何と、珍しいことにアニメの紹介。「はたらく細胞」は、2015年から連載が始まった清水茜のマンガが原作。清水茜は1994年生まれなので、連載開始時は21歳の若さ。マンガの専門学校に通っている時に、妹が学校の授業の免疫の話を覚えるために、教科書をマンガにしたのがきっかけらしい。
書くことで医学知識がさらに増え、さらにより擬人化にもリアリティが増していったようで、医療関係者が見ても十分に納得できるストーリーになっていることは素晴らしいことだと思います。2018年にアニメ化され、そして今年、それも今週末から実写版映画も公開されるので、この年末一番の話題作と言えそうです。
基本的に細胞は人間風、病原体は怪物風に描かれていて、それぞれに固有名詞はありません。主人公は血液中に最も多い細胞である赤血球と白血球。
赤血球は空気を吸って取り込んだ酸素を体中に運び細胞活動を活性化させ、その結果生じた二酸化炭素を回収して肺に戻す。実写版では永野芽衣が演じます。
白血球は免疫機能により生体防御の仕事をしていて、最も多い好中球は体内に入り込んだ細菌やウイルスなどの病原体を攻撃して除去します。実写版では佐藤健。特定の病原体に働くのは主として各種のリンパ球の仕事で、その中でもヘルパーT細胞が病原体を感知するとキラーT細胞が実働することになります。T細胞が適切に働くために。各種のサポートがあります。
また、特にB細胞と呼ぶリンパ球は、特異度の高い免疫機能を発動する抗体を産生します。他にも、白血球には単球、好酸球、好塩基球といったものがあり、さまざまな免疫に関係しますが、中にはアレルギーのような体に問題を引き起こす事態を招く原因も作ってしまうことがあります。
血液中の細胞成分として、もう一つ大事な仕事をしているのが血小板です。損傷した血管に集まり血栓を作ることで出血を抑制します。皮膚の表面に見える状態の物は、いわゆる「かさぶた」で、この力が無ければ失血死の恐れが生じます。
他にも、専門家でないと説明しきれないくらいたくさんの種類の細胞が登場してきますが、最初からいろいろ知らなくても、自然と理解を深めることができると思うので、マンガでも、アニメでも読んだり見たりする価値は高いと思います。実写版では、さらにエンターテイメントの要素が強化されるでしょうから大変楽しみですね。