山本崇一朗のマンガが原作で、中学の同級生のからかう高木さんとからかわれる西片との関係を描くラブコメです。この原作を基にしたドラマが2024年4月に放送され、ドラマでは最後に高木さんがフランスに渡り二人は別れるところで終わっています。
映画は、それから10年後のストーリーとなっていて、ドラマで中学生の二人を演じた月島琉衣と黒川想矢が、映画でも回想として登場します。ドラマから映画まで、一貫して作られていて、監督は「ちひろさん」の今泉力哉が担当しました。
舞台は小豆島。母校の体育教師になった西片(高橋文哉)は、高木さん(永野芽郁)からの10年ぶりの突然の電話に驚きます。これから行きたいと思っていた場所に3週間行く予定だと伝えられます。翌日、学校に行くとかつての担任、今は教頭になった田辺先生(江口洋介)から、明日から来る教育実習生の面倒を見るように言われます。
放課後、西片が教室を見回っていると掃除道具が出しっぱなしだったため、ロッカーを開けようとすると、中から元気に高木さんが飛び出してきました。明日からの実習生は私だからヨロシクと言われ、西片は中学の時ずっと高木さんにからかわれてずっと仕返しができずいたことを回想するのです。
イヤホンをの片方を渡され、一緒に音楽を聴くと恋人みたいだねと言われ、目を閉じてと言われてしばらくすると、遠くの方から何か期待した?とからかわれる。10年前と変わらずに、西片はからかわれてドギマギするのでした。
西片の学校で不登校になっている町田くんに接する態度に感心する高木さんでしたが、偶然町で絵を描いている町田君を誘い、彼が人との関係を面倒に思っていることを知ります。同級生の結婚式で、ブーケを手にしたのは高木さんでした。でも、プールに落としてしまい、西片は思わず水に飛び込んでブーケを拾い上げます。高木さんも、プールに飛び込んで返してもらうのでした。
映画単独でも十分に楽しめるようになっていますが、10年後のオリジナル・ストーリーにしたことで、原作を読んでいなくても問題はありません。マンガの実写版は、しばしばイメージが違うと批評されますが、物語の完結編として原作ファンにも受け入れやかかったのでしないでしょうか。
からかうというのは関心があるからで、高木さんは西片がずっとずっと気になっていたということ。からかわれている西片も積極的に嫌がるわけではなく、どちらも裏返しの存在ということ。言ってみれば、二人とも積極的に口に出すことを怖がっているということかもしれません。
はたから知っている人が見れば、もう何してんだよ、じっれったいなというところ。ドラマとしては、そのもやもやするところが面白いわけです。もっとも、中学生だから面白いわけで、大人になってそのままじゃ・・・というわけで、もじもじしなから少しずつ間が縮まっていくところが映画の話。最後のお互いの告白でパチパチということになります。