2022年3月20日日曜日

ポッロディアボラ


イタリア料理のポッロディアボラ Pollo al diavolo は「鶏肉の悪魔風(ヘブライ語で悪魔はディアポロス)」という意味で、基本的にローズマリーとニンニクの風味を加えて、鶏もも肉をソテーしたもの。皮をパリパリにすることで、食感が増して大変旨い・・・のですが、これだけだと簡単過ぎてちよっとつまらない。

いろいろネットを探すと、フランス料理としても鶏肉の悪魔風というのがあった。こちらはプーレ・ディアブルと呼ばれ、ポッロディアボラをさらに進化させた感じ。イタリアから伝わった料理を、フランス人が精錬したということでしょうかね。

そもそも「悪魔風」というのは何だ? という感じですが、ポッロディアボラの場合は、鶏を丸ごと開くとマントを広げた悪魔に見えるからという説もあったりします。中には唐辛子などで業火の中で燃える悪魔を表現したものもあったらしい。フランスでは後者が、マスタードで上品に仕上げる仕様に変化して成立した感じです。

さて、鶏肉を焼きます。フライパンにオリーブオイル、ニンニクの香りを出したら、軽く塩胡椒した鶏もも肉を入れます。基本として忘れてはいけないのは、皮面から焼くということ。少し上から押さえながら、まずは皮面全体がパリパリになるまでしっかり焼いていきます。ひっくり返して反対の面も焼いていきます。

もうこれだけでも十分に美味しいのですが、一度肉は取り出します。そして、皮面にたっぷりのマスタードを塗り広げる。本来は、殻を除いて白ワインを入れ滑らかにしたディジョンマスタードを使うのですが、うちの冷蔵庫にあったのは粒入り。まぁ、良しとします。少しだけウースター・ソースを入れて使いました。

フライパンには鶏肉から出た汁と油が残っていますが、捨ててはいけません。ここにパン粉を入れて汁を吸わせます。このパン粉をマスタードの上にびっしりと敷き詰め、オーブンまたはトースターでパン粉の表面に焦げ目がついたら出来上がりです。

イタリア色を出すために、パン粉はローズマリー、セージ、イタリアンパセリなどを混ぜた香草入りにしました。それと、実は食べる時のことを考えて、マスタードを塗る前に肉を一口大にカットしてあります。

いやいや、めっちゃ美味しい。マスタードはそれほど辛くないので、たくさん使っても問題ありません。さぁさぁ、どんどんお食べという悪魔の囁きが聞こえてきそうです。