2019年4月30日火曜日

AKBAR @ たまプラーザ


いぜん、たまプラーザ東急SCの地下にあった、本格的・・・というより、たぶん本物のインドカレー料理を食べることができるということで人気のお店。

アクバルは、数年前に東急の改装などもあって、駅から離れた場所に移転しました。駅からは10分程度歩くしかない、駐車場もあまり無いこんな場所で大丈夫なのかと・・・久しぶりに行ってみると、そんな心配は無用であることがわかりました。

11時半前に店に入ったのですが、20席の半分は予約席でした。自分たちのあとから、次から次へと客が入って来て、あきらめて帰っていきました。しかも、食べ終わって外に出ると、外には10人近く待っている。

デパ地下の暗い感じからオープンな明るい店に変わり、イメージは良くなったようにもいます。

それにしても、ナンが大きい。食パンだと3枚分くらいはあろうかという大きさですが、実に美味しい。カレーソースとの相性も抜群です。

今日のカレーはキーマとココナッツです。ココナッツがたくさん入っても、当然ですが、やはりタイカレーとは違うんですよね。

2019年4月29日月曜日

ギター・ショップ


うぉ~、こんなところに来たのは何年振りだろうか・・・

少なくとも、平成になってからは初めてだろうと。

良く言えば物事への興味が尽きない、でも悪く言えば何事にも手を出すけど中途半端な自分としては、高校生の頃はロック・バンド小僧だったわけで、ギターも憧れの楽器でした。

でも、人に聞かせるほどの腕もなく、過ぎ去る日々の中でどんどん指は動かなくなっていきました。

去年は、物は試しとバイオリンを初めてみた・・・んですが、やはり自分の手には小さすぎて、とても窮屈で断念。やはり、ギターくらいがちょうどかなと思っていたんです。

と言って、いまさらフェンダーのストラトでギンギンにロック、というわけにもいかない。でも、何かこの曲線は美しいと思ってしまうのでした。

2019年4月28日日曜日

MARK X 終了


トヨタ自動車は、50年を超す伝統的な車種であるマークXの生産を、年内で終了すると発表しました。

昭和世代からすると、トヨタの自動車は

CROWN(1955~)、CORONA(1957~)、COLLORA(1966~)、CENTURY(1967~)、CARINA(1970~)、CELICA(1970~)・・・という具合で、Cから始まるネーミングになじみ深いものがありました。

クラウンは高級セダンとして、現在も主力車種として力が入っています。カローラは、自動車の大衆化に最も貢献したと言えますが、そのかわり「安っぽさ」とか「営業車」というイメージが付きまとい、何度も大幅なイメチェンを施してきました。

クラウンほど高くなく、カローラほど安くない、ほどほどの中流感が漂っていたのが、コロナとカリーナ。いずれも2001年に生産終了して消滅してしまいました。

コロナをスポーティに仕上げたバージョンとして、コロナ・マークⅡが発売されたのは1968年のこと。通常のコロナはやや格が下がり、マークⅡはクラウンに近づいた感じで、1984年の五代目からはコロナの冠が無くなり、単独でマークⅡと呼ばれました。

そして2004年に9代目を最後にマークⅡの名称を捨て、よりスポーティセダンとして大幅な刷新を行い、マークXと改称しました。しかし、トヨタはその後レクサスでの4ドア・セダン展開を強化したため、トヨタ・ブランドでのこのクラスの車の存在感が薄れてしまった感は否めません。

生産終了と共に、Final Editionという特別仕様車が発表されていますが、内容的には最新の車事情からすれば古臭さが漂うのは無理もない。とはいえ、昔からのファンからすれば消えてしまうのは残念でしょうね。

2019年4月27日土曜日

RAV4 復活


今年のトヨタ自動車の新しい話題としては、一番注目なのがRAV4(ラブ・フォー)の復活でしょうか。

RAV4は90年代のトレンドの一つで、それまでの四駆というごつごつした走りをするための頑丈さだけが売りの車というイメージを変えて、都会的にもオンロードを楽しむためのSUVの先駆けとなり、今どきの言葉だと元祖クロスオーバー車。かつてはキムタクがCMに登場し、オフロード走行とは無縁の女子にも、大いに受けました。

その後ホンダのCR-V、ニッサンのエクストレイルが登場し苦戦、2007年に三代目を最後にRAV4の名称は消滅し、クルーガー、あるいしヴァンガードを後継としましたが、これらも2013年までで販売終了。

国内と違って、欧米では人気が継続したため、2012年に海外でのみ四代目を発売。2016-17年のSUVの世界販売台数では一位になっています。そこで、2018年五代目の登場では、ついに国内向けを再開することになり、今月日本でもRAV4の名称が復活しました。

トヨタ・ブランドとしては、比較的オフロード向けのランドクルーザー、ランドクルーザー・プラド、そしてオンロード向けのハリアー、C-HRに続く5つめのSUVという位置づけです(ピックアップ・トラックのハイラックスを入れると6つめ)。

スタイリッシュな印象が強かった海外のみの販売だった四代目と比べると、デザイン的には後退感があり、2009年に販売終了したハイラックス・サーフに似た感じがします。初代のコンパクト性は売れ行き好調のC-HRに受け継がれているので、どうも立ち位置がわかりにくい。

とは言っても、消費手側の立場としては、選択肢が大いにひしたことはないので、RAV4の名称の復活は歓迎です。

2019年4月26日金曜日

くるみパンを作ってみた


長年使ってきたオーブンレンジが不調になったので、約20年ぶりに買い替えになりました。

基本的にチンするだけですが、今どきのスチーム機能があるもので選んだ機種は、たまたまベーカリー機能もついてきた。せっかくなので、パンを作ってみようという事です。

基本的には、食パンに準じます。

強力小麦粉 250g
砂糖 15g
塩 3g
無塩バター 12g
ドライイースト 3g
水 180ml

今回は、強力粉の10~20%をライ麦粉にして、すこししっとり感のある硬さも味わってみました。また、カロリー減らしのため、砂糖は12gです。

くるみパンというくらいですから、ここにくるみを入れますが、好きなだけいれればいいのですが、道具の関係でくるみは約60gを用意しました。ざっと切って、5mm大くらいのかけらにしてあります。

実際のところ、実に簡単で、これらをすべて容器にいれてセットしたら、あとはレンジのメニューからくるみパンを選んでスイッチ、ポンっ! として、95分間待っているだけ。

準備と合わせて、2時間足らずで、熱々の焼き立てパンの出来上がりです。普通に売っている一斤よりは少し小ぶりですが、何かパンを焼いた満足感は十二分にありました(もちろん、味もgoodです)。


