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2022年3月19日土曜日
ブロデッタート
ブロデッタートという料理は調べてみると、いろいろな説明が出てきて、ちょっと混乱します。ここでは日高シェフの説明だけに集中して、本来は子羊の肉を卵黄のソースで絡めたものと理解しておきます。
正確にはAgnello brodettato (子羊のブロデッタート)と呼ばれ、ブロデッタートはだし汁(ブロード)で煮た料理という意味。実際には、煮汁を卵黄とレモンでつなぐ(フリカッセーア)のが特徴で、子山羊なども使われるらしい。
羊は癖があって苦手という方がよくいますが、それは成長した羊の肉でマトンと呼ばれているもの。子羊肉はラムと呼ばれ、臭みはなく食べやすい。さてスーパーに行くと、あったとしてもジンギスカン用の肩の薄切りか、ラム・チョップ用の骨付バラ肉。この料理に向いているサイコロ・ステーキのようなラムはほぼ見かけることがありません。
そんなわけで、日高シェフが代替えとして、牛肉の赤身のステーキ肉を使ってくれているというのは大変嬉しい。これだったら、比較的簡単に安価に雰囲気を味わえるというものです。
とりあえず、塩胡椒して牛肉ステーキは簡単に焼きます。この後にさらに火を通すので、多少レアでも問題はありません。また、一口大に切るので、硬さもあまり気にしないで済むというのも助かります。
次に大事なソース。イタリア料理にしては珍しい比較的厚めにスライスした玉ねぎを、焼いた肉を取り出したフライパンで炒めるところから始めます。続いて細かく切った生ハムを一緒に炒めます。
ここでも生ハムは塩味と旨味の調味料という扱い。ある程度火が通ったら、全体が浸る程度の白ワインを入れて煮込む。ある程度煮たら、日高シェフはブイヨン・スープを追加しています。
くず野菜とかから、塩味のないブイヨンを自作している方はいいんですが、市販の固形ブイヨンだと塩がけっこう入っています。ここで味見してみるとしっかり塩味があるので、今回は見送りました。
焼いたステーキ肉を、食べやすい大きさに切ってフライパンに戻し一緒に煮ていきます。水気が少なくなったら、火を止めて溶いた卵黄とナツメグとレモン汁を入れてよく混ぜたものざっと混ぜ合せて出来上がり。
200gくらいのステーキ肉1枚に対して、卵黄2個、レモン汁大さじ1くらい使ったんですが、全体のソースが多くなってしまいました。また塩味は生ハムだけなんですが、もともとショッパイので今回はちょっと入れすぎた感じ。生ハムの塩味は製品によってけっこう違いがあるので、いつも同じものを使って自分で味の濃さを知っていることが必要そうです。