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2019年4月15日月曜日

ミライの未来


水素エネルギーが注目されるようになって、自動車についてもトヨタが主導して開発が現在も進行中です。

第1号量産車として華々しくMIRAIがデヴューを飾ったのは、2014年12月のこと。2016年にはホンダからもクラリティが登場してはいますが、実際のところぱっとしない。

はっきり言って、現在の世界情勢では、圧倒的にハイブリッドの次は電気自動車の方向へ進んでます。最大走行可能距離や、充電時間がかかるというデメリットがあるにも関わらずです。

MIRAIそのものの国内の販売台数は、2015年は411台、2016年は950台でしたが、その後は2017年、2018年と200台ずつ減少しています。価格が高い(727万円)のがネックなのは間違いなく、減税・補助金などで実質500万円でも車としての性能から考えると割高。

それよりも、一番の普及を阻んでいる要因はインフラ整備の遅れ。MIRAI発売から4年半くらい経ちましたが、いまだに水素ステーションを見たことが無い。

そういうところに住んでいるからだと言われればそれまでですが、見たことが無いということは、普段行かないような場所まで行かないと燃料を補給できないということですから、はっきり言って使えないし、選択肢に入りようがないということ。

メーカー側は、水素燃料自動車が増えないからステーションが増えないと考えているかもしれませんが、これは消費者側の目線ではない。まず買えと言われても、それは無理と言うものです。

自分のテリトリーで一番近いステーションは、第三京浜・港北IC近くのIKEAにあるんですが、通常車で30分はかかります。しかも、営業時間は火曜日と木曜日の11:00~13:00だけ。ほぼ使うなと言われているようなものです。

もちろん、トヨタは水素燃料自動車をあきらめているわけではなく、更なる量産化、値下げをするつもりのようですが、本気で広めたいなら10000台くらいを「持ってけドロボー」価格でばらまくくらいのことをしないと厳しいかもしれません。

トヨタが、水素にこだわり電気自動車の開発レースに遅れを取っているのは明らかで、ハイブリッドの時代もそうは長くは無い現在、先進性は大事なんですが、シンボリックな車種一台と、貧弱すぎるインフラではこのまま消えてしまう可能性も出てきています。

昭和の時代は、一戸建て住宅、自家用車がステータスでしたが、平成の時代は物事の価値観が多様化し、経済成長の停滞も手伝って人々の所有欲は減退しました。トヨタは必死に「FUN TO DRIVE」を掲げ続け、つい最近もスープラを復活させたりしていますが、それに狂喜するのは豊田社長を含むごく限られた一部の人々です。

大多数の自動車ユーザーからは実用性が求められているわけですし、安全性能の進化の先にある自動運転技術が普及してしまうと、もはや車に対するこだわりは意味がなくなってしまうかもしれません。ミライに未来はあるのでしょうか。