2019年4月25日木曜日

図柄入りナンバープレート


海外の自動車のナンバープレートには、いろいろなデザインの物があったりして、アクセサリー的にも興味深いものがあったりします。

それに比べると、日本の物は味気ません。

いろいろと図柄入りのものが使われるようになり、特に地域ごとに、それぞれの特色を生かしたものは好評・・・らしい。

とはいっても、横浜は、そもそもありませんし、あるのもどうせやるならこのくらいというにはほど遠い。

地方以外にもイベントに関連した物もあるんですね。

この図柄は見たことが無いと思ってたら、実はこれはラグビーのワールドカップ仕様。

他にも2020のオリンピック仕様もあるんですね。

新車を買った場合以外でも、現状の番号は同じですが、図柄入りに交換することが可能のようです。

料金は、だいたい7000~10000円程度かかるようです。光るタイプはありません。

まぁ、どうやったって、それほどかっこよくはなりません。

2019年4月24日水曜日

FORD


フォードはアメリカの代表的な自動車企業の一つ。1903年にヘンリー・フォードが創業し、ベルトコンベアによる流れ作業を、世界で初めて20世紀初頭に導入したことで有名。

マスタング、トーラス、サンダーバード、エクスプローラ、リンカーンなどの車名が有名で、いい意味でも悪い意味でも「アメ車」ですね。

日本では平成になって、マツダを子会社化してフォード・ブランドを推進していましたが、平成28年に完全撤退し、国内のフォード社による正規ディーラーは現在無くなってしまいました。

現状では、新車を新たに購入するのは、よほどのファンでないと難しい状況ですが、70年代までのリンカーン・コンチネンタルは、いかにもアメリカン・ドリーム、アメリカン・グラフィティといった風情がありました。

2019年4月23日火曜日

HONDA


最近のホンダは、ファミリーカーが中心で、一番売れているFITに代表されるようなコンパクトさが目立っている印象。

・・・ですが、もともとモータースポーツにも積極的に参戦するメーカーですし、創業者の本田宗一郎は、自動車業界では伝説的な人物であり、日本の自動車エンジン開発をリードする人物でした。

スポーツ・タイプの車としてはNSXがあり、価格は驚きの2千400万円。さすがに、NSXを選択肢にできる人はそうそういるもんじゃない。

となると、ホンダでスポーツ車というと、CIVIC TYPE Rの一択になります。こちらは450万円からで、トヨタでいうと86みたいな位置づけなんでしょうか。ただし、2ドアくーぺではなく4ドアです。

面構えは丸みはあっても角がしっかりしていて、メカニックな印象が強くかっこいい。ガンダムに出てくる、モビルスーツの自動車版とでも言いたくなる感じです。

CIVICは、FITが登場する以前にホンダ車を牽引したブランドですし、しばらくは日本市場では消滅していました。ずっと復活待望論がありましたが、今はセダン、ハッチバックとともに、このTYPE Rなどがカタログに載っています。

ただし、CIVICは市民の英語から来ていることは明らかで、どたらかというと万人向けの標準的な車というイメージがあり、ここにスポーツ仕様を設定しても異端児的な感じがします。

何か別のネーミングを考えてもよかったんじゃないかというのは個人的意見ですけど、確かに運転してみたくはなるね。

2019年4月22日月曜日

LEXUS


レクサスと言えば、トヨタ自動車のプレミアム・ブランドです。そもそも、1989年に北米で、それまでの高級車に日本車らしい機能性と充実したアフターケアを組み合わせたブランドとしてスタートしました。

最初の車は4ドアセダンのLS400で、すぐに日本国内にもセルシオとしてトヨタのブランドで発売されています。また、同時に、すでに1987年に日本で発売されていたカムリ・プロミネントを、エントリー・モデルのES250として発売。

これまでのラインナップは以下の通り。
1989年 LS (現行5代目) トヨタではセルシオ
1989年 ES (現行7代目) トヨタではウィンダム
1991年 SC (2010年販売終了) トヨタではソアラ
1993年 GS (現行4代目) トヨタではアリスト
1996年 LX (現行3代目) トヨタではランドクルーザーシグナス
1998年 RX (現行4代目) トヨタではハリアー
1999年 IS (現行3代目) トヨタではアルテッツァ
2002年 GX (国内未発売) トヨタではランドクルーザープラド
2007年 IS F (2014年販売終了)
2009年 LFA (2012年販売終了)
2009年 HS (2018年販売終了)
2009年 IS C (2014年販売終了)
2011年 CT
2014年 RC F
2014年 RC
2014年 NX
2015 年GS F
2017年 LC
2018年 UX
2019年 LM (国内販売は未定) トヨタではヴェルファイア/アルファード

名称はアルファベット2文字とエンジン排気量などを組み合わせものが基本で、ハイブリッド車は最後にhが追加されます。また、+Fはスポーツ車として高度なチューニングが施されたもの。

2文字目は車種を表していて、Sはセダン、Cはクーペ、Xはクロスオーバー(SUV)に整理されました。また1文字がLがつくものは、その車種でのフラッグシップであることを意味します。

ですから現行のものについては、4ドア・セダンが、LS、GS F、GS、ES、ISの5種類。2ドア・クーペがLC、RC F、RCの3種類。クロスオーバーはLX、RX、NX、UXの4種類で、3代目プリウスから派生したCT200hを合わせて、13車種が国内で販売されていることになります。

Luxury(贅沢)なLexusであるLシリーズの価格は、さすがにびっくりします。最も高いのは、LCで1300~1400万円。そして、LSで1000~11000万円、LXで1200万円ですから、今どきのABCクラスのベンツの方が安いくらいです。

一番安いのはCT200hで380万円、そして昨年登場したUXが400~500万円という値段で、顧客の裾野を広げようとする戦略が見え隠れします。

この前、コンビニで普通にLCが停まっていて、思わず目を疑いました。隣のホンダのFITを余裕で6台買ってお釣りがきちゃう。う~ん、すごい。

2019年4月21日日曜日

サバイバル・ファミリー (2016)

東日本大震災を経験した後では、もはやこの話を荒唐無稽なコメディとは呼ぶことはできません。次に、もっと大きな何かが起こった時、生き残るための知恵がつまった教科書のような映画です。監督はフジテレビ系の矢口史康で、もともとは2003年のアメリカ大停電をヒントに綿密な調査をして脚本も自ら担当しています。

ちなみにアメリカ映画で1979年公開の同名タイトルの映画がありますが、これとはまったく無関係。あちらは、船で冒険旅行に出発して遭難、無人島に漂着してサバイバルをするという話。

