プッタネスカ puttanesca・・・またもや耳慣れないイタリア語ですが、puttanaというのが娼婦という意味で、日高シェフによると元々はナポリ湾の沖合にあるイスキア島の郷土料理。娼婦風というのは、それだけ刺激的で華々しいということだとか、娼婦が忙しくて海山のものを混ぜて食べたからなど諸説いろいろ。
基本的にはペベロンチーノのバリエイションの一つだと思いますが、ポイントはオリーブの実、ケイパー、そしてアンチョビのハーモニーです。
ケイパーは風蝶木(ふうちょうぼく)のつぼみで、独特の酸味があるため調味料として地中海沿岸で良く使われる物。スモーク・サーモンに付け合わせてあるのでお馴染みです。
アンチョビはカタクチイワシを塩漬け発酵させたもので、そのまま食べるというよりこれも調味料として用いられます。オイル漬けにしたカタクチイワシを加熱したものは、オイル・サーディンと呼ばれます。
慣れればパスタを茹で始めるところからスタート。指定茹で時間より1~2分早くに取り出すつもりなので、その間にソースを作ります。
フライパンにオリーブオイル、ニンニクみじん切りを入れて加熱。泡が出てきたら鷹の爪。そしてオリーブの実、ケイパー、アンチョビを入れて、アンチョビを崩していくように軽く炒めます。このパスタでは塩味を決めるのはアンチョビですが、けっこう塩辛いので1人前2切れ程度にして、入れすぎには注意します。
そこへトマト。生でもいいし、缶詰でも良い。自分は、あらかじめ細かく切ったトマトを炒めて煮崩しておいたものを使いました。てきぱきできれば時間が余りますが、素人料理人の場合はちょうどそのころにパスタの茹で上がりになります。
パスタをフライパンに移し、茹で汁を少し加えて、かき回すようにソースをパスタに吸わせていくと出来上がり。
ニンニクの香り、唐辛子のピリっと感、そしてオリーブ、ケイパーの酸味が加わり、アンチョビの独特の味と塩味、加熱したトマトの甘味も交じり合って、とても複雑な風味になりました。