2022年3月23日水曜日

イタリア・ワインの話 1 格付け


美味しい料理には美味しいワイン、というのは西欧の食文化の基本みたいなところで、多少なりともワインの勉強をしておかないと楽しみが半減してしまいます。

ワインと言うとフランスという感じがしますけど、生産量はイタリアが上。歴史も古いのですが、イタリアはワインを格付けしてアピールするのが遅れたためフランスに立ち遅れたようです。


イタリアは国を挙げて食文化を守る姿勢が顕著で、1963年のワイン法によってワインに対しても厳格な格付けが行われるようになりました。現在は、この法律は2008年に改正され、新旧両方の呼称が混在しています。

Aランク 保護原産地呼称ワイン
D.O.P. (Vino a Denominazione di Origine Protetta)
旧ランクのD.O.C.G.とD.O.C.を統合したもの


旧ランク1 統制保証付原産地呼称ワイン D.O.C.G. (Vino a Denominazione di Origine Controllata Garantita)
5年間以上D.O.C.として認可されたものが、さらに国も加わった厳しい審査で選別された最上級ワイン

旧ランク2 統制原産地呼称ワイン
D.O.C. (Vino a Denominazione di Origine Controllata)
すべての生産過程(生産地、栽培方法、ブドウ品種、最大収穫量、最低アルコール度数、熟成方法など)が商工会議所に厳格に審査されたもの

Bランク 保護地理表示ワイン
I.G.P. (Vino a Indicazione Geografica Protetta)
旧呼称 地域特性表示ワイン I.G.T. (Vino a Indicazione Geografica Tipica)
生産地の名称が表記され、その地域のブドウを85%以上使用

Cランク 地理表示無しワイン Vino
旧呼称 テーブル・ワイン V.d.T. (Vino da Tavola)
特別な規定に縛られていないもの


基本的には産地に重点が置かれた格付けですが、一般にはD.O.P.が高級とされています。D.O.P.あるいはI.G.P.を確認して選んでおけば、はずれは少ないと考えて良さそうです。ただし、特にトスカーナ産のワインには、これらの規格にこだわらない上質なものが多く存在することが知られています。

もう一つワインで問題になるのは、ブドウの品種です。ワイン素人の自分としては、白ならシャルドネかソーヴィニョン、赤ならメルロかピノ・ノワールくらいしかわからないし、それってほとんどフランスのワインの話。イタリアについてはとんと知らないというから情けない。

イタリアは全土がブドウ栽培に適した土地・気候なので、イタリア固有のブドウにフランスから入ってきた品種も含めて多種多様のようです。

赤ワイン用としては北部中心に栽培されるバルベーラとネッビオーロ、中部中心のサンジョヴェーゼ、南部中心のアリアニコなどが有名品種。白は北部がピノ・ビアンコ、全土で栽培されるマルヴァジア、モスカート、トレッビアーノなどなどとなっています。

ワイン通ならいつまでも語り尽くせないくらい、いろいろな蘊蓄があるんでしょうけど、まぁ財布と相談しながら、自分好みの味を見つけられればいいんじゃないでしょうか。