鈴木義之(小日向文世)は、東京のマンションに住むごく普通の会社員。仕事優先で家族のためにひたすら働いているんだからと、家ではこどものことは妻にまかせきりで、自分は好きにしているという、ある意味よくある現代風のお父さん。しかも、薄くなった頭を部分かつらでごまかしている。

妻の光恵(深津絵里)は、専業主婦。非協力的な夫のことはあきらめて、家庭内のことをきりもりするありふれた生活。長男の賢司(泉澤祐希)は大学生で、長女の結衣(葵わかな)は高校1年生。家族ではあっても、実際にはけっこうばらばらな今どきの家庭です。

ある日の事、何の前触れもなくすべての人工的なエネルギーが使えなくなったことから物語が動きます。電気だけでなく、ガスもだめ。乾電池もだめ。自動車も含めて、あらゆる交通機関がストップし、情報も入ってこない。

会社に歩いていくしかなく、やっとたどり着いても仕事ができない父。料理や掃除ができず、エレベータが使えずマンションの階段を上り下りする母。ストリーミングの音楽が聴けない長男。スマホでSNSが使えない長女。今まで当たり前すぎて、できないと考えたことなどないことが、日常から消えてしまいました。

慌ててコンビニとかで、水や食料、ろうそくなどを買い込みますが、何日たっても回復する兆しがない。大阪から西は大丈夫らしいという噂が広がり、人々はこのままでは死を待つだけと考え、西に向かって移動し始めます。

鈴木一家も、できるだけの水と食料を持って自転車で、鹿児島の祖父のもとを目指して出発します。車のいない高速道路を自転車で移動していくと、雨に打たれ風にあおられ、SAで野宿、川の水で下痢という、様々な困難が降りかかってきます。

途中でこの状況の中楽しそうな斎藤一家(時任三郎、藤原紀香、大野拓朗、志尊淳)と遭遇します。彼らは、自然の中で生きていく術をけっこう知っている達人でした。フィルム式のカメラを持っていて、汚れて疲れて呆然としている一家の写真を撮ってくれました。

名古屋で斎藤一家と別れると、なんとか大坂に到着。ところが、東京と同じように完全停止した通天閣の下で、ついに大ゲンカが始まります。「大阪までいけば何とかなる、俺にまかせろって言ったのはお父さんじゃないか」とつめよるこどもたち。「親に向かってその口の利き方は何だ」、「偉そうなこと言っても何もできないじゃないか」、と言い合う間に割って入った光恵は、「いいかげにして。とっくにわかっていたでしょ!! お父さんはそういう人なんだから!!」と・・・

やっとのことで岡山まで来ましたが、田園地帯でついに力尽きそうになった一家の目の前に豚が現れます。全員で力を振り絞って何とか仕留めますが、そこへ飼い主の田中さん(大地康夫)が現れます。一家は田中さんの家にしばらく逗留し、逃げた豚の捕獲の手伝いをしながら、久しぶりにまともな食事にありつき、そして風呂に入ることができました。

田中さんから大量の豚肉の燻製をもらった一家は、再び鹿児島目指して出発しますが、川にたどり着くと橋がかかっていません。戻るにも戻れない状況で、義之はいかだを作り始めます。最初に光恵と結衣を乗せて対岸に渡し、今度は自転車を運ぼうとしますが、重さに耐えられなかったいかだがくずれ、義之は水中に消えてしまうのでした。

賢司は、岸に流れてきた義之のかつらを拾い上げ母に渡します。残された三人は、仕方がなく線路伝いに歩くしかありませんでした。しかし、今度は豚肉を狙った野犬に襲われ、光恵が崖を落ちて足を骨折してしまいます。

そこへ何と蒸気機関車が登場し、三人は乗り込むことができました。光恵は応急処置をしてもらい、「お父さんは?」と尋ねられ結衣は号泣するしかありませんでした。しかし、奇跡的に助かっていた義之が、発煙筒をたいたのを見つけ、何とか拾い上げ家族は再び揃うことになりました。光恵はかつらを義之に渡しますが、義之は列車の窓から棄てるのです。

4か月近くかけて、鹿児島の漁村にたどり着いた一家。祖父(柄本明)の家に滞在し、完全自給自足の生活を始めることになりました。それぞれが、しっかりとした役割を身に付け、村全体が家族のように協力しあって、それはそれで楽しい生活が2年半続きます。

ある朝、不思議な音に気がついた義之は、外の物置の中で鳴りだした目覚まし時計を発見します。続いて、村の放送用のサイレンが鳴りだして、村人全員が起きだしてきます。全員が、いったい何が起こったのだろうという・・・それは、一斉にエネルギーが使えなくなったあの日と同じ反応でした。

結局、停電の間の記録が何も無いため、原因は不明ですが、この現象は世界中でおきていたことで、太陽フレアの影響であろうと想像されました。東京に戻った一家は、また元の生活を再開しますが以前とは違います。義之は通勤に自転車を使い、光恵は魚をさばけるようになり、賢司は自らギターを持ち歩き、結衣も手芸をしています。そこへ一通の手紙が届き、中には斎藤さんに撮ってもらったあの時の写真が入っていました。

初めは電気が使えないことによるコメディに笑いますが、実際に大震災を経験・・・とは言っても、被害地域の一番端っこですけど、いろいろな制約を受けた生活をしてみると、こういうことができないんだとか、こういうことが必要なんだとか、そしてこうすれば生きていけるんだと思わず納得することばかりです。

それを感じさせるのが、徹底したリアリティを追求した映画作りが元になっていることは明らかです。そのために、オール・ロケ、CGなしで作られ、俳優陣も相当過酷な演技を強いられたようです。

さすがに東名高速は無理だったようですが、地方の道路を実際に通行止めにしての撮影はすごい。ゴミが散乱し誰もいない都会の様子なども、相当頑張っていると思いました。また、意図的に感情をコントロールできる音楽がほとんど使われていないことに驚きます。見たままに感じて欲しいという監督の意図が、そういうところにはっきりしているのです。

自分もそうなりそうな悲惨なサバイバル生活で、光が見えない重苦しい展開のはずですが、一家をリードする父親として義之が成長していく姿、そしてバラバラだった家族がまとまっていく過程が映画全体のバランスをうまく保っています。

そしてラスト。電気が復旧した時、一気に喜びを爆発させる・・・と思いきや、意外と不安げな表情をするところは、実にうまい演出です。村で自然と共生して生きていくことに、大きな喜びを知った一家にとって、これからどうなるのかという逆の不安がよぎってくるのです。

