2023年の1年間で販売された新車は478万台。軽自動車を除くと217万台です。月毎の国内新車販売台数ランキングで、ベスト10圏内に入った車を列挙してみました。()内の数字はランクインした月です。ヤリスやカローラは派生車種も含めての集計で、全部で15車種ありました。これらの販売台数は合計145万台で、2/3を占めています。
ヤリス(1~12) 年間1位
カローラ(1~12) 年間2位
シエンタ(1~12) 年間3位
ノート(1~4、6~12) 年間4位
ルーミー(1~5、8~12) 年間5位
アクア(1~3、5~7、9、11) 年間9位
ヴォクシー(1~10) 年間8位
ノア(1~11) 年間7位
フリード(1、3、6、7、12) 年間10位
アルファード(1) 年間17位
プリウス(2、4~12) 年間6位
ハリアー(2~5) 年間12位
セレナ(4~12) 年間11位
ライズ(8、12) 年間13位
ヴェゼル(10~12) 年間14位
トヨタのヤリス、カローラ、シエンタは年間通してベスト10に入り続けた(しかも、ほぼベスト3)のはさすがとしかいいようがない。基本的に、日本での車の需要を端的に表していると言えます。
つまり、200~300万円程度で購入できる大きすぎない自動車が最も売れるということ。この数年はSUVブームと言われますが、ランクインしたのはハリアー、ライズ、ヴェゼルだけで、さらに言えば本当の意味でSUVらしいのはハリアーだけです。ただし、年間のランキングで、11~50位の中の半分はSUVでした。
セダン不人気ということもいわれていて、確かにこの中には純粋なセダンはありません。カローラ・ファミリーのセダンがごく少数、後は一応プリウスも扱いはセダンになっているかもしれません。下位まで見ると年間50位にかろうじてカムリが登場するだけです(20位にクラウンが入りましたが、クロスオーバーとスポーツ)。
ワンボックスカーは相変わらず人気で、トヨタなら普及版のノア/ヴォクシーと高級版のアルファード(ヴェルファイヤー)、日産のセレナ、ホンダのフリードあたりはファミリー層のニーズあるものと思います。日産のドル箱はノートですが、不思議なことに5月だけベスト10から落ちていましたが原因は不明です。ホンダはフリードとヴェゼルが入りましたが、順位は不安定です。
PHEVはプリウスとハリアーにあるものの、販売台数からすれば微々たるものと思われるし、当然BEVもランク外になります。あらためて日本ではHEVの車種が豊富で、現実的な選択肢として選びやすいということを実感します。
ここで問題は、最近の新車購入時の納期遅延問題。各社、納期が長くなる傾向があり、例えば次の車検に合わせて買い替えたいと思ってもも、なかなか思惑通りに事が進みません。さらにトヨタの場合、ダイハツ、豊田織機と相次いだ不正問題が絡むので話は複雑になります。
ランクインしているルーミーとライズはダイハツが生産してるため、受注停止・出荷停止となっています。1~1.2Lのコンパクトバンという位置づけで、個人でも商用でも使い勝手が良く人気でした。買えなくなって困っている方は、若干ランクが上がりますが、ヤリスかシエンタに流れそう。ところが、シエンタはマイナーチェンジ前で現在受注停止が続いているので困ったものです。
トヨタは慢性的な納期遅れを改善する方策として、新規の車種の発売に際しては、単一グレードにして工場の生産ラインの効率化を図り、ある程度こなれてきた時点で上位あるいは下位グレードを追加するようになったらしい。とは言え、2023年の目玉だったクラウンは、クロスオーバー2.5LHEV、スポーツPHEV、セダンFCEVは買えますが、クロスオーバー2.4Lターボ、スポーツHEV、セダンHEVは早くも受注停止です。
ランキングに並んだ車は新規あるいはモデル・チェンジされ発売されてから1~2年くらいのものが多く、どれもがいくつかのグレードが併売され、ガソリン車、ハイブリッド車なども混在しています。トヨタだと現在まともに注文できるのは、ヤリス、プリウス、ハリアーくらいで、ほとんどに制限があります。
ホンダが納期は1か月から数か月程度に収まっていることを考えると、トヨタは受注停止が多く、買えるものも早くて数か月、半年から1年は当たり前という状況は消費者サイドとしては不満しかありませんね。