年末年始診療 12月29日~1月5日は休診します

年内は12月28日(土)まで、年始は1月6日(月)から通常診療を行います

2013年7月9日火曜日

Alina Ibragimova / Schubert Violin Works

現役で女性ヴァイオリニストの頂点に立つのは、アンナ・ゾフィー・ムターかチョン・キョンファか。そして、二人を追いかけて人気と実力を誇っているのが、ヒラリー・ハーン、ユリア・フィッシャー、ジャニーヌ・ヤンセンの二人。ピリオド楽器を得意とするのはヴィクトリア・ムローヴァとレイチェル・ポッジャーの二人。

もう、ここまでの7人くらいをおさえておけばまず間違いはないという、まさに女流バイオリンの「神セブン」という感じてしょうか。それぞれに味わいが違って、有名曲などはぞぞれの録音があるので聴き比べたり出来ますから、けっこう楽しいものです。

まぁ、男性に比べて女性奏者は花があって、視覚的にも楽しみを増やしてくれます。当然というか、さらに華やかなのが、神セブンを追いかける若手ということになります。若手三羽烏というところが、リサ・バティアシヴィリ、ニコラ・ベネデッティ、そしてアリーナ・イブラギモヴァの三人。

バティアシヴィリはただいまドイツ・グラモフォンで売り出し中。ベネデッティはモデルさんかというほど圧倒的に美人。そして、神セブンを完全に脅かすほどの実力はイブラギモヴァという感じ。

そのイブラギモヴァの最新作、シューベルトのヴァイオリン作品全集が登場しました。それまでに、シマノフスキー、ラヴェル、ベートーヴェンと一緒に演奏してきた若手男性ピアニスト、ティベルギアンとの共演です。

とにかく、これがすごい。ヴァイオリンを弾いたことがない自分ですが、この弓使いは驚異的です。まったくブレのない、最弱音から一気に弾き切るところまで完璧な音でしょう。弱音では、その繊細な音の中にも情感がしっかりと織り込まれており、神セブンでさえも感じた事がありません。

Fantasy D934 を聴くと、もう鳥肌がたつようです。この曲は、自分のシューベルトのヴァイオリン曲を聴くときの評価を決める最初の一曲にしているのですが、初めてクレメールを越える演奏を聴いたと感じました。