でも、そのまま漁村での生活を続けるのではなく、あっさりと東京に戻るというのは現実的。いや、そういう生活しか選べない現代人の不幸なのかもしれません。写真に写った一家の姿は、まさに自然を無視してきた人間のエゴの象徴ですし、そして明日の自分の姿かもしれません。

2019年4月20日土曜日

東京タワー、オカンとボクと、時々オトン (2007)

リリー・フランキーの自伝的小説を原作とし、公開当時大ヒットした松岡錠司監督による映画。

ただし同年の賞レースでは、「それでもボクはやっていない(周防正行監督)」があらかたの賞をかっさらったにもかかわらず、日本アカデミー賞だけは、こっちの作品に五冠を与えました。

それまでの日本アカデミー賞は、大手映画会社やテレビ局の持ち回り組織票による出来レースと噂されていました。最優秀主演女優賞に輝いた樹木希林は、痛烈に審査結果を批判して物議をかもしました。

ただし、それは別として、それぞれの俳優陣の演技が輝いて、作品として上々の出来であることは間違いありません。この作品によって、リリー・フランキーが世間に知られる存在になったことも忘れてはいけません。

リリー・フランキーは、本名は中川雅也といい、昭和38年、福岡県北九州市小倉で生まれ中学卒業までを福岡県宮若市、高校から大分県別府市で一人暮らしをしました。大学は東京に出て、武蔵野美術大学を5年かけて卒業。

絵を描くだけでは食べていけないので、何でも仕事はしたようで、その中でエッセイを書いたり音楽活動をしたりして、20代後半から徐々に頭角を現し、サブカルチャー分野で知られるようになります。2003年から映画の原作になった初の長編小説を連載し、「本屋大賞2006」を受賞しています。

最近では俳優としての活動が目立っており、是枝裕和監督作品で近作に4作続けて出演しており、「そして父になる」、「万引き家族」では重要な役どころを演じて高く評価されました。

この映画では。雅也(オダギリ・ジョー)の回想ナレーションで話が進行します。ほとんど家にはいなくて、たまに帰ってくると酔って暴れたりするダメな父親(小林薫)に悩まされながらも、母親を敬愛しすねをかじり続ける様子が描かれます。

母親、オカンを演じるのは、樹木希林です。若い頃を実の娘の内田也哉子が演じて、さすがに面影が似ているので、時代の変化に無理がありません。苦しい生活ながらも、息子が精神的な支柱であり、明るく何事にも前向きに生きている様を母娘で見せてくれました。

樹木希林は日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を獲得し、賞に対して批判発言をしましたが、映画を見ればその価値が十分にあると思います。癌を患い、抗がん剤による化学療法の苦しさなどは、知っている人にはリアル過ぎるかもしれません。

描き方によっては、親離れできない息子と、子離れできない母親のべたべたした関係になってしまいそうですが、何があっても、離れて暮らしていてもお互いを信じている現実的な母子家庭として踏みとどまることに成功しているのは樹木希林の演技に負うところか大きいように思います。

タイトルにもなった東京タワーは、この一家の憧れですが、日本の高度経済成長期を象徴する当時の日本人すべての憧れでもありました。東京スカイツリーに高さでは抜かれてしまいましたが、戦後復興を含めた特別な存在価値はそのまま残っています。

2019年4月19日金曜日

BMW


言わずと知れたドイツの自動車ブランド。

BMWはアルファベットをドイツ語で発音するので、「ベーエムヴェー」と読みますが、バイエルン発動機製造株式会社(Bayerische Motoren Werke AG)の略です。

ロゴは十字が飛行機のプロペラ、白は雲、青は空で、1916年に飛行機エンジンメーカーとしてスタートしたことから来ています。

日本法人ができてからは、英語読みが正式なので「ビーエムダブリュー」が正しいらしい。今では、イギリスのロールスロイスとMINIを吸収しています。

外車が珍しかった昔は、スーパーカーみたいなのは除いて、普通に見れるのはベンツかBMWでした。どちらも、価格が高くて高級車というイメージ。一種のステータスです。

その頃は、高速道路を走っていると、後ろからドバーと追いついてきてパッシングされたりするのは・・・たいていベンツ。BMWドイラバーは、無理せず紳士的な運転ですが、いざとなると秘めたパワーがさく裂するみたいな印象でした。

まぁ、車の性能の違いだったのかもしれませんが、そういう変な固定観念は今はありません。

2019年4月18日木曜日

シュール


1920 年代フランスの前衛芸術運動のことをシュルレアリスム(surréalisme)と呼び、その略語が「シュール」であり、日本語では「超現実主義」と呼びます。

一般に、シュールは「超現実的な・不条理な・奇抜な・難解な様子」を表す時に使われ、高度で芸術的な物に対して「シュールな××」と表現をします。

「スタイリッシュ」と似たような使われ方をしていることがありますが、これは「流行りの」とか、「モダンな」とか、「今とぎの」精錬されたものという意味合いで使いますので根本的に違う。

よくとおる場所にある、ちょっと気になる光景です。

古代ローマ人風の胸像らしきものが、雑草ぼうぼうの空き地の地面に突き立つ鉄パイプにひっかかっている。顔は半分割れて、何だかうらめしそうに通る者を見つめています。

まったくこの場所に似つかわしくない物で、これをシュールと言わずして・・・みたいな感じ。誰かが意図してこの構図を作ったとしたら、それなりにアートと言えるかもしれません。

古い物を現代に蘇らせて今を風刺していると思うと、根本的に違うと言いつつも「スタイリッシュ」という形容詞も使いたくなるんですが・・・

もちろん、特別な意図は無く、ただガーデニングの廃棄物に困っただけのこと・・・なんでしょうけどね。

2019年4月17日水曜日

姫林檎


盆栽の中で花や実を楽しむ代表的な物が姫リンゴで、秋に直径2センチ以下の赤い実がたくさんなると、けっこう見応えがあります。

その姫リンゴの開花期は今。うちの棚でも満開です。白い五枚の花弁が開いて、桜とは違った美しさです。

中国原産で、バラ科リンゴ属の園芸種で、盆栽用の仲間にはミヤマカイドウ(深山海堂)があったりします。

花は咲いても、実は実がつくには、この鉢一つではだめ。結実させたい時は、横に近隣種の鉢を置いておいたする必要があるんですが、自分はこの鉢しか無いので残念。

盆栽で実を楽しめるものは、たいてい自家受粉はできません。実をつけるのはけっこう努力が必要で、上級者向けの楽しみと言えます。

まぁ、花だけでもけっこう楽しめますけどね。

2019年4月16日火曜日

ダブルハピネスダイニング @ センター南


クリニックのあるご近所では、あまり一生懸命食べ歩きはしていないせいか、美味しいレストランはよく知らないんです。

特に、誰にでも人気のラーメン系は、今までにも何度も紹介した横濱家とか魁力屋くらいしか・・・なんですが、そうそうもう一軒、大注目の店があったことを思い出しました。

すごく久しぶり・・・外でラーメンを食べたのは、1年ぶりくらいかもしれません。というわけで、今回紹介するのは、ダブルハピネスダイニングという店。

都筑区役所の後ろにある、平屋のレストラン長屋の一角にある、名前だけ聞くと何が食べれるのかよくわからない店。実は中華屋さん。

センター南界隈では、「黒胡麻担々麺」の店という方が通りが良い感じです。店主自ら一押しのメニューが黒胡麻担々麺であり、これを食べるために行くお客さんがほとんどだと思います。

