国際学会というのは、大学にいると遊びに行ける・・・いやいや、勉強にいけるいい機会で、通常行って帰って1週間は仕事を大っぴらに休める・・・いやいや、1週間も診療をしないと仕事がたまって大変なんです。
夏休みシーズンには、休みもくっつけて2週間くらい外国に行けるというのはなかなか無い機会なので、正直嬉しいものでした。今の開業医の生活では、まったくもって無理な話ですけど。
パリに行ったときは、自分は入院ベッド調整の係りをしていて、長く空けることができませんでしたので6日間。一緒に行った仲間は、パリのあとでロンドンなどで遊んで2週間でかけていました。一人でシャルル・ドゴール空港に行って帰ってくるのはずいぶんと寂しかったわけです。
その後、もう一度国際学会に行くことになって、目的地はフィンランド。首都のヘルシンキです。子の時は、うまいこと2週間の期間が確保できて、ずいぶんとオマケの楽しみもついてきました。
かもめ食堂よりだい前の話ですから、まだあまりヘルシンキで何を楽しむというのもよくわかりません。北のほうに行けば、ムーミンの故郷があるとか、サンタクロースが住んでいるとか、場合によってはオーロラが見れるとか・・・
ヘルシンキの市内は、何となく歴史と伝統を感じられ、派手さはなく落ち着いた街並みという印象でした。さすがにフィンランドの言葉は、まったくわからない。そもそも通常のアルファベット以外の文字も出てきて、なんて発音するかもわからない。
こういう時に、腹ごしらえするのに便利なのが、世界共通のマクドナルド。何もフィンランドまで来てマックというのは寂しい話ですが、とりあえず注文は間違いなく出来るし、そもそも味も確実ですからね。
印象に残っているのは、仲間とレンタカーを借りて国境に行った事。日本には国境というものが地面にありませんから、一度見てみようということになったわけです。
ヘルシンキから整備された道路を東にひたすら走る。これがまた、つまらない。すぐ市街地を出て、あとはひたすら閑散とした寒々とした大地が広がっているだけ。確か2時間近く、ほとんど変化の無い風景を走るだけ。
たどり着いたのが ソビエト連邦との国境。高速道路の料金所みたいなところでした。ただし違うのは、高い金網が周囲に設置されていて、確実にこっちと向こうを隔離している。ベルリンの壁が崩壊する前で、東西冷戦時代ですから、あちこちに兵士がいて銃をもっています。
なるほど、国境というのはこういうものかと。なかなかの緊張感です。もちろんソビエトに入国する予定はまったくありませんから、そのままUターンして、またひたすら同じ景色を見ながら帰ってきました。