50~60年代にジャズの世界を活気づけたレコード会社のトップは、やはりBLUE NOTEだったのかもしれません。多くのヒット作を生み出し、今でも名盤と呼ばれる多くのアルバムが作られました。
この「Cool Struttin'」も、特に日本で人気が高かった一枚。一頃のジャズ喫茶でリクエストされる定番で、店ではすり切れたレコード盤を何度も買いなおすことがあったようです。わかりやすいテーマ、ファンキーなアドリブの競演、そしてのりのりになれるリズムは、何度聞いても飽きることがありません。
ソニー・クラークは、やはり薬物中毒で、わずか31歳で亡くなりました。20歳ごろから活動を開始し、50年代後半、BLU NOTEからリーダー作や伴奏での参加作品を、短い活動期間に多数録音しています。
ここでは、アート・ファーマー、ジャッキー・マクリーンの二人も、まさにファンキーにスイングし、リズムは鉄壁のポール・チェンバースとフィーリー・リー・ジョーンズが担当します。
街を行くタイトスカートでハイヒールを履いた女性の足だけの写真というジャケットも秀逸でインパクトがあります。ミュージシャンの顔だけのジャケットが多い中で、アルバムのかっこよさをこれほどうまく伝えた物はあまり記憶にありません。
オリジナルは全4曲で、今は追加曲も含まれる形で販売が続いていますが、廉価ボックスもいろいろあって、半世紀以上たっても入手しやすい一枚です。