実際、旨い。実に美味しい。胡麻の香りが湧き立つのはもちろんですが、それだけではない微妙な味わいのスープは絶品です。

ラーメン店としては当たり前ですが、熱々です。そして、食べていくうちに隠れていた辛さがしだいに顔を出し、汗がじわーっと出てきます。

麺は比較的細めですが、しっかりと腰があって存在感は十分で、スープに負けていません。トッピングはほとんど無いので、オプションで乗せるのが〇。これは、店のおすすめもやし炒めを追加しています。

2019年4月15日月曜日

ミライの未来


水素エネルギーが注目されるようになって、自動車についてもトヨタが主導して開発が現在も進行中です。

第1号量産車として華々しくMIRAIがデヴューを飾ったのは、2014年12月のこと。2016年にはホンダからもクラリティが登場してはいますが、実際のところぱっとしない。

はっきり言って、現在の世界情勢では、圧倒的にハイブリッドの次は電気自動車の方向へ進んでます。最大走行可能距離や、充電時間がかかるというデメリットがあるにも関わらずです。

MIRAIそのものの国内の販売台数は、2015年は411台、2016年は950台でしたが、その後は2017年、2018年と200台ずつ減少しています。価格が高い(727万円)のがネックなのは間違いなく、減税・補助金などで実質500万円でも車としての性能から考えると割高。

それよりも、一番の普及を阻んでいる要因はインフラ整備の遅れ。MIRAI発売から4年半くらい経ちましたが、いまだに水素ステーションを見たことが無い。

そういうところに住んでいるからだと言われればそれまでですが、見たことが無いということは、普段行かないような場所まで行かないと燃料を補給できないということですから、はっきり言って使えないし、選択肢に入りようがないということ。

メーカー側は、水素燃料自動車が増えないからステーションが増えないと考えているかもしれませんが、これは消費者側の目線ではない。まず買えと言われても、それは無理と言うものです。

自分のテリトリーで一番近いステーションは、第三京浜・港北IC近くのIKEAにあるんですが、通常車で30分はかかります。しかも、営業時間は火曜日と木曜日の11:00~13:00だけ。ほぼ使うなと言われているようなものです。

もちろん、トヨタは水素燃料自動車をあきらめているわけではなく、更なる量産化、値下げをするつもりのようですが、本気で広めたいなら10000台くらいを「持ってけドロボー」価格でばらまくくらいのことをしないと厳しいかもしれません。

トヨタが、水素にこだわり電気自動車の開発レースに遅れを取っているのは明らかで、ハイブリッドの時代もそうは長くは無い現在、先進性は大事なんですが、シンボリックな車種一台と、貧弱すぎるインフラではこのまま消えてしまう可能性も出てきています。

昭和の時代は、一戸建て住宅、自家用車がステータスでしたが、平成の時代は物事の価値観が多様化し、経済成長の停滞も手伝って人々の所有欲は減退しました。トヨタは必死に「FUN TO DRIVE」を掲げ続け、つい最近もスープラを復活させたりしていますが、それに狂喜するのは豊田社長を含むごく限られた一部の人々です。

大多数の自動車ユーザーからは実用性が求められているわけですし、安全性能の進化の先にある自動運転技術が普及してしまうと、もはや車に対するこだわりは意味がなくなってしまうかもしれません。ミライに未来はあるのでしょうか。

2019年4月14日日曜日

PEUGEOT


プジョーはフランスの自動車。

フランス東部コンテ地方で、金属製品製造業として会社が創設されたのは1810年で、1880年代に蒸気エンジン車の製造。1890年代から、現在の原型となるガソリンエンジン搭載の自動車を製造し始め、世界で最も古い自動車メーカーと言われているブランドです。

現在ではシトロエンを吸収合併し、フランス最大の自動車メーカーです(ですから、ルノーは日産を手放すわけにはいきませんね)。

ロゴは直立したライオンで有名。コンテ地方の紋章が使われたようです。その後、1870年に起こったフランスとプロイセンの間の戦争(普仏戦争)で、最後まで明け渡さなかったコンテ地方ベルフォールに巨大なライオン像(製作は自由の女神を作ったバルトルディ)が作られたため、プジョーのロゴも「ベルフォールのライオン」と呼ばれるようになったらしい。

プジョーに限らず、最近は外車はよく見かけるようになりましたので、あまり珍しくはなくなりました。この写真は208で、200万円くらいから購入できるので、下手な国産車よりも美味しいかもしれませんね。

2019年4月13日土曜日

是枝裕和 #13 万引き家族 (2018)

「万引き家族」は是枝監督の昨年の最新作で、昨年の第71回カンヌ国際映画祭の最高賞、パルム・ドールを獲得したことは記憶に新しい。

主要な登場人物は、東京の下町、マンションの狭間の古びた一軒家に住む「家族」である6人。

柴田治(リリー・フランキー)は、日雇い労働者。
柴田信代(安藤サクラ)は、治の妻で、クリーニング店工場のパート従業員。
柴田亜紀(松岡茉優)は、信代の妹で、女子高生見学店で「さやか」という源氏名で働く。柴田祥太(城桧吏)は、治の息子。学校には行かず治と組んで万引きをしている。
ゆり(佐々木みゆ)は、治が連れ帰ってきて柴田家に居ついた女の子。
柴田初枝(樹木希林)は、治の母で年金受給者。

治は生活のため祥太と一緒に万引きを繰り返していましたが、祥太も店にあるものは「まだ誰かの所有物ではない」という理屈を説明され納得していました。冬の寒い夜、万引き帰りの治は、マンションの廊下に一人でいるゆりを見つけ、連れて帰ります。

