですが、当時のパリの街の端っこなんですね。

昔、一度だけ学会でパリに行った時に宿泊したのが、バスチーユ広場にあるホテルでした。パリのど真ん中を通るシャンゼリゼ通りの東の端がバスチーユ。そこから、まっすぐ西に向かっていくと、エッフェル塔やルーブル美術館があって、凱旋門を過ぎるとだいたいおしまい。

凱旋門を越えた先に国際会議場があって、まぁ言ってみればパリの中心部の端から端まで学会の間行ったり来たりしていたわけです。もっと会議場に近い場所に宿をとれば、楽チンだったんでしょぅが、何しろ値段が・・・

学会のオプションツアーで、一つだけ参加をしたものがありました。フランス郊外の古城で楽しむディナー、ってんでさぞかし、豪華絢爛たる中世のお城みたいなところで夕飯が食べれるものと思っていたら大間違い。

会議場の前からバスに載せられて、いかにも田舎っぽいところに連れて行かれ、確かにお城がありました。おー、確かに城だと思い、ちょっと感動して中を見学。

さあ、ご飯だよというわけで、連れて行かれたのが厩。つまり馬を買っているところ。やたらとだだっぴろくて、そこへ参加者が全員並んで座れるようにテーブルが長く用意してある。

でもって、料理が出てくるのですが、日本の結婚式とかで出てくるようなフレンチ・フルコースと比べると、相当大雑把な料理でした。

いくらきれいにしても、本来厩ですからね。薄暗くて、壁とかも綺麗とはいえない。ほんのりとした、何ともいえない匂いも漂ってくるし、素直に喜ぶわけにはいきません。

それでも、またバスに乗せられてパリにもどったのですが、何と困ったのが会議場の前で解散。だって、宿はシャンゼリゼの反対の端ですよ。時計を見ると・・・午前2時ですから。

2013年8月5日月曜日

世界で最も短いフランス語講座

とにかく笑顔をたやすな

これがすべてです。

って、それだけじゃどうも・・・と思うかも知れませんが、日本人としては英語教育 - 中身の是非はともかく - しか受けてこないので、英語とはだいぶ雰囲気の違うフランス語については、大多数の人がまったくゼロの状態。

昔、学会でフランスに一度だけ行ったのですが、急場しのぎのフランス語を覚える時間もない。フランス人は、にこやかにしていればとても親切ということが、何かの旅行本に書いてありました。

ですから、とにかく困ったときは笑顔で「ボンジュール」と言えば、あとは何とかなる・・・というわけで、早速空港を出たときから、ひたすらボンジュール攻撃をしました。

ずいぶんとヘラヘラして日本人と思われたでしょう。さすがに、それだけでは寂しいので、せっかくフランスに行くのですから、シャンゼリゼ通りのカフェに入ってコーヒーくらいは飲んでみたい。

そこで、注文の仕方だけは調べてやってみました。

ここならと気に入ったカフェに入る。空いているテーブルを見つけたら、座って足を組む。
給仕と目を合わせる。(出来れば指をパチンっと鳴らして)大きな声で「ムッシュ!」と声をかける。
給仕が寄ってきたら、「ウン・カフェ、シルブプレ(コーヒーを一つお願いします)」と言う。
帰りは、チップを含めてテーブルにお金を置いてそのまま店から出る。

いゃぁ~、超気分いいですよ。是非、トライしてみてください。

2013年8月4日日曜日

サウンド・オブ・ミュージック (1965)

夏休みになると、だいたい各映画会社はこども向けの集客をねらったタイトルを上映します。昔も今も、そのあたりはそうそう変わるモンじゃない。

伝統的に東映はアニメ・・・昔はマンガ祭りと題して、オリジナル中心で勝負していました。東宝は、何と言ってもゴジラ。大映もガメラで対抗して、熾烈な争いをしていたわけです。自分は、どちらかと言うとガメラ派だったような。

松竹は、どうも印象に残っていない。80年代に機動戦士ガンダムでヒットしてからは、アニメ映画も多くなったようですが、それ以前は文芸作品が中心。軽いものは、ドリフターズとコント55号のシリーズくらいでしょうか。唯一作った怪獣ものので、「ギララ」は今でも怪獣メロドラマみたいに言われているらしい。

昔の事は置いておいて、今時では外国ものではディズニー、国産ならスタジオ・ジブリがこどもも安心して見れる定番アニメの二大巨頭というところでしょうか。

特にジブリのアニメは大人も鑑賞に堪えうる、というより本来は大人のため的な要素が多い良質なアニメで世界中にファンも多い。現在公開中の「風立ちぬ」は、興行成績を塗り替える大ヒットになっているようです。

こどもが小さかった頃には、映画館に足を運んだものですが、最近はまったくのパソコン鑑賞専門で、とてもとても映画好きとは言える立場ではありませんが、こどもに是非見せたい名作映画を一つ紹介しておきます。

1965年のアカデミー賞を総なめしたのが、「サウンド・オブ・ミュージック」でした。名匠ロバート・ワイズ監督、ジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画。

冒頭、雄大なアルプスの風景から、しだいに草原で楽しげに歌うアンドリュースのアップまで一気に近寄っていくシーン。まさに映画という感じのダイナミックな始まりで、場所とその時点の主人公の心情などが一気に伝わってきます。

しだいに戦争に巻き込まれていく家族の混乱を描くのですが、戦いの場面があるわけではなく、直接戦争に参加していないところでも多くの悲劇が生まれることを映画は伝えています。

もともとは実話に基づくのですが、戦争により愛するものを失う悲しみ、しだいに戦いを正義と信じてしまう業、どんなときでもやさしさを忘れない気持ちなどが、歌に乗せられて描かれます。

音楽は多くのジャズ・スタンダードを生み出したロジャース&ハマーシュタインのコンビが提供し、「ドレミの歌」、「私のお気に入り」などの名曲が並びます。

3時間近い映画ですが、けっして長い感じはしません。映画館で見るというわけにはいかないでしょうが、DVDやBlurayはずっと継続的に売られている名作ですから、まだ見ていない方は夏休みの間にお子さんと是非見てもらいたいと思います。

☆☆☆☆☆