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2024年12月3日火曜日

変な家 (2024)

「この間取り図は変」という宣伝文句がまだ耳新しい映画。

もともとは、オカルト・ユーチューバーの雨穴(うけつ)によるYouTube動画が原作。これを本人が書籍化して大ヒットしました。「ブラックペアン」や「半沢直樹」の丑尾健太郎が脚本、「リーカルハイ」の石川淳一が監督しました。

ユーチューバーの雨宮は雨男(間宮祥太朗)と名乗りオカルト関連をアップロードして人気を得ましたが、最近はマンネリ気味で閲覧数は頭打ち。雨男をサポートする動画制作会社の柳岡(DJ松永)は、買うかどうか考えている家の間取り図を見せるのです。

その家の間取り図は見れば見るほど違和感があり、これはネタになると考えた雨宮は、知り合いの設計士、栗原(佐藤二朗)に図面を見せ意見を聞くことにしました。栗原は、2回の中心にある独房のような子供部屋、その下にあるキッチンに意図不明のすべて壁に囲まれた空間などを指摘し、「私なら絶対にこの家は買わない」というのでした。

雨宮は柳岡にそのことを伝えようとすると、先方から購入は中止したと連絡が入ります。その理由は、すぐ近く雑木林からバラバラの遺体が発見されたため気味が悪いというのでした。それから、雨宮の動画を見たという女性(川栄李奈)が雨宮に会いに来ました。

女性は発見された遺体は自分の夫で、この変な家に訪ねて行ってから行方不明になった、あの家に秘密があるはずだから一緒に調べて欲しいというのでした。しかし、実はもともとの家の住人だった片淵綾乃(瀧本美織)は、ずいぶん前に失踪した実の姉で、彼女は妹の柚希だったのです。

というわけで、原作となったYouTube動画は、柳岡が購入を断念したところで終わっているのですが、映画はここからが本題。間取り図が変な家で起こった殺人事件を設計士の探偵とユーチューバーの助手が解決する・・・というサスペンスのように見せかけて、しだいにオカルト調が強まってホラー映画のような展開をしていきます。

商業映画としては「何か変ですね。チャンチャン!」では終われませんから、それなりに盛り上げて派手な立ち回りがあって決着がつくのですが、ちゃんと不気味な余韻を残しているところはそれなりに出来ています。

綾乃と柚希の母親に斉藤由貴、片淵家の本家の人々に石坂浩二、根岸季衣、高嶋政伸といったなかなかのキャスティングです。いつもアドリブ満載でナンセンスが喋って歩いているような佐藤二朗が、比較的大人しく演技をしているのはちょっと新鮮。

ただ、サスペンスなのかホラーなのか、どっちつかず的な感じがやや残念なところです。謎解き的な部分も、一気に語らせてしまい終わり方がせわしいのもマイナス点になりそうです。まぁ、YoTubeを題材にしているところが今どきで、興味深いところということでしょうか。