ゆりの体にあきらかに虐待を受けている傷を見つけた柴田家の人々は、末っ子の妹として受け入れ、ゆりもまたしだいに心を開いて馴染んでいくのでした。しかし、ゆりの親は、数カ月たってもこどもがいなくなったことを警察に届けていないことがニュースになってしまいました。

そこで、「ゆり」から「りん」に呼び名を変え、そのまま一緒の生活を続けます。それは「身代金とか要求しているわけじゃないら誘拐じゃない」という理屈に基づいて納得できることでした。

そして、夏。6人の家族は揃って海にでかけます。皆が楽しそうに遊ぶ様子を見ていた初枝は幸せそうで、「ありがとう(映画では台詞は聞こえない)」とつぶやくのです。しかし、家族としての楽しい生活は、そこがピークでした。

ある朝、初枝が息を引き取っていました。治には葬式を出すお金はありませんし、初枝の受け取っていた年金もあてにしている。そこで、皆で家の床下に穴を堀り、初枝の遺体を埋めるのでした。

ここまでで、実はこの「家族」は、他人の集まりであるという驚くべき事実がわかってきます。信代は暴力をふるう夫を、知り合いだった治の助けで正当防衛として刺殺した過去があり、たまたま初枝のもとに転がり込んだのでした。

亜紀は、初枝と離婚後に元夫が再婚してできた孫。出来の良い妹への対抗心から、家出して初枝と暮らすようになったのです。初枝はときどき亜紀の実家を訪れ、亜紀の両親からお金をもらっていました。祥太は、パチンコ店の駐車場で車に放置されぐったりしていたところを治が連れ帰ったのでした。

治は祥太を連れて車上荒らしを行いますが、祥太はすでに所有者がいるものを「盗む」行為には納得ができない。そして、りんとスーパーで万引きをする時、わざと見つかるような盗み方をして逃走、陸橋から飛び降りて大けがをするのです。

祥太の存在が警察に知られ動揺した治と信代。残された4人は夜逃げしようとしますが、ついに逮捕されました。

りんは本当の両親のもとに返され、また孤独な暴力にさらされる生活に戻されます。祥太は養護施設に移され、学校に通うようになります。亜紀は、初枝にとって「自分は金づる」だったのかという疑念を持ち、実家に戻りました。

信代は、こどもたちの誘拐、初枝の死体遺棄、そして年金不正受給などはすべて自分一人でやったことと供述します。取り調べの中で、「こどもたちはあなたを何と呼んでいたのか」と尋ねられると、流れる涙を拭いながら「何だろうね・・・何だろうね」と答えるのが精いっぱいでした。

しばらくして、埠頭でそろって釣りをする治と翔太の姿がありました。そして、二人で服役した信代に面会に行きました。信代は翔太に「あんたを拾った車は・・・」と詳しく説明します。「もう、わかったでしょう。うちらじゃダメなんだよ、この子には」と言うと笑顔で面会室を後にしました。

その夜、治のところに泊まった翔太は、「僕をおいて逃げようとしたの?」と治に尋ねます。治は「した。ごめんな。とうちゃん、おじさんに戻るよ」と答えます。帰りのバス停では、「ごめんね。僕、わざと捕まったんだ」と言ってバスに乗り込みました。走り出したバスを追いかける治に、翔太は声にならない声で「とうちゃん」と言うのでした。

そして、りんは・・・再び、マンションの廊下で一人。何かを、誰かを待つ日々でした。

この家族は、血縁関係でいえば赤の他人の集まりで、犯罪を通じての結びつきです。一般社会通念からは、当然正当化されるものではなく、是枝監督もこの家族を正当化するつもりはありませんし、万引行為を許容していることもありません。

このような関係がいつかは破綻することは、誰の目にも明らかで、治や信代にもわかっていたはずのこと。しかし、一緒に住んで互いを助け合うことによって、束の間の幸福ではありましたが、それは家族と呼べる形をとっていたことも間違いない。

前半で印象的なのは、全員で隅田川の花火を家の縁側に出て見るシーン。上からの俯瞰ショットで、全員が空を見上げて、さぞかし美しい花火が夜空を染めている・・・と思ったら、実は彼らには音しか聞こえていない。彼らには花火は見えていないし、実際映像にも花火は出てこないのに、まるで目の前に打ち上げられているかのように楽しんでいるところは、この家族の虚構性の見事に表しているようです。

それぞれが足りないものを他のメンバーから埋めてもらい、パズルが完成するようにまとまれば、それは家族と呼べるものなのかもしれません。治や信代のように、ずっと成長しない大人だけなら、もっと長続きした関係かもしれませんが、翔太だけは違いました。翔太は成長し、治たちの矛盾に気が付くのです。

この家族が永遠ではないこと、犯罪行為は悪い事だと思うこと、そしていつまでもこんなことをしていてはいけないということ。さらに、祥太はこれを壊そうと決心し行動しますが、そのことで傷つき、その上で「家族」を許容していく翔太の成長の物語でもあるのです。

是枝組としてはおなじみのリリー・フランキー、樹木希林は、ここでも抜群の存在感を見せてくれました。特に樹木希林は、是枝作品の要として無くてはならない存在で、ここでも入れ歯をはずして、いっそう年寄りじみた演技は絶品です。

そして、今回も子役二人が見事。こどもを操ることに関しては定評のある是枝監督は、例によって脚本は渡さずその場で演技をさせていくことで、実に自然な味を引き出すのです。松岡茉優ですら、演技をするとNGだが素に戻った瞬間にOKが出ると述懐しています。

そして、やはり一番は初めての出産後の最初の仕事になった安藤サクラが際立っている。是枝作品は初めての参加ですが、是枝カラーを完璧なまでに理解し作品の質を高めています。

後半の白眉は取り調べのシーン。取り調べる警察官の発言は、しごくもっともで、常識的には正しいことは明らかです。治も信代もそれに対して、反論はできません。

ここで、監督は安藤サクラに脚本は渡さず、その場で質問を投げかけるという子役に使う方法を実践しました。その場で、リアルな感覚としての反応は演技という枠を超えたもので、カンヌでも高く評価されたポイントでした。

ドキュメンタリー作家としてスタートした是枝監督の心の中には、絶えず社会問題を提起する意識が存在しているわけですが、是枝作品を順を追って見ていくと、手を変え品を変え「家族」というものを描いてきたことがわかりました。

血の繋がりだけでない家族の絆の様々な形を通して、監督は現代日本社会が抱えているいろいろな問題を、映画と言う枠組みの中に提示してきたのですが、しばらく続いたのが「海街ダイアリー」のように家族内の問題に焦点をあてたもの。

しかし、前作の「三度目の殺人」から社会性のある問題の上に「家族」をおくことにシフトして、この作品では、まさにこれらのテーマを集大成したかのような仕上がりになっています。

この映画では、正義とはいいがたい「家族」の行動を美化するわけではなく、内部崩壊させることで逆に家族の絆のようなものが見えてくるから不思議です。実際、りんの世間的には正義のある家族にこそ、絆が無くなっていることを辛辣に示していることは忘れてはなりません。

良い映画は、見た人がどこかで誰かとこの映画について語り合いたくなると思います。そして、賛否両論を語りたくなる余地を映画的にいろいろと残してあることが重要です。そういう意味で、この作品は是枝監督の代表作になりうる存在となり、国際的な評価にもつながったのだろうと想像します。

2019年4月12日金曜日

延命地蔵尊


川崎市麻生区王禅寺というと、横浜に住んでいる自分からはある程度遠い感じがしなくはない。

でも、横浜と言っても、海の香りのしない横浜、北の山際みたいなところ。王禅寺は、ひょいとまたげばすぐそこです。

王禅寺はもとより、琴平神社のようなある程度有名な場所もありますが、それらに次いで知られているのが延命地蔵尊です。

ここには、比較的珍しい動物霊園があり、ペットだった動物を埋葬する場所として充実した施設を誇っています。

ペットを単なる動物として扱うのではなく、家族の一員として大事にするのは昔からですが、少子化の中でよりペットの重要性が高まりましたので、動物霊園の需要も増える一方のようです。

2019年4月11日木曜日

東京ばな奈ラッコ


そもそもスイーツ男子でもなく、甘い物よりも煎餅・あられ派なんですが・・・

これ、人気あるらしい。

東京ばななというのは、もうずいぶんと前から人気のあるのは知っていました。でも、本当に、一度も食べたことがありません。

ついに東京ばななを口にする日が来た!! と思ったら、なんか、ちょっと違いました。

HPをチェックすると、今ではたくさんの派生品があるんですね。そもそもどれが元祖なのかわかりにくかったです。

とりあえず、この「コーヒー牛乳味、見ぃつけたっ」は、トップに紹介しているので、今のところ一押しの商品のようです。

食べてみた・・・ ・・・ ・・・

柔らかい。柔らかすぎとも言える。確かに、嫌いではない期待通りの「バナナ」系の味がします。コーヒー牛乳の味については、あまり記憶に残りませんでした。

まぁ、普通に美味しいお菓子かと。

2019年4月10日水曜日

ALFA ROMEO


アルファロメオはイタリアの自動車ブランド。

元々は大戦前から、自動車レースで名を馳せたのですが、だんだん落ち目になって1986年にフィアットに買収されました。それでも、その独自性は保って、最近では日本でも比較的よく見かけるようになっています。

一番の特徴は、ずっと堅持されているフロントマスク。

逆三角形のグリルは盾。エンブレルは、創業地ミラノの聖ジョルジョの十字とヴィスコンティ家のサラセン人を呑み込む大蛇の紋章を組み合わせた物で、いかにも欧州車らしい。

フェラーリは、アルファロメオの技術者だったエンツォ・フェラーリが独立して作った会社。レースで勝利したフェラーリの「私は母を殺してしまった」の言葉は有名です。

イメージカラーは赤。やや丸みを帯びたボディは赤が良く似合い、女性ドライバーに人気があるような印象です。

しかし、元々スポーツカーとしての生い立ちがありますから、メカニック的なこだわりは続いていて、比較的手頃な価格の「スーパーカー」みたいなところかもしれません。


2019年4月9日火曜日

花桃


この時期、桜ばかりに目がいきがち。

春ですから、巷には花が一杯で、それらからすれば、早く桜よ散ってくれというところ。

これは、花観賞用に桃を品種改良したもので、普通は「花桃」と呼ばれます。桜の時期と前後して咲くんですが、同じ幹に色の違う花が咲くのが興味深い。

これは紅とピンクの二色ですが、白を含めて三色咲き分けというものあります。

桜ほど大きくならないので、比較的身近にお花見ができます。ちなみに、実は小さくて食用にはなりません。

2019年4月8日月曜日

JEEP


ジープといえば、元祖四輪駆動車、軍隊用自動車の代名詞みたいな印象です。

古いアメリカのTVドラマですが、「コンバット」とかで悪路を踏破する「ジープ」は印象的でした。実際、第2次世界大戦でのアメリカの勝利の一端は、この自動車の開発にあったとも言われています。

軍隊大好きという、ちょっと変わった趣味を持つ後輩がいたんですが、彼がのっていたのが、まさに戦時中に出てきそうなジープでした。

どう考えても乗り心地が良いわけはなく、走っていると隙間風はすごいはずなんですが、本人の満足感は大きかったようです。

もちろん、今のジープは随分と変わりました。クライスラー&フィアットの傘下に入り、4WD部門を担う立場で、実用的かつスタイリッシュなデザインで人気を保っています。

戦時中のジープのデザインを引き継ぐのがWRANGLER、モダン性を表にだしたのがCHEROKEEですが、特にチェロキーはけっこう街中でも見かけることが少なくない。

トヨタのPRADOでオートキャンプをよくしていた頃は、ジープは憧れでした。キャンプ場で見つけると羨ましかったことを思い出しますが、今の燃費重視の時代ではなかなか選択肢には入れにくくなりました。

都会の舗装道路しか走ることがなくなると、さすがに4WDである必然はありません。山奥に住んでいるとか、必ず冬山レジャーに何度も行くという方でないと、その性能をいかしきれませんね。

2019年4月7日日曜日

令和


現天皇の退位に伴い、5月1日から使われる元号が発表されて1週間。

早くも、巷では新元号「令和」に関連したグッズなどが続々と登場し、相変わらずの商魂たくましさを見せています。

全国の令和さんは、メディアの突撃取材を受けて大変なことになっています。そもそも、「令和」を考えた人探しも、だいぶ熱が入っていました。

その中で、特に怪しいと第一に疑われたのが、国際日本文化研究センター名誉教授の中西進氏です。現在89才になる中西氏は、万葉集研究の第一人者とされ、文化勲章受章者でもあります。

万葉集の現代語訳はいろいろな方が行っていますが、その中でも中西氏のものはスタンダードとしての位置づけ。1984年に講談社から発売されたものは、1500ページもあり、厚さ10cmくらいあります。文庫だと全4冊。角川から出ている、現代語訳や解説など省いたものでも500ページ近い

ご本人は元号選定とは無関係を装っていますが、どうしたって無関係とは考えにくい。ただし、現安部政権に対しては、しばしば否定的な発言をされていることも確かなんですけどね。

ところで、ふだん元号を使いますか? というアンケートなども、よく見かけました。回答は、西暦だけ・元号だけ・どちらも使うという三択になり、だいたい同じような比率でした。

一般には、ほとんど西暦だけで事足りますし、その方が混乱も少なくてよさそうです。ところが、公務との関わりが多い職種では、国が公的に元号を使用するので省略するわけにいかない。

個人的には、日本の文化としての元号は評価しますが、実務的には西暦に統一してもらうほうが、面倒が少なくて助かるというところ。

実際、医療は健康保険の中で行うからには、元号を切り捨てることができません。絶えず、西暦と元号が混在する中での仕事になります。

昭和はすべて20世紀の中にあるので、昭和〇〇年に25を足せば、19××年にできたので簡単でした。平成は21世紀にまたいでいるのでわかりにくい。自分の場合は、西暦2000年が平成12年というのを基準にしていました。

その点、令和はまた簡単になります。令和〇〇年に「018(れいわ)」を足して、西暦の20××年になる。誰が気が付いたのか、なかなかのアイデアです。

最近は、平成人から過去の人みたいに扱われていた昭和人ですが、今後はどちらも合わせて令和人から過去扱いされることになりますよね。

2019年4月6日土曜日

桜並木


桜の花芽は、前年の華が終わってから夏までの間に形成されます。ですから、他の樹木と異なり、落葉後の秋に選定すると翌年花がつかないことになる。

一度形成された花芽は、秋以降はじっとお休みしていて、冬の寒さに晒されます。春になって気温が上昇すると、目を覚まして一斉に開花する。

今年は暖冬でした。桜の開花には一定の寒さが必要ですから、今年の場合は、花の咲き方がばらばらという感じです。一枝だけ見れば、いつもと同じように感じますが、まとまって見ると花の密度が低い感じで、見応えに欠ける印象です。

あざみ野の知る人ぞ知る花の名所といえば、あざみ野三丁目付近の数百メートルに渡る桜並木。桜のトンネルになるので、毎年この時期は、ちょっと遠回りしてここを通るようにしています。

ここも、例年に比べて開花が一斉ではない感じ。なんか、イマイチというところ。温暖化の影響なのか、日本の四季が少しずつ崩れていくような気がして残念です。

2019年4月5日金曜日

満開の吉野桜


桜は数輪の花が咲くと、開花宣言されます。

その後、蕾と開花したした花との割合で、三分咲き、五分咲きなどと言い、八分咲き以上になると「満開」と呼ぶんだそうです。

クリニックのベランダに置いてある吉野桜の鉢が、ほぼ満開になりました。

一鉢だけですし、そんなに大きくも無いので、見応え十分とは言えませんけど、去年は数輪しか咲かなかったし、一昨年はまったく花芽が出なかったので、やっとちゃんと咲いたという感じ。

あきらめずに水遣りしてきたかいがあるというものです。

今週一杯が見頃。今日は風が強そうですから、散り始めるかもしれませんね。

2019年4月4日木曜日

駅前の山桜


一番普通に見れる桜は、ソメイヨシノ。花の色は、比較的白い。

街歩きして見ると、ピンクの濃い桜をよく目にします。こっちは、ヤマザクラで、八重咲が特徴。

センター南の隣、都筑ふれあいの丘駅前は、開業して整備されてから11年。駅周囲の桜はまだまだ派手さはありません。

でも、桜の成長が、しだいに街が出来上がっていくのも反映しているように思います。

小振りな分だけ、より身近に感じられて好ましい感じです。

2019年4月3日水曜日

手打ちそば おおつか @ センター南



蕎麦そのものの旨さを楽しみたい時、美味しいてんぷらにありつきたい時、選ぶ店はいつもここ。

普段着の行きつけの蕎麦店は別にありますが、年に数回はどうしても行きたくなります。

穴子天をいただけるメニューは、残念ながら良い穴子が手に入らなくなったということで無くなってしまいました。

今回は、天せいろです。お値段は二千円ですから、安くはありません。

安くはないけど、野口英世二人分の元は必ず取れるので、十分それだけの価値があります。

天ぷらは、蟹爪、椎茸、舞茸、ヤングコーン、イカ、大葉、茄子、そして大きな海老でした。

蕎麦はいまさら言うまでもありませんが、店主が朝4時から一生懸命手打ちしたもの。

沸騰した湯にくぐらせるのは、わずか20秒程度らしい。香りのよい細切りですが、適度な歯ごたえもあった最高です。

2019年4月2日火曜日

新元号発表


五月からの新元号は・・・

「令和」です!! と、いうことで、大方の予想ははずれたようです。

令和の意味は「万葉集」からということでしたが・・・

万葉集巻五「梅花歌三十二首」の「題詞」(詩歌の背景や趣旨の説明)の中、
「于時初春令月 氣淑風和」
(時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ)
が、出典とのこと。

いやぁ、難しいですね。なんのこっちゃ、ということなんですが、英語圏のニュースで「order and harmony」と訳して紹介されたそうで、こちらの方が何となく意味が理解できそうな感じがします。

ちなみに、クリニックで使っている今年のカレンダーは、4月までは平成31年×月と書いてあるんですが、5月からは「〇〇元年×月」となっています。

おおおお~、なんとすでに予想していたんじゃないか!!
最初の〇は零、次の〇は輪じゃないですか。素晴らしい。このまま使える。

まだまだ、当分は馴染めないとは思いますが、1年たてば普通につかっているんでしょうね。

2019年4月1日月曜日

新元号は・・・?


新元号は、××です!!

・・・と、威勢よくスクープできればすごいけど。一市民にそんなことはできるわけもなく、例えここに書いても、単なるエイプリルフールのネタになってしまいます。

どっちにしても、本日11時半に発表。

じたばたしてもしょうがない。待ちましょう。

日本の歴史を考えると、元号制度という独自の時間軸は意義深いのはわかります。元号が必要ないとは思いませんが、世界中との結びつきが狭くなった現代では西暦に統一するなら、それはそれで便利で混乱も少ない。

自分が普段から関わる医療の世界では、西暦と元号が混在し、はっきり言って煩わしいことが多い。平成元年は1989年、2000年は平成12年といったきりのいいタイミングをいつも意識しておく必要があります。

とは言え、いつも「昭和は・・・」とか考えているわけで、馴染みのある明治以後の元号が意識の中に深く浸みこんでいることは否定できないですね。